JP2004148646A - 金型の製造方法、導光板の製造方法、導光板、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】射出成形機に使用される金型の製造方法において、成形品の品質を保持しつつ、上記金型における製造時間の短縮化を可能とし、また再現性の高い、成形用金型の製造方法を提供する。
【解決手段】射出成形機に使用される金型の製造方法において、成形品の少なくとも一方の表面を成形する、前記金型のプレート表面形状を液滴吐出により作製することを特徴とする。上記金型の製造方法において、金型における製造時間の短縮化を可能とし、同一金型の作製を容易とし、また、高品質な金型を作製することを可能とすることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】射出成形機に使用される金型の製造方法において、成形品の少なくとも一方の表面を成形する、前記金型のプレート表面形状を液滴吐出により作製することを特徴とする。上記金型の製造方法において、金型における製造時間の短縮化を可能とし、同一金型の作製を容易とし、また、高品質な金型を作製することを可能とすることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための成形用金型に関する。また、本発明は、携帯型小型テレビ、ページャ、壁掛けテレビ、ノート型パソコンや携帯型ゲーム機の電気光学装置等に用いられる導光板やライトガイドなどの光学部材に関する。
【0002】
【背景技術】
プラスチック成形品は、自動車部品、電気、電子部品、日用品、雑貨などとして、家庭内外で広範囲に使用されている。上記プラスチック成形品の生産における重要な要素は、高品質、自動化の容易さ、生産性の高さなどが挙げられる。この観点から、プラスチックの成形法には種々の方法があるが、射出成形は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂とともに代表的な成形法として知られている。
【0003】
射出成形を行うには、射出成形機を用いる。射出成形機の心臓部にあたる位置に取り付けられる成形用金型によって、所望の形状のプラスチック成形品を製造する。射出成形機は、成型用金型の他に、プラスチック材料を溶融し射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。また、成形用金型は、溶融樹脂通路(スプール、ランナー)、成形品が形成される金型内部空間(キャビティ、コア)、離型機構、温度調節機構、成形機に取り付ける機構(ダイセット)から構成されている。
【0004】
上記射出成形機を用いた成形工程は、一般的に以下のとおりである。まず、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料がホッパーから加熱シリンダーへ落下する。スクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル側に蓄積され、スクリューはシリンダー内を後退し、必要量を計量する。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料は金型内に射出され、金型内で冷却される。冷却が完了すれば、型を開き、成形品が取り出され、1サイクルが完了する。
【0005】
上記の工程で製作された成形品としては種々の製品が製作されるが、電気光学装置の一種である液晶表示装置の光学部材も、上述したような成形品として製作される。成形品は、例えば、導光板やライトガイドなどが挙げられる。
【0006】
上記、導光板やライトガイドは、液晶表示装置のバックライトユニットを構成する光学部材の一種である。導光板やライトガイドは、光源、例えば、冷陰極蛍光ランプやLED(発光ダイオード)から入射した光を、本体内部に導光させながら、出射表面全体から光を出射させ、液晶表示パネルに照明光を照射している。そのため、導光板やライトガイドから出射される光は、ばらつきのない、均一な特性が要求されている。
【0007】
従来、上記導光板やライトガイドなどの光学部品を成形するにあたって、成形に用いる金型のキャビティ面に、所望の形状が対応するように加工を行っている。この加工方法は、例えば、キャビティ面の全面にシボ加工を施したり、キャビティ面の所定位置に所望の形状に対応する処理、例えば、粗面化や凹凸を形成することなどが行われるようになった。
【0008】
ここで、上記キャビティ面上のパターニング処理について、従来技術を下記に示す。
【0009】
一例として、フォトレジストを用いた方法がある。これは、所望のパターンを有したマスクを形成し、フォトリソグラフィ工程を経て、エッチングやブラスト処理を行う。そして、上記パターンに対応するキャビティ面上に凹凸を設けたり、粗面化したりする方法である。また、ホーニング加工によってキャビティ面の所定の位置に凹凸を設けたり、粗面化する方法がある。また、他の例として、プラスチックよりなるマスクシートを用いて、上記マスクシートの上からエッチング処理やブラスト処理を行って、キャビティ面の所望の位置に凹凸を設けたり、粗面化したりする方法などが行われている。
【0010】
なお、フォトリソグラフィ工程を用いる導光板の製造方法としては、下記の内容のものが知られている。下記導光板の製造方法は、フォトリソグラフィ法を用いて、レジストパターン部を形成し、次に、エッチング処理にて、レジストパターン部が凹部になるような金属板を作製する。そして、プラスチック板を上記金属板で挟み込み、加熱および真空プレスを実施することにより、導光板を作製する方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−60920号公報(第1頁―第2頁、
【図1】)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、導光板の成形に関して、金型のキャビティ面上に、例えば、多数の光拡散部を設けようとするとき、上述したような加工方法では、非常に長い時間を必要とする。つまり、導光板の光出射面の各位置から出射される光の輝度を均一にするためには、光拡散部の密度や大きさを調節することが必要となる。このように光拡散部の密度や大きさなどを調節する場合、さらに金型製造が困難になり、非常に長い時間を要するのである。つまり、従来技術を用いて導光板用の金型製造を実施することは、製造工程に長時間必要とするため、生産性が低いという問題点があげられている。
【0012】
また、上記導光板の表面形状は、主にドット形状やプリズム形状などが用いられている。特にプリズム形状は、光学特性が良好といわれているが、上記成形法のみで製造することは困難である。したがって、プリズム形状を有する導光板の製造においては、導光板の主要部のみを成形し、プリズム形状を作製するには、別工程を必要としてしまう。
【0013】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、成形品である導光板などの光学部品の品質を保持しつつ、上記金型における製造時間の短縮化を可能とし、また再現性の高い、成形用金型の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、射出成形機に使用される金型の製造方法において、上記金型の少なくとも一方のプレート表面形状をノズルからの液滴吐出により作製する。本発明は、ノズルからの液滴吐出を使用しているため、従来のフォトリソグラフィ工程を用いたエッチング法またはブラスト法などと比較して、工程数を減らすことができる。したがって、本発明は、安価な金型を作製することができる。
【0015】
上記金型の製造方法において、上記プレート表面上に、液滴吐出によりエッチング液を塗布して直接エッチング処理を実施することができる。要するに、フォトレジスト塗布工程および露光工程を実施しなくても、エッチング処理を実施することができるのである。
【0016】
上記金型の製造方法の一態様では、上記エッチング処理で用いるエッチング液の吹き付け量を、順次、増加または減少させながら、上記プレート表面形状を作製することができる。つまり、上記エッチング処理で用いるエッチング液の吹き付け量を変化させながら、表面形状を作製することができるため、所望の形状を容易に作製することができる。
【0017】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記プレート表面は、ドット形状を有することが好ましい。上記ドット形状を有する金型により成形される成形品が、例えば導光板であるならば、上記導光板は光拡散部を有することができる。
【0018】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記ドット形状は順次異なるように作製されていることが好ましい。上述したように、順次異なるように作製されたドット形状を有する金型により成形される成形品が、例えば、導光板であるならば、上記導光板は、エッジライト方式を有するバックライト方式において、均一な光を出射することができる。
【0019】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記プレート表面は、プリズム形状を有することができる。上記プリズム形状を有する金型により成形される成形品が、例えば導光板であるならば、上記導光板は効率の良い光拡散部を有することができる。
【0020】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記プリズム形状は順次異なるように作製されていることが好ましい。上述したように、順次異なるように作製されたプリズム形状を有する金型により成形される成形品が、例えば、導光板であるならば、上記導光板は、エッジライト方式を有するバックライト方式において、効率がよく、均一な光を出射することができる。
【0021】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記液滴吐出は、予めコンピュータに入力保持されたプログラムにしたがって実行されることが好ましい。上記プログラムにしたがって金型を作製することができるため、同じ金型を再現性良く製造することができる。したがって、本発明の金型の製造方法は、金型を安価に提供することができるのである。
【0022】
本発明の他の観点では、導光板の製造方法は、上記金型の製造方法により製造された金型を使用する。上記導光板の製造方法は、本発明による安価な金型を使用するため、安価な導光板を提供することができる。
【0023】
上記導光板において、上記導光板の光出射面におけるドット形状の深さまたは直径が、5μmから50μmの値を有することが好ましい。上記値を有するドット形状が設けられた導光板は、光効率が良く、高品質である。
【0024】
上記導光板の一態様では、上記導光板の光出射面におけるプリズム形状の深さ方向が、5μmから50μmの値を有することが好ましい。上記値を有するプリズム形状が設けられた導光板は、光効率が良く、高品質である。
【0025】
本発明の他の観点では、電気光学物質を有するパネルと、上記導光板と、を有する電気光学装置を構成することができる。上記電気光学物質を有するパネルは、例えば、液晶パネルとすることができる。上記液晶用パネルは、STN(Super Twisted Nematic)モード、TFT−LCD(Thin Film Transistor Crystal Display)およびTFD−LCD(Thin Film Dynode Crystal Display)などを用いてもよい。
【0026】
さらに、上記電気光学装置を表示部として備える電子機器を構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0028】
本実施形態は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための射出成形用金型に関するものである。また、本実施形態による成形用金型は、液晶表示装置に用いられる導光板またはライトガイドに関するものである。以下、本実施形態について、詳細を説明するが、本発明の範囲は以下に述べる実施形態に限定されるものではない。
【0029】
[実施形態]
本実施形態は、射出成形機に使用される金型の製造方法において、成形品の少なくとも一方の表面を成形する、上記金型のキャビティの表面形状を、液滴吐出により作製することを特徴とする。
【0030】
(射出成形機の構造)
本発明の金型を有する射出成形機の例として、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の構造を図1に示す。但し、本発明の金型は他の射出成形機に適用することも可能である。
【0031】
上記射出成形機は、プラスチック材料を溶かし射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。射出方式は、例えば、インラインスクリュー方式、プランジャー方式、スクリュープリプラ方式などが挙げられる。型締方式は、例えば、直圧方式、トグル方式、複合方式などが挙げられる。駆動方式は、油圧方式、電動方式、空気圧方式などが挙げられる。機械形態としては、横型、縦型、縦横複合型、複数型などが挙げられる。この中で、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100は現在、主流になっている。
【0032】
上記横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の主要部分について、説明する。
【0033】
図1において、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料を保存しているホッパー1から、プラスチック材料が加熱された射出シリンダー2へ落下する。射出シリンダー2内のスクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル側に蓄積され、スクリューが射出シリンダー2内を後退することにより、必要量の可塑化材料が計量される。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料はノズルを通じて金型3内に射出される。そして、金型3内の可塑化材料を冷却することにより成形品を製作する。
【0034】
上記成形品を作製するために重要であるのが、金型3である。金型内部空間において、成形品が作製されるのである。上記金型内部空間を構成しているのは、コア(雄型)プレートと、キャビティ(雌型)プレートである。両プレートの間に形成される空間に樹脂が供給され、成形品が作製されるようになっている。
【0035】
上記金型のキャビティ表面形状は、液滴吐出による金型製造方法を用いて作製されている。キャビティの表面形状は、直接、その表面にエッチング処理を実施することにより作製されている。要するに、上記エッチング処理は、露光工程などの前処理を実施することなく、また、細密マスクを作製する必要もない。キャビティの表面形状は、プログラム設計がなされている。上記プログラム設計は、液滴吐出のヘッドから、エッチング溶液を必要とする領域のみ、直接キャビティ表面に上記エッチング溶液を吐出し、エッチング処理を実施することができるように設定されている。上記エッチング溶液は、例えば、塩化第2鉄液を用いて、処理を実施することができる。また、上記エッチング溶液量は、順次、増加または減少させながら、キャビティの表面形状を作製することができる。本発明による金型の製造方法を用いると、必要な溶剤は、エッチング溶液および洗浄液となり、工程数も少なくなるため、低コストの製造方法となる。また、本発明は、液滴吐出を用いて作製しているため、このキャビティの表面上に、ドット形状またはプリズム形状などを効率良く作製することができる。
【0036】
本発明は、液滴吐出を用いることにより、微量のエッチング溶液の液滴サイズのばらつきなく精度良く生成できるため、良好なパターン形状を得ることができる。つまり、本発明は、吐出の角度精度と安定性に優れた液滴吐出のヘッドを使用することができるため、所望のパターン形状を、高品質かつ容易に作製することができるのである。したがって、本発明による金型の製造方法を用いることによって製造された金型は、微細な加工を必要とする成形品、例えば、導光板などを作製することできる。
【0037】
(金型の製造方法)
図2(a)は、比較のために従来技術による金型作製フローチャートを示し、図2(b)は、本発明による金型作製フローチャートを示す。
【0038】
まず、図2(a)に示す、従来技術による金型作製フローチャートの例について説明する。
【0039】
工程Pa1において、導光板の設計構造を検討するため、パターンシミュレーションを実施する。
【0040】
次に、工程Pa2とPa3において、パターン設計とマスキング設計を実施する。
【0041】
工程Pa4において、細密マスクを設計する。上記細密マスクは、例えば、プラスチック製のマスクシートや、ガラス製のフォトリソマスクなどが用いられる。上記細密マスクは、高精細の設計ルールを有するため、上記細密マスクの設計時間には、長時間を必要とする。つまり、従来技術による金型製造は、特に、細密マスクの設計に長時間を有するため、作業効率が良好とは言い難いのである。
【0042】
さらに、工程Pa5において、実際にキャビティの製作を実施する。上述したように、細密マスクは、プラスチック製のマスクシートや、ガラス製のフォトリソマスクなどが挙げられる。例えば、プラスチック製のマスクシートを使用し、金型を作製する場合は、ブラスト処理やエッチング処理が実施される。この場合、上記マスクシートは、接着剤等により、金型の平坦なキャビティ面上に接着される。そして、マスクシートに設けられた孔の周囲、要するに、マスクシートにより金型表面が覆われている領域は、エッチング処理やブラスト処理が実施されないように保護され、マスクシートに設けられた孔に対応して、上記キャビティ面の形状が作製される。また、ガラス製のフォトリソマスクを使用し、金型を作製する場合も、エッチング処理やブラスト処理が実施される。この場合は、金型の平坦な表面に、レジストを塗布し、露光および現像工程を実施する。そして、レジスト層が塗布されている領域は、エッチング処理やブラスト処理が実施されないように保護され、レジスト層がない領域のみ、上記処理が実施され、キャビティ面の形状が作製される。
【0043】
そして、工程Pa6において、作製された金型の評価を実施する。
【0044】
図2(b)に示す、本発明による金型作製フローチャートについて説明する。
【0045】
工程Pb1において、導光板の設計構造を検討するため、パターンシミュレーションを実施する。
【0046】
次に、工程Pb2では、パターン設計を実施する。さらに、検討されたパターン設計を用いて、工程Pb3は、パターンプログラム設計を行う。
【0047】
次に、工程Pb4では、液滴吐出によって、実際にキャビティ製作を実施する。上記キャビティの表面形状は、直接、その表面にエッチング処理を行うことにより作製されている。要するに、露光工程などの前処理を実施することなく、また、細密マスクを作製する必要もない。上記工程Pb3において、キャビティの表面形状は、パターンプログラム設計をされているため、この内容に従って、液滴吐出ヘッドから、エッチング溶液が必要な領域のみに吐出されるようになっているのである。このときの液滴吐出ヘッドには、キャビティ表面を酸およびアルカリ溶剤にて、化学的にエッチング処理を実施するため、ポリフッ化エチレン系樹脂などを使用するのが好ましい。また、このときのエッチング溶液は、塩化第2鉄液などを用いることができる。
【0048】
液滴吐出は、上記液滴吐出ヘッドから吐出されるエッチング溶液量を調節することによって、キャビティ表面形状を自在に作製することができる。要するに、例えば、キャビティ表面に作製されるドット形状が、小さい径を有する場合、上記エッチング溶液量は、少量で行われ、ドット形状が、大きい径を有する場合、上記エッチング溶液量は、多くなるのである。また、例えば、キャビティ表面に作製されるプリズム形状が細い場合、上記エッチング溶液量は、少量で行われ、太くなるにつれ、上記エッチング溶液量は、多くなっていくのである。
【0049】
本発明は、液滴吐出によってキャビティを製造するため、マスク等を使用することなく、必要な領域のみにエッチング溶液を吐出することによって、所望の形状を作製することができる。要するに、本発明は、液滴吐出を用いることにより、微量のエッチング溶液の液滴サイズのばらつきなく精度良く生成できるため、良好なパターン形状を得ることができるのである。
【0050】
従来技術であるフォトリソグラフィ法などを用いて、金型を製造する場合ならば、表面にレジストを塗布し、露光および現像工程を実施し、その後エッチング処理を実施し、レジスト剥離および洗浄工程を必要とする。しかし、本発明における金型の製造方法は、液滴吐出を用いているため、エッチング処理と洗浄工程のみで、キャビティを製造することができる。また、上述したようにドット形状やプリズム形状を一度のエッチング処理で所望の形状に作製することができる。
【0051】
したがって、本発明による金型製造方法を用いることによって、短時間で、かつ、高品質の金型を製造することができる。
【0052】
そして、工程Pa5において、作製された金型の評価を実施する。
【0053】
(本発明の金型によって作製された導光板)
図3および図4は、本発明による金型製造の主要部と金型の一例を示す。
【0054】
図3(a)は、ドット形状を有する導光板の金型を製造する主要部を示す。また、図3(b)は、本発明による金型の平面図を示し、図3(c)は、図3(b)に示すA−A’に対応した断面図を示している。
【0055】
図3に示したドット形状4は、端部から順番にドット形状4が大きくなっている設計ルールを有している。上記設計ルールには、導光板の光出射面の各位置から出射される光の輝度を均一にするためのドットの密度や大きさが考慮されているのである。
【0056】
従来技術の一例であるフォトリソグラフィ法では、一度の工程で、ドット形状、特に、深さ方向を、各領域において調節することは困難である。
【0057】
しかし、図3(a)に示すように、液滴吐出を用いて、金型を製造することにより、一度のエッチング処理のみで、ドット形状4を自在に変化させることが可能となる。これは、液滴吐出ヘッドから吐出されるエッチング溶液量を調節することによって可能となる。例えば、ドット形状4が小さい径を有する場合、エッチング溶液量は、少量で行われ、ドット形状4が大きい径を有するにつれ、エッチング溶液量は、多くなっていくのである。このように、調節されたエッチング条件に基づいて、金型3aに、液滴吐出ヘッドから、エッチング処理を実施する領域のみに、エッチング溶液を吐出し、所望の金型3aを作製することができる。
【0058】
図(4)は、プリズム形状を有する導光板の金型を製造する主要部を示す。また、図4(b)は、本発明による金型の平面図を示し、図4(c)は、図4(b)に示すB―B’に対応した断面図を示している。
【0059】
図4に示したプリズム形状5は、端部から順番にプリズム形状5が大きくなっている設計ルールを有している。上記設計ルールには、導光板の光出射面の各位置から出射される光の輝度を均一にし、かつ高輝度化を図るためのプリズム形状が考慮されているのである。
【0060】
従来技術では、成形工程のみでプリズム形状を作製することは困難である。しかし、図4(a)に示すように、液滴吐出を用いて、金型を製造することにより、一度のエッチング処理のみで、良好なプリズム形状5を自在に変化させることは可能となる。これは、液滴吐出ヘッドから吐出されるエッチング溶液量を調節することによって可能である。例えば、プリズム形状5が細い線を有する場合、エッチング溶液量は、少量で行われ、プリズム形状5が太くなるにつれ、エッチング溶液量は、多くなっていくのである。このように、調節されたエッチング条件に基づいて、金型3bに、液滴吐出ヘッドから、エッチング処理を実施する領域のみに、エッチング溶液を吐出し、所望の金型3bを作製することができる。
【0061】
したがって、本発明による金型の製造方法を使用することにより、従来技術のように金型製造に時間を費やすことなく、短時間で、所望の金型を作製することができる。
【0062】
(成形工程)
図5に、本実施形態による金型3を用いた成形工程を示す。
【0063】
工程P1において、型締めを実施する。つまり、金型3を高圧に締め、射出圧力で開かないようにする。
【0064】
次に、工程P2において、射出を実施する。射出シリンダー2が前進し、金型3のスプールに加熱筒のノズルが当たる。そして、射出シリンダー2内の溶融樹脂を金型3内に高圧・高速で、射出する。
【0065】
射出停止後、工程P3において、射出シリンダー内の圧力を高圧のまま保持し、成形品の冷却をする。
【0066】
成形品の冷却後、工程P4において、金型を開く。
【0067】
工程P5において、成形品を金型から突き出す。同時にスプールおよびランナー内の固化した樹脂材料も排出する。
【0068】
以上の成形工程により、1サイクルの工程が終了する。
【0069】
本発明によって製造された金型を用いているため、上記成形工程にて作製された成形品は、所望の形状を有した導光板を作製することができる。本発明は、例えば、導光板上に設けられたドット形状の径が、端部から順番に大きくなるという設計パターンや、導光板上に設けられたプリズム形状の大きさが、端部から順番に大きくなるという設計パターンという複雑な形状を精度良く、金型に製造することができる。したがって、本発明は、金型製造の時間を短縮化し、成形品の品質を向上させることのできる金型を製造することができるのである。
【0070】
(液晶表示装置)
図6に本実施形態を用いた液晶表示装置400の断面図を示す。液晶表示装置400は、大きく分けて液晶表示パネル300とバックライトユニット200で構成されている。
【0071】
まず、液晶表示パネル300の構成について説明する。
【0072】
ガラスなどの絶縁性基板109a、109bの表面に透明電極膜110a、110bがそれぞれ形成されると共に、液晶分子を一定の方向に配向させる図示しない配向膜がさらに設けられる。2枚の絶縁性基板109a、109bは、図示しないスペーサーにより一定の間隔を保持しながら、上述の透明電極膜110a、110bが対向するように、その周囲をシール材116により貼着される。2枚の絶縁性基板109a、109bの隙間に液晶材料が封入されることにより、液晶層111が2枚の絶縁性基板109a、109bにより挟持される。さらに、絶縁性基板109a、109bの外側には、それぞれ偏光板112a、112bや位相差板113a、113bが貼着され、これらにより液晶表示パネル300が形成されている。なお、絶縁性基板109aには、スイッチング素子などが形成されていても良い。
【0073】
上記透明電極膜110a、110bに電圧が印加されることにより、その間に挟持されている液晶分子の配列が変化し、偏光板112a、112bの吸収軸の方向と共にバックライトユニット200からの光の透過および不透過が制御され、所望の表示を得ることができる。
【0074】
バックライトユニット200は、本実施形態による金型3によって成形された導光板117を配置している。上記バックライト200は、導光板117と光源であるLED118によりバックライトが構成されている。上記導光板117は、本発明による金型製造を用いた金型3によって、成形されているので、安価で、高品質な導光板117となる。
【0075】
[液晶表示パネルの製造方法]
次に、図6に示した液晶表示パネル300を製造する方法について、図7を参照して説明する。図7は、液晶表示パネル300の製造工程を示すフローチャートである。
【0076】
まず、基板109aを製作し(工程S1)、透明導電膜110aをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110aを形成する(工程S2)。さらに透明電極膜110a上に図示しない配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S3)。
【0077】
一方、基板109bを製造する(工程S4)。さらに、赤色カラーフィルタ114a、緑色カラーフィルタ114b、青色カラーフィルタ114cの上に設けられたオーバーコート層115の上に透明導電膜110bをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110bを形成する(工程S5)。その後、透明電極膜110b上に図示しないポリイミド樹脂などからなる配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S6)。
【0078】
そして、シール材116を介して、上記の基板109aと基板109bを貼り合わせて、パネル構造を構成する(工程S7)。基板109aと基板109bとは、基板間に分散配置された図示しないスペーサーなどによって、ほぼ規定の基板間隔となるように貼り合わせられる。
【0079】
その後、シール材116の図示しない開口部から液晶111を封入し、シール材の開口部を紫外線硬化性樹脂などの封止材によって封止する(工程S8)。こうして主要なパネル構造が完成した後に、位相差板113a、113bや偏光板112a、112b等を必要に応じてパネル構造の外面上に貼着などの方法によって取り付け(工程S9)、図6に示す液晶表示パネル300が完成する。
【0080】
[電子機器]
図8は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶表示装置400と、これを制御する制御手段410を有する。ここでは、液晶表示装置400を、パネル構造体400Aと、半導体ICなどで構成される駆動回路400Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
【0081】
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
【0082】
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路400Bへ供給する。駆動回路400Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0083】
次に、本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器の具体例について図9を参照して説明する。
【0084】
まず、本発明に係る液晶表示装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図9(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ510は、キーボード511を備えた本体部512と、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部513とを備えている。
【0085】
続いて、本発明に係る液晶表示装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図9(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機520は、複数の操作ボタン521のほか、受話口522、送話口523とともに、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部524を備える。
【0086】
なお、本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器としては、図9(a)に示したパーソナルコンピュータや図9(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【0087】
[変形例]
また、本発明の電気光学装置は、パッシブマトリクス型の液晶表示パネルだけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関る横型インラインスクリュー式射出成形機の図を示す。
【図2】(a)従来技術による金型作製フローチャートを示す。
(b)本発明による金型作製フローチャートを示す。
【図3】(a)本発明による金型作製の主要図を示す。
(b)本発明に係る金型の平面図を示す。
(c)本発明に係る金型の断面図を示す。
【図4】(a)本発明による金型作製の主要図を示す。
(b)本発明に係る金型の平面図を示す。
(c)本発明に係る金型の断面図を示す。
【図5】本発明の係る金型を用いた成形工程を示す。
【図6】本発明を適用した成形品を用いた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した液晶表示パネルの製造工程を示す図である。
【図8】本発明を適用した液晶表示装置を利用する電子機器の構成を示す。
【図9】本発明を適用した液晶表示装置を備えた電子機器の例を示す。
【符号の説明】
1 ホッパー
2 射出シリンダー
3 金型
4 ドット
5 プリズム
6 液滴吐出ヘッド
100 横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機
117 導光板
200 バックライトユニット
300 液晶表示パネル
400 液晶表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための成形用金型に関する。また、本発明は、携帯型小型テレビ、ページャ、壁掛けテレビ、ノート型パソコンや携帯型ゲーム機の電気光学装置等に用いられる導光板やライトガイドなどの光学部材に関する。
【0002】
【背景技術】
プラスチック成形品は、自動車部品、電気、電子部品、日用品、雑貨などとして、家庭内外で広範囲に使用されている。上記プラスチック成形品の生産における重要な要素は、高品質、自動化の容易さ、生産性の高さなどが挙げられる。この観点から、プラスチックの成形法には種々の方法があるが、射出成形は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂とともに代表的な成形法として知られている。
【0003】
射出成形を行うには、射出成形機を用いる。射出成形機の心臓部にあたる位置に取り付けられる成形用金型によって、所望の形状のプラスチック成形品を製造する。射出成形機は、成型用金型の他に、プラスチック材料を溶融し射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。また、成形用金型は、溶融樹脂通路(スプール、ランナー)、成形品が形成される金型内部空間(キャビティ、コア)、離型機構、温度調節機構、成形機に取り付ける機構(ダイセット)から構成されている。
【0004】
上記射出成形機を用いた成形工程は、一般的に以下のとおりである。まず、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料がホッパーから加熱シリンダーへ落下する。スクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル側に蓄積され、スクリューはシリンダー内を後退し、必要量を計量する。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料は金型内に射出され、金型内で冷却される。冷却が完了すれば、型を開き、成形品が取り出され、1サイクルが完了する。
【0005】
上記の工程で製作された成形品としては種々の製品が製作されるが、電気光学装置の一種である液晶表示装置の光学部材も、上述したような成形品として製作される。成形品は、例えば、導光板やライトガイドなどが挙げられる。
【0006】
上記、導光板やライトガイドは、液晶表示装置のバックライトユニットを構成する光学部材の一種である。導光板やライトガイドは、光源、例えば、冷陰極蛍光ランプやLED(発光ダイオード)から入射した光を、本体内部に導光させながら、出射表面全体から光を出射させ、液晶表示パネルに照明光を照射している。そのため、導光板やライトガイドから出射される光は、ばらつきのない、均一な特性が要求されている。
【0007】
従来、上記導光板やライトガイドなどの光学部品を成形するにあたって、成形に用いる金型のキャビティ面に、所望の形状が対応するように加工を行っている。この加工方法は、例えば、キャビティ面の全面にシボ加工を施したり、キャビティ面の所定位置に所望の形状に対応する処理、例えば、粗面化や凹凸を形成することなどが行われるようになった。
【0008】
ここで、上記キャビティ面上のパターニング処理について、従来技術を下記に示す。
【0009】
一例として、フォトレジストを用いた方法がある。これは、所望のパターンを有したマスクを形成し、フォトリソグラフィ工程を経て、エッチングやブラスト処理を行う。そして、上記パターンに対応するキャビティ面上に凹凸を設けたり、粗面化したりする方法である。また、ホーニング加工によってキャビティ面の所定の位置に凹凸を設けたり、粗面化する方法がある。また、他の例として、プラスチックよりなるマスクシートを用いて、上記マスクシートの上からエッチング処理やブラスト処理を行って、キャビティ面の所望の位置に凹凸を設けたり、粗面化したりする方法などが行われている。
【0010】
なお、フォトリソグラフィ工程を用いる導光板の製造方法としては、下記の内容のものが知られている。下記導光板の製造方法は、フォトリソグラフィ法を用いて、レジストパターン部を形成し、次に、エッチング処理にて、レジストパターン部が凹部になるような金属板を作製する。そして、プラスチック板を上記金属板で挟み込み、加熱および真空プレスを実施することにより、導光板を作製する方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−60920号公報(第1頁―第2頁、
【図1】)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、導光板の成形に関して、金型のキャビティ面上に、例えば、多数の光拡散部を設けようとするとき、上述したような加工方法では、非常に長い時間を必要とする。つまり、導光板の光出射面の各位置から出射される光の輝度を均一にするためには、光拡散部の密度や大きさを調節することが必要となる。このように光拡散部の密度や大きさなどを調節する場合、さらに金型製造が困難になり、非常に長い時間を要するのである。つまり、従来技術を用いて導光板用の金型製造を実施することは、製造工程に長時間必要とするため、生産性が低いという問題点があげられている。
【0012】
また、上記導光板の表面形状は、主にドット形状やプリズム形状などが用いられている。特にプリズム形状は、光学特性が良好といわれているが、上記成形法のみで製造することは困難である。したがって、プリズム形状を有する導光板の製造においては、導光板の主要部のみを成形し、プリズム形状を作製するには、別工程を必要としてしまう。
【0013】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、成形品である導光板などの光学部品の品質を保持しつつ、上記金型における製造時間の短縮化を可能とし、また再現性の高い、成形用金型の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、射出成形機に使用される金型の製造方法において、上記金型の少なくとも一方のプレート表面形状をノズルからの液滴吐出により作製する。本発明は、ノズルからの液滴吐出を使用しているため、従来のフォトリソグラフィ工程を用いたエッチング法またはブラスト法などと比較して、工程数を減らすことができる。したがって、本発明は、安価な金型を作製することができる。
【0015】
上記金型の製造方法において、上記プレート表面上に、液滴吐出によりエッチング液を塗布して直接エッチング処理を実施することができる。要するに、フォトレジスト塗布工程および露光工程を実施しなくても、エッチング処理を実施することができるのである。
【0016】
上記金型の製造方法の一態様では、上記エッチング処理で用いるエッチング液の吹き付け量を、順次、増加または減少させながら、上記プレート表面形状を作製することができる。つまり、上記エッチング処理で用いるエッチング液の吹き付け量を変化させながら、表面形状を作製することができるため、所望の形状を容易に作製することができる。
【0017】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記プレート表面は、ドット形状を有することが好ましい。上記ドット形状を有する金型により成形される成形品が、例えば導光板であるならば、上記導光板は光拡散部を有することができる。
【0018】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記ドット形状は順次異なるように作製されていることが好ましい。上述したように、順次異なるように作製されたドット形状を有する金型により成形される成形品が、例えば、導光板であるならば、上記導光板は、エッジライト方式を有するバックライト方式において、均一な光を出射することができる。
【0019】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記プレート表面は、プリズム形状を有することができる。上記プリズム形状を有する金型により成形される成形品が、例えば導光板であるならば、上記導光板は効率の良い光拡散部を有することができる。
【0020】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記プリズム形状は順次異なるように作製されていることが好ましい。上述したように、順次異なるように作製されたプリズム形状を有する金型により成形される成形品が、例えば、導光板であるならば、上記導光板は、エッジライト方式を有するバックライト方式において、効率がよく、均一な光を出射することができる。
【0021】
上記金型の製造方法の他の一態様では、上記液滴吐出は、予めコンピュータに入力保持されたプログラムにしたがって実行されることが好ましい。上記プログラムにしたがって金型を作製することができるため、同じ金型を再現性良く製造することができる。したがって、本発明の金型の製造方法は、金型を安価に提供することができるのである。
【0022】
本発明の他の観点では、導光板の製造方法は、上記金型の製造方法により製造された金型を使用する。上記導光板の製造方法は、本発明による安価な金型を使用するため、安価な導光板を提供することができる。
【0023】
上記導光板において、上記導光板の光出射面におけるドット形状の深さまたは直径が、5μmから50μmの値を有することが好ましい。上記値を有するドット形状が設けられた導光板は、光効率が良く、高品質である。
【0024】
上記導光板の一態様では、上記導光板の光出射面におけるプリズム形状の深さ方向が、5μmから50μmの値を有することが好ましい。上記値を有するプリズム形状が設けられた導光板は、光効率が良く、高品質である。
【0025】
本発明の他の観点では、電気光学物質を有するパネルと、上記導光板と、を有する電気光学装置を構成することができる。上記電気光学物質を有するパネルは、例えば、液晶パネルとすることができる。上記液晶用パネルは、STN(Super Twisted Nematic)モード、TFT−LCD(Thin Film Transistor Crystal Display)およびTFD−LCD(Thin Film Dynode Crystal Display)などを用いてもよい。
【0026】
さらに、上記電気光学装置を表示部として備える電子機器を構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0028】
本実施形態は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための射出成形用金型に関するものである。また、本実施形態による成形用金型は、液晶表示装置に用いられる導光板またはライトガイドに関するものである。以下、本実施形態について、詳細を説明するが、本発明の範囲は以下に述べる実施形態に限定されるものではない。
【0029】
[実施形態]
本実施形態は、射出成形機に使用される金型の製造方法において、成形品の少なくとも一方の表面を成形する、上記金型のキャビティの表面形状を、液滴吐出により作製することを特徴とする。
【0030】
(射出成形機の構造)
本発明の金型を有する射出成形機の例として、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の構造を図1に示す。但し、本発明の金型は他の射出成形機に適用することも可能である。
【0031】
上記射出成形機は、プラスチック材料を溶かし射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。射出方式は、例えば、インラインスクリュー方式、プランジャー方式、スクリュープリプラ方式などが挙げられる。型締方式は、例えば、直圧方式、トグル方式、複合方式などが挙げられる。駆動方式は、油圧方式、電動方式、空気圧方式などが挙げられる。機械形態としては、横型、縦型、縦横複合型、複数型などが挙げられる。この中で、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100は現在、主流になっている。
【0032】
上記横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の主要部分について、説明する。
【0033】
図1において、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料を保存しているホッパー1から、プラスチック材料が加熱された射出シリンダー2へ落下する。射出シリンダー2内のスクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル側に蓄積され、スクリューが射出シリンダー2内を後退することにより、必要量の可塑化材料が計量される。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料はノズルを通じて金型3内に射出される。そして、金型3内の可塑化材料を冷却することにより成形品を製作する。
【0034】
上記成形品を作製するために重要であるのが、金型3である。金型内部空間において、成形品が作製されるのである。上記金型内部空間を構成しているのは、コア(雄型)プレートと、キャビティ(雌型)プレートである。両プレートの間に形成される空間に樹脂が供給され、成形品が作製されるようになっている。
【0035】
上記金型のキャビティ表面形状は、液滴吐出による金型製造方法を用いて作製されている。キャビティの表面形状は、直接、その表面にエッチング処理を実施することにより作製されている。要するに、上記エッチング処理は、露光工程などの前処理を実施することなく、また、細密マスクを作製する必要もない。キャビティの表面形状は、プログラム設計がなされている。上記プログラム設計は、液滴吐出のヘッドから、エッチング溶液を必要とする領域のみ、直接キャビティ表面に上記エッチング溶液を吐出し、エッチング処理を実施することができるように設定されている。上記エッチング溶液は、例えば、塩化第2鉄液を用いて、処理を実施することができる。また、上記エッチング溶液量は、順次、増加または減少させながら、キャビティの表面形状を作製することができる。本発明による金型の製造方法を用いると、必要な溶剤は、エッチング溶液および洗浄液となり、工程数も少なくなるため、低コストの製造方法となる。また、本発明は、液滴吐出を用いて作製しているため、このキャビティの表面上に、ドット形状またはプリズム形状などを効率良く作製することができる。
【0036】
本発明は、液滴吐出を用いることにより、微量のエッチング溶液の液滴サイズのばらつきなく精度良く生成できるため、良好なパターン形状を得ることができる。つまり、本発明は、吐出の角度精度と安定性に優れた液滴吐出のヘッドを使用することができるため、所望のパターン形状を、高品質かつ容易に作製することができるのである。したがって、本発明による金型の製造方法を用いることによって製造された金型は、微細な加工を必要とする成形品、例えば、導光板などを作製することできる。
【0037】
(金型の製造方法)
図2(a)は、比較のために従来技術による金型作製フローチャートを示し、図2(b)は、本発明による金型作製フローチャートを示す。
【0038】
まず、図2(a)に示す、従来技術による金型作製フローチャートの例について説明する。
【0039】
工程Pa1において、導光板の設計構造を検討するため、パターンシミュレーションを実施する。
【0040】
次に、工程Pa2とPa3において、パターン設計とマスキング設計を実施する。
【0041】
工程Pa4において、細密マスクを設計する。上記細密マスクは、例えば、プラスチック製のマスクシートや、ガラス製のフォトリソマスクなどが用いられる。上記細密マスクは、高精細の設計ルールを有するため、上記細密マスクの設計時間には、長時間を必要とする。つまり、従来技術による金型製造は、特に、細密マスクの設計に長時間を有するため、作業効率が良好とは言い難いのである。
【0042】
さらに、工程Pa5において、実際にキャビティの製作を実施する。上述したように、細密マスクは、プラスチック製のマスクシートや、ガラス製のフォトリソマスクなどが挙げられる。例えば、プラスチック製のマスクシートを使用し、金型を作製する場合は、ブラスト処理やエッチング処理が実施される。この場合、上記マスクシートは、接着剤等により、金型の平坦なキャビティ面上に接着される。そして、マスクシートに設けられた孔の周囲、要するに、マスクシートにより金型表面が覆われている領域は、エッチング処理やブラスト処理が実施されないように保護され、マスクシートに設けられた孔に対応して、上記キャビティ面の形状が作製される。また、ガラス製のフォトリソマスクを使用し、金型を作製する場合も、エッチング処理やブラスト処理が実施される。この場合は、金型の平坦な表面に、レジストを塗布し、露光および現像工程を実施する。そして、レジスト層が塗布されている領域は、エッチング処理やブラスト処理が実施されないように保護され、レジスト層がない領域のみ、上記処理が実施され、キャビティ面の形状が作製される。
【0043】
そして、工程Pa6において、作製された金型の評価を実施する。
【0044】
図2(b)に示す、本発明による金型作製フローチャートについて説明する。
【0045】
工程Pb1において、導光板の設計構造を検討するため、パターンシミュレーションを実施する。
【0046】
次に、工程Pb2では、パターン設計を実施する。さらに、検討されたパターン設計を用いて、工程Pb3は、パターンプログラム設計を行う。
【0047】
次に、工程Pb4では、液滴吐出によって、実際にキャビティ製作を実施する。上記キャビティの表面形状は、直接、その表面にエッチング処理を行うことにより作製されている。要するに、露光工程などの前処理を実施することなく、また、細密マスクを作製する必要もない。上記工程Pb3において、キャビティの表面形状は、パターンプログラム設計をされているため、この内容に従って、液滴吐出ヘッドから、エッチング溶液が必要な領域のみに吐出されるようになっているのである。このときの液滴吐出ヘッドには、キャビティ表面を酸およびアルカリ溶剤にて、化学的にエッチング処理を実施するため、ポリフッ化エチレン系樹脂などを使用するのが好ましい。また、このときのエッチング溶液は、塩化第2鉄液などを用いることができる。
【0048】
液滴吐出は、上記液滴吐出ヘッドから吐出されるエッチング溶液量を調節することによって、キャビティ表面形状を自在に作製することができる。要するに、例えば、キャビティ表面に作製されるドット形状が、小さい径を有する場合、上記エッチング溶液量は、少量で行われ、ドット形状が、大きい径を有する場合、上記エッチング溶液量は、多くなるのである。また、例えば、キャビティ表面に作製されるプリズム形状が細い場合、上記エッチング溶液量は、少量で行われ、太くなるにつれ、上記エッチング溶液量は、多くなっていくのである。
【0049】
本発明は、液滴吐出によってキャビティを製造するため、マスク等を使用することなく、必要な領域のみにエッチング溶液を吐出することによって、所望の形状を作製することができる。要するに、本発明は、液滴吐出を用いることにより、微量のエッチング溶液の液滴サイズのばらつきなく精度良く生成できるため、良好なパターン形状を得ることができるのである。
【0050】
従来技術であるフォトリソグラフィ法などを用いて、金型を製造する場合ならば、表面にレジストを塗布し、露光および現像工程を実施し、その後エッチング処理を実施し、レジスト剥離および洗浄工程を必要とする。しかし、本発明における金型の製造方法は、液滴吐出を用いているため、エッチング処理と洗浄工程のみで、キャビティを製造することができる。また、上述したようにドット形状やプリズム形状を一度のエッチング処理で所望の形状に作製することができる。
【0051】
したがって、本発明による金型製造方法を用いることによって、短時間で、かつ、高品質の金型を製造することができる。
【0052】
そして、工程Pa5において、作製された金型の評価を実施する。
【0053】
(本発明の金型によって作製された導光板)
図3および図4は、本発明による金型製造の主要部と金型の一例を示す。
【0054】
図3(a)は、ドット形状を有する導光板の金型を製造する主要部を示す。また、図3(b)は、本発明による金型の平面図を示し、図3(c)は、図3(b)に示すA−A’に対応した断面図を示している。
【0055】
図3に示したドット形状4は、端部から順番にドット形状4が大きくなっている設計ルールを有している。上記設計ルールには、導光板の光出射面の各位置から出射される光の輝度を均一にするためのドットの密度や大きさが考慮されているのである。
【0056】
従来技術の一例であるフォトリソグラフィ法では、一度の工程で、ドット形状、特に、深さ方向を、各領域において調節することは困難である。
【0057】
しかし、図3(a)に示すように、液滴吐出を用いて、金型を製造することにより、一度のエッチング処理のみで、ドット形状4を自在に変化させることが可能となる。これは、液滴吐出ヘッドから吐出されるエッチング溶液量を調節することによって可能となる。例えば、ドット形状4が小さい径を有する場合、エッチング溶液量は、少量で行われ、ドット形状4が大きい径を有するにつれ、エッチング溶液量は、多くなっていくのである。このように、調節されたエッチング条件に基づいて、金型3aに、液滴吐出ヘッドから、エッチング処理を実施する領域のみに、エッチング溶液を吐出し、所望の金型3aを作製することができる。
【0058】
図(4)は、プリズム形状を有する導光板の金型を製造する主要部を示す。また、図4(b)は、本発明による金型の平面図を示し、図4(c)は、図4(b)に示すB―B’に対応した断面図を示している。
【0059】
図4に示したプリズム形状5は、端部から順番にプリズム形状5が大きくなっている設計ルールを有している。上記設計ルールには、導光板の光出射面の各位置から出射される光の輝度を均一にし、かつ高輝度化を図るためのプリズム形状が考慮されているのである。
【0060】
従来技術では、成形工程のみでプリズム形状を作製することは困難である。しかし、図4(a)に示すように、液滴吐出を用いて、金型を製造することにより、一度のエッチング処理のみで、良好なプリズム形状5を自在に変化させることは可能となる。これは、液滴吐出ヘッドから吐出されるエッチング溶液量を調節することによって可能である。例えば、プリズム形状5が細い線を有する場合、エッチング溶液量は、少量で行われ、プリズム形状5が太くなるにつれ、エッチング溶液量は、多くなっていくのである。このように、調節されたエッチング条件に基づいて、金型3bに、液滴吐出ヘッドから、エッチング処理を実施する領域のみに、エッチング溶液を吐出し、所望の金型3bを作製することができる。
【0061】
したがって、本発明による金型の製造方法を使用することにより、従来技術のように金型製造に時間を費やすことなく、短時間で、所望の金型を作製することができる。
【0062】
(成形工程)
図5に、本実施形態による金型3を用いた成形工程を示す。
【0063】
工程P1において、型締めを実施する。つまり、金型3を高圧に締め、射出圧力で開かないようにする。
【0064】
次に、工程P2において、射出を実施する。射出シリンダー2が前進し、金型3のスプールに加熱筒のノズルが当たる。そして、射出シリンダー2内の溶融樹脂を金型3内に高圧・高速で、射出する。
【0065】
射出停止後、工程P3において、射出シリンダー内の圧力を高圧のまま保持し、成形品の冷却をする。
【0066】
成形品の冷却後、工程P4において、金型を開く。
【0067】
工程P5において、成形品を金型から突き出す。同時にスプールおよびランナー内の固化した樹脂材料も排出する。
【0068】
以上の成形工程により、1サイクルの工程が終了する。
【0069】
本発明によって製造された金型を用いているため、上記成形工程にて作製された成形品は、所望の形状を有した導光板を作製することができる。本発明は、例えば、導光板上に設けられたドット形状の径が、端部から順番に大きくなるという設計パターンや、導光板上に設けられたプリズム形状の大きさが、端部から順番に大きくなるという設計パターンという複雑な形状を精度良く、金型に製造することができる。したがって、本発明は、金型製造の時間を短縮化し、成形品の品質を向上させることのできる金型を製造することができるのである。
【0070】
(液晶表示装置)
図6に本実施形態を用いた液晶表示装置400の断面図を示す。液晶表示装置400は、大きく分けて液晶表示パネル300とバックライトユニット200で構成されている。
【0071】
まず、液晶表示パネル300の構成について説明する。
【0072】
ガラスなどの絶縁性基板109a、109bの表面に透明電極膜110a、110bがそれぞれ形成されると共に、液晶分子を一定の方向に配向させる図示しない配向膜がさらに設けられる。2枚の絶縁性基板109a、109bは、図示しないスペーサーにより一定の間隔を保持しながら、上述の透明電極膜110a、110bが対向するように、その周囲をシール材116により貼着される。2枚の絶縁性基板109a、109bの隙間に液晶材料が封入されることにより、液晶層111が2枚の絶縁性基板109a、109bにより挟持される。さらに、絶縁性基板109a、109bの外側には、それぞれ偏光板112a、112bや位相差板113a、113bが貼着され、これらにより液晶表示パネル300が形成されている。なお、絶縁性基板109aには、スイッチング素子などが形成されていても良い。
【0073】
上記透明電極膜110a、110bに電圧が印加されることにより、その間に挟持されている液晶分子の配列が変化し、偏光板112a、112bの吸収軸の方向と共にバックライトユニット200からの光の透過および不透過が制御され、所望の表示を得ることができる。
【0074】
バックライトユニット200は、本実施形態による金型3によって成形された導光板117を配置している。上記バックライト200は、導光板117と光源であるLED118によりバックライトが構成されている。上記導光板117は、本発明による金型製造を用いた金型3によって、成形されているので、安価で、高品質な導光板117となる。
【0075】
[液晶表示パネルの製造方法]
次に、図6に示した液晶表示パネル300を製造する方法について、図7を参照して説明する。図7は、液晶表示パネル300の製造工程を示すフローチャートである。
【0076】
まず、基板109aを製作し(工程S1)、透明導電膜110aをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110aを形成する(工程S2)。さらに透明電極膜110a上に図示しない配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S3)。
【0077】
一方、基板109bを製造する(工程S4)。さらに、赤色カラーフィルタ114a、緑色カラーフィルタ114b、青色カラーフィルタ114cの上に設けられたオーバーコート層115の上に透明導電膜110bをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110bを形成する(工程S5)。その後、透明電極膜110b上に図示しないポリイミド樹脂などからなる配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S6)。
【0078】
そして、シール材116を介して、上記の基板109aと基板109bを貼り合わせて、パネル構造を構成する(工程S7)。基板109aと基板109bとは、基板間に分散配置された図示しないスペーサーなどによって、ほぼ規定の基板間隔となるように貼り合わせられる。
【0079】
その後、シール材116の図示しない開口部から液晶111を封入し、シール材の開口部を紫外線硬化性樹脂などの封止材によって封止する(工程S8)。こうして主要なパネル構造が完成した後に、位相差板113a、113bや偏光板112a、112b等を必要に応じてパネル構造の外面上に貼着などの方法によって取り付け(工程S9)、図6に示す液晶表示パネル300が完成する。
【0080】
[電子機器]
図8は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶表示装置400と、これを制御する制御手段410を有する。ここでは、液晶表示装置400を、パネル構造体400Aと、半導体ICなどで構成される駆動回路400Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
【0081】
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
【0082】
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路400Bへ供給する。駆動回路400Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0083】
次に、本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器の具体例について図9を参照して説明する。
【0084】
まず、本発明に係る液晶表示装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図9(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ510は、キーボード511を備えた本体部512と、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部513とを備えている。
【0085】
続いて、本発明に係る液晶表示装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図9(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機520は、複数の操作ボタン521のほか、受話口522、送話口523とともに、本発明に係る液晶表示装置を適用した表示部524を備える。
【0086】
なお、本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器としては、図9(a)に示したパーソナルコンピュータや図9(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【0087】
[変形例]
また、本発明の電気光学装置は、パッシブマトリクス型の液晶表示パネルだけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関る横型インラインスクリュー式射出成形機の図を示す。
【図2】(a)従来技術による金型作製フローチャートを示す。
(b)本発明による金型作製フローチャートを示す。
【図3】(a)本発明による金型作製の主要図を示す。
(b)本発明に係る金型の平面図を示す。
(c)本発明に係る金型の断面図を示す。
【図4】(a)本発明による金型作製の主要図を示す。
(b)本発明に係る金型の平面図を示す。
(c)本発明に係る金型の断面図を示す。
【図5】本発明の係る金型を用いた成形工程を示す。
【図6】本発明を適用した成形品を用いた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した液晶表示パネルの製造工程を示す図である。
【図8】本発明を適用した液晶表示装置を利用する電子機器の構成を示す。
【図9】本発明を適用した液晶表示装置を備えた電子機器の例を示す。
【符号の説明】
1 ホッパー
2 射出シリンダー
3 金型
4 ドット
5 プリズム
6 液滴吐出ヘッド
100 横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機
117 導光板
200 バックライトユニット
300 液晶表示パネル
400 液晶表示装置
Claims (13)
- 射出成形機に使用される金型の製造方法において、前記金型の少なくとも一方のプレート表面形状をノズルからの液滴吐出により作製することを特徴とする金型の製造方法。
- 前記プレート表面上に液滴吐出によりエッチング液を塗布して直接エッチング処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の金型の製造方法。
- 前記エッチング処理で用いるエッチング液の吹き付け量を、順次、増加または減少させながら、前記プレート表面形状を作製することを特徴とする請求項2に記載の金型の製造方法。
- 前記プレート表面がドット形状で作製されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
- 前記ドット形状が順次異なるように作製されていることを特徴とする請求項4に記載の金型の製造方法。
- 前記金型の製造方法において、前記プレート表面が、プリズム形状で作製されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
- 前記プリズム形状が順次異なるように作製されていることを特徴とする請求項6に記載の金型の製造方法。
- 前記液滴吐出は、予めコンピュータに入力保持されたプログラムにしたがって実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の金型の製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の金型の製造方法により製造された金型を使用することを特徴とする導光板の製造方法。
- 請求項1、2、3、4、5または8に記載の金型の製造方法を用いた金型によって作製された導光板において、前記導光板の光出射面におけるドット形状の深さまたは直径が、5μmから50μmの値を有することを特徴とする導光板。
- 請求項1、2、3、6、7または8に記載の金型の製造方法を用いた金型によって作製された導光板において、前記導光板の光出射面におけるプリズム形状の深さ方向が、5μmから50μmの値を有することを特徴とする導光板。
- 電気光学物質を有するパネルと、請求項10または11に記載の導光板と、を備えることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項12に記載の電気光学装置を表示部として備えることを特徴とする電子機器。
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JP2006021526A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Kofukin Seimitsu Kogyo (Shenzhen) Yugenkoshi | 導光板金型及びその製造方法 |
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JP2001052519A (ja) * | 1999-08-06 | 2001-02-23 | Nissha Printing Co Ltd | 面発光装置、導光板成形用金型およびその製造方法 |
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2002
- 2002-10-30 JP JP2002316088A patent/JP2004148646A/ja not_active Withdrawn
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