JP2004090307A - 記録装置及びリボンカートリッジ - Google Patents

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山田 岳史
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Abstract

【課題】ドット抜け、リボン引っかけ、記録ワイヤ折れ等の発生を抑制することができる記録装置及びリボンカートリッジを提供する。
【解決手段】キャリッジに搭載された記録ヘッドに複数の記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出動作によりインクリボン31を介してシートに画像を記録する記録装置において、前記インクリボンのリボン基布に含浸されたインクの残量を検出するセンサ53を備えたことを特徴とする。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクリボンを収納したリボンカートリッジ、及びそれを用いた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、キャリッジに搭載された記録ヘッドに複数の記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出動作によりインクリボンを介してシートに画像を記録するドットインパクトプリンタが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の従来のドットインパクトプリンタでは、記録ワイヤがインクリボンに衝突することによって記録が行われるため、リボンカートリッジを使用し続けると、例えばリボン基布の継ぎ目部分に孔あきが発生し、この孔あき部分で記録が行われた場合、ドット抜け、リボン引っかけ、記録ワイヤ折れ等を引き起こすという問題がある。
【0004】
また、リボンカートリッジを使用し続けると、リボン基布の記録回数の少ない部分と多い部分とが発生し、この多い部分において、リボン基布に含浸されたインク残量が少なくなり、この部分で記録が行われた場合、ドット抜け、記録濃淡等を引き起こすという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、ドット抜け、リボン引っかけ、記録ワイヤ折れ等の発生を抑制することができる記録装置及びリボンカートリッジを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、キャリッジに搭載された記録ヘッドに複数の記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出動作によりインクリボンを介してシートに画像を記録する記録装置において、前記インクリボンのリボン基布に含浸されたインクの残量を検出するセンサを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記センサはリボン基布に含浸されたインクの濃度により残量を検出することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のものにおいて、前記センサにより検出されたインクの残量が所定量以下であった場合、以後の処置を決定する処理手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のものにおいて、以後の処置が少なくとも記録を継続、スキップ記録、又は警告表示の一つを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載のものにおいて、前記処理手段はインクの残量に関する所定のしきい値を用いて以後の処置を決定し、このしきい値は所定のパラメータに応じて異なる数値を持つことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のものにおいて、所定のパラメータが少なくともヘッドピン数、記録モード、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命の一つを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項記載のものにおいて、前記センサが前記インクリボンを収納するリボンカートリッジに設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項記載のものにおいて、前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがステーショナリー型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、記録装置本体に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項記載のものにおいて、前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがオンキャリッジ型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、前記キャリッジに設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、キャリッジに搭載された記録ヘッドに複数の記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出動作によりインクリボンを介してシートに画像を記録する記録装置において、前記インクリボンのリボン基布の孔あきを検出するセンサを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のものにおいて、前記センサによりリボン基布の孔あきが検出された場合、以後の処置を決定する処理手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のものにおいて、以後の処置が少なくとも記録を継続、スキップ記録、又は警告表示の一つを含む。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項11又は12記載のものにおいて、前記処理手段はリボン基布の孔あきに関する所定のしきい値を用いて以後の処置を決定し、このしきい値は所定のパラメータに応じて異なる数値を持つ。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項13記載のものにおいて、所定のパラメータが少なくともヘッドピン数、記録モード、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命の一つを含むことを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項10乃至14のいずれか一項記載のものにおいて、前記センサが前記インクリボンを収納するリボンカートリッジに設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項16記載の発明は、請求項10乃至14のいずれか一項記載のものにおいて、前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがステーショナリー型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、記録装置本体に設けられていることを特徴とする。
【0022】
請求項17記載の発明は、請求項10乃至14のいずれか一項記載のものにおいて、前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがオンキャリッジ型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、前記キャリッジに設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項18記載の発明は、インクリボンのリボン基布に含浸されたインクの残量を検出するセンサを備えたことを特徴とする。
【0024】
請求項19記載の発明は、請求項18記載のものにおいて、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して設けられて、リボン基布に含浸されたインクの濃度を検出することを特徴とする。
【0025】
請求項20記載の発明は、インクリボンのリボン基布の孔あきを検出するセンサを備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項21記載の発明は、請求項20記載のものにおいて、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して設けられて、リボン基布の孔あきを検出することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0028】
図1及び図2に示す記録装置としてのプリンタ10は、記録ヘッドの図示しない多数の記録ワイヤを、インクリボン31(図2)を介してシートSに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。ここで、シートSは、単票紙や連続紙などの普通紙の他に、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)シートやコート紙、フィルムなどである。プリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11に着脱自在に装着されたプッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13と、同じくプリンタ本体11に着脱自在に装着されたシート供給ガイド34(図2)と、プリンタ本体11の上方、下方を覆う図示しないアッパーケース及びロアケースと、を有して構成される。
【0029】
上記プリンタ本体11は、本体フレームとしてのベースフレーム14、シート案内フレーム15(図2)、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた印刷機構部20と、プラテン21、シート案内22及びピンチローラ25(図2)を備えたシート搬送機構部23と、を有して構成される。
【0030】
ベースフレーム14及びシート案内フレーム15は、図2に示すようにほぼ平行配置され、これらのベースフレーム14及びシート案内フレーム15の両端に上記左サイドフレーム16、右サイドフレーム17がそれぞれ立設して固定される。これらの左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間に、図1に示すように、キャリッジガイド軸24が架け渡されて回動可能に枢支され、プラテン21が架け渡されて回転自在に配設されている。シート案内22は、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に配設されて、シート案内フレーム15に嵌合して固定されている。また、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17の後方部、上方部それぞれには、前記プッシュトラクタユニット12、排出ユニット13をそれぞれ装着可能な図示しないトラクタユニット装着部、排出ユニット装着部が設けられている。
【0031】
図1に示すプッシュトラクタユニット12は、シートSとしての連続紙をシート搬送機構部23へ送り出し、シート供給ガイド34は、シートSとしての単票紙を1枚ずつシート搬送機構部23へ供給する。また、排出ユニット13は、連続紙または単票紙をシート搬送機構部23からプリンタ10外へ引き出すものである。つまり、図2に示すように、プッシュトラクタユニット12のトラクタベルト26の回転により、このトラクタベルト26のピン27の作用で、連続紙は、シート搬送機構部23のシート案内22に案内され、このシート案内22とプラテン21との間に形成されるシート搬送経路28を経てプラテン21の前方へ向かい、矢印α方向に送給される。
【0032】
このプッシュトラクタユニット12の非動作時に、シート供給ガイド34から単票紙が1枚ずつ、シート搬送経路28を経てプラテン21の前方へ供給可能とされる。また、排出ユニット13の排出ローラ29の回転により、後述のごとく、記録ヘッド18により文字等が記録された連続紙または単票紙は、シート搬送機構部23のプラテン21から矢印β方向に引き出される。
【0033】
これにより、連続紙または単票紙は、キャリッジ19の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
【0034】
図1に示す前記キャリッジ19は、キャリッジガイド軸24に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18を搭載する。
【0035】
キャリッジガイド軸24がプラテン21と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらのプラテン21及びキャリッジガイド軸24の軸方向と一致する主走査方向に移動(走行)可能に設けられる。
【0036】
図示しないキャリッジ駆動モータの正転または逆転により、キャリッジ19は、タイミングベルト30(図2)を介しキャリッジガイド軸24に案内されて、主走査方向における図1の左向きまたは右向きに走行される。
【0037】
前記記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方にインクリボン31が位置する。記録ヘッド18はキャリッジ19と共に主走査方向に走行する間に、記録ワイヤを突出動作させてインクリボン31に打ち当て、インクリボン31のインクを、プラテン21とインクリボン31との間に搬送されるシートS(連続紙または単票紙)に付着させて、このシートSに文字を含む画像を記録する。
【0038】
この記録ヘッド18によるこの記録動作は、キャリッジ19が主走査方向左向きまたは右向きに走行する間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、シートSが連続紙の場合には、図2に示すシート搬送機構部23のプラテン21、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13が、また、シートSが単票紙の場合には、シート搬送機構部23のプラテン21、ピンチローラ25及び排出ユニット13がそれぞれシートSを所定量(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
【0039】
図2に示す符号32は、ベースフレーム14とシート案内フレーム15との間に開口して形成されて、プリンタ10の下方からシート搬送機構部23内へシートSを供給するためのボトムシート供給口である。
【0040】
また、プラテン21、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13の駆動制御と、キャリッジ19の走行制御と、記録ヘッド18の記録ワイヤによる記録動作の制御は、制御装置としての制御基板部33(図2)により実施される。この制御基板部33は、例えばプリンタ本体11の後方におけるシート案内フレーム15の下方に配置される。
【0041】
さて、本実施形態では、インクリボン31が、ステーショナリー型式のリボンカートリッジに収納されている。
【0042】
図3は、ステーショナリー型式のリボンカートリッジを示す。このリボンカートリッジ40は、インクリボン31を折り畳んだ状態で収納するカートリッジケース42を備えている。このカートリッジケース42の内側には、順方向(矢印A方向)にインクリボン31を巻き取るための駆動ローラ(不図示)と、この駆動ローラに圧接する従動ローラ(不図示)と、当該駆動ローラへのインクリボン31の巻き込みを防止するリボンセパレータ(不図示)と、カートリッジケース42に戻るインクリボン31にリインクするリインク機構(不図示)とが設けられている。駆動ローラ(不図示)には、図1及び図2に示すように、リボン巻き取り軸51が嵌合されている。
【0043】
このリボンカートリッジ40には、インクリボン31の移動軌跡に対向し、リボン基布に含浸されたインクの残量及びリボン基布の孔あきを検出可能なアレイセンサ53が取り付けられている。
【0044】
すなわち、このセンサ53は、図4に示すように、列状になった5つのアレイセンサ53−1〜53−5を備え、カートリッジケース42のリボン送り出し部42Aの外壁面に形成された開口(不図示)に取り付けられ、この開口を通じ、センサ53のセンサ部が、カートリッジケース42の内側に露出し当該インクリボン31の用紙側の面に対向して配置される。このセンサ53は、リボン基布に含浸されたインクの濃度を検出することによりインクの残量と、リボン基布の孔あき31Aとを検出する。この孔あき31Aの幅W及び長さLは、図5に示すように、5つのアレイセンサ53−1〜53−5からのセンサ信号に基づいて、各センサ信号の長短によって判別される。
【0045】
図6は、インク残量の検出処理を示す。
【0046】
インクの濃度許容値が設定される(S1)。ここでの設定はカートリッジ或いはプリンタ本体に設けられたICメモリ等から、濃度許容値に関する後述のしきい値D1,D2を読み出して設定される。
【0047】
この濃度許容値は、インクの濃度がそれ以下になった場合、スキップ印字に移行させるスキップ印字しきい値D1と、インクの濃度がそれ以下になった場合、警告を表示させる警告表示しきい値D2とを含み、これらしきい値D1,D2は、例えば、記録ヘッド18のヘッドピン数(9ピン、12ピン、24ピン等)、記録モード、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命等の、所定のパラメータに対応させて異なる数値に設定される。
【0048】
記録が開始された後、上記したセンサ53によって、リボン基布に含浸されたインクの濃度Dが測定され(S2)、この濃度Dがスキップ印字しきい値D1と比較され(S3)、この濃度Dがスキップ印字しきい値D1以上であれば、通常印字が行われる(S4)。
【0049】
この印字は一行分の印字が終了するまで行われ(S5)、一行分の印字が終了すると、つぎの行の印字データが有るか否かが判定され(S6)、つぎの行の印字データがなければ、処理を終了する。
【0050】
つぎの行の印字データがあれば、一行分シート搬送して(S7)、S1に移行する。このS1では、インクの濃度許容値D1、D2が更新される。すなわち、インクの濃度許容値D1、D2は、1行の印字が終了する毎に更新される。しきい値D1,D2の内、例えば、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命等のパラメータは、印字が進む毎に変化するからである。
【0051】
例えば、1文字毎にインクの濃度許容値D1、D2を更新すれば、さらに精度のよい処理が可能となるが、スループットを考慮した場合、例えば、1行の印字が終了する毎に更新するのが望ましい。スループットを向上させるため、任意行の印字が終了する毎に更新させてもよい。
【0052】
S3で、測定された濃度Dがスキップ印字しきい値D1以下であれば、つぎに、濃度Dが警告表示しきい値D2と比較され(S8)、この濃度Dが警告表示しきい値D2以上であれば、未だリボンカートリッジ40の交換時期に至っていないと判断されて、インクリボンの空送りが行われる(S8−1)。この空送りは、キャリッジの位置等を考慮し、インクリボンのインクの薄い部分が、記録ヘッドの位置を越えて送られるまで実行される。この空送りが実行された後、S2に移行し、S2以下のステップが繰り返される。
【0053】
上記センサ53により測定された濃度Dが、警告表示しきい値D2以下であれば、例えば、プリンターのディスプレイ等に、リボン交換警告表示を行った後(S9)、キャリッジ19をリボン交換位置にまで移動させて、リボン交換の待機状態に入る(S10)。
【0054】
この実施形態では、センサ53により測定された濃度Dが、所定のしきい値D1,D2と比較されて、いずれのしきい値D1,D2を下回ったかによって、印字をそのまま継続するか、スキップ印字を行うか、或いは警告表示を行うかの異なる処理が実行される。
【0055】
インクの残量が少なくなったからと云って、直ちにリボン交換警告表示が行われるわけではない。従って、合理的な基準に従って、リボンカートリッジ40の無駄な交換を回避することができ、経済的なインクリボン31の使用が可能になる、等の効果が得られる。
【0056】
図7は、電源投入時のインク残量の検出処理を示す。
【0057】
インク残量の検出処理はプリンタの電源投入時にも行われる。プリンタの電源が投入されると(S21)、図6の場合と同様に、カートリッジ或いはプリンタ本体に設けられたICメモリ等から、濃度許容値に関するしきい値D1,D2が読み出されて設定される(S22)。
【0058】
ついで、プリンタの電源投入直後、リボン基布に含浸されたインクの濃度Dが、上記したセンサ53によって測定される(S23)。この濃度Dがスキップ印字しきい値D1と比較され(S24)、この濃度Dがスキップ印字しきい値D1以上であれば、処理を終了する。この濃度Dがスキップ印字しきい値D1以下であれば、つぎに、濃度Dが警告表示しきい値D2と比較され(S25)、この濃度Dが警告表示しきい値D2以上であれば、濃度が薄い旨の注意表示を行って(S26)、処理を終了する。
【0059】
この濃度Dが、警告表示しきい値D2以下であれば、例えば、プリンターのディスプレイ等に、リボン交換警告表示を行った後(S27)、キャリッジ19をリボン交換位置にまで移動させて、リボン交換の待機状態に入って(S28)、処理を終了する。
【0060】
これにより、プリンタの電源投入時にも、センサ53により測定された濃度Dが、しきい値D1,D2と比較され、いずれのしきい値D1,D2を下回ったかによって、濃度が薄い旨の注意表示を行うか、或いはリボン交換の警告表示を行うかの異なる処理が実行される。
【0061】
図8は、孔あき31Aの検出処理を示す。
【0062】
まず、孔あき31Aの許容値が設定される(S11)。この孔あき31Aの許容値は、孔あき31Aの形状(例えば、幅W×長さL等のパラメータ)がそれ以下になった場合、スキップ印字に移行させるスキップ印字しきい値S1と、孔あき31Aの形状がそれ以下になった場合、警告を表示させる警告表示しきい値S2とを含み、これらしきい値S1,S2は、上記実施形態と同様に、例えば、記録ヘッド18のヘッドピン数(9ピン、12ピン、24ピン等)、記録モード、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命等の、所定のパラメータに対応させて異なる数値に設定されている。
【0063】
記録が開始された後、上記センサ53によって、孔あき31Aの形状Sが測定され(S12)、まず、この形状Sがスキップ印字しきい値S1と比較され(S13)、この形状Sがスキップ印字しきい値S1以上であれば、通常印字が行われる(S14)。
【0064】
この形状Sがスキップ印字しきい値S1以下であれば、つぎに、形状Sが警告表示しきい値S2と比較され(S15)、この形状Sが警告表示しきい値S2以上であれば、未だリボンカートリッジ40の交換時期に至っていないと判断されて、インクリボンの空送りを行った後(S16)、インクリボンの別の部分を使っての通常印字が行われる(S14)。
【0065】
上記センサ53により測定された形状Sが、警告表示しきい値S2以下であれば、例えば、プリンターのディスプレイ等に、リボン交換警告表示を行った後(S17)、キャリッジ19をリボン交換位置にまで移動させて、リボン交換の待機状態に入る(S18)。
【0066】
この実施形態では、センサ53により測定された形状Sが、所定のしきい値S1,S2と比較されて、いずれのしきい値S1,S2を下回ったかによって、印字をそのまま継続するか、スキップ印字を行うか、或いは警告表示を行うかの異なる処理が実行される。
【0067】
孔あき31Aの形状Sが大きくなったからと云って、直ちにリボン交換警告表示が行われるわけではない。従って、合理的な基準に従って、リボンカートリッジ40の無駄な交換を回避することができ、経済的なインクリボン31の使用が可能になる、等の効果が得られる。
【0068】
図9及び図10は、それぞれ別の実施形態を示す。なお、図9及び図10では、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
上記実施形態では、センサ53がリボンカートリッジ40に取り付けられていたが、これに限定されず、プリンタ本体11側に取り付けられていてもよい。図9では、一方のサイドフレーム17の内面で、ステーショナリー型式のリボンカートリッジ40が装着された場合における、インクリボン31の移動軌跡に対向した位置に、センサ53が取り付けられている。
【0070】
図10は、オンキャリッジ形式のインクリボンカートリッジが装着される記録装置を示している。この場合、センサ53がインクリボン31の移動軌跡に対向して、キャリッジ19に付設されたリボンガイド55に取り付けられている。
【0071】
いずれの実施形態でも、センサ53からのインク濃度信号によって、インク残量及び孔あき31Aを検出することができる。
【0072】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。例えば、センサ53は、リボン基布に含浸されたインク濃度を検出するセンサに限定されるものではなく、その他のインク残量、又は孔あき検出センサであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明では、センサからの信号によってリボン基布のインク残量、又は孔あきを検出できるため、ドット抜け、リボン引っかけ、記録ワイヤ折れ等の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。
【図2】図1のプリンタ本体を示す断面図である。
【図3】リボンカートリッジを示す斜視図である。
【図4】インクリボンとセンサとの位置関係を示す図である。
【図5】センサの検出信号を示すタイムチャートである。
【図6】インク残量の検出処理を示すフローチャートである。
【図7】電源投入時のインク残量の検出処理を示すフローチャートである。
【図8】孔あきの検出処理を示すフローチャートである。
【図9】別の実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。
【図10】更に、別の実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 プリンタ(記録装置)
18 記録ヘッド
19 キャリッジ
31 インクリボン
40 リボンカートリッジ
42 カートリッジケース
53,53−1〜53−5 センサ

Claims (21)

  1. キャリッジに搭載された記録ヘッドに複数の記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出動作によりインクリボンを介してシートに画像を記録する記録装置において、
    前記インクリボンのリボン基布に含浸されたインクの残量を検出するセンサを備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 前記センサはリボン基布に含浸されたインクの濃度により残量を検出することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記センサにより検出されたインクの残量が所定量以下であった場合、以後の処置を決定する処理手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の記録装置。
  4. 以後の処置が少なくとも記録を継続、スキップ記録、又は警告表示の一つを含むことを特徴とする請求項3記載の記録装置。
  5. 前記処理手段はインクの残量に関する所定のしきい値を用いて以後の処置を決定し、
    このしきい値は所定のパラメータに応じて異なる数値を持つことを特徴とする請求項3又は4記載の記録装置。
  6. 所定のパラメータが少なくともヘッドピン数、記録モード、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命の一つを含むことを特徴とする請求項5記載の記録装置。
  7. 前記センサが前記インクリボンを収納するリボンカートリッジに設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の記録装置。
  8. 前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがステーショナリー型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、記録装置本体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の記録装置。
  9. 前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがオンキャリッジ型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、前記キャリッジに設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の記録装置。
  10. キャリッジに搭載された記録ヘッドに複数の記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出動作によりインクリボンを介してシートに画像を記録する記録装置において、
    前記インクリボンのリボン基布の孔あきを検出するセンサを備えたことを特徴とする記録装置。
  11. 前記センサによりリボン基布の孔あきが検出された場合、以後の処置を決定する処理手段を備えたことを特徴とする請求項10記載の記録装置。
  12. 以後の処置が少なくとも記録を継続、スキップ記録、又は警告表示の一つを含むことを特徴とする請求項11記載の記録装置。
  13. 前記処理手段はリボン基布の孔あきに関する所定のしきい値を用いて以後の処置を決定し、
    このしきい値は所定のパラメータに応じて異なる数値を持つことを特徴とする請求項11又は12記載の記録装置。
  14. 所定のパラメータが少なくともヘッドピン数、記録モード、文字品位、温度、リボン使用量、ヘッド寿命の一つを含むことを特徴とする請求項13記載の記録装置。
  15. 前記センサが前記インクリボンを収納するリボンカートリッジに設けられていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項記載の記録装置。
  16. 前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがステーショナリー型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、記録装置本体に設けられていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項記載の記録装置。
  17. 前記インクリボンを収納するリボンカートリッジがオンキャリッジ型式のリボンカートリッジであり、前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して、前記キャリッジに設けられていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項記載の記録装置。
  18. インクリボンのリボン基布に含浸されたインクの残量を検出するセンサを備えたことを特徴とするリボンカートリッジ。
  19. 前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して設けられて、リボン基布に含浸されたインクの濃度を検出することを特徴とする請求項18記載のリボンカートリッジ。
  20. インクリボンのリボン基布の孔あきを検出するセンサを備えたことを特徴とするリボンカートリッジ。
  21. 前記センサがインクリボンの移動軌跡に対向して設けられて、リボン基布の孔あきを検出することを特徴とする請求項20記載のリボンカートリッジ。
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