JP2004090025A - 橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】重ね合わせ溶接部で充分な溶接強度を得ることにある。
【解決手段】橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、一方のウェブ構成鋼板1で、側端部の略凹円弧状の切欠部1aがそこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに繋がり、他方のウェブ構成鋼板1で、側端部の略凹円弧状の切欠部1aがそこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、水平方向に延在する直線状の端縁1cを介して繋がり、上記一方のウェブ構成鋼板1の上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、上記他方のウェブ構成鋼板1の水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置でそれらのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて周囲を互いに溶接されているものである。
【選択図】 図1
【解決手段】橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、一方のウェブ構成鋼板1で、側端部の略凹円弧状の切欠部1aがそこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに繋がり、他方のウェブ構成鋼板1で、側端部の略凹円弧状の切欠部1aがそこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、水平方向に延在する直線状の端縁1cを介して繋がり、上記一方のウェブ構成鋼板1の上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、上記他方のウェブ構成鋼板1の水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置でそれらのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて周囲を互いに溶接されているものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高架橋の箱桁等の橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部(橋桁延在方向の端部)同士が重ね合わせ溶接された溶接構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の箱桁用の上述の如き溶接構造としては、例えば特許第3068414号公報にて開示されたものが知られている。
【0003】
この従来の溶接構造のうちの一つでは、二枚のウェブ構成鋼板のうちの一方の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板のうちの他方の側端部の上下端部ではフランジ構成鋼板に溶接された上下端縁がそのまま略水平方向に延在し、上記一方のウェブ構成鋼板では、側端部の上記略凹円弧状の切欠部が、そこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁を介して繋がり、また上記他方のウェブ構成鋼板では、水平方向に延在する上下端縁が、そこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に繋がり、そして上記他方のウェブ構成鋼板の上記上下方向に延在する直線状の側端縁に、上記一方のウェブ構成鋼板の上記水平方向に延在する直線状の端縁が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている側端部の側端縁を相手側の側端部の側面に溶接されている。
【0004】
また上記従来の溶接構造のうちの他の一つでは、二枚のウェブ構成鋼板の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成され、それら二枚のウェブ構成鋼板の各々で、上記側端部の凹曲線状の切欠部が、そこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁を介して繋がり、そして上記二枚のウェブ構成鋼板の上記水平方向に延在する直線状の端縁同士が隣り合って整列する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている側端部の側端縁を相手側の側端部の側面に溶接されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の溶接構造では何れも、重なっている側端部の側端縁を相手側の側端部の側面に溶接しているだけで橋桁延在方向に延在する溶接線がないので充分な溶接強度が得難く、しかも前者は、二枚のウェブ構成鋼板のうちの他方のウェブ構成鋼板の側端部の上下端部でフランジ構成鋼板に溶接された上下端縁がそのまま略水平方向に延在していて、略凹円弧状の切欠部がないので、たとえ橋桁延在方向に延在する溶接線を設けてもフランジ構成鋼板と上記他方のウェブ構成鋼板との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じ易いためその部分に疲労亀裂が発生する可能性が比較的高く、また後者も、二枚のウェブ構成鋼板の水平方向に延在する直線状の端縁同士が隣り合って整列する配置でそれら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて溶接されているので、橋桁延在方向に延在する溶接線をそれらの水平方向に延在する直線状の端縁に設けても側面への溶接でないことから充分な溶接強度が得難いという不都合があった。
【0006】
さらに、上記従来の溶接構造では何れも、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板を位置決めした後、その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに、多くの治具やその設置のための工数が必要とされるという不都合があり、その不都合の解消のためには、重ね合わせた二枚の側端部にボルトを貫通させそこにナットを締着してそれらの側端部同士を結合することも考えられるが、そのようにすると側端部に貫通させたボルトの頭部やその貫通したボルトに定着したナットが橋の外側に露出して橋の美観を損ねるという他の不都合が生ずる。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
この発明は、上記課題を有利に解決した溶接構造を提供することを目的とするものであり、請求項1記載のこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造は、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、前記二枚のウェブ構成鋼板の各々の前記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、前記二枚のうちの一方のウェブ構成鋼板で、前記側端部の前記略凹円弧状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に繋がり、前記二枚のうちの他方のウェブ構成鋼板で、前記側端部の前記略凹円弧状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁または、前記側端縁に寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁を介して繋がり、前記一方のウェブ構成鋼板の前記上下方向に延在する直線状の側端縁に、前記他方のウェブ構成鋼板の前記水平方向に延在する直線状の端縁または前記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されていることを特徴としている。
【0008】
かかる溶接構造にあっては、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が、一方のウェブ構成鋼板の上下方向に延在する直線状の側端縁に他方のウェブ構成鋼板の水平方向に延在する直線状の端縁または斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記水平方向に延在する直線状の端縁または斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁に沿って橋桁延在方向に延在してその端縁と側端部の側面とを溶接する溶接線が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されているので、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0009】
従ってこの橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造によれば、二枚のウェブ構成鋼板同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0010】
また、請求項2記載のこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造は、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、前記二枚のウェブ構成鋼板の各々の前記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、前記二枚のウェブ構成鋼板の各々で、前記側端部の前記凹曲線状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、前記側端縁に寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線状または曲線状の端縁を介して繋がり、前記二枚のウェブ構成鋼板の前記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁同士が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を溶接されていることを特徴としている。
【0011】
かかる溶接構造にあっては、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が、上記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁同士が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁に沿って橋桁延在方向に延在してその端縁と側端部の側面とを溶接する溶接線が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されているので、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0012】
従ってこの橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。またこの継手構造は、上下方向へ延在する直線状の側端縁から斜め方向へ延在する組合せ曲線状の端縁への溶接線の変化が緩やかかつ連続的であるため、比較的楽な溶接姿勢で作業が可能であり、作業性が良好である。
【0013】
なお、この発明においては、請求項3の記載のように、前記二枚のウェブ構成鋼板の前記側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けてスタッドボルトが立設されるとともに、前記二枚のウェブ構成鋼板の前記側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、前記スタッドボルトが挿通されるボルト穴が形成され、前記ボルト穴に挿通された前記スタッドボルトにナットが締着されて、前記二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて仮止めされていても良く、このようにすれば、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板を位置決めした後、その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに、殆どもしくは全く、治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルトを二枚のウェブ構成鋼板の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルトやそこに締着したナットが橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a)は、この発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第1実施例を示す正面図、図1(b)は、その第1実施例の溶接構造の、図1(a)のA−A線に沿う断面図、図2は、その第1実施例の溶接構造を適用し得る高架橋の橋桁としての箱桁の例を上床版の右半部を除いて示す斜視図である。
【0015】
図2に示す箱桁は、いわゆる波形ウェブ橋を構成するもので、上にゆくほど相互の間隔が広がるように橋の幅方向両端部に互いに逆向きに傾斜して配置されてそれぞれ橋の長手方向に延在する鋼板製の二枚の波形ウエブ1と、それらの波形ウエブ1の上下端縁に固定されてそれぞれ橋の長手方向に水平に延在する何れも鋼板製の上フランジ2(右側のものは図示せず)および下フランジ3と、それら上下フランジ2,3に固定されるとともに内部の内ケーブル4と外部の外ケーブル5とをプレストレス付加材として設けられた何れもコンクリート製の上床版6(右半部は図示せず)および下床版7と、橋の長手方向に所定間隔で配置されて二枚の波形ウエブ1の相互の配置を維持するコンクリート製のデビエータ8とを具えるとともに、その二枚の波形ウエブ1の各々を形成するために、図1(a)および(b)に示す、上記第1実施例の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造を具えている。
【0016】
すなわち、この箱桁における二枚の波形ウエブ1の各々は、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板(箱桁を構成した状態ではフランジとなるので便宜上対応フランジと同一の符号にて示す)2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板(箱桁を構成した状態ではウェブとなるので便宜上ウェブと同一の符号にて示す)1の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造を具え、その溶接構造の繰返しにより、橋の長手方向に並べられた多数の波形のウェブ構成鋼板1が相互に溶接固定されて形成されている。一方、そのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0017】
そしてこの第1実施例の溶接構造では、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々の上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、それら二枚のうちの一方(図1(a)では左側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部の上記略凹円弧状の切欠部1aがその切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに繋がり、またそれら二枚のうちの他方(図1(a)では右側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部の上記略凹円弧状の切欠部1aがその切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、水平方向に延在する直線状の端縁1cを介して繋がり、上記一方のウェブ構成鋼板1の上記上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、上記他方のウェブ構成鋼板1の上記水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに、例えばガスシールドアーク溶接等で全周に亘って溶接されている。ここで、図中符号9はその周囲溶接部を示す。
【0018】
さらにこの第1実施例の溶接構造では、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち、橋の外側寄りに配置される方(図1(a)では奥側、図1(b)では上側)の側端部の、橋の内側(図1(a)では紙面上方、図1(b)では下方)へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方(図1(a)では手前側、図1(b)では下側)の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その仮止め状態で上記周囲溶接が行われている。なお、図1(a)はウェブ構成鋼板1の上端部付近のみを示すが、ウェブ構成鋼板1の下端部付近もこの上端部付近と同様に仮止めおよび溶接されている。
【0019】
かかる第1実施例の溶接構造にあっては、橋桁としての箱桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が、一方のウェブ構成鋼板1の上下方向に延在する直線状の側端縁1bに他方のウェブ構成鋼板1の水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記水平方向に延在する直線状の端縁1cに沿って橋桁延在方向に延在してその端縁1cと側端部の側面とを溶接する周囲溶接部9(溶接線)が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されているので、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0020】
従ってこの第1実施例の溶接構造によれば、二枚のウェブ構成鋼板1同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0021】
さらにこの第1実施例の溶接構造によれば、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その状態で上記周囲溶接が行われるので、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板1を位置決めした後その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに殆どもしくは全く治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルト10を二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルト10やそこに締着したナット11が橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0022】
なお、上記他方のウェブ構成鋼板1に、水平方向に延在する直線状の端縁1cに代えて斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁を設けて、その斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が一方のウェブ構成鋼板1の上下方向に延在する直線状の側端縁1bに交差する配置で二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士を重ね合わさせて、重なっている部分の周囲を互いに溶接するようにしても良い。
【0023】
図3(a)は、この発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第2実施例を示す正面図、図3(b)は、その第2実施例の溶接構造の、図3(a)のB−B線に沿う断面図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわち、この第2実施例の溶接構造も、図2に示す箱桁に適用され得るものであり、ここでは、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々の上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々で、上記側端部の凹曲線状の切欠部1aが、その切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、その側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように垂直線に対し60度の角度で斜め方向へ延在する直線とその端に連なる円弧との組合せ曲線状の端縁1fを介して繋がり、それら二枚のウェブ構成鋼板1の上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに、例えばガスシールドアーク溶接等で全周に亘って溶接されている。一方、そのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0024】
さらにこの第2実施例の溶接構造でも、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち、橋の外側寄りに配置される方(図3(a)では奥側、図3(b)では上側)の側端部の、橋の内側(図3(a)では紙面上方、図3(b)では下方)へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方(図3(a)では手前側、図3(b)では下側)の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その仮止め状態で上記周囲溶接が行われている。なお、図3(a)はウェブ構成鋼板1の上端部付近のみを示すが、ウェブ構成鋼板1の下端部付近もこの上端部付近と同様に仮止めおよび溶接されている。
【0025】
かかる第2実施例の溶接構造にあっては、橋桁としての箱桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が、上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1fに沿って橋桁延在方向に延在してその端縁1fと側端部の側面とを溶接する周囲溶接部9(溶接線)が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されているので、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の側端部に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0026】
従ってこの第2実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0027】
さらにこの第2実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その状態で上記周囲溶接が行われるので、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板1を位置決めした後その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに殆どもしくは全く治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルト10を二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルト10やそこに締着したナット11が橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0028】
図4(a)は、この発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第3実施例を示す正面図、図4(b)は、その第3実施例の溶接構造の、図4(a)のC−C線に沿う断面図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわち、この第3実施例の溶接構造も、図2に示す箱桁に適用され得るものであり、ここでは、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々の上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々で、上記側端部の凹曲線状の切欠部1aが、その切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、その側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように垂直線に対し45度の角度で斜め方向へ延在する直線とその端に連なる円弧との組合せ曲線状の端縁1fを介して繋がり、それら二枚のウェブ構成鋼板1の上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が直交する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに、例えばガスシールドアーク溶接等で全周に亘って溶接されている。一方、そのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0029】
さらにこの第3実施例の溶接構造でも、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち、橋の外側寄りに配置される方(図4(a)では奥側、図4(b)では上側)の側端部の、橋の内側(図4(a)では紙面上方、図4(b)では下方)へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方(図4(a)では手前側、図4(b)では下側)の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その仮止め状態で上記周囲溶接が行われている。なお、図4(a)はウェブ構成鋼板1の上端部付近のみを示すが、ウェブ構成鋼板1の下端部付近もこの上端部付近と同様に仮止めおよび溶接されている。
【0030】
かかる第3実施例の溶接構造にあっても第2実施例と同様、橋桁としての箱桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が、上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1fに沿って橋桁延在方向に延在してその端縁1fと側端部の側面とを溶接する周囲溶接部9(溶接線)が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されているので、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の側端部に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0031】
従ってこの第3実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0032】
さらにこの第3実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その状態で上記周囲溶接が行われるので、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板1を位置決めした後その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに殆どもしくは全く治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルト10を二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルト10やそこに締着したナット11が橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0033】
なお、上記各ウェブ構成鋼板1に、側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線と円弧との組合せ曲線状の端縁1fに代えて、側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線状の端縁を設けて、それら斜め方向へ延在する直線状の端縁同士が交差する配置で二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士を重ね合わさせて、重なっている部分の周囲を互いに溶接するようにしても良い。
【0034】
図5(a)は、橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の一比較例を示す正面図、図5(b)は、その比較例の溶接構造の、図5(a)のD−D線に沿う断面図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわち、この比較例の溶接構造では、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1のうちの一方(図5(a)では左側)のウェブ構成鋼板1のみの上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、上記一方(図5(a)では左側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部の上記略凹円弧状の切欠部1aがその切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、水平方向に延在する直線状の端縁1cを介して繋がり、また上記二枚のうちの他方(図5(a)では右側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部が上下方向に延在する直線状の側端縁1bのみを有し、上記他方のウェブ構成鋼板1の上記上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、上記一方のウェブ構成鋼板1の上記水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに全周に亘って溶接されている。一方、ウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0035】
図6(a),(b)および(c)は、上記比較例の溶接構造と先の第1,第2実施例の溶接構造とをそれぞれ具える、実橋の1/2スケールの試験体Tを用いた疲労試験の状況を示す正面図、平面図および側面図であり、この試験体Tは、図6(b)に示すように、図では左下に上記比較例の溶接構造を、また図では右下と右上とに先の第1実施例と第2実施例との溶接構造を、それぞれ図中黒三角印で示す三カ所ずつ具えている。なお、図7はウェブ構成鋼板1の材質および寸法、図8はフランジ構成鋼板2とコンクリート製の上床版6との固定構造をそれぞれ示し、図8中符号12は、フランジ構成鋼板2の上面に溶接固定されたアングル材、13はそのアングル材12の穴に通されて上床版6に埋設された貫通鉄筋、14はその貫通鉄筋13に中央部を掛けられて上床版6に埋設されたU字鉄筋をそれぞれ示す。
【0036】
かかる試験体Tにサーボジャッキで、図6に示すようにして、疲労試験荷重W(荷重変化分)2400kNを試験周波数0.5Hzで載荷し、W1×2点とW2×2点との4点載荷で各溶接構造部分に面内外曲げモーメントおよび剪断力を付加した結果、繰返し数300万回まででは、比較例の溶接構造にのみ、上フランジ2とウェブ1との溶接部や、ウェブ1の側端部同士の重ね合わせ溶接部の上下端部に疲労亀裂が発生し、第1実施例と第2実施例との溶接構造では疲労亀裂は発生しなかった。
【0037】
そしてその後、疲労強度の確認のため疲労試験荷重W(荷重変化分)を1.5倍の3600kNに上げて疲労試験を続けたところ、第1実施例の溶接構造では下フランジ3とウェブ1との溶接部に約5万回後に疲労亀裂が発生し、第2実施例の溶接構造では疲労亀裂は発生しなかった。
【0038】
この試験結果からも明らかなように、上記第1実施例と第2実施例との溶接構造によれば、溶接部分に充分に高い疲労強度を持たせることができる。また、その第2実施例の溶接構造の試験結果から、その第2実施例に近い上記第3実施例の溶接構造でも、溶接部分に充分に高い疲労強度を持たせ得るということが推定される。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発明の溶接構造は、箱桁のみならずI桁にも適用することができ、また波形鋼板ウェブのみならず平板ウェブにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第1実施例を示す正面図、(b)はその第1実施例の溶接構造の、(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】上記第1実施例の溶接構造を適用し得る高架橋の橋桁としての箱桁の例を上床版の右半部を除いて示す斜視図である。
【図3】(a)はこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第2実施例を示す正面図、(b)はその第2実施例の溶接構造の、(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図4】(a)はこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第3実施例を示す正面図、(b)はその第3実施例の溶接構造の、(a)のC−C線に沿う断面図である。
【図5】(a)は橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の一比較例を示す正面図、(b)はその比較例の溶接構造の、(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図6】(a),(b)および(c)は、上記比較例の溶接構造と先の第1,第2実施例の溶接構造とをそれぞれ具える、実橋の1/2スケールの試験体を用いた疲労試験の状況を示す正面図、平面図および側面図である。
【図7】上記試験体のウェブ構成鋼板の材質,寸法を示す説明図である。
【図8】上記試験体のフランジ構成鋼板と上床版との固定構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ウェブ(ウェブ構成鋼板)
1a 略凹円弧状の切欠部
1b 上下方向に延在する直線状の側端縁
1c 水平方向に延在する直線状の端縁
1d 橋の内側へ向く面
1e ボルト穴
1f 斜め方向へ延在する組合せ曲線状の端縁
2 上フランジ(上フランジ構成鋼板)
3 下フランジ(下フランジ構成鋼板)
4 内ケーブル
5 外ケーブル
6 上床版
7 下床版
8 デビエータ
9 周囲溶接部
10 スタッドボルト
11 ナット
12 アングル材
13 貫通鉄筋
14 U字鉄筋
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高架橋の箱桁等の橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部(橋桁延在方向の端部)同士が重ね合わせ溶接された溶接構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の箱桁用の上述の如き溶接構造としては、例えば特許第3068414号公報にて開示されたものが知られている。
【0003】
この従来の溶接構造のうちの一つでは、二枚のウェブ構成鋼板のうちの一方の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板のうちの他方の側端部の上下端部ではフランジ構成鋼板に溶接された上下端縁がそのまま略水平方向に延在し、上記一方のウェブ構成鋼板では、側端部の上記略凹円弧状の切欠部が、そこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁を介して繋がり、また上記他方のウェブ構成鋼板では、水平方向に延在する上下端縁が、そこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に繋がり、そして上記他方のウェブ構成鋼板の上記上下方向に延在する直線状の側端縁に、上記一方のウェブ構成鋼板の上記水平方向に延在する直線状の端縁が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている側端部の側端縁を相手側の側端部の側面に溶接されている。
【0004】
また上記従来の溶接構造のうちの他の一つでは、二枚のウェブ構成鋼板の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成され、それら二枚のウェブ構成鋼板の各々で、上記側端部の凹曲線状の切欠部が、そこよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁を介して繋がり、そして上記二枚のウェブ構成鋼板の上記水平方向に延在する直線状の端縁同士が隣り合って整列する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている側端部の側端縁を相手側の側端部の側面に溶接されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の溶接構造では何れも、重なっている側端部の側端縁を相手側の側端部の側面に溶接しているだけで橋桁延在方向に延在する溶接線がないので充分な溶接強度が得難く、しかも前者は、二枚のウェブ構成鋼板のうちの他方のウェブ構成鋼板の側端部の上下端部でフランジ構成鋼板に溶接された上下端縁がそのまま略水平方向に延在していて、略凹円弧状の切欠部がないので、たとえ橋桁延在方向に延在する溶接線を設けてもフランジ構成鋼板と上記他方のウェブ構成鋼板との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じ易いためその部分に疲労亀裂が発生する可能性が比較的高く、また後者も、二枚のウェブ構成鋼板の水平方向に延在する直線状の端縁同士が隣り合って整列する配置でそれら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて溶接されているので、橋桁延在方向に延在する溶接線をそれらの水平方向に延在する直線状の端縁に設けても側面への溶接でないことから充分な溶接強度が得難いという不都合があった。
【0006】
さらに、上記従来の溶接構造では何れも、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板を位置決めした後、その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに、多くの治具やその設置のための工数が必要とされるという不都合があり、その不都合の解消のためには、重ね合わせた二枚の側端部にボルトを貫通させそこにナットを締着してそれらの側端部同士を結合することも考えられるが、そのようにすると側端部に貫通させたボルトの頭部やその貫通したボルトに定着したナットが橋の外側に露出して橋の美観を損ねるという他の不都合が生ずる。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
この発明は、上記課題を有利に解決した溶接構造を提供することを目的とするものであり、請求項1記載のこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造は、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、前記二枚のウェブ構成鋼板の各々の前記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、前記二枚のうちの一方のウェブ構成鋼板で、前記側端部の前記略凹円弧状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に繋がり、前記二枚のうちの他方のウェブ構成鋼板で、前記側端部の前記略凹円弧状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁または、前記側端縁に寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁を介して繋がり、前記一方のウェブ構成鋼板の前記上下方向に延在する直線状の側端縁に、前記他方のウェブ構成鋼板の前記水平方向に延在する直線状の端縁または前記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されていることを特徴としている。
【0008】
かかる溶接構造にあっては、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が、一方のウェブ構成鋼板の上下方向に延在する直線状の側端縁に他方のウェブ構成鋼板の水平方向に延在する直線状の端縁または斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記水平方向に延在する直線状の端縁または斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁に沿って橋桁延在方向に延在してその端縁と側端部の側面とを溶接する溶接線が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されているので、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0009】
従ってこの橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造によれば、二枚のウェブ構成鋼板同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0010】
また、請求項2記載のこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造は、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、前記二枚のウェブ構成鋼板の各々の前記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、前記二枚のウェブ構成鋼板の各々で、前記側端部の前記凹曲線状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、前記側端縁に寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線状または曲線状の端縁を介して繋がり、前記二枚のウェブ構成鋼板の前記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁同士が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を溶接されていることを特徴としている。
【0011】
かかる溶接構造にあっては、橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が、上記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁同士が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁に沿って橋桁延在方向に延在してその端縁と側端部の側面とを溶接する溶接線が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されているので、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0012】
従ってこの橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板とウェブ構成鋼板との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。またこの継手構造は、上下方向へ延在する直線状の側端縁から斜め方向へ延在する組合せ曲線状の端縁への溶接線の変化が緩やかかつ連続的であるため、比較的楽な溶接姿勢で作業が可能であり、作業性が良好である。
【0013】
なお、この発明においては、請求項3の記載のように、前記二枚のウェブ構成鋼板の前記側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けてスタッドボルトが立設されるとともに、前記二枚のウェブ構成鋼板の前記側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、前記スタッドボルトが挿通されるボルト穴が形成され、前記ボルト穴に挿通された前記スタッドボルトにナットが締着されて、前記二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて仮止めされていても良く、このようにすれば、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板を位置決めした後、その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに、殆どもしくは全く、治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルトを二枚のウェブ構成鋼板の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルトやそこに締着したナットが橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a)は、この発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第1実施例を示す正面図、図1(b)は、その第1実施例の溶接構造の、図1(a)のA−A線に沿う断面図、図2は、その第1実施例の溶接構造を適用し得る高架橋の橋桁としての箱桁の例を上床版の右半部を除いて示す斜視図である。
【0015】
図2に示す箱桁は、いわゆる波形ウェブ橋を構成するもので、上にゆくほど相互の間隔が広がるように橋の幅方向両端部に互いに逆向きに傾斜して配置されてそれぞれ橋の長手方向に延在する鋼板製の二枚の波形ウエブ1と、それらの波形ウエブ1の上下端縁に固定されてそれぞれ橋の長手方向に水平に延在する何れも鋼板製の上フランジ2(右側のものは図示せず)および下フランジ3と、それら上下フランジ2,3に固定されるとともに内部の内ケーブル4と外部の外ケーブル5とをプレストレス付加材として設けられた何れもコンクリート製の上床版6(右半部は図示せず)および下床版7と、橋の長手方向に所定間隔で配置されて二枚の波形ウエブ1の相互の配置を維持するコンクリート製のデビエータ8とを具えるとともに、その二枚の波形ウエブ1の各々を形成するために、図1(a)および(b)に示す、上記第1実施例の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造を具えている。
【0016】
すなわち、この箱桁における二枚の波形ウエブ1の各々は、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板(箱桁を構成した状態ではフランジとなるので便宜上対応フランジと同一の符号にて示す)2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板(箱桁を構成した状態ではウェブとなるので便宜上ウェブと同一の符号にて示す)1の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造を具え、その溶接構造の繰返しにより、橋の長手方向に並べられた多数の波形のウェブ構成鋼板1が相互に溶接固定されて形成されている。一方、そのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0017】
そしてこの第1実施例の溶接構造では、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々の上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、それら二枚のうちの一方(図1(a)では左側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部の上記略凹円弧状の切欠部1aがその切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに繋がり、またそれら二枚のうちの他方(図1(a)では右側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部の上記略凹円弧状の切欠部1aがその切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、水平方向に延在する直線状の端縁1cを介して繋がり、上記一方のウェブ構成鋼板1の上記上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、上記他方のウェブ構成鋼板1の上記水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに、例えばガスシールドアーク溶接等で全周に亘って溶接されている。ここで、図中符号9はその周囲溶接部を示す。
【0018】
さらにこの第1実施例の溶接構造では、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち、橋の外側寄りに配置される方(図1(a)では奥側、図1(b)では上側)の側端部の、橋の内側(図1(a)では紙面上方、図1(b)では下方)へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方(図1(a)では手前側、図1(b)では下側)の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その仮止め状態で上記周囲溶接が行われている。なお、図1(a)はウェブ構成鋼板1の上端部付近のみを示すが、ウェブ構成鋼板1の下端部付近もこの上端部付近と同様に仮止めおよび溶接されている。
【0019】
かかる第1実施例の溶接構造にあっては、橋桁としての箱桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が、一方のウェブ構成鋼板1の上下方向に延在する直線状の側端縁1bに他方のウェブ構成鋼板1の水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記水平方向に延在する直線状の端縁1cに沿って橋桁延在方向に延在してその端縁1cと側端部の側面とを溶接する周囲溶接部9(溶接線)が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されているので、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の側端部(橋桁延在方向の端部)に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0020】
従ってこの第1実施例の溶接構造によれば、二枚のウェブ構成鋼板1同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0021】
さらにこの第1実施例の溶接構造によれば、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その状態で上記周囲溶接が行われるので、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板1を位置決めした後その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに殆どもしくは全く治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルト10を二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルト10やそこに締着したナット11が橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0022】
なお、上記他方のウェブ構成鋼板1に、水平方向に延在する直線状の端縁1cに代えて斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁を設けて、その斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が一方のウェブ構成鋼板1の上下方向に延在する直線状の側端縁1bに交差する配置で二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士を重ね合わさせて、重なっている部分の周囲を互いに溶接するようにしても良い。
【0023】
図3(a)は、この発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第2実施例を示す正面図、図3(b)は、その第2実施例の溶接構造の、図3(a)のB−B線に沿う断面図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわち、この第2実施例の溶接構造も、図2に示す箱桁に適用され得るものであり、ここでは、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々の上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々で、上記側端部の凹曲線状の切欠部1aが、その切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、その側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように垂直線に対し60度の角度で斜め方向へ延在する直線とその端に連なる円弧との組合せ曲線状の端縁1fを介して繋がり、それら二枚のウェブ構成鋼板1の上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに、例えばガスシールドアーク溶接等で全周に亘って溶接されている。一方、そのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0024】
さらにこの第2実施例の溶接構造でも、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち、橋の外側寄りに配置される方(図3(a)では奥側、図3(b)では上側)の側端部の、橋の内側(図3(a)では紙面上方、図3(b)では下方)へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方(図3(a)では手前側、図3(b)では下側)の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その仮止め状態で上記周囲溶接が行われている。なお、図3(a)はウェブ構成鋼板1の上端部付近のみを示すが、ウェブ構成鋼板1の下端部付近もこの上端部付近と同様に仮止めおよび溶接されている。
【0025】
かかる第2実施例の溶接構造にあっては、橋桁としての箱桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が、上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1fに沿って橋桁延在方向に延在してその端縁1fと側端部の側面とを溶接する周囲溶接部9(溶接線)が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されているので、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の側端部に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0026】
従ってこの第2実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0027】
さらにこの第2実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その状態で上記周囲溶接が行われるので、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板1を位置決めした後その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに殆どもしくは全く治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルト10を二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルト10やそこに締着したナット11が橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0028】
図4(a)は、この発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第3実施例を示す正面図、図4(b)は、その第3実施例の溶接構造の、図4(a)のC−C線に沿う断面図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわち、この第3実施例の溶接構造も、図2に示す箱桁に適用され得るものであり、ここでは、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々の上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、それら二枚のウェブ構成鋼板1の各々で、上記側端部の凹曲線状の切欠部1aが、その切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、その側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように垂直線に対し45度の角度で斜め方向へ延在する直線とその端に連なる円弧との組合せ曲線状の端縁1fを介して繋がり、それら二枚のウェブ構成鋼板1の上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が直交する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに、例えばガスシールドアーク溶接等で全周に亘って溶接されている。一方、そのウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0029】
さらにこの第3実施例の溶接構造でも、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち、橋の外側寄りに配置される方(図4(a)では奥側、図4(b)では上側)の側端部の、橋の内側(図4(a)では紙面上方、図4(b)では下方)へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方(図4(a)では手前側、図4(b)では下側)の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、上記二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その仮止め状態で上記周囲溶接が行われている。なお、図4(a)はウェブ構成鋼板1の上端部付近のみを示すが、ウェブ構成鋼板1の下端部付近もこの上端部付近と同様に仮止めおよび溶接されている。
【0030】
かかる第3実施例の溶接構造にあっても第2実施例と同様、橋桁としての箱桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板2,3を溶接された二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が、上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1f同士が交差する配置で重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されているので、側端部の上下端部にそれぞれ上記斜め方向に延在する曲線状の端縁1fに沿って橋桁延在方向に延在してその端縁1fと側端部の側面とを溶接する周囲溶接部9(溶接線)が存在するため、充分な溶接強度が得られ、しかも二枚のウェブ構成鋼板1の各々の側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されているので、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の側端部に応力集中が生じにくいため、その部分に疲労亀裂が発生する可能性も低い。
【0031】
従ってこの第3実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1同士の溶接強度を充分高め得るとともに、フランジ構成鋼板2,3とウェブ構成鋼板1との溶接部分の疲労強度も充分高めることができる。
【0032】
さらにこの第3実施例の溶接構造によっても、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面1dに、橋の内側へ向けてスタッドボルト10が立設されるとともに、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、上記スタッドボルト10が挿通されるボルト穴1eが形成され、そのボルト穴1eに挿通された上記スタッドボルト10にナット11が締着されて、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて仮止めされ、その状態で上記周囲溶接が行われるので、側端部が重なるようにウェブ構成鋼板1を位置決めした後その位置決め状態を溶接作業が終わるまで維持するのに殆どもしくは全く治具やその設置のための工数が必要でなくなり、しかもスタッドボルト10を二枚のウェブ構成鋼板1の側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けて立設するので、スタッドボルト10やそこに締着したナット11が橋の外側に露出して橋の美観を損ねるということもない。
【0033】
なお、上記各ウェブ構成鋼板1に、側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線と円弧との組合せ曲線状の端縁1fに代えて、側端縁1bに寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線状の端縁を設けて、それら斜め方向へ延在する直線状の端縁同士が交差する配置で二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士を重ね合わさせて、重なっている部分の周囲を互いに溶接するようにしても良い。
【0034】
図5(a)は、橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の一比較例を示す正面図、図5(b)は、その比較例の溶接構造の、図5(a)のD−D線に沿う断面図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわち、この比較例の溶接構造では、二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士の重ね合わせ溶接部において、それら二枚のウェブ構成鋼板1のうちの一方(図5(a)では左側)のウェブ構成鋼板1のみの上記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部1aが形成されるとともに、上記一方(図5(a)では左側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部の上記略凹円弧状の切欠部1aがその切欠部1aよりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、水平方向に延在する直線状の端縁1cを介して繋がり、また上記二枚のうちの他方(図5(a)では右側)のウェブ構成鋼板1で、上記側端部が上下方向に延在する直線状の側端縁1bのみを有し、上記他方のウェブ構成鋼板1の上記上下方向に延在する直線状の側端縁1bに、上記一方のウェブ構成鋼板1の上記水平方向に延在する直線状の端縁1cが交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに全周に亘って溶接されている。一方、ウェブ構成鋼板1の側端部同士が重ね合わせ溶接された部分で、フランジ構成鋼板2同士およびフランジ構成鋼板3同士は互いに溶接されずに離間している。
【0035】
図6(a),(b)および(c)は、上記比較例の溶接構造と先の第1,第2実施例の溶接構造とをそれぞれ具える、実橋の1/2スケールの試験体Tを用いた疲労試験の状況を示す正面図、平面図および側面図であり、この試験体Tは、図6(b)に示すように、図では左下に上記比較例の溶接構造を、また図では右下と右上とに先の第1実施例と第2実施例との溶接構造を、それぞれ図中黒三角印で示す三カ所ずつ具えている。なお、図7はウェブ構成鋼板1の材質および寸法、図8はフランジ構成鋼板2とコンクリート製の上床版6との固定構造をそれぞれ示し、図8中符号12は、フランジ構成鋼板2の上面に溶接固定されたアングル材、13はそのアングル材12の穴に通されて上床版6に埋設された貫通鉄筋、14はその貫通鉄筋13に中央部を掛けられて上床版6に埋設されたU字鉄筋をそれぞれ示す。
【0036】
かかる試験体Tにサーボジャッキで、図6に示すようにして、疲労試験荷重W(荷重変化分)2400kNを試験周波数0.5Hzで載荷し、W1×2点とW2×2点との4点載荷で各溶接構造部分に面内外曲げモーメントおよび剪断力を付加した結果、繰返し数300万回まででは、比較例の溶接構造にのみ、上フランジ2とウェブ1との溶接部や、ウェブ1の側端部同士の重ね合わせ溶接部の上下端部に疲労亀裂が発生し、第1実施例と第2実施例との溶接構造では疲労亀裂は発生しなかった。
【0037】
そしてその後、疲労強度の確認のため疲労試験荷重W(荷重変化分)を1.5倍の3600kNに上げて疲労試験を続けたところ、第1実施例の溶接構造では下フランジ3とウェブ1との溶接部に約5万回後に疲労亀裂が発生し、第2実施例の溶接構造では疲労亀裂は発生しなかった。
【0038】
この試験結果からも明らかなように、上記第1実施例と第2実施例との溶接構造によれば、溶接部分に充分に高い疲労強度を持たせることができる。また、その第2実施例の溶接構造の試験結果から、その第2実施例に近い上記第3実施例の溶接構造でも、溶接部分に充分に高い疲労強度を持たせ得るということが推定される。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発明の溶接構造は、箱桁のみならずI桁にも適用することができ、また波形鋼板ウェブのみならず平板ウェブにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第1実施例を示す正面図、(b)はその第1実施例の溶接構造の、(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】上記第1実施例の溶接構造を適用し得る高架橋の橋桁としての箱桁の例を上床版の右半部を除いて示す斜視図である。
【図3】(a)はこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第2実施例を示す正面図、(b)はその第2実施例の溶接構造の、(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図4】(a)はこの発明の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の第3実施例を示す正面図、(b)はその第3実施例の溶接構造の、(a)のC−C線に沿う断面図である。
【図5】(a)は橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造の一比較例を示す正面図、(b)はその比較例の溶接構造の、(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図6】(a),(b)および(c)は、上記比較例の溶接構造と先の第1,第2実施例の溶接構造とをそれぞれ具える、実橋の1/2スケールの試験体を用いた疲労試験の状況を示す正面図、平面図および側面図である。
【図7】上記試験体のウェブ構成鋼板の材質,寸法を示す説明図である。
【図8】上記試験体のフランジ構成鋼板と上床版との固定構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ウェブ(ウェブ構成鋼板)
1a 略凹円弧状の切欠部
1b 上下方向に延在する直線状の側端縁
1c 水平方向に延在する直線状の端縁
1d 橋の内側へ向く面
1e ボルト穴
1f 斜め方向へ延在する組合せ曲線状の端縁
2 上フランジ(上フランジ構成鋼板)
3 下フランジ(下フランジ構成鋼板)
4 内ケーブル
5 外ケーブル
6 上床版
7 下床版
8 デビエータ
9 周囲溶接部
10 スタッドボルト
11 ナット
12 アングル材
13 貫通鉄筋
14 U字鉄筋
Claims (3)
- 橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、
前記二枚のウェブ構成鋼板の各々の前記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、
前記二枚のうちの一方のウェブ構成鋼板で、前記側端部の前記略凹円弧状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に繋がり、
前記二枚のうちの他方のウェブ構成鋼板で、前記側端部の前記略凹円弧状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、水平方向に延在する直線状の端縁または、前記側端縁に寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁を介して繋がり、
前記一方のウェブ構成鋼板の前記上下方向に延在する直線状の側端縁に、前記他方のウェブ構成鋼板の前記水平方向に延在する直線状の端縁または前記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を互いに溶接されていることを特徴とする、橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造。 - 橋桁用の、互いに隣接するとともに各々上下端部にフランジ構成鋼板を溶接された二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わせ溶接された溶接構造において、
前記二枚のウェブ構成鋼板の各々の前記側端部の上下端部にそれぞれ略凹円弧状の切欠部が形成されるとともに、
前記二枚のウェブ構成鋼板の各々で、前記側端部の前記凹曲線状の切欠部がその切欠部よりも上下方向中央寄りに位置して上下方向に延在する直線状の側端縁に、前記側端縁に寄るほど上下方向中央に寄るように斜め方向へ延在する直線状または曲線状の端縁を介して繋がり、
前記二枚のウェブ構成鋼板の前記斜め方向に延在する直線状もしくは曲線状の端縁同士が交差する配置で、それら二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて、重なっている部分の周囲を溶接されていることを特徴とする、橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造。 - 前記二枚のウェブ構成鋼板の前記側端部のうち橋の外側寄りに配置される方の側端部の、橋の内側へ向く面に、橋の内側へ向けてスタッドボルトが立設されるとともに、
前記二枚のウェブ構成鋼板の前記側端部のうち橋の内側寄りに配置される方の側端部に、前記スタッドボルトが挿通されるボルト穴が形成され、
前記ボルト穴に挿通された前記スタッドボルトにナットが締着されて、前記二枚のウェブ構成鋼板の側端部同士が重ね合わされて仮止めされていることを特徴とする、請求項1または2記載の橋桁用ウェブ構成鋼板の溶接構造。
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- 2002-08-30 JP JP2002253680A patent/JP2004090025A/ja active Pending
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