JP2004089897A - 有機溶媒の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーを製造する設備のベント部から放出された有機溶媒ガスを含む気体から有機溶媒ガスを活性炭で吸着し、有機溶媒を回収する方法において、有機溶媒ガスを効率良く回収でき、活性炭の吸着能力の低下が極めて少ない有機溶媒の回収方法を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂の製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体から有機溶媒を回収する方法において、(I)有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させ(接触工程)、(II)次いで、得られた有機溶媒ガスを含有する気体を活性炭吸着槽に送気し、有機溶媒を活性炭に吸着させ(吸着工程)、(III)活性炭に吸着した有機溶媒を回収する(回収工程)ことを特徴とする有機溶媒の回収方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体から有機溶媒を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機溶媒は機械、電気、精密機械等の洗浄剤として、また各種ポリマーや各種オリゴマー等の製造時の溶媒として多用される現在、有機溶媒の使用量も年々増大するとともに有機溶媒の大気流出量も年々増大する状況にあり、環境衛生としての問題としてクローズアップされるようになってきている。この様に、ポリマーやオリゴマー等の生産量が伸長してきている現在、有機溶媒を用いて界面重合法等の方法でポリマーやオリゴマー等を製造する設備のベント部等から大気に放出される有機溶媒量も増大し、環境保全等の社会問題となり、その対応に鋭意努力している状況にある。特にポリカーボネート樹脂やカーボネートオリゴマーの製造においては、生産量の増加に伴い有機溶媒の使用量も増加傾向にあり、生産設備のベント部から放出される有機溶媒の効率的な回収方法の早期開発が望まれている。
【0003】
従来、ポリカーボネート樹脂やカーボネートオリゴマーを製造する設備のベント部から放出される有機溶媒ガスを回収する方法として、有機溶媒ガスを有機溶媒の凝縮温度以下に冷却したコンデンサーに通気して有機溶媒を凝縮回収する方法、あるいはコンデンサーで凝縮回収する方法において、一部の未凝縮ガスを活性炭を用いて固定床吸着法や移動層吸着法で回収する方法が採用されている。例えば特許文献1には廃水に空気または不活性ガスを通気し、ジクロロメタン(塩化メチレン)ガスを含む空気または不活性ガスから、かかる気体を冷却することによりジクロロメタンを回収する方法が記載されている。
【0004】
しかしながら、上述の方法によれば、ポリカーボネート樹脂やカーボネートオリゴマーを製造する設備から発生する有機溶媒ガスの品質によって活性炭の破過時間(活性炭の吸着能力)に差が現れ、破過時間が短くなるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−200006号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーを製造する設備のベント部から放出された有機溶媒ガスを含む気体から有機溶媒ガスを活性炭で吸着し、有機溶媒を回収する方法において、有機溶媒ガスを効率良く回収でき、且つ活性炭の吸着能力の低下が極めて少ない有機溶媒の回収方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーを製造する設備から発生するガスの品質について検討した結果、反応器のベントガス中の反応促進触媒として用いられる第三級アミンを含有した有機溶媒ガス、ポリマーを乾燥させる乾燥機のベントガス中の有機溶媒ガス及びポリマーを溶融押出する押し出し機のベントガス中の有機溶媒ガス等の有機溶媒ガスを、活性炭吸着して回収する前に、有機溶媒ガスを含有する気体をコンデンサー処理したり、バグフィルターで濾過処理したりしても活性炭の破過時間(活性炭の吸着能力)に悪影響を及ぼすことを知見した。
【0008】
そして、この点に着目し鋭意研究した結果、ポリカーボネート樹脂およびカーボネートオリゴマーを製造する設備の各種ベント部から流出する有機溶媒ガスを含有する気体から有機溶媒を回収する方法において、有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させ、次いで活性炭で有機溶媒ガスを吸着し、有機溶媒を回収することによって、活性炭の吸着能力の低下が極めて少なくなると共に有機溶媒を効率良く回収できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明によれば、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体から有機溶媒を回収する方法において、(I)有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させ(接触工程)、(II)次いで、得られた有機溶媒ガスを含有する気体を活性炭吸着槽に送気し、有機溶媒を活性炭に吸着させ(吸着工程)、(III)活性炭に吸着した有機溶媒を回収する(回収工程)ことを特徴とする有機溶媒の回収方法が提供される。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法(界面縮重合法)で反応させて得られるものである。
【0012】
ここで使用される二価フェノール化合物の代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0013】
特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンとビスフェノールAとの共重合体が好ましく使用される。
【0014】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライドまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲンまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0015】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、通常、触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等が使用される。また、ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0016】
界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤、触媒および有機溶媒の存在下に反応させる。
【0017】
酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。
【0018】
有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、ブロモエタン、ブチルクロライド、クロロプロパンおよびクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられ、特に塩化メチレンが好ましく用いられる。これらの溶媒は単独もしくは2種以上混合して使用される。
【0019】
また、反応促進のために用いるアミン系触媒としては、例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒が挙げられ、特にトリエチルアミンが好ましく用いられる。
【0020】
界面重合法による反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つことが好ましい。
【0021】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0022】
【化1】
Figure 2004089897
【0023】
[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはアリールアルキル基、ハロゲン原子であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。]
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、クレゾール、sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール等が挙げられ、特にフェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびp−クミルフェノールが好ましく使用される。
【0024】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を使用することができ、これらを用いてポリカーボネート共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでなく、殊に光学ディスク基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効果があり、また基板の複屈折が低減される効果もあり好ましく使用される。なかでも、下記一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0025】
【化2】
Figure 2004089897
【0026】
【化3】
Figure 2004089897
【0027】
[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
かかる式(2)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
【0028】
また、式(3)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシル及びヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
【0029】
これらの末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少なくとも5モル%、好ましくは少なくとも10モル%末端に導入されることが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0030】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜100,000が好ましく、11,000〜45,000がより好ましく、12,000〜30,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。かかる粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
【0031】
また、本発明のカーボネートオリゴマーとしては、前記ポリカーボネート樹脂で説明した二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得ることができる。
【0032】
前記カーボネートオリゴマーのなかで、特に臭素化ビスフェノールを含む二価フェノール成分とカーボネート前駆体とを反応させた臭素化カーボネート化合物が、樹脂用の難燃剤として好適に使用され好ましい。
【0033】
前記臭素化ビスフェノールとして、具体的には2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称テトラブロモビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタンおよびビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。特にテトラブロモビスフェノールAが好ましく使用される。これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0034】
また、非臭素化ビスフェノール成分として、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンまたはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等を、全ビスフェノール成分の50モル%以下となる量、前記臭素化ビスフェノールと併用して用いることもできる。
【0035】
前記臭素化カーボネート化合物は、前記界面重合法の説明と同様に、ビスフェノール成分のアルカリ水溶液に、カーボネート前駆体例えばホスゲンを、有機溶媒の存在下反応させることによって製造され、次いでかかる反応生成物の有機溶媒溶液から有機溶媒を除去することにより、ハロゲン化カーボネート化合物粉末が得られる。
【0036】
この反応の際、芳香族モノヒドロキシフェノールを末端停止剤として用いることが好ましい。末端停止剤としては、例えばフェノール、クレゾール、sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、イソオクチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール等が挙げられ、p−tert−ブチルフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノールが特に好ましく使用される。
【0037】
前記臭素化カーボネート化合物は、比粘度が0.04〜0.65の範囲が好ましく、0.065〜0.35の範囲がより好ましい。ここで、比粘度は、ハロゲン化カーボネート化合物粉末3.0gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液を20℃で測定した値である。
【0038】
前記製造方法によりポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液が得られる。かかる有機溶媒は、好ましくはハロゲン化炭化水素溶媒(例えば塩化メチレン)を少なからず含有している有機溶媒溶液であり、特に好ましくは実質的にハロゲン化炭化水素を溶媒とする溶液である。
【0039】
かかるポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液は、通常水洗浄が施される。この水洗工程は、好ましくはイオン交換水等の電気伝導度10μS/cm以下、より好ましくは1μS/cm以下の水により行われ、前記有機溶媒溶液と水とを混合、攪拌した後、静置してあるいは遠心分離機等を用いて、有機溶媒溶液相と水相とを分液させ、有機溶媒溶液相を取り出すことを繰り返し行い、水溶性不純物を除去する。水洗浄を行うことにより水溶性不純物が除去され、得られるポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの色相は良好なものとなる。
【0040】
また、上述のポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液は、触媒等の不純物を除去するために酸洗浄やアルカリ洗浄を行うことも好ましい。
【0041】
酸洗浄に用いる酸としてはりん酸、塩酸、硫酸等の水溶液が好ましく用いられ、好ましくは0.0004〜40g/リットル濃度(またはpH5以下)の水溶液が使用される。アルカリ洗浄に用いるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物が挙げられ、特に水酸化ナトリウムが好ましく用いられ、好ましくは0.1〜20g/リットル濃度(またはpH11.5以上)の水溶液が使用される。
【0042】
アルカリ洗浄や酸洗浄に用いる水溶液と有機溶媒溶液との割合は、水溶液/有機溶媒溶液(溶量比)で表わして0.2〜1.5の範囲で用いるのが、洗浄が効率的に行われ好ましい。
【0043】
また、上記有機溶媒溶液は不溶性不純物である異物を除去することが好ましく行われる。この異物を除去する方法は、濾過する方法あるいは遠心分離機で処理する方法が好ましく採用される。
【0044】
有機溶媒溶液を濾過する方法において、濾過に用いるフィルターは、有機溶媒溶液に耐えうる材質であり、例えばセルロース製、セラミック製、ポリオレフィン系樹脂製および銅・ステンレス等の金属製材質のものが挙げられる。また、フィルターの孔径は0.3〜5μmが好ましく、0.3〜2μmがより好ましく、0.3〜1.5μmがさらに好ましく、0.3〜1μmが特に好ましい。孔径が上記範囲のフィルターは、濾過効率が適度であり、また、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマー中の異物量が十分に低減され好ましく使用される。
【0045】
また、有機溶媒溶液を遠心分離機で処理する方法において、その遠心力は500〜15000Gの範囲が好ましい。かかる範囲内であると有機溶媒溶液中の異物を極めて少なくでき、また機械強度面からの材質選定が容易であり好ましい。
【0046】
上記水洗浄が施された有機溶媒溶液は、次いで、溶媒を除去してポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの粉粒体を得る操作が行われる。
【0047】
ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの粉粒体を得る方法(造粒工程)としては、操作や後処理が簡便なことから、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体および温水(65〜90℃程度)が存在する造粒装置中に、攪拌状態で、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液を連続的に供給して、該溶媒を蒸発させることにより、スラリーまたは湿潤ペースト、好ましくはスラリーを製造する方法が好ましく採用される。造粒装置としては攪拌槽やニーダーなどの混合機が好ましく採用される。
【0048】
ここでいうスラリーとはポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体が有機溶媒および水よりなる混合溶媒中に懸濁した流動性を有する状態のものであり、湿潤ペーストとは、このスラリーよりも混合媒体の量が少なく、流動しないかあるいは流動性が低い状態のものをいう。かかるスラリーおよび湿潤ペーストは、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体1重量部に対して、水0.005〜100重量部及びハロゲン化炭化水素0.001〜1.5重量部からなるポリカーボネート樹脂混合物またはカーボネートオリゴマー混合物である。
【0049】
造粒装置内のポリカーボネート樹脂混合物またはカーボネートオリゴマー混合物は、乾燥効率の良いポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体を効率良く得るためにスラリー状態とすることが好ましい。このスラリーは、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体1重量部に対して、水の量が好ましくは1.0〜100重量部であり、より好ましくは1.1〜25重量部であり、さらに好ましくは1.3〜15重量部であり、特に好ましくは1.5〜10重量部である。また、このスラリーは、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体1重量部に対して、ハロゲン化炭化水素の量が好ましくは0.01〜1.5重量部であり、より好ましくは0.03〜1.1重量部であり、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部であり、特に好ましくは0.07〜0.9重量部である。
【0050】
本発明においては、かかる有機溶媒および水を含有するスラリーまたは湿潤ペーストの存在する造粒装置、好ましくはニーダーの内壁面の材質が、流動海水における腐食電位が−0.45〜+0.2Vの材質であることが好ましい。この材質が、かかる腐食電位の範囲内であると、長期間運転した場合、得られるポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体の異物量が増大し難く好ましい。
【0051】
かかる方法により、生成されたスラリーまたは湿潤ペーストは、好ましくは造粒装置の上部または下部から連続的に排出される。
【0052】
前記排出されたスラリーまたは湿潤ペーストは、次いで熱水処理を行うこともできる。熱水処理工程は、かかるスラリーまたは湿潤ペーストを90〜100℃の熱水の入った熱水処理容器に供給するかまたは供給した後に蒸気の吹き込みなどにより水温を90〜100℃にすることによって、スラリーまたは湿潤ペーストに含まれる有機溶媒を除去するものである。
【0053】
かかる熱水処理工程を採用する場合、熱水処理容器の内壁面の材質を、流動海水における腐食電位が−0.45〜+0.2Vの材質とすることが好ましい。
【0054】
前記造粒工程で排出されたスラリーまたは湿潤ペーストもしくは前記熱水処理後のスラリーまたは湿潤ペーストは、好ましくは濾過、遠心分離等によって水および有機溶媒をある程度除去し、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの湿潤ペーストを回収する。
【0055】
前記ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの湿潤ペーストは、次いで乾燥され、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体を得ることができる。
【0056】
乾燥工程に供するポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの湿潤ペーストは、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体1重量部に対して、水の量が好ましくは0.005〜1.3重量部であり、より好ましくは0.01〜1.2重量部であり、さらに好ましくは0.05〜1.1重量部である。また、該湿潤ペーストは、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体1重量部に対して、ハロゲン化炭化水素の量が好ましくは0.001〜0.5重量部であり、より好ましくは0.003〜0.1重量部であり、さらに好ましくは0.005〜0.05重量部である。
【0057】
乾燥機としては、伝導加熱方式でも熱風加熱方式でもよく、ポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体が静置、移送されても攪拌されてもよい。なかでも、伝導加熱方式でポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体が攪拌される溝形または円筒乾燥機が好ましく、溝形乾燥機が特に好ましい。乾燥温度は130〜150℃の範囲が好ましく採用される。
【0058】
本発明においては、かかる湿潤ペーストを乾燥する乾燥機の内壁面の材質が、流動海水における腐食電位が−0.45〜+0.2Vの材質であることが好ましい。この材質が、かかる腐食電位の範囲内であると、長期間運転した場合、得られるポリカーボネート樹脂粉粒体またはカーボネートオリゴマー粉粒体の異物量が増大し難く好ましい。
【0059】
上記腐食電位は、流動海水(10ft/sec)、温度18℃における腐食電位であり、飽和カロメル半電池補助電極により求めた値(V)である。
【0060】
上記腐食電位の範囲を満足する材質としては、SUS316LやSUS329J2L(−0.45〜−0.3V)、ニッケル(−0.2〜−0.1V)、チタン(−0.05〜+0.05V)などが挙げられる。
【0061】
上記乾燥後得られたポリカーボネート樹脂粉粒体は、溶融押出して、ペレット化することが好ましい(溶融押出工程)。このペレットは成形用に好ましく供される。一方、カーボネートオリゴマーは殆ど粉粒体の状態でポリエステル樹脂、スチレン系樹脂等の難燃剤として好ましく供される。
【0062】
本発明の製造方法で得られるポリカーボネート樹脂には、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤(脂肪酸エステル等)、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、耐候剤、抗菌剤、顔料、染料、充填剤、強化剤、他樹脂やゴム等の重合体、難燃剤等の改質改良剤を適宜添加して用いることができる。
【0063】
なかでも熱安定剤はリン系の熱安定剤が好ましく用いられ、例えば亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
【0064】
なかでも、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、及び4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)等が好ましく使用され、特にトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト及び4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)が好ましい。これらは単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの熱安定剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.1重量部、好ましくは0.002〜0.05重量部である。
【0065】
本発明は、上述したようにポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体と液体(好ましくは水溶液)とを接触させ(接触工程)、得られた有機溶媒ガスを活性炭吸着層に送気し、有機溶媒を活性炭に吸着させ(吸着工程)、有機溶媒を回収する(回収工程)ことを特徴とする有機溶媒の回収方法である。そして、有機溶媒ガスを含有する気体と接触させる水溶液のpHは1〜14が好ましく、その水溶液の温度は10〜90℃の範囲が好ましい。
【0066】
本発明において有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させる装置は充填塔方式、エジェクター方式、回転噴霧方式等が好ましく採用される。
【0067】
本発明における製造工程とは、反応工程、水洗(精製)工程、造粒工程、熱水処理工程、乾燥工程、溶融押出工程が例示される。
【0068】
反応工程、水洗工程から排出されるガスには有機溶媒と共に触媒が含まれる場合がある。その場合は、接触させる水溶液のpHは7以下が好ましく、pH2〜7がより好ましく、pH2〜6が特に好ましい。pH7を越える場合はガス中に触媒が残存することがあり活性炭の吸着能力の低下が早くなり易い。
【0069】
造粒工程、熱水処理工程、乾燥工程から排出されるガスには有機溶媒と共にパウダー、モノマーおよび低分子量物が含まれる場合がある。その為、接触させる水溶液のpHは6〜8が好ましく、pH6.5〜7.5が特に好ましい。pH6〜8の場合はガス中のパウダー、モノマーおよび低分子量物が効率良く除去され、また耐蝕性の材質を必要とせず好ましい。
【0070】
溶融押出工程から排出されるガスには有機溶媒と共に熱安定剤、紫外線吸収剤等の改質改良剤等が含まれる場合がある。その為、接触させる水溶液のpHは6.5〜13.8が好ましく、pH7〜12.5がより好ましい。pH6.5〜13.8の場合はガス中の熱安定剤、紫外線吸収剤等の改質改良剤が効率良く除去され、耐蝕性の材質を必要とせず、またアルカリの使用量も少なくなり好ましい。
【0071】
本発明においては、上記各製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させる(接触工程)。液体と接触することにより有機溶媒ガスを含有する気体中に含まれる触媒やパウダー等を除去することができる。
【0072】
そして、接触工程で処理した有機溶媒ガスを含有する気体は、次いで活性炭吸着槽に送気され活性炭吸着槽によって有機溶媒ガスを吸着させる(吸着工程)。さらに、活性炭に吸着した有機溶媒は脱着操作により回収される(回収工程)。
【0073】
本発明においては、各製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体を接触工程に供する前に、触媒やパウダー等をある程度除去するためにガス吸着効能の無い充填物を充填した機器内を通気させてもよい。
【0074】
また、本発明においては、前記接触工程の後、得られた有機溶媒ガスを含有する気体を0〜30℃程度まで冷却し(冷却工程)、次いで前記吸着工程を行う方法を採用することは、活性炭が有機溶媒を吸着する効率が高くなり好ましい。
【0075】
本発明によって回収された有機溶媒は、高純度でありポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造工程に使用する溶媒(例えば界面重合反応の溶媒)として再利用できる。かかる回収した有機溶媒を用いて製造したポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーは、市販の高純度の有機溶媒を用いて製造したポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーと同等の品質となる。
【0076】
また、本発明の回収方法により回収された有機溶媒を反応溶媒として用いて得られるポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂と色相や熱安定性等の品質において差がなく、通常のポリカーボネート樹脂と同等の分野、例えば光学分野、精密機器分野、自動車分野及び食品分野等多くの分野に好適に使用できる。
【0077】
また、本発明の回収方法により回収された有機溶媒を反応溶媒として用いて得られるカーボネートオリゴマーは、通常のカーボネートオリゴマーと色相や熱安定性等の品質において差がなく、通常のカーボネートオリゴマーと同等の分野、例えばポリエステル樹脂、スチレン系樹脂等の樹脂用難燃剤として好適に使用できる。
【0078】
【実施例】
以下、実施例にしたがって、本発明を具体的に説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、評価は次に示す方法で行った。
(1)ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)
粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7g溶解した溶液を、オストワルド粘度計を用いて20℃で測定して求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求めたものである。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
【0079】
(2)カーボネートオリゴマーの比粘度(ηsp
比粘度は塩化メチレン100mlにカーボネートオリゴマー3.0gを溶解した20℃の溶液を、オストワルド粘度計を用いて相対粘度を求め次式に挿入して求めたものである。
ηsp=(t/t)−1
t=サンプルの落下秒数
=塩化メチレンの落下秒数
【0080】
(3)ポリカーボネート樹脂及びカーボネートオリゴマー中の塩化メチレン含有量
ポリカーボネート樹脂及びカーボネートオリゴマー中の塩化メチレン含有量はガスクロマトグラフ装置で測定した。
【0081】
(4)活性炭吸着槽出口の塩化メチレン濃度
活性炭吸着開始60分後の活性炭吸着槽出口排ガス中の塩化メチレン濃度をガスクロマトグラフ装置で測定した。
【0082】
[参考例1](ポリカーボネート樹脂の製造方法)
温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器にイオン交換水219.4部、48%水酸化ナトリウム水溶液40.2部を仕込み、これに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部(0.252モル)およびハイドロサルファイト0.12部を加えて25分間で溶解した後、塩化メチレン(市販品)181部を5分間で加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン28.3部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部およびp−tert−ブチルフェノール1.55部を加え、乳化せしめた後、10分後にトリエチルアミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物に塩化メチレン(市販品)400部を加え混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離して、ポリカーボネート樹脂濃度14.5重量%有機溶媒溶液を得た。
【0083】
この有機溶媒溶液に水150部を加えて攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この有機相にpH3の塩酸水200部を加え、攪拌混合しトリエチルアミン等を塩酸水に抽出した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。次いでさらに分離した有機相にイオン交換水200部を加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この操作を水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで(4回)繰返した(水洗工程)。得られた精製ポリカーボネート樹脂溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
【0084】
次に、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けた内壁の材質がSUS316L製1000Lニーダーにイオン交換水100Lを投入し水温42℃とし、この温水中に前記濾過後の精製ポリカーボネート樹脂溶液を滴下し塩化メチレンを蒸発させスラリーを生成させた(造粒工程)。ニーダーより排出されたスラリーを、水温95℃にコントロールされた攪拌機付熱水処理槽中の熱水中に投入し、粉粒体25部、水75部の混合比で30分間攪拌混合した(熱水処理工程)。この粉粒体と水との混合物を遠心分離機で分離して塩化メチレン0.5重量%、水45重量%を含有するポリカーボネート粉粒体を得た。次に、この粉粒体を140℃にコントロールされているSUS316L製伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/Hr(ポリカーボネート樹脂換算)で連続供給して、平均乾燥時間3時間の条件で乾燥し、粘度平均分子量23500、塩化メチレン含有量250ppmの粉粒体を得た(乾燥工程)。
【0085】
この粉粒体にトリスノニルフェニルホスファイトを0.01重量%、トリメチルホスフェートを0.01重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.08重量%加え混合した。次に、かかる粉粒体をベント式二軸押出機[東芝機械(株)製TEM−50B]によりシリンダー温度280℃、乾式真空ポンプを用いてベント吸引圧6.7×10Pa(5mmHg)で吸引脱気しながら溶融混練押出しし、塩化メチレン含有量20ppmのペレットを得た(溶融押出工程)。
【0086】
[参考例2](カーボネートオリゴマーの製造方法)
温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器にイオン交換水73.0部、48%水酸化ナトリウム水溶液12.5部を仕込み、これにテトラブロムビスフェノールA65部を加えて25分間で溶解した後、塩化メチレン(市販品)178部とトリエチルアミン0.31部を加え、撹拌下20〜25℃で48%水酸化ナトリウム水溶液12.5部を加えながらホスゲン15.0部を60分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液22.5部およびp−tert−ブチルフェノール5.55部を加え、さらに35〜39℃で60分間撹拌して反応を終了した。反応終了後攪拌を停止し、静置して水相と有機相を分離して有機相を得た。
【0087】
この有機相にpH3の塩酸水100部を加え、攪拌混合しトリエチルアミン等を塩酸水に抽出した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。次いでさらに分離した有機相にイオン交換水100部を加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この操作を水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで(4回)繰返した。得られた精製カーボネートオリゴマー溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
【0088】
次に、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けた内壁の材質がSUS316L製1000Lニーダーにイオン交換水100Lを投入し水温42℃とし、この温水中に前記濾過後の精製カーボネートオリゴマー溶液を滴下し塩化メチレンを蒸発させスラリーを生成させた(造粒工程)。ニーダーより排出されたスラリーを、水温95℃にコントロールされた攪拌機付熱水処理槽中の熱水中に投入し、粉粒体25部、水75部の混合比で30分間攪拌混合した(熱水処理工程)。この粉粒体と水との混合物を遠心分離機で分離して塩化メチレン1重量%、水15重量%を含有するカーボネートオリゴマー粉粒体を得た。次に、この粉粒体を150℃にコントロールされているSUS316L製伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/Hr(カーボネートオリゴマー換算)で連続供給して、平均乾燥時間3時間の条件で乾燥し、ηsp0.45、塩化メチレン含有量350ppmの粉粒体を得た(乾燥工程)。
【0089】
[実施例1](反応工程)
参考例1のポリカーボネート樹脂の製造方法において、攪拌機付き反応器の還流冷却器のベントガスをブロワーで、吸引圧−5KPaで吸引し、そのガスを、pH2、液温30℃の塩酸水溶液を循環している充填塔の下部の気相部に導入し、充填塔の上部から抜き取り、次いで固定層型活性炭吸着槽(活性炭充填量20kg)にガスを導入し、活性炭に吸着した塩化メチレンを回収した。尚、固定層型活性炭吸着槽は2槽を用いて、吸着時間2時間、脱着時間1時間、乾燥時間1時間のサイクルで交互に100日間使用し、吸着時(吸着開始60分後)の排出ガス中の塩化メチレン濃度を評価した。その結果を表1に示した。
【0090】
[実施例2](乾燥工程)
参考例1のポリカーボネート樹脂の製造方法において、有効容量300LのSUS316L製伝導受熱式溝型攪拌連続乾燥機のベントガスをブロワーで、吸引圧−490Pa(−50mmHO)で吸引し、そのガスを80℃の水を循環している充填塔の下部の気相部に導入し、充填塔の上部から抜き取り、そのガスを10℃にコントロールしている冷却器に通気した後、固定層型活性炭吸着槽(活性炭充填量20kg)にガスを導入し、活性炭に吸着した塩化メチレンを実施例1と同じ方法で回収した。また、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
【0091】
[実施例3](乾燥工程)
実施例2において、ガスを冷却器に通気しない以外は実施例2と同じ方法で行った。その結果を表1に示した。
【0092】
[実施例4](乾燥工程)
実施例2において、冷却器の後にプレ吸着槽(活性炭充填量5kg)を設置した以外は実施例2と同じ方法で行った。その結果を表1に示した。
【0093】
[実施例5](溶融押出工程)
参考例1のポリカーボネート樹脂の製造方法において、ベント式2軸押出機[東芝機械(株)製TEM−50B]の乾式真空ポンプの排気ガスをpH12、液温45℃の苛性ソーダ水溶液を循環している充填塔の下部の気相部に導入し、充填塔の上部から抜き取り、次いで固定層型活性炭吸着槽(活性炭充填量20kg)にガスを導入し、活性炭に吸着した塩化メチレンを実施例1と同じ方法で回収した。また、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
【0094】
[実施例6](反応工程)
参考例2のカーボネートオリゴマーの製造方法において、攪拌機付き反応機の還流冷却器のベントガスをブロワーで、吸引圧−490Pa(−50mmHO)で吸引し、そのガスを、pH2、液温30℃の塩酸水溶液を循環している充填塔の下部の気相部に導入し、充填塔の上部から抜き取り、次いで固定層型活性炭吸着槽(活性炭充填量20kg)にガスを導入し、活性炭に吸着した塩化メチレンを回収した。尚、固定層型活性炭吸着槽は2槽を用いて、吸着時間2時間、脱着時間1時間、乾燥時間1時間のサイクルで交互に100日間使用し、吸着時(吸着開始60分後)の排出ガス中の塩化メチレン濃度を評価した。その結果を表1に示した。
【0095】
[実施例7]
参考例1のポリカーボネート樹脂の製造方法において、使用する塩化メチレンを、実施例1で回収した塩化メチレンを用いた以外は参考例1と同じ方法でポリカーボネート樹脂を製造した。その結果、粘度平均分子量23500、塩化メチレン含有量250ppmの粉粒体が得られ、市販の未使用の塩化メチレンを用いて得られたポリカーボネート樹脂と同等の品質であった。
【0096】
[実施例8]
参考例2のカーボネートオリゴマーの製造方法において、使用する塩化メチレンを、実施例6で回収した塩化メチレンを用いた以外は参考例2と同じ方法でカーボネートオリゴマーを製造した。その結果、ηsp0.45、塩化メチレン含有量350ppmの粉粒体が得られ、市販の未使用の塩化メチレンを用いて得られたカーボネートオリゴマーと同等の品質であった。
【0097】
[比較例1]
実施例1において、充填塔を用いないでベントガスを塩酸水溶液と接触させない以外は実施例1と同じ方法で行った。その結果を表1に示した。
【0098】
[比較例2]
実施例2において、充填塔を用いないでベントガスを水と接触させない以外は実施例2と同じ方法で行った。その結果を表1に示した。
【0099】
[比較例3]
実施例4において、充填塔を用いないでベントガスを水と接触させない以外は実施例4と同じ方法で行った。その結果を表1に示した。
【0100】
[比較例4]
実施例2において、充填塔の代わりに、厚さ2.0mm、目開き550g/m、通気度4.0cc/cm/秒のアラミド製バグフィルターを用いた以外は実施例2と同じ方法で行った。その結果を表1に示した。
【0101】
[比較例5]
参考例1のポリカーボネート樹脂の製造方法において、使用する塩化メチレンを、比較例1で回収した塩化メチレンを用いた以外は参考例1と同じ方法でポリカーボネート樹脂を製造した。その結果、粘度平均分子量20500、塩化メチレン含有量250ppmの粉粒体が得られ、市販の未使用の塩化メチレンを用いて得られたポリカーボネート樹脂に比べ粘度平均分子量が低くなり、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂が得られなかった。
【0102】
【表1】
Figure 2004089897
【0103】
【発明の効果】
本発明の有機溶媒の回収方法は、高純度の有機溶媒を効率良く回収でき、環境保全の面あるいは経済的な面から優れた方法であり、また、回収された有機溶媒を用いて得られたポリカーボネート樹脂およびカーボネートオリゴマーは、色相、熱安定性等の品質面で良好であり、その奏する工業的効果は格別である。

Claims (7)

  1. ポリカーボネート樹脂の製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体から有機溶媒を回収する方法において、(I)有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させ(接触工程)、(II)次いで、得られた有機溶媒ガスを含有する気体を活性炭吸着槽に送気し、有機溶媒を活性炭に吸着させ(吸着工程)、(III)活性炭に吸着した有機溶媒を回収する(回収工程)ことを特徴とする有機溶媒の回収方法。
  2. カーボネートオリゴマーの製造工程より排出される有機溶媒ガスを含有する気体から有機溶媒を回収する方法において、(I)有機溶媒ガスを含有する気体と液体とを接触させ(接触工程)、(II)次いで、得られた有機溶媒ガスを含有する気体を活性炭吸着槽に送気し、有機溶媒を活性炭に吸着させ(吸着工程)、(III)活性炭に吸着した有機溶媒を回収する(回収工程)ことを特徴とする有機溶媒の回収方法。
  3. 前記接触工程の後、得られた有機溶媒ガスを含有する気体を冷却し(冷却工程)、次いで前記吸着工程を行う請求項1または2記載の有機溶媒の回収方法。
  4. 前記接触工程で使用される液体がpH1〜14の水溶液である請求項1または2記載の有機溶媒の回収方法。
  5. 前記有機溶媒が塩化メチレンである請求項1または2記載の有機溶媒の回収方法。
  6. 請求項1または2記載の回収方法により回収された有機溶媒をポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造工程に使用する有機溶媒の再利用方法。
  7. 請求項1または2記載の回収方法により回収された有機溶媒を、ポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造における反応溶媒として用いることを特徴とするポリカーボネート樹脂またはカーボネートオリゴマーの製造方法。
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