JP2004089620A - 粉末焼結刃物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物に関し、特に、菜切り包丁、出刃包丁、刺身包丁、肉切り包丁などの各種包丁、あるいは人参やネギ類等をスライスするスライサーの固定刃や回転刃等の各種調理用刃物に関し、調理用刃物として衛生性に優れ、見栄えも良好な粉末焼結刃物を提供することを目的とする。
【解決手段】粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物であって、刃物表面には粒径1μm程度のジルコニア結晶粒が多数形成されており、結晶粒間に微細な空孔、浸透性間隙部、凹凸表面部等が形成されている。これら微細空孔や浸透性間隙部、あるいは凹凸表面部等に光触媒性被膜(TiO2被膜)5が被覆されている。
【選択図】 図2
【解決手段】粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物であって、刃物表面には粒径1μm程度のジルコニア結晶粒が多数形成されており、結晶粒間に微細な空孔、浸透性間隙部、凹凸表面部等が形成されている。これら微細空孔や浸透性間隙部、あるいは凹凸表面部等に光触媒性被膜(TiO2被膜)5が被覆されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物に関し、特に、菜切り包丁、出刃包丁、刺身包丁、肉切り包丁などの各種包丁、あるいは人参やネギ類等をスライスするスライサーの固定刃や回転刃等の各種調理用刃物に関する。
【0002】
【従来の技術】
野菜や果物あるいは食肉や魚類等の食材の調理用刃物として、炭素鋼製やステンレス鋼製の調理用刃物に加えて、チタン合金粉末やジルコニアセラミック粉末を素材とする粉末冶金技術を用いた調理用刃物も多用されている。チタン合金粉末やジルコニアセラミック粉末を素材とした刃物は不銹性に優れ、軽量であるため、家庭用および業務用の調理用刃物として好適である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−216276号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平11−228865号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
また、粉末成形焼結による刃物は、形成材料を無駄にせずに有効に使用でき、特に高価材を経済効果的に利用することができるという利点と共に、組成配合の自由度が大きいという特徴を有している。しかしながら、粉末成形焼結による刃物材は一般的な熔融圧延工程により製造される刃物材と異なり、表面には結晶粒界等に空孔や浸透性隙間等が存在することが避けられない。図3(a)は、溶融圧延チタン合金の表面の一部を拡大して示している。図3(a)に示すように、当該チタン合金表面には空孔や凹部は形成されていない。図3(b)は、粉末冶金焼結体の表面の一部を拡大して示している。図3(b)に見られる黒色部は、当該焼結体表面の結晶粒界等に空孔や浸透性隙間等が形成されていることを示している。従って、粉末成形焼結刃物を調理用刃物として長期間用いると、野菜や果物あるいは食肉や魚類等の食材の色素が当該刃物表面の結晶粒界の空孔や浸透性隙間等に沈着して刃物が変色してしまうという問題を有している。このため、刃物の衛生性の観点からもまた見栄えの観点からも解決が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、調理用刃物として衛生性に優れ、見栄えも良好な粉末焼結刃物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物であって、光触媒性被膜が刃部表面に形成されていることを特徴とする粉末焼結刃物によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による粉末焼結刃物について図面を用いて説明する。本実施の形態による粉末焼結刃物は、Ti、Ti合金、銅、銀、炭化バナジウム、SUS鋼、セラミック等の各種素材粉末単体又は混合粉末を目的量配合して組成とした粉体を目的形状金型に充填し、必要圧力でプレス加圧成形後焼結して、目的形状刃物素材を造り、次いで研削加工により得た刃物を、更にTiO2アルコキシド液中に浸漬して、図3(b)に示したような、粉末ハイブリッド焼結刃体表面に必ず発現する粉末焼結結晶組織中の空孔、浸透間隙部及び結晶集合体特有の凸凹形状表面に連続的にTiO2被膜(光触媒性被膜)を付着形成せしめた後、引上げて500℃程度の温度で焼結固定化した自浄性粉末焼結刃物である。
【0009】
固着されたTiO2膜は焼結体固有の空孔や間隙、あるいは凹部にアンカー効果を伴って密着しているので、通常の金属圧延加工素材の表面平滑性(無気孔性)からは得られ難い強固なTiO2膜保持効果を実現することが可能であり、当該刃物による食材の切断や摺動動作によってはTiO2膜の剥離や消耗は殆ど生じない自浄性に優れた食品用刃物等を製造することができる。
【0010】
まず、本実施の形態による粉末焼結刃物の概略の構成を図1を用いて説明する。図1は、チタン合金の粉末をプレス成形後焼結により所望の形状に成形して刃物素材を造出し、当該素材を研削して製造した調理用包丁を例示している。基体1は例えばチタン合金焼結体で形成されている。基体1の一端辺側は研磨されて刃物の刃部2になっている。基体1の長手方向の一端部は、包丁を握るための柄が取り付けられる柄部3が形成されている。
【0011】
本実施形態では、調理用包丁を例に取って説明するが、各種調理用包丁、あるいは人参やネギ類等をスライスするスライサーの固定刃や回転刃等の各種調理用刃物、またあるいは調理用ナイフ、調理用ハサミ、カッター等にも本実施の形態を適用可能である。
【0012】
さて、図1に示す調理用包丁刃物を造出した後、粒径1μm以下のTiO2粒子を10Wt%以下含有するアルコールや水等の液状体に当該調理用包丁を浸漬させるか、または、当該液状体を当該調理用包丁に塗布する。これにより、図3(b)に示したような、当該調理用包丁を構成する粉末焼結体に不可抗力に存在する結晶粒子間の部分的間隙及び個々の粒子形状差による凹凸面等にTiO2被膜を連続的に形成する。
【0013】
次いで、当該調理用包丁に対して焼付行程を施してTiO2被膜を強固に固定する。固化密着したTiO2膜は、粉末形成焼結体固有の粒子間隙に充填材的閉止効果及びアンカー効果を生じさると共に、当該調理用包丁により切断される食品を始めとする各種有機物に含有される各種色素等が、刃部2を構成する各結晶の間隙や凹凸部位等の刃物内部へ加圧浸透するのを防止し、万一、粉末形成焼結体の粒子間隙にこれら有機物質が浸入しても、TiO2特有の光触媒活性酸化機能により、当該有機物質を酸化分解して除去することができる。
【0014】
これにより、従来の冷間・熱間圧延金属素材には少ないが、焼結刃物材に特有の欠陥である表面露出空孔及び凹部等に沈着し集積されていく被切断食品等の色素を含む有機物や細菌等について、紫外線を吸収して活性酸化力を強力に発生する光触媒TiO2膜の効果で沈着色素や細菌等の有機物が酸化分解される結果、有機物質の汚染や染色から調理用包丁を保護するとともに、同じく結晶の間隙に浸透する有害細菌類の滅菌及び有機物質の分解による脱臭や防臭機能等を効果的に保持することができる。また、長期の使用でも刃体の変色等が発生せず、新品の美しさを保持し、且つ衛生的自己浄化機能が長期に亘り保証されたハイブリッド形粉末焼結刃物が得られる。
【0015】
〔実施例1〕
Ti67W%、銀1W%、炭化バナジウム30W%、銅2W%配合粉末を所望形状の金型に充填し、必要圧力で加圧成形した刃物材を1300℃以下の温度で加熱焼結して得た焼結体を研削加工により刃物となす第1工程と、TiO2アルコキシド液中に当該刃物を浸漬した後、引上げて500℃以下の温度で該刃物表面にTiO2膜を焼付成膜する第2工程により、Ti系ハイブリッド自浄効果刃物が製造できる。
【0016】
〔実施例2〕
ジルコニア・アルミナセラミック粉末を所望形状金型に充填し、必要圧力で加圧成形し、1400℃以上の必要温度で加熱焼結し、更に研削加工を加えて刃物とする第1工程と、TiO2アルコキシド液中に当該刃物を浸漬した後、引上げて500℃以下の温度で当該セラミック刃物材表面に存在する微細な空孔、浸透性間隙部、凹凸表面部等にTiO2被膜を、あたかも陶器等に於ける釉(うわぐすり)の如く形成する第2工程により自浄性セラミック刃物が作製される。
図2は、作製された自浄性セラミック刃物(セラミック固相焼結体)の表層断面を示している。図2に示すように、刃物表面には粒径1μm程度のジルコニア結晶粒が多数形成されており、結晶粒間に微細な空孔、浸透性間隙部、凹凸表面部等が形成されている。これら微細空孔や浸透性間隙部、あるいは凹凸表面部等にTiO2被膜5が被覆されている。
【0017】
このように、本実施の形態によれば、表面の結晶粒界等に空孔、浸透性隙間等の存在することが避けられない粉末成形焼結刃物材を調理用刃物として長期間用いても、野菜や果物あるいは食肉や魚類等の食材の色素が当該刃物表面の結晶粒界の空孔や浸透性隙間等に沈着して刃物が変色してしまうことを防止できる。このため、刃物の衛生性の観点からもまた見栄えの観点からも優れた粉末成形焼結刃物材からなる調理用刃物を実現できる。
【0018】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、調理用刃物として衛生性に優れ、見栄えも良好な粉末焼結刃物を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による粉末焼結刃物を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による自浄性セラミック刃物の表層断面を示す図である。
【図3】溶融圧延チタン合金の表面と粉末冶金焼結体の表面とを比較説明する図である。図3(a)は、溶融圧延チタン合金の表面の一部を拡大して示している。図3図3(b)は、粉末冶金焼結体の表面の一部を拡大して示している。
【符号の説明】
1 基体
2 刃部
3 柄部
4 ジルコニア結晶粒
5 TiO2被膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物に関し、特に、菜切り包丁、出刃包丁、刺身包丁、肉切り包丁などの各種包丁、あるいは人参やネギ類等をスライスするスライサーの固定刃や回転刃等の各種調理用刃物に関する。
【0002】
【従来の技術】
野菜や果物あるいは食肉や魚類等の食材の調理用刃物として、炭素鋼製やステンレス鋼製の調理用刃物に加えて、チタン合金粉末やジルコニアセラミック粉末を素材とする粉末冶金技術を用いた調理用刃物も多用されている。チタン合金粉末やジルコニアセラミック粉末を素材とした刃物は不銹性に優れ、軽量であるため、家庭用および業務用の調理用刃物として好適である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−216276号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平11−228865号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
また、粉末成形焼結による刃物は、形成材料を無駄にせずに有効に使用でき、特に高価材を経済効果的に利用することができるという利点と共に、組成配合の自由度が大きいという特徴を有している。しかしながら、粉末成形焼結による刃物材は一般的な熔融圧延工程により製造される刃物材と異なり、表面には結晶粒界等に空孔や浸透性隙間等が存在することが避けられない。図3(a)は、溶融圧延チタン合金の表面の一部を拡大して示している。図3(a)に示すように、当該チタン合金表面には空孔や凹部は形成されていない。図3(b)は、粉末冶金焼結体の表面の一部を拡大して示している。図3(b)に見られる黒色部は、当該焼結体表面の結晶粒界等に空孔や浸透性隙間等が形成されていることを示している。従って、粉末成形焼結刃物を調理用刃物として長期間用いると、野菜や果物あるいは食肉や魚類等の食材の色素が当該刃物表面の結晶粒界の空孔や浸透性隙間等に沈着して刃物が変色してしまうという問題を有している。このため、刃物の衛生性の観点からもまた見栄えの観点からも解決が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、調理用刃物として衛生性に優れ、見栄えも良好な粉末焼結刃物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物であって、光触媒性被膜が刃部表面に形成されていることを特徴とする粉末焼結刃物によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による粉末焼結刃物について図面を用いて説明する。本実施の形態による粉末焼結刃物は、Ti、Ti合金、銅、銀、炭化バナジウム、SUS鋼、セラミック等の各種素材粉末単体又は混合粉末を目的量配合して組成とした粉体を目的形状金型に充填し、必要圧力でプレス加圧成形後焼結して、目的形状刃物素材を造り、次いで研削加工により得た刃物を、更にTiO2アルコキシド液中に浸漬して、図3(b)に示したような、粉末ハイブリッド焼結刃体表面に必ず発現する粉末焼結結晶組織中の空孔、浸透間隙部及び結晶集合体特有の凸凹形状表面に連続的にTiO2被膜(光触媒性被膜)を付着形成せしめた後、引上げて500℃程度の温度で焼結固定化した自浄性粉末焼結刃物である。
【0009】
固着されたTiO2膜は焼結体固有の空孔や間隙、あるいは凹部にアンカー効果を伴って密着しているので、通常の金属圧延加工素材の表面平滑性(無気孔性)からは得られ難い強固なTiO2膜保持効果を実現することが可能であり、当該刃物による食材の切断や摺動動作によってはTiO2膜の剥離や消耗は殆ど生じない自浄性に優れた食品用刃物等を製造することができる。
【0010】
まず、本実施の形態による粉末焼結刃物の概略の構成を図1を用いて説明する。図1は、チタン合金の粉末をプレス成形後焼結により所望の形状に成形して刃物素材を造出し、当該素材を研削して製造した調理用包丁を例示している。基体1は例えばチタン合金焼結体で形成されている。基体1の一端辺側は研磨されて刃物の刃部2になっている。基体1の長手方向の一端部は、包丁を握るための柄が取り付けられる柄部3が形成されている。
【0011】
本実施形態では、調理用包丁を例に取って説明するが、各種調理用包丁、あるいは人参やネギ類等をスライスするスライサーの固定刃や回転刃等の各種調理用刃物、またあるいは調理用ナイフ、調理用ハサミ、カッター等にも本実施の形態を適用可能である。
【0012】
さて、図1に示す調理用包丁刃物を造出した後、粒径1μm以下のTiO2粒子を10Wt%以下含有するアルコールや水等の液状体に当該調理用包丁を浸漬させるか、または、当該液状体を当該調理用包丁に塗布する。これにより、図3(b)に示したような、当該調理用包丁を構成する粉末焼結体に不可抗力に存在する結晶粒子間の部分的間隙及び個々の粒子形状差による凹凸面等にTiO2被膜を連続的に形成する。
【0013】
次いで、当該調理用包丁に対して焼付行程を施してTiO2被膜を強固に固定する。固化密着したTiO2膜は、粉末形成焼結体固有の粒子間隙に充填材的閉止効果及びアンカー効果を生じさると共に、当該調理用包丁により切断される食品を始めとする各種有機物に含有される各種色素等が、刃部2を構成する各結晶の間隙や凹凸部位等の刃物内部へ加圧浸透するのを防止し、万一、粉末形成焼結体の粒子間隙にこれら有機物質が浸入しても、TiO2特有の光触媒活性酸化機能により、当該有機物質を酸化分解して除去することができる。
【0014】
これにより、従来の冷間・熱間圧延金属素材には少ないが、焼結刃物材に特有の欠陥である表面露出空孔及び凹部等に沈着し集積されていく被切断食品等の色素を含む有機物や細菌等について、紫外線を吸収して活性酸化力を強力に発生する光触媒TiO2膜の効果で沈着色素や細菌等の有機物が酸化分解される結果、有機物質の汚染や染色から調理用包丁を保護するとともに、同じく結晶の間隙に浸透する有害細菌類の滅菌及び有機物質の分解による脱臭や防臭機能等を効果的に保持することができる。また、長期の使用でも刃体の変色等が発生せず、新品の美しさを保持し、且つ衛生的自己浄化機能が長期に亘り保証されたハイブリッド形粉末焼結刃物が得られる。
【0015】
〔実施例1〕
Ti67W%、銀1W%、炭化バナジウム30W%、銅2W%配合粉末を所望形状の金型に充填し、必要圧力で加圧成形した刃物材を1300℃以下の温度で加熱焼結して得た焼結体を研削加工により刃物となす第1工程と、TiO2アルコキシド液中に当該刃物を浸漬した後、引上げて500℃以下の温度で該刃物表面にTiO2膜を焼付成膜する第2工程により、Ti系ハイブリッド自浄効果刃物が製造できる。
【0016】
〔実施例2〕
ジルコニア・アルミナセラミック粉末を所望形状金型に充填し、必要圧力で加圧成形し、1400℃以上の必要温度で加熱焼結し、更に研削加工を加えて刃物とする第1工程と、TiO2アルコキシド液中に当該刃物を浸漬した後、引上げて500℃以下の温度で当該セラミック刃物材表面に存在する微細な空孔、浸透性間隙部、凹凸表面部等にTiO2被膜を、あたかも陶器等に於ける釉(うわぐすり)の如く形成する第2工程により自浄性セラミック刃物が作製される。
図2は、作製された自浄性セラミック刃物(セラミック固相焼結体)の表層断面を示している。図2に示すように、刃物表面には粒径1μm程度のジルコニア結晶粒が多数形成されており、結晶粒間に微細な空孔、浸透性間隙部、凹凸表面部等が形成されている。これら微細空孔や浸透性間隙部、あるいは凹凸表面部等にTiO2被膜5が被覆されている。
【0017】
このように、本実施の形態によれば、表面の結晶粒界等に空孔、浸透性隙間等の存在することが避けられない粉末成形焼結刃物材を調理用刃物として長期間用いても、野菜や果物あるいは食肉や魚類等の食材の色素が当該刃物表面の結晶粒界の空孔や浸透性隙間等に沈着して刃物が変色してしまうことを防止できる。このため、刃物の衛生性の観点からもまた見栄えの観点からも優れた粉末成形焼結刃物材からなる調理用刃物を実現できる。
【0018】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、調理用刃物として衛生性に優れ、見栄えも良好な粉末焼結刃物を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による粉末焼結刃物を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による自浄性セラミック刃物の表層断面を示す図である。
【図3】溶融圧延チタン合金の表面と粉末冶金焼結体の表面とを比較説明する図である。図3(a)は、溶融圧延チタン合金の表面の一部を拡大して示している。図3図3(b)は、粉末冶金焼結体の表面の一部を拡大して示している。
【符号の説明】
1 基体
2 刃部
3 柄部
4 ジルコニア結晶粒
5 TiO2被膜
Claims (3)
- 粉末冶金技術を用いて製造される粉末焼結刃物であって、
光触媒性被膜が刃部表面に形成されていること
を特徴とする粉末焼結刃物。 - 請求項1記載の粉末焼結刃物において、
前記刃部は、Ti系刃材で形成されていること
を特徴とする粉末焼結刃物。 - 請求項1記載の粉末焼結刃物において、
前記刃部は、セラミック系刃材で形成されていること
を特徴とする粉末焼結刃物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258758A JP2004089620A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 粉末焼結刃物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258758A JP2004089620A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 粉末焼結刃物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004089620A true JP2004089620A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32063299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002258758A Pending JP2004089620A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 粉末焼結刃物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004089620A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3183663U (ja) * | 2013-03-13 | 2013-05-30 | 株式会社レーベン販売 | 包丁およびパン切りナイフ |
WO2018124127A1 (ja) | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 京セラ株式会社 | 刃物 |
-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258758A patent/JP2004089620A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3183663U (ja) * | 2013-03-13 | 2013-05-30 | 株式会社レーベン販売 | 包丁およびパン切りナイフ |
WO2018124127A1 (ja) | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 京セラ株式会社 | 刃物 |
US11338457B2 (en) | 2016-12-26 | 2022-05-24 | Kyocera Corporation | Knife |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20051014 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060124 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060711 |