JP2004088560A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄積電荷を複数のフィールドごとに読出せる撮像素子を有する場合に、撮像素子の出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える撮像装置を提供する。
【解決手段】シャッターボタンが押下され露光時間Te1が経過すると、CCD(撮像素子)の各画素で蓄積された電荷信号が読出される。この電荷読出し時Tr1には、第1〜第3フィールドの蓄積電荷が順に読出され、露光データが取得される。次に、シャッターの閉状態を維持したまま遮光撮影を行う。そして、遮光撮影時間Te2が経過すると、例えばCCDで1/9に間引かれて各画素の蓄積電荷が読出され、暗ノイズのデータ(遮光データ)が取得できる。この遮光データに基づき算出された暗ノイズ補正値を露光データから減算することで、撮像素子の出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える。
【選択図】 図6
【解決手段】シャッターボタンが押下され露光時間Te1が経過すると、CCD(撮像素子)の各画素で蓄積された電荷信号が読出される。この電荷読出し時Tr1には、第1〜第3フィールドの蓄積電荷が順に読出され、露光データが取得される。次に、シャッターの閉状態を維持したまま遮光撮影を行う。そして、遮光撮影時間Te2が経過すると、例えばCCDで1/9に間引かれて各画素の蓄積電荷が読出され、暗ノイズのデータ(遮光データ)が取得できる。この遮光データに基づき算出された暗ノイズ補正値を露光データから減算することで、撮像素子の出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光部の全画素の画像信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに読出す全画素読出しタイプの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラの受光部における画素数が飛躍的に高くなっている。その一方で、受光部全体のサイズは画素数に応じて増大させないために、受光部における画素密度の増大によって各単位受光素子(単位CCDセル)の受光面積が小さくなってしまい、その結果として撮像感度が低下することになる。そこで、このような感度の低下を防ぐために、光電変換機能に寄与しない領域としての受光部の電荷転送路の面積を縮小させる技術が知られている。しなしながら、電荷転送路の面積を縮小させると受光部の全ラインの電荷信号を並列的に一度に読出すことが困難になるという問題が新たに生じるため、この問題を解決するために、全画素の電荷信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに順次に読出す方式が採用される。
【0003】
このように、デジタルカメラに代表されるデジタル撮像装置においては、種々の目的から、複数のフィールドに分けて全画素の画像信号をフィールドごとに読出す方式(以下「フィールド順次の全画素読出し方式」と呼ぶ)が採用されるが、1フレームに対応するフィールド数として、2フィールドや3フィールドだけでなく、もっと多くのフィールド数(Nを2以上の任意の整数としたとき、Nフィールド)にフレームを分けて全画素を読出す方式が拡大していくと推測される。
【0004】
ところで、一般的に撮像素子から出力される画像信号には、図14(a)に示すように、被写体の画像内容を反映した成分(以下「被写体成分」)とともに暗ノイズ(より一般的には、単位受光素子の暗電流に起因して生じるノイズ)を含んでいる。そして、このような暗ノイズを含む画像信号をPGA(Programable Gain Amp.)で増幅するにあたってISO感度を上げると、図14(b)に示すように、暗ノイズも増幅されて撮影画像を劣化させる要因となる。なお、この暗ノイズは、温度の上昇に伴い増加する特性を有している。
【0005】
したがって、図15(a)のような暗ノイズのレベルを画素ごとに求め、この暗ノイズの影響を画像信号から除去できれば、図15(b)に示すような被写体成分が得られるため、画像品質を向上させることが可能となる。
【0006】
そして、フィールド順次の全画素読出し方式においてこのような暗ノイズの影響を除去する方法としては、図16(a)に示すように、設定されたシャッタースピード(露光時間Te1)と同等の時間Te2だけ受光部を遮光した状態でCCDに蓄積される暗ノイズを全てのフィールド(Nフィールド)、すなわち全画素について読出し、暗ノイズの値を露光データから減算する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−308533号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィールド順次の全画素読出し方式において暗ノイズの影響を除去する上記の従来方法では、遮光データ(暗データ)として全フィールドの画素について電荷信号を取得するため、図16(b)に示すように、画像メモリに保存するデータ量は2Nフィールド分のサイズとなってしまう。したがって、処理に使用するデータ量が大きくなるため、画像処理時間が長くなってユーザにストレスを与え、シャッターチャンスを逃す原因となる。特に、連写モードなどでは、画像処理時間が長くなると連写スピードに影響が出ることになって、シャッターチャンスを逃すことが多くなる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フィールド順次の全画素読出し方式において、暗ノイズの影響を除去しつつ迅速に高品質な画像をユーザに提供可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、撮像装置であって、(a)受光部の画素配列の信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに読出し可能な撮像手段と、(b)前記受光部に対する露光状態と遮光状態とを切替える切替手段と、(c)前記受光部が前記露光状態のときに、前記受光部の各画素で蓄積される電荷信号をフィールドごとに順次に読出して、前記複数のフィールドのすべてについて露光データを取得する露光データ取得手段と、(d)前記受光部が前記遮光状態のときに、前記受光部の画素配列において間引かれた画素群で蓄積される電荷信号を読出して遮光データを取得する遮光データ取得手段とを備える。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る撮像装置において、(e)前記遮光データに基づき、前記露光データについて画像処理を行う画像処理手段をさらに備える。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画像処理は、黒レベル補正、オフセット補正およびホワイトバランス補正からなる群から選択される少なくとも1の補正処理である。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係る撮像装置において、前記画像処理手段は、(e−1)前記遮光データに基づき、前記複数のフィールドのすべての露光データについて前記画像処理を行う手段を有する。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る撮像装置において、(g)露光時間を設定する設定手段、をさらに備え、前記遮光データ取得手段は、(d−1)前記設定手段で設定される前記露光時間が所定の露光時間より長い場合には、前記画素群に関する前記遮光データの取得を禁止する禁止手段を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
<撮像装置の要部構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aを示す斜視図である。また、図2は、撮像装置1Aの背面図である。なお、図1および図2には方位関係を明確にするためにお互いに直交するX,Y,Zの三軸を示している。
【0016】
撮像装置1Aの前面側には、撮影レンズ10とフラッシュ11とファインダ窓13とが設けられている。撮影レンズ10の内側には撮影レンズ10を介して入射する被写体像を光電変換して画像信号を生成する撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)2が設けられている。
【0017】
撮影レンズ10には光軸方向に沿って駆動可能なレンズ系が含まれており、当該レンズ系を光軸方向に駆動することにより、CCD2に結像される被写体像の合焦状態を実現することができるように構成されている。
【0018】
撮像装置1Aの上面側には、シャッターボタン14と、モード切替ボタン15とが配置されている。シャッターボタン14は被写体の撮影を行うときにユーザが押下操作を行って撮像装置1Aに撮影指示を与えるボタンである。
【0019】
モード切替ボタン15は、撮影モード、再生モードなどのモード切替えを行うためのボタンである。この撮影モードには、後述する暗ノイズ補正モードも含まれ、モード切替ボタン15をユーザが操作することで暗ノイズ補正モードに設定できる。
【0020】
撮像装置1Aの側面部には、ユーザによるシャッターボタン14の押下操作に伴う本撮影動作で得られる画像データを記録するためのメモリカード9を着装する着装部16が形成されている。さらに、着装部16からメモリカード9を取り出す際に押下するカード取り出しボタン17が配置されており、着装部16からメモリカード9を取り出すことができる。
【0021】
撮像装置1Aの背面には、本撮影前に被写体を動画的態様で表示するライブビュー表示や、撮影した画像等の表示を行うための液晶ディスプレイ(LCD)18と、シャッタースピードなど撮像装置1Aの各種設定状態を変更するための操作ボタン19と、ファインダ窓13とが設けられている。
【0022】
図3は、撮像装置1Aの機能ブロックを示す図である。
【0023】
撮像装置1Aは、CCD2にデータ伝送可能に接続するAFE(アナログフロントエンド)3と、AEF3と伝送可能に接続する画像処理ブロック4と、これら各部を統括制御するカメラマイコン5とを備えている。
【0024】
CCD2は、撮影レンズ10に対向する面に受光部2aが設けられており、この受光部2aには複数の画素が配列されている。また、受光部2aを構成する画素配列は、3つのフィールドに分けられており、各画素で蓄積される電荷信号(画像信号)をフィールドごとに順次に読出し(フィールド読出し)可能な構成となっている。
【0025】
図4は、CCD2の電荷読出し方法を説明するための図であり、実際には数百万以上の画素が配列されているが、図示の便宜上、その一部のみが示されている。
【0026】
受光部2aの各画素には、赤(R)、緑(Gr、Gb)、青(B)のカラーフィルターが周期的な分布で配設されている。
【0027】
CCD2の各セルに蓄積された電荷信号を読出す場合には、まず図4(a)に示すように、受光部2aにおいて1、4、7、・・の各ライン、すなわち3n+1ライン目(nは整数)の電荷信号が読出されて、Aフィールド(第1フィールド)画像21が構成される。次に、図4(b)に示すように、受光部2aにおいて2、5、8、・・の各ライン、すなわち3n+2ライン目の電荷信号が読出されて、Bフィールド(第2フィールド)画像22が構成される。最後に、図4(c)に示すように、受光部2aにおいて3、6、9、・・の各ライン、すなわち3nライン目の電荷信号が読出されて、Cフィールド(第3フィールド)画像23が構成される。
【0028】
また、CCD2は、受光部2aの画素配列において間引かれた画素群を高速に読出す高速間引き読出しが可能な構成となっている。
【0029】
図5は、CCD2の高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【0030】
CCD2における高速間引き読出しでは、本撮影時の画像データに対して1/9に間引いて読出す処理を行う。具体的には、画素読出しラインLaおよび画素読出しラインLbのように、隣接する画素読出しラインの間に、画素読出しが行われないラインが8つ存在する、つまり8ライン(画素)分飛ばされることにより、1/9に間引かれることとなる。
【0031】
この高速間引き読出しモードでは、例えばラインLa、Lb上の各画素のように、受光部2aの全色(R・G・B)の画素が読出せるとともに、フィールド読出しで1フィールドを読出す場合より高速に画素データを取得できる。
【0032】
図3に戻って説明を続ける。
【0033】
AFE3は、信号処理部31と、信号処理部31にタイミング信号を送るTG(タイミング発生器)32とを備えるLSI(大規模集積回路)として構成されている。このTG32は、CCD2にCCD駆動信号を送り、この駆動信号に同期してCCD2から電荷信号が出力されることとなる。
【0034】
信号処理部31は、CDS(相関2重サンプリング器)、アンプ部として働くPGA(Programmable−Gain−Amplifier)、およびADC(A/D変換器)を有している。CCD2から出力された各フィールドの出力信号は、TG32からのサンプリング信号に基づきCDSでサンプリングされ、PGAで所望の増幅が行われる。このPGAは、カメラマイコン5からのシリアル交信を介して数値データにて増幅率の変更が可能な構成となっている。そして、PGAで増幅されたアナログ信号はADCでデジタル信号に変換された後、画像処理ブロック4に送られる。
【0035】
画像処理ブロック4は、画像メモリ41と、画像メモリ41に伝送可能に接続する画像処理部42および暗データ演算部43と、圧縮/伸張部44とを有している。
【0036】
画像メモリ41は、高速間引き読出しされた画像データやフィールド読出しされた各フィールド21〜23のデータを一時的に格納する部位である。フィールド読出しでは、全てのフィールド画像が画像メモリ41に格納された後、一枚の全画素画像を生成するために、画像処理部42に送られる。
【0037】
画像処理部42では、画像メモリ41から送られる画像信号をCCD2のカラーフィルター特性に基づいた補間処理を行ってカラー化するとともに、各フィールド21〜23の画像を合成して1つのフレーム画像を生成する。また、画像処理部42は、所望の画像の明るさや色バランスを得るためのAE・WB調整、自然な階調を得るためのγ補正、輪郭強調や彩度調整を行うためのフィルター処理など各種の画像処理を行う。さらに、画像処理部42は、暗ノイズ補正モードの場合、暗データ演算部43で算出された補正値に基づく黒補正とWB(ホワイトバランス)補正とを実施する(後で詳述)。
【0038】
暗データ演算部43は、後述するように高速間引き読出しで取得された画素データに基づき、暗ノイズ補正値(黒補正値およびWB補正値)を算出する部位である。
【0039】
表示部60は、LCD18を有しており、CCD2で取得され画像処理部42で画像処理された撮影画像を表示する。
【0040】
圧縮/伸張部44は、画像処理部42で画像処理された画像を、例えばJPEG方式で圧縮し、記録媒体であるメモリカード9に保存する。また、圧縮/伸張部44は、表示部60に再生表示させるために、メモリカード9に保存される画像データの伸張を行う。
【0041】
また、撮像装置1Aは、カメラマイコン5に接続するレンズ駆動部61およびシャッター制御部62を備えるとともに、測光部63と操作部64と電源部65とを備えている。
【0042】
レンズ駆動部61は、撮影レンズ10の各レンズ位置を変更させるためのものであり、このレンズ駆動部61によってAFやズームが行える。
【0043】
シャッター制御部62は、メカニカルシャッター(以下では単に「シャッター」という)12を開閉させるための部位である。このシャッター制御部62とシャッター12とで、CCD2の受光部2aに対する露光状態と遮光状態とを切替える切替手段として機能することとなる。
【0044】
測光部63は、測光センサを有しており、被写体に関する測光を行う。
【0045】
操作部64は、シャッターボタン14、モード切替ボタン15や操作ボタン19などの各種の操作部材で構成されている。
【0046】
電源部65は、バッテリーを有しており、撮像装置1Aの各部に給電する。
【0047】
カメラマイコン5は、CPUおよびメモリを有しており、撮像装置1Aの各部を統括制御する部位である。また、カメラマイコン5は、操作部64からの入力に基づきシャッタースピードを設定するシャッタースピード(SS)設定部5aを有している。このSS設定部5aは、露光時間を設定する設定手段として機能する。
【0048】
<暗ノイズ補正モードでの画像処理について>
暗ノイズ補正モードでの画像処理を説明する前に、この補正に必要な暗ノイズに関する暗データ(遮光データ)を取得する方法を説明する。
【0049】
図6は、遮光データを取得する方法を説明するための図である。図6(a)は、垂直同期信号VD、CCD2の出力およびシャッター12の開閉に関するタイミングチャートを示しており、図6(b)は、画像メモリ41の保存状況を説明する図を示している。
【0050】
図6(a)に示すように、ライブビュー時Tv、およびシャッターボタン14が押下されCCD2で電荷信号が蓄積される露光撮影時Te1には、シャッター12が開状態となっている。そして、露光状態を維持しつつ露光時間Te1が経過すると、シャッター12を閉状態にして受光部2aの各画素で蓄積された電荷信号が画像信号として読出される。この電荷読出し時Tr1には、フィールド読出しによりA〜Cフィールドの画像21〜23が読出され、露光データが取得されることとなる。
【0051】
次に、シャッター12における遮光状態を維持したまま、CCD2で電荷蓄積の読出しを行う。この期間における暗ノイズに起因した電荷蓄積を、露光状態における「被写体の撮影」に対応させて「遮光撮影」と呼び、この遮光撮影を行う時間を「遮光撮影時間Te2」と呼ぶことにする。この遮光撮影時間Te2は、露光データと同じ条件で暗ノイズに関するデータを取得できるように、露光時間Te1に相当する時間とするのが好ましい。そして、遮光撮影時間Te2が経過すると、高速間引き読出しにより受光部2aで蓄積電荷が読出される。この電荷読出しTr2により、後述する補正処理に必要な遮光データが取得できることとなる。
【0052】
このように取得された露光データと遮光データとは、図6(b)に示すように、順に画像メモリ41に保存される。この場合、遮光データは、露光データの1/9のサイズとなるため、従来技術に比べてデータサイズを大幅に削減できることとなる。
【0053】
また、撮像装置1Aでは、上記の高速間引き読出しだけでなく、図16(a)に示すようにシャッター12における遮光状態を維持したまま、フィールド読出しによりA〜Cフィールド全ての画素つまりCCD2の全画素についての遮光データを取得できる。このように取得された露光データと遮光データとは、図16(b)に示すように、順に画像メモリ41に保存される。この場合、遮光データは、露光データと同じサイズとなるが、シャッタースピード(露光時間)が長い場合には、画素欠陥のない遮光データを取得できる利点がある。
【0054】
暗データ演算部43は、画像メモリ41に保存された遮光データに基づき、露光データの暗ノイズ補正値を算出する。この暗ノイズ補正値は、例えば遮光データにおける各画素レベルの平均値として算出される。
【0055】
そして、画像処理部42は、この暗ノイズ補正値を、画像メモリ41に保存されたA〜Cフィールド全ての露光データから減算する補正処理を行う。これにより、精度良く黒補正が行え、高品質な画像が生成できることとなる。
【0056】
また、画像処理部42では、暗データ演算部43で算出された上記の暗ノイズ補正値をA〜Cフィールド全ての露光データのRGBの各画素値から減算することで実際の被写体にマッチしたRGBの各信号成分を算出し、これに基づきWB補正を行う。その結果、WB補正を精度良く行えることとなる。
【0057】
<撮像装置1Aの動作>
図6は、撮像装置1Aの基本的な動作を説明するためのフローチャートである。本動作は、カメラマイコン5で実行される。
【0058】
ステップS1では、ユーザが操作ボタン19を操作することにより、SS設定部5aにおいてシャッタースピードを設定する。このシャッタースピードは、図5の露光時間Te1に対応するものである。
【0059】
ステップS2では、シャッターボタン14がユーザにより押下された、つまりレリーズ動作が行われたかを判定する。ここで、シャッターボタン14が押下された場合には、ステップS3に進み、押下されていない場合には、ステップS2に戻る。
【0060】
ステップS3では、暗ノイズ補正モードであるか否かを判定する。ここでは、ユーザがモード切替ボタン15を操作して、暗ノイズ補正モードに設定されているかを判断する。ここで、暗ノイズ補正モードに設定されている場合には、ステップS4に進み、暗ノイズ補正モードに設定されていない場合には、ステップS13に進む。
【0061】
ステップS4では、ステップS1でSS設定部5aに設定されたシャッタースピードtが、予め定められているシャッタースピードtsより小さいかを判定する。このシャッタースピードtsは、例えば1秒などの時間が設定される。ここで、シャッタースピードt<tsである場合には、ステップS5に進む。また、t≧tsの場合、つまり露光時間tが露光時間tsより長い場合には、高速間引き読出しによる遮光データの取得を禁止し、ステップS9に進む。
【0062】
ステップS5では、全フィールドの露光撮影を行う。具体的には、図6(a)の露光撮影Te1および電荷読出しTr1の動作により、A〜Cフィールド21〜23の蓄積電荷が順に読出される。
【0063】
ステップS6では、ステップS3で読出された全フィールドのCCD出力信号を、AFE3で信号処理して画像メモリ41に保存する。
【0064】
ステップS7では、高速間引き読み出しで遮光撮影を行う。具体的には、図6(a)の遮光撮影Te2および電荷読出しTr2の動作により、1/9に間引かれたCCD2の蓄積電荷が読出される。
【0065】
ステップS8では、ステップS7で間引き読出しされたCCD出力信号を、AFE3で信号処理して暗データ(遮光データ)として画像メモリ41に保存する。
【0066】
ステップS9およびステップS10では、ステップS5およびステップS6と同様の動作を行う。
【0067】
ステップS11では、全画素読出しで遮光撮影を行う。具体的には、図16(a)の遮光撮影Te2および電荷読出しTr2のような動作により、CCD2の全画素の蓄積電荷が読出される。
【0068】
ステップS12では、ステップS11で読出されたCCD出力信号を、AFE3で信号処理して暗データとして画像メモリ41に保存する。
【0069】
ステップS13およびステップS14では、ステップS5およびステップS6と同様の動作を行い、露光データを画像メモリ9に保存する。
【0070】
ステップS15では、画像処理部42において、露光データに対する各種の画像処理が施される。
【0071】
特に、暗ノイズ補正モードに設定されている場合には、暗データ演算部43で暗ノイズ補正値が算出されているため、この暗ノイズ補正値に基づき画像処理部42で上述した黒補正およびWB補正が行われる。この場合、暗ノイズ補正値で画像全体が補正されることとなる。これにより、撮影された画像のSN比が向上し、高品質な画像が迅速に生成できることとなる。
【0072】
ステップS16では、ステップS15で画像処理された露光データが、圧縮/伸張部44で圧縮されてメモリカード9に記録される。
【0073】
以上の撮像装置1Aの動作により、間引き読出しされた遮光データに基づき露光データの補正処理を行うため、CCDの出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える。特に、暗ノイズが大きくなる場合、具体的には撮影条件が高温などの悪条件となる場合などには有効である。
【0074】
シャッタースピード(露光時間)が長い場合には、高速間引き読出しによって遮光データを取得すると画素欠陥が顕著になる。この画素欠陥とは、例えば夜景などを長時間露光で撮影した場合にランダムに発生する白いキズのことである。そこで、撮像装置1Aでは、長時間露光の場合にCCD2の全画素読出し(全フィールド読出し)により遮光データを取得(図7のステップS11)することにより、画素欠陥による画質の劣化を防止している。
【0075】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る撮像装置1Bは、図1〜図3に示す第1実施形態の撮像装置1Aと類似の構成を有しているが、CCD2における高速間引き読出し方法が異なっている。以下では、撮像装置1Bにおける高速間引き読出し方法について説明する。
【0076】
図8は、撮像装置1Bでの高速間引き読出し方法を説明するための図である。この図8は、CCD2を上方から見た図となっている。
【0077】
第2実施形態のCCD2では、X軸に平行でY方向に等間隔に設定された複数(例えば30)のライン(破線で示す)Lnに沿って画素が読出されることで、Y軸方向の画素が間引かれる。
【0078】
一般的に、撮像装置においては、カメラ筐体内の熱分布の影響により、図9に示すように暗ノイズがCCD2で面変化する場合がある。図9では、X方向において変化する暗ノイズが生じており、偏った(紙面に対して右側が大きい)ノイズ分布となっている。このような場合には、単に遮光データを平均化して暗ノイズ補正値を求める第1実施形態の手法では、黒補正やWB補正を精度良く行えない。
【0079】
そこで、図8に示すX軸に平行な複数のラインLnに沿って画素読出しを行うことにより、図10に示すようにX方向の位置に対する暗ノイズ量を検出する。このように取得された暗データ(遮光データ)に基づき、暗データ演算部43で暗ノイズ補正値が算出される。この暗ノイズ補正値は、単に暗データを平均した1の値でなく、X方向の各位置ごとに求められた複数の値で構成される。
【0080】
そして、暗データ演算部43で求められた暗ノイズ補正値に基づき、画像処理部42で黒補正およびWB補正が行われる。ここでは、CCD2における暗ノイズの面変化を考慮した補正が行えるため、精度の良い画像処理を施せることとなる。
【0081】
撮像装置1Bの動作については、図7のフローチャートに示す動作と類似するが、ステップS7の遮光撮影動作が異なっている。
【0082】
すなわち、撮像装置1Bの遮光撮影動作では、図8に示すような高速間引き読出しが行われる。これにより、CCD2の暗ノイズが面変化する場合でも、黒補正やWB補正を精度良く行えることとなる。
【0083】
以上の撮像装置1Bの動作により、第1実施形態と同様に、CCDの出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える。さらに、平行な複数のラインに沿ったCCDの高速間引き読出しを行うため、CCDの暗ノイズが面変化する場合にも、暗データ補正値を精度良く求められる。これにより、露光データに対する黒補正やWB補正を適切に行えることとなる。
【0084】
また、フィールド読出しによりA〜Cフィールドの露光データを取得してから高速間引き読出しにより遮光データを取得するまでには、図11に示すように、それぞれのフィールドにおいて時間Ta、Tb、Tc分の暗ノイズが蓄積される。すなわち、図8に示す高速間引き読出しにおいては、受光部2aで疎な画素読出しとなるが、各フィールドごとに暗ノイズの蓄積時間が異なる遮光データを取得できることとなる。よって、露光データに含まれるシャッター閉止後の暗ノイズは各フィールドごとにその蓄積時間Ta’、Tb’、Tc’が異なるが、蓄積時間Ta’の露光データには蓄積時間Tcの遮光データに基づき、蓄積時間Tb’の露光データには蓄積時間Tbの遮光データに基づき、また蓄積時間Tc’の露光データには蓄積時間Taの遮光データに基づき暗ノイズ補正値を算出する。このように、遮光データに関する暗ノイズ(電荷信号)の蓄積時間に対応する蓄積時間を持つフィールドの露光データについて、遮光データに基づく補正処理を行えば、各フィールドの露光データの補正を一層精度良く行えるとともに、遮光データの有効活用が図れることとなる。
【0085】
<変形例>
◎上記の各実施形態における暗データに基づく画像処理については、黒補正やWB補正だけに限定されず、オフセット補正に適用しても良い。このオフセット補正とは、図3に示すAFE3においてデジタル変換する際に、画像信号から所定値を減算する処理である。暗データに基づくオフセット補正を行う場合には、暗データ演算部43で算出された暗ノイズ補正値をAFE3に入力することが必要で、フィールド読出しによる露光データの取得前に暗ノイズ補正値を算出するのが望ましい。これによっても、上記の各実施形態と同様に、高品質な画像が得られることとなる。
【0086】
◎上記の第1実施形態においては、3フィールドを有するCCDを使用するのは必須でなく、2フィールドでも4フィールド以上を有するCCDを使用しても良い。この場合、2(A、B)フィールドを有するCCDにおいては、例えば図12に示す読出しラインLp、Lqのように8ラインを飛ばして1ラインを読み出した後に、6ラインを飛ばして1ラインを読出すという画素読出しを繰り返すことで、1/8に間引かれることとなる。また、4(A、B、C、D)フィールドを有するCCDにおいても、図13に示す読出しラインLs、Ltのように8ラインを飛ばして1ラインを読み出した後に、6ラインを飛ばして1ラインを読出すという画素読出しを繰り返すことで、1/8に間引かれる。以上のように、偶数フィールドの場合に不規則な読出しを行うのは、CCDの全色の画素データを読出すためである。
【0087】
◎上述した具体的実施形態には、以下の構成を有する発明が含まれている。
【0088】
(1)画像処理手段は、遮光データに関する電荷信号の蓄積時間に対応する蓄積時間を持つフィールドの露光データについて、遮光データに基づく画像処理を行う手段を有することを特徴とする撮像装置。
【0089】
これにより、画像処理を一層精度良く行える。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項5の発明によれば、受光部が露光状態のときに受光部の各画素で蓄積される電荷信号をフィールドごとに順次に読出して複数のフィールドのすべてについて露光データを取得するとともに、受光部が遮光状態のときに受光部の画素配列において間引かれた画素群で蓄積される電荷信号を読出して遮光データを取得する。この遮光データを利用すれば、暗ノイズの影響を除去しつつ迅速に高品質な画像をユーザに提供できる。
【0091】
特に、請求項2の発明においては、遮光データに基づき露光データについて画像処理を行うため、高品質な画像を適切に生成できる。
【0092】
また、請求項3の発明においては、画像処理が黒レベル補正、オフセット補正およびホワイトバランス補正からなる群から選択される少なくとも1の補正処理であるため、遮光データに基づく画像処理を効果的に行える。
【0093】
また、請求項4の発明においては、遮光データに基づき複数のフィールドのすべての露光データについて画像処理を行うため、画像全体の品質を高めることができる。
【0094】
また、請求項5の発明においては、設定手段で設定される露光時間が所定の露光時間より長い場合には、受光部で間引かれた画素群に関する遮光データの取得を禁止するため、画素欠陥が発生するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置1A,1Bを示す斜視図である。
【図2】撮像装置1A,1Bの背面図である。
【図3】撮像装置1A,1Bの機能ブロックを示す図である。
【図4】CCD2の電荷読出し方法を説明するための図である。
【図5】CCD2の高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図6】遮光データを取得する方法を説明するための図である。
【図7】撮像装置1Aの基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る撮像装置1Bでの高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図9】CCD2の暗ノイズが面変化する具体例を示す図である。
【図10】高速間引き読出しで検出される暗ノイズを表す図である。
【図11】各フィールドにおける暗ノイズの蓄積時間を説明するための図である。
【図12】本発明の変形例に係る高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図13】本発明の変形例に係る高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図14】暗ノイズを説明するための図である。
【図15】暗ノイズの除去について説明するための図である。
【図16】従来例に係る遮光データの取得方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1A、1B 撮像装置
2 CCD
2a 受光部
5 カメラマイコン
12 メカニカルシャッター
21 A(第1)フィールド
22 B(第2)フィールド
23 C(第3)フィールド
41 画像メモリ
42 画像処理部
43 暗データ演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光部の全画素の画像信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに読出す全画素読出しタイプの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラの受光部における画素数が飛躍的に高くなっている。その一方で、受光部全体のサイズは画素数に応じて増大させないために、受光部における画素密度の増大によって各単位受光素子(単位CCDセル)の受光面積が小さくなってしまい、その結果として撮像感度が低下することになる。そこで、このような感度の低下を防ぐために、光電変換機能に寄与しない領域としての受光部の電荷転送路の面積を縮小させる技術が知られている。しなしながら、電荷転送路の面積を縮小させると受光部の全ラインの電荷信号を並列的に一度に読出すことが困難になるという問題が新たに生じるため、この問題を解決するために、全画素の電荷信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに順次に読出す方式が採用される。
【0003】
このように、デジタルカメラに代表されるデジタル撮像装置においては、種々の目的から、複数のフィールドに分けて全画素の画像信号をフィールドごとに読出す方式(以下「フィールド順次の全画素読出し方式」と呼ぶ)が採用されるが、1フレームに対応するフィールド数として、2フィールドや3フィールドだけでなく、もっと多くのフィールド数(Nを2以上の任意の整数としたとき、Nフィールド)にフレームを分けて全画素を読出す方式が拡大していくと推測される。
【0004】
ところで、一般的に撮像素子から出力される画像信号には、図14(a)に示すように、被写体の画像内容を反映した成分(以下「被写体成分」)とともに暗ノイズ(より一般的には、単位受光素子の暗電流に起因して生じるノイズ)を含んでいる。そして、このような暗ノイズを含む画像信号をPGA(Programable Gain Amp.)で増幅するにあたってISO感度を上げると、図14(b)に示すように、暗ノイズも増幅されて撮影画像を劣化させる要因となる。なお、この暗ノイズは、温度の上昇に伴い増加する特性を有している。
【0005】
したがって、図15(a)のような暗ノイズのレベルを画素ごとに求め、この暗ノイズの影響を画像信号から除去できれば、図15(b)に示すような被写体成分が得られるため、画像品質を向上させることが可能となる。
【0006】
そして、フィールド順次の全画素読出し方式においてこのような暗ノイズの影響を除去する方法としては、図16(a)に示すように、設定されたシャッタースピード(露光時間Te1)と同等の時間Te2だけ受光部を遮光した状態でCCDに蓄積される暗ノイズを全てのフィールド(Nフィールド)、すなわち全画素について読出し、暗ノイズの値を露光データから減算する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−308533号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィールド順次の全画素読出し方式において暗ノイズの影響を除去する上記の従来方法では、遮光データ(暗データ)として全フィールドの画素について電荷信号を取得するため、図16(b)に示すように、画像メモリに保存するデータ量は2Nフィールド分のサイズとなってしまう。したがって、処理に使用するデータ量が大きくなるため、画像処理時間が長くなってユーザにストレスを与え、シャッターチャンスを逃す原因となる。特に、連写モードなどでは、画像処理時間が長くなると連写スピードに影響が出ることになって、シャッターチャンスを逃すことが多くなる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フィールド順次の全画素読出し方式において、暗ノイズの影響を除去しつつ迅速に高品質な画像をユーザに提供可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、撮像装置であって、(a)受光部の画素配列の信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに読出し可能な撮像手段と、(b)前記受光部に対する露光状態と遮光状態とを切替える切替手段と、(c)前記受光部が前記露光状態のときに、前記受光部の各画素で蓄積される電荷信号をフィールドごとに順次に読出して、前記複数のフィールドのすべてについて露光データを取得する露光データ取得手段と、(d)前記受光部が前記遮光状態のときに、前記受光部の画素配列において間引かれた画素群で蓄積される電荷信号を読出して遮光データを取得する遮光データ取得手段とを備える。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る撮像装置において、(e)前記遮光データに基づき、前記露光データについて画像処理を行う画像処理手段をさらに備える。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画像処理は、黒レベル補正、オフセット補正およびホワイトバランス補正からなる群から選択される少なくとも1の補正処理である。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係る撮像装置において、前記画像処理手段は、(e−1)前記遮光データに基づき、前記複数のフィールドのすべての露光データについて前記画像処理を行う手段を有する。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る撮像装置において、(g)露光時間を設定する設定手段、をさらに備え、前記遮光データ取得手段は、(d−1)前記設定手段で設定される前記露光時間が所定の露光時間より長い場合には、前記画素群に関する前記遮光データの取得を禁止する禁止手段を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
<撮像装置の要部構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aを示す斜視図である。また、図2は、撮像装置1Aの背面図である。なお、図1および図2には方位関係を明確にするためにお互いに直交するX,Y,Zの三軸を示している。
【0016】
撮像装置1Aの前面側には、撮影レンズ10とフラッシュ11とファインダ窓13とが設けられている。撮影レンズ10の内側には撮影レンズ10を介して入射する被写体像を光電変換して画像信号を生成する撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)2が設けられている。
【0017】
撮影レンズ10には光軸方向に沿って駆動可能なレンズ系が含まれており、当該レンズ系を光軸方向に駆動することにより、CCD2に結像される被写体像の合焦状態を実現することができるように構成されている。
【0018】
撮像装置1Aの上面側には、シャッターボタン14と、モード切替ボタン15とが配置されている。シャッターボタン14は被写体の撮影を行うときにユーザが押下操作を行って撮像装置1Aに撮影指示を与えるボタンである。
【0019】
モード切替ボタン15は、撮影モード、再生モードなどのモード切替えを行うためのボタンである。この撮影モードには、後述する暗ノイズ補正モードも含まれ、モード切替ボタン15をユーザが操作することで暗ノイズ補正モードに設定できる。
【0020】
撮像装置1Aの側面部には、ユーザによるシャッターボタン14の押下操作に伴う本撮影動作で得られる画像データを記録するためのメモリカード9を着装する着装部16が形成されている。さらに、着装部16からメモリカード9を取り出す際に押下するカード取り出しボタン17が配置されており、着装部16からメモリカード9を取り出すことができる。
【0021】
撮像装置1Aの背面には、本撮影前に被写体を動画的態様で表示するライブビュー表示や、撮影した画像等の表示を行うための液晶ディスプレイ(LCD)18と、シャッタースピードなど撮像装置1Aの各種設定状態を変更するための操作ボタン19と、ファインダ窓13とが設けられている。
【0022】
図3は、撮像装置1Aの機能ブロックを示す図である。
【0023】
撮像装置1Aは、CCD2にデータ伝送可能に接続するAFE(アナログフロントエンド)3と、AEF3と伝送可能に接続する画像処理ブロック4と、これら各部を統括制御するカメラマイコン5とを備えている。
【0024】
CCD2は、撮影レンズ10に対向する面に受光部2aが設けられており、この受光部2aには複数の画素が配列されている。また、受光部2aを構成する画素配列は、3つのフィールドに分けられており、各画素で蓄積される電荷信号(画像信号)をフィールドごとに順次に読出し(フィールド読出し)可能な構成となっている。
【0025】
図4は、CCD2の電荷読出し方法を説明するための図であり、実際には数百万以上の画素が配列されているが、図示の便宜上、その一部のみが示されている。
【0026】
受光部2aの各画素には、赤(R)、緑(Gr、Gb)、青(B)のカラーフィルターが周期的な分布で配設されている。
【0027】
CCD2の各セルに蓄積された電荷信号を読出す場合には、まず図4(a)に示すように、受光部2aにおいて1、4、7、・・の各ライン、すなわち3n+1ライン目(nは整数)の電荷信号が読出されて、Aフィールド(第1フィールド)画像21が構成される。次に、図4(b)に示すように、受光部2aにおいて2、5、8、・・の各ライン、すなわち3n+2ライン目の電荷信号が読出されて、Bフィールド(第2フィールド)画像22が構成される。最後に、図4(c)に示すように、受光部2aにおいて3、6、9、・・の各ライン、すなわち3nライン目の電荷信号が読出されて、Cフィールド(第3フィールド)画像23が構成される。
【0028】
また、CCD2は、受光部2aの画素配列において間引かれた画素群を高速に読出す高速間引き読出しが可能な構成となっている。
【0029】
図5は、CCD2の高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【0030】
CCD2における高速間引き読出しでは、本撮影時の画像データに対して1/9に間引いて読出す処理を行う。具体的には、画素読出しラインLaおよび画素読出しラインLbのように、隣接する画素読出しラインの間に、画素読出しが行われないラインが8つ存在する、つまり8ライン(画素)分飛ばされることにより、1/9に間引かれることとなる。
【0031】
この高速間引き読出しモードでは、例えばラインLa、Lb上の各画素のように、受光部2aの全色(R・G・B)の画素が読出せるとともに、フィールド読出しで1フィールドを読出す場合より高速に画素データを取得できる。
【0032】
図3に戻って説明を続ける。
【0033】
AFE3は、信号処理部31と、信号処理部31にタイミング信号を送るTG(タイミング発生器)32とを備えるLSI(大規模集積回路)として構成されている。このTG32は、CCD2にCCD駆動信号を送り、この駆動信号に同期してCCD2から電荷信号が出力されることとなる。
【0034】
信号処理部31は、CDS(相関2重サンプリング器)、アンプ部として働くPGA(Programmable−Gain−Amplifier)、およびADC(A/D変換器)を有している。CCD2から出力された各フィールドの出力信号は、TG32からのサンプリング信号に基づきCDSでサンプリングされ、PGAで所望の増幅が行われる。このPGAは、カメラマイコン5からのシリアル交信を介して数値データにて増幅率の変更が可能な構成となっている。そして、PGAで増幅されたアナログ信号はADCでデジタル信号に変換された後、画像処理ブロック4に送られる。
【0035】
画像処理ブロック4は、画像メモリ41と、画像メモリ41に伝送可能に接続する画像処理部42および暗データ演算部43と、圧縮/伸張部44とを有している。
【0036】
画像メモリ41は、高速間引き読出しされた画像データやフィールド読出しされた各フィールド21〜23のデータを一時的に格納する部位である。フィールド読出しでは、全てのフィールド画像が画像メモリ41に格納された後、一枚の全画素画像を生成するために、画像処理部42に送られる。
【0037】
画像処理部42では、画像メモリ41から送られる画像信号をCCD2のカラーフィルター特性に基づいた補間処理を行ってカラー化するとともに、各フィールド21〜23の画像を合成して1つのフレーム画像を生成する。また、画像処理部42は、所望の画像の明るさや色バランスを得るためのAE・WB調整、自然な階調を得るためのγ補正、輪郭強調や彩度調整を行うためのフィルター処理など各種の画像処理を行う。さらに、画像処理部42は、暗ノイズ補正モードの場合、暗データ演算部43で算出された補正値に基づく黒補正とWB(ホワイトバランス)補正とを実施する(後で詳述)。
【0038】
暗データ演算部43は、後述するように高速間引き読出しで取得された画素データに基づき、暗ノイズ補正値(黒補正値およびWB補正値)を算出する部位である。
【0039】
表示部60は、LCD18を有しており、CCD2で取得され画像処理部42で画像処理された撮影画像を表示する。
【0040】
圧縮/伸張部44は、画像処理部42で画像処理された画像を、例えばJPEG方式で圧縮し、記録媒体であるメモリカード9に保存する。また、圧縮/伸張部44は、表示部60に再生表示させるために、メモリカード9に保存される画像データの伸張を行う。
【0041】
また、撮像装置1Aは、カメラマイコン5に接続するレンズ駆動部61およびシャッター制御部62を備えるとともに、測光部63と操作部64と電源部65とを備えている。
【0042】
レンズ駆動部61は、撮影レンズ10の各レンズ位置を変更させるためのものであり、このレンズ駆動部61によってAFやズームが行える。
【0043】
シャッター制御部62は、メカニカルシャッター(以下では単に「シャッター」という)12を開閉させるための部位である。このシャッター制御部62とシャッター12とで、CCD2の受光部2aに対する露光状態と遮光状態とを切替える切替手段として機能することとなる。
【0044】
測光部63は、測光センサを有しており、被写体に関する測光を行う。
【0045】
操作部64は、シャッターボタン14、モード切替ボタン15や操作ボタン19などの各種の操作部材で構成されている。
【0046】
電源部65は、バッテリーを有しており、撮像装置1Aの各部に給電する。
【0047】
カメラマイコン5は、CPUおよびメモリを有しており、撮像装置1Aの各部を統括制御する部位である。また、カメラマイコン5は、操作部64からの入力に基づきシャッタースピードを設定するシャッタースピード(SS)設定部5aを有している。このSS設定部5aは、露光時間を設定する設定手段として機能する。
【0048】
<暗ノイズ補正モードでの画像処理について>
暗ノイズ補正モードでの画像処理を説明する前に、この補正に必要な暗ノイズに関する暗データ(遮光データ)を取得する方法を説明する。
【0049】
図6は、遮光データを取得する方法を説明するための図である。図6(a)は、垂直同期信号VD、CCD2の出力およびシャッター12の開閉に関するタイミングチャートを示しており、図6(b)は、画像メモリ41の保存状況を説明する図を示している。
【0050】
図6(a)に示すように、ライブビュー時Tv、およびシャッターボタン14が押下されCCD2で電荷信号が蓄積される露光撮影時Te1には、シャッター12が開状態となっている。そして、露光状態を維持しつつ露光時間Te1が経過すると、シャッター12を閉状態にして受光部2aの各画素で蓄積された電荷信号が画像信号として読出される。この電荷読出し時Tr1には、フィールド読出しによりA〜Cフィールドの画像21〜23が読出され、露光データが取得されることとなる。
【0051】
次に、シャッター12における遮光状態を維持したまま、CCD2で電荷蓄積の読出しを行う。この期間における暗ノイズに起因した電荷蓄積を、露光状態における「被写体の撮影」に対応させて「遮光撮影」と呼び、この遮光撮影を行う時間を「遮光撮影時間Te2」と呼ぶことにする。この遮光撮影時間Te2は、露光データと同じ条件で暗ノイズに関するデータを取得できるように、露光時間Te1に相当する時間とするのが好ましい。そして、遮光撮影時間Te2が経過すると、高速間引き読出しにより受光部2aで蓄積電荷が読出される。この電荷読出しTr2により、後述する補正処理に必要な遮光データが取得できることとなる。
【0052】
このように取得された露光データと遮光データとは、図6(b)に示すように、順に画像メモリ41に保存される。この場合、遮光データは、露光データの1/9のサイズとなるため、従来技術に比べてデータサイズを大幅に削減できることとなる。
【0053】
また、撮像装置1Aでは、上記の高速間引き読出しだけでなく、図16(a)に示すようにシャッター12における遮光状態を維持したまま、フィールド読出しによりA〜Cフィールド全ての画素つまりCCD2の全画素についての遮光データを取得できる。このように取得された露光データと遮光データとは、図16(b)に示すように、順に画像メモリ41に保存される。この場合、遮光データは、露光データと同じサイズとなるが、シャッタースピード(露光時間)が長い場合には、画素欠陥のない遮光データを取得できる利点がある。
【0054】
暗データ演算部43は、画像メモリ41に保存された遮光データに基づき、露光データの暗ノイズ補正値を算出する。この暗ノイズ補正値は、例えば遮光データにおける各画素レベルの平均値として算出される。
【0055】
そして、画像処理部42は、この暗ノイズ補正値を、画像メモリ41に保存されたA〜Cフィールド全ての露光データから減算する補正処理を行う。これにより、精度良く黒補正が行え、高品質な画像が生成できることとなる。
【0056】
また、画像処理部42では、暗データ演算部43で算出された上記の暗ノイズ補正値をA〜Cフィールド全ての露光データのRGBの各画素値から減算することで実際の被写体にマッチしたRGBの各信号成分を算出し、これに基づきWB補正を行う。その結果、WB補正を精度良く行えることとなる。
【0057】
<撮像装置1Aの動作>
図6は、撮像装置1Aの基本的な動作を説明するためのフローチャートである。本動作は、カメラマイコン5で実行される。
【0058】
ステップS1では、ユーザが操作ボタン19を操作することにより、SS設定部5aにおいてシャッタースピードを設定する。このシャッタースピードは、図5の露光時間Te1に対応するものである。
【0059】
ステップS2では、シャッターボタン14がユーザにより押下された、つまりレリーズ動作が行われたかを判定する。ここで、シャッターボタン14が押下された場合には、ステップS3に進み、押下されていない場合には、ステップS2に戻る。
【0060】
ステップS3では、暗ノイズ補正モードであるか否かを判定する。ここでは、ユーザがモード切替ボタン15を操作して、暗ノイズ補正モードに設定されているかを判断する。ここで、暗ノイズ補正モードに設定されている場合には、ステップS4に進み、暗ノイズ補正モードに設定されていない場合には、ステップS13に進む。
【0061】
ステップS4では、ステップS1でSS設定部5aに設定されたシャッタースピードtが、予め定められているシャッタースピードtsより小さいかを判定する。このシャッタースピードtsは、例えば1秒などの時間が設定される。ここで、シャッタースピードt<tsである場合には、ステップS5に進む。また、t≧tsの場合、つまり露光時間tが露光時間tsより長い場合には、高速間引き読出しによる遮光データの取得を禁止し、ステップS9に進む。
【0062】
ステップS5では、全フィールドの露光撮影を行う。具体的には、図6(a)の露光撮影Te1および電荷読出しTr1の動作により、A〜Cフィールド21〜23の蓄積電荷が順に読出される。
【0063】
ステップS6では、ステップS3で読出された全フィールドのCCD出力信号を、AFE3で信号処理して画像メモリ41に保存する。
【0064】
ステップS7では、高速間引き読み出しで遮光撮影を行う。具体的には、図6(a)の遮光撮影Te2および電荷読出しTr2の動作により、1/9に間引かれたCCD2の蓄積電荷が読出される。
【0065】
ステップS8では、ステップS7で間引き読出しされたCCD出力信号を、AFE3で信号処理して暗データ(遮光データ)として画像メモリ41に保存する。
【0066】
ステップS9およびステップS10では、ステップS5およびステップS6と同様の動作を行う。
【0067】
ステップS11では、全画素読出しで遮光撮影を行う。具体的には、図16(a)の遮光撮影Te2および電荷読出しTr2のような動作により、CCD2の全画素の蓄積電荷が読出される。
【0068】
ステップS12では、ステップS11で読出されたCCD出力信号を、AFE3で信号処理して暗データとして画像メモリ41に保存する。
【0069】
ステップS13およびステップS14では、ステップS5およびステップS6と同様の動作を行い、露光データを画像メモリ9に保存する。
【0070】
ステップS15では、画像処理部42において、露光データに対する各種の画像処理が施される。
【0071】
特に、暗ノイズ補正モードに設定されている場合には、暗データ演算部43で暗ノイズ補正値が算出されているため、この暗ノイズ補正値に基づき画像処理部42で上述した黒補正およびWB補正が行われる。この場合、暗ノイズ補正値で画像全体が補正されることとなる。これにより、撮影された画像のSN比が向上し、高品質な画像が迅速に生成できることとなる。
【0072】
ステップS16では、ステップS15で画像処理された露光データが、圧縮/伸張部44で圧縮されてメモリカード9に記録される。
【0073】
以上の撮像装置1Aの動作により、間引き読出しされた遮光データに基づき露光データの補正処理を行うため、CCDの出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える。特に、暗ノイズが大きくなる場合、具体的には撮影条件が高温などの悪条件となる場合などには有効である。
【0074】
シャッタースピード(露光時間)が長い場合には、高速間引き読出しによって遮光データを取得すると画素欠陥が顕著になる。この画素欠陥とは、例えば夜景などを長時間露光で撮影した場合にランダムに発生する白いキズのことである。そこで、撮像装置1Aでは、長時間露光の場合にCCD2の全画素読出し(全フィールド読出し)により遮光データを取得(図7のステップS11)することにより、画素欠陥による画質の劣化を防止している。
【0075】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る撮像装置1Bは、図1〜図3に示す第1実施形態の撮像装置1Aと類似の構成を有しているが、CCD2における高速間引き読出し方法が異なっている。以下では、撮像装置1Bにおける高速間引き読出し方法について説明する。
【0076】
図8は、撮像装置1Bでの高速間引き読出し方法を説明するための図である。この図8は、CCD2を上方から見た図となっている。
【0077】
第2実施形態のCCD2では、X軸に平行でY方向に等間隔に設定された複数(例えば30)のライン(破線で示す)Lnに沿って画素が読出されることで、Y軸方向の画素が間引かれる。
【0078】
一般的に、撮像装置においては、カメラ筐体内の熱分布の影響により、図9に示すように暗ノイズがCCD2で面変化する場合がある。図9では、X方向において変化する暗ノイズが生じており、偏った(紙面に対して右側が大きい)ノイズ分布となっている。このような場合には、単に遮光データを平均化して暗ノイズ補正値を求める第1実施形態の手法では、黒補正やWB補正を精度良く行えない。
【0079】
そこで、図8に示すX軸に平行な複数のラインLnに沿って画素読出しを行うことにより、図10に示すようにX方向の位置に対する暗ノイズ量を検出する。このように取得された暗データ(遮光データ)に基づき、暗データ演算部43で暗ノイズ補正値が算出される。この暗ノイズ補正値は、単に暗データを平均した1の値でなく、X方向の各位置ごとに求められた複数の値で構成される。
【0080】
そして、暗データ演算部43で求められた暗ノイズ補正値に基づき、画像処理部42で黒補正およびWB補正が行われる。ここでは、CCD2における暗ノイズの面変化を考慮した補正が行えるため、精度の良い画像処理を施せることとなる。
【0081】
撮像装置1Bの動作については、図7のフローチャートに示す動作と類似するが、ステップS7の遮光撮影動作が異なっている。
【0082】
すなわち、撮像装置1Bの遮光撮影動作では、図8に示すような高速間引き読出しが行われる。これにより、CCD2の暗ノイズが面変化する場合でも、黒補正やWB補正を精度良く行えることとなる。
【0083】
以上の撮像装置1Bの動作により、第1実施形態と同様に、CCDの出力信号に含まれる暗ノイズの除去を迅速に精度良く行える。さらに、平行な複数のラインに沿ったCCDの高速間引き読出しを行うため、CCDの暗ノイズが面変化する場合にも、暗データ補正値を精度良く求められる。これにより、露光データに対する黒補正やWB補正を適切に行えることとなる。
【0084】
また、フィールド読出しによりA〜Cフィールドの露光データを取得してから高速間引き読出しにより遮光データを取得するまでには、図11に示すように、それぞれのフィールドにおいて時間Ta、Tb、Tc分の暗ノイズが蓄積される。すなわち、図8に示す高速間引き読出しにおいては、受光部2aで疎な画素読出しとなるが、各フィールドごとに暗ノイズの蓄積時間が異なる遮光データを取得できることとなる。よって、露光データに含まれるシャッター閉止後の暗ノイズは各フィールドごとにその蓄積時間Ta’、Tb’、Tc’が異なるが、蓄積時間Ta’の露光データには蓄積時間Tcの遮光データに基づき、蓄積時間Tb’の露光データには蓄積時間Tbの遮光データに基づき、また蓄積時間Tc’の露光データには蓄積時間Taの遮光データに基づき暗ノイズ補正値を算出する。このように、遮光データに関する暗ノイズ(電荷信号)の蓄積時間に対応する蓄積時間を持つフィールドの露光データについて、遮光データに基づく補正処理を行えば、各フィールドの露光データの補正を一層精度良く行えるとともに、遮光データの有効活用が図れることとなる。
【0085】
<変形例>
◎上記の各実施形態における暗データに基づく画像処理については、黒補正やWB補正だけに限定されず、オフセット補正に適用しても良い。このオフセット補正とは、図3に示すAFE3においてデジタル変換する際に、画像信号から所定値を減算する処理である。暗データに基づくオフセット補正を行う場合には、暗データ演算部43で算出された暗ノイズ補正値をAFE3に入力することが必要で、フィールド読出しによる露光データの取得前に暗ノイズ補正値を算出するのが望ましい。これによっても、上記の各実施形態と同様に、高品質な画像が得られることとなる。
【0086】
◎上記の第1実施形態においては、3フィールドを有するCCDを使用するのは必須でなく、2フィールドでも4フィールド以上を有するCCDを使用しても良い。この場合、2(A、B)フィールドを有するCCDにおいては、例えば図12に示す読出しラインLp、Lqのように8ラインを飛ばして1ラインを読み出した後に、6ラインを飛ばして1ラインを読出すという画素読出しを繰り返すことで、1/8に間引かれることとなる。また、4(A、B、C、D)フィールドを有するCCDにおいても、図13に示す読出しラインLs、Ltのように8ラインを飛ばして1ラインを読み出した後に、6ラインを飛ばして1ラインを読出すという画素読出しを繰り返すことで、1/8に間引かれる。以上のように、偶数フィールドの場合に不規則な読出しを行うのは、CCDの全色の画素データを読出すためである。
【0087】
◎上述した具体的実施形態には、以下の構成を有する発明が含まれている。
【0088】
(1)画像処理手段は、遮光データに関する電荷信号の蓄積時間に対応する蓄積時間を持つフィールドの露光データについて、遮光データに基づく画像処理を行う手段を有することを特徴とする撮像装置。
【0089】
これにより、画像処理を一層精度良く行える。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項5の発明によれば、受光部が露光状態のときに受光部の各画素で蓄積される電荷信号をフィールドごとに順次に読出して複数のフィールドのすべてについて露光データを取得するとともに、受光部が遮光状態のときに受光部の画素配列において間引かれた画素群で蓄積される電荷信号を読出して遮光データを取得する。この遮光データを利用すれば、暗ノイズの影響を除去しつつ迅速に高品質な画像をユーザに提供できる。
【0091】
特に、請求項2の発明においては、遮光データに基づき露光データについて画像処理を行うため、高品質な画像を適切に生成できる。
【0092】
また、請求項3の発明においては、画像処理が黒レベル補正、オフセット補正およびホワイトバランス補正からなる群から選択される少なくとも1の補正処理であるため、遮光データに基づく画像処理を効果的に行える。
【0093】
また、請求項4の発明においては、遮光データに基づき複数のフィールドのすべての露光データについて画像処理を行うため、画像全体の品質を高めることができる。
【0094】
また、請求項5の発明においては、設定手段で設定される露光時間が所定の露光時間より長い場合には、受光部で間引かれた画素群に関する遮光データの取得を禁止するため、画素欠陥が発生するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置1A,1Bを示す斜視図である。
【図2】撮像装置1A,1Bの背面図である。
【図3】撮像装置1A,1Bの機能ブロックを示す図である。
【図4】CCD2の電荷読出し方法を説明するための図である。
【図5】CCD2の高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図6】遮光データを取得する方法を説明するための図である。
【図7】撮像装置1Aの基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る撮像装置1Bでの高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図9】CCD2の暗ノイズが面変化する具体例を示す図である。
【図10】高速間引き読出しで検出される暗ノイズを表す図である。
【図11】各フィールドにおける暗ノイズの蓄積時間を説明するための図である。
【図12】本発明の変形例に係る高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図13】本発明の変形例に係る高速間引き読出し方法を説明するための図である。
【図14】暗ノイズを説明するための図である。
【図15】暗ノイズの除去について説明するための図である。
【図16】従来例に係る遮光データの取得方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1A、1B 撮像装置
2 CCD
2a 受光部
5 カメラマイコン
12 メカニカルシャッター
21 A(第1)フィールド
22 B(第2)フィールド
23 C(第3)フィールド
41 画像メモリ
42 画像処理部
43 暗データ演算部
Claims (5)
- 撮像装置であって、
(a)受光部の画素配列の信号を複数のフィールドに分けてフィールドごとに読出し可能な撮像手段と、
(b)前記受光部に対する露光状態と遮光状態とを切替える切替手段と、
(c)前記受光部が前記露光状態のときに、前記受光部の各画素で蓄積される電荷信号をフィールドごとに順次に読出して、前記複数のフィールドのすべてについて露光データを取得する露光データ取得手段と、
(d)前記受光部が前記遮光状態のときに、前記受光部の画素配列において間引かれた画素群で蓄積される電荷信号を読出して遮光データを取得する遮光データ取得手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
(e)前記遮光データに基づき、前記露光データについて画像処理を行う画像処理手段、
をさらに備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記画像処理は、黒レベル補正、オフセット補正およびホワイトバランス補正からなる群から選択される少なくとも1の補正処理であることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2または請求項3に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段は、
(e−1)前記遮光データに基づき、前記複数のフィールドのすべての露光データについて前記画像処理を行う手段、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の撮像装置において、
(g)露光時間を設定する設定手段、
をさらに備え、
前記遮光データ取得手段は、
(d−1)前記設定手段で設定される前記露光時間が所定の露光時間より長い場合には、前記画素群に関する前記遮光データの取得を禁止する禁止手段、
を有することを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248457A JP2004088560A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 撮像装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007281546A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Samsung Techwin Co Ltd | 撮像装置,及び撮像方法 |
JP2010166333A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Fujifilm Corp | 撮像装置及び撮像装置における画像補正方法 |
-
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- 2002-08-28 JP JP2002248457A patent/JP2004088560A/ja active Pending
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