JP2004088193A - デジタルチューナおよび周波数ロック方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタルTV等に内蔵される従来のデジタルチューナについては、デジタル放送波の受信状態が悪いと、ベースバンド信号が規定の周波数と異なる周波数に誤ってロックして所望のチャンネルを選局できないという課題があった。
【解決手段】ベースバンド信号を規定の周波数にロックする周波数ロック方法において、ベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまでベースバンド信号の周波数を適宜変更するステップS2と、デジタル復調により得られるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定するステップS3と、同期がとられていない場合には、周波数ずれ値の算出精度を高めるように周波数ずれ値演算用の各種パラメータを変更するステップS5とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】ベースバンド信号を規定の周波数にロックする周波数ロック方法において、ベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまでベースバンド信号の周波数を適宜変更するステップS2と、デジタル復調により得られるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定するステップS3と、同期がとられていない場合には、周波数ずれ値の算出精度を高めるように周波数ずれ値演算用の各種パラメータを変更するステップS5とを有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルテレビジョン受像機等のデジタル放送波受信装置に内蔵されるデジタルチューナ、並びに当該デジタルチューナ内においてベースバンド信号を規定の周波数にロックするための周波数ロック方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、デジタルテレビジョン受像機の概略的な構成を示すブロック図である。図1において、1は受信アンテナ、2はデジタルチューナ、3はデマルチプレクサ、4は映像信号デコーダ、5は音声信号デコーダ、6はOSD処理部、7は映像信号処理部、8は例えばCRT(陰極線管)として与えられるディスプレイ、9は音声信号増幅器、10はスピーカである。また、11はデジタルテレビジョン受像機内のシステムバス、12はシステムバス11を介してデジタルテレビジョン受像機内の各ハードウエアコンポーネントと接続して各コンポーネントに対する統括的な制御を実行するCPU、13は電源投入時に実行するプログラムやハードウエア操作用の基本入出力システム(BIOS)等を恒久的に格納する読み出し専用メモリとしてのROM、14はCPU12の実行プログラム・コードをロードしたり実行プログラムのワークエリア等として利用されるRAM、15はユーザ情報、放送事業者情報等を記憶するEEPROM、16はリモートコントローラ、17はリモートコントローラ16から赤外線信号を受信して制御信号を出力するリモコンインタフェース部である。
【0003】
次に、上記デジタルテレビジョン受像機の動作について簡単に説明する。アンテナ1は、受信したデジタル放送信号をデジタルチューナ2へ出力する。デジタルチューナ2は、CPU12からの選局制御信号に基づいて、視聴対象のチャンネルに対応するベースバンド信号を取り出すとともに、当該ベースバンド信号をデジタル復調してトランスポートストリーム(以下、適宜TSと称する)を出力する。このデジタル復調については、8PSK,QPSK,BPSK,OFDM等に係る復調方式のなかから、受信するデジタル放送波の種類に応じた適切な復調方式を用いてベースバンド信号をデジタルデータ列に変換する。
【0004】
デマルチプレクサ3は、TSパケットのPIDを参照して、映像データに係るTSパケットを映像信号デコーダ4へ出力し、音声データに係るTSパケットを音声信号デコーダ5へ出力する。映像信号デコーダ4は、供給された映像データを所定の符号化方式に応じて伸長処理してデータ圧縮前の元のデジタル映像データを復元し、これをOSD処理部6へ出力する。音声信号デコーダ5は、供給された音声データを所定の符号化方式に応じて伸長処理してデータ圧縮前の元のデジタル音声データを復元するとともに、復元したデジタル音声データをD/A変換して、アナログ音声信号を生成し、これを音声信号増幅器9へ出力する。
【0005】
OSD処理部6は、例えばメニュー画面等において使用される文字等を表示するように、CPU12から出力されるコマンドに基づきRAM14等のメモリからシステムバス11を介してOSD表示用に供給されるデータに応じた映像信号を映像信号デコーダ4から供給される映像信号に重畳し、この重畳された映像信号を出力する。映像信号処理部7は、入力されたデジタル映像信号を例えばRGB信号のようにディスプレイ8に供給する形式のアナログ映像信号に変換して出力する。また、音声信号増幅器9は、入力されたアナログ音声信号を所定の必要なレベルまで増幅してスピーカ10へ出力する。
【0006】
次に、デジタルチューナ2の構成について説明する。図2は、デジタルチューナの概略構成を示すブロック図である。図2において、21はPLL回路、22はA/D変換器、23はAFC回路、24はデジタル復調器、25は同期判定器である。PLL回路21は、CPU12からの選局制御信号に基づいて設定される周波数で発振する局部発振信号と入力するRF信号とについて乗算処理等を実施することで選局されたチャンネルに係るベースバンド信号を取り出して出力する。A/D変換器22は、入力するアナログベースバンド信号をアナログ−デジタル変換してデジタルベースバンド信号を生成して出力する。
【0007】
AFC回路23は、デジタル復調器24からのAFC制御信号を基にして、入力するデジタルベースバンド信号の周波数ずれをデジタル処理により補正する。この際、AFC回路23内部では、予め規定された所定の周波数のベースバンド信号を出力する(以下、適宜“ロックする”と称する)までは、出力するベースバンド信号の周波数を所定の周波数間隔毎に移行させるようにデジタル補正用のパラメータを逐次的に変更する。なお、このようにベースバンド信号に係る周波数ロックが為されるまで、AFC回路23から出力されるベースバンド信号の周波数を所定の周波数帯域内で逐次的に変更する処理を、以降ではロック周波数探索処理と称するものとする。そして、後述するように、同期判定器25によりベースバンド信号が規定の周波数にロックされたとの判定が為されれば、AFC回路23においては、当該周波数のベースバンド信号を常時出力するようにパラメータを固定して、周波数ずれに係るデジタル補正処理を継続する。
【0008】
次に、デジタル復調器24は、受信するデジタル放送波の種類に応じて、8PSK,QPSK,BPSK,OFDM等に係る復調方式を用いてベースバンド信号をデジタルデータ列に変換する。また、入力するベースバンド信号について規定の周波数からの周波数ずれを検出し、周波数ずれ値に基づいてAFC制御信号をAFC回路23に出力する。ここで、周波数ずれ値については、実際の周波数ずれの大きさに線形的あるいは非線形的に対応する値として算出されて、周波数ずれの大きさを指標する値として与えられるものとする。この周波数ずれ値と所定の閾値とを比較することで、ベースバンド信号が規定の周波数にロックされたか否かを判定する。また、AFC制御信号については、AFC回路23から出力されるベースバンド信号の周波数を所定の周波数間隔毎に増分または減分するように、デジタル補正用パラメータの変更を指示する信号として与えられる。なお、デジタル復調器24における周波数ずれ値の算出処理で実施される微分・積分演算等で使用されるサンプリング回数、サンプリング間隔等を規定する変数としてそれぞれ与えられる1または複数のパラメータから成るパラメータ群(以下、演算パラメータ群と称する)の値をそれぞれ適宜変えることで、周波数ずれ値に係る算出精度を変更できる。この算出精度を上げれば、ロックされたか否かを判定するまでの時間はかかるが、ロックすべき規定の周波数を有するベースバンド信号の検出精度を高めることができる。また、算出精度を下げれば、ロックされたか否かを判定するまでの時間は短縮できるが、ロックすべき規定の周波数を有するベースバンド信号の検出精度は低下する。
【0009】
同期判定器25は、デジタル復調器24からシリアル方式により出力されるデジタルデータ列から同期パターンを検出して、所定の間隔で所定の回数だけ連続して同期パターンが検出された場合に同期捕捉が為されたものと判断するとともに、それ以外の場合には同期はずれであると判断して、同期判定に係る判定信号を出力する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルチューナは上記のように構成されており、デジタル放送波の受信状態が悪い場合には、ベースバンド信号の周波数が規定の周波数でないにもかかわらず、演算パラメータ群の初期値に基づいて算出された周波数ずれ値が所定の閾値より小さくなってロックされたと誤判定(以下、擬似ロックと称する)されることがあり、所望のチャンネルを選局できないことがあるという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、デジタル放送波の受信状態が悪い場合でも、適切な演算パラメータ群を設定して、所望のチャンネルを選局できるようにするデジタルチューナおよび周波数ロック方法を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデジタルチューナは、デジタル放送信号を入力して視聴対象のチャンネルに対応するベースバンド信号を出力するベースバンド信号出力手段と、アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換するA/D変換手段と、ベースバンド信号の周波数ずれをデジタル補正する周波数補正手段と、ベースバンド信号を復調してデジタルデータ列を出力するデジタル復調手段と、デジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列に係る同期状態を判定する同期判定手段と、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれを算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、ベースバンド信号が規定の周波数にロックした際に用いられていた演算パラメータ群の各値を、視聴対象となるそれぞれのチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶手段とを有して構成されるようにしたものである。
【0013】
この発明に係る周波数ロック方法は、デジタル復調手段において算出したベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまで周波数補正手段から出力するベースバンド信号の周波数を適宜変更する第1の工程と、第1の工程においてデジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定する第2の工程と、第1の工程が開始されてから所定の時間が経過するまでに同期がとられていないと判定された場合に、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群の各値を変更する第3の工程とを有し、第3の工程を実施した後に第1の工程を実施するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る周波数ロック方法は、選局動作が開始されてから第1の工程を実施するまでの間において、視聴対象のチャンネルについて、既に周波数ロックが為されていたか否かを判定して、周波数ロックが為されていた場合には、演算パラメータ群を周波数ロックが為された際に用いられていた値に設定する第4の工程を有するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本願発明に係る実施の形態について説明する。なお、本願発明の実施の形態に記載された実施例を構成する各要素および各工程と、特許請求の範囲に記載された発明を構成する各要素および各工程との対応関係を明らかにするために、本願発明の実施の形態に係る以下の説明文中において、実施例の各要素および各工程に対応する特許請求の範囲に記載された発明の各要素および各工程を、それぞれ実施例の各要素および各工程に続けて適宜かっこ書きにより示すものとする。
【0016】
実施の形態1.
図3は、この発明の実施の形態1による周波数ロック方法を示すフローチャートである。なお、本願発明に係る周波数ロック方法を実行するハードウエア環境については、従来の技術において説明したデジタルチューナと同一の構成を用いることとして、その説明を省略する。例えばリモートコントローラ16を用いてユーザにより所望のチャンネル番号が指定されると、選局処理が開始され、PLL回路(ベースバンド信号出力手段)21は、視聴対象のチャンネルに係るベースバンド信号を取り出して出力する。デジタル復調器(デジタル復調手段)24においては、入力するベースバンド信号に係る周波数ずれ値を算出するために、演算パラメータ群を初期値に設定する(ステップS1)。次に、デジタル復調器24は、設定された演算パラメータ群を基にして、周波数ずれ値を算出して、当該周波数ずれ値と、周波数ロックの判別用に設けられた所定の閾値とを比較して、規定の周波数にベースバンド信号がロックされてはいないと判断された場合には、AFC回路(周波数補正手段)23において実施されるロック周波数探索処理を継続するように、AFC制御信号を出力する。AFC回路23は、AFC制御信号を入力すると、出力するベースバンド信号の周波数を所定の周波数間隔毎に増分または減分するように、デジタル補正用のパラメータを逐次的に変更して、A/D変換器(A/D変換手段)22から入力するベースバンド信号に係るロック周波数探索処理を実施する(ステップS2(第1の工程))。
【0017】
CPU12は、ロック周波数探索処理を実施している間において、定期的に同期判定器(同期判定手段)25から出力される同期判定信号を基にして、同期捕捉が為されたか否かを判定する(ステップS3(第2の工程))。ステップS3において、同期捕捉が為されたと判定された場合には、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしたものとみなせるから、AFC回路23においてデジタル補正用パラメータを固定して、選局処理を終了する。また、ステップS3において同期捕捉が為されていないと判定された場合には、デジタル復調器24において演算パラメータ群について初期値による設定が為されてから、あるいは後述するように演算パラメータ群が変更されてから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、所定の時間が経過していない場合には、ステップS2のロック周波数探索処理を継続して実施する。また、ステップS4において、所定の時間が経過したと判定された場合には、同期捕捉が為されていないことで、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしていないか、あるいはベースバンド信号を規定の周波数と異なる誤った周波数に擬似ロックしたものとみなせるから、デジタル復調器24における周波数ずれ値の算出精度を現時点の算出精度より高めるように、演算パラメータ群を変更し(ステップS5(第3の工程))、処理をステップS2に戻す。
【0018】
以上のようにこの実施の形態1によれば、デジタル復調器24において周波数ずれ値を算出するための演算パラメータ群として初期値が設定されるかあるいは演算パラメータ群が変更されてから所定の時間が経過しても同期捕捉を得られたとの判定が為されなければ、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群を変更してロック周波数探索処理を実施するように構成されているので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることなくロック周波数探索処理が繰り返し実施されている場合、あるいはベースバンド信号を誤った周波数に擬似ロックしている場合にも、周波数ずれ値の算出精度を高めることで、新たにベースバンド信号を規定の周波数にロックすることができるから、デジタル放送波の受信状態が悪い場合でも視聴対象のチャンネルを選局することが可能になるという効果を奏する。
【0019】
なお、上記の実施の形態では、同期判定器25から出力される同期判定信号を基にして、擬似ロックを排して、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしているか否かを判定する構成としている。但し、本願発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えばデジタル復調器の後段に設けられるビタビ復号器から出力される同期/非同期信号を基にして、擬似ロックを排して、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしているか否かを判定する構成としてもよい。この場合には、所定の周期内の正規化要求信号をカウントして、カウント値と所定の閾値とを比較することで、出力されるデジタルデータ列に係る判定を実施している。すなわち、本願発明は、デジタル復調器24から出力されるデジタルデータ列に係る同期状態の判定に基づいて、擬似ロックを排して、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしているか否かを判定する工程を有することを構成要件とするものである。
【0020】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるデジタルチューナの構成を示すブロック図である。図4において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので,その説明を省略する。31は、チャンネル毎に、ベースバンド信号に係る周波数ロックが為された際にデジタル復調器24において周波数ずれ値の算出処理に用いられた演算パラメータ群の各値を記憶する演算パラメータ群記憶部(演算パラメータ群記憶手段)である。なお、この演算パラメータ群記憶部31については、演算パラメータ群記憶用に専用に設けてもよく、また例えばEEPROM16の一部記憶領域を演算パラメータ群記憶部として用いるような構成をとることも可能である。
【0021】
次に、動作について説明する。図5は、この発明の実施の形態2による周波数ロック方法を示すフローチャートである。図5において、図3と同一符号は同一または相当する工程を示すものである。この実施の形態による周波数ロック方法においては、選局処理が開始されPLL回路21から指定されたチャンネルに係るベースバンド信号が出力されると、CPU12は、演算パラメータ群記憶部31を参照して、視聴対象のチャンネルについて演算パラメータ群が登録されているか否かを判定する(ステップS11)。演算パラメータ群が登録されている場合には、演算パラメータ群として演算パラメータ群記憶部31に記憶されている各値を設定する(ステップS12(第4の工程))。また、ステップS11において、演算パラメータ群が設定されていない場合には、演算パラメータ群を予めシステム側で用意されている初期値(デフォルト値)に設定する(ステップS1)。これ以後のステップS2からステップS5の処理については、実施の形態1と同様であるので、ここではその説明を省略する。次に、ステップS3において、同期捕捉が為されたと判定された場合には、演算パラメータ群記憶部31を参照して、視聴対象のチャンネルについて演算パラメータ群が登録されているか否かを判定する(ステップS13)。演算パラメータ群が登録されていない場合には、ベースバンド信号を規定の周波数にロックした際にデジタル復調器24において周波数ずれ値算出のために用いられた演算パラメータ群を構成する各パラメータの値をチャンネルに対応付けて演算パラメータ群記憶部31に記憶する(ステップS14)。
【0022】
以上のようにこの実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、各チャンネル毎に、ベースバンド信号を規定の周波数にロックした際にデジタル復調器24において周波数ずれ値算出のために用いられた演算パラメータ群を構成する各パラメータの値をチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶部31を設けて、選局開始時に指定されたチャンネルについて演算パラメータ群が登録されていると判定されれば、当該演算パラメータ群を用いてロック周波数探索処理を実行するように構成されているので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることが予め確認されている演算パラメータ群を最初から用いることで、ロック周波数探索処理を効率的に実施してベースバンド信号を規定の周波数にロックするまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0023】
なお、実施の形態1および実施の形態2により説明されるデジタルチューナおよび周波数ロック方法は、本願発明を限定するものではなく、例示することを意図して開示されているものである。本願発明の技術的範囲は特許請求の範囲により定められるものであり、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲において種々の設計的変更が可能である。また、本願発明のデジタルチューナについては、上記実施の形態においてデジタルテレビジョン受像機に組み込まれる構成をとっているが、このような構成に限定されるものではなく、セットトップボックスなど他のデジタル放送受信装置に組み込む構成をとることが勿論可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、デジタル復調手段において算出したベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまで周波数補正手段から出力するベースバンド信号の周波数を適宜変更する第1の工程と、第1の工程においてデジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定する第2の工程と、第1の工程が開始されてから所定の時間が経過するまでに同期がとられていないと判定された場合に、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群の各値を変更する第3の工程とを有し、第3の工程を実施した後に第1の工程を実施するように構成したので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることなくロック周波数探索処理が繰り返し実施されている場合、あるいはベースバンド信号を誤った周波数に擬似ロックしている場合にも、周波数ずれ値の算出精度を高めることで、新たにベースバンド信号を規定の周波数にロックすることができるから、デジタル放送波の受信状態が悪い場合でも視聴対象のチャンネルを選局することが可能になるという効果を奏する。
【0025】
また、この発明によれば、選局動作が開始されてから第1の工程を実施するまでの間において、視聴対象のチャンネルについて、既に周波数ロックが為されていたか否かを判定して、周波数ロックが為されていた場合には、演算パラメータ群を周波数ロックが為された際に用いられていた値に設定する第4の工程を有するように構成したので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることが予め確認されている演算パラメータ群を最初から用いることで、ロック周波数検出処理を効率的に実行してベースバンド信号を規定の周波数にロックするまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。また、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、ベースバンド信号が規定の周波数にロックした際に用いられていた演算パラメータ群の各値を、視聴対象となるそれぞれのチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶手段をデジタルチューナに備える構成とすることで、上記と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルテレビジョン受像機の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】従来のデジタルチューナの概略構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1による周波数ロック方法を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2によるデジタルチューナの構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2による周波数ロック方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 デジタルチューナ、3 デマルチプレクサ、4 映像信号デコーダ、5 音声信号デコーダ、6 OSD処理部、7 映像信号処理部、8 ディスプレイ、9 音声信号増幅器、10 スピーカ、11 システムバス、12 CPU、13 ROM、14 RAM、15 EEPROM、16 リモートコントローラ、17 リモコンインタフェース部、21 PLL回路(ベースバンド信号出力手段)、22 A/D変換器(A/D変換手段)、23 AFC回路(周波数補正手段)、24 デジタル復調器(デジタル復調手段)、25 同期判定器(同期判定手段)、31 演算パラメータ群記憶部(演算パラメータ群記憶手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルテレビジョン受像機等のデジタル放送波受信装置に内蔵されるデジタルチューナ、並びに当該デジタルチューナ内においてベースバンド信号を規定の周波数にロックするための周波数ロック方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、デジタルテレビジョン受像機の概略的な構成を示すブロック図である。図1において、1は受信アンテナ、2はデジタルチューナ、3はデマルチプレクサ、4は映像信号デコーダ、5は音声信号デコーダ、6はOSD処理部、7は映像信号処理部、8は例えばCRT(陰極線管)として与えられるディスプレイ、9は音声信号増幅器、10はスピーカである。また、11はデジタルテレビジョン受像機内のシステムバス、12はシステムバス11を介してデジタルテレビジョン受像機内の各ハードウエアコンポーネントと接続して各コンポーネントに対する統括的な制御を実行するCPU、13は電源投入時に実行するプログラムやハードウエア操作用の基本入出力システム(BIOS)等を恒久的に格納する読み出し専用メモリとしてのROM、14はCPU12の実行プログラム・コードをロードしたり実行プログラムのワークエリア等として利用されるRAM、15はユーザ情報、放送事業者情報等を記憶するEEPROM、16はリモートコントローラ、17はリモートコントローラ16から赤外線信号を受信して制御信号を出力するリモコンインタフェース部である。
【0003】
次に、上記デジタルテレビジョン受像機の動作について簡単に説明する。アンテナ1は、受信したデジタル放送信号をデジタルチューナ2へ出力する。デジタルチューナ2は、CPU12からの選局制御信号に基づいて、視聴対象のチャンネルに対応するベースバンド信号を取り出すとともに、当該ベースバンド信号をデジタル復調してトランスポートストリーム(以下、適宜TSと称する)を出力する。このデジタル復調については、8PSK,QPSK,BPSK,OFDM等に係る復調方式のなかから、受信するデジタル放送波の種類に応じた適切な復調方式を用いてベースバンド信号をデジタルデータ列に変換する。
【0004】
デマルチプレクサ3は、TSパケットのPIDを参照して、映像データに係るTSパケットを映像信号デコーダ4へ出力し、音声データに係るTSパケットを音声信号デコーダ5へ出力する。映像信号デコーダ4は、供給された映像データを所定の符号化方式に応じて伸長処理してデータ圧縮前の元のデジタル映像データを復元し、これをOSD処理部6へ出力する。音声信号デコーダ5は、供給された音声データを所定の符号化方式に応じて伸長処理してデータ圧縮前の元のデジタル音声データを復元するとともに、復元したデジタル音声データをD/A変換して、アナログ音声信号を生成し、これを音声信号増幅器9へ出力する。
【0005】
OSD処理部6は、例えばメニュー画面等において使用される文字等を表示するように、CPU12から出力されるコマンドに基づきRAM14等のメモリからシステムバス11を介してOSD表示用に供給されるデータに応じた映像信号を映像信号デコーダ4から供給される映像信号に重畳し、この重畳された映像信号を出力する。映像信号処理部7は、入力されたデジタル映像信号を例えばRGB信号のようにディスプレイ8に供給する形式のアナログ映像信号に変換して出力する。また、音声信号増幅器9は、入力されたアナログ音声信号を所定の必要なレベルまで増幅してスピーカ10へ出力する。
【0006】
次に、デジタルチューナ2の構成について説明する。図2は、デジタルチューナの概略構成を示すブロック図である。図2において、21はPLL回路、22はA/D変換器、23はAFC回路、24はデジタル復調器、25は同期判定器である。PLL回路21は、CPU12からの選局制御信号に基づいて設定される周波数で発振する局部発振信号と入力するRF信号とについて乗算処理等を実施することで選局されたチャンネルに係るベースバンド信号を取り出して出力する。A/D変換器22は、入力するアナログベースバンド信号をアナログ−デジタル変換してデジタルベースバンド信号を生成して出力する。
【0007】
AFC回路23は、デジタル復調器24からのAFC制御信号を基にして、入力するデジタルベースバンド信号の周波数ずれをデジタル処理により補正する。この際、AFC回路23内部では、予め規定された所定の周波数のベースバンド信号を出力する(以下、適宜“ロックする”と称する)までは、出力するベースバンド信号の周波数を所定の周波数間隔毎に移行させるようにデジタル補正用のパラメータを逐次的に変更する。なお、このようにベースバンド信号に係る周波数ロックが為されるまで、AFC回路23から出力されるベースバンド信号の周波数を所定の周波数帯域内で逐次的に変更する処理を、以降ではロック周波数探索処理と称するものとする。そして、後述するように、同期判定器25によりベースバンド信号が規定の周波数にロックされたとの判定が為されれば、AFC回路23においては、当該周波数のベースバンド信号を常時出力するようにパラメータを固定して、周波数ずれに係るデジタル補正処理を継続する。
【0008】
次に、デジタル復調器24は、受信するデジタル放送波の種類に応じて、8PSK,QPSK,BPSK,OFDM等に係る復調方式を用いてベースバンド信号をデジタルデータ列に変換する。また、入力するベースバンド信号について規定の周波数からの周波数ずれを検出し、周波数ずれ値に基づいてAFC制御信号をAFC回路23に出力する。ここで、周波数ずれ値については、実際の周波数ずれの大きさに線形的あるいは非線形的に対応する値として算出されて、周波数ずれの大きさを指標する値として与えられるものとする。この周波数ずれ値と所定の閾値とを比較することで、ベースバンド信号が規定の周波数にロックされたか否かを判定する。また、AFC制御信号については、AFC回路23から出力されるベースバンド信号の周波数を所定の周波数間隔毎に増分または減分するように、デジタル補正用パラメータの変更を指示する信号として与えられる。なお、デジタル復調器24における周波数ずれ値の算出処理で実施される微分・積分演算等で使用されるサンプリング回数、サンプリング間隔等を規定する変数としてそれぞれ与えられる1または複数のパラメータから成るパラメータ群(以下、演算パラメータ群と称する)の値をそれぞれ適宜変えることで、周波数ずれ値に係る算出精度を変更できる。この算出精度を上げれば、ロックされたか否かを判定するまでの時間はかかるが、ロックすべき規定の周波数を有するベースバンド信号の検出精度を高めることができる。また、算出精度を下げれば、ロックされたか否かを判定するまでの時間は短縮できるが、ロックすべき規定の周波数を有するベースバンド信号の検出精度は低下する。
【0009】
同期判定器25は、デジタル復調器24からシリアル方式により出力されるデジタルデータ列から同期パターンを検出して、所定の間隔で所定の回数だけ連続して同期パターンが検出された場合に同期捕捉が為されたものと判断するとともに、それ以外の場合には同期はずれであると判断して、同期判定に係る判定信号を出力する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルチューナは上記のように構成されており、デジタル放送波の受信状態が悪い場合には、ベースバンド信号の周波数が規定の周波数でないにもかかわらず、演算パラメータ群の初期値に基づいて算出された周波数ずれ値が所定の閾値より小さくなってロックされたと誤判定(以下、擬似ロックと称する)されることがあり、所望のチャンネルを選局できないことがあるという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、デジタル放送波の受信状態が悪い場合でも、適切な演算パラメータ群を設定して、所望のチャンネルを選局できるようにするデジタルチューナおよび周波数ロック方法を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデジタルチューナは、デジタル放送信号を入力して視聴対象のチャンネルに対応するベースバンド信号を出力するベースバンド信号出力手段と、アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換するA/D変換手段と、ベースバンド信号の周波数ずれをデジタル補正する周波数補正手段と、ベースバンド信号を復調してデジタルデータ列を出力するデジタル復調手段と、デジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列に係る同期状態を判定する同期判定手段と、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれを算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、ベースバンド信号が規定の周波数にロックした際に用いられていた演算パラメータ群の各値を、視聴対象となるそれぞれのチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶手段とを有して構成されるようにしたものである。
【0013】
この発明に係る周波数ロック方法は、デジタル復調手段において算出したベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまで周波数補正手段から出力するベースバンド信号の周波数を適宜変更する第1の工程と、第1の工程においてデジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定する第2の工程と、第1の工程が開始されてから所定の時間が経過するまでに同期がとられていないと判定された場合に、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群の各値を変更する第3の工程とを有し、第3の工程を実施した後に第1の工程を実施するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る周波数ロック方法は、選局動作が開始されてから第1の工程を実施するまでの間において、視聴対象のチャンネルについて、既に周波数ロックが為されていたか否かを判定して、周波数ロックが為されていた場合には、演算パラメータ群を周波数ロックが為された際に用いられていた値に設定する第4の工程を有するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本願発明に係る実施の形態について説明する。なお、本願発明の実施の形態に記載された実施例を構成する各要素および各工程と、特許請求の範囲に記載された発明を構成する各要素および各工程との対応関係を明らかにするために、本願発明の実施の形態に係る以下の説明文中において、実施例の各要素および各工程に対応する特許請求の範囲に記載された発明の各要素および各工程を、それぞれ実施例の各要素および各工程に続けて適宜かっこ書きにより示すものとする。
【0016】
実施の形態1.
図3は、この発明の実施の形態1による周波数ロック方法を示すフローチャートである。なお、本願発明に係る周波数ロック方法を実行するハードウエア環境については、従来の技術において説明したデジタルチューナと同一の構成を用いることとして、その説明を省略する。例えばリモートコントローラ16を用いてユーザにより所望のチャンネル番号が指定されると、選局処理が開始され、PLL回路(ベースバンド信号出力手段)21は、視聴対象のチャンネルに係るベースバンド信号を取り出して出力する。デジタル復調器(デジタル復調手段)24においては、入力するベースバンド信号に係る周波数ずれ値を算出するために、演算パラメータ群を初期値に設定する(ステップS1)。次に、デジタル復調器24は、設定された演算パラメータ群を基にして、周波数ずれ値を算出して、当該周波数ずれ値と、周波数ロックの判別用に設けられた所定の閾値とを比較して、規定の周波数にベースバンド信号がロックされてはいないと判断された場合には、AFC回路(周波数補正手段)23において実施されるロック周波数探索処理を継続するように、AFC制御信号を出力する。AFC回路23は、AFC制御信号を入力すると、出力するベースバンド信号の周波数を所定の周波数間隔毎に増分または減分するように、デジタル補正用のパラメータを逐次的に変更して、A/D変換器(A/D変換手段)22から入力するベースバンド信号に係るロック周波数探索処理を実施する(ステップS2(第1の工程))。
【0017】
CPU12は、ロック周波数探索処理を実施している間において、定期的に同期判定器(同期判定手段)25から出力される同期判定信号を基にして、同期捕捉が為されたか否かを判定する(ステップS3(第2の工程))。ステップS3において、同期捕捉が為されたと判定された場合には、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしたものとみなせるから、AFC回路23においてデジタル補正用パラメータを固定して、選局処理を終了する。また、ステップS3において同期捕捉が為されていないと判定された場合には、デジタル復調器24において演算パラメータ群について初期値による設定が為されてから、あるいは後述するように演算パラメータ群が変更されてから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、所定の時間が経過していない場合には、ステップS2のロック周波数探索処理を継続して実施する。また、ステップS4において、所定の時間が経過したと判定された場合には、同期捕捉が為されていないことで、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしていないか、あるいはベースバンド信号を規定の周波数と異なる誤った周波数に擬似ロックしたものとみなせるから、デジタル復調器24における周波数ずれ値の算出精度を現時点の算出精度より高めるように、演算パラメータ群を変更し(ステップS5(第3の工程))、処理をステップS2に戻す。
【0018】
以上のようにこの実施の形態1によれば、デジタル復調器24において周波数ずれ値を算出するための演算パラメータ群として初期値が設定されるかあるいは演算パラメータ群が変更されてから所定の時間が経過しても同期捕捉を得られたとの判定が為されなければ、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群を変更してロック周波数探索処理を実施するように構成されているので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることなくロック周波数探索処理が繰り返し実施されている場合、あるいはベースバンド信号を誤った周波数に擬似ロックしている場合にも、周波数ずれ値の算出精度を高めることで、新たにベースバンド信号を規定の周波数にロックすることができるから、デジタル放送波の受信状態が悪い場合でも視聴対象のチャンネルを選局することが可能になるという効果を奏する。
【0019】
なお、上記の実施の形態では、同期判定器25から出力される同期判定信号を基にして、擬似ロックを排して、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしているか否かを判定する構成としている。但し、本願発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えばデジタル復調器の後段に設けられるビタビ復号器から出力される同期/非同期信号を基にして、擬似ロックを排して、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしているか否かを判定する構成としてもよい。この場合には、所定の周期内の正規化要求信号をカウントして、カウント値と所定の閾値とを比較することで、出力されるデジタルデータ列に係る判定を実施している。すなわち、本願発明は、デジタル復調器24から出力されるデジタルデータ列に係る同期状態の判定に基づいて、擬似ロックを排して、ベースバンド信号を規定の周波数にロックしているか否かを判定する工程を有することを構成要件とするものである。
【0020】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるデジタルチューナの構成を示すブロック図である。図4において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので,その説明を省略する。31は、チャンネル毎に、ベースバンド信号に係る周波数ロックが為された際にデジタル復調器24において周波数ずれ値の算出処理に用いられた演算パラメータ群の各値を記憶する演算パラメータ群記憶部(演算パラメータ群記憶手段)である。なお、この演算パラメータ群記憶部31については、演算パラメータ群記憶用に専用に設けてもよく、また例えばEEPROM16の一部記憶領域を演算パラメータ群記憶部として用いるような構成をとることも可能である。
【0021】
次に、動作について説明する。図5は、この発明の実施の形態2による周波数ロック方法を示すフローチャートである。図5において、図3と同一符号は同一または相当する工程を示すものである。この実施の形態による周波数ロック方法においては、選局処理が開始されPLL回路21から指定されたチャンネルに係るベースバンド信号が出力されると、CPU12は、演算パラメータ群記憶部31を参照して、視聴対象のチャンネルについて演算パラメータ群が登録されているか否かを判定する(ステップS11)。演算パラメータ群が登録されている場合には、演算パラメータ群として演算パラメータ群記憶部31に記憶されている各値を設定する(ステップS12(第4の工程))。また、ステップS11において、演算パラメータ群が設定されていない場合には、演算パラメータ群を予めシステム側で用意されている初期値(デフォルト値)に設定する(ステップS1)。これ以後のステップS2からステップS5の処理については、実施の形態1と同様であるので、ここではその説明を省略する。次に、ステップS3において、同期捕捉が為されたと判定された場合には、演算パラメータ群記憶部31を参照して、視聴対象のチャンネルについて演算パラメータ群が登録されているか否かを判定する(ステップS13)。演算パラメータ群が登録されていない場合には、ベースバンド信号を規定の周波数にロックした際にデジタル復調器24において周波数ずれ値算出のために用いられた演算パラメータ群を構成する各パラメータの値をチャンネルに対応付けて演算パラメータ群記憶部31に記憶する(ステップS14)。
【0022】
以上のようにこの実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、各チャンネル毎に、ベースバンド信号を規定の周波数にロックした際にデジタル復調器24において周波数ずれ値算出のために用いられた演算パラメータ群を構成する各パラメータの値をチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶部31を設けて、選局開始時に指定されたチャンネルについて演算パラメータ群が登録されていると判定されれば、当該演算パラメータ群を用いてロック周波数探索処理を実行するように構成されているので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることが予め確認されている演算パラメータ群を最初から用いることで、ロック周波数探索処理を効率的に実施してベースバンド信号を規定の周波数にロックするまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0023】
なお、実施の形態1および実施の形態2により説明されるデジタルチューナおよび周波数ロック方法は、本願発明を限定するものではなく、例示することを意図して開示されているものである。本願発明の技術的範囲は特許請求の範囲により定められるものであり、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲において種々の設計的変更が可能である。また、本願発明のデジタルチューナについては、上記実施の形態においてデジタルテレビジョン受像機に組み込まれる構成をとっているが、このような構成に限定されるものではなく、セットトップボックスなど他のデジタル放送受信装置に組み込む構成をとることが勿論可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、デジタル復調手段において算出したベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまで周波数補正手段から出力するベースバンド信号の周波数を適宜変更する第1の工程と、第1の工程においてデジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定する第2の工程と、第1の工程が開始されてから所定の時間が経過するまでに同期がとられていないと判定された場合に、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群の各値を変更する第3の工程とを有し、第3の工程を実施した後に第1の工程を実施するように構成したので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることなくロック周波数探索処理が繰り返し実施されている場合、あるいはベースバンド信号を誤った周波数に擬似ロックしている場合にも、周波数ずれ値の算出精度を高めることで、新たにベースバンド信号を規定の周波数にロックすることができるから、デジタル放送波の受信状態が悪い場合でも視聴対象のチャンネルを選局することが可能になるという効果を奏する。
【0025】
また、この発明によれば、選局動作が開始されてから第1の工程を実施するまでの間において、視聴対象のチャンネルについて、既に周波数ロックが為されていたか否かを判定して、周波数ロックが為されていた場合には、演算パラメータ群を周波数ロックが為された際に用いられていた値に設定する第4の工程を有するように構成したので、ベースバンド信号を規定の周波数にロックすることが予め確認されている演算パラメータ群を最初から用いることで、ロック周波数検出処理を効率的に実行してベースバンド信号を規定の周波数にロックするまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。また、デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、ベースバンド信号が規定の周波数にロックした際に用いられていた演算パラメータ群の各値を、視聴対象となるそれぞれのチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶手段をデジタルチューナに備える構成とすることで、上記と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルテレビジョン受像機の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】従来のデジタルチューナの概略構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1による周波数ロック方法を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2によるデジタルチューナの構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2による周波数ロック方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 デジタルチューナ、3 デマルチプレクサ、4 映像信号デコーダ、5 音声信号デコーダ、6 OSD処理部、7 映像信号処理部、8 ディスプレイ、9 音声信号増幅器、10 スピーカ、11 システムバス、12 CPU、13 ROM、14 RAM、15 EEPROM、16 リモートコントローラ、17 リモコンインタフェース部、21 PLL回路(ベースバンド信号出力手段)、22 A/D変換器(A/D変換手段)、23 AFC回路(周波数補正手段)、24 デジタル復調器(デジタル復調手段)、25 同期判定器(同期判定手段)、31 演算パラメータ群記憶部(演算パラメータ群記憶手段)
Claims (3)
- デジタル放送信号を入力して視聴対象のチャンネルに対応するベースバンド信号を出力するベースバンド信号出力手段と、
アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換するA/D変換手段と、
ベースバンド信号の周波数ずれをデジタル補正する周波数補正手段と、
ベースバンド信号を復調してデジタルデータ列を出力するデジタル復調手段と、
該デジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列に係る同期状態を判定する同期判定手段とを有して構成されるデジタルチューナにおいて、
前記デジタル復調手段においてベースバンド信号に係る周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、ベースバンド信号が規定の周波数にロックした際に用いられていた演算パラメータ群の各値を、視聴対象となるそれぞれのチャンネルに対応付けて記憶する演算パラメータ群記憶手段を備えることを特徴とするデジタルチューナ。 - デジタル放送信号を入力して視聴対象のチャンネルに対応するベースバンド信号を出力するベースバンド信号出力手段と、
アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換するA/D変換手段と、
ベースバンド信号の周波数ずれをデジタル補正する周波数補正手段と、
ベースバンド信号を復調してデジタルデータ列を出力するデジタル復調手段と、
該デジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列に係る同期状態を判定する同期判定手段とを有して構成されるデジタルチューナにおいて、ベースバンド信号を規定の周波数にロックする周波数ロック方法であって、
前記デジタル復調手段において算出したベースバンド信号に係る周波数ずれ値に応じて周波数ロックが為されたか否かを判定して、周波数ロックが為されるまで前記周波数補正手段から出力するベースバンド信号の周波数を適宜変更する第1の工程と、
該第1の工程においてデジタル復調手段から出力されるデジタルデータ列について同期がとられているか否かを判定する第2の工程と、
前記第1の工程が開始されてから所定の時間が経過するまでに同期がとられていないと判定された場合に、前記デジタル復調手段においてベースバンド信号の周波数ずれ値を算出する際に用いられる1または複数のパラメータから成る演算パラメータ群について、周波数ずれ値の算出精度を高めるように演算パラメータ群の各値を変更する第3の工程とを有し、
前記第3の工程を実施した後に前記第1の工程を実施することを特徴とする周波数ロック方法。 - 選局動作が開始されてから第1の工程を実施するまでの間において、
視聴対象のチャンネルについて、既に周波数ロックが為されていたか否かを判定して、周波数ロックが為されていた場合には、演算パラメータ群を周波数ロックが為された際に用いられていた値に設定する第4の工程を有することを特徴とする請求項2記載の周波数ロック方法。
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