JP2004087943A - 半導体ウェハのチャック装置およびチャック方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦性を高めてチャックすることができる半導体ウェハのチャック装置および方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハWを固定するチャック部10と、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を複数の領域に分割して測定する凹凸測定部20と、凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部10による半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向に調節するように制御する制御部30とを有する構成とする。半導体ウェハWをチャック部10に固定し、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を測定し、半導体ウェハWの表面Sの凹凸の測定結果に応じて、半導体ウェハWの表面Sの平坦性を高めるように、チャック部10による半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向に調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体ウェハWを固定するチャック部10と、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を複数の領域に分割して測定する凹凸測定部20と、凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部10による半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向に調節するように制御する制御部30とを有する構成とする。半導体ウェハWをチャック部10に固定し、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を測定し、半導体ウェハWの表面Sの凹凸の測定結果に応じて、半導体ウェハWの表面Sの平坦性を高めるように、チャック部10による半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向に調節する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ウェハのチャック装置およびチャック方法に関し、特に平坦性を高めてチャックすることができる半導体ウェハのチャック装置およびチャック方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置のさらなる高集積化を実現するために、半導体装置の微細化が一段と進められており、このために半導体装置のパターンを形成するフォトリソグラフィ工程の重要性がますます高くなってきている。
【0003】
上記の半導体装置のパターンの微細化を進めるため、フォトリソグラフィ工程においては、使用される露光装置の対物レンズの高開口数化、露光する光の短波長化が進められている。
この結果、露光工程における焦点深度(DOF;depth of focus)の許容幅はますます狭くなってきている。
【0004】
上記のDOFに対する要求値を満足させるために、半導体ウェハの製造プロセスの改善による半導体ウェハの表面の平坦性の向上や、半導体ウェハのチャック装置の設計改善による平坦性の向上が実現され、その結果、チャック装置に固定した状態での半導体ウェハの表面の平坦性の向上へとつながり、DOF値の要求を満足してきた。
【0005】
具体的には、半導体ウェハのチャック装置の半導体ウェハ支持部としては、リング状の支持部材から、例えば均等の間隔で並べて立てられた複数本のピン状の支持部材へと変更されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体装置の高集積化や微細化とともにDOFに対する要求値はますます厳しくなってきており、上記の従来の半導体ウェハのチャック装置では対応しきれなくなってきている。
【0007】
これは、例えばチャック装置に固定した状態での半導体ウェハの表面の平坦性が半導体ウェハの違いにより変動してしまうこと、同じ半導体ウェハを異なるチャック装置にチャックしたときに平坦性が異なってしまうこと、あるいは、半導体ウェハメーカ、半導体ウェハのチャック装置のメーカに対する平坦性の要求値が限りなくゼロに近づいているため、所望の平坦性を有する半導体ウェハの歩留りが低下してしまうことによるコスト的な問題や、所望の平坦性を有する半導体ウェハを製造することができない技術的な問題が発生してしまうためである。
【0008】
例えば、現状の半導体ウェハの凹凸あるいはうねりの大きさは100nm程度あるが、これを50nm程度以下にまで低減することが望まれている。
上記のように問題となる半導体ウェハの表面の凹凸やうねりは、配線工程などのプロセスにおいて発生しており、プロセスの途中で発生する凹凸やうねりに対応する必要がある。
【0009】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる半導体ウェハのチャック装置と、平坦性を高めてチャックすることができる半導体ウェハのチャック方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る半導体ウェハのチャック装置は、半導体ウェハを固定するチャック部と、前記半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定する凹凸測定部と、前記凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて、前記複数の領域毎に、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節するように制御する制御部とを有する。
【0011】
上記の本発明の半導体ウェハのチャック装置は、好適には、前記チャック部は、チャック基体と、前記チャック基体に設けられ、前記複数の領域毎に前記半導体ウェハを支持し、前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する調節機能を有する半導体ウェハ支持部と、前記チャック基体に設けられ、前記半導体ウェハが前記半導体ウェハ支持部に係止して固定されるように前記半導体ウェハを吸着する吸引部と、を有し、前記制御部により、前記半導体ウェハ支持部の前記調節機能が制御されて前記半導体ウェハを支持する位置が前記半導体ウェハの厚さ方向に調節される。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る半導体ウェハのチャック方法は、半導体ウェハをチャック部に固定する工程と、前記半導体ウェハの表面の凹凸を測定する工程と、前記凹凸の測定結果に応じて、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する工程とを有する。
【0013】
上記の本発明の半導体ウェハのチャック方法は、好適には、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置の変化量と、前記半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べる工程をさらに有し、前記半導体ウェハを支持する位置を調節する工程において、前記凹凸の測定結果に応じて、前記対応関係から前記半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、前記半導体ウェハを支持する位置を調節する。
【0014】
上記の本発明の第1の観点に係る半導体ウェハのチャック装置の作用は、チャック部により半導体ウェハを吸着して固定し、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定する。また、制御部により、凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節するように制御する。
チャック部は、チャック基体と、チャック基体に設けられた半導体ウェハ支持部および吸引部とを有する構成であり、半導体ウェハ支持部は複数の領域毎に半導体ウェハを支持し、半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節する調節機能を有する。吸引部は半導体ウェハが半導体ウェハ支持部に係止して固定されるように半導体ウェハを吸着する。このような構成として、制御部により、半導体ウェハ支持部の前記調節機能が制御されて半導体ウェハを支持する位置が前記半導体ウェハの厚さ方向に調節される構成とする。
【0015】
上記の本発明の第2の観点に係る半導体ウェハのチャック方法の作用は、半導体ウェハをチャック部に吸着して固定する。次に、半導体ウェハの表面の凹凸を測定する。次に、凹凸の測定結果に応じて、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節する。
ここで、好ましくは、チャック部による半導体ウェハを支持する位置の変化量と、半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べておき、半導体ウェハを支持する位置を調節するときに、凹凸の測定結果に応じて、対応関係から半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、半導体ウェハを支持する位置を調節する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
第1実施形態
図1は、本実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の模式構成図である。
本実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置は、チャック部10、凹凸測定部20および制御部30とを有する。
チャック部10は、半導体ウェハWを吸着して固定する。
凹凸測定部20は、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を複数の領域に分割して測定する。
また、制御部30は、凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部10による半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向に調節するように制御する。
【0018】
上記のチャック部10の構成について説明する。
図2(a)は上記のチャック部10の上面図であり、図2(b)は図2(a)中のA−A’における断面図である。
チャック部10は、半導体ウェハW相当の大きさの凹部12が設けられたチャック基体11、チャック基体11の凹部12の底面に設けられた半導体ウェハ支持部13および吸引部14を有する。
半導体ウェハ支持部13は、複数の領域毎に半導体ウェハWを支持し、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節する調節機能を有する。
吸引部14は、チャック基体11の外部方向14aに空気を吸引し、半導体ウェハWが半導体ウェハ支持部13に係止して固定されるように半導体ウェハWを吸着する。
上記の構成において、制御部30により、半導体ウェハ支持部13の調節機能が制御されて半導体ウェハWを支持する位置が半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節される。
【0019】
具体的には、半導体ウェハ支持部13は、少なくとも上記の半導体ウェハWを分割する複数の領域毎に設けられた複数個の支持ピン13bからなり、例えば、支持ピン13bの直径は2mmであり、2mmのピッチで均等にチャック基体11の凹部12の底面全面から突起するように設けられている。
さらに、各支持ピン13bは半導体ウェハの厚さ方向13aに可動であることにより、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節する調節機能を有する。
【0020】
図3(a)および(b)は支持ピンが半導体ウェハの厚さ方向に可動である機構を示す模式図である。
例えば、図3(a)に示すように、支持ピン13bにネジ山13cが形成されており、ネジ山13cに歯車15aの歯が噛み合わされ、この歯車15aがステッピングモータ15bにより回転駆動されることで、支持ピン13bを半導体ウェハの厚さ方向13aに動作させることができる。
各支持ピン13bの動作はそれぞれ別個のステッピングモータ15bにより制御され、ステッピングモータ15bはこれらを統括する制御部30により制御される。
【0021】
また、例えば、図3(b)に示すように、支持ピン13bの端部に図面上左右に動かすことができる楔部材16aを挟んで固定部材16bが設けられており、固定部材16bを支持点として楔部材16aを図面上左右に動かすことで支持ピン13bを半導体ウェハの厚さ方向13aに動作させることができる。
各支持ピン13bの動作はそれぞれ別個の楔部材16aにより制御され、楔部材16aはこれらを統括する制御部30により制御される。
【0022】
次に、上記の凹凸測定部20の構成について説明する。
図4は上記の凹凸測定部20の模式図である。
凹凸測定部20は、例えばレーザ光などの光Lを出射する発光部21と光Lを検出する受光部22とから構成される。
チャック部10の半導体ウェハ支持部13上に半導体ウェハWを戴置し、吸引部14から吸引することで半導体ウェハWを半導体ウェハ支持部13に係止して固定する。
この状態で、半導体ウェハWの表面Sに発光部21から光Lを出射し、半導体ウェハWの表面Sで反射した光Lを受光部22で受光する。
半導体ウェハWの表面Sの全面に対して光Lの照射と反射光の検出を行い、このときの発光部21の位置と受光部22の光の検出位置から、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を複数の領域に分割して測定することができる。
【0023】
制御部30は、凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて、半導体ウェハWの表面Sの平坦性を高めるように、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに複数の領域毎に調節する。
例えば、各支持ピンを制御する機構が図3(a)あるいは図3(b)に示す構成である場合、制御部30は各支持ピンを動作させるためのステッピングモータや楔部材などを複数の領域毎に制御する。あるいは、支持ピンを1本ずつ個別に制御することもできる。
【0024】
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置は、例えば、チャック部による半導体ウェハを支持する位置の変化量と、半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を記憶する記憶部(不図示)をさらに有する。
上記の記憶部は、例えば制御部30に接続して設けられるか、あるいは、制御部30に設けられている記憶領域内に実現される。
この場合、制御部30は、例えば凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて記憶部に記憶された対応関係から半導体ウェハWを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに複数の領域毎に調節する。
【0025】
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定し、この測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節できるので、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる。
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、半導体ウェハの種類に関係なく、また、露光工程以外の工程にも用いることができ、使用する装置の種類に関係なく、半導体ウェハの平坦性を高めてチャックすることが可能となる。
【0026】
次に、本実施形態の半導体ウェハのチャック装置を用いたチャック方法について説明する。
図5は本実施形態の半導体ウェハのチャック方法の手順を示すフローチャートである。
まず、第1ステップST10として、チャック部10の半導体ウェハ支持部13上に半導体ウェハWを戴置し、吸引部14から吸引することで、半導体ウェハWをチャック部10に吸着して固定する。
次に、第2ステップST11として、発光部21から光Lを出射し、半導体ウェハWの表面Sで反射した光Lを受光部22で検出して、凹凸測定部20により半導体ウェハWの表面Sの凹凸を測定する。
【0027】
次に、第3ステップST12として、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を示すマップを作成する。
図6は半導体ウェハWの表面Sの凹凸を示すマップの例である。半導体ウェハのx方向とy方向に対して区分された領域ごとに半導体ウェハの表面の高さを測定し、その高さ毎に区分して等高線を描いたマップとする。例えば平均の高さとなる領域Bに対して、より高い位置である領域Aと、より低い位置である領域Cなどに分類する。
【0028】
次に、上記のマップから得られた凹凸の値に応じて、チャック部による半導体ウェハの支持位置を半導体ウェハの厚さ方向に半導体ウェハの領域を区分して調整する。
例えば、半導体ウェハの表面の凹凸の測定結果に応じて、半導体ウェハの表面の平坦性を高めるように調節する。
【0029】
具体的には、第4ステップST13として、上記で得られたマップの解析などにより、位置を補正する支持ピン13bを選択する。
次に、第5ステップST14として選択した支持ピンを移動させる量(補正量)を決定する。
次に、第6ステップST15として、選択した支持ピンに対して、決定した補正量で、実際に位置を補正する。
支持ピンの調整は、1本毎に行ってもよく、また、複数のピンをまとめて領域毎に行ってもよい。
【0030】
上記の支持ピンの調整には、例えば、チャック部による半導体ウェハを支持する位置の変化量と、半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べておき、半導体ウェハを支持する位置を調節するときに、凹凸の測定結果に応じて、上記の対応関係から半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、半導体ウェハを支持する位置を調節して行う。
【0031】
図7は本実施形態のウェハのチャック装置において平坦性を高めてチャックした状態を示す模式図である。
図7に示すように、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、平坦性を高めてチャックすることができる。
【0032】
次に、第7ステップST16として、半導体ウェハの表面の凹凸を測定し、平坦性を確認する。
このようにして平坦性を得たのち、半導体ウェハのチャック工程は終了し、リソグラフィー工程の露光工程などの次工程に移る。
また、第7ステップST16は省略し、平坦性を確認せずに次工程に移行してもよい。
さらに、第7ステップST16の結果、必要な平坦性が得られなかった場合には、例えば、再度第3ステップST12の凹凸を示すマップの作成工程に戻り、もう一度マップから得られた凹凸の値に応じて、チャック部による半導体ウェハの支持位置を半導体ウェハの領域毎に調整する工程を繰り返す。
【0033】
上記の本実施形態に係る半導体ウェハのチャック方法によれば、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定し、この測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節できるので、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、半導体ウェハの平坦性を高めてチャックすることができる。
【0034】
第2実施形態
本実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置は、図8の断面図に示すように、第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置において、半導体ウェハ支持部13が少なくとも複数の領域毎に設けられた複数個の支持ピン13dからなり、各支持ピン13dは半導体ウェハの厚さ方向13aに変形可能な弾性部材を含んでおり、第1実施形態のように支持ピンが半導体ウェハの厚さ方向13aに動く構成ではない。
さらに、吸引部14の吸引力14bを複数の領域毎に異ならせることが可能となっている。
【0035】
上記の構成の半導体ウェハのチャック装置において、吸引部14の吸引力14bを複数の領域毎に異ならせることにより、図9の断面図に示すように、複数の領域毎に弾性部材の変形の度合いが異なって、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域で大きく変形し、凹部となっている領域で変形を小さくすることにより、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節する調節機能を実現することができる。
【0036】
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定し、この測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節できるので、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる。
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、半導体ウェハの種類に関係なく、また、露光工程以外の工程にも用いることができ、使用する装置の種類に関係なく、半導体ウェハの平坦性を高めてチャックすることが可能となる。
【0037】
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
例えば、半導体ウェハをチャックする工程であれば、リソグラフィーの露光工程に限らず、どのような工程にも適用できる。さらに、いずれの工程においても、同様の平坦性を確保することが可能となる。
半導体ウェハの領域の分割の方法には特に限定はなく、種々の大きさのメッシュ状、あるいはその他の形状、種々の大きさをとることができ、複数の形状や大きさなどの領域に分割することもできる。
半導体ウェハ支持部の構成としては、支持ピンに限らず、従来より知られているリング形状の支持部材においても本発明の複数の領域毎に半導体ウェハを支持する位置をその厚さ方向に調節することができる構成であれば適用できる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の半導体ウェハのチャック装置によれば、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる。
【0039】
また、本発明の半導体ウェハのチャック方法によれば、半導体ウェハの表面の平坦性を高めてチャックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の模式構成図である。
【図2】図2(a)は第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置のチャック部の上面図であり、図2(b)は図2(a)中のA−A’における断面図である。
【図3】図3(a)および(b)は支持ピンが半導体ウェハの厚さ方向に可動である機構を示す模式図である。
【図4】図4は第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の凹凸測定部の模式図である。
【図5】図5は第1実施形態の半導体ウェハのチャック方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は半導体ウェハの表面の凹凸を示すマップの例である。
【図7】図7は第1実施形態のウェハのチャック装置において平坦性を高めてチャックした状態を示す模式図である。
【図8】図8は第2実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の断面図である。
【図9】図9は第2実施形態のウェハのチャック装置において平坦性を高めてチャックした状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10…チャック部、11…チャック基体、12…凹部、13…ウェハ支持部、13a…ウェハの厚さ方向、13b,13d…支持ピン、13c…ネジ山、14…吸引部、14a…チャック基体の外部方向、14b…吸引力、15a…歯車、15b…ステッピングモータ、16a…楔部材、16b…固定部材、20…凹凸測定部、21…発光部、22…受光部、30…制御部、L…光、W…半導体ウェハ、S…半導体ウェハの表面、ST10〜ST16…ステップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ウェハのチャック装置およびチャック方法に関し、特に平坦性を高めてチャックすることができる半導体ウェハのチャック装置およびチャック方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置のさらなる高集積化を実現するために、半導体装置の微細化が一段と進められており、このために半導体装置のパターンを形成するフォトリソグラフィ工程の重要性がますます高くなってきている。
【0003】
上記の半導体装置のパターンの微細化を進めるため、フォトリソグラフィ工程においては、使用される露光装置の対物レンズの高開口数化、露光する光の短波長化が進められている。
この結果、露光工程における焦点深度(DOF;depth of focus)の許容幅はますます狭くなってきている。
【0004】
上記のDOFに対する要求値を満足させるために、半導体ウェハの製造プロセスの改善による半導体ウェハの表面の平坦性の向上や、半導体ウェハのチャック装置の設計改善による平坦性の向上が実現され、その結果、チャック装置に固定した状態での半導体ウェハの表面の平坦性の向上へとつながり、DOF値の要求を満足してきた。
【0005】
具体的には、半導体ウェハのチャック装置の半導体ウェハ支持部としては、リング状の支持部材から、例えば均等の間隔で並べて立てられた複数本のピン状の支持部材へと変更されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体装置の高集積化や微細化とともにDOFに対する要求値はますます厳しくなってきており、上記の従来の半導体ウェハのチャック装置では対応しきれなくなってきている。
【0007】
これは、例えばチャック装置に固定した状態での半導体ウェハの表面の平坦性が半導体ウェハの違いにより変動してしまうこと、同じ半導体ウェハを異なるチャック装置にチャックしたときに平坦性が異なってしまうこと、あるいは、半導体ウェハメーカ、半導体ウェハのチャック装置のメーカに対する平坦性の要求値が限りなくゼロに近づいているため、所望の平坦性を有する半導体ウェハの歩留りが低下してしまうことによるコスト的な問題や、所望の平坦性を有する半導体ウェハを製造することができない技術的な問題が発生してしまうためである。
【0008】
例えば、現状の半導体ウェハの凹凸あるいはうねりの大きさは100nm程度あるが、これを50nm程度以下にまで低減することが望まれている。
上記のように問題となる半導体ウェハの表面の凹凸やうねりは、配線工程などのプロセスにおいて発生しており、プロセスの途中で発生する凹凸やうねりに対応する必要がある。
【0009】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる半導体ウェハのチャック装置と、平坦性を高めてチャックすることができる半導体ウェハのチャック方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る半導体ウェハのチャック装置は、半導体ウェハを固定するチャック部と、前記半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定する凹凸測定部と、前記凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて、前記複数の領域毎に、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節するように制御する制御部とを有する。
【0011】
上記の本発明の半導体ウェハのチャック装置は、好適には、前記チャック部は、チャック基体と、前記チャック基体に設けられ、前記複数の領域毎に前記半導体ウェハを支持し、前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する調節機能を有する半導体ウェハ支持部と、前記チャック基体に設けられ、前記半導体ウェハが前記半導体ウェハ支持部に係止して固定されるように前記半導体ウェハを吸着する吸引部と、を有し、前記制御部により、前記半導体ウェハ支持部の前記調節機能が制御されて前記半導体ウェハを支持する位置が前記半導体ウェハの厚さ方向に調節される。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る半導体ウェハのチャック方法は、半導体ウェハをチャック部に固定する工程と、前記半導体ウェハの表面の凹凸を測定する工程と、前記凹凸の測定結果に応じて、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する工程とを有する。
【0013】
上記の本発明の半導体ウェハのチャック方法は、好適には、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置の変化量と、前記半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べる工程をさらに有し、前記半導体ウェハを支持する位置を調節する工程において、前記凹凸の測定結果に応じて、前記対応関係から前記半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、前記半導体ウェハを支持する位置を調節する。
【0014】
上記の本発明の第1の観点に係る半導体ウェハのチャック装置の作用は、チャック部により半導体ウェハを吸着して固定し、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定する。また、制御部により、凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節するように制御する。
チャック部は、チャック基体と、チャック基体に設けられた半導体ウェハ支持部および吸引部とを有する構成であり、半導体ウェハ支持部は複数の領域毎に半導体ウェハを支持し、半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節する調節機能を有する。吸引部は半導体ウェハが半導体ウェハ支持部に係止して固定されるように半導体ウェハを吸着する。このような構成として、制御部により、半導体ウェハ支持部の前記調節機能が制御されて半導体ウェハを支持する位置が前記半導体ウェハの厚さ方向に調節される構成とする。
【0015】
上記の本発明の第2の観点に係る半導体ウェハのチャック方法の作用は、半導体ウェハをチャック部に吸着して固定する。次に、半導体ウェハの表面の凹凸を測定する。次に、凹凸の測定結果に応じて、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節する。
ここで、好ましくは、チャック部による半導体ウェハを支持する位置の変化量と、半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べておき、半導体ウェハを支持する位置を調節するときに、凹凸の測定結果に応じて、対応関係から半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、半導体ウェハを支持する位置を調節する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
第1実施形態
図1は、本実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の模式構成図である。
本実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置は、チャック部10、凹凸測定部20および制御部30とを有する。
チャック部10は、半導体ウェハWを吸着して固定する。
凹凸測定部20は、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を複数の領域に分割して測定する。
また、制御部30は、凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部10による半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向に調節するように制御する。
【0018】
上記のチャック部10の構成について説明する。
図2(a)は上記のチャック部10の上面図であり、図2(b)は図2(a)中のA−A’における断面図である。
チャック部10は、半導体ウェハW相当の大きさの凹部12が設けられたチャック基体11、チャック基体11の凹部12の底面に設けられた半導体ウェハ支持部13および吸引部14を有する。
半導体ウェハ支持部13は、複数の領域毎に半導体ウェハWを支持し、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節する調節機能を有する。
吸引部14は、チャック基体11の外部方向14aに空気を吸引し、半導体ウェハWが半導体ウェハ支持部13に係止して固定されるように半導体ウェハWを吸着する。
上記の構成において、制御部30により、半導体ウェハ支持部13の調節機能が制御されて半導体ウェハWを支持する位置が半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節される。
【0019】
具体的には、半導体ウェハ支持部13は、少なくとも上記の半導体ウェハWを分割する複数の領域毎に設けられた複数個の支持ピン13bからなり、例えば、支持ピン13bの直径は2mmであり、2mmのピッチで均等にチャック基体11の凹部12の底面全面から突起するように設けられている。
さらに、各支持ピン13bは半導体ウェハの厚さ方向13aに可動であることにより、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節する調節機能を有する。
【0020】
図3(a)および(b)は支持ピンが半導体ウェハの厚さ方向に可動である機構を示す模式図である。
例えば、図3(a)に示すように、支持ピン13bにネジ山13cが形成されており、ネジ山13cに歯車15aの歯が噛み合わされ、この歯車15aがステッピングモータ15bにより回転駆動されることで、支持ピン13bを半導体ウェハの厚さ方向13aに動作させることができる。
各支持ピン13bの動作はそれぞれ別個のステッピングモータ15bにより制御され、ステッピングモータ15bはこれらを統括する制御部30により制御される。
【0021】
また、例えば、図3(b)に示すように、支持ピン13bの端部に図面上左右に動かすことができる楔部材16aを挟んで固定部材16bが設けられており、固定部材16bを支持点として楔部材16aを図面上左右に動かすことで支持ピン13bを半導体ウェハの厚さ方向13aに動作させることができる。
各支持ピン13bの動作はそれぞれ別個の楔部材16aにより制御され、楔部材16aはこれらを統括する制御部30により制御される。
【0022】
次に、上記の凹凸測定部20の構成について説明する。
図4は上記の凹凸測定部20の模式図である。
凹凸測定部20は、例えばレーザ光などの光Lを出射する発光部21と光Lを検出する受光部22とから構成される。
チャック部10の半導体ウェハ支持部13上に半導体ウェハWを戴置し、吸引部14から吸引することで半導体ウェハWを半導体ウェハ支持部13に係止して固定する。
この状態で、半導体ウェハWの表面Sに発光部21から光Lを出射し、半導体ウェハWの表面Sで反射した光Lを受光部22で受光する。
半導体ウェハWの表面Sの全面に対して光Lの照射と反射光の検出を行い、このときの発光部21の位置と受光部22の光の検出位置から、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を複数の領域に分割して測定することができる。
【0023】
制御部30は、凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて、半導体ウェハWの表面Sの平坦性を高めるように、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに複数の領域毎に調節する。
例えば、各支持ピンを制御する機構が図3(a)あるいは図3(b)に示す構成である場合、制御部30は各支持ピンを動作させるためのステッピングモータや楔部材などを複数の領域毎に制御する。あるいは、支持ピンを1本ずつ個別に制御することもできる。
【0024】
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置は、例えば、チャック部による半導体ウェハを支持する位置の変化量と、半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を記憶する記憶部(不図示)をさらに有する。
上記の記憶部は、例えば制御部30に接続して設けられるか、あるいは、制御部30に設けられている記憶領域内に実現される。
この場合、制御部30は、例えば凹凸測定部20による凹凸の測定結果に応じて記憶部に記憶された対応関係から半導体ウェハWを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに複数の領域毎に調節する。
【0025】
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定し、この測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節できるので、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる。
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、半導体ウェハの種類に関係なく、また、露光工程以外の工程にも用いることができ、使用する装置の種類に関係なく、半導体ウェハの平坦性を高めてチャックすることが可能となる。
【0026】
次に、本実施形態の半導体ウェハのチャック装置を用いたチャック方法について説明する。
図5は本実施形態の半導体ウェハのチャック方法の手順を示すフローチャートである。
まず、第1ステップST10として、チャック部10の半導体ウェハ支持部13上に半導体ウェハWを戴置し、吸引部14から吸引することで、半導体ウェハWをチャック部10に吸着して固定する。
次に、第2ステップST11として、発光部21から光Lを出射し、半導体ウェハWの表面Sで反射した光Lを受光部22で検出して、凹凸測定部20により半導体ウェハWの表面Sの凹凸を測定する。
【0027】
次に、第3ステップST12として、半導体ウェハWの表面Sの凹凸を示すマップを作成する。
図6は半導体ウェハWの表面Sの凹凸を示すマップの例である。半導体ウェハのx方向とy方向に対して区分された領域ごとに半導体ウェハの表面の高さを測定し、その高さ毎に区分して等高線を描いたマップとする。例えば平均の高さとなる領域Bに対して、より高い位置である領域Aと、より低い位置である領域Cなどに分類する。
【0028】
次に、上記のマップから得られた凹凸の値に応じて、チャック部による半導体ウェハの支持位置を半導体ウェハの厚さ方向に半導体ウェハの領域を区分して調整する。
例えば、半導体ウェハの表面の凹凸の測定結果に応じて、半導体ウェハの表面の平坦性を高めるように調節する。
【0029】
具体的には、第4ステップST13として、上記で得られたマップの解析などにより、位置を補正する支持ピン13bを選択する。
次に、第5ステップST14として選択した支持ピンを移動させる量(補正量)を決定する。
次に、第6ステップST15として、選択した支持ピンに対して、決定した補正量で、実際に位置を補正する。
支持ピンの調整は、1本毎に行ってもよく、また、複数のピンをまとめて領域毎に行ってもよい。
【0030】
上記の支持ピンの調整には、例えば、チャック部による半導体ウェハを支持する位置の変化量と、半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べておき、半導体ウェハを支持する位置を調節するときに、凹凸の測定結果に応じて、上記の対応関係から半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、半導体ウェハを支持する位置を調節して行う。
【0031】
図7は本実施形態のウェハのチャック装置において平坦性を高めてチャックした状態を示す模式図である。
図7に示すように、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、平坦性を高めてチャックすることができる。
【0032】
次に、第7ステップST16として、半導体ウェハの表面の凹凸を測定し、平坦性を確認する。
このようにして平坦性を得たのち、半導体ウェハのチャック工程は終了し、リソグラフィー工程の露光工程などの次工程に移る。
また、第7ステップST16は省略し、平坦性を確認せずに次工程に移行してもよい。
さらに、第7ステップST16の結果、必要な平坦性が得られなかった場合には、例えば、再度第3ステップST12の凹凸を示すマップの作成工程に戻り、もう一度マップから得られた凹凸の値に応じて、チャック部による半導体ウェハの支持位置を半導体ウェハの領域毎に調整する工程を繰り返す。
【0033】
上記の本実施形態に係る半導体ウェハのチャック方法によれば、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定し、この測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節できるので、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、半導体ウェハの平坦性を高めてチャックすることができる。
【0034】
第2実施形態
本実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置は、図8の断面図に示すように、第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置において、半導体ウェハ支持部13が少なくとも複数の領域毎に設けられた複数個の支持ピン13dからなり、各支持ピン13dは半導体ウェハの厚さ方向13aに変形可能な弾性部材を含んでおり、第1実施形態のように支持ピンが半導体ウェハの厚さ方向13aに動く構成ではない。
さらに、吸引部14の吸引力14bを複数の領域毎に異ならせることが可能となっている。
【0035】
上記の構成の半導体ウェハのチャック装置において、吸引部14の吸引力14bを複数の領域毎に異ならせることにより、図9の断面図に示すように、複数の領域毎に弾性部材の変形の度合いが異なって、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域で大きく変形し、凹部となっている領域で変形を小さくすることにより、半導体ウェハWを支持する位置を半導体ウェハWの厚さ方向13aに調節する調節機能を実現することができる。
【0036】
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、凹凸測定部により半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定し、この測定結果に応じて、複数の領域毎に、チャック部による半導体ウェハを支持する位置を半導体ウェハの厚さ方向に調節できるので、半導体ウェハの表面の凸部となっている領域を低く支持し、凹部となっている領域を高く支持することにより、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる。
本実施形態の半導体ウェハのチャック装置によれば、半導体ウェハの種類に関係なく、また、露光工程以外の工程にも用いることができ、使用する装置の種類に関係なく、半導体ウェハの平坦性を高めてチャックすることが可能となる。
【0037】
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
例えば、半導体ウェハをチャックする工程であれば、リソグラフィーの露光工程に限らず、どのような工程にも適用できる。さらに、いずれの工程においても、同様の平坦性を確保することが可能となる。
半導体ウェハの領域の分割の方法には特に限定はなく、種々の大きさのメッシュ状、あるいはその他の形状、種々の大きさをとることができ、複数の形状や大きさなどの領域に分割することもできる。
半導体ウェハ支持部の構成としては、支持ピンに限らず、従来より知られているリング形状の支持部材においても本発明の複数の領域毎に半導体ウェハを支持する位置をその厚さ方向に調節することができる構成であれば適用できる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の半導体ウェハのチャック装置によれば、半導体ウェハをチャックしたときの表面の平坦性を高めることができる。
【0039】
また、本発明の半導体ウェハのチャック方法によれば、半導体ウェハの表面の平坦性を高めてチャックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の模式構成図である。
【図2】図2(a)は第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置のチャック部の上面図であり、図2(b)は図2(a)中のA−A’における断面図である。
【図3】図3(a)および(b)は支持ピンが半導体ウェハの厚さ方向に可動である機構を示す模式図である。
【図4】図4は第1実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の凹凸測定部の模式図である。
【図5】図5は第1実施形態の半導体ウェハのチャック方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は半導体ウェハの表面の凹凸を示すマップの例である。
【図7】図7は第1実施形態のウェハのチャック装置において平坦性を高めてチャックした状態を示す模式図である。
【図8】図8は第2実施形態に係る半導体ウェハのチャック装置の断面図である。
【図9】図9は第2実施形態のウェハのチャック装置において平坦性を高めてチャックした状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10…チャック部、11…チャック基体、12…凹部、13…ウェハ支持部、13a…ウェハの厚さ方向、13b,13d…支持ピン、13c…ネジ山、14…吸引部、14a…チャック基体の外部方向、14b…吸引力、15a…歯車、15b…ステッピングモータ、16a…楔部材、16b…固定部材、20…凹凸測定部、21…発光部、22…受光部、30…制御部、L…光、W…半導体ウェハ、S…半導体ウェハの表面、ST10〜ST16…ステップ。
Claims (10)
- 半導体ウェハを固定するチャック部と、
前記半導体ウェハの表面の凹凸を複数の領域に分割して測定する凹凸測定部と、
前記凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて、前記複数の領域毎に、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節するように制御する制御部と
を有する半導体ウェハのチャック装置。 - 前記チャック部は、
チャック基体と、
前記チャック基体に設けられ、前記複数の領域毎に前記半導体ウェハを支持し、前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する調節機能を有する半導体ウェハ支持部と、
前記チャック基体に設けられ、前記半導体ウェハが前記半導体ウェハ支持部に係止して固定されるように前記半導体ウェハを吸着する吸引部と、
を有し、
前記制御部により、前記半導体ウェハ支持部の前記調節機能が制御されて前記半導体ウェハを支持する位置が前記半導体ウェハの厚さ方向に調節される
請求項1に記載の半導体ウェハのチャック装置。 - 前記半導体ウェハ支持部が少なくとも前記複数の領域毎に設けられた複数個の支持ピンを有し、
前記各支持ピンは前記半導体ウェハの厚さ方向に可動であることにより前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する前記調節機能を有する
請求項2に記載の半導体ウェハのチャック装置。 - 前記半導体ウェハ支持部が少なくとも前記複数の領域毎に設けられた複数個の支持ピンを有し、
前記各支持ピンは前記半導体ウェハの厚さ方向に変形可能な弾性部材を含み、
前記吸引部の吸引力を前記複数の領域毎に異ならせることにより、前記複数の領域毎に前記弾性部材の変形の度合いが異なって、前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する前記調節機能を有する
請求項2に記載の半導体ウェハのチャック装置。 - 前記凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて、前記半導体ウェハの表面の平坦性を高めるように、前記制御部により前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に前記複数の領域毎に調節する
請求項1に記載の半導体ウェハのチャック装置。 - 前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置の変化量と、前記半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を記憶する記憶部をさらに有し、
前記制御部において、前記凹凸測定部による凹凸の測定結果に応じて前記記憶部に記憶された対応関係から前記半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に前記複数の領域毎に調節する
請求項1に記載の半導体ウェハのチャック装置。 - 半導体ウェハをチャック部に固定する工程と、
前記半導体ウェハの表面の凹凸を測定する工程と、
前記凹凸の測定結果に応じて、前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置を前記半導体ウェハの厚さ方向に調節する工程と
を有する半導体ウェハのチャック方法。 - 前記半導体ウェハを支持する位置を調節する工程においては、前記半導体ウェハの表面の凹凸の測定結果に応じて、前記半導体ウェハの表面の平坦性を高めるように調節する
請求項7に記載の半導体ウェハのチャック方法。 - 前記チャック部による前記半導体ウェハを支持する位置の変化量と、前記半導体ウェハの表面の凹凸の変化量の対応関係を予め調べる工程をさらに有し、
前記半導体ウェハを支持する位置を調節する工程において、前記凹凸の測定結果に応じて、前記対応関係から前記半導体ウェハを支持する位置を調節すべき量をシミュレーションにより算出し、前記半導体ウェハを支持する位置を調節する請求項7に記載の半導体ウェハのチャック方法。 - 前記半導体ウェハの表面の凹凸を測定する工程の後、前記半導体ウェハの表面の凹凸を示すマップを作成する工程をさらに有し、
前記半導体ウェハを支持する位置を調節する工程においては、前記マップの凹凸の値に応じて領域を区分して調節する
請求項7に記載の半導体ウェハのチャック方法。
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