JP2004087346A - 無電極放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく点灯して、点弧始動時間を短くすることができる無電極放電灯点灯装置を提供することにある。
【解決手段】直流電源Eからの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイル5と、この誘導コイル5に近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯6とから構成される無電極放電灯点灯装置において、前記直流電源Eが起動後、前記電力変換回路は前記直流電源Eの出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイル5に印加される高周波電圧を略一定にしてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】直流電源Eからの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイル5と、この誘導コイル5に近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯6とから構成される無電極放電灯点灯装置において、前記直流電源Eが起動後、前記電力変換回路は前記直流電源Eの出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイル5に印加される高周波電圧を略一定にしてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電極放電灯点灯装置に関し、具体的には、直流電源からの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイルと、この誘導コイルに近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯とから構成される無電極放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無電極放電灯点灯装置としては、例えば、特開2000−100589号公報に開示されているものがあり、図13にその回路図を示す。図中、1は発振回路、2はプリアンプ、3はメインアンプ、4はマッチング回路、5は誘導コイル、6は無電極放電灯、7はフィルタ回路、8は保護回路である。
【0003】
発振回路1は、水晶振動子XとFET Q1とを有する無調整の発振器であり、コイルL1とコンデンサC1により低Qの同調回路を構成しているものである。プリアンプ2は、発振回路1の高周波出力をFET Q2によりC級増幅し、コイルL2とコンデンサC2により発振周波数に同調するようにしているものである。プリアンプ2の出力は、駆動トランスT1を介してメインアンプ3のFET Q3,Q4に供給されているものである。メインアンプ3は、プリアンプ2の出力をさらに電力増幅して高周波電力を出力するD級回路となっている。メインアンプ3の出力は、マッチング回路4を介して誘導コイル5に供給され、無電極放電灯6を点灯させるものである。
【0004】
ここで、マッチング回路4は、メインアンプ3の出力と後段の無電極放電灯6および高周波電力供給用の誘導コイル5との間に設けられ、両方のインピーダンスのマッチングを取り、反射を無くして無電極放電灯6に効率良く高周波電力を伝達するように、インピーダンス整合を行っているものである。無電極放電灯6としては、ガラスバルブ内に不活性ガス、金属蒸気などの放電ガスを封入したものであり、ガラスバルブの外周には近接して数ターンの空心コイルである高周波電力供給用の誘導コイル5が巻回されて、高周波電力を無電極放電灯6内の放電ガスに供給しているものである。フィルタ回路7は、インダクタとコンデンサで構成されたローパスフィルタであり、直流電源Eとメインアンプ3の間に挿入されて、高周波が電源に帰還することを防いでいるものである。
【0005】
また、保護回路8としては、直流電源Eの出力電流を抵抗R1により検出し、過電流を検出すると、プリアンプ2のFET Q2およびメインアンプ3のFET Q4の制御入力端子(ゲート・ソース間)をクランプして、無電極放電灯6を停止させる機能などが含まれているものであり、具体的な回路の一例を図14に示しておいた。
【0006】
以下、動作状態を簡単に説明する。まず、直流電源Eからの直流電圧を受けると発振回路1が発振を開始して、プリアンプ2に発振回路1の信号が伝達されて増幅され、メインアンプ3に増幅された信号が伝達されて、さらに増幅されるものである。メインアンプ3にて増幅された高周波電圧は、無電極放電灯6の球状の外周に沿って近接配置された高周波電力供給用の誘導コイル5に印加されるものである。そして、誘導コイル5に数百kHzから数百MHzの高周波電流を流すことにより、無電極放電灯6に高周波電力を供給し、無電極放電灯6内に高周波プラズマ電流を発生させて、紫外線もしくは可視光を発生するようになっているものである。
【0007】
次に、電源投入時の動作について図15により説明する。直流電源Eとして昇圧チョッパ回路を用いた場合、電源投入後(t=t0)、昇圧チョッパ回路が動作を開始し(t=t1)出力電圧VDCが増加し、一定時間経過後、出力電圧VDCは一定となるものである(t>t2)。この時、出力電圧VDCが十分に安定するまでメインアンプ3の発振を停止させる始動タイマー回路が作動するものである。すなわち、コンパレータIC3の出力を電源投入時の一定期間のみHighレベルとし、FET Q5をONとすることにより、メインアンプ3が発振停止となるものである。そして、t>t3で誘導コイル5両端に電圧Vcoilが印加されて、t=t4で無電極放電灯6が点灯するものである。
【0008】
そして、始動タイマー回路を設けている理由について、以下に説明する。例えば、図16のように、メインアンプ3が直流電源E(昇圧チョッパ回路)と略同時に動作を開始する場合を考えてみる。直流電源Eの出力電圧VDCが安定していない期間(t5<t<t6)に、メインアンプ3が発振を開始すると、誘導コイル5の両端電圧Vcoilが低電圧側から徐々に立ち上がり、Vcoilは無電極放電灯6の点灯に必要な点弧始動電圧以下の電圧を経由する場合がある。その時、無電極放電灯6がグロー放電状態を一定時間をかけて経由するために、無電極放電灯6としては、点灯時に歯切れ良く点灯しなかったり、ちらついたりするという可能性があった。さらに、点弧始動時間(t5〜t6)が長くなると、メインアンプ3など回路素子に過電圧が長時間印加してしまうものであった。したがって、これらの不具合を起こさないために、始動タイマー回路が設けられているのである。なお、図16の電圧Vcoilは、正電圧側のみを表記しているものである(以下も同様)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように始動タイマー回路を動作させる場合、メインアンプ3の発振停止期間(t<t3)では、電源回路Eの負荷が軽くなるために、出力電圧VDCの立ち上り時にオーバーシュートが発生しやすくなり、回路素子に対するストレスが大きくなるという問題があった。
【0010】
また、電源回路E出力の電圧立ち上り時間(時間t0−t6)や始動タイマー動作期間は、構成回路の部品バラツキによって変動するために、メインアンプ3の発振停止時間(図15におけるt0<t<t3)としては、余裕をみて長く設計する必要があった。
【0011】
しかしながら、このように無電極放電灯6の点灯時に、毎回、始動タイマー回路が動作するために、例えば、イルミネーションやサイン・信号用途などのように比較的高速で点灯制御を行う場合には、不都合なものであり、また、例えば、瞬時停電などで、直流電源Eの出力電圧が寸断される場合を考えると、停電期間によっては電圧が復帰した際でも、始動タイマー動作に陥ってしまい、無電極放電灯6の消灯期間が長くなってしまい、その結果として、トンネル灯などの用途では不都合になるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく点灯して、点弧始動時間を短くすることができる無電極放電灯点灯装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る無電極放電灯点灯装置は、直流電源からの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイルと、この誘導コイルに近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯とから構成される無電極放電灯点灯装置において、前記直流電源が起動後、前記電力変換回路は前記直流電源の出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイルに印加される高周波電圧を略一定にしてなることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項2に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御の実施する期間は前記直流電源が起動後の一定期間、あるいは、前記直流電源の出力電圧が略安定するまでの期間、あるいは、前記無電極放電灯が点灯するまでの期間であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項3に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御は前記誘導コイルに印加される高周波電圧を増加させる方向に施すものであることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項4に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御は前記直流電源の出力電圧に応じて施すものであることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項5に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御は前記誘導コイルに印加される高周波電圧を増加させる方向に施すとともに、同周波数可変制御は前記直流電源の出力電圧に応じて施すものであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明の無電極放電灯点灯装置としては、例えば、図1に示すごとく、直流電源Eからの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイル5と、この誘導コイル5に近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯6とから構成される無電極放電灯点灯装置において、前記直流電源Eが起動後、前記電力変換回路は前記直流電源Eの出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイル5に印加される高周波電圧を略一定にしてなっているものである。
【0020】
そこで、以下、実施形態1〜5についての各々の実施の形態をさらに具体的に図面を参照しながら詳しく説明する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態の構成について図1に示す。従来の技術と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。従来の技術との主な相違点としては、保護回路8およびそれに付随する抵抗R1、ダイオードD1,D2が無く、メインアンプ3はFET Q3,Q4、インダクタLs、コンデンサCpから構成され、マッチング回路4はコンデンサCsから構成され、直流電源Eは整流用ダイオードブリッジ10とFET Q6,インダクタL10,ダイオードD10および平滑用コンデンサC10からなる昇圧チョッパ回路とで構成されているものである。そして、発振回路1としては、直流電源Eの出力電圧VDCを分圧する抵抗R15,R16と、電圧制御発振器VCOと、電圧制御発振器VCOに入力される電圧(抵抗R16両端電圧/基準電圧Vref )を切り替えるスイッチSWと、直流電源Eの出力電圧VDC(抵抗R16両端電圧)に応じてスイッチSWの切替を行う制御回路12から構成されているものである。ただし、メインアンプ3、マッチング回路4での動作については、上記従来例の場合と略同様で本質的に相違が無いものとする。
【0022】
本実施形態の動作を図3により説明する。直流電源Eの図は、図3の(a)のように、時間t0で交流電源ACが投入された後、時間t5でFET Q6がON−OFFを繰り返して昇圧チョッパ回路が動作すると、出力電圧VDCは増加し、その後、時間t7以降では出力電圧VDCが安定して、略一定となる。一方、メインアンプ3としては、昇圧チョッパ回路と同様に、時間t5より動作を開始するために、図3の(c)のように、誘導コイル5両端に電圧Vcoilが発生するものである。この時、制御回路12に付加されているタイマー機能により時間t5から一定期間後の時間t8までは発振回路1のスイッチSWをA側、それ以降では、B側に切り替えているものである。スイッチSWがA側の時は、出力電圧VDCに応じて、電圧制御発振器VCOの出力周波数を可変し、B側では出力周波数が一定となるものである。スイッチSWがA側の時、例えば、メインアンプ3の動作周波数fと誘導コイル5両端電圧Vcoilとの関係が、図2の(a)のようになる場合、すなわち、動作周波数fが増加すると、電圧Vcoilが減少する場合においては、図2の(b)のように、出力電圧VDCが増加すると、動作周波数fも増加するように制御されるものである。その結果、スイッチSWがA側である時間t5〜t8の期間では、図3の(b)のように、動作周波数fが出力電圧VDCに応じて変化して、この時、電圧Vcoilは無電極放電灯6が点灯する時間t6までの間は、略一定に保たれるように制御されるものである。
【0023】
これより、従来例の場合(図16)と比較して、メインアンプ3の動作直後(t3)から無電極放電灯6の始動に十分な電圧Vcoilが得られるために、点弧始動時間(t5〜t6)が短くなり、メインアンプ3などの回路素子に与えるストレスも小さく、その結果、グロー放電状態を一定時間をかけて経由することがないために、無電極放電灯6は歯切れ良く点灯して、ちらつきもないという効果がある。さらに、従来例(図15)のような始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても済むために、出力電圧VDCの立ち上り時のオーバーシュートが起こりにくく、また、比較的高速で点灯制御を行った場合の反応性も良く、また、瞬時停電の復帰後でも、しばらく無電極放電灯6が消灯しているという不都合も解消されるものである。
【0024】
なお、動作周波数fと電圧Vcoilの関係が図2の(a)と逆の場合、すなわち、動作周波数fが増加すると、電圧Vcoilも増加する場合であっても、出力電圧VDCが増加すると、動作周波数fは減少するように制御すれば、上記と同様の効果が得られるものである。
【0025】
また、メインアンプ3が動作開始するタイミングは、昇圧チョッパ回路の動作開始時間(t5)と同じでなくても良くて、出力電圧VDCが安定前(t5<t<t7)なら一定の効果が得られるものである。
【0026】
また、直流電源Eの回路としては、他のスイッチングレギュレータ、例えば、昇降圧、降圧などのチョッパ回路、フォワードコンバータ、フライバックコンバータなどであってもかまわないものであり、さらには、その他の直流電源であっても良いものである。そして、メインアンプ3の構成としては、1石式のC級やE級回路構成であっても良くて、このようなものであっても同様の効果が得られるものである。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態の構成について図4に示す。実施形態1と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。この実施形態1との相違点としては、発振回路1は、直流電源Eから電力供給され一定電圧を出力する定電圧源13と、抵抗17、コンデンサC11および電圧制御発振器VCOとで構成されていることである。
【0028】
本実施形態の動作を図5により説明すると、交流電源ACが投入されて、直流電源Eが起動し出力電圧VDCが発生すると、定電圧源13により一定直流電圧が出力されて、抵抗R17を介してコンデンサC11が充電されるものである。その結果、電圧制御発振器VCOには徐々に増加する電圧が印加されるために、電圧制御発振器VCOの出力周波数も徐々に増加し、図5の(b)に示すようにメインアンプ3の動作周波数fも徐々に増加し(t5<t<t8)、コンデンサC11が満充電となると動作周波数fは一定になる。この時、図5の(c)に示すように、点弧始動時(t5<t<t6)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。なお、実施形態1と比較して、出力電圧VDCの電圧値をきめ細かく検出する必要が無いために、発振回路1の構成が簡略化できるという効果がある。なお、定電圧源13の出力電圧は直流電源Eの出力電圧VDCと比較して十分小さいものとし、上記のような周波数制御を行う期間は一定電圧を出力しているものとする。
【0029】
(実施形態3)
本実施形態の構成について図6に示す。実施形態1と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。この実施形態1との相違点としては、ドライブ回路11によりメインアンプ3を駆動していることであり、ドライブ回路11は、発振回路1から出力される周波数において、Hout−H−GND端子間、Lout−L−GND端子間にそれぞれFET Q3、Q4に対する略矩形波状の駆動信号を出力(両者の位相差は略180°)するものである。
【0030】
本実施形態の動作を図7により説明すると、同図7の(a)および(b)より時間t5以降、出力電圧VDCに応じてメインアンプ3の動作周波数fを変化させているが、実施形態1との相違点としては、出力電圧VDCが略安定電圧となったとき(t8)に、スイッチSWをA側からB側に切り替えていることであり、点弧始動時(t5<t<t7)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。
【0031】
(実施形態4)
本実施形態の構成について図8に示す。実施形態3と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。この実施形態3との相違点としては、スイッチSWの出力を電圧制御発振器VCO側ではなくて、ドライブ回路11側に入力されており、発振回路1は出力電圧VDCによらず、同ドライブ回路11に入力されていることである。
【0032】
次に、本実施形態の動作を図9および図10により説明する。実施形態3との相違点としては、出力電圧VDCに応じて、FET Q3、Q4のオンデューティーを可変しており、スイッチSWがA側の時は、出力電圧VDCに応じてFET Q3、Q4のオンデューティーを可変し、B側ではオンデューティーが一定となる。スイッチSWがA側の時、FET Q3、Q4のオンデューティーと誘導コイル5両端電圧Vcoilとの関係は図9の(a)のようになり、すなわち、FET Q3、Q4のオンデューティーが増加すると電圧Vcoilも増加するので、図9の(b)のように、出力電圧VDCが増加すると、FET Q3、Q4のオンデューティーは減少するように制御されるものである。その結果、スイッチSWがA側である時間t5〜t8の期間では、図10の(b)のように、動作周波数fが出力電圧VDCに応じて変化して、この時、電圧Vcoilは、点弧始動時(t5<t<t7)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。また、実施形態3と比較して、電圧制御発振器VCOも不要となり、回路を低コスト化することができるという効果がある。
【0033】
(実施形態5)
本実施形態の構成および動作について図11および図12に示す。実施形態3と同一の構成、動作および効果については、説明を省略する。実施形態3との相違点としては、コンデンサCpの両端電圧を制御回路12に入力していることであり、無電極放電灯6が点灯する前後のコンデンサCpの両端電圧差により、点灯を検出しており、図12の(b)に示すように、無電極放電灯6が点灯後(t7)、スイッチSWをA側からB側に切り替えていることであり、点弧始動時(t5<t<t7)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。また、点灯するまで周波数制御を実施しているので、確実に無電極放電灯6が点灯できるという効果がある。なお、点灯を検出する部位としては、点弧始動時−点灯時とで差が見られる他の電圧、電流であっても良いものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る無電極放電灯点灯装置によると、高周波電圧の周波数可変制御、あるいは、電力変換回路の複数のスイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、誘導コイルに印加される点弧始動電圧が略一定となるので、始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく点灯して、点弧始動時間を短くすることができるという効果がある。
【0035】
本発明の請求項2ないし請求項5に係る無電極放電灯点灯装置によると、請求項1記載の場合に加えて、始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては確実に歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく確実に点灯し、点弧始動時間をより一層短くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態1に係る無電極放電灯点灯装置において、メインアンプの動作周波数fと誘導コイルの両端電圧Vcoilとの関係を示したグラフであり、(b)は、(a)のように、動作周波数fが増加すると電圧Vcoilが減少する場合において、出力電圧VDCが増加すると動作周波数fも増加するように制御される様子を示したグラフである。
【図3】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態1に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図4】本発明の実施形態2に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図5】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態2に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図6】本発明の実施形態3に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図7】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態3に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図8】本発明の実施形態4に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図9】(a)〜(b)のいずれも、本発明の実施形態4に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図10】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態4に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図11】本発明の実施形態5に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図12】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態5に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図13】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図14】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置に用いられていた保護回路の一例を示した回路図である。
【図15】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図16】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【符号の説明】
5 誘導コイル
6 無電極放電灯
E 直流電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電極放電灯点灯装置に関し、具体的には、直流電源からの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイルと、この誘導コイルに近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯とから構成される無電極放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無電極放電灯点灯装置としては、例えば、特開2000−100589号公報に開示されているものがあり、図13にその回路図を示す。図中、1は発振回路、2はプリアンプ、3はメインアンプ、4はマッチング回路、5は誘導コイル、6は無電極放電灯、7はフィルタ回路、8は保護回路である。
【0003】
発振回路1は、水晶振動子XとFET Q1とを有する無調整の発振器であり、コイルL1とコンデンサC1により低Qの同調回路を構成しているものである。プリアンプ2は、発振回路1の高周波出力をFET Q2によりC級増幅し、コイルL2とコンデンサC2により発振周波数に同調するようにしているものである。プリアンプ2の出力は、駆動トランスT1を介してメインアンプ3のFET Q3,Q4に供給されているものである。メインアンプ3は、プリアンプ2の出力をさらに電力増幅して高周波電力を出力するD級回路となっている。メインアンプ3の出力は、マッチング回路4を介して誘導コイル5に供給され、無電極放電灯6を点灯させるものである。
【0004】
ここで、マッチング回路4は、メインアンプ3の出力と後段の無電極放電灯6および高周波電力供給用の誘導コイル5との間に設けられ、両方のインピーダンスのマッチングを取り、反射を無くして無電極放電灯6に効率良く高周波電力を伝達するように、インピーダンス整合を行っているものである。無電極放電灯6としては、ガラスバルブ内に不活性ガス、金属蒸気などの放電ガスを封入したものであり、ガラスバルブの外周には近接して数ターンの空心コイルである高周波電力供給用の誘導コイル5が巻回されて、高周波電力を無電極放電灯6内の放電ガスに供給しているものである。フィルタ回路7は、インダクタとコンデンサで構成されたローパスフィルタであり、直流電源Eとメインアンプ3の間に挿入されて、高周波が電源に帰還することを防いでいるものである。
【0005】
また、保護回路8としては、直流電源Eの出力電流を抵抗R1により検出し、過電流を検出すると、プリアンプ2のFET Q2およびメインアンプ3のFET Q4の制御入力端子(ゲート・ソース間)をクランプして、無電極放電灯6を停止させる機能などが含まれているものであり、具体的な回路の一例を図14に示しておいた。
【0006】
以下、動作状態を簡単に説明する。まず、直流電源Eからの直流電圧を受けると発振回路1が発振を開始して、プリアンプ2に発振回路1の信号が伝達されて増幅され、メインアンプ3に増幅された信号が伝達されて、さらに増幅されるものである。メインアンプ3にて増幅された高周波電圧は、無電極放電灯6の球状の外周に沿って近接配置された高周波電力供給用の誘導コイル5に印加されるものである。そして、誘導コイル5に数百kHzから数百MHzの高周波電流を流すことにより、無電極放電灯6に高周波電力を供給し、無電極放電灯6内に高周波プラズマ電流を発生させて、紫外線もしくは可視光を発生するようになっているものである。
【0007】
次に、電源投入時の動作について図15により説明する。直流電源Eとして昇圧チョッパ回路を用いた場合、電源投入後(t=t0)、昇圧チョッパ回路が動作を開始し(t=t1)出力電圧VDCが増加し、一定時間経過後、出力電圧VDCは一定となるものである(t>t2)。この時、出力電圧VDCが十分に安定するまでメインアンプ3の発振を停止させる始動タイマー回路が作動するものである。すなわち、コンパレータIC3の出力を電源投入時の一定期間のみHighレベルとし、FET Q5をONとすることにより、メインアンプ3が発振停止となるものである。そして、t>t3で誘導コイル5両端に電圧Vcoilが印加されて、t=t4で無電極放電灯6が点灯するものである。
【0008】
そして、始動タイマー回路を設けている理由について、以下に説明する。例えば、図16のように、メインアンプ3が直流電源E(昇圧チョッパ回路)と略同時に動作を開始する場合を考えてみる。直流電源Eの出力電圧VDCが安定していない期間(t5<t<t6)に、メインアンプ3が発振を開始すると、誘導コイル5の両端電圧Vcoilが低電圧側から徐々に立ち上がり、Vcoilは無電極放電灯6の点灯に必要な点弧始動電圧以下の電圧を経由する場合がある。その時、無電極放電灯6がグロー放電状態を一定時間をかけて経由するために、無電極放電灯6としては、点灯時に歯切れ良く点灯しなかったり、ちらついたりするという可能性があった。さらに、点弧始動時間(t5〜t6)が長くなると、メインアンプ3など回路素子に過電圧が長時間印加してしまうものであった。したがって、これらの不具合を起こさないために、始動タイマー回路が設けられているのである。なお、図16の電圧Vcoilは、正電圧側のみを表記しているものである(以下も同様)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように始動タイマー回路を動作させる場合、メインアンプ3の発振停止期間(t<t3)では、電源回路Eの負荷が軽くなるために、出力電圧VDCの立ち上り時にオーバーシュートが発生しやすくなり、回路素子に対するストレスが大きくなるという問題があった。
【0010】
また、電源回路E出力の電圧立ち上り時間(時間t0−t6)や始動タイマー動作期間は、構成回路の部品バラツキによって変動するために、メインアンプ3の発振停止時間(図15におけるt0<t<t3)としては、余裕をみて長く設計する必要があった。
【0011】
しかしながら、このように無電極放電灯6の点灯時に、毎回、始動タイマー回路が動作するために、例えば、イルミネーションやサイン・信号用途などのように比較的高速で点灯制御を行う場合には、不都合なものであり、また、例えば、瞬時停電などで、直流電源Eの出力電圧が寸断される場合を考えると、停電期間によっては電圧が復帰した際でも、始動タイマー動作に陥ってしまい、無電極放電灯6の消灯期間が長くなってしまい、その結果として、トンネル灯などの用途では不都合になるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく点灯して、点弧始動時間を短くすることができる無電極放電灯点灯装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る無電極放電灯点灯装置は、直流電源からの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイルと、この誘導コイルに近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯とから構成される無電極放電灯点灯装置において、前記直流電源が起動後、前記電力変換回路は前記直流電源の出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイルに印加される高周波電圧を略一定にしてなることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項2に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御の実施する期間は前記直流電源が起動後の一定期間、あるいは、前記直流電源の出力電圧が略安定するまでの期間、あるいは、前記無電極放電灯が点灯するまでの期間であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項3に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御は前記誘導コイルに印加される高周波電圧を増加させる方向に施すものであることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項4に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御は前記直流電源の出力電圧に応じて施すものであることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項5に係る無電極放電灯点灯装置は、前記周波数可変制御は前記誘導コイルに印加される高周波電圧を増加させる方向に施すとともに、同周波数可変制御は前記直流電源の出力電圧に応じて施すものであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明の無電極放電灯点灯装置としては、例えば、図1に示すごとく、直流電源Eからの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイル5と、この誘導コイル5に近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯6とから構成される無電極放電灯点灯装置において、前記直流電源Eが起動後、前記電力変換回路は前記直流電源Eの出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイル5に印加される高周波電圧を略一定にしてなっているものである。
【0020】
そこで、以下、実施形態1〜5についての各々の実施の形態をさらに具体的に図面を参照しながら詳しく説明する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態の構成について図1に示す。従来の技術と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。従来の技術との主な相違点としては、保護回路8およびそれに付随する抵抗R1、ダイオードD1,D2が無く、メインアンプ3はFET Q3,Q4、インダクタLs、コンデンサCpから構成され、マッチング回路4はコンデンサCsから構成され、直流電源Eは整流用ダイオードブリッジ10とFET Q6,インダクタL10,ダイオードD10および平滑用コンデンサC10からなる昇圧チョッパ回路とで構成されているものである。そして、発振回路1としては、直流電源Eの出力電圧VDCを分圧する抵抗R15,R16と、電圧制御発振器VCOと、電圧制御発振器VCOに入力される電圧(抵抗R16両端電圧/基準電圧Vref )を切り替えるスイッチSWと、直流電源Eの出力電圧VDC(抵抗R16両端電圧)に応じてスイッチSWの切替を行う制御回路12から構成されているものである。ただし、メインアンプ3、マッチング回路4での動作については、上記従来例の場合と略同様で本質的に相違が無いものとする。
【0022】
本実施形態の動作を図3により説明する。直流電源Eの図は、図3の(a)のように、時間t0で交流電源ACが投入された後、時間t5でFET Q6がON−OFFを繰り返して昇圧チョッパ回路が動作すると、出力電圧VDCは増加し、その後、時間t7以降では出力電圧VDCが安定して、略一定となる。一方、メインアンプ3としては、昇圧チョッパ回路と同様に、時間t5より動作を開始するために、図3の(c)のように、誘導コイル5両端に電圧Vcoilが発生するものである。この時、制御回路12に付加されているタイマー機能により時間t5から一定期間後の時間t8までは発振回路1のスイッチSWをA側、それ以降では、B側に切り替えているものである。スイッチSWがA側の時は、出力電圧VDCに応じて、電圧制御発振器VCOの出力周波数を可変し、B側では出力周波数が一定となるものである。スイッチSWがA側の時、例えば、メインアンプ3の動作周波数fと誘導コイル5両端電圧Vcoilとの関係が、図2の(a)のようになる場合、すなわち、動作周波数fが増加すると、電圧Vcoilが減少する場合においては、図2の(b)のように、出力電圧VDCが増加すると、動作周波数fも増加するように制御されるものである。その結果、スイッチSWがA側である時間t5〜t8の期間では、図3の(b)のように、動作周波数fが出力電圧VDCに応じて変化して、この時、電圧Vcoilは無電極放電灯6が点灯する時間t6までの間は、略一定に保たれるように制御されるものである。
【0023】
これより、従来例の場合(図16)と比較して、メインアンプ3の動作直後(t3)から無電極放電灯6の始動に十分な電圧Vcoilが得られるために、点弧始動時間(t5〜t6)が短くなり、メインアンプ3などの回路素子に与えるストレスも小さく、その結果、グロー放電状態を一定時間をかけて経由することがないために、無電極放電灯6は歯切れ良く点灯して、ちらつきもないという効果がある。さらに、従来例(図15)のような始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても済むために、出力電圧VDCの立ち上り時のオーバーシュートが起こりにくく、また、比較的高速で点灯制御を行った場合の反応性も良く、また、瞬時停電の復帰後でも、しばらく無電極放電灯6が消灯しているという不都合も解消されるものである。
【0024】
なお、動作周波数fと電圧Vcoilの関係が図2の(a)と逆の場合、すなわち、動作周波数fが増加すると、電圧Vcoilも増加する場合であっても、出力電圧VDCが増加すると、動作周波数fは減少するように制御すれば、上記と同様の効果が得られるものである。
【0025】
また、メインアンプ3が動作開始するタイミングは、昇圧チョッパ回路の動作開始時間(t5)と同じでなくても良くて、出力電圧VDCが安定前(t5<t<t7)なら一定の効果が得られるものである。
【0026】
また、直流電源Eの回路としては、他のスイッチングレギュレータ、例えば、昇降圧、降圧などのチョッパ回路、フォワードコンバータ、フライバックコンバータなどであってもかまわないものであり、さらには、その他の直流電源であっても良いものである。そして、メインアンプ3の構成としては、1石式のC級やE級回路構成であっても良くて、このようなものであっても同様の効果が得られるものである。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態の構成について図4に示す。実施形態1と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。この実施形態1との相違点としては、発振回路1は、直流電源Eから電力供給され一定電圧を出力する定電圧源13と、抵抗17、コンデンサC11および電圧制御発振器VCOとで構成されていることである。
【0028】
本実施形態の動作を図5により説明すると、交流電源ACが投入されて、直流電源Eが起動し出力電圧VDCが発生すると、定電圧源13により一定直流電圧が出力されて、抵抗R17を介してコンデンサC11が充電されるものである。その結果、電圧制御発振器VCOには徐々に増加する電圧が印加されるために、電圧制御発振器VCOの出力周波数も徐々に増加し、図5の(b)に示すようにメインアンプ3の動作周波数fも徐々に増加し(t5<t<t8)、コンデンサC11が満充電となると動作周波数fは一定になる。この時、図5の(c)に示すように、点弧始動時(t5<t<t6)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。なお、実施形態1と比較して、出力電圧VDCの電圧値をきめ細かく検出する必要が無いために、発振回路1の構成が簡略化できるという効果がある。なお、定電圧源13の出力電圧は直流電源Eの出力電圧VDCと比較して十分小さいものとし、上記のような周波数制御を行う期間は一定電圧を出力しているものとする。
【0029】
(実施形態3)
本実施形態の構成について図6に示す。実施形態1と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。この実施形態1との相違点としては、ドライブ回路11によりメインアンプ3を駆動していることであり、ドライブ回路11は、発振回路1から出力される周波数において、Hout−H−GND端子間、Lout−L−GND端子間にそれぞれFET Q3、Q4に対する略矩形波状の駆動信号を出力(両者の位相差は略180°)するものである。
【0030】
本実施形態の動作を図7により説明すると、同図7の(a)および(b)より時間t5以降、出力電圧VDCに応じてメインアンプ3の動作周波数fを変化させているが、実施形態1との相違点としては、出力電圧VDCが略安定電圧となったとき(t8)に、スイッチSWをA側からB側に切り替えていることであり、点弧始動時(t5<t<t7)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。
【0031】
(実施形態4)
本実施形態の構成について図8に示す。実施形態3と同一の構成、動作および効果については説明を省略する。この実施形態3との相違点としては、スイッチSWの出力を電圧制御発振器VCO側ではなくて、ドライブ回路11側に入力されており、発振回路1は出力電圧VDCによらず、同ドライブ回路11に入力されていることである。
【0032】
次に、本実施形態の動作を図9および図10により説明する。実施形態3との相違点としては、出力電圧VDCに応じて、FET Q3、Q4のオンデューティーを可変しており、スイッチSWがA側の時は、出力電圧VDCに応じてFET Q3、Q4のオンデューティーを可変し、B側ではオンデューティーが一定となる。スイッチSWがA側の時、FET Q3、Q4のオンデューティーと誘導コイル5両端電圧Vcoilとの関係は図9の(a)のようになり、すなわち、FET Q3、Q4のオンデューティーが増加すると電圧Vcoilも増加するので、図9の(b)のように、出力電圧VDCが増加すると、FET Q3、Q4のオンデューティーは減少するように制御されるものである。その結果、スイッチSWがA側である時間t5〜t8の期間では、図10の(b)のように、動作周波数fが出力電圧VDCに応じて変化して、この時、電圧Vcoilは、点弧始動時(t5<t<t7)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。また、実施形態3と比較して、電圧制御発振器VCOも不要となり、回路を低コスト化することができるという効果がある。
【0033】
(実施形態5)
本実施形態の構成および動作について図11および図12に示す。実施形態3と同一の構成、動作および効果については、説明を省略する。実施形態3との相違点としては、コンデンサCpの両端電圧を制御回路12に入力していることであり、無電極放電灯6が点灯する前後のコンデンサCpの両端電圧差により、点灯を検出しており、図12の(b)に示すように、無電極放電灯6が点灯後(t7)、スイッチSWをA側からB側に切り替えていることであり、点弧始動時(t5<t<t7)には電圧Vcoilが略一定に制御されており、同様の効果が得られるものである。また、点灯するまで周波数制御を実施しているので、確実に無電極放電灯6が点灯できるという効果がある。なお、点灯を検出する部位としては、点弧始動時−点灯時とで差が見られる他の電圧、電流であっても良いものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る無電極放電灯点灯装置によると、高周波電圧の周波数可変制御、あるいは、電力変換回路の複数のスイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、誘導コイルに印加される点弧始動電圧が略一定となるので、始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく点灯して、点弧始動時間を短くすることができるという効果がある。
【0035】
本発明の請求項2ないし請求項5に係る無電極放電灯点灯装置によると、請求項1記載の場合に加えて、始動タイマー回路などによるメインアンプの発振停止時間を設けなくても、無電極放電灯の点灯としては確実に歯切れが良くて、しかも、ちらつきもなく確実に点灯し、点弧始動時間をより一層短くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態1に係る無電極放電灯点灯装置において、メインアンプの動作周波数fと誘導コイルの両端電圧Vcoilとの関係を示したグラフであり、(b)は、(a)のように、動作周波数fが増加すると電圧Vcoilが減少する場合において、出力電圧VDCが増加すると動作周波数fも増加するように制御される様子を示したグラフである。
【図3】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態1に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図4】本発明の実施形態2に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図5】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態2に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図6】本発明の実施形態3に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図7】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態3に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図8】本発明の実施形態4に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図9】(a)〜(b)のいずれも、本発明の実施形態4に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図10】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態4に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図11】本発明の実施形態5に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図12】(a)〜(c)のいずれも、本発明の実施形態5に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図13】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置を示した回路図である。
【図14】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置に用いられていた保護回路の一例を示した回路図である。
【図15】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【図16】一従来例に係る無電極放電灯点灯装置の動作の様子を示したグラフである。
【符号の説明】
5 誘導コイル
6 無電極放電灯
E 直流電源
Claims (5)
- 直流電源からの電力供給を受けて高周波電圧を出力する、少なくとも1つのスイッチング素子を含む電力変換回路と、この電力変換回路の出力端に接続された誘導コイルと、この誘導コイルに近接配置されて点灯するバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯とから構成される無電極放電灯点灯装置において、
前記直流電源が起動後、前記電力変換回路は前記直流電源の出力が安定電圧に至る前から高周波電圧を出力するとともに、前記電力変換回路の周波数可変制御、あるいは、前記スイッチング素子におけるオンデューティー可変制御により、前記誘導コイルに印加される高周波電圧を略一定にしてなることを特徴とする無電極放電灯点灯装置。 - 前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御の実施する期間は前記直流電源が起動後の一定期間、あるいは、前記直流電源の出力電圧が略安定するまでの期間、あるいは、前記無電極放電灯が点灯するまでの期間であることを特徴とする請求項1記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御は前記誘導コイルに印加される高周波電圧を増加させる方向に施すものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記周波数可変制御、あるいは、前記オンデューティー可変制御は前記直流電源の出力電圧に応じて施すものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記周波数可変制御は前記誘導コイルに印加される高周波電圧を増加させる方向に施すとともに、同周波数可変制御は前記直流電源の出力電圧に応じて施すものであることを特徴とする請求項1記載の無電極放電灯点灯装置。
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