JP2004087205A - 面状セラミックスヒーター及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】面状セラミックスヒーターの発明は、一主面が放熱面を成すセラミックス基材5,8と、前記セラミックス基材5,8中に平面的に配置・埋め込まれた抵抗発熱体6,9と、前記抵抗発熱体6,9に一端が接続し他端がセラミックス基材5,8の他主面側に導出された電力供給端子7,10とを有する面状セラミックスヒーターであって、
前記抵抗発熱体6,9及び電力供給端子7,10が中央部領域4及び外周部領域8の分割形6,9に形成され、かつ外周部領域8の抵抗発熱体9は放熱面側に向かって径大化させて多段的に形設されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、面状セラミックスヒーター及びその製造方法に係り、さらに詳しくは一様な面温度分布性を維持・発揮する面状セラミックスヒーター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば半導体の製造に当たっては、半導体ウェハーに対するPVD、プラズマCVD、プラズマエッチング、光エッチングなどの加工処理が施される。また、これらの加工処理は、一般的に、面状セラミックスヒーター(発熱体)面上に被加工体(たとえばSiウェハー)を配置し、被加工体に加熱を施しながら成膜処理が行われる。そして、高性能ないし高信頼性を有する半導体を歩留まりよく、しかも量産的に得るためには、加熱処理が一つの重要なファクターとなる。
【0003】
ここで、面状セラミックスヒーターは、図3に構造の要部を断面的に示すように、たとえば緻密でガスタイトなセラミックス焼成体(セラミックス基材)1の内部に、タングステン線やモリブデン線など、断面が円形の抵抗発熱線(もしくはコイル)2を、たとえば螺旋状やジグザグ状に埋設・内蔵したものである。そして、抵抗発熱体2に対する電力供給端子3は、セラミックス基材1外に導出された構造を採っている。なお、電力供給端子3は、たとえばタングステン、モリブデン、ニッケルなどを素材とし、また、セラミックス基材1は、たとえばアルミナ系やシリカ系、窒化アルミニウム系、窒化ケイ素系、炭化ケイ素系、あるいはサイアロンなどが挙げられるが、特に、窒化アルミニウム系が熱伝導性や耐食性などの点で注目されている。
【0004】
ところで、この種の面状セラミックスヒーターは、一般的に、次のような手段で製造されている。第1の手段は、たとえば窒化アルミニウム系ベース用基材(グリーンシート)の一主面に、前記抵抗発熱線で形成した抵抗発熱体を配置し、その抵抗発熱体面に窒化アルミニウム系のシートを積層する一方、電力供給端子をシートに貫挿・組み込んだ後、所定の条件での脱脂、所要温度での熱処理などを施して焼結・一体化させて製作する方法である。第2の手段は、たとえば窒化アルミニウム粉末を溝加工した金型で一軸プレスによって成形し、この成形体の溝にコイル状の抵抗発熱体を配置する。次いで、抵抗発熱体を配置した面に窒化アルミニウム粉末を充填し、再度、一軸プレスによって成形して抵抗発熱体を内蔵させる。その後、抵抗発熱体を内蔵させた成形体をホットプレス処理で焼結・一体化させて製作する方法である。
【0005】
なお、上記製作手段において、抵抗発熱体の形成は、抵抗発熱体用ペーストのスクリーン印刷・焼き付け、タングステン板のレーザー加工やパンチ型打ち抜き加工などでも行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体の製造工程における加熱処理では、加工稼働率や低コスト化などの点から、加熱源として使用される面状セラミックスヒーターの耐久性及び良好な歩留まりの確保が前提となる。つまり、面状セラミックスヒーターにおいては、安定した放熱・発熱容量の維持、及び面内温度分布の一様性などが要求される。
【0007】
上記面状セラミックスヒーターの面内温度分布の一様性は、抵抗発熱体2を細線で、かつ捲回ないし捲装ピッチを小さく設定することで可能になる。すなわち、抵抗発熱体を精度よくパターニングし、全体的に、可能な限りバラツキのない発熱温度を確保するように設定すれば、面内温度分布が一様なヒーターとなるので、前記要望に対応できる。
【0008】
しかしながら、上記抵抗発熱体2の場合は、実用上、次のような不都合が認められる。すなわち、タングステン線もしくはモリブデン線は、硬い材質であるため、細かい折り曲げ加工が困難であり、加熱・軟化させた状態で加工する必要がある。ここで、加熱軟化させた状態での加工は、細かい折り曲げや捲装・コイル化など可能であるが、冷却後において、反りや変形などを生じ易いだけでなく、表面が酸化したりするので、加工精度が損なわれる。したがって、面状ヒーター化した場合、面内温度分布特性が劣るという問題がある。
【0009】
一方、スクリーン印刷による抵抗発熱体の形成は、重ね印刷で行われるため、位置決め精度を得るための操作が煩雑で、かつ寸法精度にも問題がある。また、タングステン板などのレーザー加工、パンチ型打ち抜きでパターン加工した場合、微細な加工が難しいこと、加工時の熱で脆くなることなど、結果的に、安定した温度維持が困難となって、耐久性が損なわれる。
【0010】
また、こうした問題は、半導体ウェハーの大口径化などを進めて生産性を上げる上で、由々しい問題の提起となる。すなわち、被加工体の大口径化に対応し、面状セラミックスヒーターの大口径化が必要であり、この際、面状セラミックスヒーターに要求される放熱・加熱温度の安定性などが損なわれることは、生産性の向上などに対応できないことになる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、常時、安定した発熱・放熱が得られる耐久性の優れた面状セラミックスヒーター、及び面状セラミックスヒーターを歩留まりよく製造できる方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、一主面が放熱面を成すセラミックス基材と、前記セラミックス基材中に平面的に配置・埋め込まれた抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に一端が接続し他端がセラミックス基材の他主面側に導出された電力供給端子とを有する面状セラミックスヒーターであって、
前記抵抗発熱体及び電力供給端子が中央部領域及び外周部領域の分割形に形成され、かつ外周部領域の抵抗発熱体は放熱面側に向かって径大化させて多段的に形設されていることを特徴とする面状セラミックスヒーターである。
【0013】
上記第1の本発明は、請求項1記載の面状セラミックスヒーターにおいて、抵抗発熱体がタングステン、モリブデン及び白金の少なくとも一種を主成分とした金属製であることが好ましい。
【0014】
第2の本発明は、放熱側を成す第1のセラミックス焼成体面に第1の抵抗発熱体を配置し、この第1の抵抗発熱体の配置面に第1の抵抗発熱体の端子部に対応させて穿設された電力供給端子挿通孔を位置合わせして第2のセラミックス焼成体を配置する工程と、前記端子挿通孔内に電力供給端子を挿着・充填し、第1のセラミックス焼成体及び第2のセラミックス焼成体を加熱加圧で焼成・一体化して中央部領域に対応する面状セラミックスヒーター本体を作成する工程と、
前記面状セラミックスヒーター本体の外周面に嵌合し、かつ放熱側に向かって径大化させて第2の抵抗発熱体を多段的に配置させた外周部領域に対応するリング状セラミックヒーターの焼成体を作成する工程と、
前記面状セラミックスヒーター本体及びリング状セラミック焼成体の被嵌合面に接合剤を介挿して位置決め嵌合し、加熱処理して接合・一体化する工程と、を有することを特徴とする面状セラミックスヒーターの製造方法である。
【0015】
上記第2の本発明の面状セラミックスヒーターの製造方法において、面状セラミックスヒーター本体及びリング状セラミック焼成体の被嵌合面がテーパー付きに形成され、かつ被嵌合面に第2の抵抗発熱体が多段的に内蔵・配置することが好ましい。
【0016】
すなわち、第1の本発明は、平板状のセラミックス焼結体に内蔵・埋め込まれた抵抗発熱体を中央領域及び外周縁領域の2分割形とし、かつ外周縁領域の抵抗発熱線を多段的に配置して、外周縁領域の放熱に伴う温度低下の補充によって放熱面における温度の一様化を図ることを骨子としている。つまり、所要の加熱温度を確保し易い中央部領域に対し、放熱などに伴って加熱温度が低下し易い外周縁領域における抵抗発熱体の内蔵・分布を密にし、放熱分を補充して、面状セラミックスヒーター全面の放熱温度(加熱温度)の均一化を確保できるように設定している。そして、抵抗発熱体の分割形配置によって、相対的にセラミックスヒーターの発熱領域を広げる一方、面内温度分布も一様化し易いように機能する。
【0017】
また、第2の本発明は、中央領域部を成す面状セラミックヒーター本体、及び外周縁領域部を成す抵抗発熱体を多段的に備えたリング状セラミックスヒーターを予め作成し、これら両分割部材を嵌合・組み合わせ、接合・一体化させることを骨子としている。そして、一様な面内温度分布を奏し、信頼性の高い半導体の量産に適する面状セラミックスヒーターを歩留まりよく提供できる。
【0018】
上記各本発明において、セラミックス基材中に埋設・配置する抵抗発熱体は、たとえばタングステン線、モリブデン線、ニクロム線などの抵抗発熱線(もしくはコイル)を螺旋状やジグザグ状に形成したものである。そして、抵抗発熱体としては、中央領域部と外周縁領域に分割化した形で内蔵される。つまり、抵抗発熱が有効に利用される(熱容量大)中央領域と、抵抗発熱が放散され易い(熱容量小)の外周縁領域とに分け、各別に独立した抵抗発熱体を配置・内蔵させ、各領域の熱容量差に伴う放熱に対応して、抵抗発熱を補充する構成が採られる。なお、抵抗発熱体は、箔状パターン、メッシュ状などのスクリーン印刷による形成、溶射やスパッタなどによる形成などでもよい。
【0019】
ここで、中央領域及び外周縁領域の両抵抗発熱体の材質、断面形状、配置ピッチなどは、面状セラミックスヒーターの大きさ、材質などによって適宜選択・設定される。なお、外周縁領域の第2の抵抗発熱体は、より効果的に放熱を補充し、面内温度の均一化を図るため、少なくとも2段(2層)とし、かつ上段側ほど径大のリング状に設定する必要がある。そして、外周縁領域の第2の抵抗発熱体の内蔵・配置は、リング状セラミックス基材中に埋め込んだ形態を採ってもよいが、面状セラミックスヒーター本体に対する嵌合面に溝を設け、この溝に装着する構成を採ることが作業性などの点で好ましい。ただし、いずれの場合も、多段的に配置・内蔵させた第2の抵抗発熱体については、共通の電力供給端子を導出する必要がある。この抵抗発熱体の分割化、分割化した抵抗発熱体の配置・内蔵状態差によって、抵抗発熱及び熱容量が整合化し、結果的に、発熱領域を全体的に拡大した場合でも、面内温度分布の一様性化が図られる。
【0020】
さらに、電力供給端子は、たとえばタングステン、モリブデン、ニッケル、インコネル、コバール、スーパーインバーなどを素材とし焼結体、もしくは気孔率5〜80%程度、より好ましくは60〜75%程度を素材として形成される。
【0021】
第2の本発明において、セラミックス基材としては、熱処理した(脱脂処理済み)セラミックス焼成体が選ばれる。好ましくは、優れた熱伝導性や耐食性などを利用し、より高性能化を図るため窒化アルミニウム系が選択される。ここで、窒化アルミニウム系焼成体は、前記熱伝導性や耐食性などの特長を生かすため、より緻密性などが要求されるので、予め、熱処理してある。
【0022】
また第2の本発明において、第1の抵抗発熱体を埋め込み・内蔵する第1及び第2のセラミックス焼成体は、一般的に、次のような手段で得られる。たとえば、平均粒径0.01〜5μm程度の窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤およびバインダーを添加・混合して得たスラリーから造粒し、この造粒粉を所要の形状・寸法の成形体に成形し、400〜700℃程度の温度で加熱し、有機成分を熱脱脂処理し、その後1900℃窒素中で焼結させることで作製する。なお、焼結助剤としては、酸化イットリウムなどが例示され、また、バインダーとしては、ポリビニルブチラールなどが例示される。
【0023】
さらに第2の本発明において、第1のセラミックス焼成体面に第1の抵抗発熱体を配置し、第2のセラミックス焼成体を積層して加圧一体化して第1の抵抗発熱体を埋め込み・内蔵するとき、相互の被接合面に接合剤を介挿することが好ましい。一方、セラミックスヒーター本体とリング状セラミックスヒーターとの嵌合一体化に当たっては、嵌合面間に接合剤を介挿するが、いずれの場合も接合剤は、接合するセラミックスと同一の材質系が好ましい。たとえば窒化アルミニウム系焼成体同士の接合の場合、平均粒径0.01〜5μmの窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤及びバインダーを添加混合して得られるスラリー状のペーストが挙げられる。ここで、焼結助剤としては、酸化イットリウムなどが例示され、また、バインダーとしては、ポリビニルブチラールなどが例示される。なお、セラミックスヒーター本体とリング状セラミックスヒーターとの被嵌合面は、特に、限定されないが一定方向にテーパー付きであると、嵌合組み合わせ操作が容易である。
【0024】
【発明の実施態様】
以下、図1(a),(b)、及び図2(a),(b),(c)を参照して実施例を説明する。
【0025】
図1(a),(b)は、互いに異なる第1の実施例に係る面状セラミックスヒーターの概略構成を示す断面図である。図1(a),(b)において、4は一主面が放熱面を成す厚さ5mmもしくは12.5mm程度、長径310mm程度の円板状のセラミックスヒーター本体である。ここで、セラミックスヒーター本体4は、中央領域を形成するセラミックス基材5と、前記セラミックス基材5中に平面的に配置・埋め込まれた第1の抵抗発熱体6と、前記第1の抵抗発熱体6に一端が接続し他端がセラミックス基材5の他主面側に導出された電力供給端子7とで構成されている。ここで、セラミックス基材5は、たとえば窒化アルミニウム系焼成体5a,5bの接合体で、その外周面が上方径大にテーパー付き加工されている。また、第1の抵抗発熱体6は、直径が0.8mmのタングステン線を素材とした平面的に捲装加工したコイル、電力供給端子7は、径3mmのタングステンである。
【0026】
さらに、8は前記セラミックスヒーター本体4の外周面に嵌合・一体化し、面状セラミックスヒーターの外周縁領域を形成するリング状のセラミックスヒーターである。ここで、リング状のセラミックスヒーター8は、その内周面がセラミックス基材5の外周テーパー付き面に対応したテーパー付きに加工されている。一方、そのテーパー付き面に沿って径大化されたタングステン線を多段的に捲装加工した第2の抵抗発熱体9としてのコイルを内蔵・配置されるとともに、径0.8mmのタングステンを素材とした電力供給端子10を導出した構成を採っている。
【0027】
なお、リング状のセラミックスヒーター8は、たとえば窒化アルミニウム系の高さ5mmもしくは12.5mm程度の長内径310mmの筒状焼成体8a,及び長内径325mmの筒状焼成体8bの嵌合・接合体で、その内周面が上方径大にテーパー付き加工されている。また、筒状の焼成体8a,8bの嵌合・接合界面部に溝を形成し、この溝に第2の抵抗発熱体9を成すコイルを装着・配置する一方、電力供給端子10を導出させ、接合剤を介して接合・一体化した構成と成っている。
【0028】
上記面状セラミックスヒーターのうち、厚さ12.5mmに設定した面状セラミックスヒーター(図1(b)参照)を、たとえば半導体製造用CVD装置の処理室内に位置決め装着し、処理室内を1Paの減圧アルゴン系雰囲気とし、面状セラミックスヒーターに電力を供給して、面内温度を750℃に保持するように設定した。この面状セラミックスヒーターの発熱・放熱動作につき、上方に設置した赤外線熱画像装置によって、面状セラミックスヒーター上面の面内温度分布を測定評価したところ、面内温度を750℃△2℃で、面内温度が均一であることが確認された。
【0029】
次に、上記構成の面状セラミックスヒーターの製造方法例を説明する。先ず、平均粒径0.01〜5μm程度の窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤およびバインダーを添加・混合して得たスラリーから、ドライスプレー法で造粒した。この造粒子を素材として、たとえば厚さ10mm、径400mmの円板(第1の成形体)と、中央部に径4mmの電力供給端子挿通孔を2個有する厚さ10mm、径400mmの円板(第2の成形体)とをそれぞれ成形した。次いで、これら両成形体を空気雰囲気中、400〜700℃程度の温度下におき、有機成分を熱脱脂処理し。その後、1900℃、窒素中で焼成した。次いで焼成体に研削加工を施し、所定の形状品にした。
【0030】
また、断面円形のタングステン線を螺旋状に捲回した第1の抵抗発熱体、及び電力供給端子挿通孔の内径より小さい外径のタングステンを用意する。次いで、ホットプレス装置の基台側の加圧体面に、前記第1の抵抗発熱体を主面に位置決め配置した第1の焼成体をセットする。その後、前記電力供給端子挿通孔内にタングステンを充填・装着した第2の焼成体を、前記第1の焼成体の抵抗発熱体配置面に位置決めセットする。なお、第2の焼成体は、前記抵抗発熱体の配置面に対向する面に、接合剤がスクリーン印刷され、110℃乾燥後、600℃で1時間脱脂処理したものである。
【0031】
次いで、ホットプレス装置の加熱加圧条件を加熱温度1750℃程度、加圧力0.1ton/cm2、加熱加圧時間1時間に設定して、第1の抵抗発熱体を介挿させた第1の焼成体及び第2の焼成体を接合剤を介して焼成する一方、接合一体化することにより、セラミックスヒーター本体を作成する。また、この焼成・接合一体化に先だって、もしくは焼成・接合一体化の後、要すれば外周面のテーパー付き加工を行う。なお、上記焼成・接合一体化の過程で、第2の焼成体に設けられた電力供給端子挿通孔内に充填・装着したタングステンは、第1の抵抗発熱体の接続端子部に圧着的に接合しながら一体化する。
【0032】
一方、上記セラミックスヒーター本体の製作手段に準じて、嵌合タイプのリング状のセラミックスヒーターを作成する。すなわち、平均粒径0.01〜5μm程度の窒化アルミニウム粉末系の上記造粒子を素材として、たとえば高さ18mm、長内径380mm、短内径360mmのテーパー付き円筒体(第1の円筒体)と、前記第1の円筒体の外径に対応する高さ18mm、長内径400mm、短の内径380mmのテーパー付き円筒体(第2の円筒体)とをそれぞれプレス成形する。次いで、これら両円筒体を空気雰囲気中、400〜700℃程度の温度下におき、有機成分を熱脱脂処理し、その後、1900℃で、窒素中で焼成した。焼成体は円板状ヒータおよび各円筒体と嵌合するように所定の寸法に研削加工を行った。また、このとき、電力供給端子を挿入する孔2個を加工した。
【0033】
また、前記第1及び第2の焼成円筒体の嵌合界面(たとえば第1の焼成円筒体外周面)に螺旋状の溝及び電力供給端子導出溝を形設し、前記溝にタングステン線を螺旋状に複数回捲装した第2の抵抗発熱体を装着配置する一方、要すれば接合剤を塗布する。次いで、前記第1及び第2の焼成円筒体を嵌合・一体化し、空気雰囲気中、400〜700℃程度の温度下におき、有機成分を熱脱脂処理する(焼成体化)。その後、このリング状セラミックヒーターを、上記面状セラミックスヒーター本体に位置決め嵌合する。このとき、両者の被嵌合面に接合剤を介挿する。この状態で、加熱処理して接合・一体化することによって、上記図1(a),(b)に例示するような構造の面状セラミックスヒーターを容易に得ることができる。
【0034】
図2(a),(b),(c)は、第2の実施例に係る互いに異なる面状セラミックスヒーターの構成を示す断面図である。すなわち、面状セラミックスヒーターが内蔵する抵抗発熱体を中央部領域及び外周縁領域に分割化し、かつ外周縁領域の第2の抵抗発熱体を多段的な配置内蔵とする一方、多段的な配置内蔵を放熱面側に向かって広大化する構成を有する限り、面状セラミックスヒーター本体4及びリング状セラミックスヒーター8の構造・形状、それらの組み合わせ構造などに拘わらず、上記のような作用効果を呈する。
【0035】
本発明は、上記実施例に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。たとえば、抵抗発熱体の形状・材質、入力電力端子の材質、セラミックス基材もしくはセラミックス焼成体の形状・寸法など用途に応じて選択・設定できる。その他、静電チャックや電極内蔵形サセプターの構成などにも適用できる。
【0036】
【発明の効果】
第1の本発明によれば、面状セラミックスヒーターの熱容量ないし放熱作用を考慮し、これらに対応した抵抗発熱体の配置・内蔵としたことに伴って、放熱面が全体的に一様な発熱領域として作用する。したがって、一様な面内温度分布を呈する面状セラミックスヒーターが提供される。
【0037】
また第2の本発明によれば、一様な面内温度分布を呈する面状セラミックスヒーターを歩留まりよく、かつ量産的に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は第1の実施例に係る互いに異なる面状セラミックスヒーターの概略構成をそれぞれ示す断面図。
【図2】(a),(b),(c)は第2の実施例に係る互いに異なる面状セラミックスヒーターの概略構成をそれぞれ示す断面図。
【図3】従来の面状セラミックスヒーターの概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
4……セラミックスヒーター本体
5……セラミックス基材
6……第1の抵抗発熱体
7,10……電力供給端子
8……リング状セラミックスヒーター
9……第2の抵抗発熱体
Claims (4)
- 一主面が放熱面を成すセラミックス基材と、前記セラミックス基材中に平面的に配置・埋め込まれた抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に一端が接続し他端がセラミックス基材の他主面側に導出された電力供給端子とを有する面状セラミックスヒーターであって、
前記抵抗発熱体及び電力供給端子が中央部領域及び外周部領域の分割形に形成され、かつ外周部領域の抵抗発熱体は放熱面側に向かって径大化させて多段的に形設されていることを特徴とする面状セラミックスヒーター。 - 抵抗発熱体がタングステン、モリブデン及び白金の少なくとも一種を主成分とした金属製であることを特徴とする請求項1記載の面状セラミックスヒーター。
- 放熱側を成す第1のセラミックス焼成体面に第1の抵抗発熱体を配置し、この第1の抵抗発熱体の配置面に第1の抵抗発熱体の端子部に対応させて穿設された電力供給端子挿通孔を位置合わせして第2のセラミックス焼成体を配置する工程と、前記端子挿通孔内に電力供給端子を挿着・充填し、第1のセラミックス焼成体及び第2のセラミックス焼成体を加熱加圧で焼成・一体化して中央部領域に対応する面状セラミックスヒーター本体を作成する工程と、
前記面状セラミックスヒーター本体の外周面に嵌合し、かつ放熱側に向かって径大化させて第2の抵抗発熱体を多段的に配置させた外周部領域に対応するリング状セラミックヒーターの焼成体を作成する工程と、
前記面状セラミックスヒーター本体及びリング状セラミック焼成体の被嵌合面に接合剤を介挿して位置決め嵌合し、加熱処理して接合・一体化する工程と、を有することを特徴とする面状セラミックスヒーターの製造方法。 - 面状セラミックスヒーター本体及びリング状セラミック焼成体の被嵌合面がテーパー付きに形成され、かつ被嵌合面に第2の抵抗発熱体が多段的に内蔵・配置することを特徴とする請求項3記載の面状セラミックスヒーターの製造方法。
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