JP2004087201A - カード用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック/アンロック機構の構造を簡略化することができ、しかも、イジェクト部材の占有空間をより小さくすることができること。
【解決手段】細型メモリカード16の着脱方向に沿って移動可能に支持されるイジェクト部材24が、案内ピン24Paの回りに回動可能に支持されるとともに、装着された細型メモリカード16の切欠部16bに選択的に係合する爪部24Nを有するもの。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路が内臓されるカードの着脱を行うカード着脱機構を備えるカード用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の電子機器においては、中央処理装置(CPU)あるいはメモリ用の集積回路が内蔵されるSIM(subscriber identity module)カード、MMC(multi media card)カード(商標)、SD(secure digital)カード、メモリスティック(商標)などのICカードをその各機器にカード用コネクタを介して装着することにより、各種の機能拡張などを行うようにしている。
【0003】
カード用コネクタは、例えば、特開2001−357931号公報にも示されるように、ICカードの収容部に対しての着脱を行うイジェクト機構とともに、その収容部内に装着されたカードの不所望な飛び出しを回避するためにICカードを保持、または解放するロック/アンロック機構(カード脱落防止機構)とを備えている。また、そのようなカード用コネクタは、実装される電子機器およびICカードの小型化に対応してさらなる小型化が要望されるのでイジェクト機構およびロック/アンロック機構の小型化および簡略化も要望されることとなる。
【0004】
ロック/アンロック機構は、イジェクト機構におけるイジェクト部材に一端が固定され、ICカードの被係合部としての切欠部に係合する係止部を有する弾性ロック片と、その収容部の外郭を形成する金属カバーの裏面側に設けられ弾性ロック片の係止部を、イジェクト部材の移動に応じて強制的にICカードの切欠部から離脱させるガイド片とから構成されている。
【0005】
このような構成のもとで、ICカードがカード用コネクタの収容部内に装着される場合、ICカードの先端部は、収容部内に挿入された後、コイルスプリングのような付勢部材により一方向に付勢されるイジェクト部材とともに所定位置まで押し込まれる。その際、ロック/アンロック機構における弾性ロック片の先端部は、当初、ガイド片に係合されているので弾性ロック片の係止部は、ICカードの切欠部に対し離隔し待機状態とされる。
【0006】
次に、ICカードの先端部がイジェクト部材とともにさらに押し込まれるとき、弾性ロック片の先端部はガイド片に対し非係合状態とされるので弾性ロック片の係止部は、その弾性的な復帰力により変位しICカードの切欠部に係合することとなる。
これにより、ICカードは、イジェクト部材により収容部内に保持されるとともに、弾性ロック片の係止部との係合により、イジェクト部材に保持されることとなる。
【0007】
一方、ICカードがカード用コネクタの収容部内から取り外される場合、ICカードがイジェクト機構により、離脱方向に向けて移動せしめられる。その際、ICカードは、弾性ロック片の係止部との係合により、所定位置までイジェクト部材とともに移動された後、弾性ロック片の先端部が上述のガイド片に係合されることにより、弾性ロック片の係止部がICカードの切欠部から離隔せしめられることとなる。従って、ICカードは、イジェクト部材とともに排出方向に押されることにより、カード用コネクタの収容部内から取り外されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなロック/アンロック機構(カード脱落防止機構)を備えるカードコネクタにおいては、イジェクト部材に固定される弾性ロック片および金属カバーにおけるガイド片が必要とされるので、ロック/アンロック機構の構造を簡略化し、かつ、イジェクト部材の寸法およびカード用コネクタにおけるイジェクト部材の占有空間をより小さくするにも限界がある。
【0009】
以上の問題点を考慮し、本発明は、電子回路が内臓されるカードの着脱を行うカード着脱機構を備えるカード用コネクタであって、ロック/アンロック機構の構造を簡略化することができ、しかも、イジェクト部材の占有空間をより小さくすることができるカード用コネクタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係るカード用コネクタは、被係合部を側面部に有するカードを着脱可能に収容するとともに、カードに対する電気的接続を行うコンタクト端子を有するカード収容部と、カード収容部に隣接しカードの着脱方向に沿って移動可能に配されるとともに回動可能に配され、カード収容部に挿入されるカードの一端部に選択的に係合しカードを支持するイジェクト部材と、イジェクト部材をカードの着脱方向に沿って付勢する付勢部材と、イジェクト部材に係合され、イジェクト部材の回動動作を規制および解放するロック/アンロック機構と、を備え、イジェクト部材は、ロック/アンロック機構の規制および解放動作に応じて回動され、カードの被係合部に係合状態または非係合状態とされる係合部を有することを特徴とする。
【0011】
また、ロック/アンロック機構は、イジェクト部材に所定の方向に沿って間隔をもって設けられる複数の案内ピンと、複数の案内ピンのうちの一方をカードの着脱方向に沿って案内する直線部と、直線部に連なり複数の案内ピンのうちの一方を該イジェクト部材の係合部が移動しつつカードの被係合部から離隔または近接するように案内する傾斜部とからなるガイド部材と、を含んでなるものであってもよい。
【0012】
イジェクト部材は、案内ピンがガイド部材の傾斜部に案内されるとき、カードの着脱動作に応じてカードを収容部内に選択的に保持するカム機構部に連結されるものであってもよい。
【0013】
イジェクト部材は、付勢部材の付勢力に基づく案内ピンの回りの回転モーメントにより回動するものでもよい。
【0014】
カードは、イジェクト部材に係合される面取り部を先端部に有する細型メモリカードでもよい。
【0015】
ガイド部材は、カード収容部を形成するハウジング部材に形成されるものでもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図8は、本発明に係るカード用コネクタの一例を、細型メモリカードとともに示す。
図8において、カード用コネクタ10は、その収納部に着脱可能に収納される細型メモリカード16の電極部と所定の電子機器の内部に配される信号入出力用等の基板の接続端子部とを電気的に接続するものとされる。カード用コネクタ10は、例えば、携帯電話機、電話機、PDA、カメラ等の電子機器の内部に配される。
【0017】
メモリスティック(商標)のような板状の細型メモリカード16は、例えば、図4および図5に示されるように、相対向する表面部16Fおよび裏面部16Bを有するものであり、また、細型メモリカード16は、その先端の角部に、面取り部16aを有している。細型メモリカード16の外形寸法(mm)は、例えば20(幅)×1.6(高さ)×31(長さ)に設定されている。
【0018】
細型メモリカード16における裏面部16Bには、その面取り部16aに隣接した側面部分に、後述するイジェクト部材の爪部が係合される比較的浅い切欠部16bが形成されている。また、面取り部16aに隣接した先端部分には、後述する突起部との干渉を避けるために他の部分の厚さに比べて薄く形成される逃げ部16cが設けられている。
【0019】
細型メモリカード16の裏面部16Bにおける先端部には、逃げ部16cから中央側に離隔した位置に、複数の凹部16gがその長辺に対し略平行に配列形成されている。これらの各凹部16gの底面には、電極部としてのコンタクトパッド16pがそれぞれ配設されている。コンタクトパッド16pの構成は、例えば、10ピン方式をとっている。隣接する凹部16gの相互間は、細型メモリカード16の板厚よりも小なる所定の高さを有する細長い隔壁16wにより等間隔に仕切られている。従って、複数のコンタクトパッド16pからなる電極群ELは、細型メモリカード16の裏面部16Bにおいて、その図5における中心線Cに対し一方向に偏った位置に形成されている。
【0020】
一方、カード用コネクタ10は、図8に示されるように、細型メモリカード16を着脱可能に収容する収容部20を有するハウジング部材14と、ハウジング部材14の全体を覆うカバー部材12とを含んで構成されている。
【0021】
矩形状断面形状を有するカバー部材12は、薄板の金属材料で形成されている。カバー部材12の両側面部には、図示が省略されるが、それぞれ、後述するハウジング部材14の爪部がそれぞれ、係合される係合孔がその爪部に対応して設けられている。その係合孔の近傍の位置には、それぞれ、基板に固定されるフランジ部が一体に設けられている。
【0022】
従って、カバー部材12は、その各係合孔と、ハウジング部材14の爪部とがそれぞれ係合されることにより、ハウジング部材14に対し固定されることとなる。
【0023】
ハウジング部材14における収容部20は、図8に示されるように、上方、および、下方の一部と、後述するコンタクト端子固定部側とは反対側の端部とが、開口している。従って、上述のカバー部材12によりハウジング部材14が覆われることにより、収容部20の一方の端部に細型メモリカード16が挿入されるスロットが形成されることとなる。
【0024】
ハウジング部材14は、例えば、成形樹脂材料で一体に成形されている。ハウジング部材14は、細型メモリカード16が着脱可能に収納される収容部20の両側方をそれぞれ形成する側壁14WR、14WLと、コンタクト端子22ai(i=1〜10)が配されるコンタクト端子固定壁部14WFとを含んで構成されている。
【0025】
側壁14WR、および、側壁14WLの外面には、それぞれ、爪部14Ra、14Rbが形成されている。
【0026】
側壁14WRおよび14WLに連なる底部には、図9に示されるように、略中央に開口部14Hが形成されている。
【0027】
ハウジング部材14のコンタクト端子固定壁部14WFには、複数のコンタクト端子22ai(i=1〜10)が設けられている。例えば、10本のコンタクト端子22aiは、所定の相互間隔で側壁14WR,14WLに対して略平行に配列されている。
【0028】
コンタクト端子22aiは、弾性を有し細型メモリカード16のコンタクトパッド16pに当接し電気的に接続される接点部22Aと、基板の電極部に半田付け固定され電気的に接続される半田付端子部22Cと、接点部22Aと半田付端子部22Cとを相互に連結し、ハウジング部材14に固定される固定部とを含んで構成されている。
【0029】
薄板金属材料、例えば、バネ用燐青銅で作られるコンタクト端子22aiは、プレス加工により成形された後、その表面に対し金メッキ処理が施されているものとされる。
【0030】
コンタクト端子22aiの固定部は、図示が省略されるが、コンタクト端子固定壁部14WFに形成される溝に、コンタクト端子固定壁部14WFに形成される透孔を通じて細型メモリカードの挿入方向とは反対方向の側から圧入されることにより、ハウジング部材14に固定されている。
【0031】
ハウジング部材14の収容部20内に突出する各コンタクト端子22aiの接点部22Aの周囲には、それぞれ、ハウジング部材14に一体に形成されるガイド壁部14Gi(i=1〜10)が形成されている。図8に示されるように、隔壁部としての各ガイド壁部14Giは、コンタクト端子22aiの接点部22Aの両側面にそれぞれ対向し側壁14WRに対し略平行に延びる縦壁と、各縦壁の一端を連結する横壁とから構成されている。縦壁の相互間距離は、上述の細型メモリカード16の凹部16gが係合されるように設定されている。従って、各コンタクト端子22aiに対応する複数の横壁は、同一直線上に一列に配され、即ち、側壁14WRに交差する共通の平面内に形成されることとなる。
【0032】
隣接する各コンタクト端子22aiにおけるガイド壁部14Giの相互間には、上述の細型メモリカード16の各隔壁16wが通過し得る隙間が形成されている。
【0033】
これにより、細型メモリカード16が収容部20内に正規な方向で挿入されるとき、細型メモリカード16の各隔壁16wが各ガイド壁部14Giに案内されつつ、コンタクト端子22aiの接点部22Aが、コンタクトパッド16pにより下方に向けて押し下げられることとなる。
【0034】
図8において左端のガイド壁部14Giから所定距離、離隔した位置には、突起片14Pが互いに略平行に設けられている。その所定の距離は、例えば、細型メモリカード16の逃げ部16cと凹部16gとの相互間距離に一致するように設定されている。
【0035】
突起片14Pの一端は、コンタクト端子固定壁部14WFの内周面に連結されている。突起片14Pの側壁14WRに沿った長さは、ガイド壁部14Giの全長に等しく設定されている。従って、突起片14Pの他端は、ガイド壁部14Giの横壁14gbと共通の平面内に形成されることとなる。
【0036】
突起片14Pの底面からの高さは、例えば、約0.6mm程度とされ、細型メモリカード16の逃げ部16cの深さより小なる値に設定されており、かつ、ガイド壁部14Giの高さよりも小なる値に設定されている。
【0037】
かかる構成において、細型メモリカード16の先端部が正規な挿入状態、例えば、その面取り部16aが突起片14P側となるような挿入状態のとき、細型メモリカード16の先端部は、その逃げ部16cにより突起片14Pに干渉することなく、かつ、隔壁16wが隙間を通過し、また、コンタクトパッド16pがコンタクト端子22aiの接点部22Aの位置まで到達するように挿入可能とされる。
【0038】
一方、細型メモリカード16の先端部が誤った挿入状態、即ち、その面取り部16aが突起片14Pの位置に対向する側となるような挿入状態のとき、細型メモリカード16の先端部は、複数のガイド壁14Giおよび突起片14Pの端部に当接することとなるので細型メモリカード16の先端部の挿入動作が途中で規制されることとなる。
【0039】
これにより、細型メモリカード16の先端部の誤挿入が認識されるとともに、細型メモリカード16の先端部の誤挿入が規制されることとなる。
【0040】
側壁14WLの内側部分には、選択的に細型メモリカード16を収容部20から排出するとともに、細型メモリカード16の不所望な飛び出しを規制するロック/アンロック機構部を備えるイジェクト機構が設けられている。
【0041】
イジェクト機構は、図8および図9に示されるように、ハウジング部材14に対し相対的に移動しつつ回動可能に支持され細型メモリカード16に係合する略L字状のイジェクタ部材24と、ハウジング部材14およびイジェクタ部材24間に介装され、イジェクタ部材24を細型メモリカード16の排出方向に付勢するコイルスプリング26と、イジェクタ部材24を選択的にハウジング部材14に対し保持または解放するカム機構部と、加えて、細型メモリカード16に対しイジェクト部材24をロック状態あるいはアンロック状態とする制御を行なうロック/アンロック機構部と、を含んで構成されている。
【0042】
ニッケルメッキ処理されているコイルスプリング26の一端は、図8に示されるように、ハウジング部材14に支持され、コイルスプリング26の他端は、イジェクタ部材24のスプリング受部24sに連結されている。
【0043】
イジェクタ部材24は、図11に拡大されて示されるように、例えば、樹脂材料で成形されている。ハウジング部材14の底部に形成されたガイド孔14Eおよび14Fの周縁に案内されるイジェクタ部材24におけるコンタクト端子固定壁部14WFに近い一端部には、挿入された細型メモリカード16の湾曲した面取り部16aが係合する斜面部24Bが収容部20側に形成されている。一方、イジェクタ部材24における略V字状の他端部には、後述するカムレバーが連結される透孔24hが形成されている。また、イジェクタ部材24の他端部における収容部20の内方側には、細型メモリカード16の切欠部16bに選択的に係合する爪部24Nが形成されている。爪部24Nは、挿入される細型メモリカード16の切欠部16bに対応して形成されている。
【0044】
また、ハウジング部材14の底部に摺接されるイジェクタ部材24の下面部には、図9に示されるように、ハウジング部材14のガイド孔14Eおよび14Fに対応して所定の相互間隔をもって案内ピン24Paおよび24Pbが形成されている。案内ピン24Paは、下面部における斜面部24Bに対向する領域に形成されている。また、案内ピン24Pbは、下面部における爪部24Nに対向する領域に形成されている。案内ピン24Paおよび24Pbは、それぞれ、ハウジング部材14のガイド孔14Eおよび14Fに移動可能に挿入されている。ガイド孔14Eは、所定の長さを有し、細型メモリカード16の着脱方向に沿って延在する長孔とされる。ガイド孔14Eに対し一列となるようにスロット側に隣接して形成されるガイド孔14Fは、所定の長さを有する長孔部14faと、長孔部14faの端部から側壁14WL側に徐々に拡大して幅広となる開口を有する拡大部14fbと、からなる。拡大部14fbの側壁14WL側は、長孔部14faと傾斜部を介して連なっている。その際、案内ピン24Pbは、図11に拡大されて示されるように、イジェクタ部材24に細型メモリカード16が当接していない状態においては、図8および図9に示されるように、コイルスプリング26の付勢力の分力により拡大部14fbの直線部分に付勢されている。
【0045】
従って、イジェクタ部材24は、収容部20内においてコンタクト端子固定壁部14WFに向けて前進せしめられる場合、案内ピン24Paはガイド孔14Eの周縁に案内され直線的に移動され、一方、案内ピン24Pbはガイド孔14Fの周縁により案内されるのでイジェクタ部材24は、前進しつつ、その案内ピン24Pbが拡大部14fbから長孔部14faに移動するとき、コンタクト端子固定壁部14WFに向うにつれて図8の矢印Lの示す方向、即ち、反時計回り方向に案内ピン24Paを回動中心として回動される。これにより、イジェクタ部材24の爪部24Nは、挿入される細型メモリカード16の側面に向って近接することとなる。
【0046】
カム機構部は、図11に拡大されて示されるように、側壁14WLの上述のスロット側における内側に形成された略ハート形状のカム要素(ハートカム)30と、ハートカム30の周囲に形成された複数の段差部からなるレバー案内溝32と、一方の端部がイジェクト部材24の透孔24hに連結され、他方の端部がレバー案内溝に沿って摺動せしめられるホチキス針形状のカムレバー34と、カムレバー34の屈曲された先端を複数のレバー案内溝の案内面に対し付勢するカム押え部材(不図示)とを含んで構成されている。
【0047】
樹脂で成形されるハートカム30は、イジェクト部材24の略V字状の端部24Eに対向する部分に、カムレバー34の一端部が選択的に係合する略V字状のカム面30aを有している。
【0048】
樹脂で成形されるレバー案内溝32は、ハートカム30の一方の傍を側壁14WLに沿って直線的に延在する第1の案内溝32G1と、ハートカム30の他方の傍を第1の案内溝32G1の途中から分岐するように側壁14WLに向って斜めに延びた後、第1の案内溝32G1に対し平行に延びる第2の案内溝32G2と、カム面30aに対向する第1の案内溝32G1の一端と第2の案内溝32G2の一端との間であってカム面30aに対向する部分を連結する第3の案内溝32G3とから形成されている。
【0049】
第1の案内溝32G1の平均的深さは、第2の案内溝32G2の平均的深さに比して大に設定されている。第1の案内溝32G1における第2の案内溝32G2の一端との交差部分の深さは、最も深く設定されている。従って、第1の案内溝32G1における第2の案内溝32G2の一端との交差部分には、段差部分が形成されている。
【0050】
また、第3の案内溝32G3における第1の案内溝32G1の一端側の端部と案内溝32G1の一端との間においては、案内溝32G3の一端の深さが、第1の案内溝32G1の深さよりも深くなるように設定されている。従って、第3の案内溝32G3における第1の案内溝32G1の一端側の端部と案内溝32G3の一端との境界部分に段差部分が形成されている。
【0051】
さらに、第3の案内溝32G3における第2の案内溝32G2の一端側の端部と案内溝32G2の一端との間においては、案内溝32G2の一端の深さが、第3の案内溝32G3の深さよりも深くなるように設定されている。従って、第3の案内溝32G3における第2の案内溝32G2の一端側の端部と案内溝32G2の一端との境界部分に段差部分が形成されている。
【0052】
これにより、カムレバー34の一端部は、イジェクト部材24の動作に追従して図11に示される矢印の示す方向に沿って第1の案内溝32G1、第3の案内溝32G3、および第2の案内溝32G2を順次、経由して案内されることとなる。
【0053】
レバー案内溝32が形成される部分よりも拡大部14fb側には、イジェクト部材24の端部24Eの後退動作のとき、イジェクト部材24の端部24Eが摺接し案内される案内壁38が形成されている。案内壁38は、イジェクト部材24の移動方向に対し略直交する方向に延在するように形成される平坦部と、平坦部に連なる斜面部とからなる。斜面部は、図11に示される矢印ULの示す方向、即ち、イジェクト部材24の端部24Eを時計回り方向に回転させるように右上がりの所定の勾配で形成されている。
【0054】
従って、細型メモリカード16の不所望な飛び出しを規制するロック/アンロック機構は、イジェクト機構の一部を構成するイジェクト部材24と、コイルスプリング26と、ハウジング部材14におけるガイド孔14Eおよび14Fと、から形成されることとなる。
【0055】
このような構成において、細型メモリカード16の装着にあたり、先ず、細型メモリカード16がスロットを通じて収容部20に挿入されるとき、図11に示されるように、イジェクト部材24の端部24Eが案内壁38の斜面部に対し離隔した状態から図6、図8および図7に示されるように、その面取り部16aがイジェクタ部材24の斜面部24Bに当接されることにより、イジェクト部材24が案内ピン24Paを中心とした回転モーメントにより回転されるとともに前進を開始せしめられる。
【0056】
次に、細型メモリカード16がさらにイジェクト部材24とともにコイルスプリング26の付勢力に抗して押圧されるとき、図1および図3に示されるように、イジェクト部材24は、案内壁38から離隔しさらに前進せしめられるとともに、回転せしめられる。その際、案内ピン24Pbは、図2に示されるように、拡大部14fbから離脱し長孔部14faに移動せしめられる。また、カムレバー34の一端部は、図1に示されるように、第1の案内溝32G1により案内される。従って、イジェクト部材24の爪部24Nは、細型メモリカード16の切欠部16bに係合される。
【0057】
続いて、細型メモリカード16がさらにイジェクト部材24とともにコイルスプリング26の付勢力に抗して押圧された後、その押圧力が解放されるとき、図4および図5に示されるように、カムレバー34の一端部は、第1の案内溝30G1から離脱し第3の案内溝30G3のカム面30aに係合される。その際、イジェクト部材24の爪部24Nが細型メモリカード16の切欠部16bに係合される状態は、保持されることとなる。従って、カム機構部がイジェクタ部材24を保持状態とする。これにより、細型メモリカード16が、収容部20内で保持され、かつ、細型メモリカード16のコンタクトパッド16pと後述するコンタクト端子とが当接され電気的に接続される。また、装着が完了した細型メモリカード16の不所望な外部への飛び出しが回避されることとなる。
【0058】
一方、細型メモリカード16が収容部20から取り外される場合、先ず、装填された細型メモリカード16が若干さらに押し込まれる。その際、イジェクト部材24が前進せしめられることにより、カムレバー34の一端部がカム面30aから解放され、かつ、離脱されて第2の案内溝30G2に移動せしめられるのでイジェクト部材24は、その案内ピン24Pbが長孔部14faに案内されコイルスプリング26の付勢力により後退せしめられる。
【0059】
次に、イジェクト部材24の案内ピン24Pbが拡大部14fbの傾斜部の基端に到達したとき、コイルスプリング26の付勢力に起因した案内ピン24Pa回りの回転モーメントによりイジェクト部材24の爪部24Nは、細型メモリカード16の切欠部16bから離隔し始める。
【0060】
そして、イジェクト部材24の案内ピン24Pbが拡大部14fbの直線部分に到達したとき、図6および図7に示されるように、イジェクト部材24の端部24Eが案内壁38に当接されるとともに案内される。さらに、コイルスプリング26の付勢力により、イジェクト部材24が後退せしめられることにより、図8、図10および図11に示されるように、イジェクト部材24の端部24Eの斜面部が案内壁38の斜面部から離隔せしめられる。これにより、イジェクト部材24の爪部24Nが、細型メモリカード16の切欠部16bから離隔され細型メモリカード16に干渉しない上述の待機位置に戻される。
【0061】
従って、カム機構部がイジェクタ部材24を解放状態とする。また、コイルスプリング26の復帰力によってイジェクタ部材24が収容部20からスロット側に移動せしめられることにより、細型メモリカード16が排出される。
【0062】
上述のように、細型メモリカード16をイジェクト部材24により収容部20に対しロック状態あるいはアンロック状態とするロック/アンロック機構部が、イジェクト機構の一部を構成するイジェクト部材24と、コイルスプリング26と、ハウジング部材14におけるガイド孔14Eおよび14Fと、から形成されるので構造が簡略化され、かつ、イジェクト部材24の占有空間をより小さくすることができることとなる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るカード用コネクタによれば、
イジェクト部材は、ロック/アンロック機構の規制および解放動作に応じて回動され、カードの被係合部に係合状態または非係合状態とされる係合部を有するのでロック/アンロック機構の構造を簡略化することができ、しかも、イジェクト部材の占有空間をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカード用コネクタの一例の要部を、細型メモリカードとともに概略的に示す構成図である。
【図2】図1に示される例におけるハウジング部の底部を裏面側から示す平面図である。
【図3】図1に示される例における一部を拡大して示す構成図である。
【図4】図1に示される例における動作説明に供される図である。
【図5】図4に示される状態で保持されるイジェクト部材および細型メモリカードを概略的に示す平面図である。
【図6】図1に示される例における動作説明に供される図である。
【図7】図6に示される状態のイジェクト部材周辺を部分的に拡大して示す平面図である。
【図8】図1に示される例における動作説明に供される図である。
【図9】図8に示される状態におけるハウジング部の底部を裏面側から示す平面図である。
【図10】図8に示される状態におけるイジェクト部材の周辺を部分的示す平面図である。
【図11】図1に示される例における動作説明に供される図である。
【符号の説明】
10  カード用コネクタ
14E  ガイド孔
14F  ガイド孔
14fa  長孔部
14fb  拡大部
16  細型メモリカード
16a  面取り部
16b  切欠部
22ai  コンタクト端子
24  イジェクト部材
24N  爪部
24Pa  案内ピン
24Pb  案内ピン
26  コイルスプリング

Claims (6)

  1. 被係合部を側面部に有するカードを着脱可能に収容するとともに、該カードに対する電気的接続を行うコンタクト端子を有するカード収容部と、
    前記カード収容部に隣接し前記カードの着脱方向に沿って移動可能に配されるとともに回動可能に配され、該カード収容部に挿入される前記カードの一端部に選択的に係合し該カードを支持するイジェクト部材と、
    前記イジェクト部材を前記カードの着脱方向に沿って付勢する付勢部材と、
    前記イジェクト部材に係合され、該イジェクト部材の回動動作を規制および解放するロック/アンロック機構と、を備え、
    前記イジェクト部材は、前記ロック/アンロック機構の規制および解放動作に応じて回動され、前記カードの被係合部に対して係合状態または非係合状態とされる係合部を有することを特徴とするカード用コネクタ。
  2. 前記ロック/アンロック機構は、
    前記イジェクト部材に所定の方向に沿って間隔をもって設けられる複数の案内ピンと、
    該複数の案内ピンのうちの一方を前記カードの着脱方向に沿って案内する直線部と、該直線部に連なり該複数の案内ピンのうちの一方を該イジェクト部材の係合部が移動しつつ前記カードの被係合部から離隔または近接するように案内する傾斜部とからなるガイド部材と、
    を含んでなることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ。
  3. 前記イジェクト部材は、前記カードの着脱動作に応じて該カードを収容部内に選択的に保持するカム機構部に連結されることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ。
  4. 前記イジェクト部材は、前記案内ピンが前記ガイド部材の傾斜部に案内されるとき、前記付勢部材の付勢力に基づく前記案内ピンの回りの回転モーメントにより回動することを特徴とする請求項2記載のカード用コネクタ。
  5. 前記カードは、前記イジェクト部材に係合される面取り部を先端部に有する細型メモリカードであることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ。
  6. 前記ガイド部材は、前記カード収容部を形成するハウジング部材に形成されることを特徴とする請求項2記載のカード用コネクタ。
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