JP2004086952A - 薄膜磁性体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ読出とデータ書込を並列かつ高速に実行可能なアレイ構成を有する薄膜磁性体記憶装置を提供することである。
【解決手段】MTJメモリセルの各列に対応してビット線BLが設けられる。一方、MTJメモリセルの各行に対応して、読出選択線として作用するワード線WLおよび書込選択線として作用するライトディジット線WDLが設けられる。読出ポート2に入力された読出アドレスADDrに応じて、ワード線WLを選択的に活性化するワード線デコーダ20rと、書込ポート3に入力された書込アドレスADDwに応じて、ライトディジット線WDLを選択的に活性化するディジット線デコーダ20wとは、独立に設けられる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するメモリセルを備えた薄膜磁性体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新世代の不揮発性記憶装置として、MRAM(Magnetic Random AccessMemory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な不揮発性記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。磁気トンネル接合を有するメモリセルを備えたMRAMデバイスについては、“A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a MagneticTunnel Junction and FET Switch in each Cell”, ISSCC Digest of TechnicalPapers, TA7.2, Feb. 2000.、 “Nonvolatile RAM based on Magnetic Tunnel Junction Elements”, ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.3, Feb. 2000. 、および“A 256kb 3.0V 1T1MTJ Nonvolatile Magnetoresistive RAM”, ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.6, Feb. 2001.等の技術文献に開示されている。
【0004】
図21は、磁気トンネル接合を有するメモリセル(以下、単に「MTJメモリセル」とも称する)の構成を示す概略図である。
【0005】
図21を参照して、MTJメモリセルは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース電圧線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。
【0006】
MTJメモリセルに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびライトディジット線WDLと、データ読出を指示するためのワード線WLと、データ読出時にトンネル磁気抵抗素子TMRを接地電圧GNDにプルダウンするためのソース電圧線SLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ソース電圧線SLおよびビット線BLの間に電気的に結合される。
【0007】
図22は、MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【0008】
図22を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部からの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0009】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが同じ(平行)である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0010】
データ書込時においては、ワード線WLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流は、ビット線BLおよびライトディジット線WDLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0011】
図23は、データ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【0012】
図23を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:HardAxis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびライトディジット線WDLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0013】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。MTJメモリセルは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0014】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図23に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0015】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。図23に示した例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはライトディジット線WDLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0016】
MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、ライトディジット線WDLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0017】
図24は、MTJメモリセルからのデータ読出を説明する概念図である。
図24を参照して、データ読出動作時においては、アクセストランジスタATRは、ワード線WLの活性化に応答してターンオンする。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMRは、接地電圧GNDへプルダウンされた状態でビット線BLと電気的に結合される。
【0018】
この状態で、ビット線BLを所定電圧へプルアップすれば、ビット線BLおよびトンネル磁気抵抗素子TMRを含む電流経路を、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗に応じた、すなわちMTJメモリセルの記憶データのレベルに応じたメモリセル電流Icellが通過する。たとえば、このメモリセル電流Icellを所定の基準電流と比較することにより、MTJメモリセルから記憶データを読出すことができる。
【0019】
なお、データ読出時においても、トンネル磁気抵抗素子TMRにデータ読出電流が流れるが、データ読出電流Isは、一般的に上述したデータ書込電流と比較して1〜2桁程度小さくなるように設計される。したがって、データ読出時におけるデータ読出電流Isの影響によって、MTJメモリセルの記憶データが誤って書換えられる可能性は小さい。すなわち非破壊的なデータ読出が可能である。
【0020】
図25および26は、半導体基板上に作製されたMTJメモリセルの構造を説明するための断面図および上面図である。
【0021】
図25を参照して、半導体主基板SUB上に形成されたアクセストランジスタATRは、n型領域である不純物領域310および320と、ゲート330とを有する。不純物領域310は、コンタクトホール341に形成される金属膜を介してソース電圧線SLと電気的に結合される。
【0022】
ライトディジット線WDLは、ソース電圧線SLの上層に設けられた金属配線層に形成される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ライトディジット線WDLの上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ストラップ350およびコンタクトホール340に形成された金属膜を介して、アクセストランジスタATRの不純物領域320と電気的に結合される。ストラップ350は、トンネル磁気抵抗素子TMRをアクセストランジスタATRと電気的に結合するために設けられ、導電性の物質で形成される。ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されて、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側に設けられる。
【0023】
データ書込電流およびデータ読出電流が流されるビット線BLおよびデータ書込電流が流されるライトディジット線WDLは、金属配線層を用いて形成される。一方、ワード線WLは、アクセストランジスタATRのゲート電圧を制御するために設けられるので、電流を積極的に流す必要はない。したがって、集積度を高める観点から、ワード線WLは、独立した金属配線層を新たに設けることなく、ゲート330と同一の配線層に、ポリシリコン層やポリサイド層などを用いて形成されるのが一般的である。
【0024】
図26を参照して、ライトディジット線WDLおよびビット線BLは、互いに交差する方向に設けられる。たとえば、ライトディジット線WDLおよびビット線BLを、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化容易軸(EA)および磁化困難軸(HA)にそれぞれ沿った方向に配置すると、ライトディジット線WDLおよびビット線BLを流れる電流によって、図23に示した磁界H(HA)およびH(EA)がそれぞれ発生する。したがって、ライトディジット線WDLおよびビット線BLのそれぞれへのデータ書込電流供給を選択的に制御することにより、データ書込先のMTJメモリセルを選択できる。
【0025】
このように、MRAMデバイスは、半導体基板上に集積配置されたMTJメモリセルによって、不揮発的なデータ記憶を実行できる。すなわち各MTJメモリセルにおいて、トンネル磁気抵抗素子TMRは、印加されるデータ書込磁界によって書換え可能な磁化方向に応じて、その電気抵抗が変化するので、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗RmaxおよびRminと、記憶データのレベル(“1”および“0”)とをそれぞれ対応付けることによって、不揮発的なデータ記憶を実行することができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
メモリデバイスのアプリケーションによっては、データ読出およびデータ書込が混在した動作が要求される使用形態が存在する。たとえば、サーバ等からダウンロードした情報を蓄積するためのメモリにおいては、情報をダウンロードしながら、ダウンロードした情報を随時読出すような動作が要求される。
【0027】
このようなアプリケーションに従来のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−only memory)やフラッシュメモリ(R)を使用した場合には、データ書込動作(プログラム動作)に比較的時間を要するために、このような不揮発性メモリの他に専用のバッファメモリを設けて、当該バッファメモリにも同様の情報をダウンロードしながら、当該バッファメモリからデータを随時読出す動作が必要であった。このように、従来の不揮発性メモリは、書込みつつある情報を並行して読出すような、データ読出およびデータ書込とが混在した動作には適していなかった。
【0028】
一方、MTJメモリセルを備えたMRAMデバイスでは、EEPROMやフラッシュメモリ(R)よりは高速に動作が実行されるものの、上述したようなアプリケーションで使用する場合には、混在するデータ読出とデータ書込との効率的な処理に適したアレイ構成が必要となってくる。
【0029】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、データ読出とデータ書込を並列かつ高速に実行可能なアレイ構成を有する薄膜磁性体記憶装置を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
この発明に従う薄膜磁性体記憶装置は、磁気的に書込まれた記憶データを保持する複数の磁性体メモリセルを含むメモリセルアレイと、メモリセルアレイ中の書込先を示す書込アドレスおよび書込先への書込データを受ける第1のポートと、メモリセルアレイ中の読出先を示す読出アドレスを受けるとともに、読出先からの読出データを出力する第2のポートと、読出アドレスおよび書込アドレスにそれぞれ基づいて、メモリセルアレイに対して、データ読出およびデータ書込を並列に実行する周辺回路とを備える。
【0031】
好ましくは、複数の磁性体メモリセルは行列状に配置され、メモリセルアレイは、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられた、複数の読出選択線および書込選択線と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられた複数のビット線とをさらに含み、周辺回路は、読出アドレスに応じて複数の読出選択線を選択的に活性化する第1のデコード回路と、書込アドレスに応じて複数の書込選択線を選択的に活性化する第2のデコード回路と、複数のビット線のうちの読出アドレスに応じて選択された1本を用いて、読出先から記憶データを読出すデータ読出回路と、複数のビット線のうちの書込アドレスに応じて選択された1本を用いて、書込先へ書込データを書込むデータ書込回路とを含む。
【0032】
さらに好ましくは、周辺回路は、データ書込回路によって書込先に書込まれるまでの間、書込データをラッチデータとして一時的に保持するラッチ回路をさらに含み、データ書込回路は、並列に選択された読出先および書込先が同一のビット線に対応する場合には、書込先へのデータ書込を以降のサイクルへ延期し、周辺回路は、ラッチ回路に保持されたラッチデータに対応するアドレスが読出先に指定されたときに、ラッチデータを読出データとして第2のポートから出力する転送回路をさらに含む。
【0033】
あるいは、さらに好ましくは、データ書込回路は、複数のビット線のうちの書込アドレスに対応する選択ビット線へ、書込データに応じた第1のデータ書込電流を供給し、複数の書込選択線の各々は、活性化時に所定方向の第2のデータ書込電流の供給を受け、データ書込回路は、書込アドレスに対応する書込選択線へ第2のデータ書込電流の供給が開始された後に、第1のデータ書込電流の供給を開始し、第2のデータ書込電流の供給が終了する前に、第1のデータ書込電流の供給を終了する。
【0034】
また好ましくは、メモリセルアレイは、複数のバンクに分割され、複数のバンクの各々は、データ読出およびデータ書込のいずれかを独立に実行可能であり、周辺回路は、複数のバンクのうちの1つに対するデータ読出と、複数のバンクの他の1つに対するデータ書込とを並列に実行する。
【0035】
この発明の他の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、磁気的に書込まれた記憶データを保持する複数の磁性体メモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイを備え、メモリセルアレイは、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられた、複数の読出選択線および書込選択線と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられ、各々が対応するメモリセル列の磁性体メモリセルと電気的に結合される複数の読出ビット線と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられ、各々が複数の磁性体メモリセルと電気的に非結合である複数の書込ビット線とをさらに含み、薄膜磁性体記憶装置は、さらに、メモリセルアレイ中の書込先を示す書込アドレスおよび書込先への書込データを受ける第1のポートと、メモリセルアレイ中の読出先を示す読出アドレスを受けるとともに、読出先からの読出データを出力する第2のポートと、読出アドレスおよび書込アドレスにそれぞれ基づいて、メモリセルアレイに対して、データ読出およびデータ書込を並列に実行するための周辺回路とを備え、周辺回路は、複数の読出ビット線のうちの読出アドレスに応じて選択された少なくとも1本を用いて、読出先から記憶データを読出すデータ読出回路と、複数の書込ビット線のうちの書込アドレスに応じて選択された少なくとも1本を用いて、書込先へ書込データを書込むデータ書込回路とを含む。
【0036】
好ましくは、周辺回路は、読出アドレスに応じて複数の読出選択線を選択的に活性化する第1のデコード回路と、書込アドレスに応じて複数の書込選択線を選択的に活性化する第2のデコード回路とをさらに含む。
【0037】
また好ましくは、データ書込回路は、複数の書込ビット線のうちの、書込先に対応する書込データ線に対して書込データに応じたデータ書込電流を供給するとともに、それ以外の書込ビット線の各々を接地電圧に固定する。
【0038】
あるいは好ましくは、複数のメモリセルの各々と複数の書込ビット線の対応する1本との距離は、複数のメモリセルの各々と複数の読出ビット線の対応する1本との距離よりも短い。
【0039】
この発明のさらに他の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が、行列状に配置されて磁気的に書込まれた記憶データを保持する複数の磁性体メモリセルを含む複数のメモリブロックを備え、複数のメモリブロックの各々は、データ読出およびデータ書込のいずれかを独立に実行可能であり、薄膜磁性体記憶装置は、さらに、書込データおよび書込データの書込先を示す書込アドレスを受ける第1のポートと、読出先を示す読出アドレスを受けるとともに、読出先からの読出データを出力する第2のポートと、第1および第2のポートと複数のメモリブロックとの間に設けられ、複数のメモリブロックに対するデータ読出およびデータ書込を制御する周辺回路とをさらに備え、周辺回路は、転送命令に応答して、複数のメモリブロックの1つに対応する読出データあるいは書込データを、複数のメモリブロックの他の1つへ書込むための転送回路を含む。
【0040】
好ましくは、周辺回路は、複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、対応するメモリブロックからの読出データを伝達するための複数の読出バスと、複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、対応するメモリブロックへの読出データを伝達するための複数の書込バスと、書込アドレスに応じて、第1のポートから複数の書込バスへ書込データを選択的に伝達する第1のセレクタと、読出アドレスに応じて、複数の読出バスから第2のポートへ読出データを選択的に伝達する第2のセレクタとを含み、転送回路は、読出アドレスおよび書込アドレスの一方に基づいて選択された2つのメモリブロック間でデータを伝達するための転送バスを有する。
【0041】
さらに好ましくは、複数のメモリブロックの各々は、転送バスを介して複数のメモリブロックの他の1つと接続され、周辺回路は、複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられる、複数のデータ読出回路およびデータ書込回路と、複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、各々が、対応するメモリブロックからのデータ読出指示および転送指示の有無に応じて、対応するデータ読出回路と、対応する読出バスおよび転送バスとの間の接続を制御する複数の第1の転送スイッチ部と、複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、各々が、対応するメモリブロックへのデータ書込指示および転送指示の有無に応じて、対応するデータ書込回路と、対応する書込バスおよび転送バスとの間の接続を制御する複数の第2の転送スイッチ部とを有する。
【0042】
また好ましくは、周辺回路は、転送命令の実行時に、転送先および転送元のメモリブロックを指定する転送制御回路をさらに含み、転送制御回路は、転送命令と並列に実行されるデータ書込およびデータ読出の有無に応じて、読出先に対応するメモリブロックおよび書込先に対応するメモリブロックの一方を、転送元のメモリブロックに指定する。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一符号は同一または相当部分を示すものとする。
【0044】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に従うMRAMデバイスのアレイ構成を示すブロック図である。
【0045】
図1を参照して、実施の形態1に従うMRAMデバイス100は、読出ポート2と、書込ポート3と、周辺回路8と、メモリセルアレイ10とを備える。
【0046】
メモリセルアレイ10は、行列状に配置された複数のMTJメモリセルMCを有する。MTJメモリセルの行(以下、「メモリセル行」とも称する)にそれぞれ対応してワード線WLおよびライトディジット線WDLが配置され、MTJメモリセルの列(以下、「メモリセル列」とも称する)にそれぞれ対応して、ビット線BLおよびソース電圧線SLが配置される。
【0047】
MTJメモリセルMCの各々は、図21で説明したのと同様の構成を有し、対応するビット線BLおよびソース電圧線SLの間に直列に接続される、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRを含む。なお、以下においては、MTJメモリセルを、単にメモリセルとも称する。
【0048】
トンネル磁気抵抗素子TMRは、既に説明したように、磁化方向に応じた電気抵抗を有する。すなわち、各メモリセルにおいて、トンネル磁気抵抗素子TMRは、Hレベル(“1”)およびLレベル(“0”)のいずかのデータを記憶するために所定方向に沿って磁化されて、その電気抵抗RmaxおよびRminのいずれかに設定される。
【0049】
各ソース電圧線SLは、接地電圧GNDに結合される。これにより、各アクセストランジスタATRのソース電圧は、接地電圧GNDに固定される。これにより、対応するワード線WLがHレベルに活性化される選択行において、トンネル磁気抵抗素子TMRの各々は、接地電圧GNDにプルダウンされた状態で、ビット線BLと接続される。
【0050】
読出ポート2は、データ出力端子5rとアドレス端子6rとを含む。データ出力端子5rからは、アドレス端子6rに入力された読出アドレスADDrによって選択されたメモリセル(以下、「読出先」とも称する)の記憶データが出力データDOUTとして出力される。
【0051】
書込ポート3は、データ入力端子5wおよびアドレス端子6wを有する。データ入力端子5wに入力された入力データDINは、アドレス端子6wに入力された書込アドレスADDwによって選択されたメモリセル(以下、「書込先」とも称する)へ書込まれる。
【0052】
周辺回路8は、メモリセルアレイ10に対して、読出アドレスADDrに対応する読出先からの出力データDOUTの読出動作および書込アドレスADDwに対応する書込先への入力データDINの書込動作を実行するための回路群を総称するものである。
【0053】
周辺回路8は、独立に設けられたディジット線デコーダ20wおよびワード線デコーダ20rと、各ライトディジット線WDLに対応して設けられたライトディジット線ドライバ21と、各ワード線WLに対応して設けられたワード線ドライバ23と、列デコーダ25とを含む。
【0054】
ディジット線デコーダ20wは、書込アドレスADDwによって示される書込ロウアドレスRAwに応じて、メモリセルアレイ10における書込行選択を実行する。ワード線デコーダ20rは、読出アドレスADDrによって示される読出ロウアドレスRArに応じて、メモリセルアレイ10における読出行選択を実行する。
【0055】
列デコーダ25は、読出アドレスADDrによって示される読出コラムアドレスCArおよび書込アドレスADDwによって示される書込コラムアドレスCAwを受けて、メモリセルアレイ10における列選択を実行する。
【0056】
ディジット線デコーダ20wは、書込アドレスADDwによって示される書込ロウアドレスRAwと制御信号WTSとを受けて、メモリセル行ごとに書込ロウデコード信号Rdwを生成する。書込ロウデコード信号Rdwは、データ書込動作が指示されたサイクルにおいて、書込アドレスADDw(書込ロウアドレスRAw)によって選択されたメモリセル行(以下、「書込選択行」とも称する)においてHレベルに活性化され、それ以外のメモリセル行(以下、「書込非選択行」とも称する)においてLレベルに非活性化される。一方、データ書込動作が指示されていないサイクルにおいては、各メモリセル行の書込ロウデコード信号Rdwは、Lレベルに非活性化される。書込ロウデコード信号Rdwは、対応するメモリセル行のライトディジット線ドライバ21に与えられる。
【0057】
図2は、ライトディジット線ドライバの構成を示す回路図である。
図2を参照して、ライトディジット線ドライバ21は、対応するライトディジット線WDLの一端と電源電圧Vccとの間に電気的に結合されたドライバトランジスタ22を有する。ドライバトランジスタ22はNチャネルMOSトランジスタで構成され、そのゲートには対応するメモリセル行の書込ロウデコード信号Rdwが入力される。各ライトディジット線WDLの他端側は、図1にも示したように、アドレス選択結果にかかわらず接地電圧GNDと接続されている。
【0058】
したがって、データ書込動作が指示されたサイクルにおいて、書込選択行ではドライバトランジスタ22がターンオンして、ライトディジット線WDLに、ライトディジット線ドライバ21から接地電圧GNDに向かう方向に、データ書込電流が流される。一方、非選択書込行においては、ドライバトランジスタ22がターンオフされるので、ライトディジット線WDLにデータ書込電流は流されない。また、データ書込動作が指示されないサイクルにおいても、各ライトディジット線WDLにはデータ書込電流は流されない。
【0059】
再び図1を参照して、ワード線デコーダ20rは、読出アドレスADDrによって示される読出ロウアドレスRArと制御信号RDSとを受けて、メモリセル行ごとに読出ロウデコード信号/Rdrを生成する。読出ロウデコード信号/Rdrは、データ読出動作が指示されたサイクルにおいて、読出アドレスADDr(読出ロウアドレスRAr)によって選択されたメモリセル行(以下、「読出選択行」とも称する)においてLレベルに活性化され、それ以外のメモリセル行(以下、「読出非選択行」とも称する)においてHレベルに非活性化される。一方、データ読出動作が指示されていないサイクルにおいては、各メモリセル行の読出ロウデコード信号/Rdrは、Hレベルに非活性化される。読出ロウデコード信号/Rdrは、対応するメモリセル行のワード線ドライバ23に与えられる。
【0060】
図3は、ワード線ドライバの構成を示す回路図である。
図3を参照して、ワード線ドライバ23は、対応するワード線WLの一端側と、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDとの間にそれぞれ電気的に結合されたドライバトランジスタ24および24♯を有する。ドライバトランジスタ24はPチャネルMOSトランジスタで構成され、ドライバトランジスタ24♯は、NチャネルMOSトランジスタで構成される。ドライバトランジスタ24および24♯の各ゲートには読出ロウデコード信号/Rdrが入力される。
【0061】
したがって、データ読出動作が指示されたサイクルにおいて、読出選択行のワード線WLは電源電圧Vccと結合されて活性化され、読出非選択行のワード線WLは接地電圧GNDと接続されて非活性化される。一方、データ読出動作が指示されていないサイクルにおいては、各ワード線WLは、接地電圧GNDと接続されて非活性化される。
【0062】
再び図1を参照して、周辺回路8は、さらに、各ビット線BLの両端にそれぞれ対応して設けられたビット線ドライバ30a,30bと、入力データDINを受ける入力バッファ40と、入力バッファ40に入力された入力データDINを一時的に保持するためのライトラッチ回路50と、ライトラッチ回路50にラッチされた書込データWDTに基づいて、ビット線ドライバ30a,30bの動作を制御するライトドライバ制御回路60とを含む。
【0063】
ライトドライバ制御回路60は、ライトラッチ回路50にラッチされた書込データWDTおよび列デコーダ25での列選択結果に応じて、各メモリセル列における書込制御信号WTa0,WTa1,WTb0,WTb1を制御する。
【0064】
ビット線ドライバ30aは、対応するメモリセル列の書込制御信号WTa0およびWTa1に応じて、対応するビット線BLの一端側を電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの一方で駆動する。同様に、ビット線ドライバ30bは、対応するメモリセル列の書込制御信号WTb0およびWTb1により、対応するビット線BLの一端側を電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの一方で駆動する。
【0065】
図4は、ビット線ドライバの構成を詳細に示す回路図である。
図4を参照して、ビット線ドライバ30aは、対応するビット線BLの一端側と、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDとの間にそれぞれ電気的に結合されるドライバトランジスタ31aおよび32aを有する。ビット線ドライバ30bは、対応するビット線BLの他端側と、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDとの間にそれぞれ電気的に結合されるドライバトランジスタ31bおよび32bを有する。ドライバトランジスタ31a,32a,31b,32bの各々は、小さいトランジスタサイズで十分な書込電流を供給するために、相対的に電流駆動能力の大きいNチャネル型MOSトランジスタで構成される。
【0066】
ドライバトランジスタ31aおよび32aのゲートには、書込制御信号WTa1およびWTa0がそれぞれ入力され、ドライバトランジスタ31bおよび32bのゲートには、書込制御信号WTb1およびWTb0がそれぞれ入力される。
【0067】
書込アドレスADDw(書込コラムアドレスCAw)によって選択されたメモリセル列(以下、「書込選択列」とも称する)において、書込制御信号WTa0およびWTa1は、入力データDINに応じた一方がHレベルに設定され、他方がLレベルに設定される。さらに、書込制御信号WTb0およびWTb1は、書込制御信号WTa0およびWTa1のそれぞれと相補に設定される。たとえば、入力データDINが“1”であるときには、書込制御信号WTa1およびWTb0がHレベルに設定され、書込制御信号WTa0およびWTb1がLレベルに設定される。この結果、書込選択列のビット線には、ビット線ドライバ30aから30bへ向かう方向にデータ書込電流が流される。これに対して、入力データDINが“0”であるときには、書込制御信号WTa0およびWTb1がHレベルに設定され、書込制御信号WTa1およびWTb0がLレベルに設定される。この結果、書込選択列のビット線には、ビット線ドライバ30bから30aへ向かう方向にデータ書込電流が流される。
【0068】
一方、書込非選択列においては、書込制御信号WTa0,WTa1,WTb0,WTb1の各々はLレベルに設定される。したがって、書込非選択列のビット線ドライバ30a,30bは、対応するビット線を電源電圧Vccおよび接地電圧GNDのいずれとも非接続とする。
【0069】
ライトディジット線WDLを流れるデータ書込電流は、メモリセルMCにおいて磁化困難軸方向に沿った磁界を発生する。書込データに応じた方向を有する、ビット線を流れるデータ書込電流は、メモリセルMCにおいて磁化容易軸方向に沿った磁界を発生させる。対応するライトディジット線WDLおよびビット線BLの両方にデータ書込電流が流されたメモリセルMCにおいて、ビット線を流れるデータ書込電流の方向に応じた書込データが磁気的に書込まれる。同様の構成は、各メモリセル列のビット線BLに対応して設けられる。なお、ビット線ドライバ30aおよび30bの駆動電圧は、接地電圧GNDおよび電源電圧Vcc以外の独立した電圧とすることも可能である。
【0070】
次に、周辺回路内のデータ読出構成について説明する。
周辺回路8は、さらに、各ビット線BLとノードN1との間に接続された読出選択ゲートRSGと、ノードN2と参照ビット線BLrefとの間に設けられた参照読出選択ゲートRSGrとを有する。各読出選択ゲートRSGのゲートには、列デコーダ25から対応するメモリセル列での読出コラムデコード信号CSrが入力される。
【0071】
読出コラムデコード信号CSrは、データ読出動作が指示されたサイクルには、読出アドレスADDr(読出コラムアドレスCAr)によって選択されたメモリセル列(以下、「読出選択列」とも称する)でHレベルに活性化され、それ以外のメモリセル列(以下、「読出非選択列」とも称する)でLレベルに非活性化される。一方、データ読出動作が指示されないサイクルにおいては、各メモリセル列において、読出コラムデコード信号CSrはLレベルに非活性化される。
【0072】
周辺回路8は、データ読出回路80をさらに含む。データ読出回路80は、ノードN1へ読出電流を供給するための電流供給トランジスタ81と、ノードN1およびN2の通過電流差を増幅するセンスアンプ82と、センスアンプ82の出力をさらに増幅するセンスアンプ85と、センスアンプ85の出力を所定タイミングでラッチして読出データRDTを生成するリードラッチ回路90とを有する。
【0073】
電流供給トランジスタ81は、電源電圧VccとノードN1との間に電気的に結合され、ゲートに制御信号/RDSを受ける。
【0074】
既に説明したように、データ読出動作が指示されたサイクルにおいては、選択行のワード線WLが活性化(Hレベルへ)され、各ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRをそれぞれ介して接地電圧GNDにプルダウンされている。したがって、データ読出動作が指示されたサイクルでは、電流供給トランジスタ81のターンオンに応答して、ノードN1には、読出先へのアクセスに基づいて、当該読出先の電気抵抗(RmaxまたはRmin)に応じて、電流I(Rmax)またはI(Rmin)が流れる。
【0075】
参照ビット線BLrefは、基準電流Irefを供給する基準電流発生回路70を介して接地電圧GNDにプルダウンされる。参照読出選択ゲートRSGrのゲートには、制御信号CSrefが入力される。制御信号CSrefは、データ読出が指示されたサイクルにおいてHレベルに活性化される。基準電流Irefは、上述のノードN1の通過電流I(Rmax)およびI(Rmin)と中間レベルに予め設定された一定電流である。したがって、データ読出動作が指示されたサイクルにおいて、ノードN2は、参照ビット線BLrefと接続されて基準電流Irefが流される。
【0076】
したがって、ノードN1を通過する読出電流、すなわち読出先の通過電流と、ノードN2を通過する基準電流Irefとの電流差をセンスアンプ82,85で検知・増幅することによって、読出先の記憶データを読出すことができる。
【0077】
リードラッチ回路90は、センスアンプ82,85での増幅動作の所要時間を考慮して、センスアンプ85からの出力電圧が所定レベル以上の振幅に達したとのタイミングで、センスアンプ85の出力電圧をラッチして読出データRDTを生成する。
【0078】
次に、図5の動作波形図を用いて、実施の形態1に従うMRAMデバイスにおけるデータ読出動作およびデータ書込動作を具体的に説明する。図5においては、図1に示したメモリセルMC♯a,MC♯b,MC♯cが読出先または書込先として選択される動作例を示している。
【0079】
図1に示されるように、同一メモリセル行に属するメモリセルMC♯aおよびMC♯bにはワード線WL♯1およびライトディジット線WDL♯1が対応し、メモリセルMC♯cにはワード線WL♯2およびライトディジット線WDL♯2が対応している。また、メモリセルMC♯aにはビット線BL♯1が対応し、同一メモリセル列に属するメモリセルMC♯bおよびMC♯cにはビット線BL♯2が対応する。
【0080】
図5を参照して、クロック信号CLKは、所定周期でHレベル(活性状態)およびLレベル(非活性状態)を繰返す。クロック信号CLKの活性化エッジは、時刻T1〜T6でそれぞれ示され、対応するクロック周期は、サイクル111〜115で示される。
【0081】
各サイクルにおいて、MRAMデバイス100への動作指示が出される場合には、サイクル開始時のクロック活性化エッジにおいて、チップセレクト信号CSがHレベルに活性化される。各サイクルにおいて、ライトコマンド(データ書込指示)入力時にはチップセレクト信号CSと併せてコマンド制御信号WTがHレベルに活性化される。同様に、リードコマンド(データ読出指示)入力時には、チップセレクト信号CSと併せてコマンド制御信号RDがHレベルに活性化される。
【0082】
制御信号RDSは、データ読出動作が指示されたサイクルにおいてHレベルに設定され、その他のサイクルでLレベルに設定される。同様に、制御信号WTSは、データ書込動作が指示されたサイクルにおいてHレベルに設定され、その他のサイクルでLレベルに設定される。
【0083】
時刻T1においては、メモリセルMC♯aを書込先とするライトコマンドが入力される。したがって、図示しないが、メモリセルMC♯aを示す書込アドレスADDwがアドレス端子6wに入力される。また、メモリセルMC♯aへの書込データに相当するデータID(1)が、入力データDINとしてデータ入力端子5wから取込まれ、図1に示したライトラッチ回路50によって保持される。
【0084】
サイクル111においては、時刻T1で取込まれたライトコマンド、書込アドレスおよび書込データに応答して、メモリセルMC♯aに対応するライトディジット線WDL♯1に所定方向のデータ書込電流が流され、ビット線BL♯1には、対応するビット線ドライバ30a,30bによって、データID(1)に応じた方向のデータ書込電流が流される。これにより、メモリセルMC♯aにデータID(1)が書込まれる。
【0085】
ここで、選択されたビット線(BL♯1)におけるデータ書込電流の供給期間TW2は、選択されたライトディジット線(WDL♯1)へのデータ書込電流の供給期間TW1中に含まれ、かつTW1よりも短く設定される。すなわち、書込先(メモリセルMC♯a)に対しては、ライトディジット線WDL♯1からの磁化困難軸方向の磁界が印加された状態の下で、ビット線BL♯1からの磁化容易軸方向の磁界の印加が開始されかつ終了される。このように、選択ビット線への電流供給期間を短縮することにより、複数のメモリセルへデータ書込を実行するような場合において、データ書込電流量を抑制することができる。
【0086】
次のサイクル112が開始される時刻T2においては、メモリセルMC♯aを読出先とするリードコマンドが指示される。したがって、図示しないが、メモリセルMC♯aを示す読出アドレスADDrがアドレス端子6rに入力される。
【0087】
これに応じて、サイクル112においては、制御信号RDSがHレベルに活性化されるとともに、メモリセルMC♯aに対応するワード線WL♯1がHレベルに活性化される。さらに、制御信号/RDS(制御信号RDSの反転信号)に応答した電流供給トランジスタ81のターンオンによって、メモリセルMC♯aに対応するビット線BL♯1には、読出電流Isが流れる。既に説明したように、読出電流Isは、読出先であるメモリセルMC♯aの記憶データに応じて、I(Rmax)またはI(Rmin)となる。
【0088】
センスアンプ82および85は、選択ビット線(BL♯1)上の読出電流Isと基準電流Irefとを比較することによってデータ読出を実行する。センスアンプ82および85による読出データは、サイクル112の途中において有効な振幅まで増幅される。リードラッチ回路90でラッチされる読出データRDTは、この時点から有効となる(データOD(1))。したがって、次のクロック活性化エッジである時刻T3において、メモリセルMC♯aから読出されたデータOD(1)を出力データDOUTとしてデータ出力端子5rから出力できる。
【0089】
次のサイクル113が開始される時刻T3において、メモリセルMC♯aを読出先とするリードコマンドと、メモリセルMC♯bを書込先とするライトコマンドとが同時に入力される。読出先および書込先にそれぞれ指定されたメモリセルMC♯aおよびMC♯bは、同一のメモリセル行に属しているが、異なるビット線BL♯1およびBL♯2にそれぞれ対応する。なお、実施の形態1に従う構成においては、同一のビット線に対応するメモリセル群を、同一サイクルに入力されるリードコマンドおよびライトコマンドの読出先および書込先に指定することはできない。
【0090】
時刻T3においては、リードコマンドおよびライトコマンドとともに、メモリセルMC♯aを指定する読出アドレスADDr、メモリセルMC♯bを指定する書込アドレスADDwおよびメモリセルMC♯bへの書込データに相当するデータID(2)が取込まれる。
【0091】
サイクル113においては、制御信号RDSおよび制御信号WTSがHレベルに設定されて、ライトディジット線WDL♯1およびワード線WL♯1の両方が活性化される。さらに、ビット線BL♯1は、対応する読出選択ゲートRSGのターンオンによって、電流供給トランジスタ81によって電源電圧Vccと結合されたノードN1と接続される。この結果、ビット線BL♯1には、メモリセルMC♯aの記憶データに応じた読出電流Isが流れる。
【0092】
これにより、データ読出回路80は、ビット線BL♯1を通過する読出電流Isに基づいて、メモリセルMC♯aの記憶データに相当するデータOD(2)を生成する。データOD(2)は、次のクロック活性化エッジの時刻T4において、出力データDOUTとしてデータ出力端子5rから出力される。
【0093】
これに対して、メモリセルMC♯bに対応するビット線BL♯2は、対応するビット線ドライバ30a,30bによって、データID(2)に応じた方向のデータ書込電流の供給を受ける。この結果、ビット線BL♯2上のデータ書込電流の方向に応じて、メモリセルMC♯bにデータID(2)が書込まれる。
【0094】
このように、ワード線WLおよびライトディジット線WDLの選択を独立化することにより、サイクル113においては、異なるビット線にそれぞれ対応するメモリセルMC♯aおよびMC♯bを対象として、データ読出およびデータ書込動作を並列に実行することができる。
【0095】
次のサイクル114が開始される時刻T4において、メモリセルMC♯cを書込先とするライトコマンドが指示される。すなわち、メモリセルMC♯cを示す書込アドレスADDwがアドレス端子6wに入力される。また、メモリセルMC♯cへの書込データに相当するデータID(3)が、入力データDINとしてデータ入力端子5wから取込まれる。
【0096】
サイクル114においては、時刻T4で取込まれたライトコマンド、書込アドレスおよび書込データに応答して、メモリセルMC♯cに対応するライトディジット線WDL♯2に所定方向のデータ書込電流が流され、ビット線BL♯2には、対応するビット線ドライバ30a,30bによって、データID(3)に応じた方向のデータ書込電流が流される。これにより、メモリセルMC♯cにデータID(3)が書込まれる。
【0097】
さらにその次のサイクル115が開始される時刻T5において、メモリセルMC♯cを読出先とするリードコマンドと、メモリセルMC♯aとを書込先とするライトコマンドとが同時に入力される。メモリセルMC♯aおよびMC♯cは、異なるメモリセル行およびメモリセル列に対応している。
【0098】
時刻T5においては、リードコマンドおよびライトコマンドとともに、メモリセルMC♯cを指定する読出アドレスADDr、メモリセルMC♯aを指定する書込アドレスADDwおよびメモリセルMC♯aへの書込データに相当するデータID(4)が取込まれる。
【0099】
サイクル115においては、制御信号RDSおよび制御信号WTSがHレベルに設定されて、ライトディジット線WDL♯1およびワード線WL♯2が活性化される。さらに、ビット線BL♯2は、対応する読出選択ゲートRSGのターンオンによって、電流供給トランジスタ81によって電源電圧Vccと結合されたノードN1と接続される。この結果、ビット線BL♯2には、メモリセルMC♯cの記憶データに応じた読出電流Isが流れる。
【0100】
これにより、データ読出回路80は、ビット線BL♯2を通過する読出電流Isに基づいて、メモリセルMC♯cの記憶データに相当するデータOD(3)を生成する。データOD(3)は、次のクロック活性化エッジである時刻T6において、出力データDOUTとしてデータ出力端子5rから出力される。
【0101】
一方、メモリセルMC♯aに対応するビット線BL♯1は、対応するビット線ドライバ30a,30bによって、入力データID(4)に応じた方向のデータ書込電流の供給を受ける。この結果、ビット線BL♯1上のデータ書込電流の方向に応じて、メモリセルMC♯bにデータID(4)が書込まれる。
【0102】
このように、サイクル115においては、メモリセルMC♯cを対象とするデータ読出と、メモリセルMC♯aを対象とするデータ書込とを並列に実行することができる。
【0103】
以上説明したように、実施の形態1に従うMRAMデバイスにおいては、読出ポートと書込ポートとを別々に設け、書込先を示す書込アドレスADDwおよび読出先を示す読出アドレスADDrを独立に入力する。さらに、ワード線WLおよびライトディジット線WDLのデコード回路を独立に設けることによって、読出先および書込先が同一ビット線と接続されている場合を除いて、データ読出およびデータ書込を同一サイクル内で並列に実行して、読出/書込コンカレント処理が可能となる。
【0104】
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1の変形例においては、同一のビット線に対応するメモリセル群をについても、同一サイクルに入力されるリードコマンドおよびライトコマンドの読出先および書込先として指定可能な構成について説明する。
【0105】
図6は、本発明の実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイスのアレイ構成を示すブロック図である。
【0106】
図6を参照して、実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイス101は、実施の形態1に従うMRAMデバイス100と比較して、周辺回路8に代えて周辺回路8♯を備える点で異なる。周辺回路8♯は、図1に示された周辺回路8と比較して、データ読出回路80に代えてデータ読出回路80♯を有する点と、ライトラッチ回路50に代えてライトラッチ回路50♯を有する点と、アドレス比較部135をさらに有する点とで異なる。データ読出回路80♯は、図1に示されたデータ読出回路80と比較して、キャッシュ転送部140とをさらに有する点で異なる。
【0107】
MRAMデバイス101において、同一サイクルで、読出先および書込先が同一ビット線に対応するリードコマンドおよびライトコマンドが並列に指示されたときには、リードコマンドが優先的に実行される一方で、ライトドライバ制御回路60は、当該ライトコマンドに対応するデータ書込動作の実行を、必要なビット線がデータ読出動作に不使用である以降のサイクルまで延期する。
【0108】
延期されたデータ書込動作に対応する書込データおよび書込アドレスADDwは、ライトラッチ回路50♯に一時的に保持される。ライトラッチ回路50♯は、複数組の入力データDINおよび書込アドレスADDwを、FIFO(First In First Out)方式で記憶可能である。
【0109】
アドレス比較部135は、ライトラッチ回路50♯に一時的に保持された書込アドレスADDwと、新たに入力された読出アドレスADDrとの一致比較を行なう。すなわち、アドレス比較部135は、ライトラッチ回路50♯に保持された、メモリセルアレイ10への書込前の書込データに対応するアドレスが、読出アドレスADDrによって読出先として新たに選択されたことを検出するために設けられる。
【0110】
キャッシュ転送部140は、センスアンプ82,85とリードラッチ回路90との間に設けられ、アドレス比較部135の指示に応じて、ライトラッチ回路50♯に保持され、かつ、メモリセルアレイ10に対して未書込の書込データWDTを読出データとしてリードラッチ回路90へ転送する。
【0111】
この結果、ライトラッチ回路50♯に保持された、メモリセルアレイ10への書込前の書込データに対応するアドレスが、読出アドレスADDrによって読出先として新たに選択された場合には、当該書込データはキャッシュ転送部140にコピーされて、リードラッチ回路90に対して読出データRDTとして与えられる。この場合においても、延期されたデータ書込動作は、以降のサイクルにおいて実行される。
【0112】
このようにして、同一ビット線に対応するメモリセル群を読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドを同一サイクルで並列に指示することが可能となる。
【0113】
実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイス101のその他の部分の構成は、図1に示したMRAMデバイス100と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
【0114】
図7は、実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイスにおけるデータ書込およびデータ読出動作を具体的に説明する動作波形図である。
【0115】
図7を参照して、サイクル151においては、図5に示したサイクル111と同様に、メモリセルMC♯aへのデータID(1)の書込を指示するライトコマンドが入力される。これに応答して、図5に示したサイクル111と同様に、ライトディジット線WDL♯1およびビット線BL♯1にそれぞれデータ書込電流が供給されて、書込先のメモリセルMC♯aに対してデータID(1)が書込まれる。
【0116】
次のサイクル152においては、図5に示したサイクル113と同様に、同一メモリセル行に属し、異なるメモリセル列(ビット線)にそれぞれ対応するメモリセルMC♯aおよびMC♯bをそれぞれ読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドが並列に入力される。
【0117】
サイクル152においては、図5に示したサイクル113と同様に、読出先および書込先にそれぞれ対応するワード線WL♯1およびライトディジット線WDL♯1が活性化される。さらに、読出先に対応するビット線BL♯1を通過する読出電流Isに基づいて読出先であるメモリセルMC♯aの記憶データがデータOD(1)として読出され、次のクロック活性化エッジである時刻T3に出力データDOUTとして出力可能となる。
【0118】
一方、書込先に対応するビット線BL♯2に、書込データに応じたデータ書込電流が供給されて、メモリセルMC♯bへデータID(2)が書込まれる。
【0119】
次のサイクル153においては、図5に示したサイクル114と同様に、メモリセルMC♯cを書込先とするライトコマンドが入力され、メモリセルMC♯cへの書込データID(3)が取りこまれる。これに応答して、ライトディジット線WDL♯2およびビット線BL♯2にそれぞれデータ書込電流が供給されて、書込先のメモリセルMC♯cに対してデータID(3)が書込まれる。
【0120】
さらに、サイクル154において、同一のビット線に対応するメモリセルMC♯cおよびMC♯bをそれぞれ読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドが並列に入力される。このようなケースでは、当該ライトコマンドに対応するデータ書込動作は以降のサイクルに延期されて、サイクル154ではデータ読出動作のみが実行される。
【0121】
したがって、サイクル154においては、読出先のメモリセルMC♯cに対応するワード線WL♯2がHレベルに活性化されて、ビット線BL♯2を通過する読出電流Isに基づいて、読出先であるメモリセルMC♯cの記憶データがデータOD(2)として読出され、次のクロック活性化エッジである時刻T5に出力データDOUTとして出力可能となる。
【0122】
時刻T4に入力されたメモリセルMC♯bへの書込データID(4)は、メモリセルMC♯bを示す書込アドレスADDwとともに、図6に示したライトラッチ回路50♯に一時的に保持される。
【0123】
次のサイクル155において、メモリセルMC♯aを読出先とするリードコマンドが入力される。当該サイクルでの読出先であるメモリセルMC♯aと、延期されたデータ書込動作の書込先であるメモリセルMC♯bとは異なるビット線にそれぞれ対応するので、サイクル155において、延期されたデータ書込動作がデータ読出動作と並列に実行される。
【0124】
サイクル155においては、読出先に対応するワード線WL♯1がHレベルに活性化されて、ビット線BL♯1を通過する読出電流Isに基づいて、読出先であるメモリセルMC♯aの記憶データがデータOD(3)として読出され、次のクロック活性化エッジである時刻T6に出力データDOUTとして出力可能となる。
【0125】
さらに、ライトラッチ回路50♯に保持された書込データID(4)および書込アドレスADDwに基づいて、メモリセルMC♯bに対応するライトディジット線WDL♯1が活性化され、さらに、対応するビット線ドライバ30a,30bによって、データID(4)に対応した方向のデータ書込電流がビット線BL♯2に流される。
【0126】
これにより、サイクル155においては、サイクル154に入力され、その実行が一旦延期されたライトコマンドに対応するデータ書込動作と、サイクル155に入力されたリードコマンドに対応するデータ読出動作とが並列に実行される。このように、実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイスにおいては、実施の形態1に従うMRAMデバイスと同様に読出/書込コンカレント処理が可能であるのに加えて、同一ビット線に対応するメモリセル群を読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドを同一サイクルに並列に指示することが可能である。
【0127】
[実施の形態2]
実施の形態2においては、ビット線を読出用と書込用とに分割配置することによって、読出/書込のコンカレント処理を実行可能とするアレイ構成について説明する。
【0128】
図8は、実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるメモリセルに対して設けられる信号線群の配置を示す回路図である。
【0129】
図8を参照して、実施の形態2に従う構成においては、図21に示されたビット線BLに相当する読出専用のリードビット線RBLと、データ書込電流を流すためのライトビット線WBLとが独立に設けられる。ライトビット線WBLは、リードビット線RBLと同一方向に沿って配置され、データ書込時に書込データのレベルに応じた方向を有するデータ書込電流の供給を受ける。ライトビット線WBLは、トンネル磁気抵抗素子TMRとは電気的に結合されないが、自身を流れる電流によって生じる磁界はトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化容易軸に沿った方向に作用する。ワード線WL,ライトディジット線WDLおよびソース電圧線SLの配置については、図21と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0130】
図9および図10は、実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるメモリセル構造を示す断面図および上面図である。
【0131】
図9および図10には、リードビット線RBLがライトビット線WBLよりも上層の金属配線層に形成される構造例が示されるが、リードビット線RBLおよびライトビット線WBLは、同一金属配線層に設けることもできる。
【0132】
ただし、ライトビット線WBLから生じるデータ書込磁界をトンネル磁気抵抗素子TMRに効率的に作用させるために、ライトビット線WBLとトンネル磁気抵抗素子TMRとの間の距離は、リードビット線RBLとトンネル磁気抵抗素子TMRとの距離よりも短くなるように設計される。
【0133】
リードビット線RBLは、ストラップ355およびビアホール342に形成された金属膜を介して、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合される。これに対してライトビット線WBLはトンネル磁気抵抗素子TMRと近接して設けられるが、両者の間は電気的には結合されていない。メモリセルのその他の部分の構造については図25および図26に示したのと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
【0134】
このように、データ書込時において、所定レベル以上のデータ書込磁界を書込先へ作用させるために設けられたライトビット線WBLをMTJメモリセル(トンネル磁気抵抗素子TMR)に近接させて設けることにより、必要なデータ書込電流量を抑制して低消費電力化を図ることができる。
【0135】
図11は、実施の形態2に従うMRAMデバイスの全体構成を示すブロック図である。
【0136】
図11を参照して、実施の形態2に従うMRAMデバイス102は、読出ポート2と、書込ポート3と、周辺回路8と、メモリセルアレイ10♯とを有する。メモリセルアレイ10♯には、図8から10に示したメモリセルが行列状に配置されている。すなわち、メモリセルアレイ10♯においては、メモリセル行にそれぞれ対応してワード線WLおよびライトディジット線WDLが配置され、メモリセル列にそれぞれ対応して、リードビット線RBL、ライトビット線WBLおよびソース電圧線SLが配置される。
【0137】
読出ポート2、書込ポート3および周辺回路8の構成は、図1に示したMRAMデバイス100と同様であるので詳細な説明は繰返さない。ただし、周辺回路8において、ビット線ドライバ30aおよび30bは、ライトビット線WBLの両端にそれぞれ対応して配置され、リード選択ゲートRSGは、リードビット線RBLの各々とノードN1との間に設けられている。
【0138】
さらに、ビット線ドライバ30aおよび30bは、書込非選択列において、対応するライトビット線WBLの両端を接地電圧GNDと接続する。すなわち、実施の形態1に従う構成と異なり、書込非選択列においては、書込制御信号WTa0,WTb0はHレベルへ設定され、書込制御信号WTa1,WTb1はLレベルへ設定される。この結果、書込非選択列のライトビット線WBLの状態を安定化できるので、動作の安定化を図ることができる。
【0139】
図12は、実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるデータ読出動作およびデータ書込動作を具体的に説明する動作波形図である。図12においては、図11に示したメモリセルMC♯a,MC♯b,MC♯cが読出先または書込先として選択される動作例を示している。
【0140】
図11に示されるように、メモリセルMC♯aにはライトビット線WBL♯1およびリードビット線RBL♯1が対応し、同一メモリセル列に属するメモリセルMC♯bおよびMC♯cにはライトビット線WBL♯2およびリードビット線RBL♯2が対応する。
【0141】
図12を参照して、サイクル161においては、図7に示したサイクル151と同様に、メモリセルMC♯aへのデータID(1)の書込を指示するライトコマンドが入力される。これに応答して、ライトディジット線WDL♯1およびライトビット線WBL♯1にそれぞれデータ書込電流が供給されて、書込先のメモリセルMC♯aに対してデータID(1)が書込まれる。
【0142】
次のサイクル162においては、図7に示したサイクル152と同様に、同一メモリセル行に属し、異なるメモリセル列にそれぞれ対応するメモリセルMC♯aおよびMC♯bをそれぞれ読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドが並列に入力される。
【0143】
サイクル162においては、読出先および書込先に対応する同一行のワード線WL♯1およびライトディジット線WDL♯1が活性化される。さらに、読出先に対応するリードビット線RBL♯1を通過する読出電流Isに基づいて読出先であるメモリセルMC♯aの記憶データがデータOD(1)として読出され、次のクロック活性化エッジである時刻T3に出力データDOUTとして出力可能となる。一方、書込先に対応するライトビット線WBL♯2に、書込データに応じたデータ書込電流が供給されて、メモリセルMC♯bへデータID(2)が書込まれる。
【0144】
次のサイクル163においては、図7に示したサイクル153と同様に、メモリセルMC♯cを書込先とするライトコマンドが入力され、メモリセルMC♯cへの書込データID(3)が取りこまれる。これに応答して、ライトディジット線WDL♯2およびライトビット線WBL♯2にそれぞれデータ書込電流が供給されて、書込先のメモリセルMC♯cに対してデータID(3)が書込まれる。
【0145】
さらに、サイクル164において、図7に示したサイクル154と同様に、同一のメモリセル列に対応するメモリセルMC♯cおよびMC♯bをそれぞれ読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドが並列に入力される。
【0146】
サイクル164においては、読出先および書込先にそれぞれ対応するワード線WL♯2およびライトディジット線WDL♯1が活性化される。さらに、読出先に対応するリードビット線RBL♯2を通過する読出電流Isに基づいて読出先であるメモリセルMC♯aの記憶データがデータOD(2)として読出され、次のクロック活性化エッジである時刻T3に出力データDOUTとして出力可能となる。さらに、書込先に対応するライトビット線WBL♯1に、書込データに応じたデータ書込電流が供給されて、メモリセルMC♯bへデータID(4)が書込まれる。
【0147】
すなわち、同一のメモリセル列に対応するメモリセルを読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドが同一サイクルに入力されても、ライトコマンドの実行を延期するための特別な構成および処理を伴うことなく、当該サイクル内でリードコマンドおよびライトコマンドを並行に処理できる。
【0148】
このように、実施の形態2に従うMRAMデバイスは、実施の形態1に従うMRAMデバイスと同様に、読出/書込コンカレント処理が可能である。さらに、リードビット線とライトビット線とを独立に配置する構成とすることにより、周辺回路の構成および制御を複雑化することなく、同一サイクルにおいて、同一ビット線に対応するメモリセル群を読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドを並列に入力可能としている。
【0149】
[実施の形態3]
実施の形態1および2においては、読出/書込コンカレント処理が可能なメモリアレイ構成について説明したが、実施の形態3においては、データ読出およびデータ書込の一方のみが各サイクルにおいて実行可能なアレイ構成の組合せによって、全体動作として読出/書込のコンカレント処理が可能となるMRAMデバイスの構成について説明する。
【0150】
図13は、実施の形態3に従うMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0151】
図13を参照して、実施の形態3に従うMRAMデバイス103は、読出ポート2と、書込ポート3と、複数のメモリブロック200a〜200dと、読出ポート2および書込ポート3とメモリブロック200a〜200dとの間でデータを授受するための周辺インターフェイス回路208とを有する。
【0152】
メモリブロック200a〜200dの各々は、各サイクルにおいて、データ読出およびデータ書込の一方のみを実行可能である。このようなメモリブロックの一例としては、実施の形態1に従うMRAMデバイス100のアレイ構成において、ワード線デコーダ20rとディジット線デコーダ20wとを共通のデコード回路に統合し、当該デコード回路のデコード結果に基づいて、データ読出時にはワード線WLを選択的に活性化し、データ書込時にはライトディジット線WDLを選択的に活性化する構成とすればよい。
【0153】
メモリブロック200a〜200dは、2つのバンクBK<A>およびBK<B>に分割されている。バンクBK<A>はメモリブロック200aおよび200bで構成され、バンクBK<B>はメモリブロック200cおよび200dによって構成される。たとえば、メモリブロック200a〜200dの各々において、Nビット(N:自然数)のデータを読出/書込可能であるとし、各バンク当りのメモリブロックの数L(L:自然数,図13においてはL=2)とすると、読出ポート2および書込ポート3を用いて、MRAMデバイス103全体で同時に読出/書込可能なデータビット数M(M:自然数)は、M=L×Nで示される。
【0154】
周辺インターフェイス回路208は、メモリブロック200a〜200dにそれぞれ対応して設けられる、ローカルデータ線LDLa〜LDLd、グローバル読出バスGRBa〜GRBdおよびグローバル書込バスGWBa〜GWBdと、グローバル読出バスGRBa〜GRBdおよびローカルデータ線LDLa〜LDLdの間にそれぞれ設けられる読出選択回路210a〜210dと、グローバル書込バスGWBa〜GWBdおよびローカルデータ線LDLa〜LDLdの間にそれぞれ設けられる書込選択回路220a〜220dと、読出ポート2およびグローバル読出バスGRBa〜GRBdの間に設けられるセレクタ230と、書込ポート3とグローバル書込バスGWBa〜GWBdの間に設けられるセレクタ240とを含む。
【0155】
以降の説明においては、メモリブロック200a〜200dの各々において、1ビットのデータが読出/書込されるものとする(すなわちN=1)。データ読出またはデータ書込対象に指定されたバンクに属するメモリブロックでは、対応するローカルデータ線のうちの1本が選択されて、データ読出またはデータ書込に用いられる。
【0156】
周辺インターフェイス回路208は、さらに、メモリブロック200aおよび200cの間で双方向にデータを伝達するための転送データバス251と、メモリブロック200bおよび200dの間で双方向にデータを伝達するための転送データバス252とを含む。周辺インターフェイス回路208は、さらに、転送データバス251とグローバル読出バスGRBaとの間に設けられた転送スイッチ260aと、転送データバス252とグローバル読出バスGRBbとの間に設けられた転送スイッチ260bと、転送データバス251とグローバル読出バスGRBcとの間に設けられた転送スイッチ260cと、転送データバス252とグローバル読出バスGRBdとの間に設けられた転送スイッチ260dとを含む。
【0157】
周辺インターフェイス回路208は、さらに、転送データバス251とグローバル書込バスGWBaとの間に設けられた転送スイッチ265aと、転送データバス252とグローバル書込バスGWBbとの間に設けられた転送スイッチ265bと、転送データバス251とグローバル書込バスGWBcとの間に設けられた転送スイッチ265cと、転送データバス252とグローバル書込バスGWBdとの間に設けられた転送スイッチ265dとを含む。
【0158】
読出ポート2には、バンクBK<A>およびBK<B>の一方を対象とするリードコマンドに用いられる読出アドレスADDrおよび出力データDOUTが入出力される。書込ポート3には、同様に、バンクBK<A>およびBK<B>の一方を対象とするデータ書込動作を指示するライトコマンドに用いられる書込アドレスADDwおよび入力データDINが入力される。
【0159】
さらに、実施の形態2に従うMRAMデバイス103に対しては、バンクBK<A>,BK<B>の一方に対応する読出データまたは書込データを、他方のバンクに書込むための転送コマンドが入力される。以下に詳細に説明するように、転送コマンドにおける転送元および転送先のバンクは、読出アドレスADDrによって示される読出バンクアドレスおよび書込アドレスADDwによって示される書込バンクアドレスのいずれかに基づいて、MRAMデバイス内部で指定される。すなわち、転送コマンドに対応するバンクアドレスを入力するポートが削減されている。
【0160】
図14は、読出選択回路の構成を示すブロック図である。
図14には、メモリブロック200aに対応する読出選択回路210aの構成が代表的に示される。
【0161】
既に説明したように、たとえばバンクBK<A>の選択時には、ローカルデータ線LDLaおよびLDLbのうちの1本ずつを選択して、メモリブロック200aおよび200bの各々において1ビットのデータ読出が実行される。この結果、合計2ビットの読出データが、読出ポート2から出力される。
【0162】
読出選択回路210aは、センスアンプ270aおよび転送スイッチ272aを有する。センスアンプ270aは、ローカルデータ線LDLaのうちの1本と選択的に接続されて、選択されたローカルデータ線上の読出データを増幅する。あるいは、センスアンプ270aをローカルデータ線LDLaの1本ずつに対応して設け、複数のセンスアンプの出力を選択的に出力する構成としてもよい。
【0163】
転送スイッチ272aは、バンクBK<A>を対象とするリードコマンド実行時に活性化されるバンク制御信号RED<A>に応答して、センスアンプ270aの出力をグローバル読出バスGRBaへ転送する。
【0164】
転送スイッチ260aは、バンクBK<A>を転送元とする転送コマンド実行時にHレベルに活性化されるバンク制御信号SRC<A>に応答して、センスアンプ270aの出力を転送データバス251へ伝達する。メモリブロック200b〜200dにそれぞれ対応して設けられる読出選択回路210b〜210dおよび転送スイッチ260b〜260dについても、図14に示したのと同様に構成されるので詳細な説明は繰返さない。
【0165】
図15は、書込選択回路の構成を示すブロック図である。
図15においても、メモリブロック200aに対応する書込選択回路220aの構成が代表的に示される。
【0166】
図15を参照して、書込選択回路220aは、データ線スイッチ280aと、転送スイッチ282aと、データバッファ290aと、アドレスバッファ295aとを有する。
【0167】
転送スイッチ265aは、バンクBK<A>を転送先とする転送コマンド実行時に活性化されるバンク制御信号DST<A>に応答して、転送データバス251上のデータをデータバッファ290aへ伝達する。転送スイッチ282aは、バンクBK<A>を対象とするライトコマンド実行時に活性化されるバンク制御信号WRT<A>に応答して、グローバル書込バスGWBa上のデータをデータ線スイッチ280aへ伝達する。
【0168】
データバッファ290aに伝達されたデータはデータ線スイッチ280aへ伝達される。データ線スイッチ280aは、書込アドレスADDwに応答して、ローカルデータ線LDLaのうちの選択された1本に対して、転送データバス251またはグローバル書込バスGWBaから伝達された書込データを伝達する。書込アドレスADDwは、アドレスバッファ295aへ伝達される。データバッファ290aおよびアドレスバッファ295aは、伝達されたデータおよびアドレスのそれぞれを一時的に保持し、FIFO方式でデータ線スイッチ280aへ伝達する。
【0169】
メモリブロック200b〜200dにそれぞれ対応して設けられる書込選択回路220b〜220dおよび転送スイッチ265b〜265dについても、図15に示したのと同様に構成されるので詳細な説明は繰返さない。
【0170】
図14および図15に示されるように、対応するメモリブロックへのコマンド指示有無を反映したバンク制御信号によって、転送バスとの間の接続制御を実行することにより、その回路構成を簡易化できる。
【0171】
図16は、図14および図15に示されたバンク制御信号を生成するバンク制御回路の構成を示すブロック図である。
【0172】
図16を参照して、バンク制御回路400は、リードコマンド、ライトコマンドおよび転送コマンドの入力をそれぞれ示すコマンド制御信号RD、WTおよびTRと、読出バンクアドレスRBAおよび書込バンクアドレスWBAに基づいて、バンク制御信号RED<A>,RED<B>、WRT<A>,WRT<B>,SRC<A>,SRC<B>およびDST<A>,DST<B>を生成する。
【0173】
コマンド制御信号RD、WTおよびTRは、対応するコマンドの入力時にHレベルへ活性化され、それ以外ではLレベルへ非活性化される。読出バンクアドレスRBAおよび書込バンクアドレスWBAの各々は、バンクBK<A>の選択時にLレベル(“0”)に設定され、バンクBK<B>の選択時にHレベル“1”に設定される。
【0174】
バンク制御回路400は、コマンド制御信号RDおよび読出バンクアドレスRBAに応じて、バンク制御信号RED<A>およびRED<B>を生成するリードコマンド制御回路410を含む。リードコマンド制御回路410は、コマンド制御信号RDおよび読出バンクアドレスRBAの反転信号のAND論理演算結果をバンク制御信号RED<A>として生成する論理ゲート412と、コマンド制御信号RDおよび読出バンクアドレスRBAのAND論理演算結果をバンク制御信号RED<B>として生成する論理ゲート414とを有する。
【0175】
したがって、リードコマンド制御回路410は、バンクBK<A>を対象とするリードコマンド入力時にバンク制御信号RED<A>をHレベルに活性化し、バンクBK<B>を対象とするリードコマンド入力時にバンク制御信号RED<B>をHレベルに活性化する。対応するバンクを対象とするリードコマンドが入力されていない時には、バンク制御信号RED<A>,RED<B>は、Lレベルへ非活性化される。
【0176】
バンク制御回路400は、さらに、コマンド制御信号WTおよび書込バンクアドレスWBAに応じて、バンク制御信号WRT<A>およびWRT<B>を生成するライトコマンド制御回路420を含む。ライトコマンド制御回路420は、コマンド制御信号WTおよび書込バンクアドレスWBAの反転信号のAND論理演算結果をバンク制御信号WRT<A>として生成する論理ゲート422と、コマンド制御信号WTおよび書込バンクアドレスWBAのAND論理演算結果をバンク制御信号WRT<B>として生成する論理ゲート424とを有する。
【0177】
したがって、ライトコマンド制御回路420は、バンクBK<A>を対象とするライトコマンド入力時にバンク制御信号WRT<A>をHレベルに活性化し、バンクBK<B>を対象とするライトコマンド入力時にバンク制御信号WRT<B>をHレベルに活性化する。対応するバンクを対象とするリードコマンドが入力されていない時には、バンク制御信号WRT<A>,WRT<B>は、Lレベルへ非活性化される。
【0178】
バンク制御回路400は、転送アドレス生成部430をさらに含む。転送アドレス生成部430は、読出バンクアドレスRBAおよび書込バンクアドレスWBAの一方を転送バンクアドレスTBAとして出力するセレクタ435と、セレクタ435の動作を制御するためのコマンド検出回路440、445および450とを有する。
【0179】
コマンド検出回路440は、コマンド制御信号RDとコマンド制御信号WTの反転信号とのAND論理演算結果を出力する論理ゲート442を有する。したがってコマンド検出回路440の出力は、リードコマンドのみが検出されたときにHレベルに設定される。
【0180】
コマンド検出回路445は、コマンド制御信号RDの反転信号とコマンド制御信号WTとのAND論理演算結果を出力する論理ゲート447を有する。したがってコマンド検出回路445の出力は、ライトコマンドのみが検出されたときにHレベルに設定される。
【0181】
コマンド検出回路450は、コマンド制御信号RDとコマンド制御信号WTとのNOR論理演算結果を出力する論理ゲート452を有する。したがってコマンド検出回路450の出力は、ライトコマンドおよびリードコマンドのいずれも検出されないときにHレベルに設定される。
【0182】
セレクタ435は、コマンド検出回路440の出力がHレベルに設定されてリードコマンドのみが検出されたときには、リード対象のバンクから他方のバンクへの転送が実行される可能性があるため、読出バンクアドレスRBAを転送バンクアドレスTBAとして出力する。また、セレクタ435は、コマンド検出回路445の出力がHレベルに設定されてライトコマンドのみが検出されたときには、ライト対象のバンクから他方のバンクへの転送が実行される可能性があるため、書込バンクアドレスWBAを転送バンクアドレスTBAとして出力する。
【0183】
また、コマンド検出回路450の出力がHレベルに設定されてリードコマンドおよびライトコマンドの両方が検出されないときには、セレクタ435は、内部転送が実行される可能性があるため、読出バンクアドレスRBAを転送バンクアドレスTBAとして出力する。
【0184】
転送アドレス生成部430は、さらに、セレクタ435から出力された転送バンクアドレスTBAに基づいて、転送コマンド実行時にバンク制御信号SRC<A>およびSRC<B>を生成する転送アドレス設定回路460と、転送元を示すバンク制御信号SRC<A>およびSRC<B>をそれぞれ反転して転送先を示すバンク制御信号DST<A>およびDST<B>を生成するインバータ465とを含む。
【0185】
したがって、バンク制御信号SRC<A>は、バンクBK<A>を転送元とする転送コマンドの入力時にHレベルに活性化され、バンク制御信号SRC<B>は、バンクBK<B>を転送元とする転送コマンドの入力時にHレベルに活性化される。同様に、バンク制御信号DST<A>は、バンクBK<A>を転送先とする転送コマンドの入力時にHレベルに活性化され、バンク制御信号DST<B>は、バンクBK<B>を転送先とする転送コマンドの入力時にHレベルに活性化される。
【0186】
このように、読出バンクアドレスおよび書込バンクアドレスの一方を用いて設定された転送バンクアドレスTBAに基づいて、転送コマンド入力時には、転送先および転送先を示すバンク制御信号群が生成される。一方、転送コマンドが生成されない場合には、転送アドレス設定回路460は、これらのバンク制御信号の生成を停止する。すなわち、バンク制御信号SRC<A>,SRC<B>,DST<A>,DST<B>の各々は、Lレベルへ非活性化される。
【0187】
このような構成とすることにより、転送コマンドに対応するバンクアドレスを外部から入力するポートを設けることなく、ライトコマンドおよびリードコマンドを指示するためのバンクアドレスに基づいて、転送コマンドを実行することができる。
【0188】
次に、図17〜図20を用いて、実施の形態3に従うMRAMデバイスの動作例について説明する。
【0189】
図17には、バンクBK<A>を対象とするライトコマンドおよびバンクBK<B>を対象とするリードコマンドが同時に入力された場合の動作を示している。
【0190】
図17を参照して、ライトコマンドに応答して、書込ポート3に入力された入力データDINが、セレクタ240によってバンクBK<A>に対応するグローバル書込バスGWBaおよびGWBbに伝達される。グローバル書込バスGWBaおよびGWBbに伝達された入力データは、書込選択回路220aおよび220bを介して、書込アドレスADDwに応じて選択されたローカルデータ線LDLaおよびLDLbのうちの1本ずつを介して、メモリブロック200aおよび200bに書込まれる。
【0191】
一方、リードコマンドの対象であるバンクBK<B>においては、ローカルデータ線LDLcおよびLDLdのうちの読出アドレスADDrに応じて選択された1本ずつを用いて、読出選択回路210cおよび210dによってデータ読出が実行される。読出選択回路210cおよび210dによって読出されたデータは、グローバル読出バスGRBcおよびGRBdを介してセレクタ230に伝達され、読出ポート2から出力される。
【0192】
このように、リードコマンドおよびライトコマンドを別々のバンクにおいて並列に実行することができるため、MRAMデバイス全体としては、読出/書込コンカレント処理が可能である。特にデータ書込時間が長い場合には、一方のバンクへのデータ書込動作中に、他方のバンクからのデータ読出動作を実行する並列処理によって、アプリケーション処理効率を向上できる。
【0193】
図18には、リードコマンドおよび転送コマンドが入力されて、リードコマンドの対象バンクからの読出データを、他方のバンクに転送して書込む場合の動作にが示される。
【0194】
図18を参照して、バンクBK<A>を対象とするリードコマンドに応答して、メモリブロック200aおよび200bから読出アドレスADDrに対応するデータ読出が実行される。読出選択回路210aおよび210bは、メモリブロック200aおよび200bのそれぞれからの読出データをグローバル読出バスGRBaおよびGRBbに伝達する。グローバル読出バスGRBaおよびGRBbに伝達された読出データは、セレクタ230を介して読出ポート2から出力される。
【0195】
転送コマンドに応答して、読出選択回路210aおよび220aから出力された読出データは、さらに、転送スイッチ260aおよび260bをそれぞれ介して、転送データバス251および252にもそれぞれ伝達される。転送データバス251に伝達されたメモリブロック200aからの読出データは、転送スイッチ265cおよび書込選択回路220cを介して、メモリブロック200c中の読出アドレスADDrに対応するメモリセルに書込まれる。
【0196】
同様に、転送データバス252に伝達されたメモリブロック200bからの読出データは、転送スイッチ265dおよび書込選択回路220dを介して、メモリブロック200d中の読出アドレスADDrに対応するメモリセルに書込まれる。
【0197】
このような転送コマンドの実行により、一方のバンクを外部への出力データのバックアップ(ミラー)用に使用したいときに、バックアップデータの記憶処理を効率化することができる。
【0198】
また、転送データバスを用いて転送先のバンク(メモリブロック)に読出データを伝送する構成としているので、転送コマンドの実行によって、リードコマンドの動作が遅延することがない。特に、図15に示したデータバッファ290aおよびアドレスバッファ295aを設けることにより、転送された読出データおよび対応するアドレスを一時的に保持することができる。この結果、その後の適当なタイミングで、転送データのデータ書込を実行することができるので、データ読出動作が当該転送コマンドの影響によって遅延することがない。
【0199】
図19には、ライトコマンドおよび転送コマンドが入力されて、ライトコマンドの対象バンクへの書込データを、他方のバンクにも転送して書込む場合の動作にが示される。
【0200】
図19を参照して、バンクBK<A>を対象とするライトコマンドに応答して、書込ポート3に入力された書込アドレスADDwに基づいて、入力データDINの書込がメモリブロック200aおよび200bに対して実行される。入力データDINは、セレクタ240、書込選択回路220a,220bならびにローカルデータ線LDLaおよびLDLbのうちの書込アドレスADDwに対する1本ずつを介して、メモリブロック200aおよび200bに書込まれる。
【0201】
転送コマンドに応答して、書込選択回路220aおよび220bに伝達される入力データは、転送スイッチ265aおよび265bによって、転送データバス251および252にもそれぞれ伝達される。転送データバス251および252にそれぞれ伝達された書込データは、転送スイッチ265cおよび265dのそれぞれを介して書込選択回路220cおよび220dへ伝達される。書込選択回路220cおよび220dは、ローカルデータ線LDLcおよびLDLdのうちの書込アドレスADDwに対する1本ずつを用いて、メモリブロック200cおよび200dのそれぞれに対してデータ書込を実行する。
【0202】
このような転送コマンドでは、複数のバンクに同一データを記憶させることができるので、一方のバンクを、サーバからのダウンロード時におけるキャッシュメモリとして用いることができる。すなわち、バンクBK<A>に対するライトコマンドを実行する一方で、ダウンロードされたデータをもう一方のバンクBK<B>に対するリードコマンドによって読出すことができるので、全体の動作を効率化することができる。
【0203】
また、転送先のバンクをバックアップ(ミラー)的に用いる場合に、そのバックアップデータを効率的に更新することができる。
【0204】
図20には、転送コマンドのみが入力されて、外部動作には影響を与えずにMRAMデバイス内部でデータ転送が実行される場合の動作が示される。
【0205】
図20を参照して、たとえばバンクBK<B>に対応するメモリブロック200cおよび200dからの読出データは、読出選択回路210cおよび210dから転送スイッチ260cおよび260dをそれぞれ介して転送データバス251および252に伝達される。転送データバス251および252に伝達されたデータは、転送スイッチ265aおよび265bによって書込選択回路220aおよび220dに伝達される。既に説明したように、転送コマンドのみの入力時には、読出ポート2に入力した読出アドレスADDrを用いて、転送元および転送先のバンクを指定するバンク制御信号が生成される。
【0206】
書込選択回路220aおよび220bは、ローカルデータ線LDLaおよびLDLbのうちの選択された1本ずつを用いて、メモリブロック200aおよび200bのそれぞれにおいて、読出アドレスADDrに対応するメモリセルに書込まれる。
【0207】
このように、外部からリードコマンドおよびライトコマンドのいずれも入力されていない場合にも、転送コマンドを入力することによって、一方のバンクからの読出データを、読出ポートから外部出力することなく、他方のバンクに書込むことが可能である。このような転送コマンドによって、一方のバンクの読出データを他のバンクに事前に転送して、当該他のバンクをバックアップ(ミラー)として動作させることができる。特に、このような転送コマンドを外部バスを使用することなく実行できるため、外部バスに接続する他のデバイスの動作を並列的に処理できる。
【0208】
また、外部への読出もしくは外部からの書込前に内部バンク間で事前転送を行なうことによって、バックアップとして動作するバンクに保持されるミラーデータを効率的に更新することができる。
【0209】
以上説明したように、実施の形態3に従うMRAMデバイスにおいては、データ読出およびデータ書込動作の一方のみが実行可能なメモリブロックによって構成されるが、周辺インターフェイス回路の構成を工夫することによって、読出ポートおよび書込ポートをそれぞれ独立に設けて、読出/書込のコンカレント処理を実現できる。さらに、内部に転送データバスを設けて転送コマンドを逐次実行することによって、複数のメモリブロックを備えたMRAMデバイスにおいて、バックアップデータの保持および更新を効率的に実行することができる。
【0210】
なお、実施の形態3においては、各メモリブロックで読出/書込されるデータのビット数を1(N=1)としたが、Nを複数とすることも可能である。この場合には、図13に示された転送データバス251および252をN本ずつ配置して、対応する転送スイッチ260a〜260d,265a〜265dのそれぞれについてもN個ずつ配置する必要がある。特に、各メモリブロックに設けられるローカルデータ線LDLa〜LDLdの各々の本数と、上記ビット数Nとが一致する設計とすれば、図14および図15に示したローカルデータ線の選択機能が不要となり、回路構成が簡略化される。
【0211】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0212】
【発明の効果】
請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置は、書込専用の第1のポートおよび読出専用の第2のポートとを用いて、データ読出およびデータ書込を同一サイクル内で並列に実行する読出/書込コンカレント処理が可能となる。
【0213】
請求項2に記載の薄膜磁性体記憶装置は、異なるアドレスにそれぞれ応じて読出選択線(ワード線)および書込選択線(ライトディジット線)を独立に選択可能な構成とすることによって、読出先および書込先が同一のビット線に対応するデータ読出およびデータ書込を除いて、請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果を享受することができる。
【0214】
請求項3に記載の薄膜磁性体記憶装置は、読出先および書込先が同一のビット線に対応する場合には、データ書込を以降のサイクルに延期して実行することができるので、請求項2に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、読出先および書込先が同一のビット線に対応するリードコマンドおよびライトコマンドを同一サイクルにおいて並列に指示できる。
【0215】
請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置は、ビット線に供給されるデータ書込電流の供給期間が短縮されているので、請求項2に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、データ書込時の消費電流量を抑制することができる。したがって、特に、複数のメモリセルへ並行にデータ書込を実行するような場合において低消費電力化を図ることができる。
【0216】
請求項5に記載の薄膜磁性体記憶装置は、請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、各々がデータ読出およびデータ書込の一方のみを実行可能な複数のメモリブロックによって、全体動作として読出/書込のコンカレント処理が可能である。
【0217】
請求項6および7に記載の薄膜磁性体記憶装置は、リードビット線とライトビット線とを独立に配置する構成とすることにより、データ読出およびデータ書込を同一サイクル内で並列に実行する読出/書込コンカレント処理が可能である。さらに、周辺回路の構成および制御を複雑化することなく、同一サイクルにおいて、同一ビット線に対応するメモリセル群を読出先および書込先とするリードコマンドおよびライトコマンドを並列に入力可能である。
【0218】
請求項8に記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ書込電流供給時以外の書込ビット線の状態を安定化できるので、請求項6に記載の薄膜磁性体記憶装置に加えて、動作の安定化を図ることができる。
【0219】
請求項9に記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ書込時に磁性体メモリセルに対して十分な磁界を作用させることが必要な書込ビット線を磁性体メモリセルに近接させて設けるので、請求項6に記載の薄膜磁性体記憶装置に加えて、必要なデータ書込電流量を抑制し低消費電力化を図ることができる。
【0220】
請求項10に記載の薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリブロックのうちの1つを、他の1つのメモリブロックのバックアップ(ミラー)用に使用する場合において、転送コマンドの実行によって当該バックアップデータの記憶処理を効率化することができる。
【0221】
請求項11に記載の薄膜磁性体記憶装置は、転送バスの配置によって、請求項10に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、通常のデータ読出もしくはデータ書込と並行して転送コマンドを実行することができる。
【0222】
請求項12に記載の薄膜磁性体記憶装置は、転送スイッチ部における転送バスとの間の接続を、対応するメモリブロックへのデータ読出/データ書込/転送指示の有無に応じて制御するので、請求項11に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、当該転送スイッチ部の構成を簡略化できる。
【0223】
請求項13に記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ書込およびデータ読出を指示するためのアドレスに基づいて、転送指示に対応するメモリブロックを指定することができる。したがって、請求項10記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、転送指示のためのアドレスを外部から入力するポートを設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に従うMRAMデバイスのアレイ構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されたライトディジット線ドライバの構成を示す回路図である。
【図3】図1に示されたワード線ドライバの構成を示す回路図である。
【図4】図1に示されたビット線ドライバの構成を示す回路図である。
【図5】実施の形態1に従うMRAMデバイスにおけるデータ読出動作およびデータ書込動作を具体的に説明する動作波形図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイスのアレイ構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態1の変形例に従うMRAMデバイスにおけるデータ書込およびデータ読出動作を具体的に説明する動作波形図である。
【図8】実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるメモリセルに対して設けられる信号線群の配置を示す回路図である。
【図9】実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるメモリセル構造を示す断面図である。
【図10】実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるメモリセル構造を示す上面図である。
【図11】実施の形態2に従うMRAMデバイスの全体構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるデータ読出動作およびデータ書込動作を具体的に説明する動作波形図である。
【図13】実施の形態3に従うMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図14】図13に示された読出選択回路の構成を示すブロック図である。
【図15】図13に示された書込選択回路の構成を示すブロック図である。
【図16】図14および図15に示されたバンク制御信号を生成するバンク制御回路の構成を示すブロック図である。
【図17】実施の形態3に従うMRAMデバイスの第1の動作例を示す概念図である。
【図18】実施の形態3に従うMRAMデバイスの第2の動作例を示す概念図である。
【図19】実施の形態3に従うMRAMデバイスの第3の動作例を示す概念図である。
【図20】実施の形態3に従うMRAMデバイスの第4の動作例を示す概念図である。
【図21】MTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【図22】MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図23】データ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【図24】MTJメモリセルからのデータ読出を説明する概念図である。
【図25】半導体基板上に作製されたMTJメモリセルの構造を説明する断面図である。
【図26】半導体基板上に作製されたMTJメモリセルの構造を説明する上面図である。
【符号の説明】
2 読出ポート、3 書込ポート、5r データ出力端子、5w データ入力端子、6r、6w アドレス端子、8,8♯ 周辺回路、10,10♯ メモリセルアレイ、20w ディジット線デコーダ、20r ワード線デコーダ、21ライトディジット線ドライバ、23 ワード線ドライバ、25 列デコーダ、30a,30b ビット線ドライバ、40 入力バッファ、50,50♯ ライトラッチ回路、60 ライトドライバ制御回路、70 基準電流発生回路、80,80♯ データ読出回路、81 電流供給トランジスタ、82,85 センスアンプ、90 リードラッチ回路、100,101,102,103 MRAMデバイス、111〜115,151〜155,161〜164 サイクル、135 アドレス比較部、140 キャッシュ転送部、200a〜200d メモリブロック、208 周辺インターフェイス回路、210a〜210d 読出選択回路、220a〜220d 書込選択回路、230,240,435 セレクタ、251,252 転送データバス、260a〜260d,265a〜265d転送スイッチ、400 バンク制御回路、410 リードコマンド制御回路、420 ライトコマンド制御回路、430 転送アドレス生成部、440,445,450 コマンド検出回路、460 転送アドレス設定回路、ADDr 読出アドレス,ADDw 書込アドレス、ATR アクセストランジスタ、BL ビット線、BLref 参照ビット線、CAr 読出コラムアドレス、CAw 書込コラムアドレス、CLK クロック信号、DIN 入力データ、DOUT 出力データ、GND 接地電圧、GRBa〜GRBd グローバル読出バス、GWBa〜GWBd グローバル書込バス、Is 読出電流、Iref 基準電流、LDLa〜LDLd ローカルデータ線、MC MTJメモリセル、RAr 読出ロウアドレス、RAw 書込ロウアドレス、RBL リードビット線、SLソース電圧線、TMR トンネル磁気抵抗素子、TW1,TW2 データ書込電流供給期間、Vcc 電源電圧、WBL ライトビット線、WDL ライトディジット線、WL ワード線、WTa0,WTa1,WTb0,WTb1 書込制御信号。

Claims (13)

  1. 磁気的に書込まれた記憶データを保持する複数の磁性体メモリセルを含むメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイ中の書込先を示す書込アドレスおよび前記書込先への書込データを受ける第1のポートと、
    前記メモリセルアレイ中の読出先を示す読出アドレスを受けるとともに、前記読出先からの読出データを出力する第2のポートと、
    前記読出アドレスおよび前記書込アドレスにそれぞれ基づいて、前記メモリセルアレイに対して、データ読出およびデータ書込を並列に実行する周辺回路とを備える、薄膜磁性体記憶装置。
  2. 前記複数の磁性体メモリセルは行列状に配置され、
    前記メモリセルアレイは、
    メモリセル行にそれぞれ対応して設けられた、複数の読出選択線および書込選択線と、
    メモリセル列にそれぞれ対応して設けられた複数のビット線とをさらに含み、
    前記周辺回路は、
    前記読出アドレスに応じて前記複数の読出選択線を選択的に活性化する第1のデコード回路と、
    前記書込アドレスに応じて前記複数の書込選択線を選択的に活性化する第2のデコード回路と、
    前記複数のビット線のうちの前記読出アドレスに応じて選択された1本を用いて、前記読出先から前記記憶データを読出すデータ読出回路と、
    前記複数のビット線のうちの前記書込アドレスに応じて選択された1本を用いて、前記書込先へ前記書込データを書込むデータ書込回路とを含む、請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  3. 前記周辺回路は、前記データ書込回路によって前記書込先に書込まれるまでの間、前記書込データをラッチデータとして一時的に保持するラッチ回路をさらに含み、
    前記データ書込回路は、並列に選択された前記読出先および前記書込先が同一のビット線に対応する場合には、前記書込先へのデータ書込を以降のサイクルへ延期し、
    前記周辺回路は、前記ラッチ回路に保持された前記ラッチデータに対応するアドレスが前記読出先に指定されたときに、前記ラッチデータを前記読出データとして前記第2のポートから出力する転送回路をさらに含む、請求項2に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  4. 前記データ書込回路は、前記複数のビット線のうちの前記書込アドレスに対応する選択ビット線へ、前記書込データに応じた第1のデータ書込電流を供給し、
    前記複数の書込選択線の各々は、活性化時に所定方向の第2のデータ書込電流の供給を受け、
    前記データ書込回路は、前記書込アドレスに対応する書込選択線へ前記第2のデータ書込電流の供給が開始された後に、前記第1のデータ書込電流の供給を開始し、前記第2のデータ書込電流の前記供給が終了する前に、前記第1のデータ書込電流の供給を終了する、請求項2に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  5. 前記メモリセルアレイは、複数のバンクに分割され、
    前記複数のバンクの各々は、前記データ読出および前記データ書込のいずれかを独立に実行可能であり、
    前記周辺回路は、前記複数のバンクのうちの1つに対する前記データ読出と、前記複数のバンクの他の1つに対する前記データ書込とを並列に実行する、請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  6. 磁気的に書込まれた記憶データを保持する複数の磁性体メモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイを備え、
    前記メモリセルアレイは、
    メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる、複数の読出選択線および書込選択線と、
    メモリセル列にそれぞれ対応して設けられ、各々が対応する前記メモリセル列の磁性体メモリセルと電気的に結合される複数の読出ビット線と、
    メモリセル列にそれぞれ対応して設けられ、各々が前記複数の磁性体メモリセルと電気的に非結合である複数の書込ビット線とをさらに含み、
    前記メモリセルアレイ中の書込先を示す書込アドレスおよび前記書込先への書込データを受ける第1のポートと、
    前記メモリセルアレイ中の読出先を示す読出アドレスを受けるとともに、前記読出先からの読出データを出力する第2のポートと、
    前記読出アドレスおよび前記書込アドレスにそれぞれ基づいて、前記メモリセルアレイに対して、データ読出およびデータ書込を並列に実行するための周辺回路とをさらに備え、
    前記周辺回路は、
    前記複数の読出ビット線のうちの前記読出アドレスに応じて選択された少なくとも1本を用いて、前記読出先から前記記憶データを読出すデータ読出回路と、
    前記複数の書込ビット線のうちの前記書込アドレスに応じて選択された少なくとも1本を用いて、前記書込先へ前記書込データを書込むデータ書込回路とを含む、薄膜磁性体記憶装置。
  7. 前記周辺回路は、
    前記読出アドレスに応じて前記複数の読出選択線を選択的に活性化する第1のデコード回路と、
    前記書込アドレスに応じて前記複数の書込選択線を選択的に活性化する第2のデコード回路とをさらに含む、請求項6に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  8. 前記データ書込回路は、前記複数の書込ビット線のうちの、前記書込先に対応する書込データ線に対して前記書込データに応じたデータ書込電流を供給するとともに、それ以外の書込ビット線の各々を接地電圧に固定する、請求項6に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  9. 前記複数のメモリセルの各々と前記複数の書込ビット線の対応する1本との距離は、前記複数のメモリセルの各々と前記複数の読出ビット線の対応する1本との距離よりも短い、請求項6に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  10. 各々が、行列状に配置されて磁気的に書込まれた記憶データを保持する複数の磁性体メモリセルを含む複数のメモリブロックを備え、
    前記複数のメモリブロックの各々は、データ読出およびデータ書込のいずれかを独立に実行可能であり、
    書込データおよび前記書込データの書込先を示す書込アドレスを受ける第1のポートと、
    読出先を示す読出アドレスを受けるとともに、前記読出先からの読出データを出力する第2のポートと、
    前記第1および第2のポートと前記複数のメモリブロックとの間に設けられ、前記複数のメモリブロックに対する前記データ読出および前記データ書込を制御する周辺回路とをさらに備え、
    前記周辺回路は、転送命令に応答して、前記複数のメモリブロックの1つに対応する前記読出データあるいは前記書込データを、前記複数のメモリブロックの他の1つへ書込むための転送回路を含む、薄膜磁性体記憶装置。
  11. 前記周辺回路は、
    前記複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、対応するメモリブロックからの前記読出データを伝達するための複数の読出バスと、
    前記複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、対応するメモリブロックへの前記読出データを伝達するための複数の書込バスと、
    前記書込アドレスに応じて、前記第1のポートから前記複数の書込バスへ前記書込データを選択的に伝達する第1のセレクタと、
    前記読出アドレスに応じて、前記複数の読出バスから前記第2のポートへ前記読出データを選択的に伝達する第2のセレクタとを含み、
    前記転送回路は、前記読出アドレスおよび前記書込アドレスの一方に基づいて選択された2つのメモリブロック間でデータを伝達するための転送バスを有する、請求項10に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  12. 前記複数のメモリブロックの各々は、前記転送バスを介して前記複数のメモリブロックの他の1つと接続され、
    前記周辺回路は、
    前記複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられる、複数のデータ読出回路およびデータ書込回路と、
    前記複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、各々が、対応するメモリブロックからのデータ読出指示および前記転送指示の有無に応じて、対応するデータ読出回路と、対応する読出バスおよび転送バスとの間の接続を制御する複数の第1の転送スイッチ部と、
    前記複数のメモリブロックにそれぞれ対応して設けられ、各々が、対応するメモリブロックへのデータ書込指示および前記転送指示の有無に応じて、対応するデータ書込回路と、対応する書込バスおよび転送バスとの間の接続を制御する複数の第2の転送スイッチ部とを有する、請求項11に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  13. 前記周辺回路は、前記転送命令の実行時に、転送先および転送元のメモリブロックを指定する転送制御回路をさらに含み、
    前記転送制御回路は、前記転送命令と並列に実行される前記データ書込および前記データ読出の有無に応じて、前記読出先に対応するメモリブロックおよび前記書込先に対応するメモリブロックの一方を、前記転送元のメモリブロックに指定する、請求項10に記載の薄膜磁性体記憶装置。
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