JP2004086726A - 食品冷却加温装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センター冷却加温ユニットで冷却された熱媒体と加温された熱媒体の両者を同時に生成することができ、この両者を端末冷却加熱ユニットで食品冷却及び食品加温に利用でき、熱効率のよい食品冷却加温装置を提供する。
【解決手段】センター冷却加温ユニット11の第1凝縮器111では加温された加温ブラインBが生成され、第1蒸発器114では冷却された冷却ブラインBが生成される。ここで、商品収容室2a内の食品をホット食品するときは、第2凝縮器111で加温された加温ブラインBを端末熱交換器121に循環して食品を加温する。これと同時に、商品収容室2b,2c内の食品をコールド食品とするときは、第2蒸発器114で冷却された冷却ブラインBを端末熱交換器122,123に循環して食品を冷却する。
【選択図】 図2
【解決手段】センター冷却加温ユニット11の第1凝縮器111では加温された加温ブラインBが生成され、第1蒸発器114では冷却された冷却ブラインBが生成される。ここで、商品収容室2a内の食品をホット食品するときは、第2凝縮器111で加温された加温ブラインBを端末熱交換器121に循環して食品を加温する。これと同時に、商品収容室2b,2c内の食品をコールド食品とするときは、第2蒸発器114で冷却された冷却ブラインBを端末熱交換器122,123に循環して食品を冷却する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動販売機等に収納された食品を冷却・加温する食品冷却加温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動販売機に収納された食品を冷却する装置としてフロン等の冷媒を循環させる冷却装置が用いられ、一方、食品を加温する装置として電熱ヒータが用いられている。即ち、コールド商品を販売するときは、これが収容されている商品収容室の蒸発器にフロン冷媒を循環するとともに、送風機を駆動して蒸発冷熱を商品収容室内に循環させている。一方、ホット商品を販売するときは、これが収容されている商品収容室の電熱ヒータに通電するとともに、送風機を駆動してヒータ発生熱を商品収容室内に循環させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の冷却装置では、商品収容室で熱交換した後は自動販売機外の空気と熱交換して熱エネルギーが外に排出されるため、その熱エネルギーの全てが自動販売機内で有効に利用されているものでないし、また、電熱ヒータを用いる加温装置では、熱エネルギー効率(COP)が1.0以下であり、これまた、電気エネルギーが有効に利用されていなかった。
【0004】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、センター冷却加温ユニットで冷却された液熱媒体と加温された液熱媒体の両者を同時に生成することができ、この両者を端末冷却加温ユニットで食品冷却及び食品加温に利用でき、熱効率のよい食品冷却加温装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る食品冷却加温装置は、圧縮機から吐出した冷媒を並列接続された複数の凝縮器、膨張手段、並列接続された複数の蒸発器に順に循環させるとともに、各凝縮器のうちの一つ及び各蒸発器のうちの一つは冷媒と熱媒体との間で熱交換する冷媒・熱媒体熱交換器で構成したセンター冷却加温ユニットと、冷媒・熱媒体熱交換器で構成された蒸発器の熱媒体又は冷媒・熱媒体熱交換器で構成された凝縮器の熱媒体を熱媒体移送手段の駆動により端末熱交換器に循環させ、熱媒体の冷却熱又は加温熱により食品収容部内の食品を冷却又は加温する端末冷却加温ユニットとを備えてなる。
【0006】
請求項1の発明によれば、センター冷却加温ユニットの凝縮器では加温された熱媒体が生成され、蒸発器では冷却された熱媒体が生成される。ここで、食品収容部内の食品をホット食品とするときは、凝縮器で加温された熱媒体を端末熱交換器に循環して食品を加温する。一方、食品収容部内の食品をコールド食品とするときは、蒸発器で冷却された熱媒体を端末熱交換器に循環して食品を冷却する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に係る食品冷却加温装置において、端末熱交換器は複数有し、一方の端末熱交換器は冷媒・熱媒体熱交換器で構成された蒸発器の熱媒体が循環する冷却熱媒体循環路に接続し、他方の端末熱交換器は冷媒・熱媒体熱交換器で構成された凝縮器の熱媒体が循環する加温熱媒体循環路に接続してなる。
【0008】
請求項2の発明によれば、センター冷却加温ユニットの蒸発器で冷却された熱媒体が冷却熱媒体循環路を通じて一方の端末熱交換器に循環し、食品収容部内の食品を冷却する。他方、センター冷却加温ユニットの凝縮器で加温された熱媒体が加温熱媒体循環路を通じて他方の端末熱交換器に循環し、食品収容部内の食品を加温する。このように、センター冷却加温ユニットで発生した熱、即ち吸熱及び放熱の両者が食品冷却及び食品加温に利用されるため、熱効率が向上する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に係る食品冷却加温装置において、端末熱交換器のうち少なくとも一つは、冷却熱媒体循環路と加温熱媒体循環路の両者に接続するとともに、冷却熱媒体循環路又は加温熱媒体循環路のいずれか一方の流通を規制し他方を開放する弁機構を有する構造となっている。これにより、弁機構の制御により一つの端末熱交換器が食品加温用又は食品冷却用のいずれにも用いることができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2記載の食品冷却加温装置において、端末冷却加温ユニットは、端末熱交換器に循環された熱媒体の冷却熱又は加温熱を食品収容部内に送風する送風手段を有する構造となっており、また、送風手段は、端末熱交換器に熱交換空気を送風する送風機と、熱交換した空気を食品収容部に案内するダクトと、ダクトを開閉するダンパとからなっている(請求項5の発明)。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5に係る食品冷却加温装置において、各蒸発器と各凝縮器は、冷媒・熱媒体熱交換器と、冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器とからなるとともに、冷媒・熱媒体熱交換器該と空気熱交換器の双方又は一方に冷媒が流れるように制御する他の弁機構を有する。
【0012】
請求項6の発明によれば、冷媒・熱媒体熱交換器の熱媒体を冷却用又は加熱用に使用するときは、冷媒・熱媒体熱交換器に冷媒を循環させればよい。一方、冷媒・熱媒体熱交換器の熱媒体を冷却用又は加熱用に使用しないときは、空気熱交換器に冷媒を循環させるようにすればよい。また、凝縮器や蒸発器における熱交換量を大きくするときは弁機構により冷媒・熱媒体熱交換器と空気熱交換器の双方に冷媒を循環させればよい。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6に係る食品冷却加温装置において、センター冷却加温ユニットの冷媒として炭化水素又は二酸化炭素を用いるとともに、センター冷却加温ユニットは自動販売機の機械室に設置し、端末冷却加熱ユニットの端末熱交換器は自動販売機の商品収容室に設置した構造となっている。
【0014】
請求項7の発明によれば、冷媒としてフロンを用いることなく炭化水素又は二酸化炭素を用いているので、地球環境に悪影響を与えることがない(オゾン破壊を起こすことなく)。また、冷媒として炭化水素を用いた場合には爆発燃焼等の危険がないわけではないが、炭化水素冷媒を使用するセンター冷却加温ユニットが自動販売機の機械室に設置しているため、炭化水素冷媒が漏れたとしてもこの冷媒が機械室の既存の開口から外部に排出され(冷媒ガス濃度の上昇が防止され)、冷媒ガスの爆発等が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明に係る食品冷却加温装置の一実施形態を示すもので、図1は食品冷却加温装置が搭載された自動販売機の内部概略構成図、図2は食品冷却加温装置の管路図である。
【0016】
先ず、自動販売機1の概略構造を図1を参照して説明する。自動販売機1は上下に仕切られており、上部には3部屋に分かれた商品収容室2a,2b,2cを有し、各商品収容室2a,2b,2c内に食品(例えば、缶飲料、ペットボトル飲料)を充填した商品コラム3a,3b,3cが設置されている。また、各商品収容室2a,2b,2c内には後述する食品冷却加温装置10の端末熱交換器121,122,123を設置する一方、自動販売機1の下部には機械室4を有し、機械室4には同じく後述する食品冷却加温装置10のセンター冷却加温ユニット11を設置している。
【0017】
このように構成された自動販売機1において食品を冷却及び加温する装置として食品冷却加温装置10を設置している。この食品冷却加温装置10は図2に示すようにセンター冷却加温ユニット11と端末冷却加温ユニット12とから構成されている。
【0018】
センター冷却加温ユニット11は、圧縮機110と、第1及び第2凝縮器111,112と、膨脹弁113と、第1及び第2蒸発器114,115とを有している。第1及び第2凝縮器111,112と第1及び第2蒸発器114,115はそれぞれ膨脹弁113と圧縮機110に対して並列に接続されている。これにより、センター冷却加温ユニット11の冷媒が圧縮機110→第1及び第2凝縮器111,112→膨脹弁113→第1及び第2蒸発器114,115→圧縮機110と順次循環し、ユニット11が冷凍サイクルを構成している。
【0019】
ここで、各凝縮器111,112と各蒸発器114,115のうちでその第1凝縮器111及び第1蒸発器114がそれぞれ液熱媒体、例えばブラインBがタンク111a,114a内に収容されたブライン熱交換器(冷媒・熱媒体熱交換器)となっており、各熱交換パイプ111b,114b内を通る冷媒とタンク111a,114a内に収容されたブラインBとの間で熱交換するようになっている。一方、第2凝縮器112及び第2蒸発器115は空気熱交換器となっており、熱交換パイプ112a,115aを通る冷媒と各送風機112b,115bの駆動で送風される空気との間で熱交換するようになっている。
【0020】
また、第1及び第2凝縮器111,112と第1及び第2蒸発器114,115の入口側には電磁弁116a,116b,116c,116dが設置され、各凝縮器111,112及び各蒸発器114,115への冷媒流通を開閉制御している。この各電磁弁116a〜116dを適宜開閉制御することにより、第1凝縮器111と第1蒸発器114の組み合わせ、第2凝縮器112と第2蒸発器115の組み合わせ、各凝縮器111,112と各蒸発器114,115の組み合わせ等、各種組み合わせで冷媒循環させることができる。ここで、使用冷媒として、例えばプロパン、ブタン等の炭化水素や二酸化炭素を用いている。
【0021】
端末冷却加温ユニット12は各商品収容室2a,2b,2cに設置された第1〜第3端末熱交換器121,122,123と、第1凝縮器111のタンク111aに接続した加温用ポンプ(熱媒体移送手段)124と、第1蒸発器114のタンク114aに接続した冷却用ポンプ(熱媒体移送手段)125とを有している。
【0022】
また、これらの機器を配管接続して、第1凝縮器111の加温ブラインBを第1端末熱交換器121に循環させる第1加温液循環路126a(図2の破線矢印)、第1凝縮器111の加温ブラインBを第2端末熱交換器122に循環させる第2加温液循環路126b(図2の破線矢印)、第1蒸発器114の冷却ブラインBを第1端末熱交換器121に循環させる第1冷却液循環路126c(図2の実線矢印)、第1蒸発器114の冷却ブラインBを第2端末熱交換器122に循環させる第2冷却液循環路126d(図2の実線矢印)、第1蒸発器114の冷却ブラインBを第3端末熱交換器123に循環させる第3冷却液循環路126e(図2の実線矢印)を形成している。
【0023】
ここで、第1〜第3端末熱交換器121,122,123は熱交換パイプ121a,122a,123aと送風機121b,122b,123bとを有し、熱交換パイプ121a,122a,123aを通るブラインBと商品収容室2の空気との間で熱交換するようになっている。
【0024】
また、第1加温液循環路126aで第1端末熱交換器121の加温ブラインBの入口側には電磁弁127a、第2加温液循環路126bで第2端末熱交換器122の加温ブラインBの入口側には電磁弁127b、第1冷却液循環路126cで第1端末熱交換器121の冷却ブラインBの入口側には電磁弁127c、第2冷却液循環路126dで第2端末熱交換器122の冷却ブラインBの入口側には電磁弁127d、第3冷却液循環路126eで第3端末熱交換器123の冷却ブラインBの入口側には電磁弁127eをそれぞれ設けている。これら各電磁弁127a〜127eを開閉制御することより、第1,2,3端末熱交換器121,122,123を第1,2加温液循環路126a,126bに接続し、或いは、第1,2,3冷却液循環路126c,126d,126eに接続する。
【0025】
本実施形態に係る食品冷却加温装置によれば、センター冷却加温ユニット11の冷媒として炭化水素冷媒や二酸化炭素冷媒を用い、フロン冷媒を用いていないため、地球環境に悪影響を与えることがない。また、炭化水素冷媒を用いるときはこれが漏れるとき爆発等の危険があるが、センター冷却加温ユニット11が機械室4に設置されているため、各送風機112b,115bの駆動等により漏れ冷媒が直ちに大気中に放出され、爆発等の危険がない。
【0026】
また、例えば第1端末熱交換器121では放熱作用を、第2及び第3端末熱交換器122,123では冷却作用を発揮させるときは、センター冷却加温ユニット11では電磁弁116a,116cを開として圧縮機110を駆動する。これにより、図2の実線矢印に示すように、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116a→第1凝縮器111→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。この冷媒循環により、ブラインBと冷媒との間で熱交換され、第1凝縮器111ではブラインBを加温し、第1蒸発器114ではブラインBを冷却する。
【0027】
一方、端末冷却加温ユニット12では電磁弁127a,127d,127eを開放し、第1加温液循環路126a及び第2,3冷却液循環路126d,126eのブライン流通を可能とする。そして、加温用ポンプ124と冷却用ポンプ125を駆動するとともに、各送風機121b,122b,123bを駆動する。これにより、第1凝縮器111の加温ブラインBが加温用ポンプ124→電磁弁127a→第1端末熱交換器121→第1凝縮器111と順次循環する(熱交換パイプ121aを通る図2の破線矢印)。この第1端末熱交換器121で加温ブラインBと商品収容室2aの空気との間で熱交換し、商品収容室2a内の食品が加温される。また、第1蒸発器114の冷却ブラインが冷却用ポンプ125→電磁弁127d→第2端末熱交換器122→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ122aを通る図2の実線矢印)。この第2端末熱交換器122で冷却ブラインBと商品収容室2aの空気との間で熱交換し、商品収容室2b内の食品が冷却される。更に、第1蒸発器114の冷却ブラインが冷却用ポンプ125→電磁弁127e→第3端末熱交換器123→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ123aを通る図2の実線矢印)。この第3端末熱交換器123で冷却ブラインBと商品収容室2cの空気との間で熱交換し、商品収容室2c内の食品が冷却される。
【0028】
このように、センター冷却加温ユニット11の第1凝縮器111で放熱された熱が商品収容室2a内の食品加温に利用され、第1蒸発器114で吸熱された冷熱が商品収容室2b,2c内の食品冷却に利用されているため、エネルギー効率が非常に優れたものとなっている。
【0029】
なお、第1,2端末熱交換器121,122では加温作用を、第3端末熱交換器123では冷却作用をそれぞれ発揮させるときは、電磁弁127a,127b,127eを開放して、第1加温液循環路126a及び第2加温液循環路126bを開放して第1,2端末熱交換器121,122に加温ブラインBを循環させ、一方、第3冷却液循環路126eに冷却ブラインBを循環させればよい。
【0030】
また、第1〜第3端末熱交換器121,122,123の全てに冷却作用を発揮させるときは、センター冷却加温ユニット11の電磁弁116b,116cを開く。これにより、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116b→第2凝縮器112→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。一方、端末冷却加温ユニット12では電磁弁127c,127d,127eを開いて第1〜第3冷却液循環路126c,126d,126eを開放し、冷却用ポンプ125及び各送風機121b,122b,123bを駆動する。これにより、第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却ポンプ125→各電磁弁127c,127d,127e→第1〜第3端末熱交換器121,122,123→第1蒸発器114と順次循環し、各商品収容室2a,2b,2cの全てが冷却され、全ての食品が冷却される。
【0031】
以上のように、各電磁弁116a〜116d,127a〜127eの開閉制御及び各ポンプ124,125の駆動制御により、商品収容室2a,2b,2cの食品を任意に冷却又は加温することができる。
【0032】
図3は本発明に係る食品冷却加温装置の第2実施形態を示すもので、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表す。第2実施形態のセンター冷却加温ユニット11は第1実施形態と同様の構成となっており、端末冷却加温ユニット13が異なっている。
【0033】
端末冷却加温ユニット13は第1及び第2端末熱交換器131,132と、加温用ポンプ133と、冷却用ポンプ134とを有している。各端末熱交換器131,132は熱交換パイプ131a,132aと送風機131b,132bとからなる。第1端末熱交換器131の熱交換パイプ131aは加温用ポンプ133を介して第1凝縮器111に接続し、加温用ポンプ133の駆動により第1凝縮器111の加温ブラインBが加温用ポンプ133→熱交換パイプ131a→第1凝縮器111と循環する加温液循環路135aを構成している。また、第2端末熱交換器132の熱交換パイプ132aは冷却用ポンプ134を介して第1蒸発器114に接続し、冷却用ポンプ135の駆動により第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却用ポンプ134→熱交換パイプ132a→第1蒸発器114と循環する冷却液循環路135bを構成している。
【0034】
また、端末冷却加温ユニット13は各端末熱交換器131,132で発生する冷却空気又は加熱空気を送風する第1及び第2送風手段136a,136bを有している。この第1及び第2送風手段136a,136bは、前記端末熱交換器131,132の各送風機131b,132bと、ダクト137a,137bと、ダンパ138a,138b,138c,138d,138eとを有している。
【0035】
ここで、第1送風手段136aのダクト137aは商品収容室2a,2bに連通するよう分岐してなり、各分岐ダクト139a,139bにはそれぞれダンパ138a,138bが設置されており、各ダンパ138a,138bにより分岐ダクト139a,139bが開閉されるようになっている。一方、第2送風手段136bのダクト137bは各商品収容室2a,2b,2cに連通するよう3つに分岐してなり、各分岐ダクト139c,139d,139eにはそれぞれダンパ138c,138d,138eが設置されており、各ダンパ138c,138d,138eにより各分岐ダクト139c,139d,139eが開閉されるようになっている。
【0036】
本実施形態によれば、商品収容室2aを加温し、商品収容室2b及び商品収容室2cを冷却するときは、前記第1実施形態と同様に、センター冷却加温ユニット11では電磁弁116a,116cを開として圧縮機110を駆動する。これにより、図3の実線矢印に示すように、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116a→第1凝縮器111→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。この冷媒循環により、ブラインBと冷媒との間で熱交換され、第1凝縮器111ではブラインBを加温し、第1蒸発器114ではブラインBを冷却する。
【0037】
一方、端末冷却加温ユニット13ではダンパ138a,138d,138eを開動作させて分岐ダクト139a,139d,139eを開放し、加温用ポンプ133と冷却用ポンプ134を駆動するとともに、送風機132a,132bを駆動する。これにより、第1凝縮器111の加温ブラインBが加温用ポンプ133→熱交換パイプ131a→第1凝縮器111と順次循環する(熱交換パイプ131aを通る図3の破線矢印)。この第1端末熱交換器131で加温ブラインBとダクト137aに流れる空気との間で熱交換し、加温空気が分岐ダクト139aを通じて商品収容室2aに送風され、商品収容室2a内の食品が加温される。また、第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却用ポンプ134→熱交換パイプ132a→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ132aを通る図3の実線矢印)。この第2端末熱交換器132で冷却ブラインBとダクト137bに流れる空気との間で熱交換し、冷却空気が分岐ダクト139d,139eを通じて商品収容室2b,2cに送風され、商品収容室2b,2c内の食品が冷却される。
【0038】
このように、前記第1実施形態と同様に、センター冷却加温ユニット11の第1凝縮器111で放熱された熱が商品収容室2a内の食品加温に利用され、第1蒸発器114で吸熱された冷熱が商品収容室2b,2c内の食品冷却に利用されているため、エネルギー効率が非常に優れたものとなっている。
【0039】
なお、各商品収容室2a,2b,2cの冷却加温制御において、ダンパ138a,138c,138eを開動作させて分岐ダクト139c,139d,139eを開放するときは、商品収容室2a,2bが加温される一方、商品収容室2cが冷却されることとなる。
【0040】
また、各商品収容室2a,2b,2cの全てを冷却するときは、前記第1実施形態と同様に、センター冷却加温ユニット11の電磁弁116b,116cを開く。これにより、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116b→第2凝縮器112→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。一方、端末冷却加温ユニット13ではダンパ138b,138d,138eを開動作させて分岐ダクト139c,139d,139eを開放するとともに、冷却用ポンプ134及び送風機132bを駆動する。これにより、第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却ポンプ134→熱交換パイプ132a→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ132aを通る図3の実線矢印)。この第2端末熱交換器132で冷却ブラインBとダクト137bに流れる空気との間で熱交換し、冷却空気が分岐ダクト139c,139d,139eを通じて商品収容室2a,2b,2cに送風され、商品収容室2a,2b,2c内の食品が冷却される。
【0041】
以上のように、各電磁弁116a〜116d及びダンパ138a〜127eの開閉制御及び各ポンプ133,134の駆動制御により、商品収容室2a,2b,2cの食品を任意に冷却又は加温することができる。
【0042】
なお、前記各実施形態では多数の食品を収納した商品収容室2a,2b,2c全体を冷却又は加温する例について説明したが、缶飲料やペットボトル飲料などを1個ずつ冷却又は加温するタイプの食品冷却加温装置であってもよいことは勿論である。また、前記各実施形態では熱媒体として液熱媒体である、ブラインを用いた例を説明したが、これ以外に水などを液熱媒体として使用しても良いし、また、熱媒体として二酸化炭素(C02)などの熱媒体(気体)を使用しても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、センター冷却加温ユニットの凝縮器で生成された加温熱媒体が食品加熱に利用され、蒸発器で生成された冷却熱媒体が食品冷却に利用されるため、熱効率に優れた食品冷却加温装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品冷却加温装置を搭載した自動販売機の内部概略構成図
【図2】本発明の第1実施形態に係る食品冷却加温装置の管路図
【図3】本発明の第2実施形態に係る食品冷却加温装置の管路図
【符号の説明】
1…自動販売機、2a,2b,2c…商品収容室、10…食品冷却加温装置、11…センター冷却加温ユニット、12,13…端末冷却加温ユニット、111…第1凝縮器、112…第2凝縮器、114…第1蒸発器、115…第2蒸発器、121…第1端末熱交換器、122…第2端末熱交換器、123…第3端末熱交換器、121b〜123b,131b,132b…送風機、126a…第1加温液循環路、126b…第2加温液循環路、126c…第1冷却液循環路、126d…第2冷却液循環路、126e…第3冷却液循環路、116a〜116d,127a〜127e…電磁弁、B…ブライン。
【発明の属する技術分野】
本発明は自動販売機等に収納された食品を冷却・加温する食品冷却加温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動販売機に収納された食品を冷却する装置としてフロン等の冷媒を循環させる冷却装置が用いられ、一方、食品を加温する装置として電熱ヒータが用いられている。即ち、コールド商品を販売するときは、これが収容されている商品収容室の蒸発器にフロン冷媒を循環するとともに、送風機を駆動して蒸発冷熱を商品収容室内に循環させている。一方、ホット商品を販売するときは、これが収容されている商品収容室の電熱ヒータに通電するとともに、送風機を駆動してヒータ発生熱を商品収容室内に循環させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の冷却装置では、商品収容室で熱交換した後は自動販売機外の空気と熱交換して熱エネルギーが外に排出されるため、その熱エネルギーの全てが自動販売機内で有効に利用されているものでないし、また、電熱ヒータを用いる加温装置では、熱エネルギー効率(COP)が1.0以下であり、これまた、電気エネルギーが有効に利用されていなかった。
【0004】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、センター冷却加温ユニットで冷却された液熱媒体と加温された液熱媒体の両者を同時に生成することができ、この両者を端末冷却加温ユニットで食品冷却及び食品加温に利用でき、熱効率のよい食品冷却加温装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る食品冷却加温装置は、圧縮機から吐出した冷媒を並列接続された複数の凝縮器、膨張手段、並列接続された複数の蒸発器に順に循環させるとともに、各凝縮器のうちの一つ及び各蒸発器のうちの一つは冷媒と熱媒体との間で熱交換する冷媒・熱媒体熱交換器で構成したセンター冷却加温ユニットと、冷媒・熱媒体熱交換器で構成された蒸発器の熱媒体又は冷媒・熱媒体熱交換器で構成された凝縮器の熱媒体を熱媒体移送手段の駆動により端末熱交換器に循環させ、熱媒体の冷却熱又は加温熱により食品収容部内の食品を冷却又は加温する端末冷却加温ユニットとを備えてなる。
【0006】
請求項1の発明によれば、センター冷却加温ユニットの凝縮器では加温された熱媒体が生成され、蒸発器では冷却された熱媒体が生成される。ここで、食品収容部内の食品をホット食品とするときは、凝縮器で加温された熱媒体を端末熱交換器に循環して食品を加温する。一方、食品収容部内の食品をコールド食品とするときは、蒸発器で冷却された熱媒体を端末熱交換器に循環して食品を冷却する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に係る食品冷却加温装置において、端末熱交換器は複数有し、一方の端末熱交換器は冷媒・熱媒体熱交換器で構成された蒸発器の熱媒体が循環する冷却熱媒体循環路に接続し、他方の端末熱交換器は冷媒・熱媒体熱交換器で構成された凝縮器の熱媒体が循環する加温熱媒体循環路に接続してなる。
【0008】
請求項2の発明によれば、センター冷却加温ユニットの蒸発器で冷却された熱媒体が冷却熱媒体循環路を通じて一方の端末熱交換器に循環し、食品収容部内の食品を冷却する。他方、センター冷却加温ユニットの凝縮器で加温された熱媒体が加温熱媒体循環路を通じて他方の端末熱交換器に循環し、食品収容部内の食品を加温する。このように、センター冷却加温ユニットで発生した熱、即ち吸熱及び放熱の両者が食品冷却及び食品加温に利用されるため、熱効率が向上する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に係る食品冷却加温装置において、端末熱交換器のうち少なくとも一つは、冷却熱媒体循環路と加温熱媒体循環路の両者に接続するとともに、冷却熱媒体循環路又は加温熱媒体循環路のいずれか一方の流通を規制し他方を開放する弁機構を有する構造となっている。これにより、弁機構の制御により一つの端末熱交換器が食品加温用又は食品冷却用のいずれにも用いることができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2記載の食品冷却加温装置において、端末冷却加温ユニットは、端末熱交換器に循環された熱媒体の冷却熱又は加温熱を食品収容部内に送風する送風手段を有する構造となっており、また、送風手段は、端末熱交換器に熱交換空気を送風する送風機と、熱交換した空気を食品収容部に案内するダクトと、ダクトを開閉するダンパとからなっている(請求項5の発明)。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5に係る食品冷却加温装置において、各蒸発器と各凝縮器は、冷媒・熱媒体熱交換器と、冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器とからなるとともに、冷媒・熱媒体熱交換器該と空気熱交換器の双方又は一方に冷媒が流れるように制御する他の弁機構を有する。
【0012】
請求項6の発明によれば、冷媒・熱媒体熱交換器の熱媒体を冷却用又は加熱用に使用するときは、冷媒・熱媒体熱交換器に冷媒を循環させればよい。一方、冷媒・熱媒体熱交換器の熱媒体を冷却用又は加熱用に使用しないときは、空気熱交換器に冷媒を循環させるようにすればよい。また、凝縮器や蒸発器における熱交換量を大きくするときは弁機構により冷媒・熱媒体熱交換器と空気熱交換器の双方に冷媒を循環させればよい。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6に係る食品冷却加温装置において、センター冷却加温ユニットの冷媒として炭化水素又は二酸化炭素を用いるとともに、センター冷却加温ユニットは自動販売機の機械室に設置し、端末冷却加熱ユニットの端末熱交換器は自動販売機の商品収容室に設置した構造となっている。
【0014】
請求項7の発明によれば、冷媒としてフロンを用いることなく炭化水素又は二酸化炭素を用いているので、地球環境に悪影響を与えることがない(オゾン破壊を起こすことなく)。また、冷媒として炭化水素を用いた場合には爆発燃焼等の危険がないわけではないが、炭化水素冷媒を使用するセンター冷却加温ユニットが自動販売機の機械室に設置しているため、炭化水素冷媒が漏れたとしてもこの冷媒が機械室の既存の開口から外部に排出され(冷媒ガス濃度の上昇が防止され)、冷媒ガスの爆発等が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明に係る食品冷却加温装置の一実施形態を示すもので、図1は食品冷却加温装置が搭載された自動販売機の内部概略構成図、図2は食品冷却加温装置の管路図である。
【0016】
先ず、自動販売機1の概略構造を図1を参照して説明する。自動販売機1は上下に仕切られており、上部には3部屋に分かれた商品収容室2a,2b,2cを有し、各商品収容室2a,2b,2c内に食品(例えば、缶飲料、ペットボトル飲料)を充填した商品コラム3a,3b,3cが設置されている。また、各商品収容室2a,2b,2c内には後述する食品冷却加温装置10の端末熱交換器121,122,123を設置する一方、自動販売機1の下部には機械室4を有し、機械室4には同じく後述する食品冷却加温装置10のセンター冷却加温ユニット11を設置している。
【0017】
このように構成された自動販売機1において食品を冷却及び加温する装置として食品冷却加温装置10を設置している。この食品冷却加温装置10は図2に示すようにセンター冷却加温ユニット11と端末冷却加温ユニット12とから構成されている。
【0018】
センター冷却加温ユニット11は、圧縮機110と、第1及び第2凝縮器111,112と、膨脹弁113と、第1及び第2蒸発器114,115とを有している。第1及び第2凝縮器111,112と第1及び第2蒸発器114,115はそれぞれ膨脹弁113と圧縮機110に対して並列に接続されている。これにより、センター冷却加温ユニット11の冷媒が圧縮機110→第1及び第2凝縮器111,112→膨脹弁113→第1及び第2蒸発器114,115→圧縮機110と順次循環し、ユニット11が冷凍サイクルを構成している。
【0019】
ここで、各凝縮器111,112と各蒸発器114,115のうちでその第1凝縮器111及び第1蒸発器114がそれぞれ液熱媒体、例えばブラインBがタンク111a,114a内に収容されたブライン熱交換器(冷媒・熱媒体熱交換器)となっており、各熱交換パイプ111b,114b内を通る冷媒とタンク111a,114a内に収容されたブラインBとの間で熱交換するようになっている。一方、第2凝縮器112及び第2蒸発器115は空気熱交換器となっており、熱交換パイプ112a,115aを通る冷媒と各送風機112b,115bの駆動で送風される空気との間で熱交換するようになっている。
【0020】
また、第1及び第2凝縮器111,112と第1及び第2蒸発器114,115の入口側には電磁弁116a,116b,116c,116dが設置され、各凝縮器111,112及び各蒸発器114,115への冷媒流通を開閉制御している。この各電磁弁116a〜116dを適宜開閉制御することにより、第1凝縮器111と第1蒸発器114の組み合わせ、第2凝縮器112と第2蒸発器115の組み合わせ、各凝縮器111,112と各蒸発器114,115の組み合わせ等、各種組み合わせで冷媒循環させることができる。ここで、使用冷媒として、例えばプロパン、ブタン等の炭化水素や二酸化炭素を用いている。
【0021】
端末冷却加温ユニット12は各商品収容室2a,2b,2cに設置された第1〜第3端末熱交換器121,122,123と、第1凝縮器111のタンク111aに接続した加温用ポンプ(熱媒体移送手段)124と、第1蒸発器114のタンク114aに接続した冷却用ポンプ(熱媒体移送手段)125とを有している。
【0022】
また、これらの機器を配管接続して、第1凝縮器111の加温ブラインBを第1端末熱交換器121に循環させる第1加温液循環路126a(図2の破線矢印)、第1凝縮器111の加温ブラインBを第2端末熱交換器122に循環させる第2加温液循環路126b(図2の破線矢印)、第1蒸発器114の冷却ブラインBを第1端末熱交換器121に循環させる第1冷却液循環路126c(図2の実線矢印)、第1蒸発器114の冷却ブラインBを第2端末熱交換器122に循環させる第2冷却液循環路126d(図2の実線矢印)、第1蒸発器114の冷却ブラインBを第3端末熱交換器123に循環させる第3冷却液循環路126e(図2の実線矢印)を形成している。
【0023】
ここで、第1〜第3端末熱交換器121,122,123は熱交換パイプ121a,122a,123aと送風機121b,122b,123bとを有し、熱交換パイプ121a,122a,123aを通るブラインBと商品収容室2の空気との間で熱交換するようになっている。
【0024】
また、第1加温液循環路126aで第1端末熱交換器121の加温ブラインBの入口側には電磁弁127a、第2加温液循環路126bで第2端末熱交換器122の加温ブラインBの入口側には電磁弁127b、第1冷却液循環路126cで第1端末熱交換器121の冷却ブラインBの入口側には電磁弁127c、第2冷却液循環路126dで第2端末熱交換器122の冷却ブラインBの入口側には電磁弁127d、第3冷却液循環路126eで第3端末熱交換器123の冷却ブラインBの入口側には電磁弁127eをそれぞれ設けている。これら各電磁弁127a〜127eを開閉制御することより、第1,2,3端末熱交換器121,122,123を第1,2加温液循環路126a,126bに接続し、或いは、第1,2,3冷却液循環路126c,126d,126eに接続する。
【0025】
本実施形態に係る食品冷却加温装置によれば、センター冷却加温ユニット11の冷媒として炭化水素冷媒や二酸化炭素冷媒を用い、フロン冷媒を用いていないため、地球環境に悪影響を与えることがない。また、炭化水素冷媒を用いるときはこれが漏れるとき爆発等の危険があるが、センター冷却加温ユニット11が機械室4に設置されているため、各送風機112b,115bの駆動等により漏れ冷媒が直ちに大気中に放出され、爆発等の危険がない。
【0026】
また、例えば第1端末熱交換器121では放熱作用を、第2及び第3端末熱交換器122,123では冷却作用を発揮させるときは、センター冷却加温ユニット11では電磁弁116a,116cを開として圧縮機110を駆動する。これにより、図2の実線矢印に示すように、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116a→第1凝縮器111→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。この冷媒循環により、ブラインBと冷媒との間で熱交換され、第1凝縮器111ではブラインBを加温し、第1蒸発器114ではブラインBを冷却する。
【0027】
一方、端末冷却加温ユニット12では電磁弁127a,127d,127eを開放し、第1加温液循環路126a及び第2,3冷却液循環路126d,126eのブライン流通を可能とする。そして、加温用ポンプ124と冷却用ポンプ125を駆動するとともに、各送風機121b,122b,123bを駆動する。これにより、第1凝縮器111の加温ブラインBが加温用ポンプ124→電磁弁127a→第1端末熱交換器121→第1凝縮器111と順次循環する(熱交換パイプ121aを通る図2の破線矢印)。この第1端末熱交換器121で加温ブラインBと商品収容室2aの空気との間で熱交換し、商品収容室2a内の食品が加温される。また、第1蒸発器114の冷却ブラインが冷却用ポンプ125→電磁弁127d→第2端末熱交換器122→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ122aを通る図2の実線矢印)。この第2端末熱交換器122で冷却ブラインBと商品収容室2aの空気との間で熱交換し、商品収容室2b内の食品が冷却される。更に、第1蒸発器114の冷却ブラインが冷却用ポンプ125→電磁弁127e→第3端末熱交換器123→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ123aを通る図2の実線矢印)。この第3端末熱交換器123で冷却ブラインBと商品収容室2cの空気との間で熱交換し、商品収容室2c内の食品が冷却される。
【0028】
このように、センター冷却加温ユニット11の第1凝縮器111で放熱された熱が商品収容室2a内の食品加温に利用され、第1蒸発器114で吸熱された冷熱が商品収容室2b,2c内の食品冷却に利用されているため、エネルギー効率が非常に優れたものとなっている。
【0029】
なお、第1,2端末熱交換器121,122では加温作用を、第3端末熱交換器123では冷却作用をそれぞれ発揮させるときは、電磁弁127a,127b,127eを開放して、第1加温液循環路126a及び第2加温液循環路126bを開放して第1,2端末熱交換器121,122に加温ブラインBを循環させ、一方、第3冷却液循環路126eに冷却ブラインBを循環させればよい。
【0030】
また、第1〜第3端末熱交換器121,122,123の全てに冷却作用を発揮させるときは、センター冷却加温ユニット11の電磁弁116b,116cを開く。これにより、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116b→第2凝縮器112→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。一方、端末冷却加温ユニット12では電磁弁127c,127d,127eを開いて第1〜第3冷却液循環路126c,126d,126eを開放し、冷却用ポンプ125及び各送風機121b,122b,123bを駆動する。これにより、第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却ポンプ125→各電磁弁127c,127d,127e→第1〜第3端末熱交換器121,122,123→第1蒸発器114と順次循環し、各商品収容室2a,2b,2cの全てが冷却され、全ての食品が冷却される。
【0031】
以上のように、各電磁弁116a〜116d,127a〜127eの開閉制御及び各ポンプ124,125の駆動制御により、商品収容室2a,2b,2cの食品を任意に冷却又は加温することができる。
【0032】
図3は本発明に係る食品冷却加温装置の第2実施形態を示すもので、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表す。第2実施形態のセンター冷却加温ユニット11は第1実施形態と同様の構成となっており、端末冷却加温ユニット13が異なっている。
【0033】
端末冷却加温ユニット13は第1及び第2端末熱交換器131,132と、加温用ポンプ133と、冷却用ポンプ134とを有している。各端末熱交換器131,132は熱交換パイプ131a,132aと送風機131b,132bとからなる。第1端末熱交換器131の熱交換パイプ131aは加温用ポンプ133を介して第1凝縮器111に接続し、加温用ポンプ133の駆動により第1凝縮器111の加温ブラインBが加温用ポンプ133→熱交換パイプ131a→第1凝縮器111と循環する加温液循環路135aを構成している。また、第2端末熱交換器132の熱交換パイプ132aは冷却用ポンプ134を介して第1蒸発器114に接続し、冷却用ポンプ135の駆動により第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却用ポンプ134→熱交換パイプ132a→第1蒸発器114と循環する冷却液循環路135bを構成している。
【0034】
また、端末冷却加温ユニット13は各端末熱交換器131,132で発生する冷却空気又は加熱空気を送風する第1及び第2送風手段136a,136bを有している。この第1及び第2送風手段136a,136bは、前記端末熱交換器131,132の各送風機131b,132bと、ダクト137a,137bと、ダンパ138a,138b,138c,138d,138eとを有している。
【0035】
ここで、第1送風手段136aのダクト137aは商品収容室2a,2bに連通するよう分岐してなり、各分岐ダクト139a,139bにはそれぞれダンパ138a,138bが設置されており、各ダンパ138a,138bにより分岐ダクト139a,139bが開閉されるようになっている。一方、第2送風手段136bのダクト137bは各商品収容室2a,2b,2cに連通するよう3つに分岐してなり、各分岐ダクト139c,139d,139eにはそれぞれダンパ138c,138d,138eが設置されており、各ダンパ138c,138d,138eにより各分岐ダクト139c,139d,139eが開閉されるようになっている。
【0036】
本実施形態によれば、商品収容室2aを加温し、商品収容室2b及び商品収容室2cを冷却するときは、前記第1実施形態と同様に、センター冷却加温ユニット11では電磁弁116a,116cを開として圧縮機110を駆動する。これにより、図3の実線矢印に示すように、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116a→第1凝縮器111→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。この冷媒循環により、ブラインBと冷媒との間で熱交換され、第1凝縮器111ではブラインBを加温し、第1蒸発器114ではブラインBを冷却する。
【0037】
一方、端末冷却加温ユニット13ではダンパ138a,138d,138eを開動作させて分岐ダクト139a,139d,139eを開放し、加温用ポンプ133と冷却用ポンプ134を駆動するとともに、送風機132a,132bを駆動する。これにより、第1凝縮器111の加温ブラインBが加温用ポンプ133→熱交換パイプ131a→第1凝縮器111と順次循環する(熱交換パイプ131aを通る図3の破線矢印)。この第1端末熱交換器131で加温ブラインBとダクト137aに流れる空気との間で熱交換し、加温空気が分岐ダクト139aを通じて商品収容室2aに送風され、商品収容室2a内の食品が加温される。また、第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却用ポンプ134→熱交換パイプ132a→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ132aを通る図3の実線矢印)。この第2端末熱交換器132で冷却ブラインBとダクト137bに流れる空気との間で熱交換し、冷却空気が分岐ダクト139d,139eを通じて商品収容室2b,2cに送風され、商品収容室2b,2c内の食品が冷却される。
【0038】
このように、前記第1実施形態と同様に、センター冷却加温ユニット11の第1凝縮器111で放熱された熱が商品収容室2a内の食品加温に利用され、第1蒸発器114で吸熱された冷熱が商品収容室2b,2c内の食品冷却に利用されているため、エネルギー効率が非常に優れたものとなっている。
【0039】
なお、各商品収容室2a,2b,2cの冷却加温制御において、ダンパ138a,138c,138eを開動作させて分岐ダクト139c,139d,139eを開放するときは、商品収容室2a,2bが加温される一方、商品収容室2cが冷却されることとなる。
【0040】
また、各商品収容室2a,2b,2cの全てを冷却するときは、前記第1実施形態と同様に、センター冷却加温ユニット11の電磁弁116b,116cを開く。これにより、圧縮機110の冷媒が、電磁弁116b→第2凝縮器112→膨張弁113→電磁弁116c→第1蒸発器114→圧縮機110と順次循環する。一方、端末冷却加温ユニット13ではダンパ138b,138d,138eを開動作させて分岐ダクト139c,139d,139eを開放するとともに、冷却用ポンプ134及び送風機132bを駆動する。これにより、第1蒸発器114の冷却ブラインBが冷却ポンプ134→熱交換パイプ132a→第1蒸発器114と順次循環する(熱交換パイプ132aを通る図3の実線矢印)。この第2端末熱交換器132で冷却ブラインBとダクト137bに流れる空気との間で熱交換し、冷却空気が分岐ダクト139c,139d,139eを通じて商品収容室2a,2b,2cに送風され、商品収容室2a,2b,2c内の食品が冷却される。
【0041】
以上のように、各電磁弁116a〜116d及びダンパ138a〜127eの開閉制御及び各ポンプ133,134の駆動制御により、商品収容室2a,2b,2cの食品を任意に冷却又は加温することができる。
【0042】
なお、前記各実施形態では多数の食品を収納した商品収容室2a,2b,2c全体を冷却又は加温する例について説明したが、缶飲料やペットボトル飲料などを1個ずつ冷却又は加温するタイプの食品冷却加温装置であってもよいことは勿論である。また、前記各実施形態では熱媒体として液熱媒体である、ブラインを用いた例を説明したが、これ以外に水などを液熱媒体として使用しても良いし、また、熱媒体として二酸化炭素(C02)などの熱媒体(気体)を使用しても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、センター冷却加温ユニットの凝縮器で生成された加温熱媒体が食品加熱に利用され、蒸発器で生成された冷却熱媒体が食品冷却に利用されるため、熱効率に優れた食品冷却加温装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品冷却加温装置を搭載した自動販売機の内部概略構成図
【図2】本発明の第1実施形態に係る食品冷却加温装置の管路図
【図3】本発明の第2実施形態に係る食品冷却加温装置の管路図
【符号の説明】
1…自動販売機、2a,2b,2c…商品収容室、10…食品冷却加温装置、11…センター冷却加温ユニット、12,13…端末冷却加温ユニット、111…第1凝縮器、112…第2凝縮器、114…第1蒸発器、115…第2蒸発器、121…第1端末熱交換器、122…第2端末熱交換器、123…第3端末熱交換器、121b〜123b,131b,132b…送風機、126a…第1加温液循環路、126b…第2加温液循環路、126c…第1冷却液循環路、126d…第2冷却液循環路、126e…第3冷却液循環路、116a〜116d,127a〜127e…電磁弁、B…ブライン。
Claims (7)
- 圧縮機から吐出した冷媒を並列接続された複数の凝縮器、膨張手段、並列接続された複数の蒸発器に順に循環させるとともに、該各凝縮器のうちの一つ及び該各蒸発器のうちの一つは冷媒と熱媒体との間で熱交換する冷媒・熱媒体熱交換器で構成したセンター冷却加温ユニットと、
前記冷媒・熱媒体熱交換器で構成された蒸発器の熱媒体又は前記冷媒・熱媒体熱交換器で構成された凝縮器の熱媒体を熱媒体移送手段の駆動により端末熱交換器に循環させ、熱媒体の冷却熱又は加温熱により食品収容部内の食品を冷却又は加温する端末冷却加温ユニットとを備えてなる
食品冷却加温装置。 - 前記端末熱交換器は複数有し、一方の端末熱交換器は前記冷媒・熱媒体熱交換器で構成された蒸発器の熱媒体が循環する冷却熱媒体循環路に接続し、他方の端末熱交換器は前記冷媒・熱媒体熱交換器で構成された凝縮器の熱媒体が循環する加温熱媒体循環路に接続してなる
ことを特徴とする請求項1記載の食品冷却加温装置。 - 前記端末熱交換器のうち少なくとも一つは、冷却熱媒体循環路と加温熱媒体循環路の両者に接続するとともに、該冷却熱媒体循環路又は加温熱媒体循環路のいずれか一方の流通を規制し他方を開放する弁機構を有する
ことを特徴とする請求項2記載の食品冷却加温装置。 - 前記端末冷却加温ユニットは、前記端末熱交換器に循環された熱媒体の冷却熱又は加温熱を食品収容部内に送風する送風手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の食品冷却加温装置。 - 前記送風手段は、前記端末熱交換器に熱交換空気を送風する送風機と、熱交換した空気を食品収容部に案内するダクトと、該ダクトを開閉するダンパとからなる
ことを特徴とする請求項4記載の食品冷却加温装置。 - 前記各蒸発器と各凝縮器は、前記冷媒・熱媒体熱交換器と、冷媒と空気との間で熱交換する空気熱交換器とからなるとともに、該冷媒・熱媒体熱交換器該と空気熱交換器の双方又は一方に冷媒が流れるように制御する他の弁機構を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の食品冷却加温装置。 - 前記センター冷却加温ユニットの冷媒として炭化水素又は二酸化炭素を用いるとともに、該センター冷却加温ユニットは自動販売機の機械室に設置し、端末冷却加熱ユニットの端末熱交換器は自動販売機の商品収容室に設置した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載の食品冷却加温装置。
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