JP2016138720A - ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機 - Google Patents

ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機 Download PDF

Info

Publication number
JP2016138720A
JP2016138720A JP2015014407A JP2015014407A JP2016138720A JP 2016138720 A JP2016138720 A JP 2016138720A JP 2015014407 A JP2015014407 A JP 2015014407A JP 2015014407 A JP2015014407 A JP 2015014407A JP 2016138720 A JP2016138720 A JP 2016138720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
medium
temperature
secondary medium
tertiary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015014407A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6506033B2 (ja
Inventor
粕谷 潤一郎
Junichiro Kasuya
潤一郎 粕谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Corp
Original Assignee
Sanden Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Holdings Corp filed Critical Sanden Holdings Corp
Priority to JP2015014407A priority Critical patent/JP6506033B2/ja
Publication of JP2016138720A publication Critical patent/JP2016138720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6506033B2 publication Critical patent/JP6506033B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)
  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Abstract

【課題】蒸気圧縮回路の冷媒の熱量を効率良く利用して加熱対象を加熱することにより、運転効率(COP)の改善を図ることができるヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】蒸気圧縮回路Rと、2次媒体回路M2と、加熱用熱交換器82を備えた3次媒体回路M3と、2次媒体加熱器29と、3次媒体加熱器61と、ペルチェ素子92と、ペルチェ素子の吸熱側と2次媒体回路の2次媒体とを熱交換させる吸熱側熱交換部、及び、ペルチェ素子の放熱側と3次媒体回路の3次媒体とを熱交換させる放熱側熱交換部を備えたペルチェ素子熱交換器63と、3次媒体を3次媒体加熱器に流すか、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に流すかを切り換える三方弁74を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、蒸気圧縮回路を用いて加熱対象を加熱するヒートポンプ装置、及び、当該ヒートポンプ装置により商品収納室内を加熱する自動販売機に関するものである。
従来より例えば自動販売機には、冷却専用の冷却専用室と、冷却及び加熱の切り換えが可能な冷温切換室等の複数の商品収納室が構成されており、このうち冷温切換室内を加熱する際、当該冷温切換室内に設けた蒸気圧縮回路の室内熱交換器にて高温でも凝縮する冷媒を放熱(凝縮:気相から液相の潜熱を活用)させ、一方、冷却専用室に設けた室内熱交換器や室外に設けた室外熱交換器では冷媒を蒸発させて吸熱するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
図20は高温でも凝縮する冷媒として例えばHFO1234yfを用いた自動販売機の蒸気圧縮回路のp−h線図を示している(外気温度は+15℃)。一般的な自動販売機の商品(缶飲料やペットボトル飲料)加熱温度である+55℃を実現する場合、冷温切換室の室内熱交換器の出口での冷媒の温度は+60℃となり、利用できるエンタルピ差と必要入力のエンタルピ差の比である理論上のCOP(運転効率)は、COP=利用できるエンタルピ差/必要入力のエンタルピ差=3.65となる。
特開2011−170441号公報 特開2012−88022号公報
ここで、近年の地球環境問題に対する関心の高まりから、自動販売機においても自然冷媒でオゾン破壊の危険性が無い二酸化炭素を使用することが期待されている。しかしながら、二酸化炭素を使用して自動販売機の商品加熱温度である+55℃を実現するためには、超臨界となった冷媒を活用しなければならず、この超臨界状態では前述のような潜熱を活用できない。
図21は蒸気圧縮回路の冷媒として二酸化炭素を用いた自動販売機のp−h線図を示している(外気温度は同じく+15℃)。同じく冷温切換室の室内熱交換器の出口温度を+60℃とすると、理論上のCOPは、COP=利用できるエンタルピ差/必要入力のエンタルピ差=1.83と悪化してしまう。
一方で、冷温切換室内を加熱した後、室内熱交換器から出た冷媒は、未だ+60℃程の温度を有している。従って、外気温度が+15℃であるものとすると、前述した高温でも凝縮する冷媒の場合には、図20のp−h線図にX1で示すように外気温度よりも高く、且つ、冷温切換室の加熱には使用していない熱量が残存している。
そして、二酸化炭素冷媒の場合は、図21にX2で示すように図20の場合よりも更に大量の熱量が残存している。冷温切換室を出た冷媒の温度は当該冷温切換室内を適温に維持できる程高くは無いが、外気温度よりは高い。この冷媒が有する熱量を利用できれば大幅な運転効率の改善が期待できる(尚、図20、図21の冷却専用室の室内熱交換器での冷媒蒸発温度は−5℃。図20の圧縮機入口冷媒過熱度は内部熱交換器により25Kに設定)。
他方、例えば給湯装置では放熱器で水流路の水を加熱した後の冷媒から、ペルチェ素子により熱を汲み上げ、水流路の水を加熱する案が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、単純に水を加熱した後の冷媒からペルチェ素子で熱を汲み上げるだけでは、図21のX2で示した熱量の一部しか利用することができない、即ち、ペルチェ素子を経た冷媒の温度が十分に下がるまで、その熱量を利用することができないと共に、例えペルチェ素子を経た冷媒の温度が十分に下がったとしてもペルチェ素子の吸熱側と放熱側の温度差が大きく、ペルチェ素子の効率が悪くなるという課題があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、蒸気圧縮回路の冷媒の熱量を効率良く利用して加熱対象を加熱することにより、運転効率(COP)の改善を図ることができるヒートポンプ装置、及び、それを用いた自動販売機を提供することを目的とする。
本発明のヒートポンプ装置は、冷媒を圧縮する圧縮機を備えた蒸気圧縮回路と、2次媒体を循環させる2次媒体ポンプ、及び、タンクを備えた2次媒体回路と、3次媒体を循環させる3次媒体ポンプ、及び、3次媒体を放熱させて加熱対象を加熱する加熱用熱交換器を備えた3次媒体回路と、圧縮機から吐出された高温冷媒と2次媒体回路を循環する2次媒体とを熱交換させる2次媒体加熱器と、2次媒体回路を循環する2次媒体と3次媒体回路を循環する3次媒体とを熱交換させる3次媒体加熱器と、ペルチェ素子と、このペルチェ素子の吸熱側と2次媒体回路を循環する2次媒体とを熱交換させる吸熱側熱交換部、及び、ペルチェ素子の放熱側と3次媒体回路を循環する3次媒体とを熱交換させるための放熱側熱交換部を備えたペルチェ素子熱交換器と、3次媒体を3次媒体加熱器に流すか、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に流すかを切り換える3次媒体弁装置と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明のヒートポンプ装置は上記発明において、圧縮機、各ポンプ、及び、3次媒体弁装置を制御する制御装置を備え、この制御装置は、各ポンプを運転し、タンク内の2次媒体の温度が所定の蓄熱開始温度まで低下した場合に圧縮機を起動し、2次媒体加熱器にて高温冷媒により2次媒体を加熱し、タンク内の2次媒体の温度が所定の蓄熱終了温度まで上昇した場合に圧縮機を停止し、圧縮機を運転している状態ではペルチェ素子を非通電とし、3次媒体加熱器に3次媒体を流して2次媒体により3次媒体を加熱し、加熱された当該3次媒体により加熱用熱交換器にて加熱対象を加熱すると共に、圧縮機が停止している状態で加熱対象の温度が所定のペルチェ起動温度まで低下した場合にペルチェ素子に通電し、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に3次媒体を流してペルチェ素子の放熱側により3次媒体を加熱し、加熱された当該3次媒体により加熱用熱交換器にて加熱対象を加熱し、吸熱側熱交換部にてペルチェ素子の吸熱側により2次媒体から吸熱することを特徴とする。
請求項3の発明のヒートポンプ装置は上記発明において、制御装置は、圧縮機を運転している状態では、2次媒体加熱器出口の2次媒体の温度が所定の2次媒体出口設定温度となるよう2次媒体ポンプの回転数を制御することを特徴とする。
請求項4の発明のヒートポンプ装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御装置は、3次媒体加熱器に3次媒体を流している場合、当該3次媒体加熱器における2次媒体の温度に応じ、当該2次媒体の温度が低い場合は高くするように3次媒体ポンプの回転数を制御することを特徴とする。
請求項5の発明のヒートポンプ装置は、請求項2又は請求項3の発明において、制御装置は、3次媒体加熱器に3次媒体を流している場合、加熱対象の温度に応じ、当該加熱対象の温度が低い場合は高くするように3次媒体ポンプの回転数を制御することを特徴とする。
請求項6の発明のヒートポンプ装置は、請求項2乃至請求項5の発明において、制御装置は、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に3次媒体を流している場合、当該放熱側熱交換部出口の3次媒体の温度が所定の3次媒体出口設定温度となるようペルチェ素子の通電電圧を制御することを特徴とする。
請求項7の発明のヒートポンプ装置は、請求項2乃至請求項5の発明において、制御装置は、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に3次媒体を流している場合、加熱対象の温度に応じ、当該加熱対象の温度が低い場合は高くするようにペルチェ素子の通電電圧を制御することを特徴とする。
請求項8の発明のヒートポンプ装置は、請求項2乃至請求項7の発明において、2次媒体回路は、タンクにおける2次媒体の流入と流出の向きを切り換える2次媒体弁装置を備え、制御装置は、圧縮機を運転している状態では、2次媒体弁装置によりタンクの上部から2次媒体を流入させて下部から流出させ、当該タンク下部の2次媒体の温度にて蓄熱終了温度を判定すると共に、圧縮機が停止している状態では、2次媒体弁装置によりタンクの下部から2次媒体を流入させて上部から流出させ、当該タンク上部の2次媒体の温度にて蓄熱開始温度を判定することを特徴とする。
請求項9の発明の自動販売機は、本体内に構成された商品収納室と、請求項1乃至請求項8のヒートポンプ装置を備え、加熱用熱交換器により商品収納室内を加熱することを特徴とする。
請求項10の発明の自動販売機は上記発明において、蒸気圧縮回路は、冷媒を蒸発させて商品収納室内を冷却する冷却用熱交換器を備え、制御装置は、圧縮機が停止している状態で、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室の温度が所定の冷却上限値まで上昇した場合は、当該圧縮機を起動することを特徴とする。
請求項11の発明の自動販売機は請求項9又は請求項10の発明において、蒸気圧縮回路は、室外熱交換器と、冷媒を蒸発させて商品収納室内を冷却する冷却用熱交換器を備え、制御装置は、圧縮機を運転している状態で、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室の温度が所定の冷却下限値まで低下したとき、冷却用熱交換器を迂回して冷媒を流す状態とし、室外熱交換器にて冷媒を蒸発させることを特徴とする。
請求項12の発明の自動販売機は、請求項10又は請求項11の発明において、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室内に蓄冷剤を設けたことを特徴とする。
請求項13の発明の自動販売機は上記発明において、制御装置は、夜間に圧縮機を運転してタンク内の2次媒体に蓄熱し、蓄冷剤に蓄冷するピークシフト運転を実行することを特徴とする。
請求項14の発明の自動販売機は、請求項10乃至請求項13の発明において、2次媒体回路は、2次媒体を冷却するための2次媒体冷却器を備え、制御装置は、加熱用熱交換器により商品収納室内を加熱する必要が無く、冷却用熱交換器により商品収納室内を冷却する場合に、2次媒体ポンプを運転し、2次媒体冷却器にて2次媒体を冷却することを特徴とする。
請求項15の発明の自動販売機は上記発明において、制御装置は、夜間に2次媒体冷却器で2次媒体を冷却し、タンク内の2次媒体に蓄冷するピークシフト運転を実行することを特徴とする。
請求項16の発明の自動販売機は、請求項10乃至請求項15の発明において、冷却及び加熱の切り換えが可能な商品収納室としての冷温切換室と、冷却専用の商品収納室としての冷却専用室を備え、冷却用熱交換器は冷温切換室及び冷却専用室に設けられ、加熱用熱交換器は冷温切換室に設けられることを特徴とする。
請求項17の発明のヒートポンプ装置又は自動販売機は上記各発明において、蒸気圧縮回路の冷媒として二酸化炭素を使用することを特徴とする。
本発明のヒートポンプ装置によれば、冷媒を圧縮する圧縮機を備えた蒸気圧縮回路と、2次媒体を循環させる2次媒体ポンプ、及び、タンクを備えた2次媒体回路と、3次媒体を循環させる3次媒体ポンプ、及び、3次媒体を放熱させて加熱対象を加熱する加熱用熱交換器を備えた3次媒体回路と、圧縮機から吐出された高温冷媒と2次媒体回路を循環する2次媒体とを熱交換させる2次媒体加熱器と、2次媒体回路を循環する2次媒体と3次媒体回路を循環する3次媒体とを熱交換させる3次媒体加熱器と、ペルチェ素子と、このペルチェ素子の吸熱側と2次媒体回路を循環する2次媒体とを熱交換させる吸熱側熱交換部、及び、ペルチェ素子の放熱側と3次媒体回路を循環する3次媒体とを熱交換させるための放熱側熱交換部を備えたペルチェ素子熱交換器と、3次媒体を3次媒体加熱器に流すか、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に流すかを切り換える3次媒体弁装置と、を備えているので、蒸気圧縮回路の高温冷媒で2次媒体を加熱し、この2次媒体で3次媒体を加熱しながらタンクに蓄熱し、3次媒体で加熱対象を加熱することができる。
また、このタンク内に貯えられた熱を、2次媒体の温度が比較的低温になるまでペルチェ素子で汲み上げ、加熱対象を加熱することが可能となり、蒸気圧縮回路の冷媒の熱量を効率良く利用して加熱対象を加熱し、運転効率(COP)を大幅に改善することが可能となる。特に、請求項17の如く二酸化炭素を蒸気圧縮回路の冷媒として使用する場合には、大量の熱をペルチェ素子により汲み上げることができるようになり、極めて有効である。更に、蒸気圧縮回路によりタンク内の2次媒体に蓄熱するため、圧縮機の運転停止の間隔が長くなり、頻繁な運転停止に伴うエネルギーロスも減少させることができるようになる利点もある。
この場合、請求項2の発明の如く、圧縮機、各ポンプ、及び、3次媒体弁装置を制御する制御装置を備え、この制御装置が、各ポンプを運転し、タンク内の2次媒体の温度が所定の蓄熱開始温度まで低下した場合に圧縮機を起動し、2次媒体加熱器にて高温冷媒により2次媒体を加熱し、タンク内の2次媒体の温度が所定の蓄熱終了温度まで上昇した場合に圧縮機を停止し、圧縮機を運転している状態ではペルチェ素子を非通電とし、3次媒体加熱器に3次媒体を流して2次媒体により3次媒体を加熱し、加熱された当該3次媒体により加熱用熱交換器にて加熱対象を加熱すると共に、圧縮機が停止している状態で加熱対象の温度が所定のペルチェ起動温度まで低下した場合にペルチェ素子に通電し、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に3次媒体を流してペルチェ素子の放熱側により3次媒体を加熱し、加熱された当該3次媒体により加熱用熱交換器にて加熱対象を加熱し、吸熱側熱交換部にてペルチェ素子の吸熱側により2次媒体から吸熱するようにすることにより、蓄熱開始温度を比較的低温の値とすることで、的確に外気温度よりも高く、且つ、加熱対象の加熱には適さない熱を利用することができるようになる。また、ペルチェ素子の通電開始当初は吸熱側と放熱側の温度差が小さいので、ペルチェ素子の運転効率も良好となる。
また、請求項3の発明の如く制御装置が、圧縮機を運転している状態では、2次媒体加熱器出口の2次媒体の温度が所定の2次媒体出口設定温度となるよう2次媒体ポンプの回転数を制御することにより、蒸気圧縮回路により的確に2次媒体を加熱して、加熱対象の加熱とタンク内への蓄熱を、迅速且つ効率的に行うことができるようになる。
また、請求項4の発明の如く制御装置が、3次媒体加熱器に3次媒体を流している場合、当該3次媒体加熱器における2次媒体の温度に応じ、当該2次媒体の温度が低い場合は高くするように3次媒体ポンプの回転数を制御するようにすれば、加熱用熱交換器に搬送される熱量を調整して、加熱対象を的確に加熱することが可能となる。
他方、請求項5の発明の如く制御装置が、3次媒体加熱器に3次媒体を流している場合、加熱対象の温度に応じ、当該加熱対象の温度が低い場合は高くするように3次媒体ポンプの回転数を制御するようにしてもよい。その場合も、加熱対象を円滑に加熱することが可能となる。
また、請求項6の発明の如く制御装置が、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に3次媒体を流している場合、当該放熱側熱交換部出口の3次媒体の温度が所定の3次媒体出口設定温度となるようペルチェ素子の通電電圧を制御するようにすれば、ペルチェ素子の通電を的確に制御して、効率的に2次媒体の熱を汲み上げ、3次媒体を加熱することが可能となる。
他方、請求項7の発明の如く制御装置が、ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に3次媒体を流している場合、加熱対象の温度に応じ、当該加熱対象の温度が低い場合は高くするようにペルチェ素子の通電電圧を制御するようにしてもよい。その場合は、ペルチェ素子の通電を加熱対象の温度により直接的に制御して、加熱対象の加熱を的確に行うことが可能となる。
また、請求項8の発明によれば請求項2乃至請求項7の発明に加えて、2次媒体回路に、タンクにおける2次媒体の流入と流出の向きを切り換える2次媒体弁装置を設け、制御装置が、圧縮機を運転している状態では、2次媒体弁装置によりタンクの上部から2次媒体を流入させて下部から流出させ、当該タンク下部の2次媒体の温度にて蓄熱終了温度を判定するようにしたので、タンク内全体の2次媒体に確実に蓄熱を行うことができるようになる。
また、圧縮機が停止している状態では、2次媒体弁装置によりタンクの下部から2次媒体を流入させて上部から流出させ、当該タンク上部の2次媒体の温度にて蓄熱開始温度を判定するようにしたので、タンク内全体に貯えられた2次媒体の熱量を有効に利用して加熱対象を加熱することができるようになる。
また、請求項9の発明の自動販売機は、本体内に構成された商品収納室と、請求項1乃至請求項8のヒートポンプ装置を備えており、加熱用熱交換器により商品収納室内を加熱するので、自動販売機の運転効率(COP)を大幅に改善することができるようになる。
また、請求項10の発明によれば、蒸気圧縮回路が冷媒を蒸発させて商品収納室内を冷却する冷却用熱交換器を備え、制御装置が、圧縮機が停止している状態で、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室の温度が所定の冷却上限値まで上昇した場合は、当該圧縮機を起動するので、蓄熱利用中でも冷却用熱交換器で冷却される商品収納室内の冷却を行うことができるようになる。
これにより、自動販売機に設けられる請求項16の発明の如き冷温切換室と冷却専用室の加熱と冷却を支障無く実現することができるようになり、自動販売機における商品の加熱及び冷却販売に極めて有効なものとなる。
また、請求項11の発明によれば、蒸気圧縮回路が、室外熱交換器と、冷媒を蒸発させて商品収納室内を冷却する冷却用熱交換器を備え、制御装置が、圧縮機を運転している状態で、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室の温度が所定の冷却下限値まで低下したとき、冷却用熱交換器を迂回して冷媒を流す状態とし、室外熱交換器にて冷媒を蒸発させるので、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室からの吸熱と外気からの吸熱を的確に切り換えて、タンクへの蓄熱を円滑に行うことができるようになる。
また、請求項12の発明の如く、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室内に蓄冷剤を設ければ、冷却用熱交換器による冷却で蓄冷剤に冷熱(潜熱)を貯えておき、蒸気圧縮回路の停止中は、この貯えられた冷熱によって商品収納室内を冷却することができるようになる。これにより、冷却用熱交換器により冷却される商品収納室の冷却のために圧縮機が起動される状況を削減し、更なる運転効率を向上を図ることが可能となる。
この場合、請求項13の発明の如く制御装置が、夜間に圧縮機を運転してタンク内の2次媒体に蓄熱し、蓄冷剤に蓄冷するピークシフト運転を実行するようにすれば、蓄冷剤とタンクの容量を昼間の冷却と加熱に見合う量に設定することで、電力消費の平準化と電気料金の低減を図ることも可能となる。
また、請求項14の発明によれば、請求項10乃至請求項13の発明に加えて、2次媒体回路が、2次媒体を冷却するための2次媒体冷却器を備え、制御装置が、加熱用熱交換器により商品収納室内を加熱する必要が無く、冷却用熱交換器により商品収納室内を冷却する場合に、2次媒体ポンプを運転し、2次媒体冷却器にて2次媒体を冷却するようにしたので、商品収納室内を加熱しない使用状態では、2次媒体冷却器で冷却された2次媒体をタンク内に貯え、この冷えた2次媒体によって圧縮機から吐出された高温冷媒を冷却することができるようになる。これにより、冷却用熱交換器で冷却される商品収納室内を効率良く冷却することができるようになる。
この場合も、請求項15の発明の如く制御装置が、夜間に2次媒体冷却器で2次媒体を冷却し、タンク内の2次媒体に蓄冷するピークシフト運転を実行することにより、夜間の安価な電力を使用してタンク内に冷えた2次媒体を貯えておき、昼間の圧縮機の運転効率の改善を図って電力の平準化と電気料金の低減を図ることが可能となるものである。
本発明を適用した一実施例のヒートポンプ装置を備えた自動販売機の正面図である。 図1の自動販売機の外扉を開いた状態の斜視図である。 図1の自動販売機に設けられたヒートポンプ装置の構成図である(実施例1)。 図3のヒートポンプ装置を構成するペルチェ素子に取り付けられる吸放熱ジャケットの正面図である。 図4の吸放熱ジャケットの側面図である。 図3の制御装置によるH−C−C室内吸熱蓄熱モードを説明するヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるH−C−C室外吸熱蓄熱モードを説明するヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるH−C−C室内吸熱蓄熱モードが終了するときのヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるH−C−C蓄熱直接利用モードを説明するヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるH−C−C蓄熱直接利用モードが終了するときのヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるH−C−C蓄熱昇温利用モードを説明するヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるH−C−C蓄熱昇温利用モードが終了するときのヒートポンプ装置の構成図である。 図3のヒートポンプ装置を構成する蒸気圧縮回路のp−h線図である。 図3のヒートポンプ装置の運転効率(COP)を説明する図である。 図3の制御装置によるH−H−C室内吸熱蓄熱モードを説明するヒートポンプ装置の構成図である。 図3の制御装置によるC−C−Cモードを説明するヒートポンプ装置の構成図である。 本発明を適用した他の実施例のヒートポンプ装置の構成図である(実施例2)。 本発明を適用したもう一つの他の実施例のヒートポンプ装置の構成図である(実施例3)。 本発明を適用した更にもう一つの他の実施例のヒートポンプ装置の構成図である(実施例4)。 高温で凝縮する冷媒を用いた自動販売機の冷媒回路のp−h線図である。 二酸化炭素を冷媒として用いた自動販売機の冷媒回路のp−h線図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1及び図2において、本発明の一実施例の自動販売機1は、鋼板製の外面材2Aとその内側に設けられた断熱材(図示せず)から構成された前面が開口する断熱箱体である本体2と、この本体2の前面を開閉自在に閉塞するよう一側(実施例では向かって左側)が本体2に回動自在に枢支された外扉3を備えている。
この外扉3の前面上部には商品サンプル室4が構成されており、この商品サンプル室4内に陳列された複数の各商品サンプルに対応して複数の商品選択スイッチ6が配置されている。また、商品サンプル室4の下側の外扉3前面には、広告パネル5が構成されており、この広告パネル5の下側の外扉3前面下部には商品取出口7が構成されている。
更に、外扉3前面の向かって右側(非枢支側)中央部には化粧パネル8が取り付けられており、この化粧パネル8内に位置して硬貨投入口9、返却レバー11が設けられている。また、この化粧パネル8の向かって左側の外扉3前面には、金額表示器12が取り付けられている。更に、この金額表示器12の下側の外扉3前面には紙幣識別装置(ビルバリ)14が取り付けられており、商品取出口7の向かって右側の外扉3前面には硬貨返却口13が構成されている。
一方、本体2内の上部には上面、左右面及び後面が前記断熱材で囲繞され、前面が開口した商品収納部16が構成されている。この商品収納部16は断熱性の収納部仕切板17によって左右方向三つの商品収納室に仕切られており、向かって右側から二つが冷温切換室15、25(何れも商品収納室)とされ、向かって左側が冷却専用室20(商品収納室)とされている。
尚、この冷却専用室20は各冷温切換室15、25よりも容積が大きい。これは冷却して販売する商品のほうが、加熱して販売する商品よりも一般的に多いからである。この仕切板17で仕切られた冷温切換室15、25、及び、冷却専用室20には、販売する商品が蛇行状の商品通路に収納されるサーペンタイン式の商品収納コラム18が前後方向及び左右方向にそれぞれ複数設けられている。
商品収納部16の前面には、それぞれ断熱性を有し、商品収納部16の前面開口の上部側を開閉するための上部側内扉21と、商品収納部16の前面開口の下部側を開閉するための下部側内扉22が設けられている。この下部側内扉22は本体2に回動自在に枢支されている。
また、下部側内扉22の下部には商品収納部16の各冷温切換室15、25及び冷却専用室20側と外扉3側とを連通する商品搬出口23が左右方向に並設されている。各商品搬出口23には開閉自在の搬出扉24が上縁を中心して回動自在に取り付けられており、前方に案内される商品に押されて回転し、商品搬出口23を開放して商品を商品取出口7に搬出する構成とされている。
他方、上部側内扉21は外扉3の商品サンプル室4の後側に対応して当該外扉3に取り付けられており、外扉3を開閉することにより、上部側内扉21によって商品収納部16の前面開口の上部側が開閉される構成とされている。更に、上部側内扉21は外扉3を開放した状態で、当該外扉3から独立して後方に開閉自在とされ、上部側内扉21を外扉3から後方に開いた状態で、商品サンプル室4内に陳列される商品サンプルを交換できるように構成されている。また、本体2内の下部には機械室26が形成されている。
次に、図3は自動販売機1に設けられた本発明の一実施例のヒートポンプ装置HPの構成図である。この図において、自動販売機1に設けられたヒートポンプ装置HPは、冷媒閉回路である蒸気圧縮回路Rと、この蒸気圧縮回路Rとは独立した媒体循環回路である2次媒体回路M2と3次媒体回路M3とから構成されている。図中27は蒸気圧縮回路Rを構成すると共に、冷媒を圧縮する圧縮機であり、機械室26内に設置されている。
圧縮機27の吐出側の配管28は2次媒体加熱器29の冷媒流路29Aに接続され、この冷媒流路29Aは配管31を介して膨張弁32の入口に接続されている。この膨張弁32の出口は機械室26内に設置された室外熱交換器33の入口に接続され、膨張弁32には並列に電磁弁34が接続されている。尚、36は室外熱交換器33に外気を通風するための室外送風機であり、機械室26内に設置されている。
室外熱交換器33の出口側の配管37は配管38〜41に分岐し、分岐した配管38は膨張弁42を介して右端の冷温切換室15内に設けられた冷却用熱交換器43の入口に接続され、配管39は膨張弁44を介して中央の冷温切換室25内に設けられた冷却用熱交換器46の入口に接続され、配管40は膨張弁47を介して冷却専用室20内に設けられた冷却用熱交換器48の入口に接続されている。
また、配管41は電磁弁49の入口に接続されている。これら冷却用熱交換器43、46、48、及び、電磁弁49の出口側の配管51、52、53、54は合流した後、圧縮機27の吸込側の配管56に接続されている。以上が蒸気圧縮回路Rの構成である。そして、この蒸気圧縮回路R内には冷媒として二酸化炭素が所定量封入されている。
次に、2次媒体回路M2は2次媒体ポンプ57を備えており、この2次媒体ポンプ57の吐出側の配管58は、2次媒体加熱器29の2次媒体流路29Bの入口に接続され、この2次媒体流路29Bの出口は配管59を介して3次媒体加熱器61の2次媒体流路61Aの入口に接続されている。この2次媒体流路61Aの出口は、配管62を介してペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aの入口に接続され、この2次媒体流路63Aの出口は、配管64を介して2次媒体弁装置としての四方弁66の第1のポート66Aに接続されている。
この四方弁66の第2のポート66Bは配管67を介してタンク68の上端部に接続され、配管67はタンク68内に連通されている。このタンク68は所定容量を有しており、機械室26内に設置されて図示しない断熱材により周囲から断熱されている。このタンク68の下端部には配管69が接続されて内部に連通されており、この配管69は四方弁66の第3のポート66Cに接続されている。そして、四方弁66の第4のポート66Dには、2次媒体ポンプ57の吸込側の配管71が接続されている。以上が2次媒体回路M2の構成である。そして、この2次媒体回路M2内には2次媒体としてブライン(エチレングリコール水溶液やプロピレングリコール水溶液など)が所定量封入されている。
次に、3次媒体回路M3は3次媒体ポンプ72を備えており、この3次媒体ポンプ72の吐出側の配管73は、3次媒体弁装置としての三方弁74の入口に接続され、この三方弁74の一方の出口は配管76を介して3次媒体加熱器61の3次媒体流路61Bの入口に接続され、この3次媒体流路61Bの出口は配管77に接続されている。この配管77は配管78と配管79に分岐し、配管78は電磁弁81を介して右端の冷温切換室15(加熱対象)内に設けられた加熱用熱交換器82の入口に接続され、配管79は電磁弁83を介して中央の冷温切換室25(加熱対象)内に設けられた加熱用熱交換器84の入口に接続されている。これら加熱用熱交換器82、84の出口側の配管86、87は合流した後、3次媒体ポンプ72の吸込側の配管88に接続されている。
三方弁74の他方の出口は配管89を介してペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63Bの入口に接続され、この3次媒体流路63Bの出口は、配管91を介して配管77に接続されている。以上が3次媒体回路M3の構成である。そして、この3次媒体回路M2内にも3次媒体としてブライン(エチレングリコール水溶液やプロピレングリコール水溶液など)が所定量封入されている。
また、図中92はペルチェ素子である。このペルチェ素子92はP型とN型の熱電半導体を電極に半田付けした構造であり、直流電流を流すと一方の接合面から熱を吸収して他方の接合面へ熱を運ぶ所謂ペルチェ効果を利用した素子である。実施例ではペルチェ素子92の熱を吸収する側を吸熱側92A、熱を放出する側を放熱側92Bとし、それぞれに図4、図5に示す吸放熱ジャケット93を取り付けている。
そして、各吸放熱ジャケット93、93がペルチェ素子熱交換器63を構成する。吸放熱ジャケット93はアルミニウムなどから成るヒートシンク93Aと、その内部に構成された流路93Bから成り、ペルチェ素子92の吸熱側92Aに取り付けられた吸放熱ジャケット93の流路93Bが前記2次媒体流路63Aを構成し、この吸熱側92Aに取り付けられた吸放熱ジャケット93がペルチェ素子熱交換器63の吸熱側熱交換部を構成する。また、ペルチェ素子92の放熱側92Bに取り付けられた吸放熱ジャケット93の流路93Bが前記3次媒体流路63Bを構成し、この放熱側92Bに取り付けられた吸放熱ジャケット93がペルチェ素子熱交換器63の放熱側熱交換部を構成するものである。
尚、各冷温切換室15、25、及び、冷却専用室20内には、各冷却用熱交換器43、46、48や各加熱用熱交換器82、84と熱交換した空気を各室内に循環するための室内送風機94、96、97がそれぞれ設けられている。
また、図3においてCは汎用マイクロコンピュータから構成された制御装置であり、前記各冷温切換室15、25、及び、冷却専用室20内の温度をそれぞれ検出する温度センサ98、99、101や、前記2次媒体加熱器29の2次媒体流路29Bの出口の配管59に取り付けられて2次媒体加熱器29の出口の2次媒体の温度を検出する温度センサ102、タンク68の上部と下部の2次媒体の温度をそれぞれ検出する温度センサ103、104、ペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63B出口の3次媒体の温度を検出する温度センサ107、圧縮機27の吐出圧力を検出する圧力センサ106の出力に基づき、圧縮機27や室外送風機36、各室内送風機94、96、97、各ポンプ57、72の運転を制御すると共に、各膨張弁32、42、44、47の弁開度を制御し、各電磁弁34、49、81、83を開閉制御する。更に、制御装置Cは四方弁66と三方弁74を切り換え制御すると共に、ペルチェ素子92の通電電圧を制御する。特に、制御装置Cはインバータを用いて圧縮機27の運転周波数を制御する共に、各ポンプ57、72の回転数を制御する。
以上の構成で、次に図6乃至図16を参照しながらこの実施例の自動販売機1のヒートポンプ装置HPの動作を説明する。尚、各図において、塗りつぶしで示す電磁弁や膨張弁は閉又は全閉状態であり、白抜きで示す電磁弁や膨張弁は開又は弁開度制御状態(全閉では無い状態)を示しているものとする。また、塗りつぶしで示す圧縮機27や各送風機は停止しており、白抜きで示す場合は運転しているものとする。更に、三方弁74は塗りつぶした出口は閉じており、白抜きは開いているものとする。
(1)H−C−C室内吸熱蓄熱モード
先ず、中央の冷温切換室25内を冷却(C)し、右端の冷温切換室15内を加熱(H)して使用する場合で、冷却専用室20(C)及び冷温切換室25を冷やしているモードについて説明する。この場合、制御装置Cは図6に示すH−C−C室内吸熱蓄熱モードを実行する。このH−C−C室内吸熱蓄熱モードは、冷却専用室20及び冷温切換室25内の温度が所定の冷却下限値以上であり、タンク68内にも後述する如き蓄熱が終了していない場合のモードである。
この場合、制御装置Cは膨張弁42の弁開度を全閉とする。また、電磁弁49、83を閉じ、電磁弁34、81を開き、膨張弁44、47を開いてその弁開度を制御する。更に、四方弁66は第1のポート66Aと第2のポート66Bを連通し、第3のポート66Cと第4のポート66Dを連通する状態とし、三方弁74は一方の出口を開く状態とする。
そして、制御装置Cは圧縮機27、各送風機94、96、97、各ポンプ57、72を運転する。また、ペルチェ素子92は非通電とし、送風機36は停止状態とする。この場合、制御装置Cは圧力センサ106の出力に基づき、圧縮機27の吐出圧力(蒸気圧縮回路Rの高圧側圧力)が所定の値(例えば、12MPa)となるように圧力センサ27の運転周波数を制御し、弁開度を制御している膨張弁(全閉のものを除く)、この場合は膨張弁44、47(後述する室外吸熱中は膨張弁32)の弁開度を制御する。即ち、制御装置Cは圧縮機27の吐出圧力が高い場合は圧縮機27の運転周波数を下げ、及び/又は、膨張弁の弁開度を拡大し、吐出圧力が低い場合は圧縮機27の運転周波数を上げ、及び/又は、膨張弁の弁開度を縮小させる制御を行う。
また、この実施例では制御装置Cは温度センサ102の出力に基づき、2次媒体加熱器29の出口の2次媒体の温度が所定の2次媒体出口設定温度(例えば、+90℃)となるように2次媒体ポンプ57の回転数を制御する。即ち、2次媒体加熱器29の出口の2次媒体の温度が2次媒体出口設定温度より低い場合は2次媒体ポンプ57の回転数を下げ、高い場合は上げる制御を行う。
尚、制御装置Cは圧縮機27が停止しているときは、2次媒体ポンプ57を一定の回転数で運転する。2次媒体ポンプ57が運転されると、2次媒体57は配管58に吐出された後、2次媒体加熱器29の2次媒体流路29B、3次媒体加熱器61の2次媒体流路61A、ペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aを順次通過し、四方弁66を経て配管67からタンク68内の上部に流入する。そして、タンク68内下部の2次媒体は配管69に流出し、四方弁66を経て配管71から2次媒体ポンプ57に吸い込まれる循環を行う。
また、この実施例では制御装置Cは3次媒体ポンプ72を運転する場合、冷温切換室15(25)内の温度に応じて当該3次媒体ポンプ72の回転数を制御する。この3次媒体ポンプ72が運転されると、3次媒体は配管73に吐出された後、三方弁74の一方の出口が開いているときには配管76を経て3次媒体加熱器61の3次媒体流路61Bを通過し、配管77及び電磁弁81を経て加熱用熱交換器82に流入する(冷温切換室25も加熱するモードでは電磁弁83を経て加熱用熱交換器84にも流入する)。
加熱用熱交換器82(冷温切換室25も加熱するモードでは加熱用熱交換器84も同様)を出た3次媒体は配管88から3次媒体ポンプ72に吸い込まれる循環を行う。尚、三方弁74の他方の出口が開いているときには、3次媒体は配管89を経てペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63Bを通過し、配管77に流入することになる。
前述した如く、この実施例で制御装置Cは冷温切換室15(25)内の温度に応じて当該3次媒体ポンプ72の回転数を制御するものであるが、その場合、3次媒体加熱器61に3次媒体を流している状態で、制御装置Cは冷温切換室15(25)内の温度を温度センサ98や99で検出し、室内の温度が低い場合は3次媒体ポンプ72の回転数を高くし、逆に室内の温度が高い場合には3次媒体ポンプ72の回転数を低くする方向で制御する。即ち、冷温切換室15(25)内の温度が低いときは加熱用熱交換器82(84)に流す3次媒体の量を増やし、高いときには減らすことで、冷温切換室15(25)内を円滑に加熱することができるようにする。
また、制御装置Cは各室15、25、20を加熱又は冷却中のみ各送風機94、96、97を運転する。上記の如き電磁弁や膨張弁の制御、圧縮機27の運転周波数制御、各送風機や各ポンプの運転制御、ペルチェ素子92の通電制御は他のモードにおいても共通するものである。
制御装置Cにより圧縮機27が運転されると、圧縮機27は二酸化炭素冷媒を超臨界状態まで圧縮し、配管28に吐出する。この圧縮機27から吐出された高温高圧の冷媒(ガス)の温度は+100℃程であり、配管28から2次媒体加熱器29の冷媒流路29Aに流入し、そこで2次媒体流路29Bを流れる2次媒体を加熱する。この2次媒体加熱器29で2次媒体と熱交換した冷媒は配管31に流出する。このときの冷媒の温度は+25℃程に低下しており、図6に矢印で示す如く電磁弁34を経て室外熱交換器33に流入する。
このとき、送風機36は停止しているので、冷媒は室外熱交換器33を通過して配管37に流出し、そこから配管39、40に分流して各膨張弁44、47に至る。冷媒は各膨張弁44、47で絞られて減圧された後、各冷却用熱交換器46、48に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で各送風機96、97で循環される冷温切換室25及び冷却専用室20内の空気が冷却され、各室内の商品が冷却される。そして、各冷却用熱交換器46、48を出た冷媒は合流し、配管56を経て圧縮機27に吸い込まれる循環を繰り返す。
一方、2次媒体ポンプ57から配管58に吐出された+20℃程の温度の2次媒体は、2次媒体加熱器29の2次媒体流路29Bに流入し、そこで冷媒流路29Aを流れる高温冷媒と熱交換する。この熱交換で+90℃程に加熱された2次媒体は配管59に流出し、次に3次媒体加熱器61の2次媒体流路61Aに流入する。2次媒体はそこで3次媒体流路61Bを流れる3次媒体と熱交換し、3次媒体を加熱する。
この3次媒体加熱器61で3次媒体を加熱した2次媒体は配管62に流出する。このときの2次媒体の温度は+80℃程に低下している。配管62に流出した2次媒体は次にペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aに流入し、この場合ペルチェ素子92は非通電であるので、そこを通過して配管64に流入する。2次媒体はこの配管64を経て四方弁66に至り、図6中矢印の如く配管67を経てタンク68の上部から当該タンク68内に流入する。
ここで、タンク68内の2次媒体の温度は以前低い状態であり、このタンク68内下部の+20℃程の2次媒体はタンク68の下部から配管69に流出し、四方弁66を経て図6中矢印の如く配管71に流入し、2次媒体ポンプ57に吸引される循環を繰り返す。
他方、3次媒体ポンプ72から配管73に吐出された3次媒体は、三方弁74を経て配管76に流出する。そして、この配管76から3次媒体加熱器61の3次媒体流路61Bに流入し、そこで2次媒体流路61Aを流れる2次媒体と熱交換する。この熱交換で3次媒体は加熱され、+60℃程の温度から冷温切換室15内を良好に加熱(加温)することができる+65℃程まで温度上昇する。そして、この加熱された3次媒体は配管77に流出し、配管78、電磁弁81を経て加熱用熱交換器82に流入する。
この加熱用熱交換器82に流入した+65℃程の温度の3次媒体により、送風機94で循環される冷温切換室15内の空気が加熱され、当該冷温切換室15内の商品が加熱される。この加熱用熱交換器82での熱交換によって+60℃程に温度が低下した3次媒体は配管86に流出し、配管88を経て3次媒体ポンプ72に吸引される循環を繰り返す。
(2)H−C−C室外吸熱蓄熱モード
上記の如きH−C−C室内吸熱蓄熱モードを実行している間に、冷温切換室25と冷却専用室20内の温度が冷却下限値まで低下した場合、制御装置Cは図7に示すH−C−C室外吸熱蓄熱モードに移行する。このモードで制御装置Cは、各室25、20の膨張弁44、47を全閉とし、電磁弁34を閉じ、電磁弁49を開く。また、送風機96、97を停止し、送風機36を運転する。
これにより、各冷却用熱交換器46、48への冷媒の流入は停止すると共に、2次媒体加熱器29の冷媒流路29Aを出た冷媒は、図7に矢印で示す如く膨張弁32に流れ、この膨張弁32で絞られた後、室外熱交換器33に入って蒸発し、電磁弁49を通ることで各冷却用熱交換器46、48を迂回して圧縮機27に吸い込まれるようになる。冷却用熱交換器46、48への冷媒の流入が停止することにより各室25、20内の冷却は停止する。また、室外熱交換器33で冷媒が蒸発することにより、送風機36で送風される外気から冷媒は吸熱することになる。
(3)H−C−C室内吸熱蓄熱モードの終了
図7の如きH−C−C室外吸熱蓄熱モードにおいて、冷温切換室25、又は、冷却専用室20内の温度が冷却上限値以上になった場合、制御装置Cは再び図6の如きH−C−C室内吸熱蓄熱モードに戻り、以後タンク68への蓄熱が終了するまでこれを繰り返す。そして、制御装置Cは図8に示す如く、温度センサ104が検出するタンク68の下部の2次媒体の温度が所定の蓄熱終了温度(例えば+80℃)まで上昇した場合、タンク68への蓄熱が完了したものと判定して、H−C−C室内吸熱蓄熱モードとH−C−C室外吸熱蓄熱モードを終了する。
(4)H−C−C蓄熱直接利用モード
以上のようにタンク68への蓄熱が終了した状態では、タンク68内の全体の2次媒体の温度が+80℃になっている。このようにしてタンク68内に蓄熱を完了した場合、制御装置Cは図9に示すH−C−C蓄熱直接利用モードに移行する。このH−C−C蓄熱直接利用モードで制御装置Cは、圧縮機27を停止し、2次媒体ポンプ57は一定の回転数で運転し、3次媒体ポンプ72は前述した回転数制御を行う。また、四方弁66を切り換え、第1のポート66Aと第3のポート66Cを連通し、第2のポート66Bと第4のポート66Dを連通する状態として、2次媒体がタンク68の下部から当該タンク68内に流入し、上部から流出するようにする。尚、この時点ではペルチェ素子92は未だ通電しない。
即ち、このモードでは蒸気圧縮回路Rの圧縮機27は停止した状態で、タンク68に貯えられた2次媒体の熱量を直接利用し、3次媒体加熱器61で3次媒体回路M3を循環する3次媒体を引き続き加熱し、冷温切換室15内の加熱を行うことになる。このとき、2次媒体加熱器29での2次媒体の加熱を行われなくなるので、2次媒体流路29Bを出た2次媒体の温度は変わらず、+80℃のまま3次媒体加熱器61の2次媒体流路61Aに流入することになる。そのため、この3次媒体加熱器61で3次媒体と熱交換した2次媒体は、+80℃より温度低下した後(図9では+75℃)、2次媒体流路61Aから流出することになる。
尚、図9では各室25、20内が十分に冷えていて冷却が行われていない状態を示しているが、この状態で各室25、20内の温度が冷却上限値以上になった場合、制御装置Cは圧縮機27を起動し、膨張弁44、47を開いて各室25、20内の冷却を行う。そして、各室25、20内が再び冷却下限値以下に冷却されたら、制御装置Cは圧縮機27を停止する図9の状態に戻ることになる。
(5)H−C−C蓄熱直接利用モードの終了
図9の如きH−C−C蓄熱直接利用モードを実行することにより、タンク68内の2次媒体の熱量は冷温切換室15の加熱のために費やされ、2次媒体の温度は徐々に低下していく。そして、3次媒体加熱器61の2次媒体流路61Aを出た2次媒体の温度が図10に示す如く+70℃程までに低下するようになると、十分に3次媒体を加熱することができなくなり、3次媒体ポンプ72の回転数を上げても、冷温切換室15内の温度は徐々に低下していくようになる。
そして、温度センサ98の出力に基づき、冷温切換室15内の温度が加熱下限値(+52℃)より少許高い所定のペルチェ起動温度(例えば+55℃)まで低下した場合、制御装置Cはタンク68内に貯えられた熱量を直接利用するだけでは冷温切換室15内を十分に加熱できなくなったものと判断して、H−C−C蓄熱直接利用モードを終了する。
(6)H−C−C蓄熱昇温利用モード
上記のように3次媒体ポンプ72の回転数を上げているにも拘わらず、冷温切換室15内の温度がペルチェ起動温度(例えば+55℃)まで低下した場合、制御装置Cは図11に示すH−C−C蓄熱昇温利用モードに移行する。このH−C−C蓄熱昇温利用モードで制御装置Cは、圧縮機27を停止したまま(各室25、20内が十分冷えているものとする)、各ポンプ57、72は一定の回転数で運転し、ペルチェ素子92に通電を開始して起動する。また、三方弁74を切り換え、ポート72から吐出された3次媒体が配管89を経てペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63Bに流れるようにする。
ペルチェ素子92は通電されることにより、その吸熱側92Aで2次媒体流路63Aを流れる2次媒体(+55℃程)から熱を汲み上げ、放熱側92Bに搬送して、3次媒体流路63Bを流れる3次媒体に放熱して、これを加熱するようになる。このペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63Bでペルチェ素子92により加熱された3次媒体が配管91から配管77、78を通過し、電磁弁81を経て加熱用熱交換器81に流入するので、冷温切換室15内は、このペルチェ素子92で昇温された3次媒体により加熱されるようになる。
このペルチェ素子92の起動初期には、2次媒体の温度も依然比較的高いので(+55℃程)、ペルチェ素子92の吸熱側92Aの温度は+45℃程、放熱側92Bの温度は+70℃程(温度差25K)になる。また、この実施例で制御装置Cは、温度センサ107の出力に基づき、ペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63B出口の3次媒体の温度が、所定の3次媒体出口設定温度(例えば+65℃)となるようにペルチェ素子92の通電電圧を制御する。即ち、3次媒体流路63B出口の3次媒体の温度が3次媒体出口設定温度より低ければペルチェ素子92の通電電圧を上げ、高ければ下げる。
(7)H−C−C蓄熱昇温利用モードの終了
このようなペルチェ素子92による3次媒体の加熱に伴い、2次媒体はその吸熱側92Aで冷却されるので、温度は徐々に低下していく。一方、タンク68には下部から2次媒体が流入し、上部から流出する状態となっているので、このタンク68の上部の温度を監視することで、タンク68内全体の2次媒体の温度が低下していることを確認できる。
また、ペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aを出る2次媒体の温度が+20℃程まで低下すると、ペルチェ素子92の吸熱側92Aの温度は+15℃程となるので、放熱側92B(+70℃)との温度差は55Kになる。
制御装置Cは温度センサ103の出力に基づき、タンク68の上部の2次媒体の温度が、図12に示すように外気温度(例えば+15℃)より少許高い所定の蓄熱開始温度(外気温度に近い、例えば+20℃)まで低下した場合、ペルチェ素子92による昇温が限界に達したものと判定し、H−C−C蓄熱昇温利用モードを終了する。そして、圧縮機27を起動し、四方弁66、三方弁74を切り換えて図6のH−C−C室内吸熱蓄熱モードに復帰する。
図13は係るヒートポンプ装置HPの蒸気圧縮回路Rのp−h線図を示している。前述した如く図6〜図8のH−C−C室内吸熱蓄熱モード又は室外吸熱蓄熱モードでは、圧縮機27から吐出された冷媒は2次媒体加熱器29で+100℃から+25℃まで冷却され、その奪われた熱量がタンク68内の2次媒体に貯えられ、2次媒体の温度を+20℃から+80℃に上げることになる。
そして、図12に示すようにペルチェ素子92が2次媒体の熱量を汲み上げることにより、タンク68内の2次媒体の温度が+20℃に低下するまで冷温切換室15内の加熱に利用されることになるので、利用できるエンタルピ差は+100℃〜+25℃の範囲に拡大する。そのため、蒸気圧縮回路Rの理論上のCOP(運転効率)は、COP=利用できるエンタルピ差/必要入力のエンタルピ差=4.09まで高くなる。
図14はヒートポンプ装置HPの総合COP(L3)、蒸気圧縮回路Rの実際のCOP(L1)、ペルチェ素子92の平均COP(L2)を膨張弁(44、47等)前の温度(L4)に合わせて示している。図中Pで示す点(1.1)は、図21で説明した二酸化炭素冷媒を用いた従来の蒸気圧縮回路のCOPを示している。前述した理論上のCOP(1.83)に0.6(圧縮機の効率を60%として)を乗じた値である。
ペルチェ素子92の平均COP(L2)は、ペルチェ素子92の吸熱側92Aと放熱側92Bの温度差である最大表面温度差(K)が小さい程高くなり、大きい程下がる。従って、図11に示したペルチェ素子92の起動初期には効率(L2)は高いが、図12に近づくに従って低下する。そして、最大表面温度差55K(膨張弁前温度は+25℃)まで使用すると2.2まで低下することになるが、使用される熱量は大きくなる。
蒸気圧縮回路Rの実際のCOP(L1)は、図13で説明した理論上のCOP(4.09)に同様に0.6(圧縮機27の効率)を乗じた値である。ペルチェ素子92で図21の従来の蒸気圧縮回路では使用されなかった+60℃以下の熱を汲み上げて冷温切換室15の加熱に利用することができるので、蒸気圧縮回路Rの実際のCOP(L1)は、点Pで示す従来のCOPよりも大幅に高くなる。但し、ペルチェ素子92で消費される電力量が加算されることになるため、ヒートポンプ装置HPの総合COP(L3)は蒸気圧縮回路Rの実際のCOP(L1)よりも低くなる。
しかしながら、図14に示すようにペルチェ素子を使用しない従来の蒸気圧縮回路のCOP(点P)よりも総合COP(L3)は高くなり、ペルチェ素子最大表面温度差55Kまで利用して最大値の1.51となることが分かる。即ち、この実施例ではヒートポンプ装置HPの総合COPは、従来の蒸気圧縮回路の実際のCOP=1.1から1.51に改善され、改善率は37%となった。
(8)H−H−C室内吸熱蓄熱モード
尚、図15は自動販売機1の右端の冷温切換室15に加えて中央の冷温切換室25内も加熱(H)して使用する場合を示している。この場合は、制御装置Cは膨張弁44を全閉とし、電磁弁83を前述したH−C−Cのモードの場合の電磁弁81と同様に開閉制御する。これにより、3次媒体加熱器61、又は、ペルチェ素子熱交換器63で加熱された3次媒体が冷温切換室25の加熱用熱交換器84にも流入することになるので、当該室内の商品も加熱されるようになる。
(9)C−C−Cモード
また、図16は冷温切換室15、25と冷却専用室20内を全て冷却(C)して使用する場合を示している。この場合は、制御装置Cは各ポンプ57、72を停止し、電磁弁81、83を閉じ、電磁弁34を開く。また、送風機36を運転し、ペルチェ素子92には通電しない。そして、膨張弁42、44を開いて弁開度を制御する。これにより、圧縮機27から吐出された高温冷媒は室外熱交換器33で外気に放熱し、分流されて各膨張弁42、44、47に至り、そこで絞られた後、各冷却用熱交換器43、46、48に流入して蒸発することになるので、各室15、25、20内の商品は冷却されることになる。
以上のように本発明のヒートポンプ装置HPを備えた自動販売機1では、蒸気圧縮回路Rの高温冷媒で2次媒体を加熱し、この2次媒体で3次媒体を加熱しながらタンク68に蓄熱し、3次媒体で冷温切換室15や25(加熱対象)を加熱する。そして、このタンク68内に貯えられた熱を、2次媒体の温度が比較的低温(実施例では+20℃)の所定の蓄熱開始温度になるまでペルチェ素子92で汲み上げ、冷温切換室15(25)を加熱するので、蒸気圧縮回路Rの冷媒の熱量を効率良く利用して冷温切換室15(25)を加熱し、運転効率(COP)を大幅に改善することが可能となる。特に、実施例では二酸化炭素を蒸気圧縮回路Rの冷媒として使用しているので、大量の熱をペルチェ素子92により汲み上げることができるようになり、極めて有効である。更に、蒸気圧縮回路Rによりタンク68内の2次媒体に蓄熱するため、圧縮機27の運転停止の間隔が長くなり、頻繁な運転停止に伴うエネルギーロスも減少させることができるようになる。
即ち、実施例では制御装置Cが、各ポンプ57、72を運転し、タンク68内の2次媒体の温度が前述した蓄熱開始温度まで低下した場合に圧縮機27を起動し、2次媒体加熱器29にて高温冷媒により2次媒体を加熱し、タンク68内の2次媒体の温度が所定の蓄熱終了温度(実施例では+80℃)まで上昇した場合に圧縮機27を停止し、圧縮機27を運転している状態ではペルチェ素子92を非通電とし、3次媒体加熱器61に3次媒体を流して2次媒体により3次媒体を加熱し、加熱されたこの3次媒体により加熱用熱交換器82(84)にて冷温切換室15(25)を加熱すると共に、圧縮機27が停止している状態で冷温切換室15(25)の温度が所定のペルチェ起動温度(実施例では+55℃)まで低下した場合にペルチェ素子92に通電し、ペルチェ素子熱交換器63の放熱側熱交換部を構成する吸放熱ジャケット93の3次媒体流路63Bに3次媒体を流してペルチェ素子92の放熱側92Bにより3次媒体を加熱し、加熱されたこの3次媒体により加熱用熱交換器82(84)にて冷温切換室15(25)を加熱し、吸熱側熱交換部を構成する吸放熱ジャケット93の2次媒体流路63Aにてペルチェ素子92の吸熱側92Aにより2次媒体から吸熱するようにしたので、蓄熱開始温度を実施例の如く外気温度に近い比較的低温の値(外気温度+15℃に近くそれより高い温度である+20℃)とすることで、的確に外気温度よりも高く、且つ、冷温切換室15(25)の加熱には適さない熱を利用することができるようになる。また、ペルチェ素子92の通電開始当初は吸熱側92Aと放熱側92Bの温度差が小さいので、ペルチェ素子92の運転効率も良好となる。
また、制御装置Cは、圧縮機27を運転している状態では、2次媒体加熱器29の出口の2次媒体の温度が所定の2次媒体出口設定温度(実施例では+90℃)となるよう2次媒体ポンプ57の回転数を制御するので、蒸気圧縮回路Rにより的確に2次媒体を加熱して、冷温切換室15(25)の加熱とタンク68内への蓄熱を、迅速且つ効率的に行うことができるようになる。
また、制御装置Cは、ペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63B(放熱側熱交換部)に3次媒体を流している場合、この3次媒体流路63Bの出口の3次媒体の温度が所定の3次媒体出口設定温度(実施例では+65℃)となるようペルチェ素子92の通電電圧を制御するので、ペルチェ素子92の通電を的確に制御して、効率的に2次媒体の熱を汲み上げ、3次媒体を加熱することが可能となる。
また、2次媒体回路M2には、タンク68における2次媒体の流入と流出の向きを切り換える四方弁66を設けており、制御装置Cは、圧縮機27を運転している状態では、四方弁66によりタンク68の上部から2次媒体を流入させて下部から流出させ、このタンク68の下部の2次媒体の温度にて前述した蓄熱終了温度を判定するので、タンク68内全体の2次媒体に確実に蓄熱を行うことができるようになる。
また、圧縮機27が停止している状態では、四方弁66によりタンク68の下部から2次媒体を流入させて上部から流出させ、このタンク68の上部の2次媒体の温度にて前述した蓄熱開始温度を判定するので、タンク68内全体に貯えられた2次媒体の熱量を有効に利用して冷温切換室15(25)を加熱することができるようになる。
これらにより、自動販売機の運転効率(COP)を大幅に改善することができるようになる。また、制御装置Cは、圧縮機27が停止している状態で、例えばH−C−C蓄熱直接利用モード、又は、H−C−C蓄熱昇温利用モードで冷却用熱交換器46、48により冷却される冷温切換室25、冷却専用室20の温度が所定の冷却上限値まで上昇した場合は、圧縮機27を起動するので、蓄熱利用中でも各室25、20内の冷却を行うことができるようになる。
これにより、自動販売機1に設けられる冷温切換室15、25と冷却専用室20の加熱と冷却を支障無く実現することができるようになり、自動販売機1における商品の加熱及び冷却販売に極めて有効なものとなる。
特に、蒸気圧縮回路Rには室外熱交換器33を設けており、例えばH−C−C室内吸熱蓄熱モードで冷却用熱交換器46、48により冷却される冷温切換室25や冷却専用室20の温度が所定の冷却下限値まで低下したとき、冷却用熱交換器46、48を迂回して冷媒を流す状態とするH−C−C室外吸熱蓄熱モードに移行し、室外熱交換器33にて冷媒を蒸発させるので、冷温切換室25、冷却専用室20からの吸熱と外気からの吸熱を的確に切り換えて、タンク68への蓄熱を円滑に行うことができるようになる。
(10)3次媒体ポンプの他の制御例
尚、前記実施例で制御装置Cは、3次媒体ポンプ72を運転する場合、当該3次媒体ポンプ72を冷温切換室15(25)内の温度に応じて回転数を制御するようにしたが、三方弁74により3次媒体加熱器61に3次媒体を流している状態では、それに限らず、3次媒体加熱器61の2次媒体流路61Aを流れる2次媒体の温度(例えば、温度センサ102で検出できる2次媒体流路61Aに入る2次媒体の温度等)に応じて3次媒体ポンプ72の回転数を制御するようにしてもよい。
その場合は、2次媒体流路61Aを流れる2次媒体の温度が低い場合は3次媒体ポンプ72の回転数を高くし、逆に2次媒体の温度が高い場合には3次媒体ポンプ72の回転数を低くする方向で制御する。即ち、2次媒体の温度が低いときは加熱用熱交換器82(83)に流す3次媒体の量を増やし、高いときには減らすことで、加熱用熱交換器82(83)に搬送される熱量を調整し、冷温切換室15(25)内を的確に加熱することができるようになる。
(11)3次媒体ポンプの更に他の制御例
この3次媒体ポンプ72の制御の更に他の例としては、例えば、3次媒体加熱器61に3次媒体を流している状態で、当該3次媒体ポンプ72を一定の回転数で運転するようにしてもよい。その場合、制御装置Cは冷温切換室15(25)内の温度を温度センサ98や99で検出し、各電磁弁81、83をON(開)−OFF(閉)する。そして、全ての電磁弁81、83がOFF(閉)の場合は、3次媒体ポンプ72も停止するようにする。
尚、その場合、電磁弁81、83は流量調整弁でもよく、冷温切換室15(25)内の温度に応じて、制御装置Cにより加熱用熱交換器82、84への3次媒体の流量を制御するようにしてもよい。
(12)圧縮機の他の制御例
また、圧縮機27は前述した如く蓄熱完了まで運転を継続してもよいし、冷温切換室15(25)内を加熱しているときのみ運転してもよい(圧縮機27の停止中は各ポンプ57、72は共に停止する)。即ち、圧縮機27を断続運転して蓄熱を完了させてもよい。その場合、蓄熱完了後は再び前述した各蓄熱モードとなるまで圧縮機27は運転しないようにする。
(13)ペルチェ素子の他の制御例
また、前記実施例ではペルチェ素子92の通電電圧を、ペルチェ素子熱交換器73の3次媒体流路63Bの出口の3次媒体の温度に基づいて制御するようにしたが、それに限らず、制御装置Cが、ペルチェ素子熱交換器63の3次媒体流路63Bに3次媒体を流している場合、冷温切換室15(25)内の温度に応じ、当該室15(25)内の温度が低い場合は高くし、室内の温度が高い場合は低くするようにペルチェ素子92の通電電圧を制御するようにしてもよい。その場合は、ペルチェ素子92の通電を冷温切換室15(25)内の温度により直接的に制御できるので、室15(25)内の加熱を的確に行うことが可能となる。
(14)冷却専用室内に蓄冷剤
また、蒸気圧縮回路Rの冷却用熱交換器48で冷却される冷却専用室20内に、蓄冷剤を設けても良い。冷却専用室20内に蓄冷剤を設ければ、冷却用熱交換器48による冷却で蓄冷剤に冷熱(潜熱)を貯えておき、蒸気圧縮回路Rの圧縮機27の停止中は、この貯えられた冷熱によって冷却専用室20内を冷却することができるようになる。それにより、冷却専用室20の冷却のために圧縮機27が起動される状況を減らし、更なる運転効率を向上を図ることが可能となる。
その場合、冷却専用室20内に設けられる蓄冷剤とタンク68の容量を適切に設定することで、所謂ピークシフト運転が実現可能となる。即ち、制御装置Cは夜間に圧縮機27を運転してタンク68内の2次媒体に蓄熱する。同時に冷却用熱交換器48により、冷却専用室20内の蓄冷剤に蓄冷する。このようなピークシフト運転を実行すれば、蓄冷剤とタンク68の容量を昼間の冷却専用室20内の冷却と冷温切換室15(25)の加熱に見合う量に設定することで、電力消費の平準化と電気料金の低減を図ることが可能となる。
(15)その他の変更例
また、前記実施例の2次媒体回路M2は、2次媒体加熱器29の2次媒体流路29Bと、3次媒体加熱器61の2次媒体流路61Aと、ペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aが直列に接続されたかたちとなっているが、それに限らず、何れか二つ又は全てが並列に接続されるようにしてもよい。
更に、前記実施例の2次媒体回路M2及び3次媒体回路M3には、膨張タンクを設けてもよい。それにより、2次媒体や3次媒体の温度による体積の変動を吸収することができるようになる。また、ペルチェ素子92を一つの吸放熱ジャケット93に複数取り付けて2次媒体からの吸熱能力と、3次媒体への放熱能力を向上させるようにしてもよい。更に、ペルチェ素子92を複数段に積み重ねた多段式のものとしてもよい。そのようにすることで、大きな温度差に対応することができるようになる。
次に、図17は本発明の自動販売機1のヒートポンプ装置HPの他の例の構成図を示している。この図では、図3の実施例の四方弁66の代わりに、二つの三方弁108及び112を使用している。他の構成は図3と同様である。そして、三方弁108入口に配管64の出口を接続し、三方弁108の一方の出口は配管109及び116を介してタンク68の上部に連通接続する。この配管109と116の接続点には配管111の一端を接続し、他端を三方弁112の一方の入口に接続する。
また、三方弁108の他方の出口は配管113及び114を介してタンク68の下部に連通接続する。この配管113と114の接続点には配管117の一端を接続し、他端を三方弁112の他方の入口に接続する。そして、この三方弁112の出口を、配管71を介して2次媒体ポンプ57の吸込側に接続する。
制御装置Cは、タンク68に上部から2次媒体を流入させるとき、三方弁108の一方の出口から2次媒体が流出し、三方弁112の他方の入口から2次媒体が流入するように切り換える。これにより、ペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aから出た2次媒体は配管64、三方弁108、配管109、配管116を経てタンク68内に上部から流入する。そして、タンク68内の下部から配管114に流出し、配管117、三方弁112、配管71を順次経て2次媒体ポンプ57に吸引されるようになる。
逆に、タンク68に下部から2次媒体を流入させ、上部から流出させるときは、三方弁108の他方の出口から2次媒体が流出し、三方弁112の一方の入口から2次媒体が流入するように切り換える。これにより、ペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aから出た2次媒体は配管64、三方弁108、配管113、配管114を経てタンク68内に下部から流入する。そして、タンク68内の上部から配管116に流出し、配管111、三方弁112、配管71を順次経て2次媒体ポンプ57に吸引されるようになる。
このように、四方弁の代わりに三方弁108、112を用いてタンク68への2次媒体の流入と流出を切り換えるようにすれば、より安価な装置とすることができる。
また、図18は本発明の自動販売機1のヒートポンプ装置HPの更に他の例の構成図を示している。この図では、室外熱交換器33の出口側の配管37を流れる冷媒と圧縮機27の吸込側の配管56を流れる冷媒を熱交換させる内部熱交換器118を設けている。他の構成は図3と同様である。
このように内部熱交換器118を設けて配管37を流れる蒸気圧縮回路Rの高圧側の冷媒と配管56を流れる低圧側の冷媒とを熱交換させることで、温度の低い低圧側の冷媒で室外熱交換器33を出た高圧側の冷媒を過冷却することができるようになり、蒸気圧縮回路Rの更なる性能改善を図ることが可能となる。
次に、図19は本発明の自動販売機1のヒートポンプ装置HPの更にもう一つの他の例の構成図を示している。この図では、ペルチェ素子熱交換器63の2次媒体流路63Aと四方弁66の第1のポート66Aの間の2次媒体回路2Mの配管64に、2次媒体冷却器119を設けている。また、この2次媒体冷却器119には、それに外気を通風する送風機121を設ける。その他の構成は図3と同様である。
そして、制御装置Cは前述した全ての室15、25、20内を冷却用熱交換器43、46、48により冷却して使用するC−C−Cモードにおいて2次媒体ポンプ57及び送風機121を運転し、2次媒体冷却器119にて2次媒体を冷却する。これにより、冷温切換室15(25)内を加熱しないC−C−Cモードでは、2次媒体冷却器119で冷却された2次媒体をタンク68内に貯え、この冷えた2次媒体を使用して、圧縮機27から吐出された高温冷媒を2次媒体加熱器29で冷却することができるようになる。これにより、冷却用熱交換器43、46、48で冷却される各室15、25、20内を効率良く冷却することができるようになる。この場合、各室15、25、20内の温度が低下して圧縮機27が停止している場合も2次媒体ポンプ57と送風機121を運転し、タンク68内に蓄冷することにより、更なる効率の向上を図ることができる。
この場合も、制御装置Cが夜間に2次媒体冷却器119で2次媒体を冷却し、タンク68内の2次媒体に蓄冷するピークシフト運転を実行するようにすれば、夜間の安価な電力を使用してタンク68内に冷えた2次媒体を貯えておき、昼間の圧縮機27の運転効率の改善を図って電力の平準化と電気料金の低減を図ることが可能となる。
尚、実施例では二つの冷温切換室15、25と一つの冷却専用室20を備えた自動販売機1で本発明を説明したが、それに限らず、全ての商品収納室が冷温切換室であってもよい。
また、実施例では加熱対象として自動販売機1の冷温切換室15、25を例に採り上げ、加熱用熱交換器82、84で加熱するようにしたが、それに限らず、例えば床暖房装置に本発明のヒートポンプ装置HPを採用してもよい。その場合には、加熱用熱交換器は床に施設されて3次媒体が流れる配管で構成され、加熱対象は係る配管を覆うパネルやカバー、その付近の空気ということになる。
1 自動販売機
15、25 冷温切換室(加熱対象、商品収納室)
20 冷却専用室(商品収納室)
27 圧縮機
29 2次媒体加熱器
33 室外熱交換器
43、46、48 冷却用熱交換器
57 2次媒体ポンプ
61 3次媒体加熱器
63 ペルチェ素子熱交換器
66 四方弁
68 タンク
72 3次媒体ポンプ
74 三方弁
82、84 加熱用熱交換器
92 ペルチェ素子
93 吸放熱ジャケット(吸熱側熱交換部、放熱側熱交換部)
119 2次媒体冷却器
C 制御装置
HP ヒートポンプ装置
M2 2次媒体回路
M3 3次媒体回路
R 蒸気圧縮回路

Claims (17)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機を備えた蒸気圧縮回路と、
    2次媒体を循環させる2次媒体ポンプ、及び、タンクを備えた2次媒体回路と、
    3次媒体を循環させる3次媒体ポンプ、及び、前記3次媒体を放熱させて加熱対象を加熱する加熱用熱交換器を備えた3次媒体回路と、
    前記圧縮機から吐出された高温冷媒と前記2次媒体回路を循環する2次媒体とを熱交換させる2次媒体加熱器と、
    前記2次媒体回路を循環する2次媒体と前記3次媒体回路を循環する3次媒体とを熱交換させる3次媒体加熱器と、
    ペルチェ素子と、
    該ペルチェ素子の吸熱側と前記2次媒体回路を循環する2次媒体とを熱交換させる吸熱側熱交換部、及び、前記ペルチェ素子の放熱側と前記3次媒体回路を循環する3次媒体とを熱交換させるための放熱側熱交換部を備えたペルチェ素子熱交換器と、
    前記3次媒体を前記3次媒体加熱器に流すか、前記ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に流すかを切り換える3次媒体弁装置と、
    を備えたことを特徴とするヒートポンプ装置。
  2. 前記圧縮機、前記各ポンプ、及び、前記3次媒体弁装置を制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、前記各ポンプを運転し、前記タンク内の2次媒体の温度が所定の蓄熱開始温度まで低下した場合に前記圧縮機を起動し、前記2次媒体加熱器にて前記高温冷媒により前記2次媒体を加熱し、前記タンク内の2次媒体の温度が所定の蓄熱終了温度まで上昇した場合に前記圧縮機を停止し、
    前記圧縮機を運転している状態では前記ペルチェ素子を非通電とし、前記3次媒体加熱器に前記3次媒体を流して前記2次媒体により前記3次媒体を加熱し、加熱された当該3次媒体により前記加熱用熱交換器にて前記加熱対象を加熱すると共に、
    前記圧縮機が停止している状態で前記加熱対象の温度が所定のペルチェ起動温度まで低下した場合に前記ペルチェ素子に通電し、前記ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に前記3次媒体を流して前記ペルチェ素子の放熱側により前記3次媒体を加熱し、加熱された当該3次媒体により前記加熱用熱交換器にて前記加熱対象を加熱し、前記吸熱側熱交換部にて前記ペルチェ素子の吸熱側により前記2次媒体から吸熱することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  3. 前記制御装置は、前記圧縮機を運転している状態では、前記2次媒体加熱器出口の前記2次媒体の温度が所定の2次媒体出口設定温度となるよう前記2次媒体ポンプの回転数を制御することを特徴とする請求項2に記載のヒートポンプ装置。
  4. 前記制御装置は、前記3次媒体加熱器に前記3次媒体を流している場合、当該3次媒体加熱器における前記2次媒体の温度に応じ、当該2次媒体の温度が低い場合は高くするように前記3次媒体ポンプの回転数を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のヒートポンプ装置。
  5. 前記制御装置は、前記3次媒体加熱器に前記3次媒体を流している場合、前記加熱対象の温度に応じ、当該加熱対象の温度が低い場合は高くするように前記3次媒体ポンプの回転数を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のヒートポンプ装置。
  6. 前記制御装置は、前記ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に前記3次媒体を流している場合、当該放熱側熱交換部出口の前記3次媒体の温度が所定の3次媒体出口設定温度となるよう前記ペルチェ素子の通電電圧を制御することを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちの何れかに記載のヒートポンプ装置。
  7. 前記制御装置は、前記ペルチェ素子熱交換器の放熱側熱交換部に前記3次媒体を流している場合、前記加熱対象の温度に応じ、当該加熱対象の温度が低い場合は高くするように前記ペルチェ素子の通電電圧を制御することを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちの何れかに記載のヒートポンプ装置。
  8. 前記2次媒体回路は、前記タンクにおける前記2次媒体の流入と流出の向きを切り換える2次媒体弁装置を備え、
    前記制御装置は、前記圧縮機を運転している状態では、前記2次媒体弁装置により前記タンクの上部から前記2次媒体を流入させて下部から流出させ、当該タンク下部の2次媒体の温度にて前記蓄熱終了温度を判定すると共に、
    前記圧縮機が停止している状態では、前記2次媒体弁装置により前記タンクの下部から前記2次媒体を流入させて上部から流出させ、当該タンク上部の2次媒体の温度にて前記蓄熱開始温度を判定することを特徴とする請求項2乃至請求項7のうちの何れかに記載のヒートポンプ装置。
  9. 本体内に構成された商品収納室を備え、前記加熱用熱交換器により前記商品収納室内を加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載のヒートポンプ装置を備えた自動販売機。
  10. 前記蒸気圧縮回路は、冷媒を蒸発させて前記商品収納室内を冷却する冷却用熱交換器を備え、
    前記制御装置は、前記圧縮機が停止している状態で、前記冷却用熱交換器により冷却される前記商品収納室の温度が所定の冷却上限値まで上昇した場合は、当該圧縮機を起動することを特徴とする請求項9に記載の自動販売機。
  11. 前記蒸気圧縮回路は、室外熱交換器と、冷媒を蒸発させて前記商品収納室内を冷却する冷却用熱交換器を備え、
    前記制御装置は、前記圧縮機を運転している状態で、前記冷却用熱交換器により冷却される前記商品収納室の温度が所定の冷却下限値まで低下したとき、前記冷却用熱交換器を迂回して冷媒を流す状態とし、前記室外熱交換器にて冷媒を蒸発させることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の自動販売機。
  12. 前記冷却用熱交換器により冷却される前記商品収納室内に蓄冷剤を設けたことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の自動販売機。
  13. 前記制御装置は、夜間に前記圧縮機を運転して前記タンク内の2次媒体に蓄熱し、前記蓄冷剤に蓄冷するピークシフト運転を実行することを特徴とする請求項12に記載の自動販売機。
  14. 前記2次媒体回路は、前記2次媒体を冷却するための2次媒体冷却器を備え、
    前記制御装置は、前記加熱用熱交換器により前記商品収納室内を加熱する必要が無く、前記冷却用熱交換器により前記商品収納室内を冷却する場合に、前記2次媒体ポンプを運転し、前記2次媒体冷却器にて前記2次媒体を冷却することを特徴とする請求項10乃至請求項13のうちの何れかに記載の自動販売機。
  15. 前記制御装置は、夜間に前記2次媒体冷却器で前記2次媒体を冷却し、前記タンク内の2次媒体に蓄冷するピークシフト運転を実行することを特徴とする請求項14に記載の自動販売機。
  16. 冷却及び加熱の切り換えが可能な前記商品収納室としての冷温切換室と、冷却専用の前記商品収納室としての冷却専用室を備え、
    前記冷却用熱交換器は前記冷温切換室及び前記冷却専用室に設けられ、前記加熱用熱交換器は前記冷温切換室に設けられることを特徴とする請求項10乃至請求項15のうちの何れかに記載の自動販売機。
  17. 前記蒸気圧縮回路の冷媒として二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項1乃至請求項16のうちの何れかに記載のヒートポンプ装置又は自動販売機。
JP2015014407A 2015-01-28 2015-01-28 ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機 Expired - Fee Related JP6506033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015014407A JP6506033B2 (ja) 2015-01-28 2015-01-28 ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015014407A JP6506033B2 (ja) 2015-01-28 2015-01-28 ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016138720A true JP2016138720A (ja) 2016-08-04
JP6506033B2 JP6506033B2 (ja) 2019-04-24

Family

ID=56559053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015014407A Expired - Fee Related JP6506033B2 (ja) 2015-01-28 2015-01-28 ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6506033B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113048675A (zh) * 2021-04-13 2021-06-29 西安交通大学 一种精确控温的自复叠制冷系统及其控制方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09245238A (ja) * 1996-03-14 1997-09-19 Sanden Corp 自動販売機
JP2001043434A (ja) * 1999-07-30 2001-02-16 Norio Watanabe 蓄冷蓄熱体、蓄冷蓄熱体の製造方法及び冷却加温型自動販売機
JP2002174479A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Matsushita Refrig Co Ltd 熱電モジュール式電気冷蔵庫
JP2004053069A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 冷媒回路、およびそれを用いた自動販売機
JP2004086726A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Sanden Corp 食品冷却加温装置
JP2010129014A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 自動販売機
JP2014009899A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Daikin Ind Ltd ヒートポンプシステム
JP2014130511A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Sanden Corp 自動販売機

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09245238A (ja) * 1996-03-14 1997-09-19 Sanden Corp 自動販売機
JP2001043434A (ja) * 1999-07-30 2001-02-16 Norio Watanabe 蓄冷蓄熱体、蓄冷蓄熱体の製造方法及び冷却加温型自動販売機
JP2002174479A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Matsushita Refrig Co Ltd 熱電モジュール式電気冷蔵庫
JP2004053069A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 冷媒回路、およびそれを用いた自動販売機
JP2004086726A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Sanden Corp 食品冷却加温装置
JP2010129014A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 自動販売機
JP2014009899A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Daikin Ind Ltd ヒートポンプシステム
JP2014130511A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Sanden Corp 自動販売機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113048675A (zh) * 2021-04-13 2021-06-29 西安交通大学 一种精确控温的自复叠制冷系统及其控制方法
CN113048675B (zh) * 2021-04-13 2024-04-09 西安交通大学 一种精确控温的自复叠制冷系统及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6506033B2 (ja) 2019-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102549356B (zh) 具有改进的热回收特征的热泵冷却器
JP5094942B2 (ja) ヒートポンプ装置
KR20130086655A (ko) 히트 펌프 시스템
JP2009236403A (ja) 地熱利用ヒートポンプ装置
EP2522933B1 (en) Heat storing apparatus having cascade cycle and control process of the same
JP4058696B2 (ja) ヒートポンプ給湯システム
JP2014152985A (ja) 暖房システム
JP6057871B2 (ja) ヒートポンプシステム、及び、ヒートポンプ式給湯器
JP2009276029A (ja) ヒートポンプサイクル装置
JP2009264717A (ja) ヒートポンプ温水システム
JP2012242020A (ja) ヒートポンプ装置
JP5157307B2 (ja) 自動販売機
JP4155334B2 (ja) 自動販売機
JP6506033B2 (ja) ヒートポンプ装置及びそれを備えた自動販売機
JP4429960B2 (ja) 冷却加温システムを有する自動販売機
KR100877055B1 (ko) 급탕기능을 갖는 하이브리드 히트펌프 시스템
JP5056026B2 (ja) 自動販売機
JP5375333B2 (ja) 自動販売機
JP2016114319A (ja) 暖房システム
JP2004293889A (ja) 氷蓄熱ユニット、氷蓄熱式空調装置及びその運転方法
JP2013084073A (ja) 自動販売機
JP6111066B2 (ja) 自動販売機
KR101488903B1 (ko) 축열장치 및 그 운전방법
JP6207855B2 (ja) 自動販売機
KR101212686B1 (ko) 히트 펌프식 급탕장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6506033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees