JP3863670B2 - 氷蓄熱槽を備えた空気調和装置 - Google Patents

氷蓄熱槽を備えた空気調和装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、氷蓄熱槽を備えた空気調和装置に係り、氷蓄熱ユニットに蓄熱された冷熱を放熱して放冷冷房運転を実施する氷蓄熱槽を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図3に示すように、圧縮機1、熱源側熱交換器2、四方弁3及び電動膨張弁4を備えた熱源側ユニット5と、氷蓄熱槽6内にコイル7が水没状態で配設されてコイル7外周に氷が形成可能な氷蓄熱ユニット8と、利用側熱交換器9を備えた利用側ユニット10とを有し、製氷運転、放冷冷房運転、通常冷房運転を実施可能とする空気調和装置11が知られている。
【0003】
製氷運転は、圧縮機1からのガス冷媒が熱源側熱交換器2を経て液冷媒となり、その後に電動膨張弁4を通り、氷蓄熱槽6内のコイル7に流入して蒸発し、この氷蓄熱槽6内で製氷動作が実施された後、ガス冷媒が圧縮機1へ戻されて実施される。
【0004】
放冷冷房運転は、熱源側ユニット5の圧縮機1を停止させ、氷蓄熱ユニット8に設置されて冷媒を圧送する液ポンプ又はガスポンプなどの循環ポンプ12(図3では液冷媒を圧送する液ポンプ)を稼働させることによりなされている。つまり、循環ポンプ12の稼働により、氷蓄熱ユニット8における氷蓄熱槽6のコイル7内で、氷に蓄熱された冷熱を吸収して凝縮した液冷媒が利用側熱交換器9へ圧送され、この利用側熱交換器9において液冷媒が蒸発して、この蒸発潜熱と氷の冷熱の放熱とにより放冷冷房運転が実施される。
【0005】
通常冷房運転は、圧縮機1から熱源側熱交換器2へ導かれて液冷媒となった冷媒を、氷蓄熱槽6のコイル7内へ流すことなく、利用側熱交換器9へ供給して液冷媒を蒸発し、この蒸発潜熱により実施される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の放冷冷房運転は、循環ポンプ12を駆動させることにより実施されるものであるため、循環ポンプ12の駆動用モータを起動させる必要がある。従って、放冷冷房運転実施のために消費電力が増大してしまう。
また、循環ポンプ12がガスポンプである場合には、圧縮機とほぼ同程度の機械部の容積が必要となり、また機械的ロスも大きい。
【0007】
本発明の課題は、上述の事情を考慮してなされたものであり、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を、省消費電力で実現できる氷蓄熱槽を備えた空気調和装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、圧縮機及び熱源側熱交換器を備えた熱源側ユニットと、氷蓄熱槽内にコイルが水没状態で配設されてこのコイル外周に氷が形成可能な氷蓄熱ユニットと、利用側熱交換器を備えた利用側ユニットとを有し、製氷運転、冷房運転を実施可能とする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置において、上記氷蓄熱槽内の上記コイルと上記利用側熱交換器との間に、冷媒を貯溜可能な複数のタンクが並列状態で配設され、上記コイル内で凝縮した液冷媒が上記タンク内に貯溜されて、これらのタンク内へ交互に供給される高圧ガス冷媒により上記利用側熱交換器へ圧送可能に構成され、上記高圧ガス冷媒は、前記タンク内の一部の液冷媒が熱交換器にて外気との熱交換によってガス化されたものであり、この高圧ガス冷媒の圧力により前記タンク内の液冷媒を利用側熱交換器へ流し前記利用側ユニットによる冷房運転が行えることを特徴とする氷蓄熱槽を備えたものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の空気調和装置において、前記高圧ガス冷媒が送り込まれたことにより一方のタンクの冷媒の液面レベルが所定値以下になったら、他方のタンクへ高圧ガス冷媒を流すように切り換えるようにしたことを特徴とする。
【0014】
熱交換器により外気と熱交換されて生成された高圧ガス冷媒が、複数のタンク内へ交互に供給されて、これらのタンク内に貯溜された液冷媒が利用側熱交換器へ圧送可能に構成されたことから、冷房運転時には外気が高温であるため、熱交換器により高圧ガス冷媒を容易に生成でき、この結果、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を省消費電力で実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の形態を示す管路図である。
【0017】
この図1に示す空気調和装置20は、熱源側ユニット21、氷蓄熱ユニット22及び利用側ユニット23を有して構成される。熱源側ユニット21の冷媒配管24が、氷蓄熱ユニット22の冷媒配管25、26を介して利用側ユニット23の冷媒配管27に接続される。
【0018】
熱源側ユニット21は、冷媒配管24に圧縮機28、四方弁29、熱源側熱交換器30及び電動膨張弁31が順次接続されて構成される。また、利用側ユニット23は、冷媒配管27に利用側熱交換器32及び電動膨張弁33が配設されて構成され、この電動膨張弁33は、空調負荷に応じて開度が調整される。
【0019】
氷蓄熱ユニット22は、コイル34を収容した氷蓄熱槽35を備えると共に、冷媒配管25に第1開閉弁36が、冷媒配管26に第2開閉弁37がそれぞれ配設される。更に、冷媒配管25には、第1開閉弁36の配設位置よりも利用側ユニット23側に、接続配管38を介してコイル34の一端が接続され、この接続配管38に電動膨張弁39が配設される。また、コイル34の他端は、第3開閉弁40を備えた接続配管41を介して、冷媒配管26における第2開閉弁37配設位置の利用側ユニット23側に接続される。
【0020】
氷蓄熱槽35には水が充満され、コイル34はこの氷蓄熱槽35内に水没状態で配設される。このコイル34内には、空気調和装置20の製氷運転時に熱源側熱交換器30から液冷媒が流入して蒸発し、これにより、コイル34の外周に氷が付着して形成される。
【0021】
上記接続配管38には、電動膨張弁39とコイル34との間に、二股に分岐する分岐配管42を介して2個のサージタンク43A及び43Bが並列状態で接続される。これらのサージタンク43A、43Bが合流配管44を介して、冷媒配管25における第1開閉弁36配設位置と接続配管38接続位置との間に接続される。これにより、サージタンク43A及び43Bは、氷蓄熱槽35内のコイル34と利用側熱交換器32との間に配設されて、氷蓄熱槽35内の氷に蓄熱された冷熱により凝縮された液冷媒が貯留可能に設けられる。
【0022】
分岐配管42には、サージタンク43A、43Bの流入側に流入側逆止弁45A、45Bが、また、合流配管44には、サージタンク43A、43Bの流出側に流出側逆止弁46A、46Bがそれぞれ配設されている。これらの流入側逆止弁45A、45Bは、氷蓄熱槽35のコイル34からサージタンク43A、43Bへ流れる冷媒の流れのみを許容し、流出側逆止弁46A、46Bは、サージタンク43A、43Bから利用側熱交換器32側へ流れる冷媒の流れのみを許容する。
【0023】
サージタンク43A、43Bには第1ヒータ47A、第2ヒータ47Bがそれぞれ内蔵され、これらが選択的に通電されて交互に加熱されることにより、サージタンク43A、43B内に交互に高圧ガス冷媒が生成される。この高圧ガス冷媒の圧力により、高圧ガス冷媒が生成されたサージタンク43Aまたは43B内に貯溜された液冷媒が、利用側熱交換器32へ圧送可能に構成される。
【0024】
次に、空気調和装置20の製氷運転、放冷冷房運転、通常冷房運転を説明する。
【0025】
[A−1]製氷運転
空気調和装置20の製氷運転は、例えば、夜間10時から翌朝8時までの電力料金の安い時間帯に、熱源側熱交換器30からの液冷媒を氷蓄熱槽35のコイル34内へ供給し、氷蓄熱槽35内に氷を作る運転である。
【0026】
この場合には、電動膨張弁33が閉弁され、第1開閉弁36、第2開閉弁37、第3開閉弁40及び電動膨張弁39が開弁操作される。
【0027】
この状態で、熱源側ユニット21の圧縮機28が稼働されると、この圧縮機28から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器30にて凝縮され、電動膨張弁31及び39を経て減圧され、氷蓄熱槽35のコイル34内へ流入する。このコイル34内に流入した冷媒は蒸発して、コイル34の外周に氷を付着した状態で形成する。その後、コイル34内のガス冷媒は接続配管41及び冷媒配管26を経て四方弁29へ至り、圧縮機28に戻される。
【0028】
[A−2]放冷冷房運転
空気調和装置20の放冷冷房運転は、例えば、昼間気温が上昇する時間帯に、氷蓄熱槽35のコイル34内で氷の冷熱により液化されてサージタンク43A、43B内に貯留された液冷媒を、このサージタンク43A、43Bから利用側熱交換器32へ圧送することにより実施される。
【0029】
この場合には、第1開閉弁36、第2開閉弁37及び電動膨張弁39が閉弁され、電動膨張弁33及び第3開閉弁40が開弁操作される。また、熱源側ユニット21の圧縮機28は、製氷運転終了後の停止状態にある。
【0030】
この状態で、第1ヒータ47A、第2ヒータ47Bを選択的に通電させ、交互に加熱させる。例えば、第1ヒータ47Aを加熱させて、サージタンク43A内部に高圧ガス冷媒を生成させる。すると、この高圧ガス冷媒の圧力により、このサージタンク43A内の貯留液冷媒が流出側逆止弁46A、合流配管44、冷媒配管25及び27を経て利用側熱交換器32内へ流入する。サージタンク43A内に貯留した液冷媒は、氷蓄熱槽35のコイル34内を通り、氷蓄熱槽35内の氷に蓄熱された冷熱により凝縮された液冷媒であるため、利用側熱交換器32内で蒸発することにより、上記氷の冷熱の放熱(放冷)と蒸発潜熱とにより室内を効率的に冷却する。
【0031】
利用側熱交換器32にて蒸発したガス冷媒は、接続配管41及び第3開閉弁40を経て氷蓄熱槽35のコイル34内へ流入し、上述の如く、氷蓄熱槽35内の氷の冷熱により液冷媒となって、流入側逆止弁45Bを経てサージタンク43B内へ流入する。
【0032】
この時、サージタンク43A内が高圧であるため、氷蓄熱槽35のコイル34内の液冷媒は、サージタンク43A内へ流れることなくサージタンク43B内へ流れる。同様に、サージタンク43B内がサージタンク43Aに比べて低圧であるため、サージタンク43B内の貯留冷媒が流出側逆止弁46Bを経て利用側熱交換器32側へ流出することもない。
【0033】
サージタンク43A内の貯留冷媒の液面レベルが所定値以下まで低下した時点で、第1ヒータ47Aの通電を停止させ、第2ヒータ47Bに通電させ、この第2ヒータ47Bを加熱させる。すると、サージタンク43B内にて生成された高圧ガス冷媒の圧力により、サージタンク43B内に貯留された液冷媒が、流出側逆止弁46B、合流配管44、冷媒配管25、27及び電動膨張弁33を経て利用側熱交換器32へ流入し蒸発して、前述と同様に、放冷及び蒸発潜熱により室内を効率的に冷房する。
【0034】
この利用側熱交換器32からのガス冷媒は、接続配管41及び第3開閉弁40を経て氷蓄熱槽35のコイル34内で氷の冷熱により凝縮され、分岐配管42及び流入側逆止弁45Aを経てサージタンク43A内へ流入する。
【0035】
サージタンク43B内の液冷媒の液面レベルが所定値以下まで低下した時点で、第2ヒータ47Bの通電を停止させ、第1ヒータ47Aを加熱させて、サージタンク43A内に高圧ガス冷媒を生成させ、サージタンク43A内の液冷媒の液面レベルが所定値以下まで低下した時点で、第1ヒータ47Aの通電を停止させ、第2ヒータ47Bを加熱させて、サージタンク43B内に高圧ガス冷媒を発生させて、上述の動作を繰り返し放冷冷房運転を継続させる。
【0036】
[A−3]通常冷房運転
空気調和装置20の通常冷房運転は、氷蓄熱槽35内の氷に蓄熱された冷熱を利用しないで実施される冷房運転であり、電動膨張弁39及び第3開閉弁40が閉弁され、第1開閉弁36、第2開閉弁37並びに電動膨張弁31及び33が開弁操作される。
【0037】
この状態で、圧縮機28が稼働されると、この圧縮機28から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器30にて凝縮され、電動膨張弁31、冷媒配管25及び電動膨張弁33を経て利用側熱交換器32へ流入し、この利用側熱交換器32にて蒸発して、蒸発潜熱により室内を冷房した後、冷媒配管26及び四方弁29を経て圧縮機28へ戻される。
【0038】
上記実施の形態の空気調和装置20は、上述のように構成されたことから、次の効果▲1▼及び▲2▼を奏する。
【0039】
▲1▼サージタンク43A、43B内にそれぞれ内蔵された第1ヒータ47A、第2ヒータ47Bを交互に加熱することにより、これらのサージタンク43A、43B内に高圧ガス冷媒が交互に生成され、この高圧ガス冷媒の圧力により、サージタンク43A、43B内に貯溜された液冷媒が利用側熱交換器32へ圧送可能に構成されたことから、サージタンク43A、43Bがほぼ密閉容器であるため、これらのサージタンク43A、43B内で高圧ガス冷媒を簡単に生成でき、この結果、氷蓄熱槽35内の氷の冷熱を利用した放冷冷房運転を省消費電力で実現できる。
【0040】
▲2▼サージタンク43A、43Bにそれぞれ内蔵された第1ヒータ47A、第2ヒータ47Bを選択的に通電させて、サージタンク43A、43B内に交互に高圧ガス冷媒を生成させ、この高圧ガス冷媒の圧力により、サージタンク43A、43B内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送させて放冷冷房運転を実施させることから、放冷冷房運転実施のための機構が可動部を必要としないので簡素に構成され、しかも小型に構成できる。この結果、設備費を低減できる。
なお、上記実施の形態の空気調和装置20において、サージタンク43A、43B内に冷却器(不図示)を配置し、第1ヒータ47Aまたは第2ヒータ47Bの加熱が停止された時点で、この加熱が停止されたサージタンク43Aまたは43B内を積極的に冷却してもよい。この冷却器の作用により、サージタンク43A、43B内が迅速に低圧化されて、氷蓄熱槽35内におけるコイル34から、液冷媒をサージタンク43A、43B内へ迅速に流入させることができる。
【0041】
図2は、本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の実施の形態を示す管路図である。この実施の形態において、前述の空気調和装置の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0042】
この実施の形態の空気調和装置50は、サージタンク43A、43B内の第1ヒータ47A、第2ヒータ47Bが削除され、サージタンク43A及び43Bに、タンク分岐配管51及びタンク合流配管52を介してタンク熱交換器53が接続されて構成される。
【0043】
タンク分岐配管51におけるサージタンク43Aに接続される分岐部51Aと、サージタンク43Bに接続される分岐部51Bのそれぞれに第1タンク開閉弁54、第2タンク開閉弁55が配設される。これらの第1タンク開閉弁54、第2タンク開閉弁55は、選択的に開閉操作される。また、タンク合流配管52におけるサージタンク43Aに接続される分岐部52Aと、サージタンク43Bに接続される分岐部52Bのそれぞれにタンク逆止弁56A、56Bが配設される。
【0044】
上記タンク熱交換器53は、サージタンク43Aまたは43Bからタンク合流配管52を経て後述の如く流入した液冷媒を、近傍に配置された送風ファン57の作用により外気と熱交換させて高圧ガス冷媒とし、タンク分岐配管51を経てサージタンク43Aまたは43B内へ供給可能とするものである。この供給された高圧ガス冷媒の圧力により、サージタンク43Aまたは43B内に貯溜された液冷媒が利用側熱交換器32へ圧送可能に設けられる。ここで、タンク熱交換器53内には、高圧ガス冷媒が供給されている側のサージタンク43Aまたは43B内から、タンク逆止弁56Aまたは56Bを経て液冷媒が流入する。
【0045】
第1タンク開閉弁54及び第2タンク開閉弁55は、製氷運転時及び通常冷房運転時には共に閉弁状態とされ、放冷冷房運転時には択一に開閉操作される。
【0046】
つまり、例えば、第1タンク開閉弁54が開操作され、第2タンク開閉弁55が閉操作されているときには、タンク熱交換器53にて生成された高圧ガス冷媒が第1タンク開閉弁54を経てサージタンク43A内へ供給され、これにより、サージタンク43A内に貯溜された液冷媒の大部分が利用側熱交換器32へ、残りがタンク熱交換器53へそれぞれ圧送される。また、サージタンク43A内の液冷媒の液面レベルが所定値以下となって、第2タンク開閉弁55が開操作され、第1タンク開閉弁54が閉操作されたときには、タンク熱交換器53にて生成された高圧ガス冷媒が第2タンク開閉弁55を経てサージタンク43B内へ供給され、これにより、サージタンク43B内に貯溜された液冷媒の大部分が利用側熱交換器32へ、残りがタンク熱交換器53へそれぞれ圧送される。そして、サージタンク43B内の液冷媒の液面レベルが所定値以下となった時点で第1タンク開閉弁54が開操作され、第2タンク開閉弁55が閉操作される。
【0047】
上述の第1タンク開閉弁54及び第2タンク開閉弁55の開閉動作を繰り返すことにより放冷冷房運転を継続させる。
【0048】
従って、上記実施の形態の空気調和装置50によれば、次の効果▲3▼を奏する。
【0049】
▲3▼タンク熱交換器53により外気と熱交換されて生成された高圧ガス冷媒が、第1タンク開閉弁54と第2タンク開閉弁55の選択的開閉操作によりサージタンク43A、43B内へ交互に供給されて、これらサージタンク43A、43B内に貯溜された液冷媒が利用側熱交換器32へ圧送可能に構成されたことから、放冷冷房運転時には外気が高温であるため、タンク熱交換器53により高圧ガス冷媒を容易に生成でき、この結果、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した放冷冷房運転を省消費電力で実現できる。
【0050】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
例えば、流入側逆止弁45A、45B、流出側逆止弁46A、46Bを流入側開閉弁60A、60B、流出側開閉弁61A、61Bにそれぞれ置き換えてもよい。この場合、これらの流入側開閉弁60A、60B、流出側開閉弁61A、61Bは、製氷運転及び通常運転時には全て閉操作される。更に、放冷冷房運転時には、流入側開閉弁60A及び流出側開閉弁61Bが連動して開閉し、流入側開閉弁60B及び流出側開閉弁61Aが連動して、流入側開閉弁60A及び流出側開閉弁61Bとは逆に開閉する。また、サージタンク43A、43Bは3以上あってもよい。
【0052】
更に、サージタンク43A、43B内の加熱は、ヒータ47A、47Bによる場合を述べたが、サージタンク43A、43Bの外部に設置されたヒータ等の加熱手段によりなされてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置によれば、氷蓄熱槽内のコイルと利用側熱交換器との間に、冷媒を貯溜可能な複数のタンクが並列状態で配設され、上記コイル内で凝縮された液冷媒が上記タンク内に貯溜されて、これらのタンク内へ交互に供給される高圧ガス冷媒により利用側熱交換器へ圧送可能に構成され、上記高圧ガス冷媒は、タンク内の一部の液冷媒が熱交換器にて外気との熱交換によってガス化され、この高圧ガス冷媒でもってタンク内の液冷媒を利用側熱交換器へ流すことによって利用側ユニットによる冷房運転が行えること熱交換器により外気と熱交換されて構成されたものである。従って、冷房運転時には外気が高温であるため熱交換器により高圧ガス冷媒を容易に生成でき、この結果、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を省消費電力で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の実施の形態を示す管路図である。
【図2】本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の実施形態を示す管路図である。
【図3】従来の氷蓄熱槽を備えた空気調和装置を示す管路図である。

Claims (2)

  1. 圧縮機及び熱源側熱交換器を備えた熱源側ユニットと、氷蓄熱槽内にコイルが水没状態で配設されてこのコイル外周に氷が形成可能な氷蓄熱ユニットと、利用側熱交換器を備えた利用側ユニットとを有し、製氷運転、冷房運転を実施可能とする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置において、上記氷蓄熱槽内の上記コイルと上記利用側熱交換器との間に、冷媒を貯溜可能な複数のタンクが並列状態で配設され、上記コイル内で凝縮した液冷媒が上記タンク内に貯溜されて、これらのタンク内へ交互に供給される高圧ガス冷媒により上記利用側熱交換器へ圧送可能に構成され、上記高圧ガス冷媒は、前記タンク内の一部の液冷媒が熱交換器にて外気との熱交換によってガス化されたものであり、この高圧ガス冷媒の圧力により前記タンク内の液冷媒を利用側熱交換器へ流し前記利用側ユニットによる冷房運転が行えることを特徴とする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置。
  2. 請求項1記載の空気調和装置において、前記高圧ガス冷媒が送り込まれたことにより一方のタンクの冷媒の液面レベルが所定値以下になったら、他方のタンクへ高圧ガス冷媒を流すように切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
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