JP2004086133A - 電子ディスプレイ装置用フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、鮮明な画像を提供することができる電子ディスプレイ装置用フィルターを提供することにある。
【解決手段】本発明は、一般式(I)
【化16】
Figure 2004086133

(式中、Xは、窒素原子等を表し、Qは、炭素原子等を表し、Rは、水素原子、アルキル基等を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子等を表し、RおよびRは、水素原子、アルキル基等を表し、Rは、水素原子、アルキル基等を表し、Rは、ハロゲン原子、アルキル基等を表し、mは0〜2の整数を表す)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルターを提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽できる電子ディスプレイ装置用フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ディスプレイ装置は、理想的には、赤、青、緑の3原色の組み合わせにより、カラー画像を表示する。しかし、実際の装置では、3原色以外の余分な光(例えば、プラズマディスプレイパネルでは、550から600nmの光:ネオン発光)が含まれるため、色純度の低い画像になるという問題があった。この問題を解決するために、色補正機能を有するフィルターを装備することが考案されている。
【0003】
電子ディスプレイ装置用フィルター用の色素としてスクアリリウム化合物を使用することが知られている。
従来、以下の式で表されるスクアリリウム化合物等を含有するプラズマディスプレイパネルが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【化7】
Figure 2004086133
【0005】
しかしながら、該プラズマディスプレイパネルは、500nm付近の波長域での光の透過率が不十分であるという点から、実用上、満足されるものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−192350号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、鮮明な画像を提供することができる電子ディスプレイ装置用フィルターを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1]一般式(I)
【0009】
【化8】
Figure 2004086133
【0010】
[式中、Xは、窒素原子または酸素原子を表し、Qは、炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよい複素環基を表し(ただし、Xが酸素原子である場合、Rは存在しない)、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよい複素環基を表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素環もしくは置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく(ただし、Qが窒素原子である場合、Rは存在せず、Qが酸素原子または硫黄原子である場合、RおよびRは存在しない)、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、mは0〜2の整数を表し、ここに、mが2の場合、それぞれのRは、同一または異なってもよく、さらに2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい芳香族環を形成してもよい]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[2]一般式(Ia)
【0011】
【化9】
Figure 2004086133
【0012】
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、nは0〜4の整数を表し、ここに、nが2〜4の場合、それぞれのRは、同一または異なってもよく、さらに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい芳香族環を形成してもよい)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[3]一般式(Ib)
【0013】
【化10】
Figure 2004086133
【0014】
(式中、R、R、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[4]一般式(Ic)
【0015】
【化11】
Figure 2004086133
【0016】
(式中、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[5]一般式(Id)
【0017】
【化12】
Figure 2004086133
【0018】
[式中、R、R、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、YおよびYは、同一または異なって、炭素原子または窒素原子を表し、naは0〜4の整数を表す(ただし、YおよびYのどちらか一方が窒素原子である場合、naは0〜3の整数を表し、YおよびYがともに窒素原子である場合、naは0〜2の整数を表す)]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[6]バインダーを含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
[7]一般式(Ia)
【0019】
【化13】
Figure 2004086133
【0020】
(式中、R、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号を付した化合物についても同様に表現する。
一般式(I)および一般式(Ia)〜(Id)の各基の定義において、アルキル基およびアルコキシル基におけるアルキル部分としては、例えば、直鎖もしくは分岐状の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜8の環状アルキル基があげられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等があげられる。
【0022】
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基があげられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等があげられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等があげられる。
【0023】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
2つのRがそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成する芳香族環および隣り合う2つのRがそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成する芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環等の他に、後述する芳香族複素環等があげられる。
【0024】
複素環基における複素環およびRとRが隣接する炭素原子と一緒になって形成する複素環としては、芳香族複素環および脂環式複素環があげられる。
芳香族複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環等があげられ、より具体的にはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、シンノリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、プリン環、カルバゾール環等があげられる。
【0025】
また、脂環式複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環等があげられ、より具体的にはピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ジヒドロベンゾフラン環、テトラヒドロカルバゾール環等があげられる。
【0026】
とRが隣接する炭素原子と一緒になって形成する脂環式炭化水素環としては、例えば、炭素数3〜8のものがあげられ、これらは飽和または不飽和のものであってもよく、具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンテン環、1,3−シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環等があげられる。
【0027】
アラルキル基、アリール基、アルコキシル基、RとRが隣接する炭素原子と一緒になって形成する脂環式炭化水素環、RとRが隣接する炭素原子と一緒になって形成する複素環、隣り合う2つのRがそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成する芳香族環および複素環基の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜5個の置換基、具体的には、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基等があげられる。ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシル基は、それぞれ前記と同義である。
【0028】
アルキル基の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜3個の置換基、具体的には、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシル基等があげられる。ハロゲン原子およびアルコキシル基は、それぞれ前記と同義である。アミノ基の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜2個のアルキル基があげられ、この場合のアルキル基は前記と同義である。
【0029】
2つのRがそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成する芳香族環の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい複素環基等があげられ、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基および置換基を有していてもよい複素環基は、それぞれ前記と同義である。
【0030】
化合物(I)は、公知の方法(WO01/44233等)またはそれらに準じて製造することができるが、化合物(Ia)は、以下の製造法により製造することも可能である。
化合物(Ia)の製造法
【0031】
【化14】
Figure 2004086133
【0032】
(式中、R、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)
化合物(II)は、公知の方法[Dyes and Pigments, 21, 227 (1993)等]またはそれらに準じて製造できる。化合物(III)は、公知の方法(特開平1−242526号公報等)またはそれらに準じて製造できる。
【0033】
化合物(Ia)は、化合物(II)と0.5〜2倍モルの化合物(III)とを、溶媒中、80〜120℃で1〜15時間反応させることにより得られる。該溶媒としては、特に制限されないが、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類または前記のアルコール類とベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類との混合溶媒(アルコール50容量/容量%以上)等が好ましい。
【0034】
反応後、必要に応じて、目的化合物を有機合成化学で通常用いられる方法(カラムクロマトグラフィー法、再結晶法または溶媒での洗浄等)で精製してもよい。
以下、化合物(I)の好ましい具体例を表1−1、1−2および下記式(化合物43〜46)に例示する。表中および化合物43〜46の構造式において、Meはメチル基を表し、Prはプロピル基を表し、iPrはイソプロピル基を表し、Buはブチル基を表し、tBuはtert−ブチル基を表し、Phはフェニル基を表し、Zは−CH=CH−CH=CH−を表す。
【0035】
【表1】
Figure 2004086133
【0036】
【表2】
Figure 2004086133
【0037】
【表3】
Figure 2004086133
【0038】
【化15】
Figure 2004086133
【0039】
次に本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターについて説明する。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターに使用される化合物(I)は、クロロホルム溶液中で、550〜610nmの吸収域に吸収極大を有することが好ましく、570〜600nmの吸収域に吸収極大を有することがより好ましい。また、化合物(I)を含有するフィルムが、550〜610nmの吸収域に吸収極大を有することが好ましく、570〜610nmの吸収域に吸収極大を有することがより好ましい。該フィルムは、化合物(I)を透明基板を構成する樹脂に直接溶解、または分散させた後、成形し、フィルム化することにより得ることができる。化合物(I)においては、吸収極大波長での透過率50%の吸収幅(吸収極大波長近傍における透過率50%以下を示す最大吸収波長と最小吸収波長の差)が、80nm以下であることが好ましい。また、化合物(I)は、400〜500nmの領域にて、十分な透過率を有することが好ましく、例えば、550〜610nmの吸収域に吸収極大を有するものに関しては、500nmでの透過率が80%以上であることが好ましい。
【0040】
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターにおいては、モル吸光係数の対数値が4.5以上であるのが好ましく、4.8以上であるのがより好ましい。
電子ディスプレイ装置用フィルターは、化合物(I)の塗工液を、透明基板に塗布して、有機溶媒を蒸発させて、製造するのが好ましい。また、必要に応じて、さらに他の透明基板を張り合わせてもよい。
【0041】
塗工液は、化合物(I)を含む有機溶媒の溶液をバインダーと共に該有機溶媒に溶解させて調製してもよい。
有機溶媒の例として、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類等があげられ、化合物(I)に対して10〜3000倍量(重量)使用されるのが好ましい。
【0042】
バインダーの例としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボナート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等があげられ、化合物(I)に対して10〜500倍量(重量)使用されるのが好ましい。
透明基板としては、透明で、吸収、散乱が少ない樹脂またはガラスであれば特には限定されないが、例えば、該樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボナート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等があげられる。
【0043】
化合物(I)の塗工液を透明板に塗布する手法としては、バーコート法、スプレー法、ロールコート法、ディッピング法等の公知の塗布法が利用できる(米国特許2681294号等)。
化合物(I)は、有機溶媒に対する溶解性が高く、前記の塗工液を使用した電子ディスプレイ装置用フィルターの製造法に適している。
【0044】
また、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、化合物(I)を透明基板を構成する樹脂に直接溶解、または分散させた後、成形して、フィルム化し、必要に応じて、その片側または両側に他の透明基板を張り合わせて製造してもよい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、視野の明るさを保ちつつ、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、色補正機能に優れ、色彩に優れた鮮明な画像を提供することができる。
【0045】
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、例えば、ブラウン管、蛍光表示管、電界発光パネル、発光ダイオード、プラズマパネル、発熱電球、レーザーディスプレイ、液晶ディスプレイまたはエレクトロクロミックディスプレイ等に使用することができる。
【0046】
【実施例】
実施例1
4−(5−クロロ−1,3,3−トリメチルインドリン−2−イリデンメチル)−3−ヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン1.22g、5−ヒドロキシ−3−フェニルイソオキサゾール0.64gにn−ブタノール20mlおよびトルエン10mlを加え、110℃で10時間加熱した後、析出物を濾取し、クロマトグラフィー法(シリカゲル、クロロホルム/メタノール)で精製することにより、化合物43(0.67g)を得た。
【0047】
H NMR δ(DMSO−d)ppm: 1.58 (6H, s), 3.50 (3H, s), 5.55 (1H, s), 7.31−7.50 (7H, m), 7.61−7.62 (1H, m).
【0048】
参考例1
3−(1−tert−ブチル−5−ヒドロキシ−3−プロピルピラゾール−4−イル)−4−ヒドロキシシクロブテン−1,2−ジオン0.54g、ヨウ化 2,3−ジメチルベンゾチアゾリウム0.60g、キノリン0.28gにn−ブタノール3mlおよびトルエン1.5mlを加え、110℃で5時間加熱した後、メタノール5mLを加え、析出物を濾取し、化合物44(0.64g)を得た。
【0049】
H NMR δ(CDCl)ppm: 0.99 (3H, t,J=7.3Hz), 1.59 (9H, s),1.65−1.75 (2H, m),2.81−2.85 (2H, m),3.80 (3H, s), 5.94−6.04 (1H, br s), 7.32−7.37 (2H, m), 7.46−7.50 (1H, m), 7.66−7.68 (1H, m).
【0050】
参考例2
3−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニルピラゾール−4−イル)シクロブテン−1,2−ジオン0.52g、ヨウ化 1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾ[4,5,b]キノキサリウム1.19g、キノリン0.35gにn−ブタノール4mlおよびトルエン2mlを加え、110℃で8時間加熱した後、メタノール10mLを加え、析出物を濾取し、化合物46(0.77g)を得た。
【0051】
H NMR δ(CDCl)ppm: 0.96 (6H, t,J=7.6Hz),1.33−1.43 (4H,m),1.82−1.90 (4H, m), 2.50 (3H, s), 3.56 (3H, s),4.76 (4H, t,J=7.3Hz),5.74 (1H, s), 7.74−7.78 (2H, m), 8.09−8.14 (2H, m).
【0052】
実施例2
化合物1〜29、31、32、36〜46のクロロホルム溶液中での吸収極大波長(λmax)とモル吸光係数の対数値(logε)を測定(800〜300nm)した結果を表2−1、2−2に示す。なお、化合物1〜29、31、32および36〜42は、WO01/44233号等に記載の方法に準じて製造することができる。
【0053】
【表4】
Figure 2004086133
【0054】
【表5】
Figure 2004086133
【0055】
実施例3
化合物1、13、29、41、43、44または46の0.5重量%ジメトキシエタン溶液とポリエステル樹脂[バイロン200(東洋紡績(株)社製)]の20重量%ジメトキシエタン溶液を7:2の割合(化合物41については6:2)で混合し、ガラス基板上にバーコーターで塗工、乾燥後、コーティングフィルムを作成した。このフィルムの透過率曲線を測定(800〜300nm)し、フィルムにおける吸収極大波長、透過率50%の吸収幅、500nmでの透過率を測定した。その結果を表3に示す。
【0056】
【表6】
Figure 2004086133
【0057】
以上の結果より、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、鮮明な画像を提供できることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、色純度を低下させる波長の光を選択的に遮蔽し、鮮明な画像を提供することができる電子ディスプレイ装置用フィルターを提供することができる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 2004086133
    [式中、Xは、窒素原子または酸素原子を表し、Qは、炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表し、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよい複素環基を表し(ただし、Xが酸素原子である場合、Rは存在しない)、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよい複素環基を表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素環もしくは置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく(ただし、Qが窒素原子である場合、Rは存在せず、Qが酸素原子または硫黄原子である場合、RおよびRは存在しない)、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、mは0〜2の整数を表し、ここに、mが2の場合、それぞれのRは、同一または異なってもよく、さらに2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい芳香族環を形成してもよい]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
  2. 一般式(Ia)
    Figure 2004086133
    (式中、R、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、Rは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、nは0〜4の整数を表し、ここに、nが2〜4の場合、それぞれのRは、同一または異なってもよく、さらに互いに隣り合う2つのRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい芳香族環を形成してもよい)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
  3. 一般式(Ib)
    Figure 2004086133
    (式中、R、R、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
  4. 一般式(Ic)
    Figure 2004086133
    (式中、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
  5. 一般式(Id)
    Figure 2004086133
    [式中、R、R、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、YおよびYは、同一または異なって、炭素原子または窒素原子を表し、naは0〜4の整数を表す(ただし、YおよびYのどちらか一方が窒素原子である場合、naは0〜3の整数を表し、YおよびYがともに窒素原子である場合、naは0〜2の整数を表す)]で表されるスクアリリウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
  6. バインダーを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
  7. 一般式(Ia)
    Figure 2004086133
    (式中、R、R、R、R、Rおよびnは、それぞれ前記と同義である)で表されるスクアリリウム化合物。
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