JP2009221146A - アミニウム化合物 - Google Patents

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元晴 衣笠
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Abstract

【課題】近赤外線を遮蔽し、可視光を透過し、耐久性のよい電子ディスプレイ装置用フィルター等に使用されるアミニウム化合物等を提供する。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2009221146

で表される化合物、それを含有する電子ディスプレイ装置用フィルター等を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子ディスプレイ装置用フィルター等に使用されるアミニウム化合物等に関する。
近赤外線領域の光を吸収する化合物は、近赤外線吸収フィルター、断熱フィルム、サングラス、光記録媒体等の用途が広く考案されている。例えば、プラズマディスプレイ等の電子ディスプレイ装置が発生する近赤外線をカットするために、近赤外線吸収フィルターは電子ディスプレイ装置に使用されている。
近赤外線吸収フィルターとしては、ジインモニウム化合物を用いる近赤外線吸収フィルター(例えば、特開2003−96040号公報等)およびアミニウム化合物を用いる近赤外線吸収フィルター(特許文献1)が知られているが、耐久性について十分ではない。
特開2007−39343号公報
本発明の目的は、近赤外線を遮蔽し、可視光を透過し、耐久性のよい電子ディスプレイ装置用フィルター等に使用されるアミニウム化合物等を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[12]に関する。
[1]一般式(I)
Figure 2009221146
(式中、m、nおよびpは、同一または異なって、0〜4の整数を表し、
、RおよびRは、同一または異なって、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、
mが2以上のときには、それぞれのRは、同一または異なってよく、
nが2以上のときには、それぞれのRは、同一または異なってよく、
pが2以上のときには、それぞれのRは、同一または異なってよく、
、R、R、R、R、およびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RとR、RとR、およびRとRはそれぞれ隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい複素環基を形成してもよく、
、R、R、R、R、またはRが置換基を有するアリール基であるとき、該置換基はヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、およびニトロ基の中から選ばれる基であり、
10およびR11は、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表し、R10とR11は隣接するNと一緒になって置換基を有していてもよい環状のスルホンイミドの一価の陰イオンを形成してもよい)
で表されるアミニウム化合物。
[2]RおよびRの少なくともいずれか一つが置換基を有していてもよいアリール基であり、RおよびRの少なくともいずれか一つが置換基を有していてもよいアリール基であり、RおよびRの少なくともいずれか一つが置換基を有していてもよいアリール基である[1]記載のアミニウム化合物。
[3]RおよびRのうち、一方が置換基を有していてもよいアリール基であり、他方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよい複素環基であって、
およびRのうち、一方が置換基を有していてもよいアリール基であり、他方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよい複素環基であって、
およびRのうち、一方が置換基を有していてもよいアリール基であり、他方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよい複素環基である[1]記載のアミニウム化合物。
[4]R、R、R、R、R、およびRが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリール基である[1]記載のアミニウム化合物。
[5]置換基を有していてもよいアリール基が、置換基を有していてもよいフェニル基である[2]〜[4]のいずれかに記載のアミニウム化合物。
[6]R10およびR11が、同一または異なって、置換基を有するアルキルスルホニル基または置換基を有するアリールスルホニル基であるか、あるいは、R10とR11が隣接するNと一緒になって置換基を有する環状のスルホンイミドの一価の陰イオンを形成し、該アルキルスルホニル基、該アリールスルホニル基または該環状のスルホンイミドの一価の陰イオンの置換基がハロゲン原子である[1]〜[5]のいずれかに記載のアミニウム化合物。
[7]R10およびR11が、同一または異なって、置換基を有するアルキルスルホニル基であって、該アルキルスルホニル基の置換基がハロゲン原子である[1]〜[5]のいずれかに記載のアミニウム化合物。
[8]ハロゲン原子がフッ素原子である[6]または[7]に記載のアミニウム化合物。
[9]m、nおよびpが同一で、0である[1]〜[8]のいずれかに記載のアミニウム化合物。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載のアミニウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
[11]電子ディスプレイ装置がプラズマディスプレイである[10]記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
[12]吸収極大波長が800〜1200nmの領域に存在する[10]または[11]に記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
本発明により、近赤外線を遮蔽し、可視光を透過し、耐久性のよい電子ディスプレイ装置用フィルター等に使用されるアミニウム化合物等を提供することができる。
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号を付した化合物についても同様に表現することもある。
一般式の各基の定義において、アルキル基、ならびにアルコキシル基およびアルキルスルホニル基のアルキル部分としては、例えば、直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基および炭素数3〜8の環状アルキル基があげられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等があげられる。
アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基があげられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等があげられる。
アリール基およびアリールスルホニル基のアリール部分としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等があげられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられる。
複素環基における複素環としては、芳香族複素環および脂環式複素環があげられる。
芳香族複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環等があげられ、より具体的にはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、シンノリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、プリン環、カルバゾール環等があげられる。
脂環式複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環等があげられ、より具体的にはピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ジヒドロベンゾフラン環、テトラヒドロカルバゾール環等があげられる。
とR、RとR、およびRとRがそれぞれ隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基における複素環としては、例えば、少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環(該単環性複素環は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環(該縮環性複素環は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等があげられ、その具体例としては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ホモピペリジン環、ホモピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、インドリン環、イソインドール環等があげられる。
10とR11が隣接するNと一緒になって形成される環状のスルホンイミドの一価の陰イオンにおける環状のスルホンイミドとしては、例えば、エタン−1,2−ジスルホンイミド、プロパン−1,3−ジスルホンイミド、ブタン−1,4−ジスルホンイミド等があげられる。
アルキル基およびアルコキシル基の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜3個の置換基、具体的には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基等があげられる。ハロゲン原子およびアルコキシル基は、それぞれ前記と同義である。アルコキシアルコキシル基の2つのアルコキシ部分は、前記アルコキシル基と同義である。
アラルキル基、アリールスルホニル基、複素環基、R、R、またはRが置換基を有するアリール基であるときのアリール基、ならびにRとR、RとR、およびRとRがそれぞれ隣接する窒素原子と一緒になってそれぞれ形成される複素環基の置換基としては、例えば、同一または異なって1〜5個の置換基、具体的には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基等があげられる。ハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシル基は、それぞれ前記と同義である。
、R、R、R、R、またはRが置換基を有するアリール基であるとき、該置換基はヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、およびニトロ基の中から選ばれる基であり、該置換基の数は1〜5個である。該置換基の数が2以上の場合は、それぞれの該置換基は、同一または異なってよい。
アルキルスルホニル基、およびR10とR11が隣接するNと一緒になって形成される環状のスルホンイミドの一価の陰イオンの置換基としては、例えば、アルキル基およびアルコキシル基の置換基として前記に例示した官能基と同じものがあげられる。但し、該置換基がハロゲン原子のとき、該ハロゲン原子の置換数は、1〜該アルキルスルホニル基または該環状のスルホンイミドに含まれる全水素数の範囲である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。フッ素原子で置換されたアルキルスルホニル基の具体例としては、フルオロメチルスルホニル基、ジフルオロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、トリフルオロエチルスルホニル基、ペンタフルオロエチルスルホニル基、ヘプタフルオロプロピルスルホニル基、トリフルオロブチルスルホニル基、ノナフルオロブチルスルホニル基等があげられ、中でも、トリフルオロメチルスルホニル基、ペンタフルオロエチルスルホニル基、ヘプタフルオロプロピルスルホニル基、またはノナフルオロブチルスルホニル基が好ましい。フッ素原子で置換された該環状のスルホンイミドの一価の陰イオンの具体例としては、1,1,2,2−テトラフルオロエタン−1,2−ジスルホンイミド、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミド、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン−1,4−ジスルホンイミド等の一価の陰イオンがあげられる。
次に、化合物(I)の製造法について説明する。
例えば、反応式(1−a)〜(1−d)に従って、化合物(I)を製造することができる。
反応式(1−a)
Figure 2009221146
反応式(1−b)
Figure 2009221146
反応式(1−c)
Figure 2009221146
反応式(1−d)
Figure 2009221146
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、m、nおよびpは、それぞれ前記と同義であり、X、XおよびXは、同一または異なって、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等を表す)
化合物(II)は、公知の方法(Chem. Commun. 2006, 281等)に準じて製造することができる。
反応式(1−a)
化合物(IV)は、公知の方法(Angew. Chem. Int .Ed. 1998, 37, 2046等)に準じて製造することができる。
化合物(II)と1〜3倍モルの化合物(III)とを、金属触媒および塩基の存在下、溶媒中、20〜150℃の温度で、0.2〜15時間反応させることにより化合物(IV)を製造することができる。必要に応じて、1価配位子または2価配位子等の配位子を反応前に添加してもよい。
金属触媒の金属部分としては、例えば、ニッケル、パラジウム、銅等があげられる。金属触媒としては、前記金属、前記金属の塩(ハロゲン化物、酢酸塩等)、前記金属の錯体(アセチルアセトナート錯体、ジベンジリデンアセトン錯体等)、前記金属の担持物(パラジウムカーボン等)等があげられる。
1価配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’, 4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル等があげられる。
2価配位子としては、1’,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等があげられる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等があげられる。
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒等があげられる。
反応後、必要に応じて、有機合成化学で通常用いられる方法(各種カラムクロマトグラフィー法、再結晶法、溶媒による洗浄等)で化合物(IV)を精製してもよい。
反応式(1−b)
化合物(II)の代わりに化合物(IV)を使用し、化合物(III)の代わりに化合物(V)を使用する以外は、反応式(1−a)の場合と同様の条件で反応させて、化合物(VI)を製造することができる。
反応式(1−c)
化合物(II)の代わりに化合物(VI)を使用し、化合物(III)の代わりに化合物(VII)を使用する以外は、反応式(1−a)の場合と同様の条件で反応させて、化合物(VIII)を製造することができる。
反応式(1−d)
公知の方法(特開2007−39343号公報等)に準じて化合物(I)を製造することができる。
化合物(VIII)と1〜5倍モルのR1011NAgとを溶媒中、0〜120℃の温度で、0.2〜15時間反応させることにより、化合物(I)を製造することができる。ここで、R10およびR11は、それぞれ前記と同義である。
1011NAgの具体例としては、例えば、(CFSONAg、(CSONAg、(CSONAg、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドの銀塩等があげられる。
溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が用いられる。
反応後、必要に応じて、有機合成化学で通常用いられる方法(各種カラムクロマトグラフィー法、再結晶法、溶媒による洗浄等)で化合物(I)を精製してもよい。
1011NAgの代わりに硝酸銀、過塩素酸銀、塩化銅、塩化鉄等の酸化剤を用いる以外は反応式(1−d)の場合と同様の条件で反応させた後、R1011NLi、R1011NNa、R1011NK等を加えて塩交換することにより、化合物(I)を製造することもできる。ここで、R10およびR11は、それぞれ前記と同義である。
とRの組み合わせ、RとRの組み合わせ、およびRとRの組み合わせが、全て同一の組み合わせである化合物(I)を、工程1と工程2に従って製造することができる。
工程1
、XおよびXが同一であってもよい化合物(II)を使用し、該化合物(II)に対して3〜9倍モルの化合物(III)を使用する以外は反応(1−a)の場合と同様の条件で反応させて、RとRの組み合わせ、RとRの組み合わせ、およびRとRの組み合わせが、全て同一の組み合わせである化合物(VIII)を製造することができる。
工程2
工程1により製造した化合物(VIII)を反応(1−d)の場合と同様の条件で反応させて、RとRの組み合わせ、RとRの組み合わせ、およびRとRの組み合わせが、全て同一の組み合わせである化合物(I)を製造することができる。
以下に、化合物(I)の好ましい具体例を例示する。式中、Phはフェニル基を表す。
Figure 2009221146
Figure 2009221146
Figure 2009221146
本発明の化合物(I)は、電子ディスプレイ装置フィルター用の近赤外線吸収剤、断熱フィルム用の近赤外線吸収剤、サングラス用の近赤外線吸収剤、光記録材料等として使用することができ、中でも、電子ディスプレイ装置フィルター用の近赤外線吸収剤として適している。
また、化合物(I)は有機溶媒に対する溶解性が高く、後述の塗工液を使用した電子ディスプレイ装置用フィルターの製造に適している。
次に、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターについて説明する。
電子ディスプレイ装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等があげられ、中でも、プラズマディスプレイが好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターに使用される化合物(I)の吸収極大波長は、クロロホルム溶液中で、800〜1300nmの領域に存在するのが好ましく、800〜1200nmの領域に存在するのがより好ましい。また、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターに使用される化合物(I)のモル吸光係数の対数値は、4.0以上であるのが好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターの吸収極大波長は、近赤外線を遮蔽するためには、800〜1300nmの領域に存在するのが好ましく、800〜1200nmの領域に存在するのがより好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターの可視領域での透過率は、高いほど好ましい。該フィルターの800〜1300nmの吸収極大波長での透過率が10から40%の範囲であるとき、該フィルターの750nmでの透過率が60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましい。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターとしては、例えば、化合物(I)を含む塗工液を透明基板に塗布して、乾燥することにより得られる積層体、該積層体の片側または両側に他の透明基板を張り合わせたもの等があげられる。
塗工液は、例えば、化合物(I)とバインダーとを有機溶媒に溶解させて調製することができる。
有機溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類等があげられ、これらを単独または混合して使用してもよい。有機溶媒は、化合物(I)に対して1〜3000倍量(重量)使用されるのが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボナート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等があげられ、これらは、化合物(I)に対して2〜500倍量(重量)使用されるのが好ましい。
透明基板としては、透明で、吸収、散乱が少ない樹脂またはガラスであれば特には限定されないが、例えば、該樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボナート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等があげられる。
化合物(I)を含む塗工液を透明基板に塗布する手法としては、バーコート法、スプレー法、ロールコート法、ディッピング法等の公知の塗布法が利用できる(米国特許2681294号等)。
また、前記の透明基板を構成する樹脂を熱や可塑剤等により軟化させた後、該樹脂中に化合物(I)を溶解または分散させて樹脂組成物とし、該樹脂組成物を成形して得られる成型品(フィルム、板等)、および該成型品の片側または両側に他の透明基板を張り合わせたもの等も、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターとしてあげられる。
本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは、例えば、ブラウン管、蛍光表示管、電界発光パネル、発光ダイオード、プラズマディスプレイパネル、発熱電球、レーザーディスプレイ、液晶ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、またはフィールドエミッションディスプレイ等に使用することができる。
以下に、実施例、試験例により、本発明をさらに具体的に説明する。
(化合物2の製造)
トリス(4−ブロモフェニル)アミン0.85g、N−2,4−ジメチルフェニル−N−フェニルアミン1.15g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム18mg、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’, 4’,6’−トリイソプロピルビフェニル45mg、およびtert−ブトキシナトリウム0.71gをキシレン11mlに入れ、100℃で1時間反応させた。その後、反応溶液にイソプロピルアルコール43mlおよび水18mlを添加し、20〜30℃まで冷却した。析出した固体を濾取後、その固体をアセトン15mlに懸濁した後、アセトン10mlに溶解した(CFSONAg0.7gを添加した。室温下、1時間反応させた後、濾過し、母液にイソプロピルアルコール40mlおよび水325mlを加え、室温下、30分間撹拌した。析出した固体を濾取することにより化合物2(1.91g)を得た。
MS:FAB 830([C6054)、FAB 280([CNO])
(化合物3の製造)
トリス(4−ブロモフェニル)アミン0.15g、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミン0.28g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム3mg、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’, 4’,6’−トリイソプロピルビフェニル8mg、およびtert−ブトキシナトリウム0.12gをキシレン2mlに入れ、100℃で1.5時間反応させた。その後、反応溶液にイソプロピルアルコール4mlおよび水1mlを添加し、20〜30℃まで冷却した。析出した固体を濾取後、その固体をアセトン4mlに懸濁した後、アセトン3mlに溶解した(CFSONAg0.1gを添加した。室温下、1時間反応させた後、濾過し、母液に水40mlを加え、室温下、30分間撹拌した。析出した固体を濾取することにより化合物3(0.34g)を得た。
(化合物4の製造)
トリス(4−ブロモフェニル)アミン0.21g、N−メチルアニリン0.16g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム9mg、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’, 4’,6’−トリイソプロピルビフェニル23mg、およびtert−ブトキシナトリウム0.17gをキシレン3mlに入れ、100℃で1時間反応させた。その後、反応溶液にイソプロピルアルコール14mlおよび水2mlを添加し、20〜30℃まで冷却した。析出した固体を濾取後、その固体をアセトン3mlに懸濁した後、アセトン2mlに溶解した(CFSONAg0.11gを添加した。室温下、1時間反応させた後、濾過し、母液に水30mlを加え、室温下、30分間撹拌した。析出した固体を濾取することにより化合物4(0.18g)を得た。
(化合物5の製造)
トリス(4−ブロモフェニル)アミン0.21g、N−フェニルベンジルアミン0.25g、塩化パラジウム2mg、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’, 4’,6’−トリイソプロピルビフェニル6mg、およびtert−ブトキシナトリウム0.16gをキシレン3mlに入れ、100℃で2時間反応させた。その後、反応溶液にイソプロピルアルコール9mlおよび水2mlを添加し、20〜30℃まで冷却した。析出した固体を濾取後、その固体をアセトン4mlに懸濁した後、アセトン3mlに溶解した(CFSONAg0.12gを添加した。室温下、1時間反応させた後、濾過し、母液に水40mlを加え、室温下、30分間撹拌した。析出した固体を濾取することにより化合物5(0.33g)を得た。
[試験例1]
U-4000型自記分光光度計[(株)日立製作所製]を使用し、化合物2、3、4、および5のクロロホルム溶液中での吸収極大波長とモル吸光係数の対数値(logε)を測定(1500〜300nm)した。その結果を表1に示す。
Figure 2009221146
[試験例2]
化合物2、3、4、および5の2.2重量%テトラヒドロフラン溶液のそれぞれとアクリル系樹脂[ダイヤナールBR−80[三菱レーヨン(株)社製]]の20重量%ジメトキシエタン溶液とを7:2の割合で混合し、ガラス基板上にスピンコーター(1200rpm、5秒間)で塗工後、80℃のセーフベンドライヤーで15分間乾燥し、フィルターを作製した。U−4000型自記分光光度計[(株)日立製作所製]を使用し、これらのフィルターにおける吸収極大波長、吸収極大波長での透過率、および750nmの透過率を測定(1500〜300nm)した。その結果を表2に示す。
Figure 2009221146
表2より、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは近赤外線を遮蔽し、可視光を透過することがわかる。
[試験例3]
試験例2と同様にして作製したフィルターの耐光性試験および耐湿熱性試験を行った。その結果を表3に示す。耐光性試験には、デューパネル光コントロールウェザーメーター(DPWL−5R型)を用いた。U−4000型自記分光光度計[(株)日立製作所製]を使用して、試験前および試験後においてフィルターの吸収極大波長の吸光度を測定し、アミニウム化合物の残存率を求めた。
Figure 2009221146
表3より、本発明の電子ディスプレイ装置用フィルターは耐光性および耐湿熱性に優れることがわかる。
本発明により、近赤外線を遮蔽し、可視光を透過し、耐久性のよい電子ディスプレイ装置用フィルター用等に使用されるアミニウム化合物等を提供することができる。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 2009221146
    (式中、m、nおよびpは、同一または異なって、0〜4の整数を表し、
    、RおよびRは、同一または異なって、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、
    mが2以上のときには、それぞれのRは、同一または異なってよく、
    nが2以上のときには、それぞれのRは、同一または異なってよく、
    pが2以上のときには、それぞれのRは、同一または異なってよく、
    、R、R、R、R、およびRは、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を表し、RとR、RとR、およびRとRはそれぞれ隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい複素環基を形成してもよく、
    、R、R、R、R、またはRが置換基を有するアリール基であるとき、該置換基はヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、およびニトロ基の中から選ばれる基であり、
    10およびR11は、同一または異なって、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基または置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表し、R10とR11は隣接するNと一緒になって置換基を有していてもよい環状のスルホンイミドの一価の陰イオンを形成してもよい)
    で表されるアミニウム化合物。
  2. およびRの少なくともいずれか一つが置換基を有していてもよいアリール基であり、RおよびRの少なくともいずれか一つが置換基を有していてもよいアリール基であり、RおよびRの少なくともいずれか一つが置換基を有していてもよいアリール基である請求項1記載のアミニウム化合物。
  3. およびRのうち、一方が置換基を有していてもよいアリール基であり、他方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよい複素環基であって、
    およびRのうち、一方が置換基を有していてもよいアリール基であり、他方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよい複素環基であって、
    およびRのうち、一方が置換基を有していてもよいアリール基であり、他方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよい複素環基である請求項1記載のアミニウム化合物。
  4. 、R、R、R、R、およびRが、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリール基である請求項1記載のアミニウム化合物。
  5. 置換基を有してもよいアリール基が、置換基を有していてもよいフェニル基である請求項2〜4のいずれかに記載のアミニウム化合物。
  6. 10およびR11が、同一または異なって、置換基を有するアルキルスルホニル基または置換基を有するアリールスルホニル基であるか、あるいは、R10とR11が隣接するNと一緒になって置換基を有する環状のスルホンイミドの一価の陰イオンを形成し、該アルキルスルホニル基、該アリールスルホニル基または該環状のスルホンイミドの一価の陰イオンの置換基がハロゲン原子である請求項1〜5のいずれかに記載のアミニウム化合物。
  7. 10およびR11が、同一または異なって、置換基を有するアルキルスルホニル基であって、該アルキルスルホニル基の置換基がハロゲン原子である請求項1〜5のいずれかに記載のアミニウム化合物。
  8. ハロゲン原子がフッ素原子である請求項6または7に記載のアミニウム化合物。
  9. m、nおよびpが同一で、0である請求項1〜8のいずれかに記載のアミニウム化合物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のアミニウム化合物を含有する電子ディスプレイ装置用フィルター。
  11. 電子ディスプレイ装置がプラズマディスプレイである請求項11記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
  12. 吸収極大波長が800〜1200nmの領域に存在する請求項10または11に記載の電子ディスプレイ装置用フィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013087081A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Hitachi Chemical Co Ltd 電子受容性化合物及びその製造方法、該化合物を含む重合開始剤、有機エレクトロニクス材料及びこれらを用いた有機薄膜、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、表示素子、照明装置、並びに表示装置

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