JP2017165858A - 金属錯体化合物、含窒素複素環化合物、光学フィルタ用色素、着色組成物及び光学フィルタ - Google Patents

金属錯体化合物、含窒素複素環化合物、光学フィルタ用色素、着色組成物及び光学フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】所定の波長の光を選択的に吸収することができ、かつ、耐熱性及び耐光性に優れるためカラーフィルタ等の光学フィルタ用の色素等として好適に使用することができる金属錯体化合物、並びに、該金属錯体化合物を含む光学フィルタ用色素、着色組成物及び光学フィルタの提供。【解決手段】式(1)で表される金属錯体化合物。(R1〜R4は各々独立にH、置換/非置換のアルキル基等;Xは単環又は多環の複素環基等;環Y1及び環Y2は各々独立に単環又は多環の複素環;P1及びP2は各々独立にC又はN;Mは第3族〜第12族原子;矢印は配位結合;a〜cは1〜3の整数;A−は、ハロゲン化物イオン、BF4−等のアニオン化合物)【選択図】なし

Description

本発明は、金属錯体化合物、含窒素複素環化合物、光学フィルタ用色素、着色組成物及び光学フィルタに関する。
液晶ディスプレイのカラーフィルタに用いられる色素は、カラーフィルタの輝度、色再現性を向上させるため、所望の波長の光を吸収できる分光吸収特性を有することが要求される。また、カラーフィルタは通常光源付近に配置されるため、使用される環境下における耐久性、例えば、耐熱性及び耐光性が良好であることが必要とされる。
カラーフィルタ以外の光学フィルタにおいても、耐熱性、耐光性に優れた材料が求められており、色素の分光特性に加えてこれらの性能を満たす色素が求められている。例えば特許文献1には、選択的光吸収波長が480〜510nmであり、ディスプレイ用フィルタに好適に採用され得る金属錯体色素が開示されている。
特開2010−18655号公報
特許文献1に開示される金属錯体色素は、480〜510nmの波長の光を吸収する色素として有用であるが、該波長以外の波長の光についても、有効に吸収することができ、かつ耐熱性及び耐光性に優れた色素の開発が望まれている。
本発明は、所定の波長の光を選択的に吸収することができ、かつ、耐熱性及び耐光性に優れるためカラーフィルタ等の光学フィルタ用の色素等として好適に使用することができる金属錯体化合物、並びに、該金属錯体化合物を含む光学フィルタ用色素、着色組成物及び光学フィルタを提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、下記一般式(2)で表される含窒素複素環化合物が、600〜650nmに吸収極大を持ち、かつ熱分解温度が200℃以上と高く、耐熱性に優れることを見出した。また、一般式(2)で表される含窒素複素環化合物を配位子とする一般式(1)で表される金属錯体化合物を製造したところ、この化合物は、600〜650nmに吸収極大を持ち、この波長の光を有効に吸収することができると共に、耐熱性及び耐光性に優れるため、例えばカラーフィルタ等の光学フィルタ用の色素等として好適であることを見出し、この知見に基づきさらに研究を重ねて本発明に想到した。
すなわち、本発明の金属錯体化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2017165858
(式中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、−CO又は−NRを表し、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、波線
Figure 2017165858
は、単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置又はそれらの混合であることを示し、Xは、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよい炭素原子を介して連結した置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、又は置換基を有していてもよい炭素原子を介して連結した置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基を表し、環Y及び環Yにおける点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表し、環Y及び環Yは、互いに独立に、置換基を有していてもよい単環又は多環の複素環基を表し、実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表し、P及びPは、互いに独立に炭素原子又は窒素原子を表し、Mは、第3族〜第12族原子を表し、矢印は配位結合を表し、a〜cは、1〜3の整数を表し、Aは、ハロゲン化物イオン、BF 、PF 、ClO 又は一般式(CA1)〜(CA4)のいずれかで表されるアニオン化合物を表す。一分子中にAを複数有する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。一分子中に複数の下記一般式(2’)で表される構造を有する場合、それらは同じであってもよく、異なる構造であってもよい。)
Figure 2017165858
(式中、R〜R、波線、X、環Y、環Y、P及びPは、一般式(1)中のR〜R、波線、X、環Y、環Y、P及びPとそれぞれ同義である。)
Figure 2017165858
(式中、R81及びR82は、互いに独立に、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を表し、R81とR82が互いに結合して環を形成してもよく、R91〜R94は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R101〜R103は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基を表し、R104〜R107は、互いに独立に、フッ素原子又は置換基を有していてもよいフッ化炭化水素基を表し、Mは、第13族原子、3価の鉄原子又は3価のコバルト原子を表す。)
上記一般式(1)において、Aは、上記一般式(CA1)、又は一般式(CA2)で表されるアニオン化合物であることが好ましい。
上記一般式(1)においては、Xが一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表すことが好ましい。
Figure 2017165858
(式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
13〜R18、R23〜R28、R33〜R36、R42〜R45、R52〜R55及びR62〜R68は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
19、R29、R37、R46及びR69は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
41、R51及びR61は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、シアノ基又は−CO205を表し、R205は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
56及びR57は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
Figure 2017165858
(式中、R71及びR72は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
Figure 2017165858
(式中、R73〜R75は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CO207、−SONR208209又は−SO210を表し、R207〜R209は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R210は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は金属原子を表し、nは0〜4の整数であり、R73が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。mは、0〜4の整数であり、R74が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。xは、0〜2の整数であり、R75が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。)
本発明の金属錯体化合物では、上記一般式(1)において、環Yが一般式(Y11)で表される基であることが好ましい。
Figure 2017165858
(式中、R71は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
本発明においては、上記一般式(1)において、Xが上記一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であることが好ましい。
Figure 2017165858
(式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
13〜R18、R23〜R28及びR33〜R36は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
19、R29及びR37は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
本発明の含窒素複素環化合物は、下記一般式(2)で表されることを特徴とする。
Figure 2017165858
(式中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、−CO又は−NRを表し、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、波線
Figure 2017165858
は、単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置又はそれらの混合であることを示し、Xは、一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表し、環Y及び環Yにおける点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表し、環Y及び環Yは、互いに独立に、置換基を有していてもよい単環又は多環の複素環基を表し、実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表し、P及びPは、互いに独立に炭素原子又は窒素原子を表し、前記環Yは、一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表し、前記環Yは、一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表す。)
Figure 2017165858
(式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
13〜R18、R23〜R28、R33〜R36、R42〜R45、R52〜R55及びR62〜R68は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
19、R29、R37、R46及びR69は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
41、R51及びR61は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、シアノ基又は−CO205を表し、R205は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
56及びR57は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(2)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
Figure 2017165858
(式中、R71及びR72は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(2)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(2)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
Figure 2017165858
(式中、R73〜R75は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CO207、−SONR208209又は−SO210を表し、R207〜R209は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R210は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は金属原子を表し、nは0〜4の整数であり、R73が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。mは、0〜4の整数であり、R74が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。xは、0〜2の整数であり、R75が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。Pは、一般式(2)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。)
上記一般式(2)において、Xが上記一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であり、環Yが上記一般式(Y11)又は(Y12)で表される基であることが好ましい。また、本発明の含窒素複素環化合物においては、上記一般式(2)において、環Yが上記一般式(Y11)で表される基であり、環Yが上記一般式(Y21)で表される基であることが更に好ましい。
本発明の光学フィルタ用色素は、本発明の金属錯体化合物を含むことを特徴とする。
本発明の着色組成物は、本発明の金属錯体化合物、及び樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の光学フィルタは、本発明の金属錯体化合物を含むことを特徴とする。
本発明の金属錯体化合物は、所定の波長の光を選択的に吸収することができ、かつ、高耐熱性及び高耐光性を示すものであるため、カラーフィルタ等の光学フィルタ用の色素等として好適に使用される。本発明の金属錯体化合物、光学フィルタ用色素又は着色組成物を使用することにより、長期間にわたって高品質の画像を表示し得る、光学フィルタを製造することが可能となる。
本発明の金属錯体化合物は、上記一般式(1)で表されることを特徴とする。また、本発明の含窒素複素環化合物は、上記一般式(2)で表されることを特徴とする。
以下、上記一般式(1)で表される金属錯体化合物及び一般式(2)で表される含窒素複素環化合物を、それぞれ、化合物(1)及び化合物(2)ともいう。他の式番号の化合物についても同様である。
本発明の化合物(1)及び化合物(2)において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。また、本発明の化合物(1)及び化合物(2)において1つ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物及びそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物のいずれも本発明に包含される。
上記一般式(1)及び一般式(2)における各基及びその置換基について、以下に説明する。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1、2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプタデシル基、2,6−ジメチルヘプタデシル基、2,4−ジメチルヘプタデシル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数6〜10の単環又は多環の芳香環基(フェニル基、ナフチル基等)、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基(例えば、アセチル基、ピロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基、シンナモイル基、アニソイル基、ナフトイル基等)、炭素数2〜10のアシルオキシ基等が挙げられる。
単環又は多環の芳香環基としては、例えば、炭素数6〜20の単環又は多環の芳香環基が挙げられ、具体的には、フェニル基等の単環の芳香族炭化水素基;ナフチル基、アントラセニル基、ナフタセニル基、ペンタセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基等の多環の芳香族炭化水素基が挙げられる。
置換基を有していてもよい単環又は多環の芳香環基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、炭素数1〜8のハロゲン化炭化水素基、カルボキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。例えば、置換基を有するフェニル基及びナフチル基の一例を挙げると、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等が挙げられる。
単環又は多環の複素環基として、単環又は多環の芳香族複素環基、単環又は多環の非芳香族複素環基が挙げられる。
単環又は多環の芳香族複素環基としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の単環の芳香族複素環基;5員又は6員の環が縮合した二環又は三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む多環の芳香族複素環基等が挙げられる。より具体的には、例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、フラン環、チオフェン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ピラゾロトリアゾール環、カルバゾール環、ベンゾインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環や、これらの環を含む二環又は三環性の縮合環等が挙げられる。
単環又は多環の非芳香族複素環基としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の単環の非芳香族複素環基、5員又は6員の環が縮合した二環又は三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む多環の非芳香族複素環基等が挙げられる。より具体的には、例えば、ピロリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピラン環、ピペリジン環や、これらの環を含む二環又は三環性の縮合環等が挙げられる。
置換基を有していてもよい単環又は多環の複素環基における置換基は特に限定されず、例えば、上述した炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、炭素数1〜8のハロゲン化炭化水素基等が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基又はハロゲン原子である。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、炭素数6〜20のアリールオキシ基が挙げられる。具体的には、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−iso−プロピルフェノキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールオキシ基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキルチオ基が挙げられ、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキルチオ基における置換基は特に限定されず、例えば、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、炭素数6〜20のアリールチオ基が挙げられ、具体的には、フェニルチオ基等が挙げられる。置換基を有していてもよいアリールチオ基における置換基として、例えば、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
置換基を有するアリールチオ基として、具体的には、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、4−ニトロフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオンである。
ハロゲン化炭化水素基として、例えば炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のハロゲン化アルケニル基、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のハロゲノアルコキシ基、炭素数1〜20のハロゲン化アリール基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基として、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルケニル基として、例えば、1−クロロエテニル基、2−クロロエテニル基等が挙げられる。ハロゲノアルコキシ基として、例えば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,1,2−トリフルオロエトキシ基、1,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、1−フルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロポキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシ基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1−ヘプチルオキシ基、7,7,8,8,8−ペンタフルオロ−1−オクチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,−ヘキサデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロ−1−ノニルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロ−1−デシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリデカフルオロ−1−ドデシルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロ−1−ドデシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘプタデカフルオロ−1−テトラデシルオキシ基、分岐タイプのものとしては、3−クロロ−2−メチルプロピル基、1H,1H,2,5−ジ(トリフルオロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)−1−ヘキシルオキシ基、2−(パーフルオロ−1−メチルブチル)−1−エトキシ基、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エトキシ基、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エトキシ基、2H−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1−プロポキシ基等が挙げられる。ハロゲン化アリール基として、例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、フルオロ−トリフルオロメチルフェニル基、フルオロ−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、フルオロ−ペンタフルオロエチルフェニル基等が挙げられる。
中でも、ハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)中の水素原子の1個以上10個以下がハロゲン原子に置換された基が好ましい。
置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、炭素数1〜10の単環又は多環の芳香環基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜3)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
上述したアルキル基、単環又は多環の芳香環基、単環又は多環の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化炭化水素基が置換基を有する場合において、置換基が2以上ある場合には、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
第3族〜第12族原子として、スカンジウム、イットリウム等の第3族原子;チタン、ジルコニウム等の第4族原子;バナジウム、ニオブ等の第5族原子;クロム、モリブデン、タングステン等の第6族原子;マンガン、テクネチウム等の第7族原子;鉄原子、ルテニウム原子等の第8族原子;コバルト原子、ロジウム原子、イリジウム原子等の第9族原子;ニッケル原子、パラジウム原子、白金原子等の第10族原子;銅原子、銀原子、金原子等の第11族原子;亜鉛原子、カドミウム原子等の第12族原子が挙げられる。
第13族原子として、ホウ素原子、アルミニウム原子等が挙げられる。
一般式(1)におけるR、R、R及びRは、好ましくは、互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20アルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
−COにおけるRは、好ましくは、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。−NRにおけるR及びRは、好ましくは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
上記一般式(1)中、Mは、好ましくは第8族〜第12族原子であり、例えば、ニッケル原子、パラジウム原子、銅原子、コバルト原子、亜鉛原子等が好ましい。より好ましくは、第9族原子、第10族原子及び第11族原子であり、さらに好ましくは、ニッケル原子、パラジウム原子、銅原子、コバルト原子等であり、特に好ましくはニッケル原子、コバルト原子、銅原子等であり、最も好ましくはニッケル原子である。Mがニッケル原子又はコバルト原子であると、耐光性がより向上する。また、Mがニッケル原子であると、化合物(1)の溶媒に対する溶解性が向上するため好ましい。
上記一般式(1)中、a〜cは、好ましくは2又は3の整数であり、より好ましくは2である。例えば、Mがニッケル原子等の第10族原子の場合、a〜cは2又は3であり、好ましくは2である。Mが銅原子等の第11族原子の場合、a〜cは1又は2であり、好ましくは2である。
bが2又は3である場合には、化合物(1)は、一分子中に複数の上記一般式(2’)で表される構造を有する。一分子中に複数の上記一般式(2’)で表される構造を有する場合、それらは同じであってもよく、異なる構造であってもよいが、同じであることが好ましい。
一般式(2’)で表される構造の好ましい態様は、後述する一般式(2)で表される含窒素複素環化合物から構成される構造である。
上記一般式(1)において、Xは、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよい炭素原子を介して連結した置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、又は置換基を有していてもよい炭素原子を介して連結した置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環である。本発明において、Xは、一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表すことが好ましい。
Figure 2017165858
上記式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
13〜R18、R23〜R28、R33〜R36、R42〜R45、R52〜R55及びR62〜R68は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
19、R29、R37、R46及びR69は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
41、R51及びR61は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、シアノ基又は−CO205を表し、R205は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
56及びR57は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。
中でも、一般式(1)において、Xが、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基であることが好ましく、中でも、一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
Figure 2017165858
上記式中、R11〜R19、R21〜R29及びR31〜R37、並びに、*は、上記と同義である。
本発明の更に好ましい態様においては、Xは、一般式(X1)で表される基を表す。
一般式(X1)〜(X3)中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、好ましくは、互いに独立に、水素原子又は1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、最も好ましくはエチル基又はメチル基である。R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成していることも好ましく、この場合の環構造は、置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキレンであることも好ましい。R11とR12、R21とR22、R31とR32がそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成している場合、該環構造は、より好ましくは、置換基を有していてもよいシクロペンチル環、シクロヘキシル環である。
一般式(X1)〜(X6)中、R13〜R18、R23〜R28、R33〜R36、R42〜R45、R52〜R55及びR62〜R68は、好ましくは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基であり、より好ましくは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はハロゲン原子である。
一般式(X1)〜(X4)及び(X6)中、R19、R29、R37、R46及びR69は、好ましくは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香環基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基又はフェニル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基である。
一般式(X4)〜(X6)中、R41、R51及びR61は、好ましくは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基又は−CO205であり(R205は好ましくは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基)、より好ましくは水素原子、シアノ基又は−CO205である(R205は好ましくは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基)。
一般式(X5)中、R56及びR57は、好ましくは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜20の単環若しくは多環の芳香環基であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の単環若しくは多環の芳香環基であり、R56及びR57の少なくとも一方が置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基若しくはナフチル基であることが特に好ましい。
上記一般式(1)において、環Yは一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表すことが好ましい。
Figure 2017165858
上記式中、R71及びR72は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。
より好ましい態様においては、環Yは、一般式(Y11)又は一般式(Y12)で表される基を表す。
Figure 2017165858
上記式中、R71、P及び*は、上記と同義である。さらに好ましい態様においては、環Yは、上記一般式(Y11)で表される基を表す。
一般式(Y11)及び(Y13)中のR71及びR72は、好ましくは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206であり(R206は、好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基)、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは、エチル基又はメチル基である。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
上記一般式(1)において、環Yは一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表すことが好ましい。
Figure 2017165858
上記式中、R73〜R75は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CO207、−SONR208209又は−SO210を表し、R207〜R209は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R210は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は金属原子を表し、nは0〜4の整数であり、R73が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。mは、0〜4の整数であり、R74が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。xは、0〜2の整数であり、R75が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。
より好ましい態様においては、環Yは一般式(Y21)又は(Y22)で表される基を表し、さらに好ましくは、一般式(Y21)で表される基を表す。
73は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子又はシアノ基である。nは0〜2が好ましく、より好ましくは0〜1であり、さらに好ましくは0である。R74は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。mは0〜2が好ましく、より好ましくは0〜1である。R75は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。xは、0〜1が好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
本発明の化合物(1)においては、上記一般式(1)において、Xが一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表すことが好ましい。Xは、より好ましくは上記一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であり、さらに好ましくは一般式(X1)で表される基である。より好ましくは、環Yは上記一般式(Y11)又は(Y12)で表される基であり、さらに好ましくは一般式(Y11)で表される基である。環Yは、より好ましくは一般式(Y21)又は(Y22)で表される基であり、さらに好ましくは、一般式(Y21)で表される基である。例えば、より好ましい態様においては、上記一般式(1)において、Xが一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y11)又は(Y12)のいずれかで表される基を表す。このような金属錯体化合物は、本発明の特に好ましい態様の一例であり、600〜650nmに吸収極大を持ち、かつ、耐熱性及び耐光性に特に優れるものとなる。このため上述した本発明の効果をより充分に発揮することができる。
さらに好ましい態様においては、化合物(1)は、一般式(1)において、Xが一般式(X1)で表される基を表し、環Yが一般式(Y11)で表される基を表し、環Yが一般式(Y21)で表される基を表す金属錯体化合物である。このような化合物(1)は、本発明の特に好ましい態様の一例であり、上述した本発明の効果をより充分に発揮することができる。
上記一般式(1)において、Aは、ハロゲン化物イオン、BF 、PF 、ClO 又は一般式(CA1)〜(CA4)のいずれかで表されるアニオン化合物を表し、好ましくはハロゲン化物イオン(好ましくは塩化物イオン)又は一般式(CA1)〜(CA4)のいずれかで表されるアニオン化合物であり、より好ましくは一般式(CA1)又は一般式(CA2)で表されるアニオン化合物である。
Figure 2017165858
上記式中、R81及びR82は、互いに独立に、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を表し、R81とR82が互いに結合して環を形成してもよく、R91〜R94は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R101〜R103は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基を表し、R104〜R107は、互いに独立に、フッ素原子又は置換基を有していてもよいフッ化炭化水素基を表す。Mは、第13族原子、3価の鉄原子又は3価のコバルト原子を表す。
上記一般式(1)において、Aが一般式(CA1)で表されるアニオン化合物又は一般式(CA2)で表されるアニオン化合物であると、化合物(1)の溶媒(好ましくは有機溶媒)に対する溶解性が良好となるため好ましい。特に、Aが一般式(CA1)で表されるアニオン化合物であることが好ましく、化合物(1)の溶媒(特に有機溶媒)対する溶解性がより向上する。また、Aが一般式(CA1)で表されるアニオン化合物であると、化合物(1)の耐光性がより向上するため好ましい。
一般式(CA1)において、R81及びR82は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のハロゲン化アリール基が好ましく、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フルオロ−トリフルオロメチルフェニル基、フルオロ−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、フルオロ−ペンタフルオロエチルフェニル基がより好ましく、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
一般式(CA2)において、R91、R92、R93及びR94は、好ましくは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。より好ましくは、R91及びR93は水素原子であり、R92及びR94は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基(さらに好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはt−ブチル基)である。Mは、好ましくは、ホウ素原子、アルミニウム原子、鉄原子又はコバルト原子である。Mがこれらの原子であると、化合物(1)の溶媒への溶解性が向上する。Mは、より好ましくはホウ素原子である。Mがホウ素原子であると、化合物(1)の溶媒への溶解性が特に良好となる。一般式(CA2)で表されるアニオン化合物として、例えば、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸ホウ素錯体等が特に好ましい。
一般式(CA3)において、R101、R102及びR103は、好ましくは、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10の単環若しくは多環の芳香環基である。一般式(CA3)で表されるアニオン化合物として、例えば、アセチルアセトナートアニオン等が好ましい。
一般式(CA4)において、R104、R105、R106及びR107は、互いに独立に、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のフッ化アルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜20のフッ化アリール基が好ましく、一般式(CA4)で表されるアニオン化合物として、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等が好ましい。
化合物(1)が一分子中にAを複数有する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
本発明の化合物(2)は、上記一般式(2)で表される含窒素複素環化合物であることを特徴とする。
一般式(2)における、R、R、R及びR並びにその好ましい態様は、一般式(1)におけるR、R、R及びRとそれぞれ同義である。
一般式(2)において、Xは、上記一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表し、上記環Yは、上記一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表し、上記環Yは、上記一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表す。一般式(X1)、(X2)、(X3)、(X4)、(X5)及び(X6)、一般式(Y11)、(Y12)及び(Y13)並びに一般式(Y21)、(Y22)、(Y23)及び(Y24)における各基、置換基及びその好ましい態様は、上述した一般式(1)における各基、置換基等と同じである。
上記一般式(2)において、Xは、好ましくは一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基である。
Figure 2017165858
上記式中、R11〜R19、R21〜R29及びR31〜R37は、上記と同義である。R11〜R19、R21〜R29及びR31〜R37の好ましい態様は、上述したとおりである。*は、一般式(2)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。
一般式(2)において、環Yは、好ましくは一般式(Y11)又は(Y12)で表される基である。
Figure 2017165858
上記式中、R71は、上記と同義である。R71の好ましい態様は、上述したとおりである。Pは、一般式(2)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(2)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。
一般式(2)においては、Xは、一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であり、環Yが上記一般式(Y11)又は(Y12)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(2)においては、環Yが一般式(Y11)で表される基であり、環Yが一般式(Y21)で表される基であることが好ましい。
Figure 2017165858
式中、R71、P及び*は、上記と同義である。R71の好ましい態様は、上述したとおりである。
Figure 2017165858
式中、R73及びnは、上記と同義である。R73及びn好ましい態様は、上述したとおりである。Pは、一般式(2)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。
上記一般式(2)において特に好ましくは、Xが一般式(X1)〜(X3)のいずれか(好ましくは一般式(X1))で表される基であり、環Yが上記一般式(Y11)で表される基であり、環Yが上記一般式(Y21)で表される基である。
本発明の化合物(1)及び化合物(2)の製造方法は特に限定されず、例えば、以下の方法により製造することができる。本発明の化合物の製造方法について、以下に合成方法の一例を挙げて説明するが、本発明の化合物(1)及び化合物(2)の製造方法は下記方法に限定されるものではない。また、後述の反応を行う際に、当該部位以外の官能基については、必要に応じてあらかじめ適当な保護基により保護しておき、適当な段階においてこれを脱保護してもよい。
下記一般式(6)で表される化合物(化合物(6))を例に挙げて、本発明の化合物の製造方法の一例について説明する。化合物(6)は、上記一般式(1)において、Xが一般式(X1)で表される基であり、環Yが一般式(Y11)で表される基である化合物の一例である。
化合物(6)は、例えば、下記に示すように、化合物(3)と化合物(4)とを縮合して、化合物(5)を合成し、これを配位子として錯形成して合成することができる。また、必要に応じて化合物(6)を塩交換することにより、化合物(7)に変換することができる。化合物(5)は、本発明の化合物(2)の一例であり、一般式(2)において、Xが一般式(X1)で表される基であり、環Yが一般式(Y11)で表される基である化合物の一例である。
Figure 2017165858
上記反応式中、R11〜R19、R71、波線及び環Yは、上記と同義である。M’は、二価の金属原子を表し、M’’は、アルカリ金属を表す。R76は、水素原子又はアセチル基を表す。Zは、ハロゲン化物イオン、トリフラート、メシラート、トシラート、BF 、PF 、ClO 、MeSO 又はEtSO を表す。A’及びA’’は、互いに独立に、ハロゲン化物イオン、BF 、PF 、ClO 又は一般式(CA1)〜(CA4)のいずれかで表されるアニオン化合物を表す。但し、A’とA’’とは同じではない。M’A’及びM’’A’’は、互いに独立に金属化合物を表す。矢印は、配位結合を表す。
化合物(5)は、化合物(3)と化合物(4)とを縮合することにより製造することができる。化合物(5)を得るための反応は、例えば、反応に不活性な溶媒中又は溶媒の不存在下、塩基の存在下、0〜150℃で0.5〜24時間、化合物(3)と化合物(4)とを反応させることより行うことができる。化合物(3)及び化合物(4)の使用量は、化合物(3)1当量に対して、化合物(4)を0.8〜2.5当量使用することが好ましい。なお、当量は、特に断らない限りモル当量を意味する。
反応に不活性な溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等が挙げられる。これらを単独で、又は混合して用いることができる。
塩基としては、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、酢酸ナトリウム等が挙げられる。これらを単独で、又は混合して用いることができる。
化合物(5)を配位子としてM’A’で表される金属化合物と錯形成させる反応は、例えば、反応に不活性な溶媒中又は溶媒の不存在下、0〜100℃で0.5〜24時間、化合物(5)と金属化合物(M’A’)とを反応させることより行うことができる。反応に不活性な溶媒は、上記と同じである。化合物(5)と金属化合物(M’A’)の使用量は、化合物(5)1当量に対して、金属化合物(M’A’)を0.4〜0.5当量使用することが好ましい。
塩交換は、例えば、反応に不活性な溶媒中、0〜100℃で0.5〜24時間、化合物(6)と金属化合物(M’’A’’)とを反応させることにより行うことができる。反応に不活性な溶媒は、上記と同じである。化合物(6)と金属化合物(M’’A’’)の使用量は、化合物(6)1当量に対して、金属化合物(M’’A’’)を2.0〜8.0当量使用することが好ましい。
化合物(3)は、本発明の化合物(1)又は化合物(2)を製造する際の中間体ともいえる。化合物(3)は、例えば、下記反応式2に示すような反応により得ることができる。
Figure 2017165858
上記反応式中、R11〜R19、R76、波線及びZは、上記と同義である。
上記反応は、例えば、反応に不活性な溶媒中又は溶媒の不存在下、40〜150℃で0.5〜24時間、化合物(8)とマロンアルデヒドジアニリド塩酸塩とを反応させることにより行うことができる。反応に不活性な溶媒は、上記と同じである。化合物(8)及びマロンアルデヒドジアニリド塩酸塩の使用量は、化合物(8)1当量に対して、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩を1〜2当量使用することが好ましい。
化合物(4)は、例えば、下記反応式3に示すように、一般式(9)で表されるβ−ケトエステル誘導体(以下、β−ケトエステル誘導体(9))と一般式(10)で表されるヒドラジン誘導体(以下ヒドラジン誘導体(10))との環化反応により合成することができる。
Figure 2017165858
上記反応式中、R71、環Yは、上記と同義である。R77は、アルキル基又は単環又は多環の芳香環基を表す。
上記環化反応は、例えば、反応に不活性な溶媒中又は溶媒の不存在下、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基、又は、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下、10〜100℃で1〜12時間、β−ケトエステル誘導体(9)とヒドラジン誘導体(10)とを反応させることにより行うことができる。反応に不活性な溶媒は、上記と同じである。β−ケトエステル誘導体(9)及びヒドラジン誘導体(10)の使用量は、β−ケトエステル誘導体(9)1当量に対して、ヒドラジン誘導体(10)を0.5〜2当量使用することが好ましい。
また、化合物(5)は、例えば、次の反応式4に示す反応によっても合成することができる。
Figure 2017165858
上記反応式中、R11〜R19、R71、波線、環Y、Zは、上記と同義である。R78は、水素原子又はアセチル基を表す。
化合物(4)から化合物(11)を得る反応は、例えば、反応に不活性な溶媒中又は溶媒の不存在下、40〜150℃で0.5〜24時間、化合物(4)とマロンアルデヒドジアニリド塩酸塩とを反応させることにより行うことができる。化合物(4)及びマロンアルデヒドジアニリド塩酸塩の使用量は、化合物(4)1当量に対して、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩を1〜2当量使用することが好ましい。
化合物(11)と化合物(8)との反応は、例えば、反応に不活性な溶媒中、塩基の存在下、0〜150℃で0.5〜24時間これらを反応させればよい。反応に不活性な溶媒は、上記と同じである。塩基としては、上記と同じである。化合物(11)及び化合物(8)の使用量は、化合物(11)1当量に対して、化合物(8)を1〜2当量使用することが好ましい。
化合物(11)と化合物(8)との反応により、化合物(5)が得られる。
上記の製造方法における各生成物の単離や精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。また、中間体においては、特に精製せずに次の反応に供することも可能である。
本発明の化合物(1)及び化合物(2)は、600〜650nmに吸収極大を有することが好ましい。600〜650nmに吸収極大を有すると、橙色〜赤色の光を選択的に吸収することができる。
本発明の化合物(1)は、以下の有機溶媒に溶解する化合物であることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等)、エーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エステル類(例えば、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等)及びこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。中でも、ケトン類、エステル類及びこれらの混合溶媒が好ましい。
化合物(1)は、上記有機溶媒の少なくとも1種に対し、0.1質量%以上溶解することが好ましく、例えば、0.1質量%以上50質量%以下溶解することが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下溶解することがより好ましく、1質量%以上30質量%以下溶解することが更に好ましい。より好ましくは、20℃における有機溶媒に対する溶解性がこのような範囲にあることである。有機溶媒に対する溶解性がこのような範囲にあると、本発明の化合物(1)、後述する光学フィルタ用色素又は着色組成物をカラーフィルタ等の光学フィルタの製造に使用する際に、製造性が良好であるため好ましい。
本発明の化合物(1)は、その熱分解温度が200℃以上であることが好ましく、例えば、250〜400℃であることが好ましい。熱分解温度は、熱重量測定装置により測定することができる。
本発明の金属錯体化合物(化合物(1))は、600〜650nmに吸収極大を持ち、この波長の光を有効に吸収することができると共に、耐熱性及び耐光性に優れるものである。このため本発明の化合物(1)は、例えば、カラーフィルタ、色変換フィルタ、光吸収フィルタ等の光学フィルタ用色素等として好適に用いられる。本発明の金属錯体化合物を含む光学フィルタ用色素も、本発明に包含される。金属錯体化合物は、1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の光学フィルタ用色素は、所望により本発明の金属錯体化合物以外の色素1種又は2種以上を含んでもよい。
本発明の金属錯体化合物(化合物(1))は、例えば樹脂等と混合することにより、着色組成物とすることができる。
本発明の金属錯体化合物、及び樹脂を含む着色組成物も、本発明に包含される。本発明の着色組成物においては、金属錯体化合物を1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。2種以上用いる場合、その合計量が後述する含有量の範囲であることが好ましい。
上記樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を、着色組成物の用途等に応じて適宜選択すればよい。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の樹脂が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の着色組成物における金属錯体化合物の配合量は、例えば、着色組成物の総固形分に対して金属錯体化合物が0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。
本発明の着色組成物は、その用途等に応じて、本発明の金属錯体化合物及び樹脂以外の任意成分を含んでもよい。任意成分として、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、他の色素(顔料等)、重合性単量体、重合開始剤、増感剤等が挙げられる。
本発明の着色組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、金属錯体化合物及び樹脂、並びに、所望により配合される任意成分を混合すればよい。
本発明の金属錯体化合物、並びに、該化合物を含む光学フィルタ用色素及び着色組成物は、例えば、光学フィルタの製造に好適に用いられる。本発明の金属錯体化合物を含む光学フィルタも、本発明の1つである。
本発明の光学フィルタは、上記の化合物(1)を含むものであればよく、光学フィルタの構成は特に限定されない。例えば、従来のものと同様に、少なくとも支持体を有し、必要に応じて、粘着層、光学機能層、反射防止層、ハードコート層等の各種機能層を有することができる。本発明の光学フィルタにおいて、化合物(1)は、支持体及び各種機能層のいずれかに含まれていればよく、例えば、支持体又は光学機能層に含有されていることが好ましい。また、本発明の光学フィルタの大きさ及び形状は、特に限定されず、用途等に応じて適宜選択すればよい。
支持体及び各種機能層の構成も特に限定されない。例えば支持体は、通常、透明樹脂を用いて形成される。透明樹脂としては、例えば、環状オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド(アラミド)系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
本発明の光学フィルタの製造方法は特に限定されない。例えば、支持体上に上記化合物(1)を含む光学機能層を形成する方法として、溶媒中に化合物(1)及びバインダー樹脂等を溶解又は分散させた後、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗工方法によって支持体上に塗膜形成する方法が挙げられる。
上記溶媒としては、特に制限されないが、上述した有機溶媒等が挙げられる。
また、上記化合物(1)を含む光学機能層又は支持体の製造方法として、上記化合物(1)と、光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂並びに光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤とを混合した後、光照射及び/又は加熱処理により硬化膜を形成し、これを光学機能層又は支持体とすることもできる。
本発明の光学フィルタは、例えば、カラーフィルタ、色変換フィルタ、光吸収フィルタ、等の光学フィルタとして、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、撮像装置等に好適に使用することができる。
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、得られた化合物の物性を測定する際に使用した機器及び測定条件は次の通りである。
(LC/MS)
(株)島津製作所製 高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS−2010EV(ESI法)
(GC/MS)
(株)島津製作所製 ガスクロマトグラフ質量分析計GCMS−QP2010Plus(EI法)
実施例1〜4で合成した化合物(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−7)及び(1−8)は、下記一般式(I)中のR、M及びAがそれぞれ表1に示す置換基、金属及びアニオン化合物を表す化合物である。また、実施例1及び4で合成した化合物(1−1)及び(1−5)は、下記一般式(II)において、Rが表1に示す置換基を表す化合物である。波線は、単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置又はそれらの混合であることを示す。
Figure 2017165858
Figure 2017165858
TfN(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン)及びDBSA−B(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸ホウ素化合物)は、それぞれ下記構造のアニオン化合物である。acacは、アセチルアセトナートアニオンを表す。
Figure 2017165858
<実施例1>
化合物(IM−1)から、下記反応により化合物(1−2)、(1−7)及び(1−8)を合成した。下記反応式中、Aは、DBSA−B、Cl又はacacを表す。波線は、上記と同義である。
Figure 2017165858
アセトアニリド誘導体(IM−2)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた50mL 四つ口フラスコに、1,1,2−トリメチル−1H−ベンゾ[e]インドール(2.5g)(東京化成工業社)、1−ヨードブタン(7.8g)(東京化成工業社)、アセトニトリル(25mL)を混合し、60℃で16時間撹拌して反応させた。反応液を酢酸エチルに排出し、析出した結晶を濾集して得た化合物(IM−1)(3.9g)を、冷却管及び温度計を取り付けた25mL 四つ口フラスコに入れ、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩(2.6g)(東京化成工業社)、無水酢酸(10mL)を混合し、100℃で1時間撹拌して反応させた後、反応液を酢酸エチルに排出した。析出した結晶をろ集し、赤褐色のアセトアニリド誘導体(IM−2)(3.7g)を得た。
ピラゾロン誘導体(IM−3)の合成
特開昭62−45580号公報に記載の方法で得た2−ヒドラジノベンゾチアゾール(4.5g)、アセト酢酸エチル(4mL)(東京化成工業社)、水酸化ナトリウム(2.2g)(ナカライテスク社)、エタノール(20mL)を混合し、窒素雰囲気下7時間還流して反応させた。反応液を水(20mL)に排出し、塩酸で酸析して析出物を濾取し、ピラゾロン誘導体(IM−3)(4.7g)を得た。ピラゾロン誘導体(IM−3)の分析結果を以下に示す。
GC−MS:m/z=231 M
化合物(1−1)の合成
温度計を取り付けた25mL 四つ口フラスコに、アセトアニリド誘導体(IM−2)(1.2g)、ピラゾロン誘導体(IM−3)(0.47g)、DMF(5mL)、メタノール(3mL)を混合し、室温下、トリエチルアミン(0.41g)を滴下した。2時間半撹拌して反応させた後、反応液を希塩酸に排出し、析出した結晶をろ集した。この粗生成物をクロロホルム/メタノールで洗浄し、化合物(1−1)(0.68g)を得た。化合物(1−1)の分析結果を以下に示す。
LC−MS:m/z533 [M+H]
化合物(1−7)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた25mL 四つ口フラスコに、化合物(1−1)(0.27g)、メタノール(15mL)、塩化ニッケル(33mg)(ナカライテスク社)を混合し、60℃で3時間撹拌し、反応液を減圧濃縮し、化合物(1−7)(0.30g)を得た。
化合物(1−2)の合成
ホウ酸(1mol)(ナカライテスク社)、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液(1mol)、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸(2mol)(東京化成工業社)を混合し、加熱撹拌して反応させ、冷却して析出した白色スラリーを濾取してDBSA−BNa塩を得た。このDBSA−BNa塩(0.54g)、化合物(1−7)(0.59g)、メタノール(20mL)を冷却管及び温度計を取り付けた50mL 四つ口フラスコに入れ、65℃で1時間撹拌した。氷浴下で撹拌後、ろ集した結晶を水/メタノールで洗浄し、化合物(1−2)(0.48g)を得た。
化合物(1−8)の合成
化合物(1−7)の合成において、塩化ニッケルの代わりにアセチルアセトナートニッケル(II)二水和物(同仁化学研究所社)を用いた以外は同様にして、化合物(1−8)を得た。
<実施例2>
化合物(1−3)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた50mL 四つ口フラスコに、実施例1で得た化合物(1−7)(0.59g)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(0.30g)(東京化成工業社)、メタノール(20mL)を混合し60℃で1時間撹拌した。反応液を水(50mL)に排出し、結晶をろ集し、化合物(1−3)(0.74g)を得た。
<実施例3>
化合物(1−4)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた50mL 四つ口フラスコに、実施例1で得た化合物(1−1)(0.80g)、メタノール(30mL)を混合し、酢酸銅(0.13g)(ナカライテスク社)を加えて撹拌した後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(0.44g)(東京化成工業社)を加えて60℃で2時間撹拌した。反応液を水(80mL)に排出して結晶をろ集し、化合物(1−4)(1.04g)を得た。
<実施例4>
Figure 2017165858
化合物(IM−4)の合成
温度計を取り付けた25mL 四つ口フラスコに、ピラゾロン誘導体(IM−3)(2.3g)、マロンアルデヒドジアニリド塩酸塩(2.6g)(東京化成工業社)、DMF(9mL)を混合し、トリエチルアミン(1.2g)を滴下した。60〜70℃で2時間撹拌した後、反応液を水(30mL)に排出し、析出した結晶をろ集してピラゾロン誘導体である化合物(IM−4)(2.6g)を得た。上記反応式中、波線は、上記と同義である。
化合物(1−5)の合成
温度計を取り付けた25mL 四つ口フラスコに、化合物(IM−5)(0.90g)、ピラゾロン誘導体(IM−4)(1.47g)、DMF(6.5mL)、無水酢酸(0.26g)(ナカライテスク社)を混合し、トリエチルアミン(0.51g)を滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応液を水(30mL)に排出、得られたペーストをクロロホルムに溶解、水洗、有機層を減圧濃縮し、化合物(1−5)(1.1g)を得た。化合物(1−5)の分析結果を以下に示す。
LC−MS:ESI(positive);m/z729 [M+H]
化合物(1−6)
冷却管及び温度計を取り付けた50mL 四つ口フラスコに、化合物(1−5)(1.0g)、メタノール(28mL)を混合し、塩化ニッケル(89mg)を加えて撹拌した後、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(0.41g)(東京化成工業社)を加えて1時間撹拌した。反応液を水(50mL)に排出、結晶をろ集し、化合物(1−6)(1.3g)を得た。
実施例1〜4で得られた化合物について、以下の評価を行った。
<吸収波長測定試験>
各化合物のクロロホルム中での吸収極大値を測定した。結果を表2に示す。
測定機器:日本分光社製紫外可視分光光度計V−560
Figure 2017165858
<耐光性試験>
実施例1〜4で得られた各化合物10mgを、ポリメタクリレート8重量%トルエン溶液5mLに溶融し、ガラス基板上にスピンコート法により塗布し、乾燥させることで膜厚1.5μmの薄膜を作製した。
作製した薄膜にキセノンランプ(142klux)の光を連続的に8時間照射し、照射前(0時間)、照射後の薄膜の透過率を分光光度計で測定し、下記式(1)に従って色素残存率を測定した。
色素残存率(%)={(1−T)/(1−T)}×100 (1)
[ただし、Tはキセノンランプ照射前の透過率、Tはキセノンランプ照射後の透過率であり、T及びTは0〜1である。]
なお、「透過率」とは、各化合物の吸収極大波長における透過率を表しており、色素残存率が高い程、化合物が光によって分解されにくく、耐光性が高いことを示す。結果を表3に示す。
Figure 2017165858
<熱分析>
化合物(1−1)〜(1−8)について、熱分解温度を、(株)島津製作所製の熱重量測定装置TGA−50を使用して下記の測定条件で熱分解による重量減少を測定し、変曲点における接線と、基線との延長線との交点となる温度を測定することにより求めた。結果を表4に示す。
(測定条件)
試料量5mg、昇温速度10℃/分(最高到達温度400℃)、窒素雰囲気中、流量10mL/分の条件で測定した。
Figure 2017165858
<溶解性試験>
化合物(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−7)、(1−8)について、それぞれ20℃におけるトルエン、メチルエチルケトン(MEK)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に対する溶解度(重量%)を、以下の方法により測定した。
実施例で得られた各化合物をガラス製サンプル瓶に秤り取り、溶媒を混合し20℃で撹拌して溶解させ、その溶液の状態を目視観察し、溶解可能な重量濃度を下記基準によって評価した。
A:3wt%以上溶解する
B:1wt%以上3wt%未満溶解する
C:0.1wt%以上1wt%未満溶解する
D:0.1wt%未満しか溶解しない
結果を表5に示す。
Figure 2017165858
上記結果から、化合物(1−1)〜(1−8)は、600〜650nmに吸収極大を持ち、この波長の光を有効に吸収できるものであった。また、化合物(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−7)及び(1−8)は、耐熱性及び耐光性に優れるものであり、光学フィルタに好適に適用し得る金属錯体色素であることが分かった。更に、化合物(1−3)は、PGMEA等のエステル系やMEK等のケトン系溶媒への溶解性が特に高く、光学フィルタ等の製造により好適であることが分かった。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする金属錯体化合物。
    Figure 2017165858
    (式中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、−CO又は−NRを表し、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、波線
    Figure 2017165858
    は、単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置又はそれらの混合であることを示し、Xは、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよい炭素原子を介して連結した置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、又は置換基を有していてもよい炭素原子を介して連結した置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基を表し、環Y及び環Yにおける点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表し、環Y及び環Yは、互いに独立に、置換基を有していてもよい単環又は多環の複素環基を表し、実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表し、P及びPは、互いに独立に炭素原子又は窒素原子を表し、Mは、第3族〜第12族原子を表し、矢印は配位結合を表し、a〜cは、1〜3の整数を表し、Aは、ハロゲン化物イオン、BF 、PF 、ClO 又は一般式(CA1)〜(CA4)のいずれかで表されるアニオン化合物を表す。一分子中にAを複数有する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。一分子中に複数の下記一般式(2’)で表される構造を有する場合、それらは同じであってもよく、異なる構造であってもよい。)
    Figure 2017165858
    (式中、R〜R、波線、X、環Y、環Y、P及びPは、一般式(1)中のR〜R、波線、X、環Y、環Y、P及びPとそれぞれ同義である。)
    Figure 2017165858
    (式中、R81及びR82は、互いに独立に、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基を表し、R81とR82が互いに結合して環を形成してもよく、R91〜R94は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R101〜R103は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基を表し、R104〜R107は、互いに独立に、フッ素原子又は置換基を有していてもよいフッ化炭化水素基を表し、Mは、第13族原子、3価の鉄原子又は3価のコバルト原子を表す。)
  2. 前記一般式(1)において、Aは、前記一般式(CA1)、又は一般式(CA2)で表されるアニオン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属錯体化合物。
  3. 前記一般式(1)において、Xが一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表し、環Yは一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属錯体化合物。
    Figure 2017165858
    (式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
    13〜R18、R23〜R28、R33〜R36、R42〜R45、R52〜R55及びR62〜R68は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    19、R29、R37、R46及びR69は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    41、R51及びR61は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、シアノ基又は−CO205を表し、R205は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    56及びR57は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
    Figure 2017165858
    (式中、R71及びR72は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
    Figure 2017165858
    (式中、R73〜R75は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CO207、−SONR208209又は−SO210を表し、R207〜R209は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R210は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は金属原子を表し、nは0〜4の整数であり、R73が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。mは、0〜4の整数であり、R74が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。xは、0〜2の整数であり、R75が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。)
  4. 前記一般式(1)において、環Yが一般式(Y11)で表される基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属錯体化合物。
    Figure 2017165858
    (式中、R71は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(1)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
  5. 前記一般式(1)において、Xが一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属錯体化合物。
    Figure 2017165858
    (式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
    13〜R18、R23〜R28及びR33〜R36は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    19、R29及びR37は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(1)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
  6. 下記一般式(2)で表されることを特徴とする含窒素複素環化合物。
    Figure 2017165858
    (式中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、−CO又は−NRを表し、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、波線
    Figure 2017165858
    は、単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置又はそれらの混合であることを示し、Xは、一般式(X1)〜(X6)のいずれかで表される基を表し、環Y及び環Yにおける点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表し、環Y及び環Yは、互いに独立に、置換基を有していてもよい単環又は多環の複素環基を表し、実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表し、P及びPは、互いに独立に炭素原子又は窒素原子を表し、前記環Yは、一般式(Y11)〜(Y13)のいずれかで表される基を表し、前記環Yは、一般式(Y21)〜(Y24)のいずれかで表される基を表す。)
    Figure 2017165858
    (式中、R11、R12、R21、R22、R31及びR32は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R11とR12、R21とR22、R31とR32は、互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよく、
    13〜R18、R23〜R28、R33〜R36、R42〜R45、R52〜R55及びR62〜R68は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、−NR201202、−CO203又は−NHSO204を表し、R201〜R204は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    19、R29、R37、R46及びR69は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    41、R51及びR61は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、シアノ基又は−CO205を表し、R205は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、
    56及びR57は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。*は、一般式(2)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
    Figure 2017165858
    (式中、R71及びR72は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基又は−CO206を表し、R206は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表す。Pは、一般式(2)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。*は、一般式(2)で表される化合物中の二重結合との連結部位を表す。)
    Figure 2017165858
    (式中、R73〜R75は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CO207、−SONR208209又は−SO210を表し、R207〜R209は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の芳香環基を表し、R210は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は金属原子を表し、nは0〜4の整数であり、R73が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。mは、0〜4の整数であり、R74が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。xは、0〜2の整数であり、R75が複数存在する場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。Pは、一般式(2)で表される化合物中のPとの連結部位を表す。)
  7. 前記一般式(2)において、Xが前記一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される基であり、環Yが前記一般式(Y11)又は(Y12)で表される基であることを特徴とする請求項6に記載の含窒素複素環化合物。
  8. 前記一般式(2)において、環Yが前記一般式(Y11)で表される基であり、環Yが前記一般式(Y21)で表される基であることを特徴とする請求項6又は7に記載の含窒素複素環化合物。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属錯体化合物を含むことを特徴とする光学フィルタ用色素。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属錯体化合物、及び樹脂を含むことを特徴とする着色組成物。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属錯体化合物を含むことを特徴とする光学フィルタ。
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