JP2004085972A - 光ファイバホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】構造がシンプルで、光ファイバ心線の保持が容易で、かつ、安価な光ファイバホルダを提供するものである。
【解決手段】本発明に係る光ファイバホルダ10は、光ファイバ心線35の光ファイバ素線36同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線35を保持するためのものであって、ホルダ本体部11のある水平面11aにスリット12を形成し、そのスリット12の一部を前記水平面11aと略平行な凹部に拡張形成し、スリット12の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る光ファイバホルダ10は、光ファイバ心線35の光ファイバ素線36同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線35を保持するためのものであって、ホルダ本体部11のある水平面11aにスリット12を形成し、そのスリット12の一部を前記水平面11aと略平行な凹部に拡張形成し、スリット12の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成したものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバホルダに係り、特に、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士を、メカニカルスプライスや融着接続によって突き合わせ接続する際の、光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信分野においては、高速・大容量伝送が可能な光ファイバが伝送経路の主流となっており、既に中・長距離幹線の殆どが、従来の金属線(銅線)を用いたメタルケーブルから光ファイバケーブルに代わっている。特に近年においては、幹線から各家庭までの伝送経路を光ファイバ化する光加入者系伝送システムの実用化が始まっている。
【0003】
従来、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士の接続には、一般に、融着接続が用いられていた。この融着接続は、光ファイバ素線同士を突き合わせ、その突き合わせ面を互いに溶融させて接続するものであるため、接続の信頼性が高い。しかし、接続後の補強などに時間がかかること、また、装置が高価であると共に融着接続の際に電源が必要であるという問題を有していた。
【0004】
そこで、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士をV溝内で突き合わせて軸合わせを行うと共に、その状態で固定することで、簡易に素線同士の接続を行うメカニカルスプライスが開発されている(特開平8−234037号公報、特開平9−73023号公報、特開平9−90148号公報、特開平9−96733号公報、及び特開平9−318836号公報等を参照)。
【0005】
中でも、特開平9−318836号公報に記載されたメカニカルスプライスは、その構造及び接続方法が簡易であることから、低コストで素線同士の接続が可能である。このメカニカルスプライスは、図3に示すように、上面に位置合わせ用のV溝(図示せず)を備えたV溝基板31と、そのV溝基板31のV溝形成面に重ね合わせる押さえ基板32と、基板31,32を把持してクランプ力を発生させるコ字状のクランプスプリング33とで構成される。各光ファイバ心線35の素線36同士の接続は、V溝基板31と押さえ基板32との間に形成したスリット34に、くさび(図示せず)を挿入して基板31,32間に隙間を空けると共に、その隙間から、光ファイバ心線35に端末処理してなる一対の光ファイバ素線36,36を挿入して突き合わせる。その後、くさびを抜くことにより、クランプスプリング33の復元力によってV溝内への光ファイバ素線36,36の位置決めと把持を行うものである。
【0006】
この接続に供する各光ファイバ心線35を保持するために光ファイバホルダが用いられる。光ファイバホルダ40は、図4(a),図4(b)に示すように、光ファイバ心線35を真っ直ぐに把持するための溝(V字状のものが多い)42を備えた本体部41と、本体部41の溝形成面側に開閉自在に取付けられたカバー43a,43bとで構成される。本体部41の溝形成面には磁石48が埋設されており、この磁石48によって本体部41と各カバー43a,43bとが磁着され、その結果、光ファイバ心線35を把持している。また、各カバー43a,43bの、溝42との当接部には、それぞれ押さえゴム部材44が設けられており、各押さえゴム部材44が、溝42内に配設される光ファイバ心線35の溝延長方向のずれを防いでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この光ファイバホルダ40は、可動部(開閉部)等を備えていることから部品点数が多く、その結果、構造が複雑になると共に、製造コストが嵩むという問題があった。また、本体部41と各カバー43a,43bとを磁石48によって磁着しているため、各カバー43a,43bを磁性材で構成しなければならないという制約があった。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、構造がシンプルで、光ファイバ心線の保持が容易で、かつ、安価な光ファイバホルダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る光ファイバホルダは、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダにおいて、ホルダ本体部のある水平面にスリットを形成し、そのスリットの一部を前記水平面と略平行な凹部に拡張形成し、スリットの中途に光ファイバ心線押さえ部を形成したものである。具体的には、請求項2に示すように、上記ホルダ本体部のスリット周囲部分で、その少なくとも一部を弾性体で形成することが好ましい。
【0010】
これによって、周囲部分の少なくとも一部が弾性体で形成されたスリット内に光ファイバ心線を押し込むだけで、カバーなどの押さえ部材を用いることなく、光ファイバ心線をしっかりと把持(保持)することができる。また、カバーなどの押さえ部材が不要で、構造がシンプルであることから、製造コストも安価となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0012】
第1の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図を図1に示す。ここで、図1(b)は、図1(a)の光ファイバホルダにて光ファイバ心線を保持した状態を示している。尚、図3及び図4と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
【0013】
図1(a),図1(b)に示すように、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10は、光ファイバ心線35の光ファイバ素線36同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線35を保持するものであって、略矩形状のホルダ本体部11のある水平面(図1中では上面)11aにスリット12を形成し、そのスリット12の一部を水平面11aと略平行な凹部に拡張形成し、スリット12の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成したものである。
【0014】
ホルダ本体部11の全体(スリット周囲部分で、その少なくとも一部)をゴム等の弾性体、例えば、硬質ゴムで構成され、その長手方向両端部に、長手方向に突出する突出部14a,14bを有している。この突出部14a,14bによって、光ファイバ心線35を保持する効果が高まる。
【0015】
光ファイバ心線押さえ部13の形状は、図1(a),図1(b)中においては矩形状となっているが、特にこれに限定するものではなく、後述するように指の腹の収まり具合いを考慮して、楕円状又は円状であってもよい。また、光ファイバ心線押さえ部13の深さは、その中央部から周縁部に亘って均一に形成する必要はなく、例えば、中央部を深く、周縁部を浅く形成してもよい。
【0016】
スリット12の幅は、光ファイバ心線35の外径よりも僅かに小さく形成される。また、スリット12の底部と光ファイバ心線押さえ部13の底部とは必ずしも面一(同じ深さ)に形成する必要はなく、略面一に形成すればよい。
【0017】
ホルダ本体部11を構成する弾性体としては、光ファイバホルダ10に要求される硬度を備えたゴムであれば、硬質ゴムに特に限定するものではない。
【0018】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0019】
本実施の形態に係る光ファイバホルダ10においては、ホルダ本体部11のある水平面11aに、光ファイバ心線35の被覆部37を挟み込むスリット12を直線状に形成しており、このスリット12内に光ファイバ心線35を挟み込むようにしている。また、ホルダ本体部11の全体を硬質ゴムで構成しているため、スリット12内に光ファイバ心線35を押し込むと、スリット12が弾性変形し、スリット12内部に光ファイバ心線35が挟み込まれる。光ファイバ心線35の挟み込み後は、スリット12の復元力によって、光ファイバ心線35をしっかりと把持(保持)することができる。この時、スリット12全長において、光ファイバ心線35を把持していることから、光ファイバホルダ10を多少動かしたとしても光ファイバ心線35が光軸方向(長手方向)にずれることがない。
【0020】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10においては、スリット12の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成しているため、光ファイバ心線35の先端部における被覆部37の除去などの際、光ファイバ心線35の長手方向に力がかかったとしても、光ファイバ心線押さえ部13において、指の腹で光ファイバ心線35をホルダ本体部11に押さえ付けることで、スリット12内に配設・保持される光ファイバ心線35がスリット延長方向にずれるのを防ぐことができる。
【0021】
以上より、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10は、スリット12内に光ファイバ心線35を押し込むだけで、光ファイバ心線35を容易に、かつ、しっかりと保持することができる。
【0022】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10は、光ファイバ心線35を押さえるためのカバー等を特に必要とせず、硬質ゴムからなる1つの部材で形成可能であるため、構造が非常にシンプルであり、従来と比較して部品点数を著しく少なくすることができる。その結果、従来と比較して、製造コストを大幅に削減することができる。
【0023】
また、光ファイバホルダ10は硬質ゴムで構成されていることから、一部が磁性材で構成された従来の光ファイバホルダ40(図4(a),図4(b)参照)と比較して、重量の軽減を図ることができる。
【0024】
次に、本発明の他の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0025】
第2の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図を図2に示す。ここで、図2(b)は、図2(a)の光ファイバホルダにて光ファイバ心線を保持した状態を示している。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
【0026】
図2(a),図2(b)に示すように、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、基本的な構造は前実施の形態の光ファイバホルダ10と同じであり、略矩形状のホルダ本体部21のある水平面(図2中では上面)21aにスリット22を形成し、そのスリット22の一部を水平面21aと略平行な凹部に拡張形成し、スリット22の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成すると共に、スリット22の光ファイバ心線押さえ部13と一方の突出部(図2(a),図2(b)中では突出部14a)との間(スリット周囲部分で、その少なくとも一部)に、凹部23を形成したものである。また、この凹部23内に、ゴム部材24が配設される。
【0027】
ホルダ本体部21の全体は、射出成形可能な熱可塑性樹脂で構成される。このホルダ本体部21の射出成形時に、突出部14a,14b、スリット22、光ファイバ心線押さえ部13、及び凹部23が同時形成される。
【0028】
スリット22の幅は、光ファイバ心線35の外径と同じ(又は略同じ)に形成される。
【0029】
凹部23内に配設されるゴム部材24は、その表面に、スリット22と同じ延長方向のゴムスリット25を備えており、このゴムスリット25は、ゴム部材24を凹部23内に配設する前に予め形成される。ゴムスリット25の幅は、光ファイバ心線35の外径よりも僅かに小さく形成される。また、スリット25の底部とスリット22の底部とは面一(同じ深さ)に形成される。
【0030】
ゴム部材24の構成材としては、前実施の形態に係る光ファイバホルダ10のホルダ本体部11の構成材と同じものを用いることができる。
【0031】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0032】
本実施の形態に係る光ファイバホルダ20においても、前実施の形態の光ファイバホルダ10と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、ホルダ本体部21を、熱可塑性樹脂で構成しているため、射出成形による製造が可能である。よって、光ファイバホルダ20は、ホルダ本体部21の射出成形工程、ゴム部材24の製造工程、及びホルダ本体部21に対するゴム部材24の取付け工程の3工程で製造可能であり、生産性に優れている。
【0034】
また、ホルダ本体部21の射出成形時に一体形成した凹部23に、ゴムスリット25を備えたゴム部材24を配設しているため、スリット22及びゴムスリット25内に光ファイバ心線35を押し込むと、ゴムスリット25が弾性変形し、ゴムスリット25内部に光ファイバ心線35が挟み込まれる。光ファイバ心線35の挟み込み後は、ゴムスリット25の復元力によって、光ファイバ心線35をしっかりと把持(保持)することができる。この時、ゴムスリット25(ゴム部材24)の長さ、又はゴム部材24の材質を適宜調節することによって、光ファイバ心線35を保持・把持する力を調節することができる。
【0035】
以上より、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、スリット22及びゴムスリット25内に光ファイバ心線35を押し込むだけで、ゴムスリット25が光ファイバ心線35を容易に、かつ、しっかりと保持する。
【0036】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、光ファイバ心線35を押さえるためのカバー等を特に必要とせず、2つの部材(ホルダ本体部21及びゴム部材24)で形成可能であるため、構造がシンプルであり、従来と比較して部品点数を著しく少なくすることができる。その結果、従来と比較して、製造コストを大幅に削減することができる。
【0037】
また、光ファイバホルダ20はその大部分が熱可塑性樹脂で構成されていることから、一部が磁性材で構成された従来の光ファイバホルダ40(図4(a),図4(b)参照)と比較して、重量の軽減を図ることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
(1) 周囲部分の少なくとも一部が弾性体で形成されたスリット内に光ファイバ心線を押し込むだけで、カバーなどの押さえ部材を用いることなく、光ファイバ心線を把持(保持)することができる。
(2) カバーなどの押さえ部材が不要で、シンプルな構造であることから、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図である。
【図3】メカニカルスプライスの一例を示す斜視図である。
【図4】従来の光ファイバホルダの斜視図である。
【符号の説明】
10,20 光ファイバホルダ
11,21 ホルダ本体部
11a,21a 水平面
12,22 スリット
13 光ファイバ心線押さえ部
35 光ファイバ心線
36 光ファイバ素線
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバホルダに係り、特に、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士を、メカニカルスプライスや融着接続によって突き合わせ接続する際の、光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信分野においては、高速・大容量伝送が可能な光ファイバが伝送経路の主流となっており、既に中・長距離幹線の殆どが、従来の金属線(銅線)を用いたメタルケーブルから光ファイバケーブルに代わっている。特に近年においては、幹線から各家庭までの伝送経路を光ファイバ化する光加入者系伝送システムの実用化が始まっている。
【0003】
従来、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士の接続には、一般に、融着接続が用いられていた。この融着接続は、光ファイバ素線同士を突き合わせ、その突き合わせ面を互いに溶融させて接続するものであるため、接続の信頼性が高い。しかし、接続後の補強などに時間がかかること、また、装置が高価であると共に融着接続の際に電源が必要であるという問題を有していた。
【0004】
そこで、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士をV溝内で突き合わせて軸合わせを行うと共に、その状態で固定することで、簡易に素線同士の接続を行うメカニカルスプライスが開発されている(特開平8−234037号公報、特開平9−73023号公報、特開平9−90148号公報、特開平9−96733号公報、及び特開平9−318836号公報等を参照)。
【0005】
中でも、特開平9−318836号公報に記載されたメカニカルスプライスは、その構造及び接続方法が簡易であることから、低コストで素線同士の接続が可能である。このメカニカルスプライスは、図3に示すように、上面に位置合わせ用のV溝(図示せず)を備えたV溝基板31と、そのV溝基板31のV溝形成面に重ね合わせる押さえ基板32と、基板31,32を把持してクランプ力を発生させるコ字状のクランプスプリング33とで構成される。各光ファイバ心線35の素線36同士の接続は、V溝基板31と押さえ基板32との間に形成したスリット34に、くさび(図示せず)を挿入して基板31,32間に隙間を空けると共に、その隙間から、光ファイバ心線35に端末処理してなる一対の光ファイバ素線36,36を挿入して突き合わせる。その後、くさびを抜くことにより、クランプスプリング33の復元力によってV溝内への光ファイバ素線36,36の位置決めと把持を行うものである。
【0006】
この接続に供する各光ファイバ心線35を保持するために光ファイバホルダが用いられる。光ファイバホルダ40は、図4(a),図4(b)に示すように、光ファイバ心線35を真っ直ぐに把持するための溝(V字状のものが多い)42を備えた本体部41と、本体部41の溝形成面側に開閉自在に取付けられたカバー43a,43bとで構成される。本体部41の溝形成面には磁石48が埋設されており、この磁石48によって本体部41と各カバー43a,43bとが磁着され、その結果、光ファイバ心線35を把持している。また、各カバー43a,43bの、溝42との当接部には、それぞれ押さえゴム部材44が設けられており、各押さえゴム部材44が、溝42内に配設される光ファイバ心線35の溝延長方向のずれを防いでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この光ファイバホルダ40は、可動部(開閉部)等を備えていることから部品点数が多く、その結果、構造が複雑になると共に、製造コストが嵩むという問題があった。また、本体部41と各カバー43a,43bとを磁石48によって磁着しているため、各カバー43a,43bを磁性材で構成しなければならないという制約があった。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、構造がシンプルで、光ファイバ心線の保持が容易で、かつ、安価な光ファイバホルダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る光ファイバホルダは、光ファイバ心線の光ファイバ素線同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダにおいて、ホルダ本体部のある水平面にスリットを形成し、そのスリットの一部を前記水平面と略平行な凹部に拡張形成し、スリットの中途に光ファイバ心線押さえ部を形成したものである。具体的には、請求項2に示すように、上記ホルダ本体部のスリット周囲部分で、その少なくとも一部を弾性体で形成することが好ましい。
【0010】
これによって、周囲部分の少なくとも一部が弾性体で形成されたスリット内に光ファイバ心線を押し込むだけで、カバーなどの押さえ部材を用いることなく、光ファイバ心線をしっかりと把持(保持)することができる。また、カバーなどの押さえ部材が不要で、構造がシンプルであることから、製造コストも安価となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0012】
第1の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図を図1に示す。ここで、図1(b)は、図1(a)の光ファイバホルダにて光ファイバ心線を保持した状態を示している。尚、図3及び図4と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
【0013】
図1(a),図1(b)に示すように、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10は、光ファイバ心線35の光ファイバ素線36同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線35を保持するものであって、略矩形状のホルダ本体部11のある水平面(図1中では上面)11aにスリット12を形成し、そのスリット12の一部を水平面11aと略平行な凹部に拡張形成し、スリット12の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成したものである。
【0014】
ホルダ本体部11の全体(スリット周囲部分で、その少なくとも一部)をゴム等の弾性体、例えば、硬質ゴムで構成され、その長手方向両端部に、長手方向に突出する突出部14a,14bを有している。この突出部14a,14bによって、光ファイバ心線35を保持する効果が高まる。
【0015】
光ファイバ心線押さえ部13の形状は、図1(a),図1(b)中においては矩形状となっているが、特にこれに限定するものではなく、後述するように指の腹の収まり具合いを考慮して、楕円状又は円状であってもよい。また、光ファイバ心線押さえ部13の深さは、その中央部から周縁部に亘って均一に形成する必要はなく、例えば、中央部を深く、周縁部を浅く形成してもよい。
【0016】
スリット12の幅は、光ファイバ心線35の外径よりも僅かに小さく形成される。また、スリット12の底部と光ファイバ心線押さえ部13の底部とは必ずしも面一(同じ深さ)に形成する必要はなく、略面一に形成すればよい。
【0017】
ホルダ本体部11を構成する弾性体としては、光ファイバホルダ10に要求される硬度を備えたゴムであれば、硬質ゴムに特に限定するものではない。
【0018】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0019】
本実施の形態に係る光ファイバホルダ10においては、ホルダ本体部11のある水平面11aに、光ファイバ心線35の被覆部37を挟み込むスリット12を直線状に形成しており、このスリット12内に光ファイバ心線35を挟み込むようにしている。また、ホルダ本体部11の全体を硬質ゴムで構成しているため、スリット12内に光ファイバ心線35を押し込むと、スリット12が弾性変形し、スリット12内部に光ファイバ心線35が挟み込まれる。光ファイバ心線35の挟み込み後は、スリット12の復元力によって、光ファイバ心線35をしっかりと把持(保持)することができる。この時、スリット12全長において、光ファイバ心線35を把持していることから、光ファイバホルダ10を多少動かしたとしても光ファイバ心線35が光軸方向(長手方向)にずれることがない。
【0020】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10においては、スリット12の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成しているため、光ファイバ心線35の先端部における被覆部37の除去などの際、光ファイバ心線35の長手方向に力がかかったとしても、光ファイバ心線押さえ部13において、指の腹で光ファイバ心線35をホルダ本体部11に押さえ付けることで、スリット12内に配設・保持される光ファイバ心線35がスリット延長方向にずれるのを防ぐことができる。
【0021】
以上より、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10は、スリット12内に光ファイバ心線35を押し込むだけで、光ファイバ心線35を容易に、かつ、しっかりと保持することができる。
【0022】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ10は、光ファイバ心線35を押さえるためのカバー等を特に必要とせず、硬質ゴムからなる1つの部材で形成可能であるため、構造が非常にシンプルであり、従来と比較して部品点数を著しく少なくすることができる。その結果、従来と比較して、製造コストを大幅に削減することができる。
【0023】
また、光ファイバホルダ10は硬質ゴムで構成されていることから、一部が磁性材で構成された従来の光ファイバホルダ40(図4(a),図4(b)参照)と比較して、重量の軽減を図ることができる。
【0024】
次に、本発明の他の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0025】
第2の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図を図2に示す。ここで、図2(b)は、図2(a)の光ファイバホルダにて光ファイバ心線を保持した状態を示している。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
【0026】
図2(a),図2(b)に示すように、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、基本的な構造は前実施の形態の光ファイバホルダ10と同じであり、略矩形状のホルダ本体部21のある水平面(図2中では上面)21aにスリット22を形成し、そのスリット22の一部を水平面21aと略平行な凹部に拡張形成し、スリット22の中途に光ファイバ心線押さえ部13を形成すると共に、スリット22の光ファイバ心線押さえ部13と一方の突出部(図2(a),図2(b)中では突出部14a)との間(スリット周囲部分で、その少なくとも一部)に、凹部23を形成したものである。また、この凹部23内に、ゴム部材24が配設される。
【0027】
ホルダ本体部21の全体は、射出成形可能な熱可塑性樹脂で構成される。このホルダ本体部21の射出成形時に、突出部14a,14b、スリット22、光ファイバ心線押さえ部13、及び凹部23が同時形成される。
【0028】
スリット22の幅は、光ファイバ心線35の外径と同じ(又は略同じ)に形成される。
【0029】
凹部23内に配設されるゴム部材24は、その表面に、スリット22と同じ延長方向のゴムスリット25を備えており、このゴムスリット25は、ゴム部材24を凹部23内に配設する前に予め形成される。ゴムスリット25の幅は、光ファイバ心線35の外径よりも僅かに小さく形成される。また、スリット25の底部とスリット22の底部とは面一(同じ深さ)に形成される。
【0030】
ゴム部材24の構成材としては、前実施の形態に係る光ファイバホルダ10のホルダ本体部11の構成材と同じものを用いることができる。
【0031】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0032】
本実施の形態に係る光ファイバホルダ20においても、前実施の形態の光ファイバホルダ10と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、ホルダ本体部21を、熱可塑性樹脂で構成しているため、射出成形による製造が可能である。よって、光ファイバホルダ20は、ホルダ本体部21の射出成形工程、ゴム部材24の製造工程、及びホルダ本体部21に対するゴム部材24の取付け工程の3工程で製造可能であり、生産性に優れている。
【0034】
また、ホルダ本体部21の射出成形時に一体形成した凹部23に、ゴムスリット25を備えたゴム部材24を配設しているため、スリット22及びゴムスリット25内に光ファイバ心線35を押し込むと、ゴムスリット25が弾性変形し、ゴムスリット25内部に光ファイバ心線35が挟み込まれる。光ファイバ心線35の挟み込み後は、ゴムスリット25の復元力によって、光ファイバ心線35をしっかりと把持(保持)することができる。この時、ゴムスリット25(ゴム部材24)の長さ、又はゴム部材24の材質を適宜調節することによって、光ファイバ心線35を保持・把持する力を調節することができる。
【0035】
以上より、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、スリット22及びゴムスリット25内に光ファイバ心線35を押し込むだけで、ゴムスリット25が光ファイバ心線35を容易に、かつ、しっかりと保持する。
【0036】
また、本実施の形態に係る光ファイバホルダ20は、光ファイバ心線35を押さえるためのカバー等を特に必要とせず、2つの部材(ホルダ本体部21及びゴム部材24)で形成可能であるため、構造がシンプルであり、従来と比較して部品点数を著しく少なくすることができる。その結果、従来と比較して、製造コストを大幅に削減することができる。
【0037】
また、光ファイバホルダ20はその大部分が熱可塑性樹脂で構成されていることから、一部が磁性材で構成された従来の光ファイバホルダ40(図4(a),図4(b)参照)と比較して、重量の軽減を図ることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
(1) 周囲部分の少なくとも一部が弾性体で形成されたスリット内に光ファイバ心線を押し込むだけで、カバーなどの押さえ部材を用いることなく、光ファイバ心線を把持(保持)することができる。
(2) カバーなどの押さえ部材が不要で、シンプルな構造であることから、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光ファイバホルダの斜視図である。
【図3】メカニカルスプライスの一例を示す斜視図である。
【図4】従来の光ファイバホルダの斜視図である。
【符号の説明】
10,20 光ファイバホルダ
11,21 ホルダ本体部
11a,21a 水平面
12,22 スリット
13 光ファイバ心線押さえ部
35 光ファイバ心線
36 光ファイバ素線
Claims (2)
- 光ファイバ心線の光ファイバ素線同士を突き合わせ接続する際、光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダにおいて、ホルダ本体部のある水平面にスリットを形成し、そのスリットの一部を前記水平面と略平行な凹部に拡張形成し、スリットの中途に光ファイバ心線押さえ部を形成したことを特徴とする光ファイバホルダ。
- 上記ホルダ本体部のスリット周囲部分で、その少なくとも一部を弾性体で形成した請求項1記載の光ファイバホルダ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248192A JP2004085972A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 光ファイバホルダ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002248192A JP2004085972A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 光ファイバホルダ |
Publications (1)
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JP2004085972A true JP2004085972A (ja) | 2004-03-18 |
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ID=32055630
Family Applications (1)
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JP2002248192A Pending JP2004085972A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 光ファイバホルダ |
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JP (1) | JP2004085972A (ja) |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002248192A patent/JP2004085972A/ja active Pending
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