JP3814128B2 - メカニカルスプライス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ同士を突き合わせ接続するメカニカルスプライスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5および図6を用いて、従来のメカニカルスプライスを説明する。
【0003】
図5および図6に示すように、メカニカルスプライス40は、光ファイバ10,10を位置決め調心するためのV溝基板42と、そのV溝基板42の両側から挿入された光ファイバ10,10を囲んで押さえるための押さえ基板43と、V溝基板42と押さえ基板43を上下から挟み込んで光ファイバ10,10を把持するためのコ字状のクランプスプリング44とで構成される。
【0004】
V溝基板42は、光ファイバ10,10の裸ファイバ11,11を位置決め調心するための突き合わせ面42aと、光ファイバ10,10の被覆部12,12を支持するための溝42bとを有しており、押さえ基板43は、裸ファイバ11,11を押さえるための裸ファイバ把持部43aと、被覆部12,12を把持するための被覆把持部43bとを有している。
【0005】
このようなメカニカルスプライス40では、光ファイバ10の裸ファイバ11および被覆部12は、V溝基板42と押さえ基板43とでしっかりと挟み固定されている。
【0006】
そのため、収縮率の大きい材料(ナイロン等)で形成された被覆部12を有する光ファイバ10を接続・把持した場合、温度等の環境の変化によって被覆部12が収縮しようとしたときに収縮することができず、その収縮しようとする力が裸ファイバ11をメカニカルスプライス40の内側へ突き出す力となる。
【0007】
その結果、図7に示すように、メカニカルスプライス40内部で裸ファイバ11の曲がりが起こり、光損失が増加してしまう問題があった。
【0008】
そこで発明者らは、図8に示すように、V溝基板42および押さえ基板43の被覆部12と接触する部分に、ナイロン等の収縮率の大きい材料よりもヤング率の小さいシリコーン系の接着剤45を塗布することで、ナイロンのような収縮率の大きい被覆を有する光ファイバを接続しても、被覆部12が収縮することが可能であり、裸ファイバ11の突き出しが発生しないメカニカルスプライス50を考案し、検討した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したシリコーン系の接着剤45を塗布したメカニカルスプライス50において温度サイクル試験等の環境試験を行った結果、裸ファイバ11の突き出し防止効果については良好な結果が得られた。
【0010】
しかしながら、そのようなメカニカルスプライス50では、接続しようとする光ファイバ10を挿入する際に、図9に示すように、接着剤45を裸ファイバ11の先端部で削ってしまい、その削りカスが裸ファイバ11のコア部を塞ぐことで接続損失が大きくなってしまう問題が生じた。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光ファイバ接続後の被覆部の収縮による裸ファイバの突き出しを防止でき、初期接続状態を高い信頼性で維持することができると共に、接続損失の小さいメカニカルスプライスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、先端部の被覆が除去されて裸ファイバが露出した光ファイバ同士を対向させて突き合わせ接続すべく、その両裸ファイバを位置決め調心するための突き合わせ面を有するV溝基板と、そのV溝基板の両側から挿入された光ファイバを囲んで光ファイバを押さえるための押さえ基板と、上記V溝基板と押さえ基板で突き合わせた光ファイバを把持するためのコ字状のクランプスプリングとを備えたメカニカルスプライスにおいて、光ファイバの被覆部を押さえ基板及びV溝基板に対して光軸方向へ摺動可能にするために、光ファイバの被覆部に面したV溝基板と押さえ基板にフッ素コーティング層を形成したメカニカルスプライスである。
【0014】
請求項2の発明は、光ファイバの被覆部と、V溝基板と押さえ基板に形成したフッ素コーティング層間に、被覆部把持層が介在される請求項1記載のメカニカルスプライスである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は、本実施形態におけるメカニカルスプライスの長手方向の部分断面図であり、図2は、幅方向の断面図であり、図3は、本実施形態におけるメカニカルスプライスに光ファイバを挿入した状態を示す長手方向の部分断面図である。
【0017】
メカニカルスプライス20は、図に示すように、光ファイバ10を位置決め調心するためのV溝基板22と、そのV溝基板22の両側から挿入された光ファイバ10を囲んで押さえるための押さえ基板23と、V溝基板22と押さえ基板23とを上下から挟み込んで光ファイバ10を把持するためのコ字状のクランプスプリング24とで概略構成されている。
【0018】
V溝基板22は樹脂成型されたものであり、裸ファイバ11を位置決め調心するための突き合わせ面22aと、光ファイバ10の被覆部12を支持するための溝22bが形成されている。
【0019】
V溝基板22の突合わせ面22aには、図示しないV溝が形成されており、接続される光ファイバ10の裸ファイバ11同士は、互いにV溝内に収納されて位置決め調心される。
【0020】
押さえ基板23は、V溝基板22に支持された光ファイバ10を押さえるためのものであり、裸ファイバ部11を押さえるための裸ファイバ把持部23aと、被覆部12を把持するための被覆把持部23bとが形成されている。
【0021】
V溝基板22の溝22bおよび押さえ基板23の被覆把持部23bには、被覆部12をV溝基板22および押さえ基板23に対して光軸方向へ摺動可能にするためのフッ素コーティング層26,26が形成されており、フッ素コーティング層26,26と被覆部12との間に被覆部把持層27,27が設けられている。
【0022】
本実施形態では、フッ素コーティング層26は、溝22bおよび被覆把持部23bの端面に形成される。
【0023】
また、被覆部把持層27は、V溝基板22と同様に樹脂成型品である。
【0024】
被覆部把持層27および光ファイバ10の被覆部12は、フッ素コーティング層26によってV溝基板22および押さえ基板23に対して光軸方向に摺動できるようになっている。
【0025】
コ字状のクランプスプリング24は、V溝基板22と押さえ基板23とを上下から挟み込んで光ファイバ10を把持する。
【0026】
次に本発明の作用を述べる。
【0027】
メカニカルスプライス20内に挿入された光ファイバ10は、その裸ファイバ11が、V溝基板22の突き合わせ面22aにて位置決め調心され、被覆部12が、溝22bと被覆把持部23bとに囲まれて、クランプスプリング24により狭持される。
【0028】
温度等の環境の変化により、メカニカルスプライス20内で接続されている光ファイバ10の被覆部12が収縮しようとすると、その収縮しようとする力によって溝22bおよび被覆把持部23bと被覆把持層27、27との間で滑りが起こり、被覆把持層27,27および被覆部12は光軸方向(図3に矢印で示す)に摺動する。
【0029】
被覆把持層27,27が摺動するため、光ファイバ10の被覆部12は収縮することができる。
【0030】
その結果、裸ファイバ11の突き出しを回避できるため、メカニカルスプライス20内部で裸ファイバ11の曲がりが起きることがなく、初期接続状態を高い信頼性で維持することができる。
【0031】
また、前記被覆把持層27,27は、ヤング率の高い樹脂成型品であるため、光ファイバ10の挿入時に裸ファイバ11の先端部により削り取られることはない。
【0032】
そのため、削りカスが裸ファイバ11のコア部を塞ぐことがなく、接続損失が小さくなる。
【0033】
具体的には、本実施形態のメカニカルスプライス20のサンプルを20ケ作成して接続損失の測定を行った結果、接続損失は平均0.04dB、最大0.14dBと良好な結果が得られた。
【0034】
また、そのサンプルにて、条件を-30 〜70℃,6h/サイクルとして100サイクルの温度サイクル試験を行った結果、図6に示すような従来のメカニカルスプライス40では、損失変動は数dBであったのに対して、本実施形態のメカニカルスプライス20では、損失変動は±0.1dB以下と小さく、安定した特性を得ることができた。
【0035】
本発明の他の実施の形態を図4を用いて説明する。
【0036】
本実施形態は、V溝基板22の溝22bおよび押さえ基板23の被覆把持部23bのそれぞれの端面にフッ素コーティング層26,26を形成したものであり、このフッ素コーティング層26,26が直接光ファイバ10の被覆部12と接触する。
【0037】
即ち、図3に示した形態のメカニカルスプライス20から被覆把持層27を除いた構造となっている。
【0038】
この形態では、光ファイバ10の被覆部12が収縮しようとすると、溝22bおよび被覆把持部23bと被覆部12との間に滑りが起こり、被覆部12が摺動して収縮することができる。
【0039】
本実施形態ではメカニカルスプライスは、一本の裸ファイバを有する光ファイバを接続するとして図示してきたが、本発明はこの点において限定されず、複数の裸ファイバを有する光ファイバを接続するメカニカルスプライスにも適用できるものである。
【0040】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、以下に示す如く優れた効果を発揮するものである。
【0041】
(1)初期接続状態を高い信頼性で維持できる。
【0042】
(2)接続損失が小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるメカニカルスプライスの長手方向の部分断面図である。
【図2】 メカニカルスプライスの幅方向の断面図である。
【図3】 本実施形態におけるメカニカルスプライスに光ファイバを挿入した状態を示す長手方向の部分断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態のメカニカルスプライスの長手方向の断面図である。
【図5】 従来のメカニカルスプライスの斜視図である。
【図6】 従来のメカニカルスプライスの長手方向の断面図である。
【図7】 従来のメカニカルスプライスにおける、裸ファイバの曲がり状態を示す長手方向の断面図である。
【図8】 (a)は、従来のメカニカルスプライスの幅方向の断面図である。
(b)は、従来のメカニカルスプライスの長手方向の断面図である。
【図9】 従来のメカニカルスプライスにおける、光ファイバ挿入時の削り取り状態を示す長手方向の断面図である。
【符号の説明】
10 光ファイバ
11 裸ファイバ
20 メカニカルスプライス
22 V溝基板
23 押さえ基板
26 フッ素コーティング層
Claims (2)
- 先端部の被覆が除去されて裸ファイバが露出した光ファイバ同士を対向させて突き合わせ接続すべく、その両裸ファイバを位置決め調心するための突き合わせ面を有するV溝基板と、そのV溝基板の両側から挿入された光ファイバを囲んで光ファイバを押さえるための押さえ基板と、上記V溝基板と押さえ基板で突き合わせた光ファイバを把持するためのコ字状のクランプスプリングとを備えたメカニカルスプライスにおいて、光ファイバの被覆部を押さえ基板及びV溝基板に対して光軸方向へ摺動可能にするために、光ファイバの被覆部に面したV溝基板と押さえ基板にフッ素コーティング層を形成したことを特徴とするメカニカルスプライス。
- 光ファイバの被覆部と、V溝基板と押さえ基板に形成したフッ素コーティング層間に、被覆部把持層が介在される請求項1記載のメカニカルスプライス。
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