JP2004085935A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】2方式(EVF/OVF)のファインダ機能を適確に使い分け、撮影シーンにふさわしい方法で被写体を有効に確認し、撮影者がわずらわしい操作をせずに常に最適なファインダ方式を採用するカメラを提供する。
【解決手段】このカメラは、撮影時に被写体の構図を確認する為の接眼部(接眼レンズ13)をもつファインダ光学系と、該接眼部へ被写体像を導く第1の光路と、該接眼部へ該被写体像を電子データに変換し再生した像を導く第2の光路を有する。更にこのカメラは、上記第1の光路と第2の光路を切り替える手段と、撮影条件判定する手段とを、ソフトウエア(制御プログラム)とハードウエアの組合せから構成され、その条件判定の結果によってこれらの光路の切替制御を行なうように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】このカメラは、撮影時に被写体の構図を確認する為の接眼部(接眼レンズ13)をもつファインダ光学系と、該接眼部へ被写体像を導く第1の光路と、該接眼部へ該被写体像を電子データに変換し再生した像を導く第2の光路を有する。更にこのカメラは、上記第1の光路と第2の光路を切り替える手段と、撮影条件判定する手段とを、ソフトウエア(制御プログラム)とハードウエアの組合せから構成され、その条件判定の結果によってこれらの光路の切替制御を行なうように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラのファインダ技術に係わり、近年特に発達著しいディジタル画像技術を有効に利用した電子ビューファインダ(EVF:Electric View Finder)を効果的に使ったカメラの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラのファインダ技術においては、ファインダ内に種々の表示を行なう技術が従来から知られている。例えば特開平1−114734号公報には、被写体距離に基づいてファインダ内の枠(視野枠)を切り替えて撮影される範囲を指示する技術が教示されている。但しこれは、電子ビューファインダ(EVF)を用いたものではない。
【0003】
また、特開平5−100288号公報等には、撮影後のイメージをあらかじめ確認できるようにEVFの画像処理機能を有効活用した技術が教示されている。但しこれは、ユーザが操作する際のわずらわしさが伴うものである。
さらに特開平10−341359号公報等には、ディジタル表示と光学ファインダ(OVF:Optical View Finder)の使い分けの技術が教示されている。但しこれは、光路の切替えを行うものではなく、ユーザがこれら2種類の表示された画面を使い分けるなどに係わって、使用上の煩雑さを伴うものである。
【0004】
このように、近年のいわゆる「ディジタルカメラ(電子カメラ)」には、従来のフィルムを用いるコンパクトカメラと同様、光学ファインダ(以下、OVFと称する)を搭載し、撮影時には従来からのコンヴェンショナル・カメラと同様に、その接眼部をのぞきながら撮影操作を行なうようにしたものが増加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のOVFは一般的に撮影光学系とは別の光学系を利用しているため、観察画角と実際の撮影画角にパララックス(視差)が生ずる。故に、近距離にある被写体を撮影する際には、正しい構図セッティングができないなどの問題を生ずることがある。但しこのOVFは、観察時のカメラの消費エネルギーが基本的にゼロである事や、動きのある被写体を電子ビューファインダ(以下、EVF又は電子ファインダと称する)よりもスムーズに目視確認できるというメリットがある。
【0006】
一方、電子ファインダ(EVF)は、前述のように電流消費があるだけでなく、大きな輝度差の被写体に対しては見づらい場合がある。また、カメラの背面に設けられたEVFなどはバックライトの明るさに限界もあって、明るい屋外ではその表示内容がよく見えないという問題も指摘されている。
更にEVFは、画像の電子的な取込み、読出しおよび表示処理に各々時間がかかるため、LCD上に表示出力される画像の動きが不連続であり、特に動体などを撮影する際の観察には、その表示形態に起因する追従性や応答性が非常に悪く、見づらいことが一般的に云われている。
【0007】
このように、これら2方式(EVF/OVF)はそれぞれ一長一短があるため、ファインダ機能の運用時には適切な選択のもとで各長所を生かした制御が行なわれなければならない。
そこで本発明の目的は、これらの2方式(EVF/OVF)のファインダ機能を適確に使い分けて、撮影シーンにふさわしい方法で被写体を有効に確認でき、撮影者がわずらわしい操作をせずに常に最適なファインダ方式を採用できるようなカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、撮影時に被写体の構図を確認するための接眼部を有するファインダと、上記接眼部に上記被写体の像を導く第1の光路と、電子データに変換され再生表示された上記被写体の像を上記接眼部に導く第2の光路と、を備えるカメラであり、当該撮影時の条件を判定する撮影条件判定手段と、上記第1の光路と上記第2の光路を切り替える切替手段を更に有し、その切替手段が、上記判定の結果に基づいて切替制御されることを特徴とするカメラを提案する。そして、上記撮影条件判定手段として、当該カメラの電源である電池の状態を検出する電池状態検出手段を有し、その電池状態によって上記切替手段が第1の光路または上記第2の光路へ切り替える、上記載のカメラを提案する。
【0009】
また第2の態様によれば、画面内の複数のポイントの明るさを測距する測光手段と、この測光手段の出力より明るさの分布を検出する明るさ検出手段と、この明るさ検出手段の出力に応じて、電子的なファインダ表示と光学的なファインダ表示を切換表示する表示切換手段と、を有することを特徴とするカメラを提案する。そして、上記明るさ検出手段により検出された明るさの変化が大きい場合は、上記表示切替手段が光学的ファインダ表示に切り替えて表示し、一方、その明るさの変化が少ない場合は、上記表示切替手段が電子的ファインダ表示に切り替えて表示するような上記載のカメラを提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、一実施形態を挙げ図1〜図6に基づき本発明について詳しく説明する。図1には本発明の一実施形態に係わるカメラの構成例としてブロック構成図を示し、図2(a)〜(c)にはこのカメラの外観を斜視図で示している。
【0011】
最初にこのカメラの基本的な特徴と構成を概説する。カメラの種類としては、撮影光学系と観察系(ファインダ系)がそれぞれ独立したものを前提にしている。このカメラは、撮影時に被写体51の構図を確認するため接眼部に接眼レンズ13を有して成り、対物レンズ12から接眼レンズ13へ直接的に被写体像を導く第1の光路と、撮影レンズ3を介し一旦電子データに光電変換され再生された当該被写体像を接眼レンズ13へ導く第2の光路との2つの異なる光路を、ファインダ光路として有するものである。またこのカメラは、上記第1の光路と第2の光路を選択的に切り替える切替手段を有し、この切替のために、当該撮影時の条件を判定するための撮影条件判定手段を更に有している。これらの手段は、ソフトウエア(制御プログラム)とハードウエアの組合せから成る。そしてその判定の結果に基づき、2つの光路の適宜な切替制御が行なわれるように構成されている。
【0012】
上記撮影条件判定手段が例えばハードウエアで実現される場合であれば、それは、当該カメラの電源である電池10の状態を検出可能なA/D変換器10aなどの電池状態検出手段であってもよく、また、そのときの電池状態に基づき、所定の反射鏡などを利用した上記切替手段を介して第1の光路から第2の光路へ切り替えるように制御プログラムが設定され実施される(詳細後述)。
【0013】
次に、当該実施形態における実際の構成と動作について説明する。
上記第1の光路は光学ファインダ(OVF)の光路に使用し、上記第2の光路は電子ファインダ(EVF)の光路に使用する。そのため、カメラ本体20には上記第1の光路を構成するファインダ用の対物レンズ12と接眼レンズ13が同一光軸上に配設されているほか、これらのレンズ間に選択的に介在して上記第2の光路へ切り替えるように、アクチュエータ15で駆動される可動ミラー14が回動可能に設けられている。
【0014】
このカメラの統括的な制御を司るCPU1は、前述の制御プログラムを有し、A/D変換器10aを介し電源供給を受けて稼動し、上記アクチュエータ15を駆動制御すると共に、二段階構造を成すレリーズSW2a,2bに対するレリーズ操作によって一連の撮影シーケンスの実行を制御するように構成されている。
【0015】
CPU1はまた、画像処理部4a、記録部5、A/D変換器8、LCDドライバ9a、バックライト制御回路11aに図示の如く接続して成り、ディジタルカメラ(電子カメラ)として周知の基本的な制御を行なうように構成されている。そのほかにもCPU1は、補助光源として働くストロボ装置18に接続し、A/D変換器10aとフィルタ回路10bを介して電池10に接続されている。そして、電池10の電圧変動を抑制するフィルタ回路10bを介した安定的な電源供給のもとで、カメラ各部を適宜に制御するように設定されている。
【0016】
本発明に係わる制御プログラムとしては、光学ファインダ(OVF)使用時には、これらレンズ間を結ぶ第1の光路から可動ミラー14を、アクチュエータ15による駆動力によって退避させておくことで、OVFの機能が発揮される。よって、ユーザである撮影者50は、カメラによる何らの電気的処理をも介在させずに、被写体51を光学的に観察することができるようになる。このとき、被写体像の観察系に関しては電池10からの電流消費が皆無になるので、撮影者50は電池10の消耗を気にすることなく、じっくりと時間をかけて構図を決める事ができる。
【0017】
一方、電子ファインダ(EVF)使用時には、上記OVFに無い次のようなメリットが有る。このファインダ方式は次のようなものである。すなわちこれは、撮影レンズ3を介し撮像素子4によって光電変換された画像データを画像処理部4aで画像処理し、更にLCDドライバ9aによる駆動でLCD9が電子的に表示した被写体像を、照明手段としてのバックライト11で後方から照らし出し、この被写体像を第2の光路の折り曲げ機能を有すプリズム17a及びレンズ17bから成る拡大光学系17を経由しこの光路内に介在する可動ミラー14で反射させ、接眼レンズ13を介して撮影者50に観察させる方式である。
【0018】
したがって、撮影レンズ3から得られた画像をそのままファインダ表示に利用しているので、撮像素子4で光電変換され記録手段としての記録部5内に記録される画像イメージと基本的に同じ像を、撮影者50は撮像直前に観察目視することができる。それ故に、近距離の被写体などでは、視差(パララックス)の無い画像イメージを得ることができるというメリットがある。
ただし、電子ファインダ(EVF)のデメリット(欠点)としての電流消費だけでなく、大きな輝度差のある被写体が見づらく、また画像の電子処理(取込み、読出し及び表示)の遅さや、動体観察に不向きであることを考慮する必要がある。
【0019】
そこで本実施形態のカメラでは、例えば被写体51が動体である場合にはEVFを適用しないように、制御プログラムに従って適宜制御されるように設定されている。つまり図1に示す如く、可動ミラー14はCPU1の指令に従って駆動するアクチュエータ15により位置制御(この場合は光路中から退避)されてOVFとなる。また電力消費を抑制するためにも同様に制御される。
【0020】
なお、マイクプロセッサ(マイコン)としてCPU1は、電源投入(パワースイッチON)と同時に、ここに常駐されて成る上記制御プログラムが起動するように設定されている。そしてCPU1は、これに接続するレリーズSW2a,2bの状態を判定して撮影者50によるレリーズ操作を検出し、電子ファインダ(EVF)使用時には、前述の画像処理のための処理回路4aや、LCDドライバ9a及びバックライト制御回路11aなどをそれぞれ適宜に制御する。
【0021】
また、視差を有する2つのレンズ6a,6bを介して得られた像をセンサアレイ7a,7b及びA/D変換器8で検出し、周知の「三角測距の原理」に基づいて被写体距離を算出し、その結果から撮影レンズ3のピント合せ制御を、レンズ駆動部3aを介して行なう。
その他にCPU1は、撮影時には必要に応じてストロボ装置18を発光駆動させたり、画像処理回路4aによって圧縮された画像データを記録部5に書込み記録する制御を行なう。
【0022】
これらの電子回路は、電池10から消費される電流によってエネルギーが供給されるが、ストロボ回路18などの稼動時は特に大きな電流が断続的に消費されるため、フィルタ回路10bによって電源電圧の変動を小さくしている。また、電池電圧はA/D変換器10aによってディジタル信号となり、その電池10の消耗の程度をCPU1内の撮影条件判定手段が検出できるようになっている。
【0023】
このようなカメラの外観のうち、図2(a)には当該カメラのレンズ保護用のバリア21を閉じた状態が示され、図2(b)にはそのバリア21を開いた状態が示されている。
このバリア21が当該カメラのパワースイッチを兼用しているので、ここでは、その開閉操作に連動して電源が供給され、CPU1が所定の制御プログラムを起動させるように設定されているものとする。カメラ本体20の上面には、内蔵された二段式のレリーズSW2a,2bに連動するレリーズボタン2が突設され、前面には、撮影レンズ3や、前述のファインダ対物レンズ12や測距(AF)用の一対の受光レンズ6a,6bの他、ストロボ発光部18等が配設されている。
【0024】
ただし構造的に次のように変形実施してもよい。例えばこのカメラには、前述した如く可動ミラー14による2つの光路を切り替える方式ではなく、図2(c)に示す外観のように、カメラ本体20の背面に液晶などから成る電子モニタ9bが直接見えるように設けられた如くの実施形態でもよい。勿論この場合は、光路の切替え機構(例えば可動ミラー14やアクチュエータ15)を不要にすることができる。
【0025】
つづいて、本実施形態におけるソフトウエアによる制御について説明する。前述のようにバリア21が閉じている時には、上記電子モニタ9bは消灯してその消費エネルギーを少なくする。またバリア21が開いている時には、図3のようなフローチャートで表わす「表示処理」に係わる制御プログラムに基づき、規定された手順に従って画面表示の内容を適宜制御しながら切り替える。すなわち、図3に例示のフローチャートには、本実施形態のカメラにおける基本的な表示処理の手順を表わしている。但し、このカメラのメインルーチンとしてのカメラシーケンスは周知のものであり、当該「表示処理」ルーチンはそのメインルーチンからコールされるサブルーチンであるものとする。
【0026】
表示処理としてまず最初に、このカメラが置かれた撮影環境が所定条件に合致するか否かを判定し(S1)、合致すれば、電子ファインダ(EVF)による表示を行ない(S2)、否の場合は光学ファインダ(OVF)による表示を行なう(S3)。勿論、所望により撮影者の好みや状況判断に基づき、マニュアル操作で表示OFFすることで、電子ファインダによる表示をあえてしなくてもよい。
【0027】
可動ミラー14を図1の如くにファインダ対物レンズ12と接眼レンズ13との間の光路内に介在させた状態の場合は電子ファインダ(EVF)表示とし、可動ミラー14を光路外に退避させた場合は、光学ファインダ(OVF)表示になる。また、EVF表示時にはLCDパネル9を点灯させ、OVF表示時にはLCDパネル9を消灯させるようにそれぞれ制御される。
【0028】
上述の表示形態の切替えは、S4にて所定時間が経過する毎に上記S1の所定条件に基づき判断される(S4)。したがってユーザはこのカメラを構えるだけで、カメラ内のCPU1がその撮影シーンに最もふさわしいファインダ表示形態を選択する。よってユーザは、従来のようなファインダ装置の切替などの煩雑な操作は不要となり、被写体像が表示されたファインダ画像を見ながら撮影に専念することができるようになる。
まだ所定時間に満たなければ、S5にて表示OFFの操作がなされたか否かを判定し(S5)、表示OFF操作がされると、表示画面を消し消費エネルギー対策を兼ねて、S6にて光学ファインダ(OVF)に切り替わるように制御される(S6)。
【0029】
このような図3のフローチャート中のS1における所定条件の一例としては、実際、例えば図4に示すような激しく明暗差のある撮影シーンが考えられる。このシーンの場合、主要被写体の人物51に露出を合わせた表示形態に設定すると、EVF表示時はこれに係わる表示回路(LCDドライバ9a,バックライト制御回路11a等)の仕様上の限界に起因して、例えば図5(b)のように背景が白くなって見えなくなることが起こりやすい。そこで、背景が見えるように設定すると、今度は例えば図5(a)のように人物が黒くなって表情が見えなくなってしまうという、EVFの欠点が表われる。よって、このような撮影シーンでは光学ファインダを適用する方が好ましいので、OVFに切り替える。
【0030】
また、前述のように光学ファインダにはいわゆる「省エネ効果」がある事と、動体に対して強い事(即ち、自然にスムーズな表示が可能である事)を想定すると、図6にフローチャートで表わすようなもう1つの「表示処理」の制御が考えられる。そこで以下に、このフローチャートに基づいて処理手順を説明する。
S11においては、カメラ前面に設けられたバリア21が開いているか閉じているかを判断する(S11)。つまり、バリア21が開かれるまで待機し、もし開いていれば、図3で例示した如くの所定条件の判断を開始する。そして、測距用センサ(AFセンサ7a,7b)を制御して、像信号を検出する(S12)。
S13では、CPU1内のクロックを兼用したタイマによる計時カウント動作が開始される(S13)。計時開始されたこのタイマを監視するS14において、所定時間t1 が経過したか否かを判定し(S14)、まだ経過してなければ、後述するS21へ分岐する。一方、その所定時間t1 経過が検知される毎に、続くS15〜S18が繰り返される。詳しくは、基準像検出としてまず像検出し(S15)、その像の変化を判断し、2回の像検出結果を比較することで動体検出を行なう(S16)。つまり、像変化の有無によって動体判定の有無を行なう。
もし像変化があると、動体判定ありと判断し(S17)、変化が無い時には動体判定なしと判断する(S18)。
【0031】
またS21において、バリア21の開閉状態が判別され、バリア21が開いていれば、図3におけるS4の「所定時間」に相当する所定時間t2 が経過したか否かが判定される(S22)。そして、時間t2 が経過する毎にS23に分岐して、被写体距離Lを測定し(S23)、測光(S24)、そしてバッテリーチェックを行なう(S25)。
【0032】
もし上記バッテリーチェックの結果判定(S31)において、例えばバッテリーに何らかの不具合(例えば電池容量不足など)が検知されれば、所定の警告を発する(S36)。そして、表示形態を切り替える。すなわち、電流消費のある電子ファインダ(EVF)による表示動作をOFFして、光学ファインダ(OVF)による表示動作を行なう(S37)。その後、S41へ移行する。
【0033】
一方、バッテリーが正常であれば、S32〜S38を実行する。詳しくは、図4のような光の変化が大きい撮影シーンでもEVFでは充分な表示ができないので、S32にて、上記S12で検出された像信号の振幅からその光量変化を検出し(S32)、光量変化が所定よりも大きい場合には、S37へ分岐してOVF表示とするが、その光量変化が所定よりも小さい場合には、測距した結果(L)が所定の距離(L0)よりも近い近距離撮影か(即ちマクロ撮影か)否かを判定し(S33)、近距離撮影であれば、パララックスの無いEVF表示(S38)とする。ただし、上記S17にて「動体判定あり」とされている場合には、S34にてその動体判定結果に基づき、S37又はS38へ分岐先を切り替える(S34)。即ち、被写体が動いている場合はOVF表示にし、静止している被写体に対してのみEVF表示とする。
【0034】
続いてS41においては、1stレリーズSW2aが操作されているか否かが検知され(S41)、否の場合は上記S13へ戻る。一方、1stレリーズSW2aが操作されていると、S42にて表示形態の保持が行なわれる(S42)。
さらにS43にて、2ndレリーズSW2bが操作されているか否かが検知され(S43)、否の場合は上記S45へ戻って、さらにここで再び、1stレリーズSW2aが操作されているか否かが検知され(S45)、否の場合は上記S13へ戻る。
一方、レリーズボタン2が押し込まれ、その結果2ndレリーズSW2bの操作が検知されると、撮影シーケンスに移行する(S44)。そして撮影が終了し、メインルーチンへリターンする。
【0035】
上述したような表示形態の切替えは、図2中のレリーズボタン2の半押し状態が1stレリーズSW2aによって検出されるまで続くが、半押し状態を検出すると、CPU1は、上記S37またはS38での表示切替を停止する。これは、撮影者が撮影に入る際にカメラの表示がチラチラと切り替わるとその撮影者は構図確定に集中できず撮影しにくい故に、切替えを停止するものであり、また、撮影者はその時の表示が好ましいものとして半押し操作に入ったと考えることができるからである。
【0036】
このように本実施形態によれば、ユーザ(撮影者50)はカメラ本体20前面のバリア21を開いて撮影可能状態とし、ファインダ方式を従来の如く選択切替え操作等をすることなく、カメラを被写体51に向けて構えるだけで、その時の最も適切なファインダ表示の形態に基づき観察でき撮影が行なえる。よって撮影者50は、表示のチラツキや、明るさの変化による不自然な陰影の無いファインダ画面を見ながら、被写体の表情を確実に確認しつつ最適なシャッターチャンスを捉える事に専念できる。
【0037】
また、近距離撮影時においてもパララックスの無いファインダ画面によって適切な構図で撮影ができる。
さらに消費電流に留意して、内蔵の電池10を長持ちさせる工夫(即ちEVFからOVFへの切替え)がなされているので、長時間の撮影に耐えられるカメラとする事ができる。
【0038】
本実施形態のカメラを撮影に使用すると、撮影状況に応じて自動的に適切な表示形態のファインダ画面に切り替わるので、従来からわずらわしいとされた操作を不要にすることができ、ユーザにファインダ系操作上の負担をかける事なく撮影作業を快適に継続させることが可能になる。
【0039】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に必ずしも制限されるものではなく、さらに次のように変形実施してもよい。例えば、撮影条件判定の対象とする項目は、そのカメラの仕様や、カメラユーザの使用形態、およびカメラのより好ましい状態に基づいた諸条件を、ユーザが設定した所望の優先度、又は撮影として好ましい結果が得られるであろう確率などに従った優先度に基づくなどして、ファインダ光路を二者択一し切り替えるように制御してもよい。それにより、前述の実施形態と同等またはそれ以上の効果、或いはカメラ使用上の更なる自由度などが得られるようになる。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0040】
以上、実施形態に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。例えば、撮影光学系と観察系(ファインダ系)とがそれぞれ独立して設けられて成るカメラにおいて、
上記ファインダ系の対物レンズから接眼レンズへ直接的に被写体像を導く第1の光路と、撮影光学系の撮影レンズを介した光束が光電変換され再生表示された当該被写体像を上記接眼レンズへ導く第2の光路と、の2つの異なるファインダ光路を有し、
撮影時の電池の残量、被写体又は撮影者の動き、或いは測光ポイントの明るさに基づいて上記第1の光路と上記第2の光路を切替え制御することを特徴とするカメラを提供できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ファインダから、常にその撮影状態にふさわしい被写体像を確認できるので、ユーザが煩雑な操作を行なうことなく、撮影に集中することができるカメラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの構成を示すブロック構成図。
【図2】図2(a)〜(c)は当該カメラの外観を示し、
図2(a)は、バリアで閉じられたカメラの前面の斜視図、
図2(b)は、バリアが開けられたカメラの前面の斜視図、
図2(c)は、このカメラの背面の斜視図。
【図3】当該カメラにおける1つの表示処理の制御手順を表わすフローチャート。
【図4】光の変化が大きい撮影シーンを示す説明図。
【図5】図5(a),(b)は当該カメラにおける画面表示例を示し、
図5(a)は、人物が黒くなって表情が見えなくなる例を示す説明図、
図5(b)は、背景が白くなって見えなくなる例を示す説明図。
【図6】このカメラにおけるもう1つの表示処理の制御手順を表わすフローチャート。
【符号の説明】
1…CPU(撮影条件判定手段、電池状態検出手段を含む)
2…レリーズボタン
2a…1stレリーズSW
2b…2ndレリーズSW
3…撮影レンズ
3a…レンズ駆動部
4…撮像素子
4a…処理回路
5…記録部(記録手段)
6a,6b…受光レンズ
7a,7b…センサアレイ
8…A/D変換器
9…LCD
9a…LCDドライバ
9b…電子モニタ(背面スクリーン)
10…電池(バッテリー)
10a…A/D変換器(撮影条件判定手段、電池状態検出手段)、
10b…フィルタ回路
11…バックライト(照明手段)
11a…バックライト制御回路
12…ファインダ対物レンズ
13…接眼レンズ
14…可動ミラー(切替手段)
15…アクチュエータ
17…拡大光学系(プリズム17a,レンズ17b)
18…ストロボ回路
20…カメラ本体(カメラボディ)
21…バリア(パワースイッチ兼用)
S1〜S45…「表示処理」の制御手順
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラのファインダ技術に係わり、近年特に発達著しいディジタル画像技術を有効に利用した電子ビューファインダ(EVF:Electric View Finder)を効果的に使ったカメラの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラのファインダ技術においては、ファインダ内に種々の表示を行なう技術が従来から知られている。例えば特開平1−114734号公報には、被写体距離に基づいてファインダ内の枠(視野枠)を切り替えて撮影される範囲を指示する技術が教示されている。但しこれは、電子ビューファインダ(EVF)を用いたものではない。
【0003】
また、特開平5−100288号公報等には、撮影後のイメージをあらかじめ確認できるようにEVFの画像処理機能を有効活用した技術が教示されている。但しこれは、ユーザが操作する際のわずらわしさが伴うものである。
さらに特開平10−341359号公報等には、ディジタル表示と光学ファインダ(OVF:Optical View Finder)の使い分けの技術が教示されている。但しこれは、光路の切替えを行うものではなく、ユーザがこれら2種類の表示された画面を使い分けるなどに係わって、使用上の煩雑さを伴うものである。
【0004】
このように、近年のいわゆる「ディジタルカメラ(電子カメラ)」には、従来のフィルムを用いるコンパクトカメラと同様、光学ファインダ(以下、OVFと称する)を搭載し、撮影時には従来からのコンヴェンショナル・カメラと同様に、その接眼部をのぞきながら撮影操作を行なうようにしたものが増加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のOVFは一般的に撮影光学系とは別の光学系を利用しているため、観察画角と実際の撮影画角にパララックス(視差)が生ずる。故に、近距離にある被写体を撮影する際には、正しい構図セッティングができないなどの問題を生ずることがある。但しこのOVFは、観察時のカメラの消費エネルギーが基本的にゼロである事や、動きのある被写体を電子ビューファインダ(以下、EVF又は電子ファインダと称する)よりもスムーズに目視確認できるというメリットがある。
【0006】
一方、電子ファインダ(EVF)は、前述のように電流消費があるだけでなく、大きな輝度差の被写体に対しては見づらい場合がある。また、カメラの背面に設けられたEVFなどはバックライトの明るさに限界もあって、明るい屋外ではその表示内容がよく見えないという問題も指摘されている。
更にEVFは、画像の電子的な取込み、読出しおよび表示処理に各々時間がかかるため、LCD上に表示出力される画像の動きが不連続であり、特に動体などを撮影する際の観察には、その表示形態に起因する追従性や応答性が非常に悪く、見づらいことが一般的に云われている。
【0007】
このように、これら2方式(EVF/OVF)はそれぞれ一長一短があるため、ファインダ機能の運用時には適切な選択のもとで各長所を生かした制御が行なわれなければならない。
そこで本発明の目的は、これらの2方式(EVF/OVF)のファインダ機能を適確に使い分けて、撮影シーンにふさわしい方法で被写体を有効に確認でき、撮影者がわずらわしい操作をせずに常に最適なファインダ方式を採用できるようなカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、撮影時に被写体の構図を確認するための接眼部を有するファインダと、上記接眼部に上記被写体の像を導く第1の光路と、電子データに変換され再生表示された上記被写体の像を上記接眼部に導く第2の光路と、を備えるカメラであり、当該撮影時の条件を判定する撮影条件判定手段と、上記第1の光路と上記第2の光路を切り替える切替手段を更に有し、その切替手段が、上記判定の結果に基づいて切替制御されることを特徴とするカメラを提案する。そして、上記撮影条件判定手段として、当該カメラの電源である電池の状態を検出する電池状態検出手段を有し、その電池状態によって上記切替手段が第1の光路または上記第2の光路へ切り替える、上記載のカメラを提案する。
【0009】
また第2の態様によれば、画面内の複数のポイントの明るさを測距する測光手段と、この測光手段の出力より明るさの分布を検出する明るさ検出手段と、この明るさ検出手段の出力に応じて、電子的なファインダ表示と光学的なファインダ表示を切換表示する表示切換手段と、を有することを特徴とするカメラを提案する。そして、上記明るさ検出手段により検出された明るさの変化が大きい場合は、上記表示切替手段が光学的ファインダ表示に切り替えて表示し、一方、その明るさの変化が少ない場合は、上記表示切替手段が電子的ファインダ表示に切り替えて表示するような上記載のカメラを提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、一実施形態を挙げ図1〜図6に基づき本発明について詳しく説明する。図1には本発明の一実施形態に係わるカメラの構成例としてブロック構成図を示し、図2(a)〜(c)にはこのカメラの外観を斜視図で示している。
【0011】
最初にこのカメラの基本的な特徴と構成を概説する。カメラの種類としては、撮影光学系と観察系(ファインダ系)がそれぞれ独立したものを前提にしている。このカメラは、撮影時に被写体51の構図を確認するため接眼部に接眼レンズ13を有して成り、対物レンズ12から接眼レンズ13へ直接的に被写体像を導く第1の光路と、撮影レンズ3を介し一旦電子データに光電変換され再生された当該被写体像を接眼レンズ13へ導く第2の光路との2つの異なる光路を、ファインダ光路として有するものである。またこのカメラは、上記第1の光路と第2の光路を選択的に切り替える切替手段を有し、この切替のために、当該撮影時の条件を判定するための撮影条件判定手段を更に有している。これらの手段は、ソフトウエア(制御プログラム)とハードウエアの組合せから成る。そしてその判定の結果に基づき、2つの光路の適宜な切替制御が行なわれるように構成されている。
【0012】
上記撮影条件判定手段が例えばハードウエアで実現される場合であれば、それは、当該カメラの電源である電池10の状態を検出可能なA/D変換器10aなどの電池状態検出手段であってもよく、また、そのときの電池状態に基づき、所定の反射鏡などを利用した上記切替手段を介して第1の光路から第2の光路へ切り替えるように制御プログラムが設定され実施される(詳細後述)。
【0013】
次に、当該実施形態における実際の構成と動作について説明する。
上記第1の光路は光学ファインダ(OVF)の光路に使用し、上記第2の光路は電子ファインダ(EVF)の光路に使用する。そのため、カメラ本体20には上記第1の光路を構成するファインダ用の対物レンズ12と接眼レンズ13が同一光軸上に配設されているほか、これらのレンズ間に選択的に介在して上記第2の光路へ切り替えるように、アクチュエータ15で駆動される可動ミラー14が回動可能に設けられている。
【0014】
このカメラの統括的な制御を司るCPU1は、前述の制御プログラムを有し、A/D変換器10aを介し電源供給を受けて稼動し、上記アクチュエータ15を駆動制御すると共に、二段階構造を成すレリーズSW2a,2bに対するレリーズ操作によって一連の撮影シーケンスの実行を制御するように構成されている。
【0015】
CPU1はまた、画像処理部4a、記録部5、A/D変換器8、LCDドライバ9a、バックライト制御回路11aに図示の如く接続して成り、ディジタルカメラ(電子カメラ)として周知の基本的な制御を行なうように構成されている。そのほかにもCPU1は、補助光源として働くストロボ装置18に接続し、A/D変換器10aとフィルタ回路10bを介して電池10に接続されている。そして、電池10の電圧変動を抑制するフィルタ回路10bを介した安定的な電源供給のもとで、カメラ各部を適宜に制御するように設定されている。
【0016】
本発明に係わる制御プログラムとしては、光学ファインダ(OVF)使用時には、これらレンズ間を結ぶ第1の光路から可動ミラー14を、アクチュエータ15による駆動力によって退避させておくことで、OVFの機能が発揮される。よって、ユーザである撮影者50は、カメラによる何らの電気的処理をも介在させずに、被写体51を光学的に観察することができるようになる。このとき、被写体像の観察系に関しては電池10からの電流消費が皆無になるので、撮影者50は電池10の消耗を気にすることなく、じっくりと時間をかけて構図を決める事ができる。
【0017】
一方、電子ファインダ(EVF)使用時には、上記OVFに無い次のようなメリットが有る。このファインダ方式は次のようなものである。すなわちこれは、撮影レンズ3を介し撮像素子4によって光電変換された画像データを画像処理部4aで画像処理し、更にLCDドライバ9aによる駆動でLCD9が電子的に表示した被写体像を、照明手段としてのバックライト11で後方から照らし出し、この被写体像を第2の光路の折り曲げ機能を有すプリズム17a及びレンズ17bから成る拡大光学系17を経由しこの光路内に介在する可動ミラー14で反射させ、接眼レンズ13を介して撮影者50に観察させる方式である。
【0018】
したがって、撮影レンズ3から得られた画像をそのままファインダ表示に利用しているので、撮像素子4で光電変換され記録手段としての記録部5内に記録される画像イメージと基本的に同じ像を、撮影者50は撮像直前に観察目視することができる。それ故に、近距離の被写体などでは、視差(パララックス)の無い画像イメージを得ることができるというメリットがある。
ただし、電子ファインダ(EVF)のデメリット(欠点)としての電流消費だけでなく、大きな輝度差のある被写体が見づらく、また画像の電子処理(取込み、読出し及び表示)の遅さや、動体観察に不向きであることを考慮する必要がある。
【0019】
そこで本実施形態のカメラでは、例えば被写体51が動体である場合にはEVFを適用しないように、制御プログラムに従って適宜制御されるように設定されている。つまり図1に示す如く、可動ミラー14はCPU1の指令に従って駆動するアクチュエータ15により位置制御(この場合は光路中から退避)されてOVFとなる。また電力消費を抑制するためにも同様に制御される。
【0020】
なお、マイクプロセッサ(マイコン)としてCPU1は、電源投入(パワースイッチON)と同時に、ここに常駐されて成る上記制御プログラムが起動するように設定されている。そしてCPU1は、これに接続するレリーズSW2a,2bの状態を判定して撮影者50によるレリーズ操作を検出し、電子ファインダ(EVF)使用時には、前述の画像処理のための処理回路4aや、LCDドライバ9a及びバックライト制御回路11aなどをそれぞれ適宜に制御する。
【0021】
また、視差を有する2つのレンズ6a,6bを介して得られた像をセンサアレイ7a,7b及びA/D変換器8で検出し、周知の「三角測距の原理」に基づいて被写体距離を算出し、その結果から撮影レンズ3のピント合せ制御を、レンズ駆動部3aを介して行なう。
その他にCPU1は、撮影時には必要に応じてストロボ装置18を発光駆動させたり、画像処理回路4aによって圧縮された画像データを記録部5に書込み記録する制御を行なう。
【0022】
これらの電子回路は、電池10から消費される電流によってエネルギーが供給されるが、ストロボ回路18などの稼動時は特に大きな電流が断続的に消費されるため、フィルタ回路10bによって電源電圧の変動を小さくしている。また、電池電圧はA/D変換器10aによってディジタル信号となり、その電池10の消耗の程度をCPU1内の撮影条件判定手段が検出できるようになっている。
【0023】
このようなカメラの外観のうち、図2(a)には当該カメラのレンズ保護用のバリア21を閉じた状態が示され、図2(b)にはそのバリア21を開いた状態が示されている。
このバリア21が当該カメラのパワースイッチを兼用しているので、ここでは、その開閉操作に連動して電源が供給され、CPU1が所定の制御プログラムを起動させるように設定されているものとする。カメラ本体20の上面には、内蔵された二段式のレリーズSW2a,2bに連動するレリーズボタン2が突設され、前面には、撮影レンズ3や、前述のファインダ対物レンズ12や測距(AF)用の一対の受光レンズ6a,6bの他、ストロボ発光部18等が配設されている。
【0024】
ただし構造的に次のように変形実施してもよい。例えばこのカメラには、前述した如く可動ミラー14による2つの光路を切り替える方式ではなく、図2(c)に示す外観のように、カメラ本体20の背面に液晶などから成る電子モニタ9bが直接見えるように設けられた如くの実施形態でもよい。勿論この場合は、光路の切替え機構(例えば可動ミラー14やアクチュエータ15)を不要にすることができる。
【0025】
つづいて、本実施形態におけるソフトウエアによる制御について説明する。前述のようにバリア21が閉じている時には、上記電子モニタ9bは消灯してその消費エネルギーを少なくする。またバリア21が開いている時には、図3のようなフローチャートで表わす「表示処理」に係わる制御プログラムに基づき、規定された手順に従って画面表示の内容を適宜制御しながら切り替える。すなわち、図3に例示のフローチャートには、本実施形態のカメラにおける基本的な表示処理の手順を表わしている。但し、このカメラのメインルーチンとしてのカメラシーケンスは周知のものであり、当該「表示処理」ルーチンはそのメインルーチンからコールされるサブルーチンであるものとする。
【0026】
表示処理としてまず最初に、このカメラが置かれた撮影環境が所定条件に合致するか否かを判定し(S1)、合致すれば、電子ファインダ(EVF)による表示を行ない(S2)、否の場合は光学ファインダ(OVF)による表示を行なう(S3)。勿論、所望により撮影者の好みや状況判断に基づき、マニュアル操作で表示OFFすることで、電子ファインダによる表示をあえてしなくてもよい。
【0027】
可動ミラー14を図1の如くにファインダ対物レンズ12と接眼レンズ13との間の光路内に介在させた状態の場合は電子ファインダ(EVF)表示とし、可動ミラー14を光路外に退避させた場合は、光学ファインダ(OVF)表示になる。また、EVF表示時にはLCDパネル9を点灯させ、OVF表示時にはLCDパネル9を消灯させるようにそれぞれ制御される。
【0028】
上述の表示形態の切替えは、S4にて所定時間が経過する毎に上記S1の所定条件に基づき判断される(S4)。したがってユーザはこのカメラを構えるだけで、カメラ内のCPU1がその撮影シーンに最もふさわしいファインダ表示形態を選択する。よってユーザは、従来のようなファインダ装置の切替などの煩雑な操作は不要となり、被写体像が表示されたファインダ画像を見ながら撮影に専念することができるようになる。
まだ所定時間に満たなければ、S5にて表示OFFの操作がなされたか否かを判定し(S5)、表示OFF操作がされると、表示画面を消し消費エネルギー対策を兼ねて、S6にて光学ファインダ(OVF)に切り替わるように制御される(S6)。
【0029】
このような図3のフローチャート中のS1における所定条件の一例としては、実際、例えば図4に示すような激しく明暗差のある撮影シーンが考えられる。このシーンの場合、主要被写体の人物51に露出を合わせた表示形態に設定すると、EVF表示時はこれに係わる表示回路(LCDドライバ9a,バックライト制御回路11a等)の仕様上の限界に起因して、例えば図5(b)のように背景が白くなって見えなくなることが起こりやすい。そこで、背景が見えるように設定すると、今度は例えば図5(a)のように人物が黒くなって表情が見えなくなってしまうという、EVFの欠点が表われる。よって、このような撮影シーンでは光学ファインダを適用する方が好ましいので、OVFに切り替える。
【0030】
また、前述のように光学ファインダにはいわゆる「省エネ効果」がある事と、動体に対して強い事(即ち、自然にスムーズな表示が可能である事)を想定すると、図6にフローチャートで表わすようなもう1つの「表示処理」の制御が考えられる。そこで以下に、このフローチャートに基づいて処理手順を説明する。
S11においては、カメラ前面に設けられたバリア21が開いているか閉じているかを判断する(S11)。つまり、バリア21が開かれるまで待機し、もし開いていれば、図3で例示した如くの所定条件の判断を開始する。そして、測距用センサ(AFセンサ7a,7b)を制御して、像信号を検出する(S12)。
S13では、CPU1内のクロックを兼用したタイマによる計時カウント動作が開始される(S13)。計時開始されたこのタイマを監視するS14において、所定時間t1 が経過したか否かを判定し(S14)、まだ経過してなければ、後述するS21へ分岐する。一方、その所定時間t1 経過が検知される毎に、続くS15〜S18が繰り返される。詳しくは、基準像検出としてまず像検出し(S15)、その像の変化を判断し、2回の像検出結果を比較することで動体検出を行なう(S16)。つまり、像変化の有無によって動体判定の有無を行なう。
もし像変化があると、動体判定ありと判断し(S17)、変化が無い時には動体判定なしと判断する(S18)。
【0031】
またS21において、バリア21の開閉状態が判別され、バリア21が開いていれば、図3におけるS4の「所定時間」に相当する所定時間t2 が経過したか否かが判定される(S22)。そして、時間t2 が経過する毎にS23に分岐して、被写体距離Lを測定し(S23)、測光(S24)、そしてバッテリーチェックを行なう(S25)。
【0032】
もし上記バッテリーチェックの結果判定(S31)において、例えばバッテリーに何らかの不具合(例えば電池容量不足など)が検知されれば、所定の警告を発する(S36)。そして、表示形態を切り替える。すなわち、電流消費のある電子ファインダ(EVF)による表示動作をOFFして、光学ファインダ(OVF)による表示動作を行なう(S37)。その後、S41へ移行する。
【0033】
一方、バッテリーが正常であれば、S32〜S38を実行する。詳しくは、図4のような光の変化が大きい撮影シーンでもEVFでは充分な表示ができないので、S32にて、上記S12で検出された像信号の振幅からその光量変化を検出し(S32)、光量変化が所定よりも大きい場合には、S37へ分岐してOVF表示とするが、その光量変化が所定よりも小さい場合には、測距した結果(L)が所定の距離(L0)よりも近い近距離撮影か(即ちマクロ撮影か)否かを判定し(S33)、近距離撮影であれば、パララックスの無いEVF表示(S38)とする。ただし、上記S17にて「動体判定あり」とされている場合には、S34にてその動体判定結果に基づき、S37又はS38へ分岐先を切り替える(S34)。即ち、被写体が動いている場合はOVF表示にし、静止している被写体に対してのみEVF表示とする。
【0034】
続いてS41においては、1stレリーズSW2aが操作されているか否かが検知され(S41)、否の場合は上記S13へ戻る。一方、1stレリーズSW2aが操作されていると、S42にて表示形態の保持が行なわれる(S42)。
さらにS43にて、2ndレリーズSW2bが操作されているか否かが検知され(S43)、否の場合は上記S45へ戻って、さらにここで再び、1stレリーズSW2aが操作されているか否かが検知され(S45)、否の場合は上記S13へ戻る。
一方、レリーズボタン2が押し込まれ、その結果2ndレリーズSW2bの操作が検知されると、撮影シーケンスに移行する(S44)。そして撮影が終了し、メインルーチンへリターンする。
【0035】
上述したような表示形態の切替えは、図2中のレリーズボタン2の半押し状態が1stレリーズSW2aによって検出されるまで続くが、半押し状態を検出すると、CPU1は、上記S37またはS38での表示切替を停止する。これは、撮影者が撮影に入る際にカメラの表示がチラチラと切り替わるとその撮影者は構図確定に集中できず撮影しにくい故に、切替えを停止するものであり、また、撮影者はその時の表示が好ましいものとして半押し操作に入ったと考えることができるからである。
【0036】
このように本実施形態によれば、ユーザ(撮影者50)はカメラ本体20前面のバリア21を開いて撮影可能状態とし、ファインダ方式を従来の如く選択切替え操作等をすることなく、カメラを被写体51に向けて構えるだけで、その時の最も適切なファインダ表示の形態に基づき観察でき撮影が行なえる。よって撮影者50は、表示のチラツキや、明るさの変化による不自然な陰影の無いファインダ画面を見ながら、被写体の表情を確実に確認しつつ最適なシャッターチャンスを捉える事に専念できる。
【0037】
また、近距離撮影時においてもパララックスの無いファインダ画面によって適切な構図で撮影ができる。
さらに消費電流に留意して、内蔵の電池10を長持ちさせる工夫(即ちEVFからOVFへの切替え)がなされているので、長時間の撮影に耐えられるカメラとする事ができる。
【0038】
本実施形態のカメラを撮影に使用すると、撮影状況に応じて自動的に適切な表示形態のファインダ画面に切り替わるので、従来からわずらわしいとされた操作を不要にすることができ、ユーザにファインダ系操作上の負担をかける事なく撮影作業を快適に継続させることが可能になる。
【0039】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に必ずしも制限されるものではなく、さらに次のように変形実施してもよい。例えば、撮影条件判定の対象とする項目は、そのカメラの仕様や、カメラユーザの使用形態、およびカメラのより好ましい状態に基づいた諸条件を、ユーザが設定した所望の優先度、又は撮影として好ましい結果が得られるであろう確率などに従った優先度に基づくなどして、ファインダ光路を二者択一し切り替えるように制御してもよい。それにより、前述の実施形態と同等またはそれ以上の効果、或いはカメラ使用上の更なる自由度などが得られるようになる。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0040】
以上、実施形態に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。例えば、撮影光学系と観察系(ファインダ系)とがそれぞれ独立して設けられて成るカメラにおいて、
上記ファインダ系の対物レンズから接眼レンズへ直接的に被写体像を導く第1の光路と、撮影光学系の撮影レンズを介した光束が光電変換され再生表示された当該被写体像を上記接眼レンズへ導く第2の光路と、の2つの異なるファインダ光路を有し、
撮影時の電池の残量、被写体又は撮影者の動き、或いは測光ポイントの明るさに基づいて上記第1の光路と上記第2の光路を切替え制御することを特徴とするカメラを提供できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ファインダから、常にその撮影状態にふさわしい被写体像を確認できるので、ユーザが煩雑な操作を行なうことなく、撮影に集中することができるカメラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの構成を示すブロック構成図。
【図2】図2(a)〜(c)は当該カメラの外観を示し、
図2(a)は、バリアで閉じられたカメラの前面の斜視図、
図2(b)は、バリアが開けられたカメラの前面の斜視図、
図2(c)は、このカメラの背面の斜視図。
【図3】当該カメラにおける1つの表示処理の制御手順を表わすフローチャート。
【図4】光の変化が大きい撮影シーンを示す説明図。
【図5】図5(a),(b)は当該カメラにおける画面表示例を示し、
図5(a)は、人物が黒くなって表情が見えなくなる例を示す説明図、
図5(b)は、背景が白くなって見えなくなる例を示す説明図。
【図6】このカメラにおけるもう1つの表示処理の制御手順を表わすフローチャート。
【符号の説明】
1…CPU(撮影条件判定手段、電池状態検出手段を含む)
2…レリーズボタン
2a…1stレリーズSW
2b…2ndレリーズSW
3…撮影レンズ
3a…レンズ駆動部
4…撮像素子
4a…処理回路
5…記録部(記録手段)
6a,6b…受光レンズ
7a,7b…センサアレイ
8…A/D変換器
9…LCD
9a…LCDドライバ
9b…電子モニタ(背面スクリーン)
10…電池(バッテリー)
10a…A/D変換器(撮影条件判定手段、電池状態検出手段)、
10b…フィルタ回路
11…バックライト(照明手段)
11a…バックライト制御回路
12…ファインダ対物レンズ
13…接眼レンズ
14…可動ミラー(切替手段)
15…アクチュエータ
17…拡大光学系(プリズム17a,レンズ17b)
18…ストロボ回路
20…カメラ本体(カメラボディ)
21…バリア(パワースイッチ兼用)
S1〜S45…「表示処理」の制御手順
Claims (10)
- 撮影時に被写体の構図を確認するための接眼部を有するファインダと、
上記接眼部に上記被写体の像を導く第1の光路と、
電子データに変換され再生表示された上記被写体の像を上記接眼部に導く第2の光路と、
を具備するカメラにおいて、
当該撮影時の条件を判定する撮影条件判定手段と、
上記第1の光路と上記第2の光路を切り替える切替手段と、を更に有し、
上記切替手段は、上記判定の結果に基づいて切替制御されることを特徴とするカメラ。 - 上記撮影条件判定手段として、当該カメラの電源である電池状態を検出する電池状態検出手段を有し、
上記電池状態によって、上記切替手段が上記第1の光路または上記第2の光路へ切り替えることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。 - 上記電池状態検出手段により電池容量が所定値よりも少ないことが検出された場合には警告を行なうことを特徴とする、請求項2に記載のカメラ。
- 上記電池状態検出手段により電池容量が所定値よりも少ないことが検出された場合に、上記切替手段は上記第1の光路を選択することを特徴とする、請求項2に記載のカメラ。
- 上記撮影条件判定手段として、被写体距離を測定する測距手段を有し、
上記測距結果が近距離を示す場合には、上記第2の光路を選択することを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。 - 上記撮影条件判定手段として、被写体又は撮影者の動きを検出する動き検出手段を有し、
上記動き検出手段の出力結果に従って、上記第1の光路を優先的に選択することを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。 - 画面内の複数のポイントの明るさを測距する測光手段と、
上記測光手段の出力より明るさの分布を検出する明るさ検出手段と、
上記明るさ検出手段の出力に応じて、電子的なファインダ表示と、光学的なファインダ表示を切換表示する表示切換手段と、
を有することを特徴とするカメラ。 - 上記明るさ検出手段により検出された明るさの変化が大きい場合には、上記表示切替手段は光学的なファインダ表示に切り替えて表示を行なうことを特徴とする、請求項7に記載のカメラ。
- 上記明るさ検出手段により検出された明るさの変化が少ない場合には、上記表示切替手段は電子的なファインダ表示に切り替えて表示を行なうことを特徴とする、請求項7に記載のカメラ。
- 2段階の押し下げ動作により、撮影準備動作及び露光動作を行なうように設定されたレリーズスイッチを具備し、1段階の押し下げ動作時に、上記表示切替手段の動作を禁止することを特徴とする、請求項7に記載のカメラ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |