JP2004085915A - 波長分散発生装置並びに該波長分散発生装置に使用される多面ミラー及びその製造方法 - Google Patents

波長分散発生装置並びに該波長分散発生装置に使用される多面ミラー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光損失(ロス)が小さく、WDM信号のチャンネル信号波長によって異なる波長分散を発生できる装置を提供する。
【解決手段】VIPAの放出光を集束するレンズから入射される光を反射してそのレンズへ戻すミラー11を、入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面31〜37を有し、且つ、これらの反射面31〜37がそれぞれ異なる形状を有する多面ミラーとして構成する。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重伝送装置向けにチャンネル信号波長によって異なる分散を発生する装置であって、光ファイバ送信網において蓄積する波長分散スロープを補償するために用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて情報を送信するための従来の光ファイバ通信システムでは、光送信器が、光パルスを、光ファイバを通して受光器に送出する。しかし、「色分散」ともいわれる、光ファイバの波長分散は、システムの信号の質を劣化させる。
より具体的には、波長分散の結果、光ファイバ中の信号光の伝播速度はその信号光の波長に依存する。例えば、長い波長をもつ光パルス(例えば赤色を示す波長をもつ光パルス)が、短い波長を持つ光パルス(例えば青色を示す波長をもつ光パルス)よりも速く伝播するとき、その分散は正常分散と呼ばれる。逆に、短い波長を持つ光パルス(例えば青色パルス)が、長い波長を持つパルス(例えば赤色パルス)よりも速く伝播するとき、その分散は異常分散と呼ばれる。
【0003】
従って、信号光パルスが送信機から送出される際に赤色パルスおよび青色パルスを含む場合、信号光パルスは光ファイバ内を伝播する間に赤色パルスおよび青色パルスに分離され、それぞれの光パルスが異なる時間に受光器によって受光されることになる。
光パルス送信の他の例として、青色から赤色へ連続する波長成分を持つ信号光パルスを送信する場合には、各成分は異なる速度で光ファイバ内を伝播するため、信号光パルスは光ファイバ内でその時間幅が広げられ、歪みが生じる。全てのパルスは有限な波長範囲内の成分を含むため、このような波長分散の発生は光ファイバ通信システムにおいては、きわめて一般的である。
【0004】
従って、特に高速の光ファイバ通信システムにおいては、高送信能力を得るために、波長分散を補償することが必要となる。このため、光ファイバ通信システムには、光ファイバにおいて発生する波長分散と逆の波長分散を光パルスに与える「逆分散コンポーネント」が必要となる。
従来装置の中には、この「逆分散コンポーネント」として用いることのできるものが存在する。例えば、分散補償ファイバ(DCF:Dispersion CompensationFiber)は特定の断面屈折率分布をもち、通常の伝送路ファイバにおいて生じるのと逆の波長分散を与え、「逆分散コンポーネント」として用いることができる。
【0005】
しかし、分散補償ファイバは製造するのに高価であり、また、伝送路ファイバで発生する波長分散を十分に補償するためには比較的長いものが必要である。例えば、100kmの伝送路ファイバで発生した波長分散を完全に補償するためには、20kmから30km程度の長さの分散補償ファイバが必要となる。このため、光損失が大きくなり、また、寸法が大きくなるという課題がある。
【0006】
他に、チャープ・ファイバグレーティングも波長分散を補償するための「逆分散コンポーネント」として用いることができる。ファイバグレーティングは、コアにドープした酸化ゲルマニウムの屈折率が紫外光照射によって屈折率が変化する現象を利用して、コア中に屈折率が半波長周期で変化するグレーティングを形成するものだが、ファイバの長さ方向にグレーティング間隔を少しずつ変化させることにより、長い波長成分が遠い距離で反射され、それにより、短い波長成分よりも長い距離を伝播するように設計されたものである。従って、チャープ・ファイバグレーティングも光パルスに逆分散を与えることができる。
【0007】
しかし、チャープ・ファイバグレーティングは、反射する光パルスについて、非常に狭い帯域しかもたないため、波長分割多重光のような多くの波長を含む光を補償するのに十分な波長帯域を得ることができない。そこで、複数のチャープ・ファイバグレーティングを、波長分割多重信号について、カスケードさせることも可能であるが、システムが高価になってしまう。
【0008】
そこで、上記のような従来装置に対して、例えば、特表2000−511655号公報(特願平10−534450号)や特表2002−514323号公報(特願平11−513133号)により、「バーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(Virtually Imaged Phased Array:VIPA)」と呼ばれるデバイスを含む光学装置が提案されている。
このVIPAは、ある波長帯域内の複数種類の連続する波長を含む光を受光し、連続的に対応する出力光を生成するデバイスで、例えば特開平9−43057号公報に記載されているように、所定の間隔を空けて2つの反射面が対向するよう配置された平行平板により構成され、一方の反射面が100%の光反射率を有し、他方の反射面が100%よりも小さい(98%程度)反射率を有している。
【0009】
そして、反射率が100%の反射面には外部から光を導入するための照射窓(透明領域)が部分的に設けられており、この照射窓からVIPA内(平行平板間)に複数種類の波長を含む光を斜めに導入すると、平行平板間で繰り返し反射(多重反射)が起こり、反射率が100%よりも小さい反射面の複数箇所から連続的に一部の光がVIPA外部へ放出されることになる。
【0010】
このようにしてVIPAから放出された複数の透過光は、ある角度をもって放射状に広がりながら進むので、同じ波長の光に関して多くの異なる進行方向をもつ光の干渉が起こる。したがって、波長によって特定の進行方向をもつ成分のみが強められて光束が形成され、これにより、所定波長帯域内の複数種類の連続する波長を含む光を波長毎に異なる方向に出力することができる(つまり、出力光に角度分散を与えることができる)。換言すれば、VIPAの出力光は、入力光の波長帯域内の他波長をもつ光とは空間的に区別することができるのである。
【0011】
そして、前記の特表2000−511655号公報や特表2002−514323号公報に記載の技術は、このようなVIPAの特徴を利用して、波長分散を発生できるようにした技術に関するものである。具体的には、VIPAから出力される光をVIPAに戻し、VIPA内で再度多重反射を発生させるように構成した光装置(波長分散発生装置)に係るものである。
【0012】
即ち、かかる光装置は、例えば図18に示すように、コリメートレンズ100,シリンドリカルレンズ200,VIPA300,集束レンズ400及びミラー500をそなえて構成され、光ファイバ600からの入射光がコリメートレンズ100によりコリメートされ、シリンドリカルレンズで光波の一方向のみが集束されたのち、照射窓301を通じてVIPA300内へ入射され、VIPAの出力光が集束レンズ400により集束(集光)されたのち、ミラー500で反射されて、再度、VIPA300内へ導入されるようになっている。
【0013】
ここで、VIPA300と集束レンズ400は、VIPA300から集束レンズ400に進む光が、集束レンズ400からVIPA300に戻る光に対して平行且つ逆方向に進むように位置決めされる。また、VIPA300から集束レンズ400に進む光は、集束レンズ400からVIPA300に戻る光と重ならないようになっている。
【0014】
上述のごとく構成された光装置では、VIPA300の出力光が、上述したように波長によって異なる方向へ出力されるので、集束レンズ400が異なる波長成分の光をミラー500の異なる位置に集束させることになる(図18では短波長の光がミラー500の上部、長波長の光がミラー500の下部に集束される状態を示している)。したがって、異なる波長の光は異なる距離の光路を辿ってVIPA300へ伝搬することになり、これにより、一定の波長分散を発生させることができる。
【0015】
なお、VIPA300は、実際には、同じ波長でも異なる干渉次数をもつ複数の光を出力する(干渉次数が異なる光も異なる方向へ出力される)ため、集束レンズ400は特定の干渉次数をもつ光だけをミラー500に集束させ、ミラー500は特定の干渉次数をもつ光だけを反射するように設計される。また、VIPA300へ戻された光は、100%よりも小さい反射率をもつ面を透過してVIPA300内に導入され、VIPA300内で、再度、多重反射してVIPA300の照射窓301から入力経路と同じ経路を辿って出力される。
【0016】
以上のように、VIPA300は、回折格子のように角度分散の機能をもち、波長分散を発生して波長分散の補償を可能とするが、特に大きな角度分散を有することが特徴であり、実用的な逆分散コンポーネントを容易に提供することができる。
しかし、波長分割多重伝送システムに用いるための実用的な逆分散コンポーネントとしては、さらに以下のようなニーズが存在する。
【0017】
即ち、一般に実用化されている光ファイバの有する波長分散は、例えば図19に示すように、波長によって一定ではなく、わずかに正の傾き(波長が長くなるほど波長分散が正となる)を有することが多い。このような波長分散の傾きを波長分散スロープないしは2次の波長分散と呼ぶことがある。
例えば、一般的なシングルモードファイバ(SMF)の場合(点線700参照)、1km当たりの波長分散が+16.79ps/nm/kmであるのに対し、波長分散スロープは1km当たり+0.057ps/nm/kmであり、必要な波長帯域幅が例えば35nmである場合には、+2ps/nm/km程度の波長分散の変化となる。
【0018】
なお、図19において、実線800及び点線900は、NZ−DSF(ノンゼロ分散シフト光ファイバ)の代表的なものの波長分散スロープを示しており、実線800はEnhanced−LEAF(登録商標)ファイバ(Corning社製:以下、E−LEAFと略記する)、点線900は、TrueWave(登録商標)−RSファイバ(Lucent社製:以下、TW −RSと略記する)の波長分散スロープをそれぞれ示している。
【0019】
また、波長分散スロープは必ずしも正(波長が長くなるほど波長分散が正となる)とは限らず、ファイバの構造分散を変えることにより負の波長分散スロープも有りうる。
さらに、図19に示す波長分散のグラフは実際には直線ではなく、波長分散の傾き(波長分散スロープ)も厳密には一定ではないが、このような3次の波長分散は40Gb/s程度の伝送速度では問題となることは少なく、無視することができる。このように、実用的な逆分散コンポーネントとしては、波長分散のみならず、波長分散スロープ、すなわち、チャンネル信号波長によって異なる波長分散を与えることが望ましいといえる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このように光ファイバとは逆の波長分散スロープを発生させ、波長分散を補償する方法としては、例えば、文献“Compensation of chromatic dispersion anddispersion slope using a virtually imaged phased array”(M.Shirasaki, OFC2001)又は米国特許第6,343,866号明細書に開示されているように、VIPAと、実質的にVIPAの分散方向と垂直な分散方向をもつ回折格子のような分波器を組み合せる方法が適用可能である。しかし、回折格子は、製造プロセスの問題で理論上の回折効率が得られにくいため、光の損失(ロス)が大きいという課題がある。
【0021】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、光損失(ロス)が小さく、チャンネル信号波長によって異なる波長分散を与えることのできる、波長分散発生装置並びに該波長分散発生装置に使用される多面ミラー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の波長分散発生装置(請求項1)は、複数種類の波長の光を含む入力光を多重反射して自己干渉を行なわせることにより、波長によって異なる出力角度で出力光を放出するバーチャル・イメージ・フェイズ・アレイ(以下、VIPAと称する)と、該VIPAから放出される出力光を集束するレンズと、該レンズから入射される光を反射して該レンズへ戻すミラーとをそなえ、該ミラーが、該レンズから入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、該反射面がそれぞれ異なる形状を有する多面ミラーにより構成されていることを特徴としている。
【0023】
ここで、上記の反射面は、該レンズから入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる曲率の曲面形状を有しているのが好ましく(請求項2)、また、それぞれ異なる透過波長及び反射波長特性を有する光学膜フィルタにより構成されていることが好ましい(請求項3)。
また、本発明の波長分散発生装置に使用される多面ミラー(請求項4)は、波長分散を発生する波長分散発生装置に使用され、複数種類の波長の光を含む入力光を反射するミラーであって、該入力光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、該反射面がそれぞれ異なる形状を有することを特徴としている。
【0024】
ここで、上記の多面ミラーは、例えば、次のような各工程により製造される(請求項5)。
(1)基板上に光透過性の第1の紫外線硬化樹脂を塗布する第1工程
(2)第1の断面形状を有する第1の金型を該第1の紫外線硬化樹脂に圧着して該第1の紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる第2工程
(3)該第1の金型を該第1の紫外線硬化樹脂から離隔する第3工程
(4)該第1の紫外線硬化樹脂上に所定の透過波長及び反射波長特性を有する第1の反射面となる第1の光学膜フィルタを成膜する第4工程
(5)該第1の光学膜フィルタ上に光透過性の第2の紫外線硬化樹脂を塗布する第5工程
(6)該第1の断面形状とは異なる第2の断面形状を有する第2の金型を該第2の紫外線硬化樹脂に圧着して該第2の紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる第6工程
(7)該第2の金型を該第2の紫外線硬化樹脂から離隔する第7工程
(8)該第2の紫外線硬化樹脂上に該第1の透過波長及び反射波長特性とは異なる第2の透過波長及び反射波長特性を有する第2の反射面となる第2の光学膜フィルタを形成する第8工程
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)一実施形態の説明
図1は本発明の一実施形態としてのバーチャリ・イメージ・フェイズ・アレイ(VIPA)を用いた波長分散補償器(波長分散発生装置)の構成を示す模式的斜視図で、この図1に示す波長分散補償器1は、VIPA板10,ミラー11,コリメートレンズ12,ラインフォーカスレンズ(シリンドリカルレンズ)13,フォーカスレンズ(集束レンズ)14をそなえて構成されている。なお、符号15は光サーキュレータ、符号15′は光ファイバをそれぞれ示す。
【0026】
ここで、コリメートレンズ12は、光ファイバ15′から出射される光をコリメートしてコリメート光として出力するものであり、ラインフォーカスレンズ13は、コリメートレンズ12からのコリメート光を一方向のみ集束(線状に集束)するものである。
また、VIPA板10は、従来技術と同様に、ラインフォーカスレンズ13から出射される光を入力光として受けて、当該入力光を内部で多重反射して自己干渉を行なわせることにより、出力光を実質的に直線状の分散方向に、波長によって異なる出力角度で分散出力するものであり、フォーカスレンズ14は、VIPA板10から出力される光を(点状に)集束するものである。
【0027】
このため、VIPA板10は、所定の間隔をおいて配置された2枚の反射面をもつ平行平板により構成されるが、実際には、例えば図2に模式的に示すように、所定の板厚をもつガラス板の一方の面(入射面)に約100%の反射率を有する反射膜10a、他方の面(出射面)に98%程度の反射率を有する反射膜10bをそれぞれ形成(コーティング)することで実現される。
【0028】
また、VIPA板10の入射面の下部(ラインフォーカスレンズ13からの光の入射位置)には、反射防止膜(反射率0%)10cが形成(コーティング)されており、ここからラインフォーカスレンズ13からの光がVIPA板10内に導入されるようになっている(つまり、上記反射防止膜10cは前述した照射窓として機能する)。
【0029】
さらに、本VIPA板10は、各波長(チャネル)での分散を同時に補償するために、「WDMマッチングのFSRの厚さ」の条件を満足する、即ち、
2ntcosθ=mλ…(1)
FSR=c/2ntcosθ…(2)
となるように設計されている。
【0030】
なお、これらの式(1)及び(2)において、nはガラスの屈折率、tはガラスの物理的厚さ、θは各チャネルの中心波長λに対応する光束伝播方向および入力光の光軸の傾き角、FSRは各チャネルの中心波長の間隔、cは光速を表す。
このような条件では、例えば図3に模式的に示すように、中心波長に対応するすべての波長成分は、VIPA板10から同じ出射角をもち、それぞれのビームウェストの虚像(当該虚像から光が放出されているかのようにみえる)が階段状に並ぶVIPA16が形成される。これにより、フォーカスレンズ14は、(a)各チャネルの中心波長に対応する波長成分をミラー11上の点17に集束させ、(b)各チャネルの長い波長の要素に対応する波長成分をミラー11上の点18に集束させ、(c)各チャネルの短い波長の成分に対応する波長成分をミラー11上の点19に集束させることができる。
【0031】
従って、ミラー11に集光された光は、集光位置のミラー11の形状により決まる反射角度によって任意の位置に戻り、入射時と逆の経路で光ファイバに再び結合する。ここで、例えば図3中に示すように、ミラー11が単純な凸形状の反射面を有している場合は、短波長側の光が、上側のビームウェストに戻り、長波長側の光と比べ光路長が長くなり遅延が増大する。
【0032】
従って、この場合、波長分散補償器1は負分散を発生することなる。逆に、ミラー11の反射面が凹形状である場合は、正分散を発生することが可能となる。なお、VIPA16を用いた分散補償器は光が同じ光路を戻ってくる構成であるため、サーキュレータ15′を用いてインラインで用いることができる。このようにして、VIPA16を使用して波長分割多重光の全てのチャネルで波長分散を補償することができる。
【0033】
例えば、VIPA板10の厚さt=1mm、屈折率n=1.5であれば、100GHz間隔の全ての波長がこの条件に合う(FSR=100GHz)。その結果、VIPA板10は、100GHz間隔の波長分割多重(WDM)光の全てのチャネルで同時に同じ波長分散を与えることができる。しかし、ミラー11が図3中に示すような単純な凸形状の曲面を有するミラーである場合は、各チャンネル信号波長に対して同じ分散量しか与えられず、チャンネル信号波長毎に異なる分散量を与えることは非常に困難である。
【0034】
そこで、本実施形態のミラー11は、フォーカスレンズ14から入射される光を反射してフォーカスレンズ14に戻すものであるが、図4に例示するような特殊な断面形状を有する多面ミラーにより構成されている。
即ち、本多面ミラー11は、一方の面(光の入射面)に反射防止膜29が形成されたガラス基板28の他方の面に、複数の樹脂層21,22,23,24,25,26,27が厚み方向(入射光の進行方向:図1及び図4の紙面右方向)に順次積層形成されるとともに、各樹脂層21,22,23,24,25,26,27の表面にそれぞれ反射膜31,32,33,34,35,36,37が形成された構造を有している。なお、本多面ミラー11は、紙面に対して垂直な方向には同じ形状のいわゆるシリンドリカル型となっている。
【0035】
ここで、各樹脂層21,22,23,24,25,26,27は、それぞれ、入力光の波長帯域において透明な(入力光に含まれる全波長の光を透過する)特性を有する層で、それぞれ異なる波長分散(角度分散)を発生させるように異なる曲率を有する曲面形状を有している。尚且つ、これらの樹脂層21〜27は、それぞれ、各信号帯域内(10Gbps伝送では±0.08nm程度)において波長分散が略一定となるように最適化された形状となっている。より具体的には、例えば、長さ80kmのE−LEAFファイバに対応する場合、各樹脂層21〜27はそれぞれ下記表1に示すような波長分散を発生させるような形状とする。
【0036】
また、各反射膜31,32,33,34,35,36,37は、それぞれ、例えば誘電体多層膜からなる光学膜フィルタとして機能するもので、本実施形態では、光学膜フィルタとして広帯域バンドパスフィルタを適用している。即ち、反射膜31〜37は、図5及び図6に示すように、それぞれ異なる特定波長(1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,1542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nm)の光を反射し、且つ、その特定波長よりも長波長側の光を透過する特性を有しており、この場合は、光の入射側に近い反射膜31から順に、反射する信号波長が長くなるように設計されている。
【0037】
より詳しくは、例えば下記表1に示すように、800GHz間隔のWDM信号波長(1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,1542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nm)に対し、光の入射側に近い反射膜31から反射膜37へ離れるにつれて、反射する信号波長が順次長くなるように各光学膜フィルタ31〜37の特性を変えているのである。
【0038】
【表1】
Figure 2004085915
【0039】
したがって、このような多面ミラー11に、800GHz間隔のWDM信号波長(1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nm)の光が入射すると、まず、その中で最も短波長の1524.1nmが反射膜31で反射される。この際、波長が1524.1nmの光は樹脂層21の曲面形状をミラー面と感じ、ミラー面の曲率に応じた角度に反射されることになる。
【0040】
一方、1524.1nmよりも長い波長(1530.3〜1562.2nm)の光にとっては反射膜31を透明と感じるのでそのまま反射されることなく次の樹脂層22(反射膜32)へ透過する。続いて、反射膜32では、受けた光の波長(1530.3〜1562.2nm)のうち最も短波長(1530.3nm)の光がそのミラー面の曲率に応じた角度に反射され、それよりも長い波長(1536.6〜1562.2nm)の光は次の樹脂層23(反射膜33)へ透過する。以降、同様にして、短い波長の光から順に反射膜33〜36で反射されてゆき、最終的に、最も長い1562.2nmの波長の光が反射膜37で反射されることになる。
【0041】
このように、反射膜(光学膜フィルタ)31〜37は、特定のチャンネル信号波長については反射ミラーとして機能するが、それ以外の波長には、単に透過するだけでミラーとして機能しないので、複数のチャンネル信号波長を含む入力光を受けると、その入力光は、チャンネル信号波長によって異なる形状のミラーで反射されることと実質的に等しいこととなり、各チャンネル信号波長によって、異なる波長分散を与えることが可能となる。
【0042】
つまり、本実施形態の多面ミラー11は、上記の反射膜31〜37を、それぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面として有し、且つ、これらの反射面がそれぞれ異なる形状を有する構造になっているのである。
以下、上述のごとく構成された本実施形態の波長分散補償器1の動作について詳述する。なお、以下では、800GHz間隔のWDM信号波長のWDM光について、長さ80kmのE−LEAFファイバ〔分散=3.852(ps/nm/km),分散スロープ=0.083(ps/nm/km)〕により発生する波長分散および波長分散スロープを補償する場合を例にして説明する。また、FSR=200GHzとなるように、屈折率n=1.85、厚さt=0.4mmのガラス板をVIPA板10として用いる。したがって、800GHz間隔の全てのWDM信号波長(チャンネル)で、同じように波長によって分光される。
【0043】
まず、光ファイバ15′から出射されたWDM光は、コリメートレンズ12にてコリメート光に変換されたのち、ラインフォーカスレンズ13にてそのコリメート光の一方向のみが集束されて、照射窓10cを通じてVIPA板10内に入射される。
VIPA板10に入射した信号光は、VIPA板10中で多重反射を繰り返す。その際に、VIPA板10の反射膜10bが形成された面の複数箇所から信号光の一部が出射する。出射した光のビームウェストは、それぞれ、図2に示すように、それぞれ光を照射する虚像が階段状に並んだVIPA16を形成する。このVIPA16は、回折次数の大きな回折格子であるから、出射光は干渉条件を満たす方向に伝播する。
【0044】
そして、VIPA16から分光された出射光は、フォーカスレンズ14により多面ミラー11に集光される。すると、前述したように、まず最も短波長である1524.1nmの光が樹脂層21の曲面形状を有する反射膜(曲面ミラー)31で反射され、そのミラー面の曲率に応じた角度に反射される。ここで、樹脂層21は、−140.8ps/nmの波長分散を与えるような凸形状になっているので、1524.1nmの波長の光は、VIPA板10の上側のビームウェストに戻り、長波長側の光と比べて光路長が長くなって遅延が増大し、−140.8ps/nmの負分散が生じる。
【0045】
次に、1524.1nmよりも長い波長(1530.3〜1562.2nm)の光は、反射膜31を透過し、その中で最も短波長である1530.3nmの光が樹脂層22の曲面形状を有する反射膜(曲面ミラー)32で反射される。ここで、樹脂層22は、−182.1ps/nmの波長分散を与えるような凸形状になっているので、1530.3nmの波長の光には−182.1ps/nmの負分散が生じる。
【0046】
以降、同様にして、1536.6nmの波長では−223.8ps/nm、1542.9nmの波長では−265.8ps/nm、1549.3nmの波長では−308.2ps/nm、1555.7nmの波長では−350.9ps/nm、1562.2nmの波長では−393.9ps/nmと、それぞれ反射膜33,34,35,36,37が形成された樹脂層23,24,25,26,27の形状に応じて異なる波長分散を生じる。
【0047】
なお、各信号波長が多面ミラー20の各樹脂層の膜で反射される際、異なる集光位置(ミラー深さ)で反射されることになるが、フォーカスレンズ14の焦点距離が集光位置の差に比べて十分に大きい場合は、波長毎のロスに特に大きな差は生じない。
図7に、本実施形態の波長分散補償器1の波長分散特性を示す。この図7に示すように、本実施形態の波長分散補償器1は、E−LEAFファイバの波長分散および波長分散スロープとは逆の波長分散及び波長分散スロープを発生することができており、E−LEAFファイバの波長分散補償器として極めて有用であることが分かる。
【0048】
特に、図5及び図6から明らかなように、本実施形態で用いた光学膜フィルタ31,32,33,34,35,36,37の透過ロス及び反射ロスは共に小さく、結果的に、従来の波長分散補償器と比べてもロス増加は非常に小さいものにできる。
なお、本波長分散補償器1を、実際に、WDM伝送装置に搭載し、1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,1542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nmの800GHz間隔8チャンネルの信号波長を40Gbit/sで変調し、E−LEAFファイバ(80km)伝送後の波形を確認したところ、良好なアイ開口が得られた。
【0049】
また、上記の例では、WDM信号波長数を8チャンネルとしているが、これ以外のチャンネル数の場合も、多面ミラー11の反射面(樹脂層及び反射膜)をそのチャンネル数に応じた数だけ設ければ対応可能なことはいうまでもない。
以上のように、本実施形態の波長分散補償器1によれば、VIPA板10の出力光を集束するフォーカスレンズ14から入射される光を反射してフォーカスレンズ14に戻すミラー11をそなえ、このミラー11で反射された光が、フォーカスレンズ14を通じてVIPA板10に戻り、VIPA板10内で多重反射を受けてVIPA板10の透明領域(照射窓10c)から出力される装置において、ミラー11が、入射光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面31〜37を有し、且つ、各反射面31〜37がそれぞれ異なる波長分散を与えるような形状を有する多面ミラーにより構成されているので、WDM信号光に含まれる異なる波長の光を、異なる形状を有する反射面31〜37で反射させて波長毎に異なる角度で反射させることができる。
【0050】
したがって、WDM信号のチャンネル信号波長によって異なる光路差、即ち、波長分散を与えることが可能で、且つ、従来よりも低光損失な新たな可変分散補償器1を提供することができる。
(B)多面ミラーの製造方法の説明
次に、以下では、上述した多面ミラー11の製造方法の一例について、図8を用いて説明する。
【0051】
まず、図8(a)に示すように、ガラス基板28上に光透過性の(第1の)紫外線硬化樹脂40を適量塗布する(第1工程)。このとき、ガラス基板28と樹脂40との結合力を高めるために、ガラス基板28上にシランカップリング剤等を予め塗布することが望ましい。
続いて、図8(b)に示すように、所望の(第1の)断面形状(所望の曲率の曲面形状)を有する(第1の)金型41を樹脂40に気泡が入らないように当て付け(圧着し)、ガラス基板28側から紫外線42を照射して、樹脂40を硬化させる(これにより、樹脂層21が成形される:第2工程)。このとき、金型41の表面には、後の離型工程で離型を容易にするために、フッ素系の離型剤等を塗布あるいは表面処理しておくことが望ましい。
【0052】
次に、図8(c)に示すように、金型41を樹脂層21から離型(離隔)し(第3工程)、樹脂層21上に、(第1の)反射面となる、誘電体多層膜からなる(第1の)光学膜フィルタである反射膜31を成膜する(第4工程)。なお、この光学膜フィルタ31は、図5及び図6により前述したように所定の透過波長及び反射波長を有するよう形成される。また、樹脂は高温に弱いので、成膜方法としては、イオンアシスト蒸着やイオンビームスパッタなどの低温で緻密な膜が得られる成膜方法が適している。さらに、誘電体多層膜からなる反射膜31の最表面をSiO膜としておくと、前述したようにシランカップリング剤の塗布により、反射膜31上に後に形成する樹脂層22との結合力を高めることができる。
【0053】
続いて、図8(d)に示すように、反射膜31上に、光透過性の(第2の)紫外線硬化樹脂40を塗布し(第5工程)、その上から金型41とは異なる断面形状(曲率の異なる曲面形状)を有する(第2の)金型43を当て付け、ガラス基板28側から紫外線42を照射して樹脂40を硬化する(これにより、反射膜31上に樹脂層22が成形される:第6工程)。
【0054】
そして、図8(e)に示すように、樹脂層22から金型43を離型し(第7工程)、図8(f)に示すように、その樹脂層22の上に更に誘電体多層膜からなる(第2の)光学膜フィルタである反射膜32(図5及び図6により前述した透過波長及び反射波長を有する)を成膜する(第8工程)。
以降、同様に、紫外線硬化樹脂40の塗布,金型の当て付け,紫外線照射(硬化,樹脂層成形),離型,光学膜フィルタの成膜という各工程を繰り返す、即ち、(第2の)光学膜フィルタ32を形成済みの(第1の)光学膜フィルタ31に相当するフィルタとして上記の第5工程から第8工程を繰り返し実行することにより、図4に示したように厚さ方向に複数の反射面31〜37を有し、且つ、各反射面31〜37が異なる曲率の曲面形状を有する多面ミラー11を容易に製造できる。
【0055】
なお、本製造方法により多面ミラー11を製造する場合、例えば図4において紙面に垂直な方向(奥行き)に同じ形状を有するいわゆるシリンドリカル形状であれば、一括で比較的大きなミラーを作製し、複数のミラーに小さく切断して使用することができるので、製造コスト的には問題は少ない。また、本製造方法はあくまでも一例であり、エッチングなど他の製造方法によって製造しても構わない。これらの点は、以下の各変形例においても同様である。
【0056】
(C)第1変形例の説明
上述した実施形態では、多面ミラー11の各樹脂層21〜27に形成する光学膜フィルタ31〜37を広帯域バンドパスフィルタとしたが、例えば、光学膜フィルタ31〜37として、図9及び図10に示すように、それぞれ異なる特定波長(1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,1542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nm)の光を反射し、且つ、その特定波長よりも長波長側の光を透過する特性を有する、ロングウェーブ(長波長)パスフィルタを適用しても、上述したものと同様の多面ミラー11を実現することができる。
【0057】
そして、この場合も、例えば下記表2に示すように、光の入射側に近い反射膜31から反射膜37へ離れるにつれて、それぞれで反射される信号波長が順次長くなるように光学膜フィルタ31〜37の特性を変えることで、図4に示した多面フィルタ11と同等の作用効果を得ることができる。なお、下記表2は、長さ80kmのTW−RSファイバ〔分散:4.219(ps/nm/km)、分散スロープ:0.045(ps/nm/km)〕の波長分散および波長分散スロープを補償する場合の例である。
【0058】
【表2】
Figure 2004085915
【0059】
そして、このような多面ミラー11を前述した実施形態と同様に、波長分散補償器1に搭載し、800GHz間隔のWDM信号波長について分散補償を行なったところ、図11に示すような波長分散補償器1の波長分散特性が得られた。この図11に示すように、TW−RSファイバの波長分散および波長分散スロープとは逆の波長分散および波長分散スロープを発生しており、TW−RSファイバの波長分散補償器1として有用であることが分かる。
【0060】
なお、本変形例においても、図9及び図10から明らかなように、光学膜フィルタ31〜37の透過ロス及び反射ロスは小さく、既存の波長分散補償器と比べて、光損失を小さくすることができる。
(D)第2変形例の説明
上述した実施形態及び第1変形例では、多面ミラー11で反射される波長が光の入射側から順次長くなる場合の例について説明したが、ここでは、逆に、光の入射側から反射波長が順次短くなるように多面ミラーを設計する例について説明する。なお、以下において、既述の符号と同一符号を付すものは、特に断らない限り、既述のものと同一もしくは同様のものである。
【0061】
図12は上述した多面ミラー11の第2変形例を示す断面図で、この図12に示す多面ミラー50は、一方の面(光の入射面)に反射防止膜59が形成されたガラス基板58の他方の面に、複数の樹脂層51,52,53,54,55,56,57が厚み方向(入射光の進行方向:図12の紙面右方向)に順次積層形成されるとともに、各樹脂層51,52,53,54,55,56,57の表面にそれぞれ反射膜61,62,63,64,65,66,67が形成された構造を有している。なお、本多面ミラー50も、紙面に対して垂直な方向には同じ形状のいわゆるシリンドリカル型となっている。
【0062】
ここで、各樹脂層51,52,53,54,55,56,57も、それぞれ、入力光の波長帯域において透明な(入力光に含まれる全波長の光を透過する)特性を有する層で、それぞれ異なる波長分散(角度分散)を発生させるように異なる曲率を有する曲面形状を有している。尚且つ、これらの樹脂層51〜57は、それぞれ、各信号帯域内(10Gbps伝送では±0.08nm程度)において波長分散が略一定となるように最適化された形状となっている。より具体的には、例えば、長さ80kmのSMFに対応する場合、各樹脂層51〜57はそれぞれ下記表3に示すような波長分散を発生させるような形状とする。
【0063】
また、各反射膜61,62,63,64,65,66,67は、それぞれ、例えば誘電体多層膜からなる光学膜フィルタとして機能するもので、本変形例では、光学膜フィルタとして広帯域バンドパスフィルタを適用している。即ち、反射膜61〜67は、図13及び図14に示すように、それぞれ異なる特定波長(1524.1nm、1530.3nm、1536.6nm、1542.9nm、1549.3nm、1555.7nm、1562.2nm)の光を反射し、且つ、その特定波長よりも短波長側の光を透過する特性を有しており、この場合は、光の入射側に近い反射膜61から順に、反射する信号波長が短くなるように設計されている。
【0064】
より詳しくは、例えば下記表3に示すように、800GHz間隔のWDM信号波長(1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,1542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nm)に対し、光の入射側に近い反射膜61から反射膜67へ離れるにつれて、反射する信号波長が順次短くなるように各光学膜フィルタ61〜67の特性を変えているのである。なお、下記表3には、長さ80kmのSMF〔分散:16.79(ps/nm/km)、分散スロープ:0.057(ps/nm/km)〕の波長分散および波長分散スロープを補償する場合の例について記載している。
【0065】
【表3】
Figure 2004085915
【0066】
そして、このような多面ミラー50に、800GHz間隔のWDM信号波長(1524.1nm、1530.3nm、1536.6nm、1542.9nm、1549.3nm、1555.7nm、1562.2nm)の光が入射すると、まず、その中で最も長波長である1562.2nmの光が反射膜61で反射される。このとき、1562.2nmの光は樹脂層51の曲面形状をミラー面と感じ、そのミラー面の曲率に応じた角度に反射される。
【0067】
ここで、樹脂層51は、上記表3に示すように−1228.3ps/nmの波長分散を与える凸形状を有しているので、1562.2nmの波長の光が、VIPA板10の上側のビームウェストに戻り、長波長側の光と比べて光路長が長くなり遅延が増大し、−1228.3の負分散が生じることになる。
一方、1562.2nmよりも短い波長(1524.1〜1555.7nm)の光にとっては反射膜61を透明と感じるのでそのまま反射されることなく透過する。続いて、反射膜62では、次に長波長である1555.7nmの光がミラー面の曲率に応じた角度に反射され、それよりも短い波長(1524.1〜1549.3nm)の光は透過する。ここで、樹脂層52は、上記表3に示すように−1256.7ps/nmの波長分散を与える凸形状になっており、1555.7nmの信号波長では−1256.7ps/nmの負分散が生じることになる。
【0068】
以降、同様に、長い波長の光から順次反射膜63〜66で反射されてゆき、最終的に、最も短い1524.1nmの波長の光が反射膜67で反射されることになり、1549.3nmの信号波長では−1285.3ps/nm、1542.9nmの信号波長では− 1314.1ps/nm、1536.6nmの信号波長では−1343.2ps/nm、1530.3nmの信号波長では−1372.5ps/nm、1524.1nmの信号波長では−1402.1ps/nmと、それぞれ反射膜63〜67が形成された樹脂層53〜57の形状に応じて、異なる波長分散を生じる。
【0069】
この結果、多面ミラー50を搭載した波長分散補償器1では、例えば図17に示すような波長分散特性、即ち、SMFの波長分散および波長分散スロープとは逆の波長分散および波長分散スロープを発生することができ、SMFの波長分散補償器1として有用であることが分かる。
なお、図13及び図14から明らかなように、本変形例で多面ミラー50に用いる光学膜フィルタ61〜67の透過ロス及び反射ロスは小さいので、結果的に既存の波長分散補償器と比べて光損失は小さい。
【0070】
また、このような多面ミラー50は、図8により前述した製造方法と同様の方法で製造可能である。ただし、図4及び図12から明らかなように、本変形例の多面ミラー50の場合は、樹脂層51を多面ミラー11の樹脂層21の厚みよりも厚く形成する必要があるので、前述した多面ミラー11の方が製造は容易である。
【0071】
(E)第3変形例の説明
上述した第2変形例では、多面ミラー50の各樹脂層51〜57に形成する光学膜フィルタ61〜67を広帯域バンドパスフィルタとしているが、例えば図15及び図16に示すような透過波長及び反射波長特性、即ち、それぞれ異なる特定波長(1524.1nm,1530.3nm,1536.6nm,1542.9nm,1549.3nm,1555.7nm,1562.2nm)の光を反射し、且つ、その特定波長よりも短波長側の光を透過する特性を有する、ショートウェーブ(短波長)パスフィルタを用いても、上述した第2変形例と同様の多面ミラー50を実現できる。
【0072】
そして、この場合も、例えば前記表3に示すように、光の入射側に近い反射膜61から反射膜67へ離れるにつれて、それぞれで反射される信号波長が順次短くなるように光学膜フィルタ61〜67の特性を変えることで、第2変形例と同等の作用効果を奏する多面ミラー50及び波長分散補償器1を実現することができる。
【0073】
なお、この場合も、図15及び図16から明らかなように、本変形例の多面ミラー50で用いる光学膜フィルタ61〜67の透過ロス及び反射ロスは小さいので、既存の波長分散補償器1と比べて光損失は小さい。また、この場合の多面ミラー50も、図8により前述した製造方法と同様の方法で製造可能である。
(F)その他
上述した実施形態及び各変形例では、光学膜フィルタ31〜37(又は61〜67)として、広帯域バンドパスフィルタ又はロングウェーブフィルタ(広帯域バンドパスフィルタ又はショートウェーブパスフィルタ)を適用しているが、例えば、それぞれ異なる特定波長の光のみを反射する狭帯域バンド反射フィルタを適用して、上述した多面ミラー11(50)の機能を実現することも可能である。
【0074】
この場合は、各光学膜フィルタ31〜37(61〜67)で反射されるべき光の波長を反射順序によらずに設定することができる。なお、かかる狭帯域バンド反射フィルタは、屈折率が異なる2つの材料の混合比率を半波長周期で変化させたルゲートフィルタ等により実現することが可能である。
また、上述した実施形態及び各変形例では、光ファイバの波長分散スロープ、即ち、2次の波長分散まで補償する例について説明したが、本発明は、これに限定されず、多面ミラー11(50)により異なるチャンネル信号波長で異なる波長分散を与えられるので、多面ミラー11(50)の設計次第で3次以上の高次の波長分散まで補償することも可能である。
【0075】
そして、本発明のいくつかの好適実施形態を上記に示したが、本発明はこれに限定されず、当業者は、本発明の原理に基づいて、請求項に定義された範囲およびその等価物の範囲内で、種々変更を加えて実施できることはいうまでもない。
(G)付記
(付記1) 複数種類の波長の光を含む入力光を多重反射して自己干渉を行なわせることにより、波長によって異なる出力角度で出力光を放出するバーチャル・イメージ・フェイズ・アレイ(以下、VIPAと称する)と、
該VIPAから放出される出力光を集束するレンズと、
該レンズから入射される光を反射して該レンズへ戻すミラーとをそなえ、
該ミラーが、該レンズから入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、該反射面がそれぞれ異なる形状を有する多面ミラーにより構成されていることを特徴とする、波長分散発生装置。
【0076】
(付記2) 該反射面が、該レンズから入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる曲率の曲面形状を有することを特徴とする、付記1記載の波長分散発生装置。
(付記3) 該反射面が、それぞれ異なる透過波長及び反射波長特性を有する光学膜フィルタにより構成されていることを特徴とする、付記1又は付記2に記載の波長分散発生装置。
【0077】
(付記4) 該光学膜フィルタが、それぞれ、特定波長を反射し当該特定波長よりも長波長側の光を透過する特性を有する、広帯域バンドパスフィルタ又はロングウェーブパスフィルタにより構成されるとともに、該レンズからの光の入射側に近い光学膜フィルタほど該特定波長が短い波長に設定されていることを特徴とする、付記3記載の波長分散発生装置。
【0078】
(付記5) 該光学膜フィルタが、それぞれ、特定波長の光を反射し当該特定波長よりも短波長側の光を透過する特性を有する、広帯域バンドパスフィルタ又はショートウェーブパスフィルタにより構成されるとともに、該レンズからの光の入射側に近い光学膜フィルタほど該特定波長が長い波長に設定されていることを特徴とする、付記3記載の波長分散発生装置。
【0079】
(付記6) 該光学膜フィルタが、それぞれ、特定波長の光のみを反射し、該特定波長以外の波長の光を透過する特性を有する、狭帯域バンド反射フィルタにより構成されていることを特徴とする、付記3記載の波長分散発生装置。
(付記7) 該多面ミラーが、該複数種類の波長を含む波長帯域において光透過性を有する紫外線硬化樹脂からなる複数の樹脂層をそなえ、該樹脂層の表面にそれぞれ該光学膜フィルタが形成されていることを特徴とする、付記3〜6のいずれか1項に記載の波長分散発生装置。
【0080】
(付記8) 波長分散を発生する波長分散発生装置に使用され、複数種類の波長の光を含む入力光を反射するミラーであって、
該入力光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、該反射面がそれぞれ異なる形状を有することを特徴とする、波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
【0081】
(付記9) 該反射面が、該入力光の進行方向に対してそれぞれ異なる曲率の曲面形状を有することを特徴とする、付記8記載の波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
(付記10) 該反射面が、それぞれ異なる透過波長及び反射波長特性を有する光学膜フィルタにより構成されていることを特徴とする、付記8又は付記9に記載の波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
【0082】
(付記11) 該光学膜フィルタが、それぞれ、特定波長の光を反射し当該特定波長よりも長波長側の光を透過する特性を有する、広帯域バンドパスフィルタ又はロングウェーブパスフィルタにより構成されるとともに、該レンズからの光の入射側に近い光学膜フィルタほど該特定波長が短い波長に設定されていることを特徴とする、付記10記載の波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
【0083】
(付記12) 該光学膜フィルタが、それぞれ、特定波長の光を反射し当該特定波長よりも短波長側の光を透過する特性を有する、広帯域バンドパスフィルタ又はショートウェーブパスフィルタにより構成されるとともに、該レンズからの光の入射側に近い光学膜フィルタほど該特定波長が長い波長に設定されていることを特徴とする、付記10記載の波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
【0084】
(付記13) 該光学膜フィルタが、それぞれ、特定波長の光のみを反射し、該特定波長以外の波長の光を透過する特性を有する、狭帯域バンド反射フィルタにより構成されていることを特徴とする、付記10記載の波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
(付記14) 該多面ミラーが、該複数種類の波長を含む波長帯域において光透過性を有する紫外線硬化樹脂からなる複数の樹脂層をそなえ、該樹脂層の表面にそれぞれ該光学膜フィルタが形成されていることを特徴とする、付記10〜13のいずれか1項に記載の波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
【0085】
(付記15) 基板上に光透過性の第1の紫外線硬化樹脂を塗布する第1工程と、
第1の断面形状を有する第1の金型を該第1の紫外線硬化樹脂に圧着して該第1の紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる第2工程と、
該第1の金型を該第1の紫外線硬化樹脂から離隔する第3工程と、
該第1の紫外線硬化樹脂上に所定の透過波長及び反射波長特性を有する第1の反射面となる第1の光学膜フィルタを成膜する第4工程と、
該第1の光学膜フィルタ上に光透過性の第2の紫外線硬化樹脂を塗布する第5工程と、
該第1の断面形状とは異なる第2の断面形状を有する第2の金型を該第2の紫外線硬化樹脂に圧着して該第2の紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる第6工程と、
該第2の金型を該第2の紫外線硬化樹脂から離隔する第7工程と、
該第2の紫外線硬化樹脂上に該第1の透過波長及び反射波長特性とは異なる第2の透過波長及び反射波長特性を有する第2の反射面となる第2の光学膜フィルタを形成する第8工程とを有することを特徴とする、多面ミラーの製造方法。
【0086】
(付記16) 該第2の光学膜フィルタを該第1の光学膜フィルタに相当するフィルタとして該第5工程から該第8工程を繰り返し実行して、複数の反射面を形成することを特徴とする、付記15記載の多面ミラーの製造方法。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、VIPAを用いて波長分散を発生させる装置において、VIPAから放出される出力光を反射してVIPAへ戻すミラーが、入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、各反射面がそれぞれ異なる形状を有する多面ミラーにより構成されているので、異なる波長の光を異なる形状を有する反射面で反射させて波長毎に異なる角度で反射させることができる。従って、波長毎に異なる光路差を与えて異なる波長分散を発生させることができ、且つ、従来よりも低光損失な装置を提供することができる。
【0088】
また、上記の多面ミラーは、紫外線硬化樹脂の塗布,金型の圧着,紫外線照射,金型の離隔,光学膜フィルタの成膜という各工程を多面ミラーに必要な反射面数に応じて繰り返すことで製造することができるので、容易に上記多面ミラーを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのバーチャル・イメージ・フェイズ・アレイ(VIPA)を用いた波長分散補償器(波長分散発生装置)の構成を示す模式的斜視図である。
【図2】図1に示すVIPAの分光原理を説明するための模式図である。
【図3】図1に示すVIPAによる分散補償の原理を説明するための模式図である。
【図4】図1に示す多面ミラーの模式的断面図である。
【図5】図4に示す多面ミラーの反射面を構成する光学膜フィルタとして適用する広帯域バンドパスフィルタの透過波長特性を示す図である。
【図6】図4に示す多面ミラーの反射面を構成する光学膜フィルタとして適用する広帯域バンドパスフィルタの反射波長特性を示す図である。
【図7】本実施形態に係るE−LEAFファイバ(80km)と波長分散補償器の波長分散(スロープ)を示す図である。
【図8】(a)〜(f)はいずれも図4に示す多面ミラーの製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図9】図4に示す多面ミラーの第1変形例において反射面を構成する光学膜フィルタとして適用するロングウェーブパスフィルタの透過波長特性を示す図である。
【図10】図4に示す多面ミラーの第1変形例において反射面を構成する光学膜フィルタとして適用するロングウェーブパスフィルタの反射波長特性を示す図である。
【図11】本実施形態の第1変形例に係るTW−RSファイバ(80km)と波長分散補償器の波長分散(スロープ)を示す図である。
【図12】図4に示す多面ミラーの第2変形例を示す模式的断面図である。
【図13】図12に示す多面ミラーの反射面を構成する光学膜フィルタとして適用する広帯域バンドパスフィルタの透過波長特性を示す図である。
【図14】図12に示す多面ミラーの反射面を構成する光学膜フィルタとして適用する広帯域バンドパスフィルタの反射波長特性を示す図である。
【図15】図12に示す多面ミラーの反射面を構成する光学膜フィルタとして適用するショートウェーブパスフィルタの透過波長特性を示す図である。
【図16】図12に示す多面ミラーの反射面を構成する光学膜フィルタとして適用するショートウェーブパスフィルタの反射波長特性を示す図である。
【図17】本実施形態の第3変形例に係るSMF(80km)と波長分散補償器の波長分散(スロープ)を示す図である。
【図18】従来のVIPAを含む光装置の一例を示す模式的斜視図である。
【図19】光ファイバの種類による波長分散及び波長分散スロープを示す図である。
【符号の説明】
1 波長分散補償器(波長分散発生装置)
10 VIPA板
10a,10b 反射膜
10c 反射防止膜(照射窓)
11,50 ミラー(多面ミラー)
12 コリメートレンズ
13 シリンドリカルレンズ(ラインフォーカスレンズ)
14 フォーカスレンズ
15 光サーキュレータ
15′ 光ファイバ
16 VIPA
21,22,23,24,25,26,27 樹脂層
28 ガラス基板
29 反射防止膜
31,32,33,34,35,36,37 反射膜(反射面;光学膜フィルタ)
40 紫外線硬化樹脂
41,43 金型
42 紫外線
51,52,53,54,55,56,57 樹脂層
58 ガラス基板
59 反射防止膜
61,62,63,64,65,66,67 反射膜(反射面;光学膜フィルタ)

Claims (5)

  1. 複数種類の波長の光を含む入力光を多重反射して自己干渉を行なわせることにより、波長によって異なる出力角度で出力光を放出するバーチャル・イメージ・フェイズ・アレイ(以下、VIPAと称する)と、
    該VIPAから放出される出力光を集束するレンズと、
    該レンズから入射される光を反射して該レンズへ戻すミラーとをそなえ、
    該ミラーが、該レンズから入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、該反射面がそれぞれ異なる形状を有する多面ミラーにより構成されていることを特徴とする、波長分散発生装置。
  2. 該反射面が、該レンズから入射される光の進行方向に対してそれぞれ異なる曲率の曲面形状を有することを特徴とする、請求項1記載の波長分散発生装置。
  3. 該反射面が、それぞれ異なる透過波長及び反射波長特性を有する光学膜フィルタにより構成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の波長分散発生装置。
  4. 波長分散を発生する波長分散発生装置に使用され、複数種類の波長の光を含む入力光を反射するミラーであって、
    該入力光の進行方向に対してそれぞれ異なる波長の光を反射する複数の反射面を有し、且つ、該反射面がそれぞれ異なる形状を有することを特徴とする、波長分散発生装置に使用される多面ミラー。
  5. 基板上に光透過性の第1の紫外線硬化樹脂を塗布する第1工程と、
    第1の断面形状を有する第1の金型を該第1の紫外線硬化樹脂に圧着して該第1の紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる第2工程と、
    該第1の金型を該第1の紫外線硬化樹脂から離隔する第3工程と、
    該第1の紫外線硬化樹脂上に所定の透過波長及び反射波長特性を有する第1の反射面となる第1の光学膜フィルタを成膜する第4工程と、
    該第1の光学膜フィルタ上に光透過性の第2の紫外線硬化樹脂を塗布する第5工程と、
    該第1の断面形状とは異なる第2の断面形状を有する第2の金型を該第2の紫外線硬化樹脂に圧着して該第2の紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる第6の工程と、
    該第2の金型を該第2の紫外線硬化樹脂から離隔する第7工程と、
    該第2の紫外線硬化樹脂上に該第1の透過波長及び反射波長特性とは異なる第2の透過波長及び反射波長特性を有する第2の反射面となる第2の光学膜フィルタを形成する第8工程とを有することを特徴とする、多面ミラーの製造方法。
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