JP2001352293A - 光分散補償素子とその素子を用いた光分散補償方法 - Google Patents

光分散補償素子とその素子を用いた光分散補償方法

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JP2001352293A JP2000170983A JP2000170983A JP2001352293A JP 2001352293 A JP2001352293 A JP 2001352293A JP 2000170983 A JP2000170983 A JP 2000170983A JP 2000170983 A JP2000170983 A JP 2000170983A JP 2001352293 A JP2001352293 A JP 2001352293A
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Kazuro Kikuchi
和朗 菊池
Yuichi Takushima
裕一 多久島
Kenneth Zhaboronski Mark
ケンネス ジャボロンスキー マーク
Yuichi Tanaka
佑一 田中
Haruki Kataoka
春樹 片岡
Hironori Tokita
宏典 時田
Shiro Yamashita
史郎 山下
Kenji Kojo
健司 古城
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Oyokoden Lab Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、通信ビットレートが10Gbps以
上、特に20Gbps以上の光通信においては、光ファ
イバを伝送する信号に波長分散が生じ、通信上大きな支
障があった。これを解決しようと、種々の分散補償方法
や素子が提案されてきたが、課題の解決に至らなかっ
た。 【解決手段】 群速度遅延時間−波長特性を利用して分
散補償を行うことができる素子を複数個、反射体を内蔵
した内部接続部品と外部接続部品を用いて直列に接続し
て、帯域幅が広く群速度遅延時間の極値が大きな光分散
補償素子をつくり、それを用いて分散補償を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の以下の説明におい
て、光分散補償のことを単に分散補償とも称し、光分散
補償素子のことを単に分散補償素子ともいい、光分散補
償方法のことを単に分散補償方法ともいう。
【0002】本発明は、伝送路に光ファイバを用いた光
通信において生ずる2次以上(後述)の波長分散(以
下、単に、分散ともいう)を補償可能な素子(以下、2
次の分散を補償可能な素子のことを2次の分散を変える
ことができる素子、あるいは、2次分散補償素子ともい
う。また、後述の3次の分散を補償可能な素子について
も、これと同様に、3次の分散を変えることができる素
子、あるいは、3次分散補償素子ともいう。)を有する
分散補償素子および分散補償方法に関する。より具体的
には、本発明は、特に、3次以上の分散を補償すること
が出来る分散補償素子およびそれを用いた分散補償方
法、あるいは、2次と3次以上の分散補償を行うことが
出来る分散補償素子およびそれを用いた分散補償方法に
関する。そして、本発明の分散補償素子は、前記の3次
分散補償素子だけの場合もあり、また、後述の入射面内
における入射光の入射位置を変化させる手段を含む場合
もあり、また、3次以上の分散補償のみならず、2次の
分散補償が可能なように構成されている場合もあり、ケ
ースに実装されている場合もあり、ケースに実装されて
いないいわゆるチップ状やウェハー状の場合もある。本
発明の分散補償素子は、これらのすべての形態を含んで
おり、使用や販売などの目的に応じて、種々の形態をと
ることができるものである。
【0003】本発明では、2次の分散補償とは「図7
(A)を用いて後述する波長−時間特性曲線の分散の傾
きを補償すること」を意味し、3次の分散補償とは「図
7(A)を用いて後述する波長−時間特性曲線の曲がり
を補償すること」を意味する。
【0004】
【従来の技術】通信伝送路に光ファイバを用いた光通信
においては、利用技術の進展および利用範囲の拡大とと
もに、通信伝送路の長距離化や通信ビットレートの高速
化が求められている。このような環境下では、光ファイ
バを伝送するときに生じる分散が大きな問題となり、分
散の補償が種々試みられている。現在、2次の分散が大
きな問題となり、その補償が種々提案され、そのうちの
いくつかの提案が効果をあげている。
【0005】しかし、光通信に対する要求が高度になる
につれて、送信中の2次の分散の補償だけでは不充分に
なり、3次の分散の補償が課題になりつつある。
【0006】以下、図7および図8を使用して、従来の
2次の分散補償方法を説明する。
【0007】図8は、シングルモード光ファイバ(以
下、SMFとも称す)と分散補償ファイバ、および分散
シフトファイバ(以下、DSFともいう)の分散−波長
特性を説明する図である。図8において、符号601は
SMFの分散−波長特性を示すグラフ、602は分散補
償ファイバの分散−波長特性を示すグラフ、603はD
SFの分散−波長特性を示すグラフで、縦軸を分散、横
軸を波長にとったグラフである。
【0008】図8で明らかなように,SMFでは、ファ
イバに入力する光の波長が1.3μmから長くなるにつ
れて分散は増大し,分散補償ファイバでは,入力光の波
長が1.3μmから1.7μmまで長くなるにつれて分
散は減少する。また、DSFでは、入力光の波長が1.
2μmから1.55μm付近へと長くなるにつれて分散
は小さくなり、入力光の波長が1.55μm付近から
1.8μmへと長くなるにつれて分散が増大する。そし
て、DSFでは、従来の2.5Gbps(毎秒2.5ギ
ガビット)程度の通信ビットレートの光通信において
は、入力光の波長が1.55μm付近では、分散は光通
信上支障を生じない。
【0009】図7は、主として2次の分散の補償方法を
説明する図であり、(A)は波長−時間特性と光強度−
時間特性を、(B)はSMFを用いた伝送路において分
散補償ファイバを用いて2次の分散補償を行った伝送例
を、(C)はSMFだけで構成した伝送路での伝送例を
説明する図である。
【0010】図7において、符号501と511は伝送
路に入力する前の信号光の特性を示すグラフ、530は
SMF531で構成された伝送路、502と512は、
グラフ501と511で示した特性の信号光が伝送路5
30を伝送されて伝送路530から出力された信号光の
特性を示すグラフ、520は分散補償ファイバ521と
SMF522から構成された伝送路、503と513
は、グラフ501と511で示した特性の信号光が伝送
路520を伝送されて伝送路520から出力された信号
光の特性を示すグラフである。符号504および514
は、グラフ501と511で示した特性の信号光が伝送
路520を伝送されて伝送路520から出力されて後、
本発明によって、後述の望ましい3次分散補償を施した
ときの信号光の特性を示すグラフであり、グラフ501
および511とほとんど一致している。また、グラフ5
01、502、503、504はそれぞれ縦軸を波長、
横軸を時間(または時刻)にとったグラフであり、グラ
フ511、512、513、514はそれぞれ縦軸を光
強度、横軸を時間(または時刻)にとったグラフであ
る。なお、符号524と534は送信器、525と53
5は受信器である。
【0011】従来のSMFは、前述のように、信号光の
波長が1.3μmから長くなるにつれて分散が増加する
ため、高速通信や長距離伝送の際には、分散による群速
度遅延を生じる。SMFで構成された伝送路530で
は、信号光は伝送中に長波長側が短波長側に比べ大きく
遅延して、グラフ502と512に示すようになる。こ
のように変化した信号光は、たとえば高速通信・長距離
伝送においては、前後の信号光と重なって正確な信号と
して受信できない場合がある。
【0012】このような問題を解決するため、従来は、
たとえば、図7(B)に示すように分散補償ファイバを
用いて分散を補償(あるいは、補正ともいう)してい
る。従来の分散補償ファイバは、波長が1.3μmから
1.7μmへと長くなるにつれて分散が増加するという
SMFの問題点を解決するため、前述のように、波長が
1.3μmから1.7μmへと長くなるにつれて分散が
減少するように作られている。また、分散補償ファイバ
は、たとえば、図7の伝送路520で示すように、SM
F522に分散補償ファイバ521を接続して用いるこ
とができる。上記伝送路520では、信号光は、SMF
522では長波長側が短波長側に比べて大きく遅延し、
分散補償ファイバ521では短波長側が長波長側に比べ
て大きく遅延することにより、グラフ503と513に
示すように、グラフ502と512に示す変化よりも変
化量を小さく抑えることが出来る。
【0013】しかし、分散補償ファイバを使用した上記
従来の2次の波長分散の補償方法では、伝送路を伝送し
た信号光の波長分散を、伝送路に入力する前の信号光の
状態、すなわち、グラフ501の形までには分散補償す
ることはできず、グラフ503の形まで補償するのが限
界である。グラフ503に示すように、分散補償ファイ
バを使用した従来の2次の波長分散の補償方法では、信
号光の中心波長の光が短波長側の光および長波長側の光
に比べて遅延せず、信号光の中心波長成分の光より短波
長側および長波長側の成分の光のみが遅延する。そし
て、グラフ513に示すようにグラフの一部にリップル
が生じることがある。
【0014】これらの現象は、光通信の伝送距離の長距
離化と通信速度の高速化のニーズが高まるに従い、正確
な信号受信ができなくなるなどの大きな問題となりつつ
ある。たとえば、通信ビットレートが10Gbps(毎
秒10ギガビット)以上の高速通信においては、これら
の現象がかなり心配されており、特に、通信ビットレー
トが40Gbps以上の通信においては極めて重大な課
題として心配されている。そして、このような高速通信
においては、従来の光ファイバ通信システムを使用する
ことは困難と考えられており、たとえば、光ファイバ自
体の材質も変える必要が叫ばれるなど、システム構築の
経済的な観点からも重大問題となっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような分散の補償
を行うには、2次の分散補償だけでは困難であり、3次
以上の分散補償が必要になる。
【0016】従来、波長が1.55μm付近の光に対し
て2次の分散が少なくなるような光ファイバ(以下、光
ファイバのことを、単に、ファイバともいう)としてD
SFがあるが、このファイバでは、図7,図8の特性か
らも明らかなように本発明の課題とする3次の分散補償
はできない。
【0017】光通信の高速通信化、長距離通信化を実現
するにあたり、3次の分散は大きな問題として次第に認
識され、その補償が重要な課題となりつつある。3次の
分散の補償問題を解決すべく、多くの試みが行なわれて
いるが、従来の課題を十分に解決することができる3次
分散補償素子や補償方法はまだ実用化されていない。
【0018】前記の3次分散の補償に用いる光分散補償
素子の一例として本発明者らが提案した誘電体などの多
層膜などは、3次の分散補償に成功し、従来の光通信技
術を大きく前進させることが出来た。しかし、たとえば
通信ビットレートを40Gbps、80Gbpsなどの
ように高速化した場合の3次の分散補償を理想的に行っ
たり、複数チャンネルの光通信における3次の分散の補
償を十分に行うには、さらに広い波長域において、2次
と3次以上の分散を十分に補償できる分散補償素子が望
まれる。その1つの提案として、群速度遅延の波長帯域
および群速度遅延の遅延時間を調整可能な3次分散補償
素子の提案が行われている。特に、各チャンネルの波長
にも適する3次以上の分散補償素子を安価に実用化する
1つの方法として、波長可変な(すなわち、分散補償対
象波長を選択可能な)分散補償素子が提案された。しか
しながら、これらの分散補償素子単体で広い波長域で十
分な分散補償を行ない得るような群速度遅延時間−波長
特性を有する分散補償素子を得ることはかなり難しい。
【0019】広い波長域で良好な分散補償を行い得るよ
うな群速度遅延時間−波長特性を有する分散補償素子を
得る方法として本発明者らが提案した分散補償を行うこ
とが出来る素子を信号光の光路において複数個直列に接
続する方法がある。この場合、分散補償素子の損失をい
かに少なくすることができるかが大きな問題である。
【0020】さらに、信号光の分散状況に応じて分散補
償を変える必要がある場合、光分散補償素子を変えなけ
ればならない。しかし、30nm、40nm、70nm
という広い波長帯域に関しての光分散補償素子の内容を
変えることは非常に難しい。
【0021】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、従来実用化することが出来
なかった広い波長域にわたって十分な分散補償、特に3
次の分散補償を行うことが出来るような優れた群速度遅
延時間−波長特性を有する光分散補償素子を、信頼性が
高く、量産に適した状態で、安価に提供するとともに、
さらに、群速度遅延の波長帯域および遅延時間の調整機
能を有する多層膜素子を用いた、3次以上の分散補償を
可能にする分散補償方法および分散補償素子、あるい
は、2次と3次以上の分散補償を合わせて行うことが出
来る分散補償方法および分散補償素子を提供することに
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の目的の達成を図
るため、本発明の光分散補償素子は、分散補償を行うこ
とが出来る素子を少なくとも2つ、あるいは、分散補償
を行うことが出来る素子の部分(以下、前記分散補償を
行うことが出来る素子と分散補償を行うことが出来る素
子の部分を総称して分散補償を行うことが出来る素子と
もいう)を少なくとも2箇所、信号光の通信経路に沿っ
て接続部品を介して直列に接続して構成されており(以
下、前記光分散補償素子を構成する前記分散補償を行う
ことが出来る素子間を接続する接続部品を内部接続部品
とも称し、前記光分散補償素子と前記光分散補償素子の
外部とを接続する部品を外部接続部品とも称す)、前記
内部接続部品が、前記分散補償を行うことが出来る素子
を少なくとも1つ装置することが出来るとともに、信号
光の光路に少なくとも2つの異なる反射面を有する反射
体と少なくとも1つのレンズを配置していることを特徴
としている。
【0023】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記内部接続部品が、少なくとも1つの前記分散補償を
行うことが出来る素子を装着されているとともに、前記
内部接続部品を装着することが出来る位置決め部品に係
合する取り付け部を有しており、前記1つの内部接続部
品の入射口から入射した信号光が、前記内部接続部品の
前記反射体の2つの反射面のうちの1つの反射面から、
前記分散補償を行うことが出来る素子に向けて反射さ
れ、前記レンズを介して前記分散補償を行うことが出来
る素子に至り、分散補償を施されて、前記分散補償を行
うことが出来る素子から出力して前記レンズを通り、前
記反射体の前記2つの反射面のうちの他の反射面で前記
内部接続部品の出射口に向けて反射され、前記内部接続
部品の入射口から前記反射体に入射された信号光と平行
な方向に進行する光線となって出射される構造となって
おり、前記1つの内部接続部品から出射された信号光
は、前記1つの内部接続部品に続く他の内部接続部品に
入射されて再び分散補償を受けるか、前記外部接続部品
に入射して、外部へと出射される構成に組み立てること
が出来ることを特徴としている。
【0024】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記位置決め部品が、少なくとも一本の棒であることを
特徴としている。
【0025】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記光分散補償素子の入力側の外部接続部品が、少なく
とも1つの反射面を有する反射体と、少なくとも2つの
レンズと、光ファイバ結合部とを有し、前記2つのレン
ズのうちの少なくとも1つは非球面レンズであり、前記
光ファイバ結合部の光ファイバから入射された信号光
は、前記2つのレンズのうちの1つである前記非球面レ
ンズを経て他の1つのレンズを通り、前記反射体の1つ
の反射面で反射されて出射部に至り、前記外部接続部品
からの出射光の進行方向と該接続部品に係合する次の内
部接続部品における入射光の進行方向が平行な1つの光
路になるように構成されていることを特徴としている。
【0026】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記光分散補償素子の出力側の外部接続部品が、少なく
とも1つの反射面を有する反射体と、少なくとも2つの
レンズと、光ファイバ結合部とを有し、前記2つのレン
ズのうちの少なくとも1つは非球面レンズであり、前記
出力側の外部接続部品の入射口から入射された信号光
が、前記反射体の1つの反射面で反射され、前記2つの
レンズのうちの1つを通り、さらに前記2つのレンズの
うちの前記非球面レンズを通り、前記光ファイバ結合部
の光ファイバに光結合して前記光ファイバから出射され
ることを特徴としている。
【0027】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記外部接続部品が、前記光分散補償素子の入力側の外
部接続部品あるいは出力側の外部接続部品のいずれにも
使用できるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0028】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記外部接続部品の前記反射体が、少なくとも2つの反
射面を有し、前記外部接続部品を入力側の外部接続部品
として用いる時は、当該外部接続部品の前記2つの反射
面のうちの1つの反射面を前記入力側の反射面として用
い、前記外部接続部品を出力側の外部接続部品として用
いる時は、当該接続部品の前記2つの反射面のうちの1
つの反射面とは別の反射面を前記出力側の反射面として
用いることが出来るように構成されていることを特徴と
している。
【0029】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記外部接続部品が、その前記反射体の同じ1つの反射
面を入力用外部接続部品としても出力用外部接続部品と
しても使用できる構造になっていることを特徴としてい
る。
【0030】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記内部接続部品と前記外部接続部品のいずれか一方ま
たは双方の前記位置決め部品への取り付け部が、溝また
は突起部であることを特徴としている。
【0031】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記分散補償を行うことが出来る素子が、入射光の14
60〜1640nmの波長範囲において少なくとも1つ
の極値を有する群速度遅延時間−波長特性を有する多層
膜を利用して分散補償を行うことが出来ることを特徴と
している。
【0032】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記多層膜が光の反射率が互いに異なる少なくとも2つ
の反射層と、前記反射層の間に形成された少なくとも1
つの光透過層を有することを特徴としている。
【0033】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記分散補償を行うことができる素子が、光学的性質が
異なる積層膜を少なくとも5種類(すなわち、光の反射
率や膜厚などの光学的な性質の異なる積層膜を少なくと
も5層)有する多層膜を有し、前記多層膜が、光の反射
率が互いに異なる少なくとも2種類の反射層を含む少な
くとも3種類の反射層を有するとともに、前記3種類の
反射層の他に少なくとも2つの光透過層を有し、前記3
種類の反射層の各1層と前記2つの光透過層の各1層と
が交互に配置されており、前記多層膜が、膜の厚み方向
の一方の側から順に、第1の反射層である第1層、第1
の光透過層である第2層、第2の反射層である第3層、
第2の光透過層である第4層、第3の反射層である第5
層から構成されており、入射光の中心波長をλとして、
前記第1〜第5層において、入射光の中心波長λの光に
対する光路長(以下、単に、光路長ともいう)として考
えたときの前記多層膜各層の膜厚(以下、単に、膜厚あ
るいは膜の厚みともいう)が、λ/4の整数倍±1%の
範囲の値(以下、λ/4の整数倍、あるいは、λ/4のほ
ぼ整数倍ともいう)の膜厚であり、かつ、前記多層膜
が、膜厚がλの1/4倍(以下、λの1/4倍±1%の膜
厚の意味でλの1/4倍の膜厚という)で屈折率が高い
方の層(以下、層Hともいう)と膜厚がλの1/4倍で
屈折率が低い方の層(以下、層Lともいう)を組み合わ
せた層の複数組で構成されており、多層膜Aを、前記5
層の積層膜すなわち前記第1〜第5層が、前記多層膜の
厚み方向の一方の側から順に、層H、層Lの順に各1層
ずつ組み合わせた層(以下、HLの層ともいう)を3セ
ット(層H1層と層L1層とを組み合わせた層をHLの
層1セットと称する。以下同様)積層して構成される第
1層、層Hと層Hを組み合わせた層(すなわち、層Hを
2層重ねて形成した層。以下、HHの層ともいう)を1
0セット積層して構成される第2層、層Lを1層とHL
の層を7セットとを積層して構成される第3層、HHの
層を38セット積層して構成される第4層、層Lを1層
とHLの層を13セットとを積層して構成される第5層
でそれぞれ形成されている多層膜とし、多層膜Bを、前
記多層膜AのHHの層を10セット積層して形成されて
いる前記第2層の代わりに、前記第2層が、多層膜Aの
場合と同じ方向の膜の厚み方向の一方の側から順に、H
Hの層を3セット、層Lと層Lを組み合わせた層(すな
わち、層Lを2層重ねて形成した層。以下、LLの層と
もいう)を3セット、HHの層を3セット、LLの層を
2セット、HHの層を1セットをこの順に積層して構成
される積層膜で形成されている多層膜とし、多層膜C
を、前記多層膜AまたはBのHHの層を38セット積層
して形成されている前記第4層の代わりに、前記第4層
が、多層膜Aの場合と同じ方向の膜の厚み方向の一方の
側から順に、HHの層を3セット、LLの層を3セッ
ト、HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの
層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を3セッ
ト、LLの層を3セット、HHの層を3セット、LLの
層を3セット、HHの層を3セット、LLの層を3セッ
ト、HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの
層を2セットをこの順に積層して構成される積層膜で形
成されている多層膜とし、多層膜Dを、前記5層の積層
膜すなわち前記第1〜第5層が、前記多層膜の厚み方向
の一方の側から順に、層L、層Hの順に各1層ずつ組み
合わせた層(以下、LHの層ともいう)を5セット積層
して構成される第1層、LLの層を7セット積層して構
成される第2層、層Hを1層とLHの層を7セットとを
積層して構成される第3層、LLの層を57セット積層
して構成される第4層、層Hを1層とLHの層を13セ
ットとを積層して構成される第5層でそれぞれ形成され
ている多層膜とし、多層膜Eを、前記5層の積層膜すな
わち前記第1〜第5層が、前記多層膜の厚み方向の一方
の側から順に、HLの層を2セット積層して構成される
第1層、HHの層を14セット積層して構成される第2
層、層Lを1層とHLの層を6セットとを積層して構成
される第3層、HHの層を24セット積層して構成され
る第4層、層Lを1層とHLの層を13セットとを積層
して構成される第5層でそれぞれ形成されている多層膜
とし、多層膜Fを、前記多層膜Eの前記HHの層を14
セット積層して形成されている第2層の代わりに、前記
第2層が、多層膜Eの場合と同じ方向の膜の厚み方向の
一方の側から順に、HHの層を3セット、LLの層を3
セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、H
Hの層を2セット、LLの層を1セット、HHの層を1
セットをこの順に積層して構成される積層膜で形成され
ている多層膜とし、多層膜Gを、前記多層膜EまたはF
の前記HHの層を24セット積層して形成されている第
4層の代わりに、前記第4層が、多層膜Eの場合と同じ
方向の膜の厚み方向の一方の側から順に、HHの層を3
セット、LLの層を3セット、HHの層を3セット、L
Lの層を3セット、HHの層を3セット、LLの層を3
セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、H
Hの層を2セット、LLの層を1セット、HHの層を1
セットをこの順に積層して構成される積層膜で形成され
ている多層膜とし、多層膜Hを、前記5層の積層膜すな
わち前記第1〜第5層が、前記多層膜の厚み方向の一方
の側から順に、層L、LHの層を4セット積層して構成
される第1層、LLの層を9セット積層して構成される
第2層、層Hを1層とLHの層を6セットとを積層して
構成される第3層、LLの層を35セット積層して構成
される第4層、層Hを1層とLHの層を13セットとを
積層して構成される第5層でそれぞれ形成されている多
層膜とするとき、前記分散補償を行うことが出来る素子
が、前記多層膜A〜Hのうちの少なくとも1つを有する
ことを特徴としている。
【0034】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記多層膜を構成する少なくとも1つの積層膜の膜厚
が、前記多層膜の光の入射面に平行な断面における面内
方向(以下、入射面内方向ともいう)において変化して
いることを特徴としている。
【0035】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記分散補償を行うことが出来る素子に係合して、前記
多層膜の少なくとも1つの積層膜の膜厚を調整する調整
手段、あるいは、前記多層膜の入射面における光の入射
位置を変える手段が設けられていることを特徴としてい
る。
【0036】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記光分散補償素子が主として3次分散を補償可能であ
ることを特徴としている。
【0037】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記光分散補償素子が主として2次分散を補償可能であ
ることを特徴としている。
【0038】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記層HがSi、Ge、TiO2、Ta25、Nb25
のいずれかから成る層で形成されていることを特徴とし
ている。
【0039】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記層Lが、層Hに使用されている材質よりも屈折率の
低い材質を用いて形成されていることを特徴としてい
る。
【0040】そして、本発明の光分散補償素子の例は、
前記層LがSiO2から成る層で形成されていることを
特徴としている。
【0041】本発明の目的の達成を図るため、本発明の
光分散補償方法は、光ファイバを通信伝送路に用いた光
通信において光分散補償素子を使用して分散を補償する
光分散補償方法であって、前記光分散補償素子を、分散
補償を行うことが出来る素子を少なくとも2つを、信号
光の通信経路に沿って接続部品を介して直列に接続して
構成して、前記分散を補償することを特徴としている。
【0042】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
少なくとも1つの前記内部接続部品が、2つの異なる反
射面を有する反射体と少なくとも1つのレンズを有し、
前記分散補償を行うことが出来る素子を少なくとも1つ
装着されており、位置決め部品に係合する取り付け部を
有しており、前記1つの内部接続部品の入射口から入射
した信号光が、前記反射体の1つの反射面から、前記分
散補償を行うことが出来る素子に向けて反射し、前記レ
ンズを介して前記分散補償を行うことが出来る素子に至
り分散補償を施されて、前記分散補償を行うことが出来
る素子から出射されて前記レンズを通り、前記反射体の
前記1つの反射面とは別の反射面で前記内部接続部品の
出射口に向けて反射され、前記内部接続部品の入射口か
ら前記反射体に入射された信号光の進行方向と平行な進
行方向に出射され、前記1つの内部接続部品から出射さ
れた信号光は、前記1つの内部接続部品に続く他の1つ
の内部接続部品に入射されて再び分散補償を受けるか、
前記外部接続部品に入射して、外部へと出射される構成
の光分散補償素子を用いて前記通信における分散を補償
することを特徴としている。
【0043】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償素子の前記位置決め部品が、少なくとも
一本のアライメント用の棒であり、前記内部接続部品と
前記外部接続部品が、前記アライメント用の棒に係合し
て信号光の光路を形成するように組み立てられることを
特徴としている。
【0044】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償素子の入力側に配置される前記外部接続
部品が、少なくとも1つの反射面を有する反射体と、少
なくとも2つのレンズと、光ファイバ結合部とを有し、
前記2つのレンズのうちの少なくとも1つは非球面レン
ズであり、前記光ファイバ結合部の光ファイバから入射
された信号光は、前記2つのレンズのうちの1つである
前記非球面レンズを経て、他の1つのレンズを通り、前
記反射体の1つの反射面で反射されて前記外部接続部品
の出射口から内部接続部品の入射口に入射し、前記外部
接続部品からの出射光の進行方向が、前記外部接続部品
に続いて配置される内部接続部品における入射光の進行
方向と平行な1つの光路になるように前記外部接続部品
と前記内部接続部品とを組み込んで分散を補償すること
を特徴としている。
【0045】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償素子の出力側に配置される外部接続部品
が、少なくとも1つの反射面を有する反射体と、少なく
とも2つのレンズと、光ファイバ結合部とを有し、前記
出力側の外部接続部品の入射口から入射された信号光
が、前記反射体の1つの反射面で反射され、前記2つの
レンズのうちの1つのレンズを通り、前記2つのレンズ
のうちの他の1つのレンズである前記非球面レンズを通
り、前記光ファイバ結合部の光ファイバに光結合して出
射されることを特徴としている。
【0046】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記外部接続部品の前記反射体が、少なくとも2つの反
射面を有し、同一型の外部接続部品として前記光分散補
償素子の入力側に配置して用いることも出来、また、前
記光分散補償素子の出力側に配置して用いることも出来
ることを特徴としている。
【0047】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償素子に組み込まれる前記分散補償を行う
ことが出来る素子が、入射光の1460〜1640nm
の波長範囲において、少なくとも1つの極値を有する群
速度遅延時間−波長特性を有する多層膜を利用して分散
補償を行うことが出来る素子であることを特徴としてい
る。
【0048】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償素子に用いる分散補償を行うことが出来
る素子の主要構成要素である前記多層膜として、前記多
層膜を構成する少なくとも1つの積層膜の膜厚が、前記
多層膜の光の入射面に平行な断面における入射面内方向
において変化している多層膜を用いる光分散補償素子で
あることを特徴としている。
【0049】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償素子として、前記分散補償を行うことが
出来る素子に係合して、前記多層膜の少なくとも1つの
積層膜の膜厚を調整する調整手段、あるいは、前記多層
膜の入射面における光の入射位置を変える手段が設けら
れている光分散補償素子を用いることを特徴としてい
る。
【0050】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償方法が主として3次分散を補償すること
が出来ることを特徴としている。
【0051】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記光分散補償方法が主として2次分散を補償すること
が出来ることを特徴としている。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、説明に用いる各図は
本発明を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配
置関係などを概略的に示してある。そして本発明の説明
の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあ
り、本発明の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの
実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図にお
いて、同様な構成成分については同一の番号を付けて示
し、重複する説明を省略することもある。
【0053】図1は光ファイバを伝送路に用いた通信に
おいて生じた分散を光分散補償素子で補償する方法を説
明する図で、符号1101は伝送路を伝送させた信号光
の2次の分散を補償して残った信号光の3次分散を示す
群速度遅延時間−波長特性曲線、1102は分散補償素
子の群速度遅延時間−波長特性曲線で、1103は、曲
線1101の分散特性を有する信号光の分散を、曲線1
102の分散特性を有する分散補償素子で補償したあと
の補償対象波長帯域λ1〜λ2の間の群速度遅延時間−波
長特性曲線で、縦軸は群速度遅延時間、横軸は波長であ
る。
【0054】図2〜図4は、本発明による光分散補償素
子を説明する図で、図2は後述の多層膜の断面図、図3
は膜厚を変化させた多層膜の斜視図、図4は多層膜の群
速度遅延時間−波長特性曲線である。
【0055】図2は本発明の3次分散補償素子の例とし
て用いる多層膜の断面をモデル的に説明する図である。
図2において、符号100は本発明の光分散補償素子の
例としての多層膜、101は入射光の方向を示す矢印、
102は出射光の方向を示す矢印、103、104は反
射率が100%未満の反射層(以下、反射膜ともい
う)、105は反射率が98〜100%の反射層、10
8、109は光透過層、111、112はキャビティで
ある。また、符号107は基板で、たとえば、BK―7
ガラスを使用している。
【0056】図2の各反射層103、104、105の
反射率R(103)、R(104)、R(105)は、
R(103)≦R(104)≦R(105)の関係にあ
る。そして、各反射層の反射率を、少なくとも光透過層
を挟んで隣り合う反射層間において互いに異なるように
設定することが量産上好ましい。すなわち、入射光が入
射する側から多層膜の厚み方向に向かって、入射光の中
心波長λに対する各反射層の反射率が次第に大きくなる
ように形成する。そして、各反射層の前記波長λの光に
対する反射率を、60%≦R(103)≦77%、96
%≦R(104)≦99.8%、98%≦R(105)
の範囲にとって、前記R(103)、R(104)、R
(105)の関係を満たすように構成することにより、
後述の図5,図6に示すような群速度遅延時間−波長特
性曲線を得ることができる。そして、R(103)<R
(104)<R(105)にすることがより好ましく、
R(105)を100%に近づけるか100%にするこ
とがより好ましく、本発明の光分散補償素子の性能を一
層高めることができる。
【0057】そして、本発明の光分散補償素子をより製
造し易くするために、隣り合う各反射層間の光路長とし
て考えたときの間隔がそれぞれ異なるように各反射層の
形成条件を選ぶことが好ましく、各反射層の反射率の設
計精度をゆるめることができ、膜厚が波長λの4分の1
の単位膜の組み合わせ(λ/4の整数倍の膜厚の膜)で
本発明の3次分散補償素子に用いられる多層膜を形成す
ることができ、信頼性が高く、量産性の優れた3次分散
補償素子を安価に提供することができる。
【0058】なお、前記多層膜の単位膜の膜厚が波長λ
の4分の1であると記載したが、これは、前記の如く、
量産における膜の形成で許容される誤差の範囲内におい
てλ/4という意味であり、具体的には、λ/4±1%に
おいて本発明でいうλ/4の膜厚を意味しており、この
範囲においても本発明は特に大きな効果を発する。そこ
で、本発明ではこの範囲の膜厚をλ/4の厚みというこ
とにした。特に、上記単位膜の厚みをλ/4±0.5%
(この場合のλ/4は誤差無しのλ/4の意味)にする
ことにより、量産性を損なわずに、バラツキが少なく、
信頼性の高い多層膜を形成することができ、図5、図6
で後述するような光分散補償素子を安価に提供すること
ができる。
【0059】また、本発明における多層膜が膜厚がλ/
4の単位膜を積層して形成すると説明しているが、これ
は、1つの単位膜を形成してから次の単位膜を形成する
という方法を繰り返して多層膜を形成することもできる
が、これに限らず、一般的にはλ/4の整数倍の膜厚の
膜を、連続的に形成することが多く、このような多層膜
も当然のことながら本発明の多層膜に含まれるものであ
る。そして、前記反射層と前記透過層を連続的に形成す
る膜形成工程を用いて本発明の多層膜のいくつかの例を
形成することができた。
【0060】図3は、図2の多層膜100の後述する入
射面220の面内方向において、前記多層膜100の膜
厚を変化させた例を説明する図である。
【0061】図3において、符号200は本発明の光分
散補償素子の一例としての多層膜、201は第1の反射
層、202は第2の反射層、203は第3の反射層、2
05は基板、206は第1の光透過層、207は第2の
光透過層、211は第1のキャビティ、212は第2の
キャビティ、220は光入射面、230は入射光の方向
を示す矢印、240は出射光の方向を示す矢印、250
は第1の膜厚変化方向を示す矢印、260は第2の膜厚
変化方向を示す矢印、270,271は入射光の入射位
置を移動させる方向を示す矢印である。
【0062】図3において、たとえば、BK−7ガラス
などから成る基板205の上に、第3の反射層203,
第2の光透過層207、第2の反射層202、第1の光
透過層206、第1の反射層201が、順次形成されて
いる。
【0063】第1の光透過層206の厚みが図3の矢印
250で示す方向に変化するように、そして、第2の光
透過層207の厚みが矢印260で示す方向に変化する
ように、前記多層膜を形成する。第1から第3の反射層
の厚みと構成は、第1および第2のキャビティの共振波
長が一致したときの波長が入射光の中心波長λに一致し
たときに、第1、第2、第3の各反射層の反射率が、前
記R(103)、R(104)、R(105)の条件を
満たすような膜厚と構成になるように形成する。
【0064】図4は、本発明の光分散補償素子の例とし
ての多層膜(以下、光分散補償素子ともいう)200の
入射面220において、図3の矢印230の方向から入
射光を入射し、矢印240の方向に出射光を得るように
し、入射光の入射位置を後述のように図3の矢印270
あるいは271の方向に移動した時の、群速度遅延時間
−波長特性曲線の変化する様子を説明するものである。
【0065】図4は、入射位置280〜282に中心波
長λの入射光を入射させたときの群速度遅延時間−波長
特性曲線を示し、縦軸は群速度遅延時間、横軸は波長で
ある。
【0066】反射層201〜203および光透過層20
6と207の各矢印250と260で示す方向に膜厚を
変化させる条件を適切に選ぶことによって、前記入射光
の入射面220における入射位置を矢印270で示す方
向に移動させたとき、群速度遅延時間−波長特性曲線の
形状をほぼ同様の形に維持しつつ、群速度遅延時間−波
長特性曲線の帯域中心波長λ0(たとえば、図4のほぼ
左右対称の形状の群速度遅延時間−波長特性曲線280
1における極値を与える波長)が変化し、そして、その
位置から矢印271で示す方向に前記入射位置を移動さ
せたとき、前記波長λ0はほぼ同じ範囲の値で、群速度
遅延時間−波長特性曲線の形状を、図4の曲線281
1、2812のように変化させることができる。図4の
各曲線は、図3の矢印250と260の方向へそれぞれ
各当該膜の膜厚を単調に増大するように形成した時のも
のである。
【0067】曲線2801〜2812における帯域中心
波長λ0は、分散補償の目的によって、たとえば図4の
グラフの適切な波長のところに設定するが、たとえば、
図4に図示の曲線の波長の範囲のほぼ中央値にとっても
よく、分散補償の目的に応じて適宜定めても良い。ま
た、曲線2801〜2812の間のそれぞれの極値波長
など曲線の各特徴点の波長の対応関係をあらかじめ調べ
ておくことなどはここに記載しなくても当然のことであ
る。
【0068】このようにして、たとえば、まず、分散補
償すべき入射光の中心波長λに該当する帯域中心波長λ
0を一致させるように、入射光の入射位置を矢印270
の方向に移動して決め、分散補償すべき保障の内容、す
なわち、入射光の分散状況に適合して、分散補償に用い
る群速度遅延時間−波長特性曲線の形状を、たとえば図
4の各曲線などから選択し、それに応じて、図3の矢印
271で示す方向に前記入射位置をたとえば符号280
〜282で示す各点などのように選択することにより、
信号光に求められる分散補償を効果的に行うことができ
る。
【0069】図4の群速度遅延時間−波長特性曲線の形
状からも明らかなように、本発明の光分散補償素子を用
いて、たとえば、曲線2801を用いて3次分散補償を
行うことができ、曲線2811または2812の比較的
直線成分に近い部分を用いて、2次の微少な分散補償を
行うことができる。
【0070】以上、図2〜図4を用いて説明したのは本
発明に用いる「分散補償を行うことが出来る素子」であ
るが、この「分散補償を行うことが出来る素子」を用い
れば、3次の分散をある程度補償することが出来ること
は、図4の各曲線の説明から明白である。
【0071】しかし、「分散補償を行うことが出来る素
子」単独で補償できる分散補償の波長帯域幅は、波長が
1.55μm近傍の信号光について、たとえば1.5n
m前後、群速度遅延時間の極値の大きさは3〜6ps
(ピコ秒)位の場合が多く、多層膜の構成条件を変え
て、帯域幅3mm、群速度遅延時間のピーク値が2〜1
0ps程度の群速度遅延時間−波長特性曲線は実現する
ことが出来る。しかし、多数チャンネルの光通信に対応
するために分散補償の波長帯域幅を広くすると、分散補
償を十分に行うことが出来る程度の群速度遅延時間を得
ることが難しく、現実の通信に広く使い勝手よく用いる
には、さらなる改善がなされることが望ましい。そこ
で、本発明を図5、図6を用いてさらに詳しく説明す
る。
【0072】図5は、たとえば前記のごとき分散補償を
行うことが出来る素子を複数個用いて群速度遅延時間−
波長特性を改善する方法を説明する図であり、図5
(A)は本発明に用いる分散補償を行うことが出来る素
子が1個の群速度遅延時間−波長特性、図5(B)は群
速度遅延時間−波長特性曲線の形がほぼ同じで、群速度
遅延時間−波長特性曲線のピーク値(以下、極値ともい
う)を与える波長(以下、極値波長ともいう)が異なる
分散補償を行うことが出来る素子を2個直列に接続した
本発明の光分散補償素子の群速度遅延時間−波長特性
を、図5(C)は群速度遅延時間−波長特性曲線がほぼ
同じで極値波長が異なる分散補償を行うことが出来る素
子を3個直列に接続した本発明の光分散補償素子の群速
度遅延時間−波長特性を、図5(D)は群速度遅延時間
−波長特性曲線の形も極値波長も異なる分散補償を行う
ことが出来る素子を3個直列に接続した本発明の光分散
補償素子の群速度遅延時間−波長特性を表すグラフであ
り、いずれも縦軸が群速度遅延時間、横軸が波長であ
る。そして、本発明の光分散補償方法は、図5(A)か
ら(D)に示した光分散補償素子を光伝送路中の適切な
ところ、たとえば、伝送路に設けた増幅器、受信機、波
長分波機、中継局の各種装置等の信号光の経路中に配置
して前記光分散補償素子に信号光を入射させて信号光の
分散を補償する分散補償方法である。
【0073】図5において、符号301〜309は本発
明に用いる分散補償を行うことが出来る素子1個の各群
速度遅延時間−波長特性曲線、310は前記本発明に用
いる群速度遅延時間−波長特性曲線の形がほぼ同じで極
値波長が異なる分散補償を行うことが出来る素子を2個
直列に接続した場合の群速度遅延時間−波長特性曲線、
311は前記本発明に用いる群速度遅延時間−波長特性
曲線の形がほぼ同じで極値波長が異なる分散補償を行う
ことが出来る素子を3個直列に接続した場合の群速度遅
延時間−波長特性曲線、312は群速度遅延時間−波長
特性曲線の形も極値波長も異なる分散補償を行うことが
出来る素子を3個直列に接続した場合の群速度遅延時間
−波長特性曲線である。図5(A)で符号aは分散補償
対象波長帯域の波長幅、bは群速度遅延時間の極値であ
る。曲線302〜307および309の分散補償対象波
長域の帯域幅と群速度遅延時間の極値はほぼ同じで、曲
線308は曲線307や309よりも分散補償対象波長
域の帯域幅が小さく群速度遅延時間の極値が大きい群速
度遅延時間−波長特性曲線である。
【0074】図5(B)と(C)において、群速度遅延
時間−波長特性曲線310の群速度遅延時間の極値は、
分散補償を行うことが出来る素子1個の場合の1.6
倍、分散補償対象波長帯域は約1.8倍になっており、
群速度遅延時間−波長特性曲線311の群速度遅延時間
の極値は分散補償を行うことが出来る素子1個の場合の
約2.3倍、分散補償対象波長帯域は分散補償を行うこ
とが出来る素子1個の場合の約2.5倍になっている。
図5(D)においては、群速度遅延時間−波長特性曲線
312の曲線の群速度遅延時間の極値が分散補償を行う
ことが出来る素子307と309の各1個の場合の約3
倍、分散補償対象波長帯域は分散補償を行うことが出来
る素子307と309の各1個の場合の約2.3倍にな
っている。
【0075】図2〜図4において説明したような多層膜
を用いた分散補償を行うことが出来る素子の群速度遅延
時間−波長特性曲線の群速度遅延時間の極値と分散補償
対象波長帯域の波長幅は、前記多層膜の各反射層と各光
透過層の構成条件によって変化し、たとえば、図5
(D)の曲線307のような分散補償対象波長帯域の帯
域幅は比較的広いが群速度遅延時間の極値があまり大き
くない群速度遅延時間−波長特性曲線や、曲線308の
ように分散補償対象波長帯域は狭いが群速度遅延時間の
極値は大きい群速度遅延時間−波長特性曲線のように、
種々の特性を有する分散補償を行うことが出来る素子を
実現することが出来る。
【0076】このような分散補償を行うことが出来る素
子に用いる多層膜としては、たとえば、前記「課題を解
決するための手段」の項に記載した多層膜A〜多層膜H
があげられる。この多層膜A〜Hを用いて、分散補償を
行うことが出来る素子を作成したところ、波長が約1.
55μmの信号光に対して、群速度遅延時間の極値が3
ps(ピコ秒)で分散補償対象波長帯域が1.3〜2.
0nmの群速度遅延時間−波長特性曲線を実現すること
が出来た。
【0077】そして、この分散補償を行うことが出来る
素子を複数個直列に接続して、光ファイバ伝送による分
散を補償することができる群速度遅延時間−波長特性を
有する分散補償対象波長帯域が15nmの光分散補償素
子を実現することが出来た。この光分散補償素子を波長
が1.55μm近傍で、各チャンネルの帯域波長幅0.
5nm、30チャンネルの通信システムの3次分散補償
を行う素子として用い、40Gbps、60kmの光通
信を行ったところ、3次分散が害にならずに通信を行う
ことが出来た。
【0078】また、図4における群速度遅延時間−波長
特性曲線や、図5(D)における群速度遅延時間−波長
特性曲線など、直列に接続して用いる分散補償を行うこ
とが出来る素子の群速度遅延時間−波長特性を適宜工夫
して選択することにより、3次の分散のみならず分散補
償ファイバで補償して残った2次の微細な分散をも補償
することが出来た。
【0079】本発明の分散補償を行うことが出来る素子
を少なくとも2個直列に接続した光分散補償素子の例に
おいては、3次以上の分散を補償するのに必要な群速度
遅延時間−波長特性を有する光分散補償素子を実現する
ために分散補償対象波長域において極値を有する群速度
遅延時間−波長特性の分散補償を行うことが出来る素子
を少なくとも1つ用いることが必要である。
【0080】また、通信伝送路の分散補償をより効果的
に行うには、光分散補償素子としての群速度遅延時間−
波長特性曲線をよりよいものにすることが望ましい。そ
のための1つの方法として、分散補償を行うことが出来
る素子の群速度遅延時間−波長特性を調整できる手段を
有する方法がある。
【0081】その1つの方法として、図2と図3を用い
て説明したような、多層膜の光透過層と反射層の膜厚を
入射面内方向において変化させ、分散補償を行うことが
出来る素子における信号光の相対的な入射位置を変え
て、分散補償を行うことが出来る素子の群速度遅延時間
−波長特性を変えることがあげられる。この入射光の入
射位置を変更する手段としては、入射光の位置に対し
て、光分散補償素子200あるいは入射光の入射位置そ
のものの少なくとも一方を移動させることによって実現
した。前記光分散補償素子または入射光の位置を移動さ
せる手段としては、光分散補償素子の使用される事情、
コストあるいは特性などの条件など、事情によって種々
選択することができる。たとえば、コスト上あるいは装
置の事情から、ネジなどの手動的手段により行う方法を
用いることができ、また、正確に調整するため、あるい
は手動で調整することができない時にも調整することが
できるようにするためには、たとえば電磁的なステップ
モータや連続駆動モータを用いることが効果的であり、
また、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などを用いた圧
電モーターを使用することも効果的である。また、これ
らの方法と組み合わせることもできるプリズムや二芯コ
リメータなどを用いたり、光導波路を利用するなどの光
学的手段によって入射位置を選択することにより、容易
に、正確に入射位置を選択することができる。
【0082】前記本発明の光分散補償素子に用いる分散
補償を行うことが出来る素子の多層膜の各層は、厚みが
4分の1波長のSiO2のイオンアシスト蒸着で作成し
た膜(以下、イオンアシスト膜ともいう)で形成された
層Lと、厚みが4分の1波長のTa25のイオンアシス
ト膜で形成された層Hとから構成されている。前記Si
2のイオンアシスト膜(層L)1層とTa25のイオ
ンアシスト膜(層H)1層の組みあわせ層でLHの層1
セットと称し、たとえば、「LHの層5セット積層し
て」とは、「層L・層H・層L・層H・層L・層H・層
L・層H・層L・層Hの順に各層をそれぞれ1層ずつ重
ねて形成して」ということを意味する。
【0083】同様に、前記LLの層は、厚みが4分の1
波長のSiO2のイオンアシスト膜で構成されている層
Lを2層重ねて形成した層をLLの層1セットと称す。
したがって、たとえば、「LLの層を3セット積層し
て」とは、「層Lを6層重ねて形成して」を意味する。
前記HHの層に関しても同様である。
【0084】なお、層Hを形成する膜の組成として、誘
電体の例を示したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、Ta25と同じ誘電体材料としてはTa25
他に、TiO2、Nb25などを用いることができ、さ
らに、誘電体材料の他に、SiやGeを用いて層Hを形
成することもできる。また、層Lの組成としてSiO 2
の例を示したが、SiO2は安価にしかも信頼性高く層
Lを形成できる利点があるが、本発明はこれに限定され
るものではなく、層Hの屈折率よりも屈折率が低くなる
材質によって層Lを形成すれば、本発明の上記効果を発
揮する光分散補償素子を実現することができる。
【0085】また、本実施例では、前記多層膜を構成す
る層Lと層Hをイオンアシスト蒸着で形成したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、通常の蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティングその他の方法で形成
した多層膜を用いても本発明は大きな効果を発揮するも
のである。
【0086】本発明の光分散補償素子は、図3に示す光
分散補償素子としての多層膜200のように、ウェハー
状のものを適当に保持して用いることもでき、また、入
射面220内での必要な部分を含むように、厚み方向
に、すなわち、入射面220から基板205方向に、た
とえば垂直に、小さく切断したチップ状にして、たとえ
ばファイバコリメータとともに筒状のケースに実装して
光分散補償素子として用いることもできるなど、その形
態は多様な可能性を有するものであり、そのいずれの場
合においても、本発明で説明する主たる効果をもたらす
ものである。
【0087】図6は本発明の光分散補償素子の実際の接
続方法の例を説明する図であり、図6(A)は複数個の
分散補償を行うことが出来る素子を信号光の通信経路に
沿って内部接続部品および外部接続部品を介して直列に
接続した図、図6(B)は前記内部接続部品の図、図6
(C)は出力側の外部接続部品の図である。図6で符号
400は光分散補償素子、401〜405は内部接続部
品、4011、4021は反射体、4011aと401
1b、4021aと4021bはそれぞれ反射体401
1、4021の反射面、41〜45は分散補償を行うこ
とが出来る素子としての多層膜素子、4012、402
2はレンズ、411、412は外部接続部品、411
1、4121は反射体、4111aと4111bおよび
4121aと4121bはそれぞれ反射体4111およ
び4121の反射面、4112、4122、4113、
4123はレンズで、4113と4123は非球面レン
ズ、4114、4124は光ファイバ、4115、41
25は光ファイバ取付部、4116、4126はそれぞ
れ光ファイバ4114、4124の先端部、431、4
32はアライメント用ロッド、451〜462、471
〜475は光路、4311、4321はアライメント用
ロッドへの取り付け部すなわちアライメント用ロットに
係合する溝、48a〜48gは信号光が通る空間であ
る。
【0088】図6において、それぞれ分散補償を行うこ
とが出来る素子としての多層膜素子41〜45を内蔵し
た内部接続部品401〜405およびそれぞれ光ファイ
バ4114、4124に接続されている外部接続部品4
11、412は、アライメント用ロット431と432
に係合する溝(たとえば、図6(C)に外部接続部品4
12に関しては図示した431aと431b、図6
(B)に内部接続部品401について示した溝431
1、4321と同様の溝)を有しており、図6(A)に
図示のようにアライメント用ロット431と432に着
脱自在に組み立てられている。
【0089】図6(A)において、光ファイバ4114
から外部接続部品411に入射した信号光は、光路45
1を進行して非球面レンズ4113を通り、光路452
を通り、レンズ4112を通って光路453を通り、反
射体4111の反射面4111bで反射されて光路45
4を通って、外部接続部品411から出射して内部接続
部品401に入射する。内部接続部品401に入射した
信号光は、光路455を通り、反射体4011の反射面
4011aで反射されてレンズ4012を経て光路45
6を通り分散補償を行うことが出来る素子としての多層
膜素子41に入射して分散補償を施され、前記多層膜素
子41から出射、光路457を通ってレンズ4012を
経て反射体4011の反射面4011bに至り、そこで
反射されて光路458を通って内部接続部品401から
出射されて内部接続部品402に入射する。内部接続部
品402に入射した信号光は光路459を通って反射体
4021の反射面4021aで反射されてレンズ402
2を通り、光路460を通って分散補償を行うことが出
来る素子としての多層膜素子42に入射して分散補償を
施されて前記多層膜素子42から出射し、光路461か
らレンズ4022を通って反射体4021の反射面40
21bで反射されて光路462を通って内部接続部品4
02から出射して内部接続部品403に入射する。以
下、同様にして、信号光は分散補償を行うことが出来る
素子としての多層膜素子43、44、45に順次入射し
て分散補償を施されて光路471を通って内部接続部品
405から出射して外部接続部品412に入射する外部
接続部品412に入射した信号光は光路472を通って
反射体4121の反射面4121aで反射され光路47
3からレンズ4122を通り、光路474を通って非球
面レンズ4123を経て光路475を通り光ファイバ4
124の先端部4126から光ファイバ4124に入射
して伝送される。
【0090】以上の説明のように、分散補償を行うこと
が出来る素子としての多層膜41〜45によって信号光
の分散が所定量、すなわち、多層膜41〜45の群速度
遅延時間−波長特性曲線を図5のように重ね合わせた結
果としての群速度遅延時間−波長特性曲線によって決ま
る量だけ補償される。ここで、分散補償の必要な内容に
応じて光分散補償素子の群速度遅延時間−波長特性を変
えることが必要な場合は、本発明の内部接続部品が着脱
自在に構成されているため、適切に前記多層膜を増減す
ることなどによって光分散補償素子の内容を容易に変え
ることができる。信号光の伝送状況によって、分散補償
の内容を適宜選択することが好ましいが、本発明の光分
散補償素子および光分散補償方法は、前記の如く、着脱
自在に構成されている内部接続部品を用いて、そこに載
置される分散補償を行うことが出来る素子としての、た
とえば多層膜を選択して、所定の特性を有する光分散補
償素子を容易に構成することができ、それを用いて良好
な光分散補償を容易に行うことが出来る。
【0091】このような本発明による光分散補償素子を
用いて、40Gbpsの通信ビットレートで60kmの
伝送を行う通信システムにおいて分散を補償した結果、
きわめて良好な分散補償を行うことが出来た上に、信号
光が光分散補償素子を透過することによるによる損失
は、従来のファイバグレーティングを用いた2次の分散
補償素子に比較して、きわめて低いものであった。
【0092】以上、本発明の光分散補償素子を中心に本
発明の光分散補償素子とその素子を用いた光分散補償方
法を説明したが、本発明の光分散補償方法のもっとも注
目すべき特徴は、本発明に用いる内部接続部品と外部接
続部品がそれぞれ同じ構造になっているために互換性が
あり、分散補償をすることができる素子複数個を着脱自
在に直列に接続して、広い波長帯域において2次や3次
の分散補償をすることを可能にしたところにあり、従来
の光通信システムの多くを活用して高速・長距離通信を
可能にするものである。そして、分散補償対象波長域の
帯域幅は、15nm、30nm、50nmなど広い範囲
にわたっての補償を可能にするものである。
【0093】
【発明の効果】以上、本発明を詳細に説明したが、本発
明によれば、図5(B)〜(D)を用いて説明した群速
度遅延時間−波長特性曲線を種々用意するにあたり、図
6(A)に示した各内部接続部品および各外部接続部品
を接続するにあたり、該接続部における信号光の進行方
向を平行にしているために、互換性も良く、信号光の光
路を極めて低損失で容易に構成することができ、各チャ
ンネルの良好な分散補償を行うことが出来る上に、複数
チャンネルの良好な分散補償をも行うことが出来る。そ
して、本発明の光分散補償素子による分散補償は、3次
以上の分散補償において特に大きな効果をもたらすこと
に加えて、群速度遅延時間−波長特性の適切な調整によ
って、2次の分散補償をも行い得るものである。
【0094】そして、本発明の光分散補償素子を用いる
ことにより、既存の光通信システムの多くを利用するこ
とを可能にする点で、社会的経済的効果が多大なもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光分散補償を説明する図である。
【図2】本発明の多層膜の断面図である。
【図3】本発明の多層膜の斜視図である。
【図4】本発明の多層膜の群速度遅延時間−波長特性曲
線である。
【図5】本発明の、分散補償を行うことが出来る素子を
複数個用いて群速度遅延時間−波長特性を改善する方法
を説明する図であり、(A)は1個、(B)は2個、
(C)は3個、(D)は3個の分散補償を行うことが出
来る素子を直列に接続した本発明の光分散補償素子の群
速度遅延時間−波長特性を表すグラフである。
【図6】本発明の光分散補償素子を説明する図で、
(A)は複数個の分散補償を行うことが出来る素子を直
列に接続した図、(B)は内部接続部品を示す図、
(C)は外部接続部品を示す図である。
【図7】2次と3次の波長分散の補償方法を説明する図
であり、(A)は波長−時間特性と光強度−時間特性
を、(B)および(C)は伝送路を説明する図である。
【図8】従来の光ファイバの分散−波長特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
100,200:多層膜 101,230:入射光の方向を示す矢印 102,240:出射光の方向を示す矢印 103,104,105,201,202,203:反
射層 108,109,206,207:光透過層 107,205:基板 111,112,211,212:キャビティ 220:光入射面 250,260:膜厚変化方向を示す矢印 270,271:入射光の入射位置を移動させる方向 280,281,282:入射位置 1101,1102,1103,2801,2811,
2812,301〜312:群速度遅延時間−波長特性
曲線 400:光分散補償素子 401〜405:内部接続部品 411,412:外部接続部品 4011,4021,4111,4121:反射体 4011a,4011b,4021a,4021b,4
111a,4111b,4121a,4121b:反射
面 41〜45:多層膜素子 4012,4022,4112,4122,4113,
4123:レンズ4114,4124:光ファイバ 4115,4125:光ファイバ取り付け部 4116,4126:光ファイバの先端部 431,432:アライメント用ロッド 451〜462、471〜475:光路 4311,4321,431a,431b:溝 48a〜48g:信号光が通る空間 501,502,503,504,511,512,5
13,514:信号光の特性を示すグラフ 520,530:伝送路 521:分散補償ファイバ 522,531:SMF 524,534:送信器 525,535:受信器 601:SMFの分散−波長特性曲線 602:分散補正ファイバの分散−波長特性曲線 603:DSFの分散−波長特性曲線
フロントページの続き (72)発明者 多久島 裕一 埼玉県川口市芝富士2丁目18番18号 セイ ケイハイツ202号 (72)発明者 マーク ケンネス ジャボロンスキー 東京都目黒区駒場4丁目6番29号 K518 (72)発明者 田中 佑一 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 片岡 春樹 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 時田 宏典 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 山下 史郎 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 古城 健司 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 Fターム(参考) 2H048 GA07 GA11 GA22 GA34 GA48 GA51 GA62 5K002 BA02 BA21 CA01 FA01

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを通信伝送路に用いた通信に
    使用して波長分散(以下、単に、分散ともいう)を補償
    することが出来る光分散補償素子であって、分散補償を
    行うことが出来る素子を少なくとも2つ、あるいは、分
    散補償を行うことが出来る素子の部分(以下、前記分散
    補償を行うことが出来る素子と分散補償を行うことが出
    来る素子の部分を総称して分散補償を行うことが出来る
    素子ともいう)を少なくとも2箇所、信号光の通信経路
    において接続部品を介して直列に接続して構成されてお
    り(以下、前記光分散補償素子を構成する前記分散補償
    を行うことが出来る素子間を接続する接続部品を内部接
    続部品とも称し、前記光分散補償素子と前記光分散補償
    素子の外部とを接続する部品を外部接続部品とも称
    す)、前記内部接続部品が、前記分散補償を行うことが
    出来る素子を少なくとも1つ装着することが出来るとと
    もに、前記光分散補償素子に入力される光の光路に少な
    くとも2つの異なる反射面を有する反射体と少なくとも
    1つのレンズを配置していることを特徴とする光分散補
    償素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光分散補償素子におい
    て、前記内部接続部品が、少なくとも1つの前記分散補
    償を行うことが出来る素子を装着されているとともに前
    記内部接続部品を装着することが出来る位置決め部品に
    係合する取り付け部を有しており、前記1つの内部接続
    部品の入射口から入射した信号光が、前記内部接続部品
    の前記反射体の2つの反射面のうちの1つの反射面か
    ら、前記分散補償を行うことが出来る素子に向けて反射
    され、前記レンズを介して前記分散補償を行うことが出
    来る素子に至り、分散補償を施されて、前記分散補償を
    行うことが出来る素子から出力して前記レンズを通り、
    前記反射体の前記2つの反射面のうちの他の反射面で前
    記内部接続部品の出射口に向けて反射され、前記内部接
    続部品の入射口から前記反射体に入射された信号光と平
    行な方向に進行する光線となって出射される構造となっ
    ており、前記1つの内部接続部品から出射された信号光
    は、前記1つの内部接続部品に続く他の内部接続部品に
    入射されて再び分散補償を受けるか、前記外部接続部品
    に入射して、外部へと出射される構成に組み立てること
    が出来ることを特徴とする光分散補償素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光分散補償素子におい
    て、前記位置決め部品が、少なくとも一本の棒であるこ
    とを特徴とする光分散補償素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記光分散補償素子の入力側の
    外部接続部品が、少なくとも1つの反射面を有する反射
    体と、少なくとも2つのレンズと、光ファイバ結合部と
    を有し、前記2つのレンズのうちの少なくとも1つは非
    球面レンズであり、前記光ファイバ結合部の光ファイバ
    から入射された信号光は、前記2つのレンズのうちの1
    つである前記非球面レンズを経て他の1つのレンズを通
    り、前記反射体の1つの反射面で反射されて出射部に至
    り、前記外部接続部品からの出射光の進行方向と該接続
    部品に係合する次の内部接続部品における入射光の進行
    方向が平行な1つの光路になるように構成されているこ
    とを特徴とする光分散補償素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記光分散補償素子の出力側の
    外部接続部品が、少なくとも1つの反射面を有する反射
    体と、少なくとも2つのレンズと、光ファイバ結合部と
    を有し、前記2つのレンズのうちの少なくとも1つは非
    球面レンズであり、前記出力側の外部接続部品の入射口
    から入射された信号光が、前記反射体の1つの反射面で
    反射され、前記2つのレンズのうちの1つを通り、さら
    に前記2つのレンズのうちの前記非球面レンズを通り、
    前記光ファイバ結合部の光ファイバに光結合して前記光
    ファイバから出射されることを特徴とする光分散補償素
    子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の光分散補償素
    子において、前記外部接続部品が、前記光分散補償素子
    の入力側の外部接続部品あるいは出力側の外部接続部品
    のいずれにも使用できるように構成されていることを特
    徴とする光分散補償素子。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記外部接続部品の前記反射体
    が、少なくとも2つの反射面を有し、前記外部接続部品
    を入力側の外部接続部品として用いる時は、当該外部接
    続部品の前記2つの反射面のうちの1つの反射面を前記
    入力側の反射面として用い、前記外部接続部品を出力側
    の外部接続部品として用いる時は、当該接続部品の前記
    2つの反射面のうちの1つの反射面とは別の反射面を前
    記出力側の反射面として用いることが出来るように構成
    されていることを特徴とする光分散補償素子。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記外部接続部品が、その前記
    反射体の同じ1つの反射面を入力用外部接続部品として
    も出力用外部接続部品としても使用できる構造になって
    いることを特徴とする光分散補償素子。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記内部接続部品と前記外部接
    続部品のいずれか一方または双方の前記位置決め部品へ
    の取り付け部が、溝または突起部であることを特徴とす
    る光分散補償素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    光分散補償素子において、前記分散補償を行うことが出
    来る素子が、入射光の1460〜1640nmの波長範
    囲において少なくとも1つの極値を有する群速度遅延時
    間−波長特性を有する多層膜を利用して分散補償を行う
    ことが出来ることを特徴とする光分散補償素子。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記多層膜が光の反射率が互いに異なる少なく
    とも2つの反射層と、前記反射層の間に形成された少な
    くとも1つの光透過層を有することを特徴とする光分散
    補償素子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、前記分散補償を行うことが
    できる素子が、光学的性質が異なる積層膜を少なくとも
    5種類(すなわち、光の反射率や膜厚などの光学的な性
    質の異なる積層膜を少なくとも5層)有する多層膜を有
    し、前記多層膜が、光の反射率が互いに異なる少なくと
    も2種類の反射層を含む少なくとも3種類の反射層を有
    するとともに、前記3種類の反射層の他に少なくとも2
    つの光透過層を有し、前記3種類の反射層の各1層と前
    記2つの光透過層の各1層とが交互に配置されており、
    前記多層膜が、膜の厚み方向の一方の側から順に、第1
    の反射層である第1層、第1の光透過層である第2層、
    第2の反射層である第3層、第2の光透過層である第4
    層、第3の反射層である第5層から構成されており、入
    射光の中心波長をλとして、前記第1〜第5層におい
    て、入射光の中心波長λの光に対する光路長(以下、単
    に、光路長ともいう)として考えたときの前記多層膜各
    層の膜厚(以下、単に、膜厚あるいは膜の厚みともい
    う)が、λ/4の整数倍±1%の範囲の値(以下、λ/4
    の整数倍、あるいは、λ/4のほぼ整数倍ともいう)の
    膜厚であり、かつ、前記多層膜が、膜厚がλの1/4倍
    (以下、λの1/4倍±1%の膜厚の意味でλの1/4倍
    の膜厚という)で屈折率が高い方の層(以下、層Hとも
    いう)と膜厚がλの1/4倍で屈折率が低い方の層(以
    下、層Lともいう)を組み合わせた層の複数組で構成さ
    れており、 多層膜Aを、前記5層の積層膜すなわち前記第1〜第5
    層が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層
    H、層Lの順に各1層ずつ組み合わせた層(以下、HL
    の層ともいう)を3セット(層H1層と層L1層とを組
    み合わせた層をHLの層1セットと称する。以下同様)
    積層して構成される第1層、層Hと層Hを組み合わせた
    層(すなわち、層Hを2層重ねて形成した層。以下、H
    Hの層ともいう)を10セット積層して構成される第2
    層、層Lを1層とHLの層を7セットとを積層して構成
    される第3層、HHの層を38セット積層して構成され
    る第4層、層Lを1層とHLの層を13セットとを積層
    して構成される第5層でそれぞれ形成されている多層膜
    とし、 多層膜Bを、前記多層膜AのHHの層を10セット積層
    して形成されている前記第2層の代わりに、前記第2層
    が、多層膜Aの場合と同じ方向の膜の厚み方向の一方の
    側から順に、HHの層を3セット、層Lと層Lを組み合
    わせた層(すなわち、層Lを2層重ねて形成した層。以
    下、LLの層ともいう)を3セット、HHの層を3セッ
    ト、LLの層を2セット、HHの層を1セットをこの順
    に積層して構成される積層膜で形成されている多層膜と
    し、 多層膜Cを、前記多層膜AまたはBのHHの層を38セ
    ット積層して形成されている前記第4層の代わりに、前
    記第4層が、多層膜Aの場合と同じ方向の膜の厚み方向
    の一方の側から順に、HHの層を3セット、LLの層を
    3セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、
    HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を
    3セット、LLの層を3セット、HHの層を3セット、
    LLの層を3セット、HHの層を3セット、LLの層を
    3セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、
    HHの層を2セットをこの順に積層して構成される積層
    膜で形成されている多層膜とし、 多層膜Dを、前記5層の積層膜すなわち前記第1〜第5
    層が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層
    L、層Hの順に各1層ずつ組み合わせた層(以下、LH
    の層ともいう)を5セット積層して構成される第1層、
    LLの層を7セット積層して構成される第2層、層Hを
    1層とLHの層を7セットとを積層して構成される第3
    層、LLの層を57セット積層して構成される第4層、
    層Hを1層とLHの層を13セットとを積層して構成さ
    れる第5層でそれぞれ形成されている多層膜とし、 多層膜Eを、前記5層の積層膜すなわち前記第1〜第5
    層が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、HL
    の層を2セット積層して構成される第1層、HHの層を
    14セット積層して構成される第2層、層Lを1層とH
    Lの層を6セットとを積層して構成される第3層、HH
    の層を24セット積層して構成される第4層、層Lを1
    層とHLの層を13セットとを積層して構成される第5
    層でそれぞれ形成されている多層膜とし、 多層膜Fを、前記多層膜Eの前記HHの層を14セット
    積層して形成されている第2層の代わりに、前記第2層
    が、多層膜Eの場合と同じ方向の膜の厚み方向の一方の
    側から順に、HHの層を3セット、LLの層を3セッ
    ト、HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの
    層を2セット、LLの層を1セット、HHの層を1セッ
    トをこの順に積層して構成される積層膜で形成されてい
    る多層膜とし、 多層膜Gを、前記多層膜EまたはFの前記HHの層を2
    4セット積層して形成されている第4層の代わりに、前
    記第4層が、多層膜Eの場合と同じ方向の膜の厚み方向
    の一方の側から順に、HHの層を3セット、LLの層を
    3セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、
    HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を
    3セット、LLの層を3セット、HHの層を2セット、
    LLの層を1セット、HHの層を1セットをこの順に積
    層して構成される積層膜で形成されている多層膜とし、 多層膜Hを、前記5層の積層膜すなわち前記第1〜第5
    層が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層
    L、LHの層を4セット積層して構成される第1層、L
    Lの層を9セット積層して構成される第2層、層Hを1
    層とLHの層を6セットとを積層して構成される第3
    層、LLの層を35セット積層して構成される第4層、
    層Hを1層とLHの層を13セットとを積層して構成さ
    れる第5層でそれぞれ形成されている多層膜とすると
    き、前記分散補償を行うことが出来る素子が、前記多層
    膜A〜Hのうちの少なくとも1つを有することを特徴と
    する光分散補償素子。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記多層膜を構成する少
    なくとも1つの積層膜の膜厚が、前記多層膜の光の入射
    面に平行な断面における面内方向(以下、入射面内方向
    ともいう)において変化していることを特徴とする光分
    散補償素子。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記分散補償を行うことが出来る素子に係合し
    て、前記多層膜の少なくとも1つの積層膜の膜厚を調整
    する調整手段、あるいは、前記多層膜の入射面における
    光の入射位置を変える手段が設けられていることを特徴
    とする光分散補償素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、前記光分散補償素子が主と
    して3次分散を補償可能であることを特徴とする光分散
    補償素子。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、前記光分散補償素子が主と
    して2次分散を補償可能であることを特徴とする光分散
    補償素子。
  17. 【請求項17】 請求項12〜16のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記層HがSi、Ge、
    TiO2、Ta25、Nb25のいずれかから成る層で
    形成されていることを特徴とする光分散補償素子。
  18. 【請求項18】 請求項12〜17のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記層Lが、層Hに使用
    されている材質よりも屈折率の低い材質を用いて形成さ
    れていることを特徴とする光分散補償素子。
  19. 【請求項19】 請求項12〜18のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記層LがSiO2から
    成る層で形成されていることを特徴とする光分散補償素
    子。
  20. 【請求項20】 光ファイバを通信伝送路に用いた通信
    において光分散補償素子を使用して波長分散(以下、単
    に、分散ともいう)を補償する光分散補償方法であっ
    て、前記光分散補償素子を、分散補償を行うことが出来
    る素子を少なくとも2つを、あるいは、分散補償を行う
    ことが出来る素子の部分(以下、前記分散補償を行うこ
    とが出来る素子と分散補償を行うことが出来る素子の部
    分を総称して分散補償を行うことが出来る素子ともい
    う)を少なくとも2箇所を、信号光の通信経路に沿って
    接続部品を介して直列に接続して構成して(以下、前記
    光分散補償素子を構成する前記分散補償を行うことが出
    来る素子間を接続する接続部品を内部接続部品とも称
    し、前記光分散補償素子と前記光分散補償素子の外部と
    を接続する部品を外部接続部品とも称す)前記分散を補
    償することを特徴とする光分散補償方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の光分散補償方法に
    おいて、少なくとも1つの前記内部接続部品が、2つの
    異なる反射面を有する反射体と少なくとも1つのレンズ
    を有し、前記分散補償を行うことが出来る素子を少なく
    とも1つ装着されており、位置決め部品に係合する取り
    付け部を有しており、前記1つの内部接続部品の入射口
    から入射した信号光が、前記反射体の1つの反射面か
    ら、前記分散補償を行うことが出来る素子に向けて反射
    し、前記レンズを介して前記分散補償を行うことが出来
    る素子に至り分散補償を施されて、前記分散補償を行う
    ことが出来る素子から出射されて前記レンズを通り、前
    記反射体の前記1つの反射面とは別の反射面で前記内部
    接続部品の出射口に向けて反射され、前記内部接続部品
    の入射口から前記反射体に入射された信号光の進行方向
    と平行な進行方向に出射され、前記1つの内部接続部品
    から出射された信号光は、前記1つの内部接続部品に続
    く他の1つの内部接続部品に入射されて再び分散補償を
    受けるか、前記外部接続部品に入射して、外部へと出射
    される構成の光分散補償素子を用いて前記通信における
    分散を補償することを特徴とする光分散補償方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記光分散補償素子の前記位置決め部品が、少
    なくとも一本のアライメント用の棒であり、前記内部接
    続部品と前記外部接続部品が、前記アライメント用の棒
    に係合して信号光の光路を形成するように組み立てられ
    ることを特徴とする光分散補償方法。
  23. 【請求項23】 請求項20〜22のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記光分散補償素子の入
    力側に配置される前記外部接続部品が、少なくとも1つ
    の反射面を有する反射体と、少なくとも2つのレンズ
    と、光ファイバ結合部とを有し、前記2つのレンズのう
    ちの少なくとも1つは非球面レンズであり、前記光ファ
    イバ結合部の光ファイバから入射された信号光は、前記
    2つのレンズのうちの1つである前記非球面レンズを経
    て、他の1つのレンズを通り、前記反射体の1つの反射
    面で反射されて前記外部接続部品の出射口から内部接続
    部品の入射口に入射し、前記外部接続部品からの出射光
    の進行方向が、前記外部接続部品に続いて配置される内
    部接続部品における入射光の進行方向と平行な1つの光
    路になるように前記外部接続部品と前記内部接続部品と
    を組み込んで分散を補償することを特徴とする光分散補
    償方法。
  24. 【請求項24】 請求項22または23に記載の光分散
    補償方法において、前記光分散補償素子の出力側に配置
    される外部接続部品が、少なくとも1つの反射面を有す
    る反射体と、少なくとも2つのレンズと、光ファイバ結
    合部とを有し、前記出力側の外部接続部品の入射口から
    入射された信号光が、前記反射体の1つの反射面で反射
    され、前記2つのレンズのうちの1つのレンズを通り、
    前記2つのレンズのうちの他の1つのレンズである前記
    非球面レンズを通り、前記光ファイバ結合部の光ファイ
    バに光結合して出射されることを特徴とする光分散補償
    方法。
  25. 【請求項25】 請求項22〜24のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記外部接続部品の前記
    反射体が、少なくとも2つの反射面を有し、同一型の外
    部接続部品として前記光分散補償素子の入力側に配置し
    て用いることも出来、また、前記光分散補償素子の出力
    側に配置して用いることも出来ることを特徴とする光分
    散補償方法。
  26. 【請求項26】 請求項20〜25のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記光分散補償素子に組
    み込まれる前記分散補償を行うことが出来る素子が、入
    射光の1460〜1640nmの波長範囲において、少
    なくとも1つの極値を有する群速度遅延時間−波長特性
    を有する多層膜を利用して分散補償を行うことが出来る
    素子であることを特徴とする光分散補償方法。
  27. 【請求項27】 請求項20〜26のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記光分散補償素子に用
    いる分散補償を行うことが出来る素子の主要構成要素で
    ある前記多層膜として、前記多層膜を構成する少なくと
    も1つの積層膜の膜厚が、前記多層膜の光の入射面に平
    行な断面における面内方向(以下、入射面内方向ともい
    う)において変化している多層膜を用いる光分散補償素
    子であることを特徴とする光分散補償方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記光分散補償素子として、前記分散補償を行
    うことが出来る素子に係合して、前記多層膜の少なくと
    も1つの積層膜の膜厚を調整する調整手段、あるいは、
    前記多層膜の入射面における光の入射位置を変える手段
    が設けられている光分散補償素子を用いることを特徴と
    する光分散補償方法。
  29. 【請求項29】 請求項20〜28のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記光分散補償方法が主
    として3次分散を補償することが出来ることを特徴とす
    る光分散補償方法。
  30. 【請求項30】 請求項20〜29のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記光分散補償方法が主
    として2次分散を補償することが出来ることを特徴とす
    る光分散補償方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002031542A1 (fr) * 2000-10-13 2002-04-18 Oyokoden Lab Co., Ltd. Element de correction de dispersion optique, element composite de correction de dispersion optique utilisant cet element, et procede de correction de dispersion optique utilisant cet element

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