JP2001305338A - 光分散補償素子 - Google Patents

光分散補償素子

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JP2001305338A
JP2001305338A JP2000119942A JP2000119942A JP2001305338A JP 2001305338 A JP2001305338 A JP 2001305338A JP 2000119942 A JP2000119942 A JP 2000119942A JP 2000119942 A JP2000119942 A JP 2000119942A JP 2001305338 A JP2001305338 A JP 2001305338A
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JP2000119942A
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Kazuro Kikuchi
和朗 菊池
Yuichi Takushima
裕一 多久島
Kenneth Zhaboronski Mark
ケンネス ジャボロンスキー マーク
Yuichi Tanaka
佑一 田中
Haruki Kataoka
春樹 片岡
Kenji Kojo
健司 古城
Shin Azuma
伸 東
Kazuya Sato
一也 佐藤
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Oyokoden Lab Co Ltd
Original Assignee
Oyokoden Lab Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバを使用する光通信システムにおい
て、通信ビットレートの高速化、通信距離の長距離化に
よって、従来の波長分散補償方法では正確な通信ができ
なくなり、3次以上の波長分散補償が必要になると予測
されている。しかし、3次の波長分散補償の十分な対策
は提案されていない。 【解決手段】 屈折率の高い層(層H)と低い層(層
L)とを組合わせて、第1の反射層、第1の光透過層、
第2の反射層、第2の光透過層、第3の反射層の順に形
成した多層膜を用いて光分散補償素子を作成して3次分
散を完全に補償することができた。そして、前記多層膜
を入射面内方向において膜厚が変化するように構成した
ところ、種々の入射光に対して3次の分散補償ができる
光分散補償素子を作成することができた。挿入損失は
0.5dB以下にすることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送路に光ファイ
バを用いた光通信において生ずる3次以上の波長分散
(以下、単に、分散ともいう)を補償可能な素子(以
下、3次の分散を変えることができる素子、あるいは、
3次分散補償素子ともいう。また、2次の分散を補償可
能な素子についても、これと同様に、2次の分散を変え
ることができる素子、あるいは、2次分散補償素子とも
いう。)を有する光分散補償素子に関する。本発明の光
分散補償素子は、前記の3次分散補償素子だけの場合も
あり、また、後述の入射面内における入射光の入射位置
を変化させる手段を含む場合もあり、また、2次の分散
補償も可能なように構成されている場合もあり、実装さ
れている場合もあり、実装されていないいわゆるチップ
状やウェハー状の場合もある。本発明の光分散補償素子
は、これらのすべての形態を含んでおり、使用や販売な
どの目的に応じて、種々の形態をとることができるもの
である。
【0002】本発明では、2次の分散補償とは「図5
(A)を用いて後述する波長−時間特性曲線の分散の傾
きを補償すること」を意味し、3次の分散補償とは「図
5(A)を用いて後述する波長−時間特性曲線の曲がり
の補償」を意味する。
【0003】
【従来の技術】通信伝送路に光ファイバを用いた光通信
においては、利用技術の進展および利用範囲の拡大とと
もに、通信伝送路の長距離化や通信ビットレートの高速
化が求められている。このような環境下では、光ファイ
バを伝送するときに生じる分散が大きな問題となり、分
散の補償が種々試みられている。現在、2次の分散が大
きな問題となり、その補償が種々提案され、そのうちの
いくつかの提案が効果をあげている。
【0004】しかし、光通信に対する要求が高度になる
につれて、送信中の2次の分散の補償だけでは不充分に
なり、3次の分散の補償が課題になりつつある。
【0005】以下、図5および図6を使用して、従来の
2次の分散補償方法を説明する。
【0006】図6は、シングルモード光ファイバ(以
下、SMFとも称す)と分散補償ファイバ、および分散
シフトファイバ(以下、DSFとも称す)の分散−波長
特性を説明する図である。図6において、符号601は
SMFの分散−波長特性を示すグラフ、602は分散補
償ファイバの分散−波長特性を示すグラフ、603はD
SFの分散−波長特性を示すグラフで、縦軸を分散、横
軸を波長にとったグラフである。
【0007】図6で明らかなように,SMFでは、ファ
イバに入力する光の波長が1.3μmから長くなるにつ
れて分散は増大し,分散補償ファイバでは,入力光の波
長が1.3μmから1.8μmまで長くなるにつれて分
散は減少する。また、DSFでは、入力光の波長が1.
2μmから1.55μm付近まで長くなるにつれて分散
は小さくなり、波長が1.55μm付近から1.8μm
へと長くなるにつれて分散が増大する。そして、DSF
では、従来の2.5Gbps(毎秒2.5ギガビット)
程度の通信ビットレートの光通信においては、入力光の
波長が1.55μm付近では、光通信上分散が支障を生
じない。
【0008】図5は、主として2次の分散の補償方法を
説明する図であり、(A)は波長−時間特性と光強度−
時間特性を、(B)はSMFと分散補償ファイバを用い
て2次の分散補償を行った伝送路の例を、(C)はSM
Fだけで構成した伝送路を説明する図である。
【0009】図5において、符号501と511は伝送
路に入力する前の信号光の特性を示すグラフを、530
はSMF531で構成された伝送路を、502と512
は、グラフ501と511で示した特性の信号光が伝送
路530を伝送されて伝送路530から出力された信号
光の特性を示すグラフを、520は分散補償ファイバ5
21とSMF522から構成された伝送路を、503と
513は、グラフ501と511で示した特性の信号光
が伝送路520を伝送されて伝送路520から出力され
た信号光の特性を示すグラフである。符号504および
514は、グラフ501と511で示した特性の信号光
が伝送路520を伝送されて伝送路520から出力され
て後、本発明によって、後述の望ましい3次分散補償を
施されたときの信号光の特性を示すグラフであり、グラ
フ501および511とほとんど一致している。また、
グラフ501、502、503、504はそれぞれ縦軸
を波長、横軸を時間(または時刻)にとったグラフであ
り、グラフ511、512、513、514はそれぞれ
縦軸を光強度、横軸を時間(または時刻)にとったグラ
フである。なお、符号524と534は送信器、525
と535は受信器である。
【0010】従来のSMFは、前述のように、信号光の
波長が1.3μmから長くなるにつれて分散が増加する
ため、高速通信や長距離伝送の際には、分散による群速
度遅延を生じる。SMFで構成された伝送路530で
は、信号光は伝送中に長波長側が短波長側に比べ大きく
遅延して、グラフ502と512に示すようになる。こ
のように変化した信号光は、たとえば高速通信・長距離
伝送においては、前後の信号光と重なって正確な信号と
して受信できない場合がある。
【0011】このような問題を解決するため、従来は、
たとえば、図5(B)に示すように分散補償ファイバを
用いて分散を補償(以下、補正ともいう)している。従
来の分散補償ファイバは、波長が1.3μmから長くな
るにつれて分散が増加するというSMFの問題点を解決
するため、前述のように、波長が1.3μmから長くな
るにつれて分散が減少するように作られている。また、
分散補償ファイバは、たとえば、図5の伝送路520で
示すように、SMF522に分散補償ファイバ521を
接続して用いることができる。上記伝送路520では、
信号光は、SMF522では長波長側が短波長側に比べ
て大きく遅延し、分散補償ファイバ521では短波長側
が長波長側に比べて大きく遅延することにより、グラフ
503と513に示すように、グラフ502と512に
示す変化よりも変化量を小さく抑えることが出来る。
【0012】しかし、分散補償ファイバを使用した上記
従来の2次の波長分散の補償方法では、伝送路を伝送し
た信号光の波長分散を、伝送路に入力する前の信号光の
状態、すなわち、グラフ501の形までには分散補償す
ることはできず、グラフ503の形まで補償するのが限
界である。グラフ503に示すように、分散補償ファイ
バを使用した従来の2次の波長分散の補償方法では、信
号光の中心波長の光が短波長側の光および長波長側の光
に比べて遅延せず、信号光の短波長側および長波長側の
成分のみが遅延する。そして、グラフ513に示すよう
にグラフの一部にリップルが生じることがある。
【0013】これらの現象は、光通信の伝送距離の長距
離化と通信速度の高速化のニーズが高まるに従い、正確
な信号受信ができなくなるなどの大きな問題となりつつ
ある。たとえば、通信ビットレートが20Gbps(毎
秒20ギガビット)以上の高速通信においては、これら
の現象がかなり心配されており、特に、通信ビットレー
トが40Gbps以上の通信においては極めて重大な課
題として心配されている。そして、このような高速通信
においては、従来の光ファイバ通信システムを使用する
ことは困難と考えられており、たとえば、光ファイバ自
体の材質も変える必要が叫ばれるなど、システム構築の
経済的な観点からも重大問題となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような分散補償を
行うには、2次の分散補償だけでは困難であり、3次以
上の分散補償が必要になる。
【0015】従来、波長が1.55μm付近の光に対し
て2次の分散が少なくなるような光ファイバ(以下、光
ファイバのことを、単に、ファイバともいう)としてD
SFがあるが、このファイバでは、図5,図6の特性か
らも明らかなように本発明の課題とする3次の分散補償
はできない。
【0016】光通信の高速通信化、長距離通信化を実現
するにあたり、3次の分散は大きな問題として次第に認
識され、その補償が重要な課題となりつつある。3次の
分散の補償問題を解決すべく、多くの試みが行なわれて
いるが、従来の課題を十分に解決することができる3次
分散補償素子や補償方法はまだ実用化されていない。
【0017】前記の3次分散の補償に用いる光分散補償
素子および3次の分散補償を行うことができる光学装置
を構成する主要な素子である3次分散補償素子の一例と
して本発明者らが提案した誘電体多層膜などは、3次の
分散補償に成功し、従来の光通信技術を大きく前進させ
ることが出来た。しかし、多チャンネルの光通信におけ
る3次の分散の補償を行うには、群速度遅延の波長帯域
および群速度遅延の遅延時間を調整可能な3次分散補償
素子の必要性が叫ばれている。特に、各チャンネルの波
長にも適する3次以上の分散補償素子を安価に実用化す
る1つの方法として、波長可変な(すなわち、分散補償
対象波長を選択可能な)分散補償素子を実現する必要が
ある。
【0018】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、従来実用化することが出来
なかった優れた群速度遅延時間−波長特性を有する光分
散補償素子を信頼性が高く、量産で、安価に提供すると
ともに、さらに、群速度遅延の波長帯域および遅延時間
の調整機能を有する多層膜素子を用いた、3次以上の分
散補償を可能にする光分散補償素子を提供することにも
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の目的の達成を図
るため、本発明の光分散補償素子は、いくつかの実施の
形態を有しており、それぞれ特徴を有している。
【0020】本発明の光分散補償素子を製造し易く、安
価に提供するにあたり、本発明の光分散補償素子の一例
においては、前記多層膜を、多層膜の厚み方向の一方の
側から順に、第1の反射層である第1層、第1の光透過
層である第2層、第2の反射層である第3層、第2の光
透過層である第4層、第3の反射層である第5層から構
成し、前記第1〜第5層において、入射光の中心波長を
λとして、入射光の中心波長λの光に対する光路長(以
下、単に、光路長ともいう)として考えたときの膜厚
(以下、単に、膜厚あるいは膜の厚みともいう)が、λ
/4の整数倍±1%の範囲の値(以下、λ/4の整数倍、
あるいは、λ/4のほぼ整数倍ともいう)の膜厚であ
り、かつ、前記多層膜が、膜厚がλの1/4倍(以下、
λの1/4倍±1%の膜厚の意味でλの1/4倍の膜厚と
いう。)で屈折率が高い方の層(以下、層Hともいう)
と膜厚がλの1/4倍で屈折率が低い方の層(以下、層
Lともいう)を組み合わせた層の複数組で構成されてお
り、前記5層の積層膜すなわち前記第1〜第5層が、前
記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層H、層Lの
順に各1層ずつ組み合わせた層(以下、HLの層ともい
う)を3セット(層H1層と層L1層を組み合わせた層
をHLの層1セットと称する、以下同様)積層して構成
される第1層、層Hと層Hを組み合わせた層(すなわ
ち、層Hを2層重ねて形成した層。以下、HHの層とも
いう)を10セット積層して構成される第2層、層Lを
1層とHLの層を7セットとを積層して構成される第3
層、HHの層を38セット積層して構成される第4層、
層Lを1層とHLの層を13セットとを積層して構成さ
れる第5層でそれぞれ形成されていることを特徴として
いる。
【0021】さらに、本発明の効果的な光分散補償素子
の他の例においては、前記HHの層を10セット積層し
て形成されている第2層の代わりに、前記第2層が、前
記第2層の場合と同じ方向である膜の厚み方向の一方の
側と同じ側から順に、HHの層を3セット、層Lと層L
を組み合わせた層(以下、LLの層ともいう)を3セッ
ト、HHの層を3セット、LLの層を2セット、HHの
層を1セットをこの順に積層して構成される積層膜で形
成されていることを特徴としている。
【0022】そして、本発明の効果的な光分散補償素子
の他の例においては、前記HHの層を38セット積層し
て形成されている第4層の代わりに、前記第4層が、前
記第4層の場合と同じ方向である膜の厚み方向の一方の
側から順に、HHの層を3セット、LLの層を3セッ
ト、HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの
層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を3セッ
ト、LLの層を3セット、HHの層を3セット、LLの
層を3セット、HHの層を3セット、LLの層を3セッ
ト、HHの層を3セット、LLの層を3セット、HHの
層を2セットをこの順に積層して構成される積層膜で形
成されていることを特徴としている。
【0023】そして、本発明の光分散補償素子の別の例
において、前記多層膜が、多層膜の厚み方向の一方の側
から順に、第1の反射層である第1層、第1の光透過層
である第2層、第2の反射層である第3層、第2の光透
過層である第4層、第3の反射層である第5層から構成
されており、前記多層膜が、前記多層膜の厚み方向の一
方の側から順に、層L、層Hの順に各1層ずつ組み合わ
せた層(以下、LHの層ともいう)を5セット積層して
構成される第1層、LLの層を7セット積層して構成さ
れる第2層、層Hを1層とLHの層を7セットとを積層
して構成される第3層、LLの層を57セット積層して
構成される第4層、層Hを1層とLHの層を13セット
とを積層して構成される第5層でそれぞれ形成されてい
ることを特徴としている。
【0024】そして、本発明の実用的な光分散補償素子
においては、前記層HがSi、Ge、TiO2、Ta2
5、Nb25のいずれかから成る層で形成されているこ
とを特徴としており、前記層Lが、層Hに使用されてい
る材質よりも屈折率の低い材質を用いて形成されている
ことを特徴としている。そして、代表的な例として、層
LがSiO2から成る層で形成されていることを特徴と
している。
【0025】本発明の光分散補償素子は、光学的性質が
異なる積層膜を少なくとも5種類(すなわち、光の反射
率や膜厚などの光学的な性質の異なる積層膜を少なくと
も5層)有する多層膜を有し、前記多層膜が光の反射率
が互いに異なる少なくとも2種類の反射層を含む少なく
とも3種類の反射層を有するとともに、前記3種類の反
射層の他に少なくとも2つの光透過層を有し、前記3種
類の反射層の各1層と前記2つの光透過層の各1層とが
交互に配置されており、入射光の中心波長をλとして、
前記多層膜の3種類の反射層の波長λの光に対する反射
率が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順にそれぞ
れ50〜77%、96〜99.8%、98%以上である
ことを特徴としている。
【0026】そして、本発明の光分散補償素子におい
て、前記多層膜の前記第1層、第3層、第5層の前記波
長λの光に対する反射率(以下、入射光の中心波長λの
光に対する反射率を、単に、反射率ともいう)をそれぞ
れR1、R3、R5とするとき、R1<R3<R5であ
ることを特徴としている。そして、これらの反射率の関
係はR1≦R3≦R5であっても本発明による良好な分
散補償を行うことができる。
【0027】そして本発明の効果大なる光分散補償素子
においては、少なくとも1層の前記光透過層の膜厚が、
前記多層膜の光の入射面に平行な面内方向(以下、入射
面内方向ともいう)において変化しているように、すな
わち、入射面内方向の各位置において膜厚が異なるよう
に前記光透過層が形成されていることを特徴としてい
る。
【0028】そして、本発明の光分散補償素子において
は、前記入射面内方向において膜厚が変化している光透
過層が2層あるように構成することができることを特徴
としている。
【0029】また、本発明の光分散補償素子の例におい
ては、膜厚が前記入射面内方向において変化している反
射層が少なくとも1層あるように構成することができる
ことを特徴としている。
【0030】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記膜厚が変化している当該反射層または当該
光透過層の少なくとも1つの層の入射面内方向における
膜厚の変化が、前記多層膜の幅もしくは長さもしくは径
方向など、その膜厚が変化している方向の少なくとも1
つの方向において、単調増加もしくは単調減少であるこ
とを特徴としている。
【0031】また、本発明の光分散補償素子の例におい
ては、前記膜厚が変化している当該反射層または当該光
透過層の少なくとも1つの層の入射面内方向における膜
厚の変化が、前記多層膜の幅もしくは長さもしくは径方
向など、その膜厚が変化している方向の少なくとも1つ
の方向において、単調増加でも単調減少でもなく、少な
くとも1つの膜厚の極値を有することを特徴としてい
る。
【0032】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記膜厚が変化している当該反射層または当該
光透過層の少なくとも1つの層の入射面内方向における
膜厚の変化している方向(以下、膜厚変化の方向ともい
う)が1次元であることを特徴としている。
【0033】本発明の光分散補償素子の例においては、
前記膜厚が変化している光透過層が2層あり入射面内方
向における素子全体としての膜厚変化の方向が2次元で
あることを特徴としている。
【0034】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記膜厚が変化している2層の光透過層におけ
るそれぞれの膜厚変化の方向のなす角が+30度〜+1
50度または−30度〜−150度の範囲であることを
特徴としている。
【0035】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記膜厚が変化している少なくとも1層の光透
過層の膜厚変化の方向と同じ膜厚変化の方向を有する反
射層が、少なくとも1層存在することを特徴としてい
る。
【0036】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記膜厚の変化する光透過層が2層であり、各
光透過層の膜厚変化の方向とほぼ同じ膜厚変化の方向を
有する反射層が該光透過層それぞれに対応して少なくと
も各1層あることを特徴としている。
【0037】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、光分散補償対象波長と光分散補償量を変化させ
ることができることを特徴としている。
【0038】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記反射層および光透過層における入射光の入
射位置を変えることによって、群速度遅延時間−波長特
性曲線における群速度遅延時間の極値を与える波長(以
下、極値波長ともいう)が比較的大きく変化する方向
(以下、波長調整方向ともいう)と、前記極値波長はあ
まり大きく変化させずに群速度遅延時間−波長特性曲線
の形が変化する(すなわち、調整することができる)方
向(以下、曲線調整方向ともいう)があり、前記光分散
補償対象波長の代表波長(中心波長あるいは補償帯域の
中央の波長)を前記極値波長とすることができ、前記光
分散補償量は群速度遅延時間−波長特性曲線から得られ
る遅延時間であり、該波長調整方向と該曲線調整方向と
のなす角が+30度〜+150度あるいは、−30度〜
−150度であることを特徴としている。その典型的な
1つの例では、前記波長調整方向と前記曲線調整方向が
ほぼ直交していることを特徴としている。
【0039】そして、本発明の光分散補償素子において
は、その実用上の観点から前記光分散補償対象波長と前
記光分散補償量の少なくとも一方を調整する手段があ
り、その手段が手動、あるいは、プリズムや光導波路な
どを利用した光学的手段、あるいは、電気的手段である
ことを特徴としている。
【0040】そして、前記調整する手段には入射光の位
置を移動する方法と光分散補償素子を構成している多層
膜を移動させる方法があり、その調整手段が電気的手段
の場合、その調整手段としてステップモータ、連続的に
位置変化が可能なモータ、圧電モータなどがある。
【0041】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記多層膜が、少なくとも一対の反射層と、前
記少なくとも一対の反射層にはさまれた1つの光透過層
とで構成される光学的キャビティ(以下、単に、キャビ
ティともいう)を少なくとも2つ有することを特徴とし
ている。
【0042】そして、本発明の光分散補償素子の例にお
いては、前記2つの各キャビティの共振波長あるいは前
記光通信に使用する波長帯域でのFSR(Free S
p−ectral Range)が、前記入射面内方向
において変化していることを特徴としている。
【0043】さらに、本発明の光分散補償素子において
は、前記多層膜の入射面内方向における同一位置に置い
て、前記2つのキャビティをはさむ前記反射層間の間隔
が異なることを特徴としている。
【0044】そして、本発明の光分散補償素子におけ
る、前記入射光の中心波長λが1460nm〜1640
nmの範囲における波長であることを特徴としている。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、説明に用いる各図は
本発明を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配
置関係などを概略的に示してある。そして本発明の説明
の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあ
り、本発明の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの
実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図にお
いて、同様な構成成分については同一の番号を付けて示
し、重複する説明を省略することもある。
【0046】図1は本発明の3次分散補償素子の例とし
て用いる多層膜の断面をモデル的に説明する図である。
図1において、符号100は本発明の光分散補償素子と
しての多層膜、101は入射光の方向を示す矢印、10
2は出射光の方向を示す矢印、103、104は反射率
が100%未満の反射層(以下、反射膜ともいう)、1
05は反射率が98〜100%の反射層、108、10
9は光透過層、111、112はキャビティである。ま
た、符号107は基板で、たとえば、BK―7ガラスを
使用している。
【0047】図1の各反射層103、104、105の
反射率R(103)、R(104)、R(105)は、
R(103)≦R(104)≦R(105)の関係にあ
る。そして、各層の反射率を互いに異なるように設定す
ることが量産上好ましい。すなわち、入射光が入射する
側から多層膜の厚み方向に向かって、入射光の中心波長
λに対する各反射層の反射率が次第に大きくなるように
形成する。そして、各反射層の前記波長λの光に対する
反射率を、50%≦R(103)≦77%、96%≦R
(104)≦99.8%、98%≦R(105)の範囲
にとって、前記R(103)、R(104)、R(10
5)の関係を満たすように構成することにより、後述の
図4に示すような群速度遅延時間−波長特性曲線を得る
ことができる。そして、R(103)<R(104)<
R(105)にすることがより好ましく、R(105)
を100%にできるだけ近づけるか100%にすること
がより好ましい。
【0048】そして、本発明の光分散補償素子をより製
造しやすくするために、隣り合う各反射層間の光路長と
して考えたときの間隔が異なるように各反射層の形成条
件を選ぶことが好ましく、各反射層の反射率の設計精度
をゆるめることができ、膜厚が波長λの4分の1の単位
膜の組み合わせ(λ/4の整数倍の膜厚の膜)で本発明
の3次分散補償素子に用いられる多層膜を形成すること
ができ、信頼性が高く、量産性が優れた3次分散補償素
子を安価に提供することができる。
【0049】なお、前記多層膜の膜厚が波長λの4分の
1であると記載したが、これは、前記の如く、量産にお
ける膜の形成で許容される誤差の範囲内においてλ/4
という意味であり、具体的には、λ/4±1%において
本発明でいうλ/4の膜厚を意味しており、誤差無しの
λ/4のみならずこの範囲においても本発明は大きな効
果を発するものである。そこで、本発明ではこの範囲の
膜厚をλ/4の厚みということにする。特に、上記単位
膜の厚みをλ/4±0.5%(この場合のλ/4は誤差
無しのλ/4の意味)にすることにより、量産性を損な
わずに、バラツキが少なく信頼性の高い多層膜を形成す
ることができ、図3、図4で後述するような光分散補償
素子を安価に提供することができる。
【0050】図2は、図1の多層膜100の後述する入
射面220の面内方向において、前記多層膜100の膜
厚を変化させた例を説明する図である。
【0051】図2において、符号200は本発明の光分
散補償素子の一例としての多層膜、201は第1の反射
層、202は第2の反射層、203は第3の反射層、2
05は基板、206は第1の光透過層、207は第2の
光透過層、211は第1のキャビティ、212は第2の
キャビティ、220は光入射面、230は入射光の方向
を示す矢印、240は出射光の方向を示す矢印、250
は第1の膜厚変化方向を示す矢印、260は第2の膜厚
変化方向を示す矢印である。
【0052】図2において、たとえば、BK−7ガラス
などから成る基板205の上に、第3の反射層203,
第2の光透過層207、第2の反射層202、第1の光
透過層206、第1の反射層201が、順次形成されて
いる。
【0053】第1の光透過層206の厚みが矢印250
で示す方向に変化する(図の右から左の方向に次第に厚
くなっている)ように、そして、第2の光透過層207
の厚みが矢印260で示す方向に変化する(図の手前か
ら向こう側に次第に厚くなっている)ように、前記多層
膜を形成する。第1から第3の反射層の厚みは、第1お
よび第2のキャビティの共振波長が一致したときの波長
が入射光の中心波長λになったときに、第1、第2、第
3の各反射層の反射率が、前記R(103)、R(10
4)、R(105)の条件を満たすような膜厚に形成す
る。
【0054】図3は、本発明の光分散補償素子の例とし
ての多層膜(以下、光分散補償素子ともいう)200の
入射面220において、図2の矢印230の方向から入
射光を入射し、矢印240の方向に出射光を得るように
し、入射光の入射位置を後述の矢印270あるいは27
1の方向に移動した時の、群速度遅延時間−波長特性曲
線の変化する様子を説明するものである。
【0055】図3(A)は本発明の光分散補償素子とし
ての多層膜200の前記入射面220内における入射光
の入射位置を説明する図で、符号270,271は入射
光の入射位置を移動させる方向を示す矢印を示す。
【0056】図3(B)は、入射位置280〜282に
中心波長λの入射光を入射させたときの群速度遅延時間
−波長特性曲線を示し、縦軸は群速度遅延時間、横軸は
波長である。
【0057】反射層201〜203および光透過層20
6と207の各矢印250と260で示す方向に膜厚を
変化させる条件を適切に選ぶことによって、前記入射光
の入射面220における入射位置を矢印270で示す方
向(すなわち、波長調整方向)に移動させたとき、群速
度遅延時間−波長特性曲線の形状をほぼ同様の形に維持
しつつ、群速度遅延時間−波長特性曲線の帯域中心波長
λ0(たとえば、図3(B)のほぼ左右対称の形状の群
速度遅延時間−波長特性曲線2801における極値を与
える波長)が変化し、そして、その位置から矢印271
で示す方向(すなわち、曲線調整方向)に前記入射位置
を移動させたとき、前記波長λ0はほとんど変わらず
に、群速度遅延時間−波長特性曲線の形状を、図3
(B)の曲線2811,2812のように変化させるこ
とができる。
【0058】曲線2801〜2812における帯域中心
波長λ0は、分散補償の目的によって、たとえば図3
(B)のグラフの適切な波長のところに設定するが、た
とえば、図3(B)に図示の曲線の波長の範囲のほぼ中
央値にとってもよく、分散補償の目的に応じて適宜定め
ても良い。また、曲線2801〜2812の間のそれぞ
れの極値波長など曲線の各特徴点の波長の対応関係をあ
らかじめ調べておくことなどはここに記載しなくても当
然のことである。
【0059】このようにして、たとえば、まず、分散補
償すべき入射光の中心波長λに該当する帯域中心波長λ
0を一致させるように、入射光の入射位置を矢印270
の方向に移動して決め、分散補償すべき補償の内容、す
なわち、入射光の分散状況に適合して、分散補償に用い
る群速度遅延時間−波長特性曲線の形状を、たとえば図
3(B)の各曲線などから選択し、それに応じて、矢印
271で示す方向に前記入射位置をたとえば符号280
〜282で表す各点などのように選択することにより、
信号光に求められる分散補償を効果的に行うことができ
る。
【0060】図3(B)の群速度遅延時間−波長特性曲
線の形状からも明らかなように、本発明の光分散補償素
子を用いて、たとえば、曲線2801を用いて3次分散
補償を行うことができ、曲線2811または2812の
比較的直線成分に近い部分を用いて、2次の微細な分散
補償を行うことができる。
【0061】本発明の光分散補償素子は、図2に示す光
分散補償素子としての多層膜200のように、ウェハー
状のものを適当に保持して用いることもでき、また、入
射面220内での必要な部分を含むように、小さく厚み
方向に、すなわち、入射面220から基板205の方向
に、たとえば垂直に、切断したチップ状にして、たとえ
ばファイバコリメータとともに筒状のケースに実装して
光分散補償素子として用いることもできるなど、その形
態は多様な可能性を有するものであり、そのいずれの場
合においても、本発明で説明する主たる効果をもたらす
ものである。
【0062】
【実施例】図1の光分散補償素子の第1のキャビティと
第2のキャビティの共振波長がほぼ一致する波長の光を
入射光の中心波長λとし、λを1550nm近傍に選
び、以下のように第1〜第3の反射層と、第1と第2の
光透過層を形成した。
【0063】<実施例1>図1に示したような断面を有
する前記5層の積層膜すなわち前記第1〜第5層が、前
記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、HLの層を3
セット積層して構成される第1層である第1の反射層1
03と、層Hと層Hを組み合わせた層(HHの層)を1
0セット積層して構成される第2層である第1の光透過
層108と、層Lを1層とHLの層を7セットとを積層
して構成される第3層である第2の反射層104と、H
Hの層を38セット積層して構成される第4層である第
2の光透過層109と、層Lを1層とHLの層を13セ
ットとを積層して構成される第5層である第3の反射層
105とでそれぞれ形成されているように図1の光分散
補償素子の例としての多層膜100を構成したところ極
めて良好な分散補償を行うことができた。ここにおける
分散補償は主として3次分散補償であるが、2次の微細
な分散補償としても用いることができる。
【0064】<実施例2>また、実施例1における前記
HHの層を10セット積層して形成されている第2層の
代わりに、前記第2層が、実施例1におけると同様の方
向である膜の厚み方向の一方の側(すなわち、前記第1
の反射層103の側)から順に、HHの層を3セット、
層Lと層Lを組み合わせた層(すなわち、層Lを2層重
ねて形成した層、LLの層)を3セット、HHの層を3
セット、LLの層を2セット、HHの層を1セットをこ
の順に積層して構成される積層膜で形成されているよう
に図1の光分散補償素子の例としての多層膜100を構
成したところ、良好な分散補償を行うことができた。こ
こにおける分散補償は主として3次分散補償であるが、
2次の微細な分散補償としても用いることができる。
【0065】<実施例3>また、実施例1および2にお
ける前記HHの層を38セット積層して形成されている
第4層の代わりに、前記第4層が、実施例1におけると
同様の方向である膜の厚み方向の一方の側(すなわち、
前記第2の反射層104の側)から順に、HHの層を3
セット、LLの層を3セット、HHの層を3セット、L
Lの層を3セット、HHの層を3セット、LLの層を3
セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、H
Hの層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を3
セット、LLの層を3セット、HHの層を3セット、L
Lの層を3セット、HHの層を2セットをこの順に積層
して構成される積層膜で形成されているように図1の光
分散補償素子の例としての多層膜100を構成したとこ
ろ、良好な分散補償を行うことができた。ここにおける
分散補償は主として3次分散補償であるが、2次の微細
な分散補償としても用いることができる。
【0066】<実施例4>さらに、図1の光分散補償素
子の例としての多層膜100を、実施例1におけると同
様の方向である膜の厚み方向の一方の側から順に、LH
の層を5セット積層して構成される第1層である第1の
反射層103と、LLの層を7セット積層して構成され
る第2層である第1の光透過層108と、層Hを1層と
LHの層を7セットとを積層して構成される第3層であ
る第2の反射層104と、LLの層を57セット積層し
て構成される第4層である第2の光透過層109と、層
Hを1層とLHの層を13セットとを積層して構成され
る第5層である第3の反射層105とでそれぞれ形成さ
れているように構成したところ、良好な分散補償を行う
ことができた。ここにおける分散補償は主として3次分
散補償であるが、2次の微細な分散補償としても用いる
ことができる。
【0067】<実施例5>上記の実施例1〜4は、入射
光の中心波長λが1550nm近傍になるようにして、
各光分散補償素子を作成した。
【0068】さらに、実施例1〜4と同様の構成にした
多層膜を、入射光の中心波長λとして、1550±15
nmの範囲で選択できるように、図2と図3で前述した
入射面内において膜厚が変化するようにした構成の光分
散補償素子としての多層膜200を作成した。
【0069】このように作成した膜厚が前記入射位置に
よって異なる多層膜のうち、前記実施例2の多層膜の第
4層(HHの層を38セット積層して形成した層)の代
わりに、前記実施例3の多層膜の第4層を前記第4層と
して形成した多層膜を用いて、図5の伝送路520のよ
うに分散補償ファイバ521とSMF522で構成した
伝送長100kmの伝送路を伝送させた40Gbpsの
信号光の3次分散補償を行ったところ、通信に全く異常
を生じないで通信することができた。さらに、DSFで
構成した長さ100Kmの伝送路を伝送させた40Gb
psの信号光の3次分散補償を行ったところ、通信に全
く異常を生じないで通信することができた。
【0070】上記100Kmの伝送路を伝送させた信号
光の補償にあたり、上記のように作成した本発明の光分
散補償素子としての多層膜200の光入射面220にお
いて、まず、図3(A)の矢印270で示す方向に信号
光の中心波長λに適した大まかな入射位置を選び、さら
に、図3(A)の矢印271に相当する方向に前記入射
位置を微調整して、図3(A)の符号280の位置近傍
で群速度遅延時間−波長特性曲線を測定したところ、λ
=1554nmで図4の曲線401のような群速度遅延
時間−波長特性曲線を得ることができた。そして、入射
光の入射位置を変化させることにより、波長λを上記範
囲で選択し、各受信チャネルに使用することができる光
分散補償素子を作成することができた。
【0071】なお、矢印270で示した前記波長λを選
択する方向は、入射面220内で矢印270とほぼ平行
な位置において矢印270の位置以外でも得ることがで
き、その事情は、前記膜厚を変化させる条件によって変
えることができる。
【0072】また、矢印270で示した前記波長λを変
化させる方向、すなわち波長調整方向と、矢印271で
示した群速度遅延時間−波長特性曲線の形状を変化させ
る方向、すなわち曲線調整方向のなす角度は、+30度
〜+150度あるいは、−30度〜−150度の間の角
度とすることが調整のし易さなどの観点から好ましく、
本実施例のいくつかの試作において、前記波長調整方向
と曲線調整方向のなす角度をほぼ直交するように光分散
補償素子を形成したところ、各チャネルに適した光分散
補償素子を容易に製作することができた。
【0073】また、前記波長調整(波長選択)および前
記曲線調整(曲線選択)のために、入射光の入射位置を
変更する手段としては、入射光の位置に対して、光分散
補償素子200を移動させることによって実現した。前
記移動させる手段は、光分散補償素子の使用される事
情、コストあるいは特性上からの条件など、事情によっ
て種々選択することができる。たとえば、コスト上ある
いは装置の事情から、ネジなどの手動的手段により行う
方法を用いることができ、また、正確に調整するため、
あるいは手動で調整することができない時にも調整する
ことができるようにするためには、たとえば、電磁的な
ステップモータや連続駆動モータを用いることが効果的
であり、また、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などを
用いた圧電モーターを使用することも効果的である。ま
た、これらの方法と組み合わせることもできるプリズム
や二芯コリメータなどを用いたり光導波路を利用するな
どの光学的手段によって入射位置を選択することによ
り、容易に、正確に入射位置を選択することができた。
【0074】以上説明した実施例1〜5において、前記
LHの層は、厚みが4分の1波長のSiO2のイオンア
シスト蒸着で作成した膜(以下、イオンアシスト膜とも
いう)で形成された層Lと、厚みが4分の1波長のTi
2のイオンアシスト膜で形成された層Hとから構成さ
れており、前記SiO2のイオンアシスト膜(層L)1
層とTiO2のイオンアシスト膜(層H)1層の組みあ
わせ層でLHの層1セットと称し、たとえば、「LHの
層5セット積層して」とは、「層L・層H・層L・層H
・層L・層H・層L・層H・層L・層Hの順に各層をそ
れぞれ1層ずつ重ねて形成して」ということを意味す
る。
【0075】同様に、前記LLの層は、厚みが4分の1
波長のSiO2のイオンアシスト膜で構成されている層
Lを2層重ねて形成した層をLLの層1セットと称す。
したがって、たとえば、「LLの層を3セット積層し
て」とは、「層Lを6層重ねて形成して」を意味する。
【0076】なお、層Hを形成する膜の組成として、誘
電体の例を示したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、TiO2と同じ誘電体材料としてはTiO2の他
に、Ta25、Nb25などを用いることができ、さら
に、誘電体材料の他に、SiやGeを用いて層Hを形成
することもできる。SiやGeを用いて層Hを形成した
場合、光学的性質より層Hを薄く形成することができる
という利点を有する。また、層Lの組成としてSiO2
の例を示したが、SiO2は安価にしかも信頼性高く層
Lを形成できる利点があるが、本発明はこれに限定され
るものではなく、層Hの屈折率よりも屈折率が低くなる
材質によって層Lを形成すれば、本発明の上記効果を発
揮する光分散補償素子を実現することができる。
【0077】また、本実施例では、前記多層膜を構成す
る層Lと層Hをイオンアシスト蒸着で形成したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、通常の蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティングその他の方法で形成
した多層膜を用いても本発明は大きな効果を発揮するも
のである。
【0078】次に、図2、図3などで説明した多層膜を
構成する層の膜厚を前記入射面内方向において、変化さ
せる方法について、以下に説明を加える。
【0079】本発明の光分散補償素子を、分散補償を施
したい信号光の中心波長λに適宜合わせる(以下、波長
選択するともいう)ことができるように、そして、分散
補償を施したい程度、すなわち、分散補償量を適宜選択
できるように、光分散補償素子を構成する多層膜の膜厚
を前記入射面内方向において変化させる場合、前記光透
過層の膜厚を適切に変化させることが特に重要であり、
光分散補償素子の仕様に合わせて、前記入射面内方向に
おける前記第1と第2の光透過層の一方もしくは双方の
膜厚を変化させるように形成する。1つの例として、前
記実施例5においては、図2に矢印250で示した方向
に第1の光透過層の膜厚を変化させて形成し、すなわ
ち、図の右側から左側に移動するにつれて膜厚が厚くな
るように形成し、矢印260で示した方向に第2の光透
過層の膜厚を変化させて形成し、すなわち、図の手前か
ら奥の方向に移動するにつれて膜厚が厚くなるように形
成した。このとき、反射層の膜厚は、各光透過層に大ま
かに合わせて変化するように形成すれば、信頼性上有利
になるばかりでなく、製造コストが低減されるなどの効
果がある。1つの光透過層の膜厚変化に対して、膜厚の
変化している反射層が1層である場合、2層である場
合、あるいは膜厚の変化していない反射層がある場合を
使い分けることができる。
【0080】また、前記多層膜の膜厚の変化のさせ方
は、前記入射位置を選択する場合に、表示し易くするな
どのためから膜厚が単調に変化するようにする場合と、
小型化や用途を広くするためなどに極値を有する2次曲
線状やステップ状など単調に変化しないようにする場合
があり、光分散補償素子が使用される条件によって種々
選択することができる。
【0081】この膜厚変化のさせ方は、光分散補償素子
の入射光の位置を変える場合の変化させ易さや信頼性な
ど、光分散補償素子に要求される事情によって選択する
ようにすることが好ましい。
【0082】本発明の光分散補償素子は、前記多層膜を
構成する第1層〜第5層の各層を、所望の入射光の中心
波長に対して前記の例の如く形成し、波長選択機能を有
しない形態に作成することもでき、また光分散補償対象
波長(分散補償したい入射光の中心波長)と光分散補償
量を変化させることができる形態に作成することもでき
る。
【0083】そして、本発明の光分散補償素子の光分散
補償対象波長は、基本的には光通信に使用しているすべ
ての波長に適用できるが、現在の通信装置の多くを活用
できるようにするとの観点から、1460〜1640n
mの範囲の使用される通信システムの波長帯域に対して
適用できるようにすることにより、極めて大きな効果を
有するものであり、使い勝手がよく、信頼性の高い光分
散補償素子を安価に提供することができ、通信の高速化
に対応するには、従来用いられている光ファイバは使え
ないといわれている現状を一変し、従来用いられている
光通信設備のかなりの部分を活用して、高速・遠距離通
信を行うことができる。そして、前記1460〜164
0nmの波長帯域を複数種類の光分散補償素子でカバー
するようにすることにより、利便性をさらに高めること
ができる。
【0084】また、本発明の光分散補償素子の特徴は、
主として第1の反射層と第1の光透過層と第2の反射層
とで形成される第1のキャビティの共振波長の1つと、
主として第2の反射層と第2の光透過層と第3の反射層
とで形成される第2のキャビティの共振波長の1つが一
致するようにしてあることである。
【0085】以上の如き多層膜を使用した本発明の光分
散補償素子の各種例を作成し、特性を測定した結果、前
記の優れた群速度遅延時間−波長特性が得られ、3次分
散の良好な補償ができたのに加えて、入出力光の差すな
わち分散補償素子を挿入することによる信号光の損失を
0.5dB以下の極めて低い値にすることができた。
【0086】
【発明の効果】以上、実施例も含めて説明したように、
本発明の光分散補償素子は、従来は補償が行われなかっ
た3次以上の分散すなわち長距離通信や高速通信におい
て特に問題になる3次の分散を完全に補償することがで
き、しかも損失が少なく、構造が簡単で、製造し易く、
量産コストも安いという大きな効果を有するとともに、
既存の光通信システムの多くを利用することを可能にす
る点で、社会的経済効果が多大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光分散補償素子の例としての多層膜を
説明する断面図である。
【図2】本発明の膜厚変化をさせた光分散補償素子の例
としての多層膜を説明する斜視図である。
【図3】本発明の実施例における入射面内の入射位置と
群速度遅延時間−波長特性の変化を説明する図であり、
(A)は入射面を、(B)は群速度遅延時間−波長特性
曲線を説明する図である。
【図4】本発明の実施例における群速度遅延時間−波長
特性曲線の例を示すグラフである。
【図5】2次と3次の波長分散の補償方法を説明する図
であり、(A)は波長−時間特性と光強度−時間特性
を、(B)および(C)は伝送路を説明する図である。
【図6】従来の光ファイバの分散−波長特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
100,200:多層膜 101,230:入射光の方向を示す矢印 102,240:出射光の方向を示す矢印 103,104,105,201,202,203:反
射層 108,109,206,207:光透過層 107,205:基板 111,112,211,212:キャビティ 220:入射面 250,260:膜厚変化方向を示す矢印 270:波長調整方向 271:曲線調整方向 280,281,282:入射位置 2801,2811,2821,401:分散−波長特
性曲線 501,502,503,504,511,512,5
13,514:信号光の特性を示すグラフ 520,530:伝送路 521:分散補償ファイバ 522,531:SMF 524,534:送信器 525,535:受信器 601:SMFの分散−波長特性曲線 602:分散補正ファイバの分散−波長特性曲線 603:DSFの分散−波長特性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多久島 裕一 埼玉県川口市芝富士2丁目18番18号 セイ ケイハイツ202号 (72)発明者 マーク ケンネス ジャボロンスキー 東京都目黒区駒場4丁目6番29号 K518 (72)発明者 田中 佑一 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 片岡 春樹 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 古城 健司 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 東 伸 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 佐藤 一也 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 Fターム(参考) 2H048 GA07 GA09 GA11 GA23 GA33 GA35 GA48 GA62 5K002 BA02 CA01 FA01

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを通信伝送路に用いた通信シ
    ステムに使用して波長分散(以下、単に、分散ともい
    う)を補償することができる光分散補償素子であって、
    光学的性質が異なる積層膜を少なくとも5種類(すなわ
    ち、光の反射率や膜厚などの光学的な性質の異なる積層
    膜を少なくとも5層)有する多層膜を有し、前記多層膜
    が光の反射率が互いに異なる少なくとも2種類の反射層
    を含む少なくとも3種類の反射層を有するとともに、前
    記3種類の反射層の他に少なくとも2つの光透過層を有
    し、前記3種類の反射層の各1層と前記2つの光透過層
    の各1層とが交互に配置されており、前記多層膜が、多
    層膜の厚み方向の一方の側から順に、第1の反射層であ
    る第1層、第1の光透過層である第2層、第2の反射層
    である第3層、第2の光透過層である第4層、第3の反
    射層である第5層から構成されており、入射光の中心波
    長をλとして、前記第1〜第5層において、入射光の中
    心波長λの光に対する光路長(以下、単に、光路長とも
    いう)として考えたときの膜厚(以下、単に、膜厚ある
    いは膜の厚みともいう)が、λ/4の整数倍±1%の範
    囲の値(以下、λ/4の整数倍、あるいは、λ/4のほぼ
    整数倍ともいう)の膜厚であり、かつ、前記多層膜が、
    膜厚がλの1/4倍(以下、λの1/4倍の±1%の膜厚
    の意味でλの1/4倍の膜厚という)で屈折率が高い方
    の層(以下、層Hともいう)と膜厚がλの1/4倍で屈
    折率が低い方の層(以下、層Lともいう)を組み合わせ
    た層の複数組で構成されており、前記5層の積層膜すな
    わち前記第1〜第5層が、前記多層膜の厚み方向の一方
    の側から順に、層H、層Lの順に各1層ずつ組み合わせ
    た層(以下、HLの層ともいう)を3セット(層H1層
    と層L1層とを組み合わせた層をHLの層1セットと称
    する、以下同様)積層して構成される第1層、層Hと層
    Hを組み合わせた層(すなわち、層Hを2層重ねて形成
    した層。以下、HHの層ともいう)を10セット積層し
    て構成される第2層、層Lを1層とHLの層を7セット
    とを積層して構成される第3層、HHの層を38セット
    積層して構成される第4層、層Lを1層とHLの層を1
    3セットとを積層して構成される第5層でそれぞれ形成
    されていることを特徴とする光分散補償素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光分散補償素子におい
    て、前記HHの層を10セット積層して形成されている
    第2層の代わりに、前記第2層が、請求項1に記載と同
    じ方向の膜の厚み方向の一方の側から順に、HHの層を
    3セット、層Lと層Lを組み合わせた層(すなわち、層
    Lを2層重ねて形成した層。以下、LLの層ともいう)
    を3セット、HHの層を3セット、LLの層を2セッ
    ト、HHの層を1セットをこの順に積層して構成される
    積層膜で形成されていることを特徴とする光分散補償素
    子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の光分散補償素
    子において、前記HHの層を38セット積層して形成さ
    れている第4層の代わりに、前記第4層が、請求項1に
    記載と同じ方向の膜の厚み方向の一方の側から順に、H
    Hの層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を3
    セット、LLの層を3セット、HHの層を3セット、L
    Lの層を3セット、HHの層を3セット、LLの層を3
    セット、HHの層を3セット、LLの層を3セット、H
    Hの層を3セット、LLの層を3セット、HHの層を3
    セット、LLの層を3セット、HHの層を2セットをこ
    の順に積層して構成される積層膜で形成されていること
    を特徴とする光分散補償素子。
  4. 【請求項4】 光ファイバを通信伝送路に用いた通信シ
    ステムに使用して波長分散(以下、単に、分散ともい
    う)を補償することができる光分散補償素子であって、
    光学的性質が異なる積層膜を少なくとも5種類(すなわ
    ち、光の反射率や膜厚などの光学的な性質の異なる積層
    膜を少なくとも5層)有する多層膜を有し、前記多層膜
    が光の反射率が互いに異なる少なくとも2種類の反射層
    を含む少なくとも3種類の反射層を有するとともに、前
    記3種類の反射層の他に少なくとも2つの光透過層を有
    し、前記3種類の反射層の各1層と前記2つの光透過層
    の各1層とが交互に配置されており、前記多層膜が、多
    層膜の厚み方向の一方の側から順に、第1の反射層であ
    る第1層、第1の光透過層である第2層、第2の反射層
    である第3層、第2の光透過層である第4層、第3の反
    射層である第5層から構成されており、入射光の中心波
    長をλとして、前記第1〜第5層において、入射光の中
    心波長λの光に対する光路長(以下、単に、光路長とも
    いう)として考えたときの膜厚(以下、単に、膜厚ある
    いは膜の厚みともいう)が、λ/4の整数倍±1%の範
    囲の値(以下、λ/4の整数倍、あるいは、λ/4のほぼ
    整数倍ともいう)の膜厚であり、かつ、前記多層膜が、
    膜厚がλの1/4倍(以下、λの1/4倍の±1%の膜厚
    の意味でλの1/4倍の膜厚という)で屈折率が高い方
    の層(以下、層Hともいう)と膜厚がλの1/4倍で屈
    折率が低い方の層(以下、層Lともいう)を組み合わせ
    た層の複数組で構成されており、前記5層の積層膜すな
    わち前記第1〜第5層が、前記多層膜の厚み方向の一方
    の側から順に、層L、層Hの順に各1層ずつ組み合わせ
    た層(以下、LHの層ともいう)を5セット積層して構
    成される第1層、層Lと層Lを組み合わせた層(すなわ
    ち、層Lを2層重ねて形成した層。以下、LLの層とも
    いう)を7セット積層して構成される第2層、層Hを1
    層とLHの層を7セットとを積層して構成される第3
    層、LLの層を57セット積層して構成される第4層、
    層Hを1層とLHの層を13セットとを積層して構成さ
    れる第5層でそれぞれ形成されていることを特徴とする
    光分散補償素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記層HがSi、Ge、TiO
    2、Ta25、Nb25のいずれかから成る層で形成さ
    れていることを特徴とする光分散補償素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記層Lが、層Hに使用されて
    いる材質よりも屈折率の低い材質を用いて形成されてい
    ることを特徴とする光分散補償素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、層LがSiO2から成る層で形
    成されていることを特徴とする光分散補償素子。
  8. 【請求項8】 光ファイバを通信伝送路に用いた通信シ
    ステムに使用して波長分散(以下、単に、分散ともい
    う)を補償することができる光分散補償素子であって、
    光学的性質が異なる積層膜を少なくとも5種類(すなわ
    ち、光の反射率や膜厚などの光学的な性質の異なる積層
    膜を少なくとも5層)有する多層膜を有し、前記多層膜
    が光の反射率が互いに異なる少なくとも2種類の反射層
    を含む少なくとも3種類の反射層を有するとともに、前
    記3種類の反射層の他に少なくとも2つの光透過層を有
    し、前記3種類の反射層の各1層と前記2つの光透過層
    の各1層とが交互に配置されており、入射光の中心波長
    をλとして、前記多層膜の3種類の反射層の波長λの光
    に対する反射率が、前記多層膜の厚み方向の一方の側か
    ら順に、あるいは入射光の光路に沿って、その一方の側
    から順に(以下、単に、「膜の厚み方向の一方の側から
    順に」ともいう)、それぞれ50〜77%、96〜9
    9.8%、98%以上であることを特徴とする光分散補
    償素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光
    分散補償素子において、前記多層膜の前記第1層、第3
    層、第5層の前記波長λの光に対する反射率(以下、波
    長λの光に対する反射率を、単に、反射率ともいう)を
    それぞれR1、R3、R5とするとき、R1<R3<R
    5であることを特徴とする光分散補償素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    光分散補償素子において、前記多層膜の前記第1層、第
    3層、第5層の反射率R1、R3、R5が、R1≦R3
    ≦R5であることを特徴とする光分散補償素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、少なくとも1つの前記光透
    過層の膜厚が、前記多層膜の光の入射面に平行な断面に
    おける面内方向(以下、入射面内方向ともいう)におい
    て変化していることを特徴とする光分散補償素子。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記入射面内方向において膜厚が変化している
    光透過層が2層あることを特徴とする光分散補償素子。
  13. 【請求項13】 請求項11または12に記載の光分散
    補償素子において、膜厚が前記入射面内方向において変
    化している反射層が少なくとも1層あることを特徴とす
    る光分散補償素子。
  14. 【請求項14】 請求項11または12に記載の光分散
    補償素子において、膜厚が前記入射面内方向において変
    化している反射層が2層であることを特徴とする光分散
    補償素子。
  15. 【請求項15】 請求項11または12に記載の光分散
    補償素子において、膜厚が前記入射面内方向において変
    化している反射層が3層であることを特徴とする光分散
    補償素子。
  16. 【請求項16】 請求項11〜15のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記膜厚が変化している
    当該反射層、当該光透過層の少なくとも1つの層の入射
    面内方向における膜厚の変化が、前記多層膜の幅もしく
    は長さもしくは径方向など、その膜厚が変化している方
    向の少なくとも1つの方向において、単調増加もしくは
    単調減少であることを特徴とする光分散補償素子。
  17. 【請求項17】 請求項11〜15のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記膜厚が変化している
    当該反射層、当該光透過層の少なくとも1つの層の入射
    面内方向における膜厚の変化が、前記多層膜の幅もしく
    は長さもしくは径方向など、その膜厚が変化している方
    向の少なくとも1つの方向において、単調増加でも単調
    減少でもなく、少なくとも1つの膜厚の極値を有するこ
    とを特徴とする光分散補償素子。
  18. 【請求項18】 請求項11〜17のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記膜厚が変化している
    当該反射層、当該光透過層の少なくとも1つの層の入射
    面内方向における膜厚の変化している方向(以下、膜厚
    変化の方向ともいう)が1次元であることを特徴とする
    光分散補償素子。
  19. 【請求項19】 請求項11〜17のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記膜厚が変化している
    当該反射層、当該光透過層の少なくとも1つの層の入射
    面内方向における膜厚変化の方向が2次元であることを
    特徴とする光分散補償素子。
  20. 【請求項20】 請求項12〜19のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記膜厚が変化している
    2層の光透過層におけるそれぞれの膜厚変化の方向のな
    す角が+30度〜+150度または−30度〜−150
    度の範囲であることを特徴とする光分散補償素子。
  21. 【請求項21】 請求項11〜20のいずれか1項に記
    載の光分散補償素子において、前記膜厚が変化している
    少なくとも1層の光透過層の膜厚変化の方向と同じ膜厚
    変化の方向を有する反射層が、少なくとも1層存在する
    ことを特徴とする光分散補償素子。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記膜厚の変化する光透過層が2層であり、各
    光透過層の膜厚変化の方向とほぼ同じ膜厚変化の方向を
    有する反射層が該光透過層それぞれに対応して少なくと
    も各1層あることを特徴とする光分散補償素子。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、光分散補償対象波長と光分
    散補償量を変化させることができることを特徴とする光
    分散補償素子。
  24. 【請求項24】 請求項1〜23のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、前記反射層および光透過層
    における入射光の入射位置を変えることによって、群速
    度遅延時間−波長特性曲線における群速度遅延時間の極
    値を与える波長(以下、極値波長ともいう)が比較的大
    きく変化する方向(以下、波長調整方向ともいう)と、
    前記極値波長はあまり大きく変化させずに群速度遅延時
    間−波長特性曲線の形が変化する(すなわち、調整する
    ことができる)方向(以下、曲線調整方向ともいう)と
    があり、前記光分散補償対象波長の代表波長(たとえ
    ば、中心波長あるいは分散補償帯域の中央の波長)が前
    記極値波長であり、前記光分散補償量が群速度遅延時間
    −波長特性曲線から得られる遅延時間であり、該波長調
    整方向と該曲線調整方向とのなす角が+30度〜+15
    0度あるいは、−30度〜−150度であることを特徴
    とする光分散補償素子。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記波長調整方向と前記曲線調整方向がほぼ直
    交していることを特徴とする光分散補償素子。
  26. 【請求項26】 請求項24または25に記載の光分散
    補償素子において、前記光分散補償対象波長と前記光分
    散補償量の少なくとも一方の調整手段が手動であること
    を特徴とする光分散補償素子。
  27. 【請求項27】 請求項24または25に記載の光分散
    補償素子において、前記光分散補償対象波長と前記光分
    散補償量の少なくとも一方の調整手段が、プリズム・二
    芯コリメータ・光導波路などを利用した光学的手段であ
    ることを特徴とする光分散補償素子。
  28. 【請求項28】 請求項24または25に記載の光分散
    補償素子において、前記光分散補償対象波長と前記光分
    散補償量の少なくとも一方の調整手段が電気的手段であ
    ることを特徴とする光分散補償素子。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記光分散補償対象波長と前記光分散補償量の
    少なくとも一方の調整手段がステップモータか、連続的
    に位置変化が可能なモータによる手段であることを特徴
    とする光分散補償素子。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記光分散補償対象波長と前記光分散補償量の
    少なくとも一方の調整手段の前記モータが圧電モータで
    あることを特徴とする光分散補償素子。
  31. 【請求項31】 請求項1〜30のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、前記多層膜が、少なくとも
    一対の反射層と、前記少なくとも一対の反射層にはさま
    れた、1つの光透過層とで構成されるキャビティを少な
    くとも2つ有することを特徴とする光分散補償素子。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の光分散補償素子に
    おいて、前記2つの各キャビティの共振波長、あるい
    は、前記光通信に使用する波長帯域でのFSR(Fre
    e Spectral Range)が、前記入射面内
    方向において変化していることを特徴とする光分散補償
    素子。
  33. 【請求項33】 請求項31または32に記載の光分散
    補償素子において、前記多層膜の入射面内方向における
    同一位置に置いて、前記2つのキャビティの共振波長あ
    るいは前記光通信に使用する波長帯域でのFSR(Fr
    ee Sp−ectral Range)が異なること
    を特徴とする光分散補償素子。
  34. 【請求項34】 請求項1〜33のいずれか1項に記載
    の光分散補償素子において、前記入射光の中心波長λが
    1460nm〜1640nmの範囲における選択された
    領域の波長であることを特徴とする光分散補償素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002031542A1 (fr) * 2000-10-13 2002-04-18 Oyokoden Lab Co., Ltd. Element de correction de dispersion optique, element composite de correction de dispersion optique utilisant cet element, et procede de correction de dispersion optique utilisant cet element

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