JP2004085532A - 磁気エンコーダおよびそれを備えた車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】多極磁石に強い磁力が得られてコンパクトな構成とでき、また材料コストの低減も可能な磁気エンコーダを提供する。
【解決手段】円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石14を有する磁気エンコーダ10において、上記多極磁石14に、ナノコンポジット磁石を用いる。このナノコンポジット磁石は、ナノコンポジット組織を有する磁性粉、またはこの磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を成形して焼結した焼結磁石とする。多極磁石14は、芯金11に一体化させる。この磁気エンコーダ10は、例えば車輪用軸受に取付けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石14を有する磁気エンコーダ10において、上記多極磁石14に、ナノコンポジット磁石を用いる。このナノコンポジット磁石は、ナノコンポジット組織を有する磁性粉、またはこの磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を成形して焼結した焼結磁石とする。多極磁石14は、芯金11に一体化させる。この磁気エンコーダ10は、例えば車輪用軸受に取付けられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、相対回転する軸受部の回転検出装置等に用いられる磁気エンコーダ、およびそれを備えた車輪用軸受に関し、例えば自動車のアンチロックブレーキシステムにおける前後の車輪回転数を検出する回転検出装置に装着されるベアリングシールの構成部品とされる磁気エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のスキッドを防止するためのアンチスキッド用回転検出装置として、次のような構造が多く用いられている。すなわち、前記回転検出装置は歯付ローターと感知センサからなっており、その際、軸受を密封するシール装置よりそれぞれ離間させて配置し、一つの独立した回転検出装置を構成しているものが一般的である。
このような従来例は、回転軸に嵌合された歯付ローターを、ナックルに取付られた回転検出センサで感知検出する構造を持ち、使われている軸受は、その側部に独立して設けられたシール装置によって、水分あるいは異物の侵入から守られる。
【0003】
その他の例として特許文献1には、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ感知性能を飛躍的に向上させることを目的として、車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着し、そこに交互に磁極を配設した構造が示されている。
また、特許文献2には、軸方向の寸法を小さくし、回転部材と固定部材との間の密閉度を良好にし、容易に取り付け可能にすることを目的として、回転部材と固定部材との間がシールされ、この回転部材に回転ディスクが取り付けられ、その回転ディスクに多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としたものが示されている。使用するコーダは、磁性粒子を添加したエラストマーからなるものが用いられ、このコーダの側面を固定部材の側面とほぼ同一平面としたシール手段とされている。
【0004】
磁性粉や磁性粒子を含有するプラスチック(プラストマー) 製のコーダは、やはり従来の射出成形や圧縮成形等のように、製品形状に適応した金型を使用して賦形したり、つまり金型どおりの形に成形したり、 T形のダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形でシートを成形し打ち抜き加工などにより製品形状にして、その後、金属基板上に接着剤などで接着固定し製作してもよい。またこの場合、インサート成形のようにあらかじめ金型内に金属基板を組込んでおき、その後、溶融樹脂を流し入れて接着工程を同時加工して製作してもよい。
【0005】
【特許文献1】
特許第2816783号公報
【特許文献2】
公開平6−281018
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般の磁性粉等を添加したエラストマーやプラストマーの多極磁石では、磁気検出に必要な磁界を得るためには、磁力が弱いためにある程度大きなものになり、磁気エンコーダのコンパクト化が難しいという課題がある。コンパクト化のため、強い磁化が可能な希土類の磁石を用いた場合は材料コストが高くなる。
また、自動車の車輪用軸受に上記磁気エンコーダを使用する場合、車輪用軸受は路面に曝され、塩泥水を浴びるため、錆の発生の懸念がある。特に、磁気エンコーダのコンパクト化のために磁性粉を多くした場合、上記錆の発生の問題が問題となる。
【0007】
この発明の目的は、多極磁石に強い磁力が得られてコンパクトな構成とでき、また材料コストの低減が図れる磁気エンコーダを提供することである。
この発明の他の目的は、コンパクトな構成で回転検出が行える車輪用軸受を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明における各磁気エンコーダは、いずれも円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石にナノコンポジット組織を有する材質を用いたこと特徴とする。この発明における第1の磁気エンコーダは、上記多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いたものである。ナノコンポジット磁石は、ナノコンポジット組織、つまりナノメータ単位の超微細結晶混相組織を有する磁石のことである。
ナノコンポジット磁石は、高い残留磁化が可能なものが開発されており、材料コストも安価にできるものがある。そのため、多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いることで、磁極の磁界強度を確保しながら、コンパクト化が図れる。また、安価な材料のナノコンポジット磁石を選定することで、磁気エンコーダのコスト低下を図ることも可能になる。
【0009】
この発明において、上記多極磁石は、具体的には、次のいずれかの構成のものであっても良い。
▲1▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を含むもの。
▲2▼.ナノコンポジット組織を有する焼結磁石を用いたもの。
▲3▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を材料に含む焼結磁石としたもの。
▲4▼.磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体を用い、上記磁性粉にナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いた焼結磁石としたもの。
▲5▼.磁性粉を含有するゴム磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
▲6▼.磁性粉を含有するプラスチック磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
【0010】
これらの多極磁石のうち、上記▲2▼〜▲4▼の焼結磁石としたものは、エラストマーやプラストマーに比べて表面が硬いため、耐摩耗性に優れ,また損傷し難い。特に、▲4▼の磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させたのでは、バインダとなる非磁性金属粉の存在のために割れ難い。このため、車輪用軸受等に使用した場合に、多極磁石とセンサ間に砂粒等の粒子が噛み込まれても、多極磁石の損傷が生じ難い。
【0011】
上記各構成の磁気エンコーダにおいて、上記磁性粉には、ナノコンポジッ組織を有する磁性粉と他の磁性粉との混合粉を用いても良い。例えば、ナノコンポジッ組織を有する磁性粉と、フェライト粉との混合粉を用いても良い。
【0012】
上記各構成において、ナノコンポジット磁石には、例えば、ネオジム・鉄・ホウ素系のものを用いることができる。上記ナノコンポジット組織を有する磁性粉も、ネオジム・鉄・ホウ素系のものを用いることができる。
【0013】
この発明の磁気エンコーダは、上記いずれかの構成のものにおいて、上記多極磁石を芯金に固定したものであっても良い。多極磁石の芯金への固定は、芯金の加締により行っても、また接着剤により多極磁石を芯金に接着することで行っても良い。芯金と多極磁石とを一体化させることで、多極磁石の材質にかからず、磁気エンコーダの全体として堅固なものとでき、また磁気エンコーダを、例えば車輪用軸受などの磁気エンコーダ使用機器に容易に組み込むことができる。
【0014】
この発明の車輪用軸受は、この発明の上記いずれかの構成の磁気エンコーダを備え、車体に対して車輪を支持する車輪用軸受であって、転走面を内周面に形成した外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在された転動体とを備える。上記磁気エンコーダは、上記外方部材および内方部材のいずれかに、その部材と同心に取付ける。例えば、外方部材および内方部材のうちの回転側の部材に嵌合状態に取付けられる。
車輪用軸受にこの発明の磁気エンコーダを取付けることで、そのコンパクトな構成が効果的となり、軸受周辺の空間に余裕が得られ、設計が容易になる。すなわち、車輪用軸受に回転検出機能を持たせようとした場合、周辺に空間が得難い場合が多く、軸受やナックル等の設計が難しくなるが、磁気エンコーダがコンパクト化されることで、設計が容易になる。また、車輪用軸受は路面に曝された状態となり、塩泥水を浴びるため、錆の発生の懸念があるが、ナノコンポジット磁石では耐食性,耐酸性に優れたものが得易く、そのような材質のナノコンポジット磁石を選定することで、車輪用軸受の厳しい環境下においても、錆の発生の問題のない耐久性に優れたものとできる。
【0015】
この発明の車輪用軸受において、上記外方部材と内方部材の間の軸受空間の端部を密封するシール装置を設け、このシール装置の構成部品に上記磁気エンコーダを含むものとしても良い。このように磁気エンコーダをシール装置の構成部品に兼用することで、車輪用軸受のより一層のコンパクト化が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1に示すように、この磁気エンコーダ10は、金属製の環状の芯金11と、この芯金11の表面に周方向に沿って設けられた多極磁石14とを備える。多極磁石14は周方向に多極に磁化され、交互に磁極N,Sが形成された部材であり、多極に磁化された磁気ディスクからなる。磁極N,Sは、ピッチ円直径PCD(図2)において、所定のピッチpとなるように形成されている。この磁気エンコーダ10は、回転部材(図示せず)に取付けられ、図3に示すように多極磁石14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用されるものであり、磁気エンコーダ10と磁気センサ15とで回転検出装置20が構成される。同図は、磁気エンコーダ10を軸受(図示せず)のシール装置5の構成要素とした応用例を示し、磁気エンコーダ10は、軸受の回転側の軌道輪に取付けられる。シール装置5は、磁気エンコーダ10と、固定側のシール部材9とで構成される。シール装置5の具体構成については後に説明する。
【0017】
芯金11への多極磁石14の固定は、接着剤による接着であっても、加締によっても良いが、この実施形態では加締により固定している。芯金11の形状は、種々の円環状の形状とでき、この例では、図1(B)に示すように、嵌合側となる内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11bと、外径縁の他筒部11cとでなる断面概ね逆Z字状の円環状としている。他筒部11cを加締ることで、多極磁石14を芯金11に取付けている。多極磁石14の外周部には、芯金11の加締部分が被検出面よりも突出しないように、凹部14が設けられている。芯金11を接着する場合は、他筒部11cは不要であり、芯金11は断面L字状とされる。
芯金11の材質となる金属は、磁性体、特に強磁性体となる金属が好ましく、例えば磁性体でかつ防錆性を有する鋼板が用いられる。このような鋼板として、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や、防錆処理された圧延鋼板等を用いることができる。
【0018】
多極磁石14は、ナノコンポジット磁石を用いている。ナノコンポジット磁石は、ナノコンポジット組織、つまりナノメータ単位(例えば数nm〜数百nm)の超時微細結晶混相組織を有する磁石のことである。多極磁石14にナノコンポジット磁石を用いる構成として、次のいずれの構成としても良い。
▲1▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を含むもの。
▲2▼.ナノコンポジット組織を有する焼結磁石を用いたもの。
▲3▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を材料に含む焼結磁石としたもの。
▲4▼.磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体を用い、上記磁性粉にナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いた焼結磁石としたもの。
▲5▼.磁性粉を含有するゴム磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
▲6▼.磁性粉を含有するプラスチック磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
【0019】
上記ナノコンポジット磁石またはナノコンポジット組織を有する磁性体には、例えばネオジム・鉄・ホウ素系のものが用いられる。具体的な材質例や製法は後に説明する。
【0020】
この構成の磁気エンコーダ10は、図3と共に前述したように、多極磁石14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用される。磁気エンコーダ10を回転させると、多極磁石14の多極に磁化された各磁極N,Sの通過が磁気センサ15で検出され、パルスのかたちで回転が検出される。磁気エンコーダ10が図3のように軸受のシール装置5に応用されたものである場合、磁気エンコーダ10の取付けられた軸受の回転が検出されることになる。
【0021】
多極磁石14にはナノコンポジット磁石を用いたが、ナノコンポジット磁石は高い残留磁化が可能なものが開発されており、材料コストも安価にできるものがある。そのため、多極磁石14にナノコンポジット磁石を用いることで、磁極の磁界強度を確保しながら、コンパクト化が図れる。また、安価な材料のナノコンポジット磁石を選定することで、磁気エンコーダ10のコスト低下を図ることも可能になる。ナノコンポジット磁石には、耐食性、耐酸性に優れたものがあり、そのような材質を選定することで、車輪軸受等のような塩泥水を浴びる過酷な環境に磁気エンコーダ10を用いられても、多極磁石14が錆の発生の問題のないものとできる。なお、防錆の確実のために、例えば図5のように防錆被膜22を施しても良い。また、多極磁石14が焼結磁石である場合は、表面が硬く、砂粒の噛み込み等によって表面が損傷することが緩和される。
【0022】
ナノコンポジット磁石の詳細例を説明する。ナノコンポジット磁石は、上記のようにナノコンポジット組織を有する磁石のことである。ナノコンポジット組織は、ナノコンポジット組織、つまりナノメータ単位の超時微細結晶混相組織を有する磁石のことである。例えば、ナノコンポジット磁石は、図4に模式図を示すように、高磁化相aとハード磁性相bの隣接した超時微細結晶混相組織となり、その結晶は、数nmないし数十nmの大きさのものとなる。ナノコンポジット磁石の磁性粉においても、その個々の粉末粒子の内部が図4のような超時微細結晶混相組織となる。ネオジム・鉄・ホウ素系の場合、例えば上記高磁化相aはFe3 Bからなり、ハード磁性相bはNd2 Fe14Bからなる。このようなナノコンポジット組織にすることにより、結晶粒間に交換結合力が発生し、等方性にもかかわらずに、従来にない高い残留磁化が得られる。したがって焼結フェライト磁石に比べて高い磁力を得ることが可能である。
【0023】
ナノコンポジット磁石の製法としては、次の各種のものが用いられる。
・超急冷(非晶質生成)の後、結晶化する。
・メカニカルアロイングの後、熱処理を行う。
・高速蒸着および高速結晶化。
・繰り返し圧延、押し出し。
・非晶質から磁界中での熱処理。
【0024】
等方性ナノコンポジット磁石の材質例としては、次のものが使用できる。
Fe/Nd2 Fe14B、FeB/Nd2 Fe14B、Fe/SmFeN、
(Co,Fe)/SmCo、Nd2 Fe14B(MQP−B)、等である。
添加元素として、組織微細化のため、Zr,Nb等を用いても良い。
【0025】
なお、ナノコンポジット組織を有する磁性粉と他の磁性粉との混合粉として用いても良い。他の磁性粉には、例えばフェライト磁粉を用いることができる。
また、上記ナノコンポジット組織を有する磁性粉は、非磁性金属粉との混合粉として焼結体に用いても良い。非磁性金属粉には、ステンレス粉またはスズ粉等を用いることができる。
【0026】
なお、上記構成では、多極磁石14は加締または接着により固定する場合につき説明したが、多極磁石14は、芯金11に圧入により固定しても良い。その場合、例えば図6に示すように、芯金11を、内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11b”とでなる断面L字状の円環状とする。円筒部11aと立板部11b”とは、鋼板等の金属板から一体にプレス成形されたものである。立板部11b”は平坦に形成されており、その平坦な立板部11b”まで、多極磁石14となるディスク状の焼結体を円筒部11aの外周に圧入して固定する。立板部11b”の高さは、多極磁石14の内周部付近が当たる高さとされる。
【0027】
また、上記各例では芯金11を鋼板プレス成形品製としたが、図7に示すように、芯金11は、鋼材等の削り出し品からなるものとしても良い。同図の例の芯金11は立板部11bの溝部11baを切削加工溝としている。
【0028】
つぎに、この磁気エンコーダ10を備えた車輪用軸受の一例、およびそのシール装置5の例を、図8,図9と共に説明する。図8に示すように、この車輪用軸受は、内方部材1および外方部材2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封するシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5は、磁気エンコーダ10付きのものである。内方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成されている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体3を介して互いに回転自在となった内周側の部材および外周側の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独であっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられている。
【0029】
この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成された一対の分割型の内輪18,19からなる。これら内輪18,19は、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。なお、内方部材1は、上記のようにハブ輪6および一対の分割型の内輪18,19からなる3部品の組立部品とする代わりに、ハブ輪6および片方の内輪18が一体化された軌道面付きのハブ輪と、もう片方の内輪19とで構成される2部品からなるものとしても良い。
【0030】
ハブ輪6には、等速自在継手7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフランジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられる。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動軸に連結される。
外方部材2は、軸受外輪からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に保持器4で保持されている。
【0031】
図9は、磁気エンコーダ付きのシール装置5を拡大して示す。このシール装置5は、図3に示したものと同じであり、その一部を前述したが、図9において、詳細を説明する。このシール装置5は、磁気エンコーダ10またはその芯金11がスリンガとなり、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材に取付けられる。この例では、回転側の部材は内方部材1であるため、磁気エンコーダ10は内方部材1に取付けられる。
【0032】
このシール装置5は、内方部材1と外方部材2に各々取付けられた第1および第2の金属板製の環状のシール板(11),12を有する。第1のシール板(11)は、上記磁気エンコーダ10における芯金11のことであり、以下、芯金11として説明する。磁気エンコーダ10は、図1ないし図3と共に前述した第1の実施形態にかかるものであり、その重複する説明を省略する。この磁気エンコーダ10における多極磁石14に対面して、同図のように磁気センサ15を配置することにより、車輪回転速度の検出用の回転検出装置20が構成される。
【0033】
第2のシール板12は、上記シール部材9(図3)を構成する部材であり、第1のシール板である芯金11の立板部11bに摺接するサイドリップ16aと円筒部11aに摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有する。これらリップ16a〜16cは、第2のシール板12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けられている。これらリップ16a〜16cの枚数は任意で良いが、図9の例では、1枚のサイドリップ16aと、軸方向の内外に位置する2枚のラジアルリップ16c,16bとを設けている。第2のシール板12は、固定側部材である外方部材2との嵌合部に弾性部材16を抱持したものとしてある。すなわち、弾性部材16は、円筒部12aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部16dを有するものとし、この先端覆い部16dが、第2のシール板12と外方部材2との嵌合部に介在する。
第2のシール板12の円筒部12aと第1のシール板である芯金11の他筒部11cとは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール17を構成している。
【0034】
この構成の車輪用軸受によると、車輪と共に回転する内方部材1の回転が、この内方部材1に取付けられた磁気エンコーダ10を介して、磁気センサ15で検出され、車輪回転速度が検出される。
磁気エンコーダ10は、シール装置5の構成要素としたため、部品点数を増やすことなく、車輪の回転を検出することができる。車輪用軸受は、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、塩泥水を浴びることになるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14がナノコンポジット磁石であるため、耐食性、耐酸性に優れたものを選定でき、錆の発生しないものとできる。また、車輪用軸受は、路面の環境下にさらされた状態となることから、磁気エンコーダ10とこれに対面させる磁気センサ15との間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14を焼結磁石とした場合は、硬質であるため、多極磁石14の表面の摩耗損傷は従来の弾性体製のものに比べて大幅に低減される。また車輪用軸受5における軸受端部の空間は、周辺に等速ジョイント7や軸受支持部材(図示せず)があって限られた狭い空間となるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14がナノコンポジット磁石の採用により薄肉化できるため、回転検出装置20の配置が容易になる。
内外の部材1,2間のシールについては、第2のシール板12に設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第2のシール板12の円筒部12aに第1のシール板である芯金11の他筒部11cが僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
【0035】
なお、磁気エンコーダ10を軸受のシール装置5の構成要素とする場合等において、多極磁石14を、上記各実施形態とは逆に軸受に対して内向きに設けても良い。すなわち、多極磁石14を芯金11の軸受内側の面に設けても良い。その場合、芯金11は非磁性体製のものとすることが好ましい。
【0036】
さらに、磁気エンコーダ10は、上記各実施形態のように多極磁石14を軸方向に向けたものに限らず、例えば図10に示すように、径方向に向けて設けても良い。同図の例は、シール装置5のスリンガとなるシール板である芯金11Aに、その立板部11bから軸方向の外側へ延びる第2の円筒部11dを設け、第2の円筒部11dの外周に多極磁石14を固定している。すなわち、第2の円筒部11dの先端には外径側へ延びる加締板部11eを一体に設け、この加締板部11eを加締ることで、多極磁石14に第2の円筒部11dの外周面に固定している。立板部11bは円筒部11aから外径側に延びている。すなわち、この例の芯金11Aは、円筒部11a、立板部11b、および第2の円筒部11dが順次続く断面概ね逆Z字状の部分に、その第2の円筒部11dの先端から加締板部11eが外径側へ一体に延びた形状のものとされている。磁気センサ15は、多極磁石14に対して径方向に対面配置する。
【0037】
なお、上記各実施形態の磁気エンコーダ10は、いずれも軸受のシール装置5の構成部品とした場合につき説明したが、これら各実施形態の磁気エンコーダ10は、シール装置5の構成部品とするものに限らず、単独で回転検出に利用することができる。例えば、図1の実施形態における磁気エンコーダ10を、シール装置5とは別に軸受に設けても良い。
また、図11に示すように、磁気エンコーダ10Aは、多極磁石14が径方向に向くように、円筒状の芯金11Cの外径面に多極磁石14を設けた構成のものとしても良い。その場合に、磁気エンコーダ10を、車輪用軸受における外方部材2Aの外径面に嵌合させて設けても良い。同図の車輪用軸受は、内方部材1Aおよび外方部材2Aのうちの外方部材2Aを回転側の部材とし、外方部材2Aに車輪取付フランジ26を設けたものである。シール装置5Aは、磁気エンコーダ10Aとは別に軸受に設けられる。外方部材2Aは一対の分割内輪18A,19Aからなる。
【0038】
なお、上記各実施形態において、磁気エンコーダ10はいずれも芯金11を有するものとしたが、芯金11を有せず、多極磁石14の単独で磁気エンコーダ10を構成しても良い。
【0039】
【発明の効果】
この発明の磁気エンコーダは、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いたものであるため、多極磁石に強い磁力が得られてコンパクトな構成とでき、また材料コストの低減を図ることも可能である。
この発明の車輪用軸受は、この発明の磁気エンコーダを備えたものであるため、コンパクトな構成で回転検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の第1の実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図、(B)は同磁気エンコーダの組立過程を示す部分斜視図である。
【図2】同磁気エンコーダを正面から示す磁極の説明図である。
【図3】同磁気エンコーダを備えたシール装置と磁気センサとを示す部分破断正面図である。
【図4】ナノコンポジット組織の模式説明図である。
【図5】この発明の他に実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。
【図6】この発明のさらに他に実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。
【図8】第1の実施形態にかかる磁気エンコーダを備えた車輪用軸受の全体の断面図である。
【図9】同車輪用軸受の部分断面図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受の磁気エンコーダ部分の断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受の断面図である。
【符号の説明】
1…内方部材
2…外方部材
3…転動体
5…シール装置
10…磁気エンコーダ
14…多極磁石
15…磁気センサ
20…回転検出装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、相対回転する軸受部の回転検出装置等に用いられる磁気エンコーダ、およびそれを備えた車輪用軸受に関し、例えば自動車のアンチロックブレーキシステムにおける前後の車輪回転数を検出する回転検出装置に装着されるベアリングシールの構成部品とされる磁気エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のスキッドを防止するためのアンチスキッド用回転検出装置として、次のような構造が多く用いられている。すなわち、前記回転検出装置は歯付ローターと感知センサからなっており、その際、軸受を密封するシール装置よりそれぞれ離間させて配置し、一つの独立した回転検出装置を構成しているものが一般的である。
このような従来例は、回転軸に嵌合された歯付ローターを、ナックルに取付られた回転検出センサで感知検出する構造を持ち、使われている軸受は、その側部に独立して設けられたシール装置によって、水分あるいは異物の侵入から守られる。
【0003】
その他の例として特許文献1には、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ感知性能を飛躍的に向上させることを目的として、車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着し、そこに交互に磁極を配設した構造が示されている。
また、特許文献2には、軸方向の寸法を小さくし、回転部材と固定部材との間の密閉度を良好にし、容易に取り付け可能にすることを目的として、回転部材と固定部材との間がシールされ、この回転部材に回転ディスクが取り付けられ、その回転ディスクに多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としたものが示されている。使用するコーダは、磁性粒子を添加したエラストマーからなるものが用いられ、このコーダの側面を固定部材の側面とほぼ同一平面としたシール手段とされている。
【0004】
磁性粉や磁性粒子を含有するプラスチック(プラストマー) 製のコーダは、やはり従来の射出成形や圧縮成形等のように、製品形状に適応した金型を使用して賦形したり、つまり金型どおりの形に成形したり、 T形のダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形でシートを成形し打ち抜き加工などにより製品形状にして、その後、金属基板上に接着剤などで接着固定し製作してもよい。またこの場合、インサート成形のようにあらかじめ金型内に金属基板を組込んでおき、その後、溶融樹脂を流し入れて接着工程を同時加工して製作してもよい。
【0005】
【特許文献1】
特許第2816783号公報
【特許文献2】
公開平6−281018
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般の磁性粉等を添加したエラストマーやプラストマーの多極磁石では、磁気検出に必要な磁界を得るためには、磁力が弱いためにある程度大きなものになり、磁気エンコーダのコンパクト化が難しいという課題がある。コンパクト化のため、強い磁化が可能な希土類の磁石を用いた場合は材料コストが高くなる。
また、自動車の車輪用軸受に上記磁気エンコーダを使用する場合、車輪用軸受は路面に曝され、塩泥水を浴びるため、錆の発生の懸念がある。特に、磁気エンコーダのコンパクト化のために磁性粉を多くした場合、上記錆の発生の問題が問題となる。
【0007】
この発明の目的は、多極磁石に強い磁力が得られてコンパクトな構成とでき、また材料コストの低減が図れる磁気エンコーダを提供することである。
この発明の他の目的は、コンパクトな構成で回転検出が行える車輪用軸受を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明における各磁気エンコーダは、いずれも円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石にナノコンポジット組織を有する材質を用いたこと特徴とする。この発明における第1の磁気エンコーダは、上記多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いたものである。ナノコンポジット磁石は、ナノコンポジット組織、つまりナノメータ単位の超微細結晶混相組織を有する磁石のことである。
ナノコンポジット磁石は、高い残留磁化が可能なものが開発されており、材料コストも安価にできるものがある。そのため、多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いることで、磁極の磁界強度を確保しながら、コンパクト化が図れる。また、安価な材料のナノコンポジット磁石を選定することで、磁気エンコーダのコスト低下を図ることも可能になる。
【0009】
この発明において、上記多極磁石は、具体的には、次のいずれかの構成のものであっても良い。
▲1▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を含むもの。
▲2▼.ナノコンポジット組織を有する焼結磁石を用いたもの。
▲3▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を材料に含む焼結磁石としたもの。
▲4▼.磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体を用い、上記磁性粉にナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いた焼結磁石としたもの。
▲5▼.磁性粉を含有するゴム磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
▲6▼.磁性粉を含有するプラスチック磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
【0010】
これらの多極磁石のうち、上記▲2▼〜▲4▼の焼結磁石としたものは、エラストマーやプラストマーに比べて表面が硬いため、耐摩耗性に優れ,また損傷し難い。特に、▲4▼の磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させたのでは、バインダとなる非磁性金属粉の存在のために割れ難い。このため、車輪用軸受等に使用した場合に、多極磁石とセンサ間に砂粒等の粒子が噛み込まれても、多極磁石の損傷が生じ難い。
【0011】
上記各構成の磁気エンコーダにおいて、上記磁性粉には、ナノコンポジッ組織を有する磁性粉と他の磁性粉との混合粉を用いても良い。例えば、ナノコンポジッ組織を有する磁性粉と、フェライト粉との混合粉を用いても良い。
【0012】
上記各構成において、ナノコンポジット磁石には、例えば、ネオジム・鉄・ホウ素系のものを用いることができる。上記ナノコンポジット組織を有する磁性粉も、ネオジム・鉄・ホウ素系のものを用いることができる。
【0013】
この発明の磁気エンコーダは、上記いずれかの構成のものにおいて、上記多極磁石を芯金に固定したものであっても良い。多極磁石の芯金への固定は、芯金の加締により行っても、また接着剤により多極磁石を芯金に接着することで行っても良い。芯金と多極磁石とを一体化させることで、多極磁石の材質にかからず、磁気エンコーダの全体として堅固なものとでき、また磁気エンコーダを、例えば車輪用軸受などの磁気エンコーダ使用機器に容易に組み込むことができる。
【0014】
この発明の車輪用軸受は、この発明の上記いずれかの構成の磁気エンコーダを備え、車体に対して車輪を支持する車輪用軸受であって、転走面を内周面に形成した外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在された転動体とを備える。上記磁気エンコーダは、上記外方部材および内方部材のいずれかに、その部材と同心に取付ける。例えば、外方部材および内方部材のうちの回転側の部材に嵌合状態に取付けられる。
車輪用軸受にこの発明の磁気エンコーダを取付けることで、そのコンパクトな構成が効果的となり、軸受周辺の空間に余裕が得られ、設計が容易になる。すなわち、車輪用軸受に回転検出機能を持たせようとした場合、周辺に空間が得難い場合が多く、軸受やナックル等の設計が難しくなるが、磁気エンコーダがコンパクト化されることで、設計が容易になる。また、車輪用軸受は路面に曝された状態となり、塩泥水を浴びるため、錆の発生の懸念があるが、ナノコンポジット磁石では耐食性,耐酸性に優れたものが得易く、そのような材質のナノコンポジット磁石を選定することで、車輪用軸受の厳しい環境下においても、錆の発生の問題のない耐久性に優れたものとできる。
【0015】
この発明の車輪用軸受において、上記外方部材と内方部材の間の軸受空間の端部を密封するシール装置を設け、このシール装置の構成部品に上記磁気エンコーダを含むものとしても良い。このように磁気エンコーダをシール装置の構成部品に兼用することで、車輪用軸受のより一層のコンパクト化が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1に示すように、この磁気エンコーダ10は、金属製の環状の芯金11と、この芯金11の表面に周方向に沿って設けられた多極磁石14とを備える。多極磁石14は周方向に多極に磁化され、交互に磁極N,Sが形成された部材であり、多極に磁化された磁気ディスクからなる。磁極N,Sは、ピッチ円直径PCD(図2)において、所定のピッチpとなるように形成されている。この磁気エンコーダ10は、回転部材(図示せず)に取付けられ、図3に示すように多極磁石14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用されるものであり、磁気エンコーダ10と磁気センサ15とで回転検出装置20が構成される。同図は、磁気エンコーダ10を軸受(図示せず)のシール装置5の構成要素とした応用例を示し、磁気エンコーダ10は、軸受の回転側の軌道輪に取付けられる。シール装置5は、磁気エンコーダ10と、固定側のシール部材9とで構成される。シール装置5の具体構成については後に説明する。
【0017】
芯金11への多極磁石14の固定は、接着剤による接着であっても、加締によっても良いが、この実施形態では加締により固定している。芯金11の形状は、種々の円環状の形状とでき、この例では、図1(B)に示すように、嵌合側となる内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11bと、外径縁の他筒部11cとでなる断面概ね逆Z字状の円環状としている。他筒部11cを加締ることで、多極磁石14を芯金11に取付けている。多極磁石14の外周部には、芯金11の加締部分が被検出面よりも突出しないように、凹部14が設けられている。芯金11を接着する場合は、他筒部11cは不要であり、芯金11は断面L字状とされる。
芯金11の材質となる金属は、磁性体、特に強磁性体となる金属が好ましく、例えば磁性体でかつ防錆性を有する鋼板が用いられる。このような鋼板として、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や、防錆処理された圧延鋼板等を用いることができる。
【0018】
多極磁石14は、ナノコンポジット磁石を用いている。ナノコンポジット磁石は、ナノコンポジット組織、つまりナノメータ単位(例えば数nm〜数百nm)の超時微細結晶混相組織を有する磁石のことである。多極磁石14にナノコンポジット磁石を用いる構成として、次のいずれの構成としても良い。
▲1▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を含むもの。
▲2▼.ナノコンポジット組織を有する焼結磁石を用いたもの。
▲3▼.ナノコンポジット組織を有する磁性粉を材料に含む焼結磁石としたもの。
▲4▼.磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体を用い、上記磁性粉にナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いた焼結磁石としたもの。
▲5▼.磁性粉を含有するゴム磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
▲6▼.磁性粉を含有するプラスチック磁石であって、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたもの。
【0019】
上記ナノコンポジット磁石またはナノコンポジット組織を有する磁性体には、例えばネオジム・鉄・ホウ素系のものが用いられる。具体的な材質例や製法は後に説明する。
【0020】
この構成の磁気エンコーダ10は、図3と共に前述したように、多極磁石14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用される。磁気エンコーダ10を回転させると、多極磁石14の多極に磁化された各磁極N,Sの通過が磁気センサ15で検出され、パルスのかたちで回転が検出される。磁気エンコーダ10が図3のように軸受のシール装置5に応用されたものである場合、磁気エンコーダ10の取付けられた軸受の回転が検出されることになる。
【0021】
多極磁石14にはナノコンポジット磁石を用いたが、ナノコンポジット磁石は高い残留磁化が可能なものが開発されており、材料コストも安価にできるものがある。そのため、多極磁石14にナノコンポジット磁石を用いることで、磁極の磁界強度を確保しながら、コンパクト化が図れる。また、安価な材料のナノコンポジット磁石を選定することで、磁気エンコーダ10のコスト低下を図ることも可能になる。ナノコンポジット磁石には、耐食性、耐酸性に優れたものがあり、そのような材質を選定することで、車輪軸受等のような塩泥水を浴びる過酷な環境に磁気エンコーダ10を用いられても、多極磁石14が錆の発生の問題のないものとできる。なお、防錆の確実のために、例えば図5のように防錆被膜22を施しても良い。また、多極磁石14が焼結磁石である場合は、表面が硬く、砂粒の噛み込み等によって表面が損傷することが緩和される。
【0022】
ナノコンポジット磁石の詳細例を説明する。ナノコンポジット磁石は、上記のようにナノコンポジット組織を有する磁石のことである。ナノコンポジット組織は、ナノコンポジット組織、つまりナノメータ単位の超時微細結晶混相組織を有する磁石のことである。例えば、ナノコンポジット磁石は、図4に模式図を示すように、高磁化相aとハード磁性相bの隣接した超時微細結晶混相組織となり、その結晶は、数nmないし数十nmの大きさのものとなる。ナノコンポジット磁石の磁性粉においても、その個々の粉末粒子の内部が図4のような超時微細結晶混相組織となる。ネオジム・鉄・ホウ素系の場合、例えば上記高磁化相aはFe3 Bからなり、ハード磁性相bはNd2 Fe14Bからなる。このようなナノコンポジット組織にすることにより、結晶粒間に交換結合力が発生し、等方性にもかかわらずに、従来にない高い残留磁化が得られる。したがって焼結フェライト磁石に比べて高い磁力を得ることが可能である。
【0023】
ナノコンポジット磁石の製法としては、次の各種のものが用いられる。
・超急冷(非晶質生成)の後、結晶化する。
・メカニカルアロイングの後、熱処理を行う。
・高速蒸着および高速結晶化。
・繰り返し圧延、押し出し。
・非晶質から磁界中での熱処理。
【0024】
等方性ナノコンポジット磁石の材質例としては、次のものが使用できる。
Fe/Nd2 Fe14B、FeB/Nd2 Fe14B、Fe/SmFeN、
(Co,Fe)/SmCo、Nd2 Fe14B(MQP−B)、等である。
添加元素として、組織微細化のため、Zr,Nb等を用いても良い。
【0025】
なお、ナノコンポジット組織を有する磁性粉と他の磁性粉との混合粉として用いても良い。他の磁性粉には、例えばフェライト磁粉を用いることができる。
また、上記ナノコンポジット組織を有する磁性粉は、非磁性金属粉との混合粉として焼結体に用いても良い。非磁性金属粉には、ステンレス粉またはスズ粉等を用いることができる。
【0026】
なお、上記構成では、多極磁石14は加締または接着により固定する場合につき説明したが、多極磁石14は、芯金11に圧入により固定しても良い。その場合、例えば図6に示すように、芯金11を、内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11b”とでなる断面L字状の円環状とする。円筒部11aと立板部11b”とは、鋼板等の金属板から一体にプレス成形されたものである。立板部11b”は平坦に形成されており、その平坦な立板部11b”まで、多極磁石14となるディスク状の焼結体を円筒部11aの外周に圧入して固定する。立板部11b”の高さは、多極磁石14の内周部付近が当たる高さとされる。
【0027】
また、上記各例では芯金11を鋼板プレス成形品製としたが、図7に示すように、芯金11は、鋼材等の削り出し品からなるものとしても良い。同図の例の芯金11は立板部11bの溝部11baを切削加工溝としている。
【0028】
つぎに、この磁気エンコーダ10を備えた車輪用軸受の一例、およびそのシール装置5の例を、図8,図9と共に説明する。図8に示すように、この車輪用軸受は、内方部材1および外方部材2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封するシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5は、磁気エンコーダ10付きのものである。内方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成されている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体3を介して互いに回転自在となった内周側の部材および外周側の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独であっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられている。
【0029】
この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成された一対の分割型の内輪18,19からなる。これら内輪18,19は、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。なお、内方部材1は、上記のようにハブ輪6および一対の分割型の内輪18,19からなる3部品の組立部品とする代わりに、ハブ輪6および片方の内輪18が一体化された軌道面付きのハブ輪と、もう片方の内輪19とで構成される2部品からなるものとしても良い。
【0030】
ハブ輪6には、等速自在継手7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフランジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられる。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動軸に連結される。
外方部材2は、軸受外輪からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に保持器4で保持されている。
【0031】
図9は、磁気エンコーダ付きのシール装置5を拡大して示す。このシール装置5は、図3に示したものと同じであり、その一部を前述したが、図9において、詳細を説明する。このシール装置5は、磁気エンコーダ10またはその芯金11がスリンガとなり、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材に取付けられる。この例では、回転側の部材は内方部材1であるため、磁気エンコーダ10は内方部材1に取付けられる。
【0032】
このシール装置5は、内方部材1と外方部材2に各々取付けられた第1および第2の金属板製の環状のシール板(11),12を有する。第1のシール板(11)は、上記磁気エンコーダ10における芯金11のことであり、以下、芯金11として説明する。磁気エンコーダ10は、図1ないし図3と共に前述した第1の実施形態にかかるものであり、その重複する説明を省略する。この磁気エンコーダ10における多極磁石14に対面して、同図のように磁気センサ15を配置することにより、車輪回転速度の検出用の回転検出装置20が構成される。
【0033】
第2のシール板12は、上記シール部材9(図3)を構成する部材であり、第1のシール板である芯金11の立板部11bに摺接するサイドリップ16aと円筒部11aに摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有する。これらリップ16a〜16cは、第2のシール板12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けられている。これらリップ16a〜16cの枚数は任意で良いが、図9の例では、1枚のサイドリップ16aと、軸方向の内外に位置する2枚のラジアルリップ16c,16bとを設けている。第2のシール板12は、固定側部材である外方部材2との嵌合部に弾性部材16を抱持したものとしてある。すなわち、弾性部材16は、円筒部12aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部16dを有するものとし、この先端覆い部16dが、第2のシール板12と外方部材2との嵌合部に介在する。
第2のシール板12の円筒部12aと第1のシール板である芯金11の他筒部11cとは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール17を構成している。
【0034】
この構成の車輪用軸受によると、車輪と共に回転する内方部材1の回転が、この内方部材1に取付けられた磁気エンコーダ10を介して、磁気センサ15で検出され、車輪回転速度が検出される。
磁気エンコーダ10は、シール装置5の構成要素としたため、部品点数を増やすことなく、車輪の回転を検出することができる。車輪用軸受は、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、塩泥水を浴びることになるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14がナノコンポジット磁石であるため、耐食性、耐酸性に優れたものを選定でき、錆の発生しないものとできる。また、車輪用軸受は、路面の環境下にさらされた状態となることから、磁気エンコーダ10とこれに対面させる磁気センサ15との間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14を焼結磁石とした場合は、硬質であるため、多極磁石14の表面の摩耗損傷は従来の弾性体製のものに比べて大幅に低減される。また車輪用軸受5における軸受端部の空間は、周辺に等速ジョイント7や軸受支持部材(図示せず)があって限られた狭い空間となるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14がナノコンポジット磁石の採用により薄肉化できるため、回転検出装置20の配置が容易になる。
内外の部材1,2間のシールについては、第2のシール板12に設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第2のシール板12の円筒部12aに第1のシール板である芯金11の他筒部11cが僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
【0035】
なお、磁気エンコーダ10を軸受のシール装置5の構成要素とする場合等において、多極磁石14を、上記各実施形態とは逆に軸受に対して内向きに設けても良い。すなわち、多極磁石14を芯金11の軸受内側の面に設けても良い。その場合、芯金11は非磁性体製のものとすることが好ましい。
【0036】
さらに、磁気エンコーダ10は、上記各実施形態のように多極磁石14を軸方向に向けたものに限らず、例えば図10に示すように、径方向に向けて設けても良い。同図の例は、シール装置5のスリンガとなるシール板である芯金11Aに、その立板部11bから軸方向の外側へ延びる第2の円筒部11dを設け、第2の円筒部11dの外周に多極磁石14を固定している。すなわち、第2の円筒部11dの先端には外径側へ延びる加締板部11eを一体に設け、この加締板部11eを加締ることで、多極磁石14に第2の円筒部11dの外周面に固定している。立板部11bは円筒部11aから外径側に延びている。すなわち、この例の芯金11Aは、円筒部11a、立板部11b、および第2の円筒部11dが順次続く断面概ね逆Z字状の部分に、その第2の円筒部11dの先端から加締板部11eが外径側へ一体に延びた形状のものとされている。磁気センサ15は、多極磁石14に対して径方向に対面配置する。
【0037】
なお、上記各実施形態の磁気エンコーダ10は、いずれも軸受のシール装置5の構成部品とした場合につき説明したが、これら各実施形態の磁気エンコーダ10は、シール装置5の構成部品とするものに限らず、単独で回転検出に利用することができる。例えば、図1の実施形態における磁気エンコーダ10を、シール装置5とは別に軸受に設けても良い。
また、図11に示すように、磁気エンコーダ10Aは、多極磁石14が径方向に向くように、円筒状の芯金11Cの外径面に多極磁石14を設けた構成のものとしても良い。その場合に、磁気エンコーダ10を、車輪用軸受における外方部材2Aの外径面に嵌合させて設けても良い。同図の車輪用軸受は、内方部材1Aおよび外方部材2Aのうちの外方部材2Aを回転側の部材とし、外方部材2Aに車輪取付フランジ26を設けたものである。シール装置5Aは、磁気エンコーダ10Aとは別に軸受に設けられる。外方部材2Aは一対の分割内輪18A,19Aからなる。
【0038】
なお、上記各実施形態において、磁気エンコーダ10はいずれも芯金11を有するものとしたが、芯金11を有せず、多極磁石14の単独で磁気エンコーダ10を構成しても良い。
【0039】
【発明の効果】
この発明の磁気エンコーダは、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いたものであるため、多極磁石に強い磁力が得られてコンパクトな構成とでき、また材料コストの低減を図ることも可能である。
この発明の車輪用軸受は、この発明の磁気エンコーダを備えたものであるため、コンパクトな構成で回転検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の第1の実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図、(B)は同磁気エンコーダの組立過程を示す部分斜視図である。
【図2】同磁気エンコーダを正面から示す磁極の説明図である。
【図3】同磁気エンコーダを備えたシール装置と磁気センサとを示す部分破断正面図である。
【図4】ナノコンポジット組織の模式説明図である。
【図5】この発明の他に実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。
【図6】この発明のさらに他に実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。
【図8】第1の実施形態にかかる磁気エンコーダを備えた車輪用軸受の全体の断面図である。
【図9】同車輪用軸受の部分断面図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受の磁気エンコーダ部分の断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受の断面図である。
【符号の説明】
1…内方部材
2…外方部材
3…転動体
5…シール装置
10…磁気エンコーダ
14…多極磁石
15…磁気センサ
20…回転検出装置
Claims (13)
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石に、ナノコンポジット磁石を用いたことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を含むことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石に、ナノコンポジット組織を有する焼結磁石を用いたことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石を、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を材料に含む焼結磁石としたことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石に磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体を用い、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石が、磁性粉を含有するゴム磁石であり、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石を有する磁気エンコーダにおいて、上記多極磁石が、磁性粉を含有するプラスチック磁石であり、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉を用いたことを特徴とする磁気エンコーダ。
- 請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、または請求項7のいずれかにおいて、上記磁性粉に、ナノコンポジット組織を有する磁性粉と他の磁性粉との混合粉を用いた磁気エンコーダ。
- 請求項1において、上記ナノコンポジット磁石は、ネオジム・鉄・ホウ素系のものである磁気エンコーダ。
- 請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、または請求項7、または請求項8のいずれかにおいて、上記ナノコンポジッ組織を有する磁性粉は、ネオジム・鉄・ホウ素系のものである磁気エンコーダ。
- 請求項1ないし請求項10のいずれかにおいて、上記多極磁石を芯金に固定した磁気エンコーダ。
- 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の磁気エンコーダを備え、車体に対して車輪を支持する車輪用軸受であって、転走面を内周面に形成した外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在された転動体とを備え、上記外方部材および内方部材のいずれかに、上記磁気エンコーダを同心に取付けたことを特徴とする車輪用軸受。
- 請求項12において、上記外方部材と内方部材の間の軸受空間の端部を密封するシール装置を設け、このシール装置の構成部品に上記磁気エンコーダを含むものとした車輪用軸受。
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-
2003
- 2003-01-21 JP JP2003012708A patent/JP2004085532A/ja not_active Withdrawn
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