JP2004084599A - V型多気筒エンジンの制御装置 - Google Patents

V型多気筒エンジンの制御装置 Download PDF

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上條 祐輔
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Abstract

【課題】横置きでスラントして搭載されたV型多気筒エンジンのファイヤリング開始時の振動を抑制する。
【解決手段】横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載されたV型6気筒エンジンでは、前側の片側バンクに位置する気筒#2、#4、#6の点火のタイミングで、後ろ向きに大きな振動が発生する。そこで、モータリングからファイヤリングへの運転切換時に、後ろ側の片側バンクに位置する気筒#1、#3、#5から点火が開始されるように構成する。即ち、図中、P1での点火を禁止してP2から点火するようにする。エンジン1が時計回りだとエンジントルクの反力により車両の後ろ方向に、始動時に大きく振られることになるが、上記構成だと後ろ向きの振動の加速度が小さくてすむ。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されるV型多気筒エンジンを制御するV型多気筒エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の多気筒エンジンは、気筒(シリンダ)の配置のレイアウトによって、様々な型に分けられる。それら型の一つとして、左右V字型に気筒を振り分けたV型多気筒エンジンがある。V型多気筒エンジンは、直列型のものと較べて振動が大きく、様々な手法により振動の抑制が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンは、車両に搭載される場合、スラントして(クランク軸回りに傾斜させて)搭載されるのが一般的であるが、上記従来技術のV型多気筒エンジンでは、スラントして、かつ車両の前後方向に対して横置きに搭載された場合に、後ろ方向への加速度が顕著に大きい振動が発生した。この振動は、クランク角度に同期して大小を繰り返すもので、モータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、場合によっては極端に大きなものとなった。したがって、ファイヤリング開始時の振動を抑制することができないといった問題が生じた。
【0004】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、横置きでスラントして搭載されたV型多気筒エンジンのファイヤリング開始時の振動を抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
前述した課題の少なくとも一部を解決するための手段としては、以下に示す構成をとった。
【0006】
本発明の第1のV型多気筒エンジンの制御装置は、
車両に搭載されるV型多気筒エンジンと、
前記V型多気筒エンジンの運転を制御する制御手段と
を備えるV型多気筒エンジンの制御装置において、
前記V型多気筒エンジンは、
車両の前後方向に対して横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、
車両の右方向から見て時計回りに回転する構成であり、
前記制御手段は、
前記V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前記V型多気筒エンジンを、前記後ろ側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように制御する始動時制御手段
を備えることを要旨としている。
【0007】
上記構成のV型多気筒エンジンでは、次のような現象が生じる。第1に、V型多気筒エンジンを、横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載していることから、車両の前側の片側バンクに位置する気筒の点火のタイミングで、後ろ向きに大きな振動が発生する。第2に、V型多気筒エンジンは、車両の右方向から見て時計回りに回転する構成であることから、ファイヤリングの開始時に、エンジントルクが発生すると、気筒のヘッド上面は、まず反力によって車両の後ろ方向に振られる。これらの現象から、V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始された場合には、上記ファイヤリング開始時のエンジントルクの反力による後ろ方向への振動が加えられて、後ろ向きの振動がより大きくなる問題が生じた。
【0008】
翻って、上記構成の第1のV型多気筒エンジンの制御装置によれば、モータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、後ろ側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように構成されていることから、後ろ向きの振動はそれほど大きなものとならない。したがって、V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時の振動を抑制することができるという効果を奏する。
【0009】
上記第1のV型多気筒エンジンの制御装置において、動力源として、前記V型多気筒エンジンと、該V型多気筒エンジンの出力軸に連結される電動機とを併せ持つハイブリッド自動車に搭載され、車両停止時には前記V型多気筒エンジンを停止させ、車両発進時には前記電動機の回転力により前記V型多気筒エンジンをモータリングする構成とすることができる。
【0010】
この構成によれば、モータリングからファイヤリングへの運転切り換えの機会が頻繁に発生することから、ファイヤリングへの運転切り換え時の振動抑制の効果を、一層有効なものとすることができる。
【0011】
本発明の第2のV型多気筒エンジンの制御装置は、
車両に搭載されるV型多気筒エンジンと、
前記V型多気筒エンジンの運転を制御する制御手段と
を備えるV型多気筒エンジンの制御装置において、
前記V型多気筒エンジンは、
車両の前後方向に対して横置きに、かつ、前側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、
車両の右方向から見て、反時計回りに回転する構成であり、
前記制御手段は、
前記V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前記V型多気筒エンジンを、前記前側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように制御する始動時制御手段
を備えることを要旨としている。
【0012】
この構成によれば、V型多気筒エンジンが、車両の前後方向に対して横置きに、かつ、前側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、車両の右方向から見て、反時計回りに回転する構成である場合に、モータリングからファイヤリングへの運転切り換え時の振動を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.全体の構成:
B.エンジン搭載上の特徴:
C.制御処理:
D.作用・効果:
E.他の実施形態:
【0014】
A.全体の構成:
図1は、本発明の第1実施例としてのV型多気筒エンジンの制御装置を搭載する車両システムの全体構成図である。この実施例の車両は、エンジンと電動機との2つの動力源で車輪を駆動する、いわゆるパラレルハイブリッドシステムを有するハイブリッド自動車である。電動機はエンジンの動力補助を行なうと共に、発電機としてバッテリ充電を行なう。
【0015】
図1に示すように、この車両システムは、エンジン1を備える。エンジン1は、V型6気筒の4サイクルエンジンからなり、その出力軸は電動機2のロータに連結される。電動機2のロータの出力軸はクラッチ3の入力軸に連結される。また、クラッチ3の出力軸は変速機4の入力軸に、変速機4の出力軸はデファレンシャルギア5を介して駆動軸6に連結される。駆動軸6には車輪7a,7bが接続されている。クラッチ3はその結合及び分離がクラッチ制御装置8により制御される。
【0016】
インバータ装置9にはバッテリ10が接続される。そして、電動機2の三相コイル(図示略)には、インバータ装置9を介してその時々の要求トルクを得るための駆動電流が供給される。制御の中枢をなす電子制御ユニット(以下、ECUと呼ぶ)は、エンジン1、クラッチ制御装置8、インバータ装置9を総合的に制御する。
【0017】
エンジン1には、機関運転状態を検出するためのセンサとして、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ22と、スロットル開度を検出するためのスロットル位置センサ23と、エンジン回転数を検出するための回転数センサ24と、クランク軸の角度(クランク角度CA)を検出するためのクランク角度センサ25とが設けられている。上記各センサの検出信号は随時ECU20に入力される。また併せて、ECU20には、運転者によるアクセルペダル操作量を検出するためのアクセルセンサ26からの検出信号も入力される。なお、アクセルセンサ26は、アクセル操作の有無を検出するためのアクセルスイッチを内蔵している。
【0018】
ECU20は上記各センサの検出信号を基に、エンジン1に対しては、燃料噴射を行なうインジェクタ31へ燃料噴射制御信号を出力し、燃料混合気に火花の点火を行なう点火装置32に点火制御信号を出力し、スロットル開度を制御するスロットルアクチュエータ33へスロットル開度制御信号を出力する。また、インバータ装置9に対しては、電動機2の出力トルクを制御するための界磁電流制御信号を出力する。
【0019】
ECU20による、エンジン1に対する制御や、インバータ装置9に対する制御等の概要を、図2のタイミングチャートを用いて次に説明する。このタイミングチャートには、車両停止状態から走行が開始され、その後再び車両停止されるまでの過程を示す。
【0020】
図2に示すように、時刻t1では、アクセルペダルが踏み込まれ、アクセルスイッチがオンとなる。それに伴いクラッチ3が結合される。この時刻t1では、アクセル操作量に基づいてトルク指令値が演算され、そのトルク指令値に応じたモータトルクが電動機2より発生する。それにより、エンジン1並びに電動機2の回転数が上昇すると共に、車速が次第に上昇する。このとき、エンジン1は、電動機2によるモータリング状態にある。
【0021】
その後、時刻t2において、エンジン回転数が所定値(本実施例では、1000rpm)に達すると、エンジンイグニッション(点火)が開始されて、エンジン1はファイヤリング状態となる。時刻t2〜t3では、エンジン1と電動機2との両出力を使って車両が加速される。その後、時刻t3〜t4では車両が定速走行される。このとき、エンジン1を高効率領域で運転し、余ったエネルギをバッテリ10に蓄えるため、電動機2に回生トルクが発生する。
【0022】
時刻t4でアクセルスイッチがオフになると、それ以降エンジンイグニッションが停止されると共に電動機2の回生トルクが上昇し、車両が減速される。そして、時刻t5で車速が所定値(本実施例では、10km/h)にまで低下すると、クラッチ3が分離される。そしてその後、車両が停止される。
【0023】
B.エンジン搭載上の特徴:
図3は、この車両システムを搭載した自動車の車両前方部の模式的な上面図である。図において、前述したV型6気筒のエンジン1が車両前方部のエンジンルーム内に配置される。このエンジン1は、車両の前後方向に対して横向きに配置されている。この結果、このエンジン1の車両の後ろ側には、第1気筒#1、第3気筒#3、第5気筒#5が位置し、車両の前側には、第2気筒#2、第4気筒#4、第6気筒#6が位置する。
【0024】
図4は、エンジン1の搭載の様子を車両の右方向から示す説明図である。図示するように、エンジン1は、クランク軸回りに所定の搭載角αだけ、車両の後ろ側の片側バンクの側が沈み込むようにスラントしてマウントされている。この実施例では、搭載角αは、15度である。なお、このV型6気筒のエンジン1のVバンク角βは、60度である。また、このエンジン1の回転の向きは、時計回りである。すなわち、車両の右方向から見て、図4に示すように、1点鎖線の矢印Rの向きに、エンジン1は回転する。
【0025】
上記のような特徴でもって搭載されたV型6気筒のエンジン1に発生する振動について、次に説明する。図5に示すように、エンジン1のエンジンヘッド1hに、加速度ピックアップセンサGPSを取り付けて、エンジン1を一定の回転数でモータリングしてみた。そのときの加速度ピックアップセンサGPSの前後方向の実測データをプロットしたのが、図6のグラフである。
【0026】
このグラフにおいて、縦軸は、車両の前後方向の加速度を表わし、正側が車両の前方向、負側が車両の後ろ方向となっている。横軸は、時間経過を、クランク角度θでもって表わす。図示するように、前述した特徴でもって搭載されたエンジン1は、前後方向に一定の周期で変動する振動波形を生じるが、その振動波形は、車両の後ろ方向の加速度が前方向の加速度に較べて大きくなるように偏っている。エンジン1は、#1→#2→#3→#4→#5→#6の気筒順序で点火されているが、図示するように、#2、#4、#6の各気筒の点火時期に発生する加速度の方が、#1、#3、#5の各気筒の点火時期に発生する加速度より、後ろ方向に大きな値となっている。
【0027】
このような振動波形となるのは、エンジン1が、前述した特徴、すなわち、V型のもので、車両の横方向に対して横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸回りにスラントして搭載されたためであると推測される。
【0028】
図7は、エンジン1の出力トルクを表わす説明図である。この図は、エンジン1を、エンジン前方側(図3における車両の右側)からみたときの出力トルクを示している。このエンジン1がスラントせずに搭載されているものとすると、図中、鎖線に示すように、左右のバンクは、上下方向に対して左右均等に30度(Vバンク角が60度であることから、その半分)ずつ開いた状態となる。これに対して、エンジン1を搭載角α(=15度)だけスラントさせた場合には、車両の後ろ側に位置する片側バンクAの上下方向に対する傾斜角θ1は、30度+αとなり、他方側バンクBの上下方向に対する傾斜角θ2は、30度−αとなる。
【0029】
このために、バンクAに位置する気筒によって発生するトルクTAと、バンクBに位置する気筒によって発生するトルクTBは、同じ大きさであっても、その横方向(=車両の前後方向)成分TAh,TBhは異なった大きさとなる。すなわち、車両の前後方向にあっては、後ろ側のバンクAに位置する気筒からのトルクTAの横方向成分TAhが、前側のバンクBに位置する気筒からのトルクTBの横方向成分TBhに比べて大きくなる。図5に示した振動波形において、#2、#4、#6の各気筒の点火時期に発生する加速度の方が、#1、#3、#5の各気筒の点火時期に発生する加速度より、後ろ方向に大きな値となるのは、上記トルクTA,TBの横方向成分TAh,TBhの大きさの差に関連しているとも推測される。
【0030】
C.制御処理:
この実施例のECU30では、上記振動波形に着目して、エンジン1のモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、点火制御に特別な処理を施している。この点火制御について、以下に詳述する。
【0031】
図8は、ECU30のCPUにて実行される点火実行用の割込みルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、所定のクランク角度(例えば30度)毎に実行される。図示するように、処理が開始されると、CPUは、まず、回転数センサ24で検出されたエンジン回転数NEを読み込み(ステップS100)、次いで、クランク角度センサ25で検出されたクランク角度CAを読み込む(ステップS110)。
【0032】
続いて、CPUは、ステップS100で読み込んだエンジン回転数NEが所定値(本実施例では、1000rpm)以上であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、エンジン回転数NEが所定値より小さいと判別された場合には、エンジン1は、未だファイヤリング開始に十分な回転数にモータリングされていないとして、処理を「リターン」に進めて、この点火制御ルーチンを一旦終了する。
【0033】
一方、ステップS120で、エンジン回転数NEが所定値以上であると判別された場合には、エンジン1は、ファイヤリング開始に十分な回転数にモータリングされているとして、ステップS130に処理を進めて、次のようにしてファイヤリングを開始する。
【0034】
CPUは、まず、エンジン1のうちの気筒がより傾いている側のバンク(すなわち、車両の後ろ側のバンク)に位置する気筒についての点火を行なうタイミングであるか否かを判定する(ステップS130)。具体的には、ステップS110で読み込んだクランク角度CAが、第1気筒#1、第3気筒#3、第5気筒#5についての点火のタイミングである、0度、240度、480度のうちのいずれかであるか否かを判定する。ここで、肯定判定された場合には、CPUは、フラグFLに値1をセットして(ステップS140)、そのクランク角度CAに応じて特定される気筒の点火を実行する(ステップS150)。この点火の実行は、点火装置に点火制御信号を出力することで、上記特定される気筒の点火プラグへ送電を行なう。
【0035】
上記フラグFLは、点火が開始された旨を示すためのフラグで、メインキー(図示せず)がオンされたときに、初期値として値0がセットされている。なお、エンジン1がファイヤリングを停止して、再度モータリング状態となったときには、フラグFLは図示しないステップによって値0に再びクリアされるものとする。ステップS150の実行後、「リターン」に抜けて、このルーチンを一旦終了する。
【0036】
一方、ステップS130で、第1気筒#1、第3気筒#3、第5気筒#5についての点火のタイミングでないと判定されたときには、CPUは、ステップS160に処理を進めて、他方側のバンク(すなわち、車両の前側のバンク)に位置する気筒についての点火を行なうタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ステップS110で読み込んだクランク角度CAが、第2気筒#2、第4気筒#4、第6気筒#6についての点火のタイミングである、120度、360度、600度のうちのいずれかであるか否かを判定する。ここで、肯定判別された場合には、CPUは、フラグFLが値1であるか否かを判定して(ステップS170)、フラグFLが値1であると判別された場合には、ステップS150に処理を進めて、クランク角度CAに応じた気筒の点火を実行する。
【0037】
一方、ステップS160で、第2気筒#2、第4気筒#4、第6気筒#6についての点火のタイミングでないと判定されたときには、「リターン」に抜けて、このルーチンを一旦終了する。また、ステップS170で、フラグFLが値1でないと判別された場合にも、「リターン」に抜けて、このルーチンを一旦終了する。
【0038】
上記構成の点火実行用の割込みルーチンによれば、エンジン回転数NEが所定値以上となってファイヤリング開始の条件が整った後に、先に、#1、#3、#5のうちのいずれかの気筒の点火のタイミングとなったときには、そのままその気筒の点火が実行される。これに対して、ファイヤリング開始の条件が整った後、先に、#2、#4、#6のいずれかの気筒の点火のタイミングとなったときには、その気筒の点火は実行されることなしに、#1、#3、#5のうちのいずれかの気筒の点火のタイミングが来るのを待って、その気筒から点火が実行される。例えば、図6において、ファイヤリング開始の条件が整ったときが、気筒#2の点火のタイミングの前であった場合には、気筒#2の点火のタイミング(図中、P1)での点火は行なわれず、次の点火順序である気筒#3の点火のタイミング(図中、p2)で点火がなされることになる。なお、一つの気筒が点火されると、その他の気筒は点火順序に従って順に点火される。
【0039】
D.作用・効果:
本実施例のV型6気筒のエンジン1では、前述したように、横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載されていることから、図6を用いて前述したように、車両の前側の片側バンクに位置する気筒#2、#4、#6の点火のタイミングで、後ろ向きに大きな振動が発生する。また、上記構成のV型6気筒のエンジン1は、車両の右方向から見て時計回りに回転する構成であることから、ファイヤリングの開始時に、エンジントルクが発生すると、気筒のヘッド上面は、まず反力X(図4参照)によって車両の後ろ方向に振られる。
【0040】
これらのために、エンジン1のモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、#2、#4、#6の各気筒から点火が開始された場合(図6中、例えばP1の時点)には、上記ファイヤリング開始時のエンジントルクの反力Xによる後ろ方向への振動が加えられて、後ろ向きの振動がより大きくなる問題が生じた。
【0041】
翻って、本実施例のV型多気筒エンジンの制御装置によれば、モータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、後ろ側の片側バンクに位置する気筒#1、#3、#5から点火が開始される(図6中、例えばP2の時点)ように構成されていることから、後ろ向きの振動はそれほど大きなものとならない。したがって、エンジン1のモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時の振動を抑制することができるという効果を奏する。
【0042】
特に、本実施例では、動力源として、エンジン1と、エンジン1の出力軸に連結される電動機2とを併せ持つハイブリッド自動車に搭載され、車両停止時にはエンジン1を停止させ、車両発進時には電動機2の回転力によりエンジン1をモータリングするように構成されていることから、モータリングからファイヤリングへの運転切り換えの機会が頻繁に発生する。したがって、ファイヤリングへの運転切り換え時の振動抑制の効果を、一層有効なものとすることができる。
【0043】
E.他の実施形態:
なお、前記第1実施例では、後ろ側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように、前側の片側バンクに位置する気筒からの点火を禁止する構成としていたが、これに換えて、その気筒への燃料噴射量をカットすることで実質的に最初の点火がなされないようにすることもできる。この構成によっても第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0044】
本発明の第2実施例について、次に説明する。前記第1実施例では、V型多気筒エンジン1は、車両の前後方向に対して横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、車両の右方向から見て時計回りに回転する構成であったが、これに換えて、車両の前後方向に対して横置きに、かつ、前側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、車両の右方向から見て、反時計回りに回転する構成とすることもできる。かかる構成のV型多気筒エンジンに対して、モータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、V型多気筒エンジンを、前記実施例とは反対の前側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように制御を行なう。
【0045】
V型多気筒エンジンは、横置きに、かつ、前側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載されている場合には、車両の前側の片側バンクに位置する気筒の点火のタイミングで、前向きに大きな振動が発生する。一方、V型多気筒エンジンは、車両の右方向から見て反時計回りに回転する構成であることから、ファイヤリングの開始時に、エンジントルクが発生すると、気筒のヘッド上面は、まず反力によって車両の前方向に振られる。これらのために、エンジン1のモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前側の片側バンクに位置する気筒(6気筒の場合、#1、#3、#5)から点火が開始された場合には、上記ファイヤリング開始時のエンジントルクの反力による前方向への振動が加えられて、前向きの振動がより大きくなる問題が生じた。
【0046】
翻って、この第2実施例によれば、モータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前側の片側バンクに位置する気筒#2、#4、#6から点火が開始されるように構成されていることから、前向きの振動はそれほど大きなものとならない。したがって、V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時の振動を抑制することができるという効果を奏する。
【0047】
本発明は、上述した、第1実施例、第2実施例等に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0048】
(1)上述した実施例では、V型多気筒エンジンは、V型6気筒エンジンであったが、これに換えて、V型の10気筒、12気筒等、他の気筒数(複数)のエンジンとすることもできる。
【0049】
(2)上述した実施例では、ハイブリッドシステムは、パラレル方式であったが、これに換えて、遊星歯車(プラネタリギア)を用いた機械分配式のものであってもよいし、電気分配式のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのV型多気筒エンジンの制御装置を搭載する車両システムの全体構成図である。
【図2】ECU20による制御の概要を表わすタイミングチャートである。
【図3】車両システムを搭載した自動車の車両前方部の模式的な上面図である。
【図4】エンジン1の搭載の様子を車両の右方向から示す説明図である。
【図5】加速度ピックアップセンサGPSの取付位置を示す説明図である。
【図6】前後方向加速度の実測データから得られた振動波形を示すグラフである。
【図7】エンジン1の出力トルクを表わす説明図である。
【図8】ECU30のCPUにて実行される点火実行用の割込みルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン
1h…エンジンヘッド
2…電動機
3…クラッチ
4…変速機
5…デファレンシャルギア
6…駆動軸
7a,7b…車輪
8…クラッチ制御装置
9…インバータ装置
10…バッテリ
20…ECU
22…水温センサ
23…スロットル位置センサ
24…回転数センサ
25…クランク角度センサ
26…アクセルセンサ
31…インジェクタ
32…点火装置
33…スロットルアクチュエータ

Claims (3)

  1. 車両に搭載されるV型多気筒エンジンと、
    前記V型多気筒エンジンの運転を制御する制御手段と
    を備えるV型多気筒エンジンの制御装置において、
    前記V型多気筒エンジンは、
    車両の前後方向に対して横置きに、かつ、後ろ側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、
    車両の右方向から見て時計回りに回転する構成であり、
    前記制御手段は、
    前記V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前記V型多気筒エンジンを、前記後ろ側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように制御する始動時制御手段
    を備えることを特徴とするV型多気筒エンジンの制御装置。
  2. 動力源として、前記V型多気筒エンジンと、該V型多気筒エンジンの出力軸に連結される電動機とを併せ持つハイブリッド自動車に搭載され、車両停止時には前記V型多気筒エンジンを停止させ、車両発進時には前記電動機の回転力により前記V型多気筒エンジンをモータリングする請求項1に記載のV型多気筒エンジンの制御装置。
  3. 車両に搭載されるV型多気筒エンジンと、
    前記V型多気筒エンジンの運転を制御する制御手段と
    を備えるV型多気筒エンジンの制御装置において、
    前記V型多気筒エンジンは、
    車両の前後方向に対して横置きに、かつ、前側に位置する片側バンクの側が沈み込むようにクランク軸の回りにスラントして搭載され、
    車両の右方向から見て、反時計回りに回転する構成であり、
    前記制御手段は、
    前記V型多気筒エンジンのモータリングからファイヤリングへの運転切り換え時に、前記V型多気筒エンジンを、前記前側の片側バンクに位置する気筒から点火が開始されるように制御する始動時制御手段
    を備えることを特徴とするV型多気筒エンジンの制御装置。
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