JP2004083848A - 着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サブミクロンからミクロンオーダーまでの広い範囲で粒子径制御が可能である、耐水性に優れた、コロイダルシリカが粒子表面付近に偏在し、着色(特に蛍光着色)された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記の工程(a)及び/又は(b)で蛍光染料又は水溶性染料を加える、工程(a)及び(b)を含む着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
(a):水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
(b):(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コロイダルシリカが粒子表面付近に偏在し、着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法に関するものである。本発明の着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子は、特に耐水性に優れ、耐溶剤性、耐熱性、耐光性も良好で、粒子径分布が狭いという特徴を有し、塗料・インキ用蛍光顔料及び着色顔料、各種分析試薬、診断試薬、印刷材料、蛍光ランプ、蛍光トナー、着色トナー、艶消し剤、樹脂フィラー、樹脂フィルムの滑り性向上剤、液晶ディスプレイ用スペーサー、光拡散シートの光拡散剤、電気泳動表示装置、タッチパネル用ハードコート剤、光学材料、難燃剤、製紙材料、繊維処理材料などとして好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
蛍光着色されたアミノ系樹脂粉末としては、蛍光染料の存在下でアミノトリアジン化合物と、芳香族モノスルホンアミド化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応をさせることにより、該縮合物を基体樹脂とした蛍光着色樹脂粉末を製造する方法が知られている(特許文献1、及び特許文献2参照。)。この方法で得られる蛍光着色樹脂粉末は不定形である。
【0003】
蛍光着色された球状のアミノ系硬化樹脂粒子の製造方法としては、ベンゾグアナミンと、メラミンと、ホルムアルデヒドとの初期縮合物を染料で染色し、親水性の保護コロイドを用いて乳化させ、次いで酸等の硬化触媒を加えて硬化反応させる方法が開示されている(特許文献3参照。)。該方法では、狭い粒子系分布を有する着色球状硬化樹脂粒子が得られるが、分散剤として使用される水溶性の保護コロイドが得られる硬化樹脂粒子中に混入するので、該樹脂粒子の耐水性が低下しやすいという課題がある。
【0004】
染料で着色された未硬化のベンゾグアナミン樹脂の乳化物に、0.05μm以下の超微粒子状シリカと硬化触媒を添加して乳化状態で硬化反応させる方法がある(特許文献4参照。)。該方法においてもベンゾグアナミン樹脂の乳化物の合成時に水溶性保護コロイドが使用され、前記のごとく耐水性が低下しやすいという課題がある。該方法において超微粒子状シリカは硬化ベンゾグアナミン樹脂粒子の凝集防止を目的とした分散性向上剤として使用されている。
【0005】
蛍光着色されてはいないが、水溶性の保護コロイドを使用せずに球状硬化メラミン樹脂粒子を得る方法も提案されている。フェノール類、尿素類および芳香族アミン類から選ばれた縮合成分とアルデヒド化合物とを、不活性有機媒体中で無機質粉末の懸濁下に縮合反応させる方法が開示されているが、該方法は反応溶媒に有機溶媒を使用するので製造コスト及び環境負荷が高くなり経済的ではない(特許文献5参照)。水性媒体中で塩基性触媒とフッ化カルシウム、フッ化マグネシウム及びフッ化ストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の実質的に水に不溶性の無機塩類の懸濁下でメラミンとアルデヒド化合物を反応させる方法がある(特許文献6参照。)。この方法で得られる硬化樹脂粒子は表面が実質的に水に不溶な無機塩類で被覆されるので耐水性は良好であるが、硬化樹脂粒子の粒子径に関しては該公報実施例1で約10μmの例が開示されているのみであり、例えばサブミクロンオーダーの粒子径を得ることは述べられておらず、粒子径制御範囲の面で課題がある。硬化樹脂粒子の適用用途範囲を拡大させるために、広い範囲で粒子径制御できる方法の開発が望まれている。
【0006】
ポリケイ酸水溶液とアミノ樹脂水溶液を混合して反応させることにより、球状で空孔を有する粒子径1〜50μmのポリケイ酸−アミノ樹脂共重合体粒子を製造する方法が開示されている(特許文献7参照。)。一方、後述する本発明で得られる球状複合硬化メラミン樹脂粒子は、コロイダルシリカとメラミン樹脂とは均一に共重合しておらず、それぞれ分相してモザイク重合体として複合化している点で上記明細書に記載された粒子と相違する。
【0007】
ここで、ポリケイ酸とは分子量10万以下で粒子径50Å(5nm)未満の高度に加水分解された活性シリカであり、コロイダルシリカはポリケイ酸より高分子量で粒子径50Å以上である(非特許文献1参照。)。従って、上記特許文献7に開示されたポリケイ酸と本発明におけるコロイダルシリカとは異なるものである。
【0008】
ケイ酸ソーダ水溶液とアミノ化合物とホルムアルデヒドを混合して反応させることにより、一次粒子径0.05〜0.3μm、クラスター粒子径1〜10μmのアミノ樹脂−シリカ複合粒子を製造する方法が記載されている(特許文献8参照。)。しかしながら、このケイ酸ソーダ水溶液を使用する製造方法では、本発明者らの試験(本願比較例3)では安定に複合粒子を製造することができなかった。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第2938873号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献2】
米国特許第3116256号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開昭49−057091号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開昭52−016594号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開昭50−151989号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】
特開昭62−10126号公報(特許請求の範囲)
【特許文献7】
米国特許第3845006号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献8】
米国特許第3846453号明細書(特許請求の範囲)
【非特許文献1】
ラルフ・ケイ・アイラー(RALPH K.ILER)著、「ザ・ケミストリー・オブ・シリカ(THE CHEMISTRY OF SILICA)」、(米国)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons,Inc.)、1979年、p11
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の方法では着色された球状のアミノ系硬化樹脂粒子の合成時において、水溶性保護コロイドが使用されるため、得られる樹脂粒子の耐水性が低下するという課題がある。また着色されてはいないが、分散剤として無機化合物を使用する場合には、得られる樹脂粒子の粒子径を広い範囲で制御することが困難であるという課題がある。
【0011】
従って、本発明の目的は、特に耐水性に優れた、コロイダルシリカが粒子表面付近に偏在し、着色(特に蛍光着色)された球状複合硬化メラミン樹脂粒子を提供しようとするものである。また本発明の目的は、サブミクロンからミクロンオーダーまでの広い範囲で粒子径制御を行うことが可能である、コロイダルシリカが粒子表面付近に偏在し、着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、蛍光染料を使用し、水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した後、酸触媒を加えて硬化反応を行ったところ、蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子が容易に析出することを見出し、更に5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下では蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の粒子径を広い範囲で制御できることが分かったので、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0013】
本発明の第一実施態様である蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法について述べる。
【0014】
本発明の第一実施態様は、下記の工程(a)及び/又は(b)で蛍光染料を加える、工程(a)及び(b)を含む蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法である。
【0015】
(a):水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
(b):(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
【0016】
上記方法で得られる蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子は、コロイダルシリカが粒子表面付近に偏在した球状硬化メラミン樹脂粒子であること、その平均粒子径が0.05〜100μmであること、および蛍光染料が水に溶出することはなく極めて耐水性が良好であることを特徴とする。
【0017】
本発明の蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造において、コロイダルシリカの作用機構は明らかではないが、おそらくメラミン系樹脂中のアミノ基とコロイダルシリカ粒子表面に存在するシラノール基が水素結合的に作用するために、メラミン系硬化樹脂粒子の析出時にコロイダルシリカが界面活性剤としての役割を果たしていると考えられる。
【0018】
本発明で得られるコロイダルシリカが粒子表面付近に偏在し、蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子とは、一次粒子が球状で独立しており、空孔は有しておらず、コロイダルシリカが粒子最表面から約0.2μmの深さ内の粒子表面付近に存在していることを意味している。コロイダルシリカは粒子表面付近のメラミン系硬化樹脂内に埋め込まれているか、又は粒子表面上に固着した状態で存在するが、通常最表面成分はメラミン系硬化樹脂である。このような形態は、蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子のスライス片を、電子顕微鏡を用いた撮影写真などによって容易に観察することができる。
【0019】
また、本発明の第二実施態様である着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法は、第一実施態様の蛍光染料の代わりに水溶性染料を用いることにより、着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず本発明の第一実施態様について、以下に説明する。
(a)工程について具体的に説明する。(a)工程で使用されるメラミン化合物としては、メラミン、メラミンのアミノ基の水素をアルキル基、アルケニル基、フェニル基で置換した置換メラミン化合物[米国特許第5,998,573号明細書(対応日本特許:特開平9−143238号公報)に記載されている。]、そしてメラミンのアミノ基の水素をヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル(オキサアルキル)n基、アミノアルキル基で置換した置換メラミン化合物[米国特許第5,322,915号明細書(対応日本特許:特開平5−202157号公報)に記載されている。]などが使用できる。この中では安価なメラミンが最も好ましい。
【0021】
またメラミン化合物とメラミン化合物の一部を尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの尿素類、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのグアナミン類、フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロールなどのフェノール類、アニリンで置き換えて混合物として使用することもできる。
【0022】
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラールなどが挙げられるが、安価でメラミン化合物との反応性が良いホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドが好ましい。アルデヒド化合物はメラミン化合物1モルに対して有効アルデヒド基当たり1.1〜6.0モル、特に1.2〜4.0モルをとなるアルデヒド化合物を使用することが好ましい。
【0023】
本発明の(a)工程で使用する媒体としては水が最も好ましい。また水の一部を、水に可溶する有機溶媒に置き換えた混合溶液も使用でき、この場合メラミン樹脂の初期縮合物を溶解することが可能な有機溶媒を選択すると良い。好ましい有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシドなどの極性溶媒が挙げられる。
【0024】
コロイダルシリカは、5〜70nmの平均粒子径を有するものが使用される。
【0025】
ここでコロイダルシリカの平均粒子径は、窒素吸着法(BET法)により測定して得られる比表面積径である。平均粒子径(比表面積径)(Dnm)は、窒素吸着法で測定して、比表面積Sm/gから、D=2720/Sの式によって与えられる。沈降性シリカパウダー、気相法シリカパウダーなどのパウダー状のコロイダルシリカを使用することもできるが、好ましくは媒体中で一次粒子レベルまで安定分散させたコロイダルシリカのゾルを使用すると良い。コロイダルシリカのゾルとしては水性シリカゾルとオルガノシリカゾルがありどちらも適用可能であるが、メラミン樹脂の製造に水性媒体を用いるため、コロイダルシリカのゾルの分散安定性について考慮すると、水性シリカゾルを使用することが最も好ましい。コロイダルシリカのゾル中のシリカ濃度は5〜50重量%のものが一般に市販されており、容易に入手できて好ましい。
【0026】
コロイダルシリカの平均粒子径が70nmを超える場合は、後の(b)工程で析出する複合硬化メラミン樹脂は球状粒子になり難くなる。球状複合硬化メラミン樹脂粒子の平均粒子径は、一般的にメラミン系樹脂濃度が低いほど、またコロイダルシリカの平均粒子径が小さいほど小さくなる傾向にある。
【0027】
コロイダルシリカの添加量は、メラミン化合物100重量部に対して0.5〜100重量部、特に1〜50重量部存在させることが好ましい。0.5重量部未満では(b)工程で球状複合硬化メラミン樹脂粒子を得ることが困難になる。また100重量部を超えても球状複合硬化メラミン樹脂粒子が得られるが、球状ではなく、球状複合硬化メラミン樹脂粒子に比べ微小な凝集粒子が副生するので好ましくない。
【0028】
本発明の(a)工程において、メラミン化合物とアルデヒド化合物の反応は塩基性条件下で行われる。一般的なメラミン樹脂に使用される塩基性触媒を使用し、反応液のpHを7〜10に調整して反応を行うことが好ましい。塩基性触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが好適に使用できる。反応は、通常50〜80℃で行えばよく、分子量200〜700程度の水に可溶なメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液が調製される。
【0029】
次に(b)工程について説明する。(b)工程の硬化反応で使用する酸触媒としては特に制限はなく、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸や、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、スルファミン酸などのスルホン酸類、ギ酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸などの有機酸などが挙げられる。
【0030】
(b)工程において、(a)工程で得られた初期縮合物の水溶液に酸触媒を加えて硬化反応を行うが、通常は酸触媒添加後、数分で硬化メラミン樹脂粒子が析出する。硬化反応は、反応液のpHを酸触媒により3〜7に調整して、70〜100℃で行うことが好ましい。
【0031】
次に蛍光染料について説明する。蛍光染料としては、公知の蛍光染料や蛍光増白染料を使用できる。メラミン樹脂の製造に水性媒体を使用するため、水溶性の蛍光染料を使用することが好ましく、酸性染料でも塩基性染料でもどちらでも使用できる。また蛍光染料と蛍光を有さない通常の染料を組み合わせて使用することもできる。
【0032】
蛍光染料としては、キサンテン系、ベンゾキサンテン系、ベンゾチオキサンテン系、クマリン系、ペリレン系、ナフタルイミド系、アクリジン系、チオフラビン系、ジアミノスチルベン系、イミダゾール系、チアゾール系、オキサゾール系、ピラゾリン系などがあり、具体的には、ウラニン(C.I.45350)、ベーシックイエロー1(C.I.49005)、アクリジンイエロー(C.I.46025)、エオシンY(C.I.45380)、エオシンB(C.I.45400)、ローダミンB(C.I.45170)、ローダミン6G(C.I.45160)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、ブリリアントブルー6B(C.I.24410)、アシッドブルー92(C.I.13390)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、ブリリアントグリーン(C.I.42040)、アリザリングリーン(C.I.42100)などが挙げられる。
【0033】
蛍光染料の添加は、(a)工程でも(b)工程でもどちらでもよく、また(a)工程と(b)工程でそれぞれ分割して添加してもよい。(b)工程で加える場合は、硬化メラミン樹脂粒子が析出した後に加えてもよいが、通常析出後30分以内に加えることが好ましい。硬化メラミン樹脂粒子の析出後30分以上経過してから加えると、蛍光着色の程度が不十分になりやすい。
【0034】
蛍光染料の添加量は、メラミン化合物100重量部に対して0.01〜20重量部、特に0.05〜10重量部存在させることが好ましい。0.01重量部未満では蛍光着色の程度が不十分であり、20重量部を超えると(b)工程で塊状ゲル化を起こしやすくなり、安定的に蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子を得ることが困難になる。
【0035】
具体的に蛍光染料を添加する好ましい実施態様としては、以下のA実施態様〜C実施態様に示される。
【0036】
A実施態様:
下記の工程(a)及び(b)を含む蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
【0037】
(a):蛍光染料を溶解させた水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
(b):(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
【0038】
B実施態様:
下記の工程(a)及び(b)を含む蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
【0039】
(a):水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
(b):(a)工程で得られた水溶液に蛍光染料と酸触媒とを加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
【0040】
C実施態様:
下記の工程(a)及び(b)を含む蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
【0041】
(a):蛍光染料を溶解させた水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
(b):(a)工程で得られた水溶液に蛍光染料と酸触媒とを加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
【0042】
次に、本発明の第二実施態様では、着色剤として第一実施態様で用いた蛍光染料の代わりに水溶性染料を使用する。
【0043】
水溶性染料としては、公知の酸性染料や塩基性染料を使用できる。例えば、ベンゾキノン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴイド系、フェニルメタン系、ニトロ系、ニトロソ系、アジン系、キノリン系、メチン系などが挙げられ、具体的には、タートラジン(C.I.19140)、メタニルイエロー(C.I.13065)、ニューコクシン(C.I.16255)、ファストレッドS(C.I.15620)、アシッドブルー41(C.I.62130)、アシッドブルー45(C.I.63010)、インジゴカルミン(C.I.73015)、アルファズリンFG(C.I.42090)、アシッドグリーン3(C.I.42085)、アシッドグリーン5(C.I.42095)、ファストグリーンFCF(C.I.42053)、ナフトールブルーブラック(C.I.20470)などが挙げられる。
【0044】
水溶性染料の添加は、(a)工程でも(b)工程でもどちらでもよく、また(a)工程と(b)工程でそれぞれ分割して添加してもよい。(b)工程で加える場合は、硬化メラミン樹脂粒子が析出した後に加えてもよいが、通常析出後30分以内に加えることが好ましい。硬化メラミン樹脂粒子の析出後30分以上経過してから加えると、着色の程度が不十分になりやすい。
【0045】
水溶性染料の添加量は、メラミン化合物100重量部に対して0.01〜20重量部、特に0.05〜10重量部存在させることが好ましい。0.01重量部未満では着色の程度が不十分であり、20重量部を超えると(b)工程で塊状ゲル化を起こしやすくなり、安定的に着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子を得ることが困難になる。
【0046】
本発明の第一実施態様及び第二実施態様では、さらに紫外線吸収剤を添加することができる。紫外線吸収剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、ヒンダードアミン系などの公知の紫外線吸収剤を使用できる。メラミン樹脂の製造に水性媒体を使用するため、水溶性の紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
【0047】
紫外線吸収剤の添加は、(a)工程でも(b)工程でもどちらでもよく、また(a)工程と(b)工程でそれぞれ分割して添加してもよい。(b)工程で加える場合は、硬化メラミン樹脂粒子が析出した後に加えてもよいが、通常析出後30分以内に加えることが好ましい。
【0048】
紫外線吸収剤の添加量は、メラミン化合物100重量部に対して0.01〜20重量部、特に0.05〜10重量部存在させることが好ましい。20重量部を超えると(b)工程で塊状ゲル化を起こしやすくなり、安定的に蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子を得ることが困難になる。
【0049】
本発明の第一実施態様及び第二実施態様では、得られたコロイダルシリカが粒子表面付近に偏在している。そして、着色(特に蛍光着色)された球状複合硬化メラミン樹脂粒子は、一般的な濾過又は遠心分離した固形分を乾燥するか、又は樹脂粒子の水分散スラリーを直接噴霧乾燥することにより、粉末状の粒子として得ることができる。乾燥された粉末状の粒子が粒子間凝集している場合は、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサーなどの剪断力を有する混合機や、ピンディスクミル、パルベライザー、イノマイザー、カウンタージェットミルなどの粉砕機で適切に処理すれば、球状粒子を破壊することなく粒子間凝集をほぐすことができる。
【0050】
本発明の第一実施態様及び第二実施態様で得られる着色(特に蛍光着色)された球状複合硬化メラミン樹脂粒子は、平均粒子径が0.05〜100μmである。ここで着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の平均粒子径(μm)は、Mie理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定して得られる50%体積径(メジアン径)である。
【0051】
【実施例】
以下に実施例、比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。
【0052】
実施例1
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0g、37%ホルマリン96.5g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスN(商品名):Si0濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm]40.1g、蛍光染料としてウラニン0.68g、水720gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の黄色水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ280であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸の10重量%水溶液を添加してpHを6.0に調整した。約3分後に反応系内が濁り黄色の硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して黄色の硬化メラミン樹脂粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、0.30μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギ−分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、該粒子は球状で、かつコロイダルシリカが該粒子表面付近に偏在していることが確認された。
【0053】
実施例2
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスN(商品名):Si0濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm]15.5g、蛍光染料としてエオシンY2.2g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の赤色水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ310であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約3分後に反応系内が濁り赤色の硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより赤色の硬化メラミン樹脂粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、7.1μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、該粒子は球状で、かつコロイダルシリカが該粒子表面付近に偏在していることが確認された。
【0054】
実施例3
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスN(商品名):Si0濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm]15.5g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ310であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約2分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂粒子が析出した。析出5分後に、蛍光染料としてローダミンBの0.5%水溶液を34g加えた。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより赤紫色の硬化メラミン樹脂粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、6.8μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、該粒子は球状で、かつコロイダルシリカが該粒子表面付近に偏在していることが確認された。
【0055】
実施例4
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスN(商品名):Si0濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm]15.5g、蛍光染料としてエオシンY1.3g、紫外線吸収剤[シプロ化成(株)製、SEESORB101S(商品名)]0.7g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の赤色水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ300であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約3分後に反応系内が濁り赤色の硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより赤色の硬化メラミン樹脂粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、8.2μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、該粒子は球状で、かつコロイダルシリカが該粒子表面付近に偏在していることが確認された。
【0056】
実施例5
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスN(商品名):Si0濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm]15.5g、水溶性染料としてナフトールブルーブラック1.3g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の濃紺色水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ310であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約4分後に反応系内が濁り濃紺色の硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより濃紺色の硬化メラミン樹脂粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、8.8μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、該粒子は球状で、かつコロイダルシリカが該粒子表面付近に偏在していることが確認された。
【0057】
実施例6
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスN(商品名):Si0濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm]15.5g、水溶性染料としてナフトールブルーブラック1.1g、紫外線吸収剤[シプロ化成(株)製、SEESORB101S(商品名)]0.5g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の濃紺色水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ310であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約3分後に反応系内が濁り濃紺色の硬化メラミン樹脂粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより濃紺色の硬化メラミン樹脂粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、7.9μmであった。この硬化樹脂粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、該粒子は球状で、かつコロイダルシリカが該粒子表面付近に偏在していることが確認された。
【0058】
比較例1
コロイダルシリカを使用しなかったほかは、実施例1と同様に行った。得られた反応液を濾過、乾燥して黄色の硬化樹脂粉末を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、96μmであった。この粉末をSEMにて観察したところ、それは球状硬化メラミン樹脂粒子を形成していなかった。
【0059】
比較例2
水性シリカゾル[日産化学工業(株)製 スノーテックスZL(商品名):Si0濃度40.5重量%、pH9.8、平均粒子径80nm]を66.8g使用したほかは、実施例1と同様に行った。得られた反応液を濾過、乾燥して黄色の硬化樹脂粉末を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、45μmであった。この粉末をSEMにて観察したところ、球状硬化メラミン樹脂粒子を形成していなかった。
【0060】
比較例3
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、ケイ酸ソーダ水溶液[Si0濃度29.2重量%、SiO/NaOモル比3.22]10.6g、水619gを仕込み、pHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温して、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ310であった。次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約5分後に反応系内が白濁した。このまま反応を続けたところ、約15分後に反応系内のメラミン樹脂が全体的にゲル化して塊状となり、撹拌機がトルク・アップしたため反応を停止した。従って、本例では球状硬化メラミン樹脂粒子を得ることはできなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、特に耐水性に優れ、耐溶剤性、耐熱性、耐光性も良好で、狭い粒子径分布を有することを特徴とする、コロイダルシリカが粒子表面付近に偏在し、着色(特に蛍光着色)された球状複合硬化メラミン樹脂粒子を得ることができる。また、本発明の製造方法では、サブミクロンオーダーからミクロンオーダーまでの広い範囲で粒子径制御を行うことが可能である。本発明の着色(特に蛍光着色)された球状複合硬化メラミン樹脂粒子は、塗料・インキ用蛍光顔料及び着色顔料、各種分析試薬、診断試薬、印刷材料、蛍光ランプ、蛍光トナー、着色トナー、艶消し剤、樹脂フィラー、樹脂フィルムの滑り性向上剤、液晶ディスプレイ用スペーサー、光拡散シートの光拡散剤、電気泳動表示装置、タッチパネル用ハードコート剤、光学材料、難燃剤、製紙材料、繊維処理材料などとして好適に利用される。

Claims (10)

  1. 下記の工程(a)及び/又は(b)で蛍光染料を加える、工程(a)及び(b)を含む蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
    (a):水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
    (b):(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
  2. メラミン化合物100重量部に対して、コロイダルシリカを0.5〜100重量部存在させることを特徴とする請求項1に記載の蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  3. コロイダルシリカとして水性シリカゾルを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  4. メラミン化合物100重量部に対して、蛍光染料を0.01〜20重量部存在させることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  5. 工程(a)及び/又は(b)でさらに紫外線吸収剤を加えることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の蛍光着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  6. 下記の工程(a)及び/又は(b)で水溶性染料を加える、工程(a)及び(b)を含む着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
    (a):水性媒体中、5〜70nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカの懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物を塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程、
    (b):(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えて、球状複合硬化メラミン樹脂粒子を析出させる工程。
  7. メラミン化合物100重量部に対して、コロイダルシリカを0.5〜100重量部存在させることを特徴とする請求項6に記載の着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  8. コロイダルシリカとして水性シリカゾルを用いることを特徴とする請求項6又は7に記載の着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  9. メラミン化合物100重量部に対して、水溶性染料を0.01〜20重量部存在させることを特徴とする請求項6、7又は8に記載の着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
  10. 工程(a)及び/又は(b)でさらに紫外線吸収剤を加えることを特徴とする請求項6、7、8又は9に記載の着色された球状複合硬化メラミン樹脂粒子の製造方法。
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