JP2004083779A - 黄色顔料組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真、静電印刷法、インクジェット方式などに使用した場合に、画像再現性及び画像保持性が良好で、安価で安全性に優れた画像記録用のモノアゾ系の黄色顔料を提供する。
【解決手段】ジアゾ化合物とカップラーとのカップリング反応によりモノアゾ系黄色顔料を合成するに際して、ポリオキシエチレンパルミチルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン、ステアリルジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド及びジデシルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩を添加し、モノアゾ系黄色顔料の合成後に、ステアリン酸ブチルエステル等の脂肪酸エステルを添加して表面処理を行う。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、黄色顔料組成物及びその製造方法に関し、更に詳しくは、電子写真、静電印刷法、インクジェット方式等におけるカラー画像形成方法に用いられる黄色着色剤組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真、静電印刷法、インクジェット方式などに於けるカラー画像形成には、品質の良いカラー画像の再現性を得るために、色相、透明性、着色力などの光学的特性や、耐光性、耐熱性、耐溶剤性などの耐久性が要求され、更に、着色剤に起因する変異原生、分解生成物等が要求される。更に、爆発、爆燃性などの安全性に問題のないことも要求される。そのため、使用される着色剤は耐久性の面から、一般に染料よりも顔料の方が好ましく、黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow12、同13、同17、同83のようなベンジジン系ジスアゾ顔料やC.I.Pigmen Yellow93、同95、同128、同151、同154、同155、同180のような縮合系アゾ顔料などが使用されている。
【0003】
しかしながら、ベンジジン系ジスアゾ顔料は、主として色相、透明性、着色力などの光学的特性が影響するカラー画像再現性には良好であるが、主として耐光性が影響する画像の保持性については好ましくなく、又ベンジジン類に起因する分解生成物のため安全性も疑問視されている。一方、縮合系アゾ顔料は、ベンジジン系ジスアゾ顔料に比べて、画像の保持性や安全性は満足できるが、高価であることや、カラー画像再現性が不十分であるなどの欠点を有し、それぞれ一長一短があるのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、電子写真、静電印刷法、インクジェット方式などにおけるカラー画像形成に使用した場合に、画像再現性及び画像保持性が良好で、且つ、安価で安全性に優れたバランスの良い画像記録用のモノアゾ系の黄色顔料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の黄色顔料組成物の製造方法は、ジアゾ化合物とカップラーとのカップリング反応による化5の一般式(1)で表されるモノアゾ系黄色顔料の製造方法であって、前記カップリング反応時に、化6の一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミン及び/又は化7の一般式(3)で表される脂肪酸アルカノールアミドを添加し、更に、前記カップリング反応後に、脂肪酸エステルを添加して表面処理することを特徴とする。
【0006】
【化5】
Figure 2004083779
【0007】
【化6】
Figure 2004083779
【0008】
【化7】
Figure 2004083779
【0009】
ここで、化5の一般式(1)に於いて、R及びRは各々独立に、水素原子、塩素原子、ニトロ基、メチル基又はメトキシ基を表し、R、R及びRは各々独立に、水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又はエトキシ基を表す。
【0010】
また、化6の一般式(2)に於いて、RはC〜C24のアルキル基、m及びnはそれぞれ整数で、m+n=1〜15であり、化7の一般式(3)に於いて、RはC〜C24のアルキル基であり、lは1又は2の整数、kは2〜4の整数である。)
上記において、化6の一般式(2)で表される前記ポリオキシエチレンアルキルアミン及び/又は化7の一般式(3)で表される前記脂肪酸アルカノールアミドは、前記モノアゾ系黄色顔料100重量部に対して1〜10重量部で添加される。
【0011】
また、本発明の黄色顔料組成物の製造方法は、ジアゾ化合物とカップラーとのカップリング反応による化5の一般式(1)で表されるモノアゾ系黄色顔料の製造方法であって、前記カップリング反応時に、化8の一般式(4)で表される第4級アンモニウム塩を添加し、更に、前記カップリング反応後に、脂肪酸エステルを添加して表面処理することを特徴とする。
【0012】
【化8】
Figure 2004083779
【0013】
ここで、化8の一般式(4)に於いて、R及びRは各々独立に、C〜C24のアルキル基を表し、R10はCH又はCを表し、R11はCH、C又はCH−Cを表す。
【0014】
上記において、化8の一般式(4)で表される前記第4級アンモニウム塩は、前記モノアゾ系黄色顔料100重量部に対して1〜10重量部で添加される。
【0015】
更に、上記において、前記モノアゾ系黄色顔料100重量部に対して、脂肪酸エステルを10〜30重量部で添加することが好ましい。
【0016】
本発明の黄色顔料組成物は、上記の何れかの方法によって製造されることを特徴とする。
【0017】
ここで、前記黄色顔料の1次粒子径は、0.15〜0.2μm以下が好適である。
【0018】
更に、本発明の画像記録用モノアゾ系黄色着色剤組成物は、上記のモノアゾ系黄色顔料組成物を使用したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。現在、有機黄色顔料ではモノアゾ系顔料とベンジジン系ジスアゾ顔料が最も多く生産されているが、上記一般式(1)で示されるようなモノアゾ系黄色顔料は、カラー画像記録用黄色着色剤としてみた場合、一般に安全性、価格および画像の保持性に影響する耐光性は問題ないが、カラー画像再現性に影響する着色力、透明性などの光学的特性がベンジジン系ジスアゾ顔料に比べて劣り、更に、溶剤、熱などに対する結晶安定性が悪く、画像記録用の黄色組成物として調製した場合に結晶成長が起こり、不透明になるという致命的な欠点がある。そのため、従来の一般式(1)で示されるようなモノアゾ系黄色顔料は、基本的に品質の良いカラー画像再現性を得ることは不可能であるという理由で、画像記録用の黄色着色剤として省みられていなかった。また、モノアゾ系黄色顔料の中で、深色効果を持たせるためにその化学構造中にニトロ基を導入したものは特に有用であるが、その未処理顔料は、微細粉末状の製品として移動する場合は、爆発、爆燃性の安全性の面から消防法の規制を受けるという問題もあった。
【0020】
本発明者らは、上述の従来技術の問題点を解決すべく、敢えて、前記一般式(1)で示されるモノアゾ系黄色顔料(以下、「モノアゾ黄色顔料」という。)につき鋭意研究を重ねた。その結果、(1)モノアゾ黄色顔料のカップリング反応合成時に、特定の界面活性剤の所定量を反応促進助剤として処理した後、(2)特定の脂肪酸エステルの所定量で表面処理して得られたものが、モノアゾ黄色顔料本来の耐久性を保持しつつ、顔料の1次粒子径を小さくしたことによって光学的特性が向上し、且つ、溶剤、熱などに対する結晶安定性の向上と相まって、画像記録用着色剤として、爆発及び爆燃性を含む安全性を含めた従来技術の問題点が解決できるものが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0021】
モノアゾ黄色顔料を画像記録用着色剤として使用するためには、これら顔料本来の特性を維持しつつ、更に光学的特性の改良に加えて、溶剤、熱などに対する結晶安定性の改良が必要となる。その困難な問題を解決するためには、顔料合成時に次の2つの処理を併せて行うことにより成し遂げることができる。
【0022】
即ち、第1の処理では、一般式(2)のポリオキシエチレンアルキルアミン及び/若しくは一般式(3)の脂肪酸アルカノールアミド、又は一般式(4)で示される第4級アンモニウム塩のいずれかの界面活性剤を、モノアゾ黄色顔料のカップリング反応合成時に反応促進助剤として使用し、顔料の1次粒子径を小さくすることが必要である。これらの界面活性剤は、反応促進助剤として機能し、生成するモノアゾ黄色顔料100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部で使用される。これらの界面活性剤は、モノアゾ黄色顔料ベースのジアゾ化合物の液中又はカップラーの液中に添加される。これらの界面活性剤の使用量が1重量部未満では、顔料の1次粒子径が大きくなり、光学的特性の改良が不十分となり、逆に10重量部を越えれば、光学的特性の改良は可能であるが、次に述べる第2の処理による効果を阻害するなど、本発明の目的とするモノアゾ黄色顔料が得られ難くなる場合があるので好ましくない。
【0023】
反応促進助剤としてのこれらの界面活性剤として、以下のものが例示できる。一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンヤシ油アミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンパルミチルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンミリスチルアミン等が挙げられ、一般式(3)で表される脂肪酸アルカノールアミドとしては、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。また、一般式(4)で表される第4級アンモニウム塩としては、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヤシ油ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0024】
ここで、上記第1の処理での反応促進助剤で、一般式(2)及び一般式(3)で示される界面活性剤は非イオン性であり、一般式(4)の界面活性剤はカチオン性である。そのため、一般式(2)及び一般式(3)で示されるタイプの本発明のモノアゾ黄色顔料を製造するか、又は一般式(4)で示されるタイプの本発明のモノアゾ黄色顔料を製造するかは、電子写真、静電印刷法、インクジェット方式などのカラー画像形成方法によって適宜選択すればよい。
【0025】
次に、第2の処理について説明する。この第2の処理は、第1の処理方法によって処理したモノアゾ黄色顔料のカップリング反応合成後に、脂肪酸エステルを添加して表面処理し、熱処理などの後処理を行うものである。本発明の脂肪酸エステルとは、以下に示すような酸とアルコールとの脱水縮合により得られる縮合物をいい、酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、牛脂肪脂酸、マレイン酸、メタクリル酸、2−エチルヘキサン酸、フタル酸、アジピン酸、トリメリット酸等が挙げられ、一方、アルコールとしては、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデシルアルコール等が挙げられる。
【0026】
これらから得られるエステルの酸価は5以下が好ましく、2以下がより好ましい。この酸価が5以上であれば本発明の目的とする光学的特性や耐久性の改良効果は得られ難くなる。また、これら縮合物の処理量は、製造されるモノアゾ黄色顔料100重量部に対して10〜30重量部で顔料表面を被覆処理するのが好ましい。この処理量が10重量部以下であれば、耐熱性の向上や、ニトロ基が導入された未処理のモノアゾ黄色顔料が有する爆発、爆燃性を抑制することができず、また、30重量部以上では着色力の低下などによる光学的特性が現れるので好ましくない場合がある。
【0027】
このようにして得た本発明の顔料は、従来の未処理のモノアゾ黄色顔料と比較して、顔料のX線回折分析による回折強度は若干低くなったが結晶型の変化は見られなかった。また、顔料の1次粒子径を小さくして、透明性、着色力を上げることにより、一般的に耐光性は低下するものであるが、本発明の顔料は耐光性の低下は非常に小さく、耐光性が影響する画像保持性には問題のないものであった。
【0028】
モノアゾ黄色顔料のカップリング反応合成時に顔料の1次粒子径を小さくする主な要因は、上記した特定の界面活性剤にあるが、他に合成温度、顔料合成濃度などの要因もある。従来より、モノアゾ黄色顔料のカップリング反応合成時間は、通常、合成温度10〜30℃、顔料合成濃度3〜8重量%で、反応時間は90〜150分程度を要するものである。しかし、このカップリング反応時間に際し、合成温度は25〜50℃の高めで、合成濃度を2〜5重量%と若干低めとした上で、上記特定の界面活性剤の所定量を合成助剤として使用し、カップリング反応時間を30〜90分に短縮することにより、1次粒子径を小さくしたモノアゾ黄色顔料が得られる。その理由は次のように推測される。モノアゾ黄色顔料のカップリング反応合成に際し、従来の合成温度をより高めに、顔料合成濃度をより低めに設定した上で、ジアゾニウム塩の脱酸反応を容易にするために、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)の特定の合成助剤を使用してカップリング反応時間を短くしたことにより、従来から得られていたモノアゾ黄色顔料よりも種結晶数(核数)が多くて、結晶化度の高い結晶となり、従来の顔料より非晶質分が少なくなったため、熱などの変化に要する活性化エネルギーが高くなり、画像記録用としての光学的特性を得るための1次粒子径が0.15〜0.2μm以下に小さくなり、より安定なモノアゾ黄色顔料となったものと推測される。また、上記により、1次粒子の小さな顔料が得られることもさることながら、画像記録用としての優れた分散性をも有する顔料が得られることとなる。
【0029】
本発明の黄色顔料組成物は、カラートナー用のように結着樹脂等の所謂、油性系で機械的に分散させて使用する場合には、特定の脂肪酸エステルにより表面処理されているので、例えばポリエステルやアクリルのような結着樹脂と良く馴染み、より低エネルギーで顔料の分散が可能となり、従来より顔料の1次粒子径が小さくなることにより表面活性が増大し、分散系が不安定性となったり、分散が不十分な状態がなくなる。更に、例えば、水性インクジェット用インクのように水が主媒体である水系の場合には、本発明の黄色顔料組成物は、特定の脂肪酸エステルにより表面処理されているので、この脂肪酸エステルが被印刷物である紙への浸透を防止し、光学濃度(Optical Dencity、反射濃度、OD=log10(入射光量/出射光量)、以下、「OD値」という。)の向上剤として作用するため、顔料の含有量が減少した場合にも、着色力の低下が抑制されるものと推測され、目的とした光学的特性が得られると考えられる。
【0030】
上述の黄色顔料組成物の画像記録用着色剤としての基本的な適性の有無は、従来から一般的で簡易的な方法として知られている次のような方法により判定した。即ち、カラートナー用の場合であれば、先ず結着樹脂として通常使用されているポリエステルやアクリルのような樹脂に顔料を高濃度、高分散化したマスターバッチを調製し、次に、このマスターバッチの顔料分が3〜5重量%になるように、テトラヒドロフラン又は酢酸エチルなどの溶剤で希釈した上記樹脂及び顔料の分散液を調製し、これを透明フィルムに展色して試料を作成した。この試料をオーバーヘッドプロジェクター(OHP)にセットし、その透過色を目視により判定した。また、この方法と併せて、同じく作製した試料の分光透過率特性(Y値、透過率)を測色した。また、耐光性もフェドメーターで一定時間照射を行い、同分光測色計で測色した。更に、電子顕微鏡により得られたモノアゾ黄色顔料の形状等も観察し、これらの結果を総合して判定した。
【0031】
なお、上記の方法によって製造されたモノアゾ黄色顔料から、カラートナーを製造するためには、従前の手順に従って以下のように行うとよい。すなわち、線状ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物−テレフタル酸縮合生成物、軟化点107℃、ガラス転移点63℃)、又はスチレンアクリル樹脂(スチレン/ブチルメタクリレート共重合体であって、軟化点115℃、ガラス転移点63℃)などの結着樹脂55〜75重量部、好ましくは60〜65重量部をニーダーに投入し、105〜135℃、好ましくは110〜120℃で加熱溶融した中に、本発明の黄色顔料25〜45重量部、好ましくは35〜40重量部を少しずつ投入してマスターバッチを作製する。次に、このマスターバッチ7〜20重量部、好ましくは10〜15重量部を、前記線状ポリエステル樹脂又はスチレンアクリル樹脂などの結着樹脂80〜93重量部、好ましくは85〜90重量部に、適量の電荷調整剤と共に添加して希釈し、105〜135℃、好ましくは110〜120℃で溶融、混練する。これを冷却後、粉砕して得られる粉体を分級し、平均粒径5〜12μmとして、更に流動性向上剤、クリーニング助剤等を添加してカラートナーを得る。
【0032】
また、水性インクジェット用の場合には、先ず、通常使用されている分散能のあるアクリル系のような樹脂を使用し、20〜30%の高濃度・高分散化した顔料の水系分散体を作り、その顔料平均粒径及び粘度を測定する。次に、この分散体の顔料分が3〜5重量%になるように、水/グリセリンなどの溶剤で希釈した上記樹脂・顔料分散液を調製し、これを水性インクジェット用インク用の専用紙に展色して試料を作製する。この試料のOD値をマクベス濃度計で測色する。また、同じ試料の耐光性もフェドメーターで一定時間照射を行い、同分光測色計で測色する。これらの顔料の平均粒径、粘度、OD値及び耐光性の結果や電子顕微鏡により得られたモノアゾ黄色顔料の形状等も観察し、これらの結果を総合して判定する。
【0033】
上記方法によって製造されたモノアゾ黄色顔料から、水性インクジェット用インクを製造するためには、公知の構成主成分として、分散剤(界面活性剤又は水溶性樹脂)、表面張力調整剤(界面活性剤)、水溶性有機溶剤、防腐剤、pH調整剤、防錆剤などを必要により添加してもよい。
【0034】
本発明の水性インクジェット用インクに適した分散剤としては、公知のものが全て使用可能であり、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤であって顔料の分散剤として用いられているものを全て使用することができる。例えば、アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルを挙げることができ、ノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルポリオキシエチレンアルキルアミン等を挙げることができる。これらの分散剤は、黄色インクの全重量に対して0.3〜40重量%の範囲で使用される。
【0035】
また、本発明の水性インクジェット用インクに適した分散剤として、分散能を有する水溶性樹脂を使用することもできる。本発明において好適に使用される水溶性樹脂としては、一旦溶媒に溶けてしまえば水性インクジェット用プリンターの使用温度又は室温で、顔料の析出やゲル化が生じないものが選ばれる。使用し得る水溶性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂を挙げることができ、具体的にはスチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、スチレン−マレイン酸共重合物の塩、スチレン−無水マレイン酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩などを挙げることができる。また、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、ヒドロキシエチルアクリレートなどのモノマーが共重合されてもよい。更に、これらは、単独又は複数の組み合わせで添加してもよい。これらの分散剤は、黄色インクの全重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲で使用される。
【0036】
本発明において好適に使用される表面張力調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさないものであれば、公知のものを全て使用することができる。
表面張力調整剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の何れの界面活性剤をも使用することができる。具体的には、アニオン系界面活性剤として、ポリエチレングリコールアルキルエーテル硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等を例示することができ、カチオン系界面活性剤としては、ポリ2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等を例示することができ、ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を例示することができる。
【0037】
インクの物性を所望の値に調整するため、及びインクの乾燥を防止するために、水と下記の水溶性有機溶剤とを混合して使用することもできる。即ち、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、Sec−ブチルアルコールのような炭素数1〜4のアルキルアルコール、アセトンやアセトンアルコールのようなケトン又はケトンアルコール、テトラヒドロフランやジオキサンのようなエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、トリエタノールアミン等の含窒素化合物である。これらの水溶性有機溶剤は、一種類または二種類以上を使用することができる。水溶性有機溶剤の使用量は特に限定されないが、一般的には黄色インクの全重量に対して3〜50重量%の範囲である。
【0038】
本発明に用いることのできる防腐剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさないものであれば公知のものが全て使用することができる。例えば、デヒドロ硫酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等を挙げることができる。
【0039】
本発明において好適に使用されるpH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに所望のpHに制御できるものであれば殆どのものを使用することができる。具体的には、低級アルカノールアミンや水酸化アンモニウム等が挙げられる。
【0040】
本発明において好適に使用される防錆剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさなければ公知のものを全て使用することができる。例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0041】
また、印刷物に光沢等を与えるために、必要に応じて、例えばビニルピロリドンの低縮合物、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂等を使用することができる。
【0042】
上記のモノアゾ黄色顔料を分散させる媒体としては、純水及び一般的な有機溶剤を使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン等を例示することができる。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、特に明記しない限り、以下の実施例、比較例等に於ける%は重量%を表している。
【0044】
〔顔料の合成〕
以下に示すように、各実施例の黄色顔料組成物を合成した。同様に、各比較例の黄色顔料組成物を合成した。具体的な合成手順は、以下のようである
(実施例1)
水700gと35%塩酸315g(3.02モル)の混合溶液中に、m−ニトロ−o−アニシジン201.6g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ87g(1.26モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0045】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水8900gに酢酸ソーダ100g(0.74モル)溶解した後、アセトアセチル−o−アニシダイド255.9g(1.24モル)を加えて分散させ、次に、30%苛性ソーダ185g(1.39モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸110g(1.47モル)にポリオキシエチレンオレイルアミン(m+n=10)23.2gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度35℃に調整してカップラー液とした。
【0046】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を60分で滴下してカップリング反応を行った。次に、ステアリン酸ブチルエステル(酸価:0.8)46.3gを加えて30分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は、511.9g(1.33モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.09μmであった。
【0047】
(実施例2)
水700gと35%塩酸315g(3.02モル)の混合溶液中に、m−ニトロ−o−アニシジン201.6g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ87g(1.26モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0048】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水6600gに酢酸ソーダ100g(0.74モル)溶解した後、アセトアセチル−o−アニシダイド255.9g(1.24モル)を加えて分散させ、次に、30%苛性ソーダ185g(1.39モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸110g(1.47モル)にセチルトリメチルアンモニウムクロライド27.8gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度40℃に調整してカップラー液とした。
【0049】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を60分で滴下してカップリング反応を行った。次に、牛脂脂肪酸メチルエステル(酸価:0.7)46.3gを加えて30分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は、522.8g(1.35モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.11μmであった。
【0050】
(実施例3)
水700gと35%塩酸315g(3.02モル)の混合溶液中に、m−ニトロ−o−アニシジン201.6g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ87g(1.26モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0051】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水15800gに酢酸ソーダ100g(0.74モル)溶解した後、アセトアセチル−o−アニシダイド255.9g(1.24モル)を加えて分散させ、次に、30%苛性ソーダ185g(1.39モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸110g(1.47モル)にステアリルジエタノールアミド(m+n=5)27.8gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度45℃に調整してカップラー液とした。
【0052】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を40分で滴下してカップリング反応を行った。次に、アジピン酸ジイソブチルエステル(酸価:0.2)46.3gを加えて30分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は、513.1g(1.33モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.08μmであった。
【0053】
(比較例1)
水700gと35%塩酸315g(3.02モル)の混合溶液中に、m−ニトロ−o−アニシジン201.6g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ87g(1.26モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0054】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水4000gに酢酸ソーダ100g(0.74モル)溶解した後、アセトアセチル−o−アニシダイド255.9g(1.24モル)を加えて分散させ、次に、30%苛性ソーダ185g(1.39モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸110g(1.47モル)にポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:12)6.9gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度25℃に調整してカップラー液とした。
【0055】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を120分で滴下してカップリング反応を行った。次に、30分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して100℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は、460.7g(1.19モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.45μmであった。
【0056】
(比較例2)
水700gと35%塩酸315g(3.02モル)の混合溶液中に、m−ニトロ−o−アニシジン201.6g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ87g(1.26モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0057】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水8900gに酢酸ソーダ100g(0.74モル)を溶解させた後、アセトアセチル−o−アニシダイド255.9g(1.24モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ185g(1.39モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸110g(1.47モル)にポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:12)23.2gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度35℃に調整してカップラー液とした。
【0058】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を100分で滴下してカップリング反応を行った。次に、ステアリン酸ブチルエステル(酸価:0.8)46.3gを加えて30分間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は510.3g(1.32モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.33μmであった。
【0059】
(比較例3)
実施例1に於いて、ステアリン酸ブチルエステル(酸価:0.8)46.3gを加えないことを除いて、その他は実施例1と同様の操作によって、実施例9の顔料組成物476.7g(1.23モル)を得た。その顔料の平均粒径は0.15μmであった。
【0060】
(実施例4)
水1100gと35%塩酸375g(3.596モル)の混合溶液中に、3−ニトロ−4−トルイジン191.2g(1.26モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約700g加えて冷却した後、水130gに亜硝酸ソーダ100g(1.45モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0061】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水7500gに酢酸ソーダ110g(0.809モル)を溶解させた後、アセトアセチルアニライド227.3g(1.28モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ173g(1.30モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸103g(1.373モル)にジデシルジメチルアンモニウムクロライド25.7gを加えて溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度40℃に調整してカップラー液とした。
【0062】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を60分で滴下してカップリング反応を行った。次に、ステアリン酸メチルエステル(酸価:0.9)77.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は515.2g(1.52モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.10μmであった。
【0063】
(実施例5)
水1100gと35%塩酸375g(3.596モル)の混合溶液中に、3−ニトロ−4−トルイジン191.2g(1.26モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約700g加えて冷却した後、水130gに亜硝酸ソーダ100g(1.45モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0064】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水5300gに酢酸ソーダ110g(0.809モル)を溶解させた後、アセトアセチルアニライド227.3g(1.28モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ173g(1.30モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸103g(1.373モル)にポリオキシエチレンヤシ油アミン(m+n=15)17.1gを加えて溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度30℃に調整してカップラー液とした。
【0065】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を90分で滴下してカップリング反応を行った。次に、メタクリル酸ラウリルエステル(酸価:0.5)77.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は503.8g(1.48モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.12μmであった。
【0066】
(比較例4)
水1100gと35%塩酸375g(3.596モル)の混合溶液中に、3−ニトロ−4−トルイジン199.1g(1.31モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約700g加えて冷却した後、水130gに亜硝酸ソーダ100g(1.45モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0067】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水5OOOgに酢酸ソーダ110(0.809モル)を溶解させた後、アセトアセチルアニライド227.3g(1.28モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ173g(1.30モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸103g(1.373モル)にポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:10)6.5gを加えて溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度20℃に調整してカップラー液とした。
【0068】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を120分で滴下してカップリング反応を行った。次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して100℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は434.2g(1.28モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.56μmであった。
【0069】
(比較例5)
水1100gと35%塩酸375g(3.596モル)の混合溶液中に、3−ニトロ−4−トルイジン199.1g(1.31モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約700g加えて冷却した後、水130gに亜硝酸ソーダ100g(1.45モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0070】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水5000gに酢酸ソーダ110(0.809モル)を溶解させた後、アセトアセチルアニライド227.3g(1.28モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ173g(1.30モル)を加えて溶解させた後、80%酢酸103g(1.373モル)にポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:10)21.8gを加えて溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度40℃に調整してカップラー液とした。
【0071】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を110分で滴下してカップリング反応を行った。次に、ステアリン酸メチルエステル(酸価:0.9)77.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は511.7g(1.50モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.38μmであった。
【0072】
(実施例6)
水600gと35%塩酸320g(3.068モル)の混合溶液中に、p−クロロ−o−ニトロアニリン207.0g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ88g(1.275モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0073】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水9200gにアセトアセチル−o−クロロアニリド251.7g(1.19モル)を加えて分散させた。
次に、30%苛性ソーダ180gを加えて溶解させた。この溶液に、80%酢酸160g(2.133モル)にラウリン酸モノエタノールアミド23.5gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度35℃に調整してカップラー液とした。
【0074】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を60分で滴下してカップリング反応を行った。次に、苛性ソーダ液を加えてpHを約10に補正した後、オレイン酸メチルエステル(酸価:1.1)61.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機で800℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は541.9g(1.37モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.15μmであった。
【0075】
(実施例7)
水600gと35%塩酸320g(3.068モル)の混合溶液中に、p−クロロ−o−ニトロアニリン207.0g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ88g(1.275モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0076】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水13100gにアセトアセチル−o−クロロアニリド251.7g(1.19モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ180gを加えて溶解させた。この溶液に、80%酢酸160g(2.133モル)にポリオキシエチレンドデシルアミン(m+n=8)23.5gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度40℃に調整してカップラー液とした。
【0077】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を55分で滴下してカップリング反応を行った。次に、苛性ソーダ液を加えてpHを約10に補正した後で、パルミチン酸イソプロピルエステル(酸価:0.4)61.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は538.1g(1.36モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.15μmであった。
【0078】
(実施例8)
水600gと35%塩酸320g(3.068モル)の混合溶液中に、p−クロロ−o−ニトロアニリン207.0g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ88g(1.275モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0079】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水13100gにアセトアセチル−o−クロロアニリド251.7g(1.19モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ180gを加えて溶解させた。この溶液に、80%酢酸160g(2.133モル)にテトラデシルベンジルジメチルアンモニウムクロライド16.4gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度45℃に調整してカップラー液とした。
【0080】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を45分で滴下してカップリング反応を行った。次に、苛性ソーダ液を加えてpHを約10に補正した後で、アジピン酸ジイソブチルエステル(酸価:0.2)61.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。
この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は528.4g(1.34モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.10μmであった。
【0081】
(比較例6)
水600gと35%塩酸320g(3.068モル)の混合溶液中に、p−クロロ−o−ニトロアニリン207.Og(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ88g(1.275モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0082】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水13100gにアセトアセチル−o−クロロアニリド247.5g(1.17モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ180gを加えて溶解させた。この溶液に、80%酢酸160g(2.133モル)にポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:12)13.9gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度25℃に調整してカップラー液とした。
【0083】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を120分で滴下してカップリング反応を行った。次に、苛性ソーダ液を加えてpHを約10に補正した後で、90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して100℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は465.8g(1.18モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.48μmであった。
【0084】
(比較例7)
水600gと35%塩酸320g(3.068モル)の混合溶液中に、p−クロロ−o−ニトロアニリン207.0g(1.20モル)を加え、撹拌して分散させた。この分散液に氷を約600g加えて冷却した後、水100gに亜硝酸ソーダ88g(1.275モル)を溶解した液を加え、10℃以下の温度を保持しつつ1時間撹拌した。次に、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ化液とした。
【0085】
一方、カップラー液は、次のようにして調整した。水13100gにアセトアセチル−o−クロロアニリド247.5g(1.17モル)を加えて分散させた。次に、30%苛性ソーダ180gを加えて溶解させた。この溶液に、80%酢酸160g(2.133モル)にポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:12)13.9gを溶解させた溶液を滴下してpH6とし、温度40℃に調整してカップラー液とした。
【0086】
このカップラー液に、上記のジアゾ化液を100分で滴下してカップリング反応を行った。次に、苛性ソーダ液を加えてpHを約10に補正した後、ステアリン酸ブチルエステル(酸価:0.8)61.1gを加え、ついで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整して90℃に昇温し、30分間熟成した。以後は濾過、水洗して副生塩などを除去し、乾燥機を使用して80℃で乾燥させた。この乾燥顔料を粉砕して得られたモノアゾ黄色顔料組成物の収量は512.0g(1.30モル)であった。また、顔料の平均粒径は0.39μmであった。
【0087】
(比較例8)
市販のベンジジン系ジスアゾ顔料、Pigment Yellow 1705(山陽色素社製、P.Y−17)をそのまま比較例7の黄色顔料組成物として使用した。
【0088】
(比較例9)
市販の縮合系アゾ顔料、Cromophtal Yellow 3G(ciba社製、P.Y−93)をそのまま比較例8の黄色顔料組成物として使用した。
【0089】
(比較例10)
市販の縮合系アゾ顔料、Toner Yellow HG(クラリアント社製、P.Y−180)をそのまま比較例9の黄色顔料組成物として使用した。
【0090】
〔カラートナー用途の試験〕
以上のようにして得られた各実施例及び各比較例の黄色顔料組成物を用いて、画像記録用のカラートナー調製し、その特性を調べた。
【0091】
<試料の作成>
実施例1〜8及び比較例1〜10のモノアゾ黄色顔料を用いて、カラートナーを以下の手順で作製した。まず、結着樹脂としての線状ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物−テレフタル酸縮合生成物、軟化点:107℃、ガラス転移点:63℃)60部をニーダーに投入し、110〜112℃で加熱溶融した中に、実施例1〜8又は比較例1〜10の顔料組成物40重量部を少しずつ投入し、常法により顔料分40%のマスターバッチを作製した。
【0092】
次に、このマスターバッチ10重量部をテトラヒドロフラン溶剤90重量部に溶解し、各々、顔料分4%の黄色顔料分散液を調整した。この顔料分散液を、0.15mmバーコーターで、透明フィルム及び白アート紙に展色し、透明フィルムへの展色物は後述する光学的特性値の測定用に、白アート紙への展色物は後述する耐光性測定用の試料とした。
【0093】
以上で作製した試料につき、以下の通りに試験を行い、その試験結果を以下の表1にまとめて示した。
【0094】
<光学的特性値>
(Y値)
分光測色計CM−3700d(MINOLTA社製にて、(C光源2°視野)で試料の明るさ(明度)を測定した。
【0095】
(透過率)
波長550nmの透過率と波長410nmの透過率との差T(%)を(a)に記載したと同じ分光測色計で測定した。
【0096】
(色調)
試料をオーバーヘッドプロジェクター(OHP)にセットし、その透過色を目視により判定し、下記の基準で評価した。
【0097】
◎:非常に鮮明な黄色に発現し、カラートナー用着色剤として使用できる
○:鮮明な黄色に発現し、カラートナー用着色剤として使用できる
△:若干赤味黄色となり、色に陰りはあるが、実用上問題なし
×:淡褐色〜濃褐色に発現し、カラートナー用着色剤として使えない。
【0098】
<耐光性>
フェドメーター(スガ試験機株式会社製、SC750−WN)で100時間照射を行い、上述の光学的特性値の測定に使用したものと同じ分光測色計(D65光源10゜視野)で未照射試料との色差(△E)を求めた。
【0099】
【表1】
Figure 2004083779
【0100】
表1の光学的特性値の欄を見れば、実施例1〜実施例8の顔料組成物の方が、対応する比較例1〜7に比較して、光学的特性は格段に優れ、現状の市場品例である比較例8〜10と比較しても、同等又ははそれ以上の値を示す。このことから、実施例1〜8を使用して調製したカラートナーは画像再現性に優れていることが分かる。また、耐光性測定による△E値から判断すれば、実施例1〜8の顔料の耐光性は、対応する比較例1〜7に比べて、その低下の幅は小さく、良好な画像保持性を示すことが分かる。
【0101】
〔インクジェット用インキ用途の試験〕
上記各実施例及び各比較例の黄色顔料組成物を用いて、インクジェット用インキを調製し、その特性を調べた。
【0102】
<試料の作成>
実施例1、実施例3、実施例5、実施例6、実施例7及び比較例1〜10の顔料組成物20部を、アクリル樹脂分散剤(ジョンソンポリマー社製、ジョンクリル61J)12.5部、エチレングリコール10部、ジエタノールアミン0.5部及び純水57部から成る組成物をサンドミルに入れ、5時間分散させ、顔料分20%の水性インクジェット用インクの試料を作製した。
【0103】
以上で作製した試料につき、以下の通りに試験を行い、その試験結果を以下の表2にまとめて示した。
【0104】
<顔料粒径>
顔料分20%の水性インクジェット用インクを、光散乱法粒度分布測定装置(大塚電子(株)製、商品名:LPA−3100型)を用いて平均粒径(単位:nm)を測定した。
【0105】
<粘度>
顔料分20%の水性インクジェット用インクを、E型粘度計((株)トキメック製、商品名:ELD−60型)を用いて測定した.
<OD値>
顔料分20%の水性インクジェット用インクを、顔料分が4%になるように、溶剤(水/グリセリン=80/20)で稀釈した分散体を調製した後、展色紙(SEIKO−EPSON/スーパーファインMJA4SPI)に0.15mmバーコーターで展色した。この試料のOD値をGretag Macbeth社製のRD−19(I)型で測定した。測定に使用した光は、この装置規定の青フィルタ透過光であり、λmax=432nm、半値幅20nmである。
【0106】
<耐光性>
OD値測定と同じ試料を用いて、カラートナー用の場合と同じ要領で色差(△E)を求めた。
【0107】
【表2】
Figure 2004083779
【0108】
表2の光学的特性値に影響を及ぼす平均粒径、OD値の欄を見れば、実施例1、実施例3、実施例5、実施例6及び実施例7の顔料の方が、対応する比較例1〜7に比較して、光学的特性は格段に進歩しており、現状の市場品例である比較例8〜10と比較しても、同等又ははそれ以上の値を示す。このことから、実施例1〜8を使用して調製した水性インクジェット用インクは画像再現性に優れていることが分かる。また、耐光性測定による△E値から判断すれば、実施例1、実施例3、実施例5、実施例6及び実施例7の顔料の耐光性は、対応する比較例1〜7に比べて、その低下の幅は小さく、良好な画像保持性を示すことが分かる。
【0109】
【発明の効果】
本発明のモノアゾ系黄色顔料組成物を使用すれば、電子写真、静電印刷法、インクジェット方式などにおけるカラー画像形成に使用した場合に、優れた画像再現性、画像保持性が発揮され、しかも、本発明のモノアゾ系黄色顔料は爆発、爆燃性などの安全性の面からも優れている。
【0110】
また、本発明の黄色顔料組成物の製造方法によれば、上記の優れたモノアゾ系黄色顔料組成物を安価に得ることができる。

Claims (8)

  1. ジアゾ化合物とカップラーとのカップリング反応による化1の一般式(1)で表されるモノアゾ系黄色顔料の製造方法であって、
    Figure 2004083779
    (化1式中、R及びRは各々独立に、水素原子、塩素原子、ニトロ基、メチル基又はメトキシ基を表し、R、R及びRは各々独立に、水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又はエトキシ基を表す。)
    前記カップリング反応時に、化2の一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミン及び/又は化3の一般式(3)で表される脂肪酸アルカノールアミドを添加し、
    Figure 2004083779
    (化2式中、RはC〜C24のアルキル基、m及びnはそれぞれ整数であり、m+n=1〜15である。)
    Figure 2004083779
    (化3式中、RはC〜C24のアルキル基であり、lは1又は2の整数、kは2〜4の整数である。)
    更に、前記カップリング反応後に、脂肪酸エステルを添加して表面処理することを特徴とするモノアゾ系黄色顔料組成物の製造方法。
  2. 化2の一般式(2)で表される前記ポリオキシエチレンアルキルアミン及び/又は化3の一般式(3)で表される前記脂肪酸アルカノールアミドが、前記モノアゾ系黄色顔料100重量部に対して1〜10重量部で添加されることを特徴とする請求項1記載のモノアゾ系黄色顔料組成物の製造方法。
  3. ジアゾ化合物とカップラーとのカップリング反応による化1の一般式(1)で表されるモノアゾ系黄色顔料の製造方法であって、
    前記カップリング反応時に、化4の一般式(4)で表される第4級アンモニウム塩を添加し、
    更に、前記カップリング反応後に、脂肪酸エステルを添加して表面処理することを特徴とするモノアゾ系黄色顔料組成物の製造方法。
    Figure 2004083779
    (化4式中、R及びRは各々独立に、C〜C24のアルキル基を表し、R10はCH又はCを表し、R11はCH、C又はCH−Cを表す。)
  4. 化4の一般式(4)で表される前記第4級アンモニウム塩が、前記モノアゾ系黄色顔料100重量部に対して1〜10重量部で添加されることを特徴とする請求項3記載のモノアゾ系黄色顔料組成物の製造方法。
  5. 前記モノアゾ系黄色顔料100重量部に対して、前記脂肪酸エステルを10〜30重量部で添加して表面処理することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のモノアゾ系黄色顔料組成物の製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の製造方法によって製造されるモノアゾ系黄色顔料組成物。
  7. 前記黄色顔料の1次粒子径が0.15〜0.2μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のモノアゾ系黄色顔料組成物。
  8. 請求項6又は7に記載のモノアゾ系黄色顔料組成物を使用した画像記録用モノアゾ系黄色着色剤組成物。
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