JP2004083568A - 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 Download PDF

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Hironori Motoyama
本山 裕規
Masahiro Kino
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Abstract

【課題】HTPが極めて大きく、誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短くなるという特徴を有するカイラルドーパントを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される光学活性化合物並びに該化合物を含むネマチック液晶組成物。
【化1】
Figure 2004083568

(式中、nは1〜10の整数、Xは−OOC−または−OCH2−、Aは(F置換)フェニレン、ビフェニレンまたはナフタレン基、Bは(F置換)フェニレン、ビフェニレン、ナフタレン、シクロヘキシレン、ピリミジンまたはジオキサンから特定の組み合わせで選択した基である。)
【効果】HTPが極めて大きく、誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短くなるという特徴を有するカイラルドーパントが得られた。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はカイラルドーパントとして有用な新規な光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物ならびにその液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。更に詳しくは、ねじり力(HTP)が50以上であり、誘起するらせんピッチが温度上昇に伴い短くなる特性を有するカイラルドーパントおよびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子の表示モードとして種々のものが知られているが、その多くの表示モードにおいて液晶の螺旋ピッチの制御が必要である。液晶の螺旋ピッチの制御が必要なモードとして、以下のようなものがある。
現在実用化され多用されているモードは、ネマチック液晶を用いたツイスティッドネマチックモード(TNモード) ならびにスーパーツイステッドネマチックモード(STNモード) である。
【0003】
TNモードでは、上基板と下基板の間で液晶分子が90度ねじれる様に配向しており、セル中でらせんの1/4ピッチが形成されている。
STNモードでは、上基板と下基板の間で液晶分子が220度前後ねじれる様に配向しており、セル中でおよそらせんの3/5ピッチが形成されている。
TNモードは単純マトリックス駆動液晶表示素子およびアクティブマトリックス駆動液晶表示素子において、STNモードは単純マトリックス駆動液晶表示素子において使用されている。
【0004】
また、前記したTNモードおよびSTNモードとは別のモードとして、カイラルネマチック液晶の選択反射(SR)モードがある。図1および図2に示されている様に、SRモードでは液晶はらせん軸が基板に垂直なプレーナー状態(図1)とらせん軸の方向がランダムなフォーカルコニック状態(図2)をとり、これらの2状態は電圧パルスで切り替えることができる。プレーナー状態では螺旋ピッチに対応した波長の光を反射するが、フォーカルコニック状態では光は素子を透過する。反射状態を明、透過状態を暗とすることで表示が可能となる。
【0005】
らせん構造を誘起する光学活性化合物は通常カイラルドーパントと呼ばれている。これまで数多くのカイラルドーパントが合成されているが、その代表的な化合物が下記構造の化合物である。
【0006】
【化3】
Figure 2004083568
【0007】
カイラルドーパントに求められる最も重要な性能は、大きなねじり力を有することである。なお、ねじり力(HTP)は下式で定義される物理量である。
HTP(μm−1)=1/(カイラルドーパントの添加量(wt%)/100× 誘起されるらせんピッチ(μm))
カイラルドーパントは通常それ自体は液晶性を示さず、しかも、分子量の大きなものが多く、母液晶に対して多量に添加した場合には、種々の性能を悪化させることが多い。性能悪化としては、等方相からネマチック相への相転移温度の低下、液晶の粘性増加、結晶化を引き起こしやすいなどがある。大きなねじり力を有するカイラルドーパントは、母液晶に対して少量の添加で所望のらせんピッチを得ることができるため、諸性能の悪化を抑えることができる。
【0008】
らせんピッチは温度に対して変化しやすいという性質があるが、らせんピッチの変化は種々の性能に影響を与えるため、前記したいずれの表示モードにおいても、らせんピッチの温度変化はできるだけ小さいほうが望ましい。特に、SRモードでは、らせんピッチに対応する光を反射(選択反射)し明状態となるが、これまでに開発されたカイラルドーパントでは、温度上昇に伴いらせんピッチが長くなり、反射光の色が変化してしまうという重大な問題があった。
選択反射波長の温度上昇に伴う変化を「波長シフト」と呼ぶ。
温度上昇により選択反射波長が長くなる場合をプラスの波長シフトと定義し、逆に短くなる場合をマイナスの波長シフトと定義する。
【0009】
選択反射波長の温度依存性を無くすため、プラスの波長シフトを示すカイラルドーパントとマイナスの波長シフトを示すカイラルドーパントを組み合わせることが検討された。しかし、マイナスの波長シフトを示すカイラルドーパントの数は極めて少なく、加えてHTPが50以上の化合物は特許文献1に記載されている1種類、すなわち、イソソルビドを不斉源とし、その2つの−OH基部分にエステル結合にて、−OOC−Ph−OOC−Ph−OCH(−Ph−は1,4−フェニレン基)が置換した化合物しか報告されていない。その上、これまで報告されている化合物は少量添加においても結晶化を引き起こす等の問題があり、満足できるものではなかった。
【0010】
尚、本明細書において、“液晶”とは、特に特定の化合物であると断らない限り、複数の液晶化合物よりなる組成物を意味する。また、“カイラルドーパント”とは、らせん構造を誘起する光学活性化合物またはその化合物の混合物を意味する。更に、“母液晶”とは、カイラルドーパントを含まないネマチック液晶を意味する。
【0011】
【特許文献1】
米国特許6,217,792号
【特許文献2】
特開昭62−81354号公報
【特許文献3】
特開2002−212145号
【特許文献4】
特開2002−338526号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、HTPが50以上と極めて大きく、加えて、誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短くなるという特徴を有するカイラルドーパントを提供することにある。
本発明者らは、マイナスの波長シフトを示す新規カイラルドーパントの開発をこれまで行ってきた(特許文献3、4等)。
そして、これまでの検討において、まず、波長シフトの符号は、光学活性部の構造に大きく影響され、さらに、これに結合した特定の骨格構造がマイナスの波長シフトを示しやすいことを見出した。しかしながら、今まで見い出した化合物の示すHTPは40以下であり、波長シフトがプラスでHTPの大きなカイラルドーパントと組合せても、十分満足できるHTPには達しなかった。
【0013】
光学活性部に1,1’−ビ−2−ナフトールを使用したカイラルドーパント化合物に関しては、ヘプケらが特許文献2に9種を開示しており、この内5種が大きなHTPを示す。そして、ヘプケらの特許の図1から明らかなように、3種はプラスの波長シフトを示す。また、特許の図3から明らかなように、残りの2種は温度の上昇とともに一旦はらせんピッチが短くなるが、更に温度を上げるとらせんピッチが長くなるという特異な挙動を示す。光学活性部に1,1’−ビ−2−ナフトールを使用したカイラルドーパント化合物においては、マイナスの波長シフトを示す化合物の報告はない。
【0014】
ヘプケらの特許の実施例1記載の化合物(HPBNP)の構造式は、本願発明化合物の一般式(1)において、Aが−Ph−、Xが−OOC−、Bが−Ph−O−、nが6のものである。
HPBNPを合成し、その物性測定をした結果、HTPは73、波長シフトは+20nmであり、上記したヘプケらの特許の図1の結果をほぼ再現することができた。
すなわち、光学活性部に1,1’−ビ−2−ナフトールを使用した化合物が極めて大きなHTPを示す可能性があることが確認された。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記した、マイナスの波長シフトを示しやすい特定の骨格構造を、大きなHTPを示す光学活性部、すなわち、1,1’−ビ−2−ナフトールに導入することにより、上記の課題の解決を試みた結果、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される光学活性化合物である。
【0016】
【化4】
Figure 2004083568
(式中、nは1〜10の整数、Aは−Ph−、−Ph(F)−、−Ph−Ph−または−Np−であり、Xは−OOC−または−OCH −である。Aが−Ph−または−Ph(F)−で、Xが−OOC−の時、Bは−Ph−Ph−Y−、−Cy−Ph−Y−、−Ph−Cy−、−Cy−Cy−、−Ph−Di−、−Np−Y−、−Py(R)−Ph−Y−、−Ph−Py(L)−Y−、−Ph−OOC−Ph−Y−または−Ph−OOC−Cy−である。Aが−Ph−または−Ph(F)−で、Xが−OCH −の時、Bは−Ph−Ph−Y−、−Ph−Cy−、−Ph−Di−、−Np−Y−、−Py(R)−Ph−Y−または−Ph−Py(L)−Y−である。Aが−Ph−Ph−または−Np−で、Xが−OOC−の時、Bは−Ph−Y−または−Cy−である。Aが−Ph−Ph−または−Np−で、Xが−OCH −の時、Bは−Ph−Yである(ここで、−Ph−、−Ph(F)−、−Cy−、−Di−、−Py(L)−、−Py(R)−および−Np−は下記構造を表し、Yは単結合または酸素原子を表す)。)
【0017】
【化5】
Figure 2004083568
【0018】
そして、本発明では、該一般式(1)において、nが3〜8の整数であること、Aが−Ph−または−Ph−Ph−であること、Bが−OOC−であることが望ましい。また、ねじり力(HTP)が50以上であること、誘起するらせんピッチが温度上昇に伴い短くなることとの性質を有する化合物が望ましい。そして本化合物は、ネマチック液晶用カイラルドーパントとして好適に使用され、該一般式(1)で表される光学活性化合物を少なくとも1種以上含有するネマチック液晶組成物として好適に使用され、このネマチック液晶組成物を電極を有する基板間に狭持してなる液晶素子とされる。
【0019】
光学活性体にはR体とS体とがあるが、いずれも好適に使用できる。すなわち、R体とS体との性質の違いは、誘起するらせん構造の掌性(右らせん、左らせん) が異なる点である。そこで、使用にあたっては、併用するカイラルドーパントの掌性を考慮し、いずれかを選択する。
【0020】
本発明の化合物は、母液晶であるネマチック液晶との相溶性が良く、結晶化も起こしにくいが、本発明の光学活性化合物を単独で多量にネマチック液晶へ添加した場合、その組み合わせによっては得られた組成物が常温で結晶化する場合があり得る。しかし、この場合、他のカイラルドーパントを併用することによって容易に結晶化が回避できる。
【0021】
本発明の光学活性化合物をカイラルドーパントとして使用する場合、光学活性化合物は、それを添加したネマチック液晶に基づいて、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で添加される。この添加割合は、光学活性化合物のねじり力(HTP)の値、結晶性およびネマチック液晶の種類などにより、この好適範囲が決定される。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、HTPが50以上と極めて大きく、更に誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短くなるという特徴を有するカイラルドーパントを提供する。
従って、TNモード、STNモードで使用する液晶においては、本発明のカイラルドーパントを少量添加するだけでらせんのピッチを調節することができるため、母液晶の性能劣化を抑制できる。また、SRモードの液晶においては、プラスの波長シフトを誘起するカイラルドーパントと本発明のものを組み合わせて用いることにより、らせんピッチの温度変化のない液晶を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に実施例および比較例を掲げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定されるものではない。
実施例1  (式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Cy−、n=4 (E1))  4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステルの製造。
【0024】
(1) 4−アセトキシ安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルエステルの合成。
ナス型フラスコに(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール 10.9g(0.038mol)および4−アセトキシ安息香酸クロライド 24.7g(0.114mol)を入れ、ジクロロメタン 300mL(ミリリットル)に溶かした。そこにピリジン 10.0g(0.126mol)を加え、室温で一昼夜撹拌を行った。反応液に水 100mLを加えて30分撹拌した後、2N塩酸を加え有機層と水層とを分離した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去して、目的化合物22.5g(0.037mol)を得た。
【0025】
(2) 4−ヒドロキシ安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルエステルの合成。
ナス型フラスコに4−アセトキシ安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルエステル 22.5g(0.037mol)を入れ、トルエン 100mLに溶かした。そこにメチルアミン 40wt%メタノール溶液を11.5g(0.148mol)滴下し、室温で5時間撹拌を行った。反応液に2N塩酸を加え、有機層と水層を分液した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して、目的化合物17.1g(収率86%) を得た。
【0026】
(3) 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステルの合成。
ナス型フラスコに4−ヒドロキシ安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルエステル 0.78g(0.0015mol)、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸 0.77g(0.003mol)を入れ、ジクロロメタン 40mLに溶かした。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 0.72g(0.0035mol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)0.14g(0.0011mol)を加え、室温で一昼夜撹拌を行った。析出した固体を濾別し、有機層を2N塩酸および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物を得た。
得られた粗生成物を高速液体カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、目的化合物1.12g(収率75%)を得た。
【0027】
実施例2〜5
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Cy−、n=3 (E2))  4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Cy−、n=6 (E3))  4−(トランス−4−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Cy−、n=7 (E4))  4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Cy−Cy−、n=3 (E5))  4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステルの製造。
【0028】
実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて、4−(トランス−n−プロピルシクロヘキシル)安息香酸、4−(トランス−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸、4−(トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)安息香酸、4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)トランス−シクロヘキサンカルボン酸をそれぞれ用いた以外は実施例1 と同様にして、目的化合物を得た。
【0029】
実施例6   (式(1):A=−Ph(F)−、X=−OOC−、B=−Ph−Cy−、n=6 (E6))  4−(トランス−4−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−3−フルオロ−4,1−フェニレン)エステルの製造。
実施例1の(1)において、4−アセトキシ安息香酸クロライドに代えて、4−アセトキシ−2−フルオロ安息香酸クロライドを用い、かつ、実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて、4−(トランス−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0030】
実施例7〜12
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−、n=3 (E7))  4’−n−プロピルビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−、n=4 (E8))  4’−n−ブチルビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−、n=5 (E9))  4’−n−ペンチルビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−、n=6 (E10))  4’−n−ヘキシルビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−、n=7 (E11))  4’−n−ヘプチルビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステル、および
(式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−O−、n=5(E12))  4’−n−ペンチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステルの製造。
【0031】
実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて、4−(4’−n−プロピルビフェニル)カルボン酸、4−(4’−n−ブチルビフェニル)カルボン酸、4−(4’−n−ペンチルビフェニル) カルボン酸、4−(4’−n−ヘキシルビフェニル)カルボン酸、4−(4’−n−ヘプチルビフェニル)カルボン酸、4−(4’−n−ペンチルオキシビフェニル)カルボン酸をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0032】
実施例13  (式(1):A=−Ph(F)−、X=−OOC−、B=−Ph−Ph−、n=6 (E13))  4’−n−ヘキシルビフェニル−4−カルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−3−フルオロ−4,1−フェニレン)エステルの製造。
実施例1の(1)において、4−アセトキシ安息香酸クロライドに代えて、4−アセトキシ−2−フルオロ安息香酸クロライドを、実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて4−(4’−n−ヘキシルビフェニル)カルボン酸をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0033】
実施例14   (式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Di−、n=8 (E14))  4−(5−n−オクチル−1,3−ジオキサン−2−イル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステルの製造。
実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて、4−(5−n−オクチル−1,3−ジオキサン−2−イル)安息香酸を用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0034】
実施例15   (式(1):A=−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−Py(L)−、n=8 (E15))  4−(5−n−オクチルピリミジン−2−イル)安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,1−フェニレン)エステルの製造。実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて、4−(5−n−オクチルピリミジン−2−イル)安息香酸を用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0035】
実施例16   (式(1):A=−Ph−Ph−、X=−OOC−、B=−Cy−、n=5 (E16))  トランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,4’−ビフェニル)エステルの製造。
実施例1の(1)において、4−アセトキシ安息香酸クロライドに代えて、4’−アセトキシビフェニル−4−カルボニルクロライドを、実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0036】
実施例17   (式(1):A=−Ph−Ph−、X=−OOC−、B=−Ph−、n=5 (E17))  4−n−ペンチル安息香酸−〔(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフタレン〕−2,2’−ジイルビス(オキシカルボニル−4,4’−ビフェニル)エステルの製造。
実施例1の(1)において、4−アセトキシ安息香酸クロライドに代えて、4’−アセトキシビフェニル−4−カルボニルクロライドを、実施例1の(3)において、4−(トランス−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸に代えて4−n−ペンチル安息香酸をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、目的化合物を得た。
【0037】
上記で得た光学活性化合物(E1〜E17)について、その構造式を化6に、1H−NMRの測定結果を表1〜表3に示した。
【0038】
【化6】
Figure 2004083568
【0039】
【表1】
Figure 2004083568
【0040】
【表2】
Figure 2004083568
【0041】
【表3】
Figure 2004083568
【0042】
また、各化合物(E1〜E17)の熱物性をDSCにより測定した結果は下記であった。
E1(65)、E2(77)、E3(51)、E4(47)、E5(68)、E6(58)、E7(74)、E8(66)、E9(59)、E10(54)、E11(49)、E12(133:融点)、E13(56)、E14(43)、E15(54)、E16(182:融点)、E17(70)
なお、()内の数値は融点またはガラス転移温度(℃)である。
化合物E1〜E17が室温で結晶状態になっているのか、或いは、ガラス状態になっているのか、明確には確認できなかった。
【0043】
実施例18
上記で合成した光学活性化合物(E1〜E17)について、HTP並びに波長シフトの測定をした。
メルク社製ネマチック液晶(ZLI−1565)に、実施例1で得た光学活性化合物(E1)を5wt%添加し、カイラルネマチック(N*)液晶組成物を調製した。
調製した液晶組成物のN*相の上限温度、特性反射の挙動を調べ、最後に特性反射の挙動によりねじり力(HTP)を求めた。N*相の上限温度の決定は偏光顕微鏡観察により行った。
【0044】
また、特性反射挙動測定は以下の手順で行った。
ITO電極付の液晶セル(セル厚10μm)に、上記で調製した液晶組成物を等方相の状態で充填した。このセルを60℃とし、±60Vの矩形波電圧を1分間程度印加した後、室温まで急冷しプレーナー配向を得た。
この液晶セルの25℃、60℃における特性反射挙動を自記分光光度計を用いて調べた。25℃、60℃におけるHTPはそれぞれ下式より求めた。
HTP(μm−1)=n/(λ25×C/100)
HTP(μm−1)=n/(λ60×C/100)
ここで、nはカイラルネマチック液晶の屈折率、λ25は25℃、λ60は60℃における特性反射波長(μm)、Cはカイラルドーパントの濃度(wt%)をそれぞれ表す。尚、屈折率nは母液晶ZLI−1565の値1.6を採用した。
【0045】
波長シフトは下式より求めた。
波長シフト(nm)=λ60*−λ25
ここでλ60*は60℃における特性反射波長(nm)、λ25*は25℃における特性反射波長(nm)をそれぞれ表す。
結果を表4に示した。
実施例1の光学活性化合物(E1)は50以上の大きなHTPを有しており、更に温度の上昇と共に誘起する螺旋ピッチが短くなる性質を有していることがわかる。
上記と同様にして、実施例2〜17得た光学活性化合物(E2〜E17)について、N*相の上限温度、HTPならびに波長シフトを調べた。結果を表4に示した。また参考のため、実施例3(E3)、実施例10(E10)、実施例12(E12)、実施例14(E14)並びに実施例15(E15)の化合物の波長シフトの温度変化を図3に示した。
【0046】
比較例1
従来技術の説明で記載した公知光学活性化合物CB15、S811、CNおよびHPBNPに関し、実施例18と同様にN*相の上限温度、HTPならびに波長シフトを調べた。但し、CB15とS811はネマチック液晶に対する添加量を15wt%、CNは30wt%、HPBNPは5wt%とした。結果を表4に併せて示した。
また参考のため、比較例4(HPBNP)の化合物の波長シフトの温度変化を図4に示した。
【0047】
Figure 2004083568
【0048】
実施例19
実施例18で用いたメルク社製ネマチック液晶ZLI−1565に代えて、メルク社製ネマチック液晶ZLI−4718を用いた以外は実施例18と同様にして、光学活性化合物(E1〜E3)に関し液晶組成物を調製し、同様に、N*相の上限温度、HTPならびに波長シフトを調べた。尚、屈折率の値は母液晶ZLI−4718の値1.6を採用した。結果を表5に示した。ZLI−4718においても大きなHTPとマイナスの波長シフトが観測された。
【0049】
Figure 2004083568

【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルネマチック液晶のプレーナー状態
【図2】カイラルネマチック液晶のフォーカルコニック状態
【図3】実施例3(E3)、実施例10(E10)、実施例12(E12)、実施例14(E14)および実施例15(E15)の化合物の波長シフトの温度変化。
【図4】比較例1で用いた(HPBNP)の化合物の波長シフトの温度変化。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される光学活性化合物。
    Figure 2004083568
    (式中、nは1〜10の整数、Aは−Ph−、−Ph(F)−、−Ph−Ph−または−Np−であり、Xは−OOC−または−OCH −である。
    Aが−Ph−または−Ph(F)−で、Xが−OOC−の時、Bは−Ph−Ph−Y−、−Cy−Ph−Y−、−Ph−Cy−、−Cy−Cy−、−Ph−Di−、−Np−Y−、−Py(R)−Ph−Y−、−Ph−Py(L)−Y−、−Ph−OOC−Ph−Y−または−Ph−OOC−Cy−である。Aが−Ph−または−Ph(F)−で、Xが−OCH −の時、Bは−Ph−Ph−Y−、−Ph−Cy−、−Ph−Di−、−Np−Y−、−Py(R)−Ph−Y−または−Ph−Py(L)−Y−である。Aが−Ph−Ph−または−Np−で、Xが−OOC−の時、Bは−Ph−Y−または−Cy−である。Aが−Ph−Ph−または−Np−で、Xが−OCH −の時、Bは−Ph−Yである(ここで、−Ph−、−Ph(F)−、−Cy−、−Di−、−Py(L)−、−Py(R)−および−Np−は下記構造を表し、Yは単結合または酸素原子を表す)。)
    Figure 2004083568
  2. 該一般式(1)において、Aが−Ph−または−Ph−Ph−である請求項1記載の光学活性化合物。
  3. 該一般式(1)において、Xが−OOC−である請求項1記載の光学活性化合物。
  4. 該一般式(1)において、nが3〜8の整数である請求項1記載の光学活性化合物。
  5. 該一般式(1)において、Aが−Ph−、Xが−OOC−で、Bが−Ph−Cy−または−Ph−Ph−である請求項1記載の光学活性化合物。
  6. 該一般式(1)において、Aが−Ph−Ph−、Xが−OOC−で、Bが−Ph−または−Cy−である請求項1記載の光学活性化合物。
  7. ねじり力(HTP)が50以上である請求項1記載の光学活性化合物。
  8. 誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短くなることを特徴とする請求項1記載の光学活性化合物。
  9. 該一般式(1)で表されるカイラルドーパント。
  10. 該一般式(1)で表される光学活性化合物を、少なくとも一種以上含有するネマチック液晶組成物。
  11. 電極を有する基板間に請求項10記載のネマチック液晶組成物を狭持してなる液晶素子。
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