JP2004250341A - 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 Download PDF

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裕規 本山
Takakiyo Mine
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Abstract

【課題】HTPが極めて大きいカイラルドーパントを提供する。
【解決手段】6,6’−位にも置換基を持つ下記一般式(1) で表される1,1’−ビ−2−ナフトールである光学活性化合物。
【化1】
Figure 2004250341

(式中、nは 1〜10の整数であり、Yは炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜5のアルキルフェニル基または炭素数1〜4のアルコキシフェニル基である。Xは単結合(−), −OOC−または−OCH−である。AおよびBはシクロヘキサン、ベンゼン、ピリミジン、ナフタリン、ジオキサンなどから選択した環を環数の合計で2〜4個有するように環相互の結合形式を含んで特定の組み合わせで選択した置換基である。)
【効果】HTPが70以上と極めて大きいという特徴を有するカイラルドーパントが得られた。本カイラルドーパントは、少量添加するだけでらせんのピッチを調節することができるため、母液晶の性能劣化を抑制できる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はカイラルドーパントとして有用な新規な光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物ならびにその液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。更に詳しくは、ねじり力(以下HTPと記す)が70以上であるカイラルドーパントおよびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭62−81354 号公報
【特許文献2】特願2002−184273号公報
【特許文献3】特開2002−179669号公報
【特許文献4】国際出願0234739 号
【非特許文献1】H.J.DEUSSEN ら LIQUID CRYSTALS,Vol.21,No.3,p327、1996年
【0003】
液晶表示素子の表示モードとして種々のものが知られているが、その多くの表示モードにおいて液晶の螺旋ピッチの制御が必要である。液晶の螺旋ピッチの制御が必要なモードとして、以下のようなものがある。
現在実用化され多用されているモードは、ネマチック液晶を用いたツイスティッドネマチックモード (TNモード) ならびにスーパーツイステッドネマチックモード(STNモード) である。
【0004】
TNモードでは、上基板と下基板の間で液晶分子が90度ねじれる様に配向しており、セル中でらせんの1/4 ピッチが形成されている。
STN モードでは、上基板と下基板の間で液晶分子が 220度前後ねじれる様に配向しており、セル中でおよそ 3/5ピッチのらせんが形成されている。
TNモードは単純マトリックス駆動液晶表示素子およびアクティブマトリックス駆動液晶表示素子において、STN モードは単純マトリックス駆動液晶表示素子において使用されている。
【0005】
また、前記したTNモードおよび STNモードとは別のモードとして、カイラルネマチック液晶の選択反射 (以下、SRと記す) モードがある。
図1および図2に示されている様に、SRモードでは液晶はらせん軸が基板に垂直なプレーナー状態(図1)とらせん軸の方向がランダムなフォーカルコニック状態(図2)をとり、これらの2状態は電圧パルスで切り替えることができる。プレーナー状態では螺旋ピッチに対応した波長の光を反射するが、フォーカルコニック状態では光は素子を透過する。反射状態を明、透過状態を暗とすることで表示が可能となる。
【0006】
らせん構造を誘起する光学活性化合物は通常カイラルドーパントと呼ばれている。これまで数多くのカイラルドーパントが合成されているが、その代表的な化合物が下記構造の化合物である。
【0007】
【化3】
Figure 2004250341
【0008】
カイラルドーパントに求められる最も重要な性能は、大きなHTPを有することである。なお、HTPは下式で定義される物理量である。
Figure 2004250341
カイラルドーパントは通常それ自体液晶性を示さず、しかも、分子量の大きなものが多く、母液晶に対して多量に添加した場合には、種々の性能を劣化させることが多い。性能劣化としては、等方相からネマチック相への相転移温度の低下、液晶の粘性増加、結晶化を引き起こしやすいなどがある。大きなHTPを有するカイラルドーパントは、母液晶に対して少量の添加で所望のらせんピッチを得ることができるため、諸性能の劣化を抑えることができる。上記カイラルドーパントはHTPが小さく、より大きなHTPを示す化合物が求められた。
【0009】
なお、本明細書において、“液晶”とは、特に特定の化合物であると断らない限り、複数の液晶化合物よりなる組成物を意味する。“カイラルドーパント”とはらせん構造を誘起する光学活性化合物またはその化合物の混合物を意味する。“母液晶”とは、カイラルドーパントを含まないネマチック液晶を意味する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、HTPが 70 以上と極めて大きいという特徴を有するカイラルドーパントを提供することにある。
ヘプケらは特許文献1にて、光学活性部に1,1’−ビ−2−ナフトールを使用したカイラルドーパント化合物9種を開示しており、この内の5種が大きなHTPを示す。また、本発明者らはこれまで新規カイラルドーパントの開発検討を種々行い、光学活性部に1,1’−ビ−2−ナフトールを使用したカイラルドーパント化合物で、HTPが50以上ある化合物を見出した(特許文献2等)。
【0011】
これら特許文献記載の化合物は、等方相からネマチック相への相転移温度の低下、液晶の粘性増加、結晶化を引き起こしやすい等といった性能劣化を抑制する効果が認められた。
しかしながら、添加量を更に減らすことにより性能劣化を更に抑えたい、という強い要望が出てきた。また、カイラルドーパントは高価であるため、添加量を減らす事により経済的メリットを出したい、という強い要望もあり、更に大きなHTPを示す化合物が求められた。
【0012】
上記化合物の他、HTP50以上を示しているカイラルドーパント化合物として、光学活性部に、1,1’−ビ−2−ナフトールの2,2’−位にある水酸基部分を架橋した化合物がある。この中で、非特許文献1に開示している化合物6種の内の3種、湯本らが特許文献3に開示している化合物25種の内の2種、HECKMEIER らが特許文献4に開示している化合物6種の内の2種といったカイラルドーパント化合物がHTP70以上を示している。しかしながら、その数は非常に少ない。
また、架橋していない化合物の中で、本発明者らの化合物やヘプケらの化合物よりも大きなHTPを示す化合物は知られていない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らが種々の検討を重ねた結果、1,1’−ビ−2−ナフトールの6,6’−位に置換基を導入するだけと言う簡便な方法により、HTPが向上することを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1) で表される光学活性化合物である。
【0014】
【化4】
Figure 2004250341
(式中、nは 1〜10の整数であり、Yは炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜5のアルキルフェニル基または炭素数1〜4のアルコキシフェニル基であり、Xは単結合(−), −OOC−または−OCH−である。ここで、Xが単結合の時、Aは−Cy−, −Ph−, −Py−または−Np−であり、Aが−Cy−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−であり、Aが−Ph−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−, −Pyr−Z−, −Di−, −Ph−Cy−, −Ph−Ph−Z−, −Ph−Pyr−Z− または−Pyr−Ph−Z−であり、Aが−Py−の時、Bは−Ph−Z−であり、Aが−Np−の時、Bは単結合または−OOC− である。また、Xが−OOC− の時、Aは−Ph−, −Np−または−Ph−Ph− であり、Aが−Ph−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−, −Np−Z−, −Cy−Cy−, −Py−Ph−Z−, −Ph−Cy−, −Ph−Ph−Z−, −Ph−Di−, −Ph−Pyr−Z−, −Cy−Ph−Z−, −Ph−OOC−Cy− または−Ph−OOC−Ph−Z− であり、Aが−Np−または−Ph−Ph− の時、Bは−Cy−または−Ph−Z−である。更に、Xが−OCH−の時、Aは−Ph−, −Np−または−Ph−Ph− であり、Aが−Ph−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−, −Np−Z−, −Cy−Cy−, −Py−Ph−Z−, −Ph−Cy−, −Ph−Ph−Z−, −Ph−Di− または−Ph−Pyr−Z−であり、Aが−Np−または−Ph−Ph− の時、Bは−Cy−または−Ph−Z−である。(なお、Zは単結合(−) または−O− であり、また、−Ph−, −Cy−, −OOC−, −Py−, −Pyr−, −Di−または−Np−は下記構造を示し、−Ph−基はその水素の一つがメチル基、フッ素または塩素で置換されていてもよい。))
【0015】
【化5】
Figure 2004250341
【0016】
そして、本発明では、該一般式(1) において、Yが炭素数1〜3である低級アルキル基またはフェニル基である光学活性化合物、nが 3〜8 の整数である光学活性化合物、または、Xが単結合(−) または−OOC− である光学活性化合物が望ましい。また、ねじり力(HTP)が70以上である光学活性化合物が寄り望ましい。そして、本化合物は、ネマチック液晶用カイラルドーパントとして好適に使用され、該一般式(1) で表される光学活性化合物を少なくとも1種以上含有するネマチック液晶組成物として好適に使用され、このネマチック液晶組成物を、電極を有する基板間に狭持してなる液晶素子とされる。
【0017】
光学活性体にはR体とS体とがあるが、いずれも好適に使用できる。すなわち、R体とS体との性質の違いは、誘起するらせん構造の掌性(右らせん、左らせん) が異なる点である。そこで、使用にあたっては、併用するカイラルドーパントの掌性を考慮し、いずれかを選択する。
本発明の化合物は、母液晶であるネマチック液晶との相溶性が良く、結晶化も起こしにくいが、本発明の光学活性化合物を単独で多量にネマチック液晶へ添加した場合、その組み合わせによっては得られた組成物が常温で結晶化する場合があり得る。しかし、この場合、他のカイラルドーパントを併用することによって容易に結晶化が回避できる。
【0018】
本発明の光学活性化合物をカイラルドーパントとして使用する場合、光学活性化合物は、それを添加したネマチック液晶に基づいて、通常 0.1〜20重量%、好ましくは 0.1〜10重量%の範囲で添加される。この添加割合は、光学活性化合物のHTPの値、結晶性およびネマチック液晶の種類などにより、この好適範囲が決定される。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、HTPが70以上と極めて大きいという特徴を有するカイラルドーパントを提供する。従って、TNモード、STN モード及びSRモードで使用する液晶において、本発明のカイラルドーパントを少量添加するだけでらせんのピッチを調節することができるため、母液晶の性能劣化を抑制できる。
【0020】
【実施例】
次に実施例および比較例を掲げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定されるものではない。
【0021】
実施例1 (式(1) : n=4, X=−, Y=−C, A=−Ph−, B=−Cy− (E1))
4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
50ミリリットルナス型フラスコに R−(−)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトール 0.50gおよび 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸 0.79gを入れ、ジクロロメタン 25ミリリットルに溶かした。そこに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 0.60g およびジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.26gを加え、室温で一昼夜攪拌を行った。
【0022】
析出した固体をろ別し、有機層を 2N 塩酸および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフにより精製を行なう事により目的化合物 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを無色ガラス状物質として 0.85g(収率70%)得た。
【0023】
実施例2 (式(1) : n=6, X=−, Y=−C, A=−Ph−, B=−Cy− (E2))
4−(トランス−4−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
実施例1において、 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸の替わりに 4−(トランス−4−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸を用いた以外は実施例1と同様にして 4−(トランス−4−n−ヘキシルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを得た。
【0024】
実施例3 (式(1) : n=3, X=−, Y=−C, A=−Ph−, B=−Cy− (E3))
4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
実施例1において、 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸の替わりに 4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)安息香酸を用いた以外は実施例1と同様にして 4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジプロピル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを合成した。
【0025】
実施例4 (式(1) : n=4, X=−, Y=−C, A=−Ph−, B=−Cy− (E4))
4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(S)−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
50ミリリットルナス型フラスコに S−(+)−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトール 0.50gおよび 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸 0.62gを入れ、ジクロロメタン 25ミリリットルに溶かした。そこに、DCC 0.49gおよびDMAP 0.11g を加え、室温で一昼夜攪拌を行った。
【0026】
析出した固体をろ別し、有機層を 2N 塩酸および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフにより精製を行なう事により目的化合物 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(S)−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを無色ガラス状物質として 0.90g (収率86%)得た。
【0027】
実施例5 (式(1) : n=4, X=−, Y=−CH, A=−Ph−, B=−Cy− (E5))
4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
50ミリリットルナス型フラスコに R−(−)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビ−2−ナフトール 0.50gおよび 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸 0.87gを入れ、ジクロロメタン 25ミリリットルに溶かした。そこに、DCC 0.71gおよび DMAP 0.15gを加え、室温で一昼夜攪拌を行った。
【0028】
析出した固体をろ別し、有機層を 2N 塩酸および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフにより精製を行なう事により目的化合物 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを無色ガラス状物質として 1.06g (収率85%)得た。
【0029】
上記した実施例1〜5で合成した化合物 (E1〜E5) の熱物性をDSC により測定した結果は下記であった。
E1(48)、E2(33)、E3(60)、E4(96)、E5(74)
なお、()内の数値は融点またはガラス転移温度(℃)である。化合物E1〜E5が室温で結晶状態になっているのか、或いは、ガラス状態になっているのか、明確には確認できなかった。
また、化合物E1〜E5について、その構造式を化6、7に、1H−NMRの測定結果を表1、2に示した。
【0030】
[共通部分]
【化6】
Figure 2004250341
【0031】
[Y部分]
【化7】
Figure 2004250341
【0032】
Figure 2004250341
【0033】
Figure 2004250341
【0034】
実施例6
上記での合成した光学活性化合物(E1〜E5)について、HTPの測定をした。
メルク社製ネマチック液晶(ZLI−1565)に、実施例1〜5で得た光学活性化合物(E1〜E5)を所定量添加し、キラルネマチック(N*)液晶組成物を調製した。
調製した液晶組成物のN*相の上限温度を調べ、次に特性反射挙動よりHTPを求めた。
N*相の上限温度の決定は偏光顕微鏡観察により行った。
【0035】
また、特性反射挙動は以下の手順で行った。
ITO 電極付の液晶セル(セル厚10μm)に、上記で調製した液晶組成物を等方相の状態で充填した。このセルを60℃とし、±60Vの矩形波電圧を1分程度印加した後、室温まで急冷しプレーナー配向を得た。
この液晶セルの25℃における特性反射挙動を自記分光光度計を用いて調べた。HTPは下式より求めた。
HTP (μm−1) =n/(λ25×C/100)
ここで、nはカイラルネマチック液晶の屈折率、λ25は25℃における特性反射波長(μm)、Cは光学活性化合物の濃度(wt%)を表す。尚、屈折率nは母液晶ZLI−1565の値 1.6を採用した。結果を表3に示した。
【0036】
比較例1
実施例6と同様に、公知化合物CB15、CN、S−811 を用いて調製した液晶組成物のN*相の上限温度を調べ、次に特性反射挙動よりHTPを求めた。
N*相の上限温度の決定は偏光顕微鏡観察により行った。
結果を表3に示した。
【0037】
実施例1〜5で製造した光学活性化合物 (E1〜E5) は比較例1にある公知化合物と比べ、いずれも非常に大きなHTPを有している事が確認できた。
【0038】
比較例2 (式(1) : n=4, X=−, Y=−H, A=−Ph−, B=−Cy− (CE1))
4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
50ミリリットルナス型フラスコに R−(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール 0.56gおよび 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸 1.02gを入れ、ジクロロメタン 25ミリリットルに溶かした。そこに、DCC 1.09g およびDMAP 0.19g を加え、室温で一昼夜攪拌を行った。
析出した固体をろ別し、有機層を 2N 塩酸および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。
減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフにより精製を行なう事により目的化合物 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを無色ガラス状物質として 1.10g (収率73%)得た。
【0039】
実施例6と同様に、光学活性化合物(CE1)を用いて調製した液晶組成物のN*相の上限温度を調べ、次に特性反射挙動よりHTPを求めた。
N*相の上限温度の決定は偏光顕微鏡観察ならびにDSC測定により行った。
結果を表3に示した。
【0040】
実施例1〜5の光学活性化合物 (E1〜E5) と比較例2の光学活性化合物(CE1) とを比較したところ、実施例1〜5の光学活性化合物 (E1〜E5) の方がより大きなHTPを有していた。
【0041】
比較例3 (式(1) : n=4, X=−, Y=−H, A=−Ph−, B=−Cy−, 3,3’−位−CH置換 (CE2)) 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルの合成。
50ミリリットルナス型フラスコに R−3,3’−ジメチル−1,1’−ビ−2−ナフトール 0.79gおよび 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸 1.40gを入れ、ジクロロメタン 25ミリリットルに溶かした。そこにDCC 1.10g およびDMAP 0.24gを加え、室温で一昼夜攪拌を行った。
析出した固体をろ別し、有機層を2N塩酸および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。
減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフにより精製を行なう事により目的化合物 4−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)安息香酸−(R)−1,1’−ビ−2−ナフトールジエステルを無色ガラス状物質として 1.63g (収率81%)得た。
【0042】
比較例3で得られた 3,3’−位にメチル基を持つ化合物(CE2)を用いてカイラルネマチック液晶組成物を調合しようとしたが、相溶性が悪く混ざらなかった。
【0043】
Figure 2004250341
注)Iso −N* は等方相からカイラルネマチック相への相転移温度(N*相の上限温度)を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルネマチック液晶のプレーナー分子配向
【図2】カイラルネマチック液晶のフォーカルコニック分子配向

Claims (9)

  1. 下記一般式(1) で表される光学活性化合物。
    Figure 2004250341
    (式中、nは 1〜10の整数であり、Yは炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜5のアルキルフェニル基または炭素数1〜4のアルコキシフェニル基であり、Xは単結合(−), −OOC−または−OCH−である。ここで、Xが単結合の時、Aは−Cy−, −Ph−, −Py−または−Np−であり、Aが−Cy−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−であり、Aが−Ph−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−, −Pyr−Z−, −Di−, −Ph−Cy−, −Ph−Ph−Z−, −Ph−Pyr−Z− または−Pyr−Ph−Z−であり、Aが−Py−の時、Bは−Ph−Z−であり、Aが−Np−の時、Bは単結合または−OOC− である。また、Xが−OOC− の時、Aは−Ph−, −Np−または−Ph−Ph− であり、Aが−Ph−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−, −Np−Z−, −Cy−Cy−, −Py−Ph−Z−, −Ph−Cy−, −Ph−Ph−Z−, −Ph−Di−, −Ph−Pyr−Z−, −Cy−Ph−Z−, −Ph−OOC−Cy− または−Ph−OOC−Ph−Z− であり、Aが−Np−または−Ph−Ph− の時、Bは−Cy−または−Ph−Z−である。更に、Xが−OCH−の時、Aは−Ph−, −Np−または−Ph−Ph− であり、Aが−Ph−の時、Bは−Cy−, −Ph−Z−, −Np−Z−, −Cy−Cy−, −Py−Ph−Z−, −Ph−Cy−, −Ph−Ph−Z−, −Ph−Di− または−Ph−Pyr−Z−であり、Aが−Np−または−Ph−Ph− の時、Bは−Cy−または−Ph−Z−である。(なお、Zは単結合(−) または−O− であり、また、−Ph−, −Cy−, −OOC−, −Py−, −Pyr−, −Di−または−Np−は下記構造を示し、−Ph−基はその水素の一つがメチル基、フッ素または塩素で置換されていてもよい。))
    Figure 2004250341
  2. 該一般式(1) において、Yが炭素数1〜3である低級アルキル基またはフェニル基である請求項1記載の光学活性化合物。
  3. 該一般式(1) において、nが 3〜8 の整数である請求項1記載の光学活性化合物。
  4. 該一般式(1) において、Xが単結合である請求項1記載の光学活性化合物。
  5. 該一般式(1) において、Xが−OOC− である請求項1記載の光学活性化合物。
  6. ねじり力(HTP)が70以上である請求項1記載の光学活性化合物。
  7. 該一般式(1) で表されるネマチック液晶用カイラルドーパント。
  8. 該一般式(1) で表される光学活性化合物を、少なくとも一種以上含有するネマチック液晶組成物。
  9. 電極を有する基板間に請求項8記載のネマチック液晶組成物を狭持してなる液晶素子。
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