JP2003081918A - 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物

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JP2003081918A JP2001273768A JP2001273768A JP2003081918A JP 2003081918 A JP2003081918 A JP 2003081918A JP 2001273768 A JP2001273768 A JP 2001273768A JP 2001273768 A JP2001273768 A JP 2001273768A JP 2003081918 A JP2003081918 A JP 2003081918A
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Yasumasa Norisue
泰正 則末
Hironori Motoyama
裕規 本山
Masahiro Kino
正博 城野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HTPが大きく、誘起するらせんのピッチが
温度上昇に伴い短くなるという特徴を有するカイラルド
ーパントを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) で表される光学活性化合
物。 【化1】 (式中、Aは CqH2q+1-または CrH2r+1-C*H(CH3)OOC-
(ここで、qは2〜5の整数、rは5〜9の整数、C*は
不斉炭素原子を示す)であり、Bは-C≡C-Ph-C≡C-、-C
≡C-Ph-COO- または -COO-Ph-C≡C-(ここで、-Ph-は1,
4-フェニレン基を示す)からなる構造式郡から選ばれ、
nは5〜9の整数、C*は不斉炭素原子である。) 【効果】 HTPが大きく、誘起するらせんのピッチが
温度上昇に伴い短くなり、さらに複屈折が大きいという
特徴を有するカイラルドーパントが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は新規な光学活性化合物及
びそれを含む液晶組成物並びにその液晶組成物を用いた
液晶表示素子に関する。 【0002】 【従来の技術】液晶表示素子の表示モードとして種々の
ものが知られているが、その多くの表示モードにおいて
液晶のらせんピッチの制御が必要である。液晶のらせん
ピッチの制御が必要なモードとして、以下のようなもの
がある。現在実用化され多用されているモードは、ネマ
チック液晶を用いたツイスティドネマチックモード(T
Nモード)ならびにスーパーツイスティドネマチックモ
ード(STNモード)である。 【0003】TNモードでは、上基板と下基板の間で液
晶分子が90度ねじれるように配向しており、セル中で
らせんの1/4ピッチが形成されている。STNモード
では、上基板と下基板の間で液晶分子が220度前後ね
じれるように配向しており、セル中でおよそらせんの3
/5ピッチが形成されている。TNモードは単純マトリ
ックス駆動液晶表示素子及びアクティブマトリックス駆
動液晶表示素子において、STNモードは単純マトリッ
クス駆動液晶表示素子において使用されている。 【0004】また、これらとは別のモードとして、カイ
ラルネマチック液晶の選択反射(SR)モードがある。
図1および図2に示しているように、SRモードでは液
晶はらせん軸が基板に垂直なプレーナー状態とらせん軸
の方向がランダムなフォーカルコニック状態とをとり、
これらの2状態は電圧パルスで切り替えることができ
る。プレーナー状態ではらせんピッチに対応した波長の
光を反射するが、フォーカルコニック状態では光は素子
を透過する。反射状態を明、透過状態を暗とすることで
表示が可能となる。 【0005】らせん構造を誘起する光学活性化合物は通
常カイラルドーパントと呼ばれている。これまで、数多
くのカイラルドーパントが合成されているが、その代表
的な化合物が下記構造の化合物である。 【0006】 【化2】 【0007】カイラルドーパントに求められる最も重要
な性能は、大きなねじり力を有することである。尚、ね
じり力(HTP)は下式で定義される物理量である。H
TP (μm-1) =1/((カイラルドーパントの添加量(w
t%)/100)×誘起されるらせんピッチ (μm))カイラルド
ーパントは、通常、液晶性を示さず、しかも、分子量の
大きなものが多く、母液晶に対し多量に添加した場合に
は、種々の性能を悪化させることが多い。性能悪化とし
ては、等方相からネマチック相への相転移温度の低下、
液晶粘度の上昇、結晶化を引き起こし易いなどがある。
大きなねじり力を有するカイラルドーパンは、少量の添
加で所望のらせんピッチを得ることができるため、諸性
能の悪化を抑えることができる。 【0008】SRモードではこれらの問題に加え、らせ
んピッチの温度依存性、反射光の色純度、反射光強度と
いう問題があった。SRモードではらせんピッチに対応
する光を反射(選択反射)し明状態となる。この時の、
最大選択反射は次の波長λ0で生じる。 λ0 =nAV・p (a) ここで、pはらせんのピッチ、nAVはらせん軸に直交す
る平面内の平均屈折率である。また、この時の反射光の
波長バンド幅Δλは、 Δλ=Δn・p (b) で示され、Δnは液晶材料の複屈折である。 【0009】これまでに開発された多くのカイラルドー
パントでは、温度上昇に伴いらせんピッチが長くなり、
その結果、反射光の色が長波長側へ変化してしまうとい
う問題があった。選択反射波長の温度上昇に伴う変化を
「波長シフト」と呼ぶ。温度上昇により選択反射波長が
長くなる場合をプラスの波長シフト、短くなる場合をマ
イナスの波長シフトと定義する。 【0010】選択反射波長の温度依存性をなくすため、
プラスの波長シフトを示すカイラルドーパントとマイナ
スの波長シフトを示すカイラルドーパントの組み合わせ
が検討されたが、HTPが大きく、かつマイナスの波長
シフトを示すカイラルドーパントの数は極めて少なく、
更にそのシフト量が小さすぎるため、目標達成は困難で
あった。 【0011】反射光の色純度、反射光強度について考え
てみると、式(b)から分かるように、液晶材料の複屈
折が小さい場合には、反射光の波長バンド幅が狭くなり
色純度は向上するが、特定の波長の光しか反射しないた
め、反射光強度は弱くなる。一方、液晶材料の複屈折が
大きい場合には、反射光の波長バンド幅が広くなり色純
度は低下するが、幅広い波長の光を反射するため、反射
光強度は強くなる。このため、液晶組成物においては、
反射光の色純度、反射光強度を考慮し、その複屈折を最
適化する試みが行われている。 【0012】しかしながら、カイラルドーパントに関し
て言えば、複屈折まで考慮して開発されたものは少な
く、母液晶の複屈折を悪化させるものが多かった。複屈
折の大きなカイラルドーパントと複屈折の小さなカイラ
ルドーパントとを併用し、カイラルドーパントの複屈折
と母液晶の複屈折を一致させることにより、母液晶の複
屈折悪化を防ぐことができるが、複屈折の大きなカイラ
ルドーパントはこれまでほとんど開発されておらず、こ
のような手法がうまく利用できなかった。 【0013】 【発明が解決しようとする問題点】本発明は、HTPが
大きく、誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短く
なる、更には複屈折が大きいという特徴を有するカイラ
ルドーパントを提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1) で表される光学活性化合物である。 【0015】 【化3】 (式中、Aは CqH2q+1-または CrH2r+1-C*H(CH3)OOC-
(ここで、qは2〜5の整数、rは5〜9の整数、C*は
不斉炭素原子を示す)であり、Bは-C≡C-Ph-C≡C-、-C
≡C-Ph-COO- または -COO-Ph-C≡C-(ここで、-Ph-は1,
4-フェニレン基を示す)からなる構造式郡から選ばれ、
nは5〜9の整数、C*は不斉炭素原子である。) 【0016】本発明の好ましい実施態様においては、該
一般式(1) において、Bが-C≡C-Ph-C≡C-であること、
Aが CrH2r+1-C*H(CH3)OOC-であること、nが7である
ことである。また、ねじり力(HTP)が9以上である
こと、誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴い短くな
る光学活性化合物である。更に、複屈折が 0.20 以上で
ある光学活性化合物である。そして本化合物は、ネマチ
ック液晶用添加剤として好適に使用され、該一般式(1)
で表される光学活性化合物を少なくとも1種以上含有す
るネマチック液晶組成物として好適に使用され、このネ
マチック液晶組成物を電極を有する基板間に狭持してな
る液晶素子とされる。 【0017】本発明の光学活性化合物は、不斉炭素を1
つ有するものと2つ有するものとがある。不斉炭素を1
つ有する光学活性化合物には、R体とS体の2種の光学
異性体が存在するが、R体とS体との性質の違いは、誘
起するらせんの掌性(右らせん、左らせん)が異なる点
である。一方、不斉炭素を2つ有する光学活性化合物に
は、R,R体とR,S体、S,R体およびS,S体の4
種の光学異性体が存在するが、R,R体ならびにS,S
体が望ましい。R,R体とS,S体との性質の違いも、
誘起するらせんの掌性(右らせん、左らせん)が異なる
点である。そこで、使用にあたっては、併用するカイラ
ルドーパントの掌性を考慮し、いずれかを選択できる。 【0018】また、母液晶であるネマチック液晶に、本
発明の光学活性化合物を単独で多量に添加した場合、そ
の組み合わせによっては得られた組成物が常温で結晶化
する場合がある。しかし、この場合も、通常は、他のカ
イラルドーパントを併用するものであり、または、同一
効果を発生させる組み合わせを固定することが必須でも
ないことから、実用的な組成物の調製においては容易に
回避できる。 【0019】 【発明の効果】本発明は、HTPが大きい、誘起するら
せんのピッチが温度上昇に伴い短くなる、更には複屈折
が大きいという特徴を有するカイラルドーパントを提供
する。従って、TNモード、STNモードで使用する液
晶においては、本発明のカイラルドーパントを少量添加
するだけでらせんのピッチを調整することができるた
め、母液晶の性能劣化を抑制できる。また、SRモード
の液晶においては、プラスの波長シフトを誘起するカイ
ラルドーパントと本発明のものを組み合わせて用いるこ
とにより、らせんピッチの温度変化のない液晶をうるこ
とができる。更には、複屈折の小さなカイラルドーパン
トと本発明のものを組み合わせて用いることにより、最
適な複屈折の液晶をうることができる。 【0020】 【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 【0021】実施例1(式(1) : A=H15C7C*H(CH3)OOC
- ,B=-C≡C-Ph-C≡C-, n=7 (E1)) 1,4−ビス(4−(R)-1-メチルオクチルオキシカルボニル
フェニルエチニル) ベンゼンの製造。 (1) p-ヨード安息香酸−(R)-1-メチルオクチルエステル
の合成。 ナス型フラスコに、p-ヨード安息香酸クロライド 14.29
g(0.054mol) 、(R)-2-ノナノール 7.00g(0.049mol)およ
びジクロロメタン 40mL(ミリリットル) を入れ、溶解させた。
これにピリジン 5.00mL を加え、室温で一昼夜攪拌を行
った。反応液に水 20mL を加え30分攪拌した後、有機層
と水層とを分液した。有機層を 2N 塩酸、 1N 水酸化ナ
トリウム水溶液、および水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、カラム
クロマトグラフィーにより精製し、目的化合物を 16.46
g(収率90.7%)得た。 【0022】(2) p-(2-メチル−2-ヒドロキシエチルエ
チニル) 安息香酸−(R)-1-メチルオクチルエステルの合
成。 シュレンク管にジクロロビストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(II)錯体 16.6mg およびヨウ化銅(I) 10.5mgを
入れ、系内を窒素置換した。p-ヨード安息香酸−(R)-1-
メチルオクチルエステル 8.21g(0.022mol)と3-メチル−
1-ブチン−3-オール 2.03g(0.024mol)とを乾燥したトリ
エチルアミン 30mL に溶解し、これを先のシュレンク管
に入れ、室温で一昼夜攪拌した。トリエチルアミンを減
圧下留去し、得られた固体をジクロロメタン 30mL に溶
かした。この溶液を 2N 塩酸および水で洗浄し、有機層
を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を
留去する事により粗生成物を 7.25g (粗収率 100%)得
た。 【0023】(3) p-エチニル安息香酸−(R)-1-メチルオ
クチルエステルの合成。 ナス型フラスコに p-(2-メチル−2-ヒドロキシエチルエ
チニル) 安息香酸−(R)-1-メチルオクチルエステル 3.7
7g(0.011mol)、トルエン 30mL を入れ溶解させた。これ
に、ナトリウムメトキシド 60mg を加え、110 ℃で低沸
留分を除去しながら30分攪拌を行った。室温に戻した
後、反応溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、カラム
クロマトグラフィーにより精製し目的化合物を 2.38g
(収率79.3%)得た。 【0024】(4) 1,4-ビス(4−(R)-1-メチルオクチルオ
キシカルボニルフェニルエチニル) ベンゼンの合成。 シュレンク管にジクロロビストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(II)錯体 7.5mgおよびヨウ化銅(I) 4.9mg を入
れ、系内を窒素置換した。p-エチニル安息香酸−(R)-1-
メチルオクチルエステル 2.38g(0.0087mol) とp-ジヨー
ドベンゼン 1.44g(0.0044mol) とを乾燥したトリエチル
アミン 40mL に溶解し、これを先のシュレンク管に入
れ、室温で一昼夜攪拌した。トリエチルアミンを減圧下
留去し、得られた固体をジクロロメタン 60mL に溶かし
た。この溶液を 2N 塩酸および水で洗浄し、有機層を無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去
する事により粗生成物を 2.60g得た。カラムクロマトグ
ラフィーにより精製を行った後、ヘキサンにて再結晶を
行なう事により目的化合物を無色針状晶として 1.21g
(収率45%)得た。 【0025】実施例2(式(1) : A=H11C5C*H(CH3)OOC
-, B=-C≡C-Ph-C≡C-, n=5 (E2)) 1,4-ビス(4−(R)-1-メチルヘキシルオキシカルボニルフ
ェニルエチニル) ベンゼンの製造。 実施例1の(1) で用いた(R)-2-ノナノールを(R)-2-ヘプ
タノールに代えた以外は、実施例1と全く同様にした。 【0026】実施例3(式(1) : A=C5H11-, B=-C≡C-
Ph-COO-, n=7 (E3)) 4-(4"-(R)-2-ノニルオキシカルボニルフェニル) オキシ
カルボニル-4'-ペンチルトランの製造。 (1) p-アセトキシ安息香酸−(R)-2-ノニルエステルの合
成。 ナス型フラスコにp-アセトキシ安息香酸クロライド 5.0
0g、(R)-2-ノナノール3.00g、ジクロロメタン 20mL を
入れ、溶解させた。ここにピリジン 3.00mL を加え、室
温で一昼夜攪拌を行った。この反応液に水 20mL を加え
30分攪拌した後、有機層と水層とを分液した。有機層を
2N 塩酸、 1N 水酸化ナトリウム水溶液、および水で洗
浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減
圧下に溶媒を留去する事により目的化合物6.37g (粗収
率 100%)得た。 【0027】(2) p-ヒドロキシ安息香酸−(R)-2-ノニル
エステルの合成。 ナス型フラスコにp-アセトキシ安息香酸−(R)-2-ノニル
エステル 6.37g、トルエン 20mL を入れ溶解させた。こ
れに濃度40wt%のメチルアミンのメタノール溶液を 5.2
0g加え、室温にて1時間攪拌した。この反応液に 2N 塩
酸 20mL を加え、30分攪拌した後、有機層と水層とを分
液した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去する事により目的
化合物を 4.80g (粗収率87.3%) 得た。 【0028】(3) p-ヨード安息香酸−4'-((R)-2-ノニル
オキシカルボニルフェニル)エステルの合成。 ナス型フラスコにp-ヨード安息香酸クロライド 2.00g、
p-ヒドロキシ安息香酸−(R)-2-ノニルエステルを 1.98
g、およびジクロロメタン 20mL を入れ溶解させた。こ
れにピリジン 1.00 mLを加え、室温で一昼夜攪拌を行っ
た。この反応液に水 20mL を加え30分攪拌した後、有機
層と水層とを分液した。有機層を 2N 塩酸、 1N 水酸化
ナトリウム水溶液、および水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、カラ
ムクロマトグラィーにより精製し、目的化合物を 2.77g
(収率74.9%)得た。 【0029】(4) 4-(4"-(R)-2-ノニルオキシカルボニル
フェニル) オキシカルボニル-4'-ペンチルトランの合
成。 シュレンク管にジクロロビストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(II)錯体 2.1mgおよびヨウ化銅(I) 1.5mg を入
れ、系内を窒素置換した。p-ヨード安息香酸−4'-((R)-
2-ノニルオキシカルボニルフェニル)エステル 1.52g
(0.0031mol) と4-ペンチルフェニルアセチレン 0.80gと
を乾燥したトリエチルアミン 5mLに溶解し、これを先の
シュレンク管に入れ、室温で一昼夜攪拌した。トリエチ
ルアミンを減圧下留去し、得られた固体をジクロロメタ
ン 20mL に溶かした。この溶液を 2N 塩酸および水で洗
浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減
圧下に溶媒を留去する事により粗生成物を得た。カラム
クロマトグラフィーにより精製を行なった後、エタノー
ルにて再結晶を行なう事により目的化合物を無色固体と
して 1.00g (収率61.0%)得た。 【0030】実施例4(式(1) : A=C5H11-, B=-C≡C-
Ph-COO-, n=5 (E4)) 4-(4"-(R)-2-ヘプチルオキシカルボニルフェニル) オキ
シカルボニル-4'-ペンチルトランの製造。 実施例3の(1) で用いた(R)-2-ノナノールを(R)-2-ヘプ
タノールに代えた以外は、実施例3と全く同様にした。 【0031】上記実施例1〜4で得た光学活性化合物
(E1〜E4)の相転移温度の確認を偏光顕微鏡観察ならび
にDSC測定により行った。その結果は下記であった。 E1: Iso(59)Cry E2: Iso(67) Cry E3: Iso(100) SX (66) Cry E4: Iso(109) SX (36) Cry (ここで、()内の数値は相転移温度(℃)を示し、Is
o は等方相、Cry は結晶相、SXは未同定のスメクチック
相をそれぞれ示す。) また、光学活性化合物(E1〜E4)について、その構造式
の共通部分と一般式中のA部とを化4に、1H-NMR の測
定結果を表1に示した。 【0032】 【化4】 【0033】 表1 1H-NMR(δ,ppm) 共 通 部 分 A部分 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (E1): 8.02 7.58 7.54 7.54 7.58 8.02 5.16 0.88 5.16 0.88 (E2): 8.03 7.58 7.54 7.54 7.58 8.02 5.16 0.89 5.16 0.89 (E3): 7.19 7.48 7.65 8.12 7.31 8.17 5.18 0.90 2.63 0.91 (E4): 7.19 7.48 7.65 8.12 7.31 8.17 5.17 0.91 2.63 0.91 【0034】実施例5 上記で製造した光学活性化合物(E1〜E4)について、H
TP、波長シフトならびに複屈折(Δn)の測定をし
た。メルク社製ネマチック液晶(ZLI-1565)に、実施例1
で得た光学活性化合物を15wt%添加し、キラルネマチッ
ク(N*)液晶組成物を調製した。調製した液晶組成物の
N*相の上限温度、特性反射挙動を調べ、次に特性反射挙
動よりねじれ力(HTP)を求めた。N*相の上限温度の
決定は偏光顕微鏡観察ならびにDSC測定により行っ
た。 【0035】また、特性反射挙動は以下の手順で行っ
た。ITO 電極付の液晶セル (セル厚10μm) に、上記で
調製した液晶組成物を等方相の状態で充填した。このセ
ルを60℃とし、±60Vの矩形波電圧を1分程度印加した
後、室温まで急冷しプレーナー配向を得た。この液晶セ
ルの25℃、60℃における特性反射挙動を自記分光光度計
を用いて調べた。25℃、60℃におけるHTPはそれぞれ
下式より求めた。 HTP (μm-1) =n/(λ25×C/100) HTP(μm-1) =n/(λ60×C/100) ここで、nはカイラルネマチック液晶の屈折率、λ25
25℃、λ60は60℃における特性反射波長(μm)、Cは
カイラル剤の濃度(wt%)を表す。尚、屈折率nは母液
晶ZLI-1565の値 1.6を採用した。 【0036】波長シフトは下式より求めた。 波長シフト(nm)=λ60*−λ25* ここで、λ60*は60℃における特性反射波長(nm)、λ
25*は25℃における特性反射波長(nm)を表す。 【0037】カイラル剤の複屈折(Δn)は以下の手順
で求めた。メルク社製ネマチック液晶ZLI-4718(Δn=
0.08)に、実施例1で得た光学活性化合物を15wt%添加
し、キラルネマチック(N*)液晶組成物を調製した。こ
の組成物の20℃における常光屈折率 (no )、異常光
屈折率(ne )をアッベ屈折計を用いて測定した。次
に、下式を用いて液晶組成物の分子長軸方向の屈折率
(n‖)、分子短軸方向の屈折率(n⊥)ならびに複屈
折を求めた。 n⊥=ne n‖=(2no 2 −n⊥2 1/2 Δn=n‖−n⊥ 最後に、ネマチック液晶および上記組成物の複屈折値か
ら外挿し、カイラル剤の複屈折を求めた。結果を表2に
示した。 【0038】実施例1の光学活性化合物(E1)は9以上の
大きなHTPを有しており、しかも温度の上昇とともに
らせんが短くなる性質を有していた。更に 0.20 以上の
大きな複屈折を示した。上記と同様にして、実施例2〜
4で得た光学活性化合物(E2〜E4)についてHTP、波
長シフトならびに複屈折を調べた。尚、E2のHTP、
波長シフトの測定は、ネマチック液晶に対し10wt%添加
した組成物で行った。結果を表2に示した。 【0039】比較例1〜3 実施例5と全く同様に、従来技術の説明において示した
公知化合物CB15、S811およびCNのHTP、波
長シフトならびに複屈折を測定した。尚、CB15、S
811のHTP、波長シフトの測定は、ネマチック液晶
に対し15wt%添加した組成物で、CNのHTP、波長シ
フトの測定は30wt%添加した組成物で測定を行った。結
果を表2に示した。 【0040】 表2化合物 Iso−N* (℃) HTP (1/μm) 波長シフト(nm) 複屈折 E1 80 14.0 − 57 0.30 E2 85* 13.1 − 93 0.32 E3 88 9.5 − 23 0.25 E4 89 8.2 −127 0.27 CB15 74 7.9 +193 0.18 S811 73 10.1 + 7 0.11CN 82 5.2 + 34 0.05 注) Iso−N* は等方相からカイラルネマチック相への相転移温度(N*相の上限 温度)を示す。*は10wt%添加で評価。
【図面の簡単な説明】 【図1】カイラルネマチック液晶のプレーナー分子配向 【図2】カイラルネマチック液晶のフォーカルコニック
分子配向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城野 正博 東京都葛飾区新宿6目1番1号 三菱瓦斯 化学株式会社内東京工場内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB64 AC83 BJ50 4H027 BA01 BD07 BD16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1 】 下記一般式(1)で表される光学活性化
    合物。 【化1】 (式中、Aは CqH2q+1-または CrH2r+1-C*H(CH3)OOC-
    (ここで、qは2〜5の整数、rは5〜9の整数、C*は
    不斉炭素原子を示す)であり、Bは-C≡C-Ph-C≡C-、-C
    ≡C-Ph-COO- または -COO-Ph-C≡C-(ここで、-Ph-は1,
    4-フェニレン基を示す)からなる構造式郡から選ばれ、
    nは5〜9の整数、C*は不斉炭素原子である。) 【請求項2】 該一般式(1)において、Bが-C≡C-Ph
    -C≡C-である請求項1記載の光学活性化合物。 【請求項3】 該一般式(1)において、Aが CrH2r+1
    -C*H(CH3)OOC-である請求項1記載の光学活性化合物。 【請求項4】 該一般式(1)において、nが7である
    請求項1記載の光学活性化合物。 【請求項5】 ねじり力(HTP)が9以上である請求
    項1記載の光学活性化合物。 【請求項6】 誘起するらせんのピッチが温度上昇に伴
    い短くなることを特徴とする請求項1記載の光学活性化
    合物。 【請求項7】 複屈折 (Δn) が 0.20 以上である請求
    項1記載の光学活性化合物。 【請求項8】 該一般式(1)で表されるネマチック液
    晶用添加剤。 【請求項9】 該一般式(1)で表される光学活性化合
    物を、少なくとも1種以上含有するネマチック液晶組成
    物。 【請求項10】 電極を有する基板間に請求項9のネマ
    チック液晶組成物を挟持してなる液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005255578A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Fuji Photo Film Co Ltd 化合物、液晶組成物および光学材料

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