JP2004083101A - コイル状重量物の輸送方法及びそれに用いるパレット - Google Patents
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Abstract
【課題】コンテナを使用するコイル状重量物の輸送方法を改良して、輸送コストを低減させ、コンテナの内部奥にまで積荷が収容されていても、消費地で積荷の取出しを容易に可能にする。
【解決手段】上面にコイル状重量物4の保持部と下面にフォーク挿入部3とを有するパレット1を用い、コンテナ7に荷積みの際には、フォーク挿入部に挿入したフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容し、コイル状重量物の収容を終えたコンテナを輸送手段により輸送し、荷下ろしする際にはパレット1ごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出して取出すコイル状重量物の輸送方法及びそれに用いるパレットである。
【選択図】 図6
【解決手段】上面にコイル状重量物4の保持部と下面にフォーク挿入部3とを有するパレット1を用い、コンテナ7に荷積みの際には、フォーク挿入部に挿入したフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容し、コイル状重量物の収容を終えたコンテナを輸送手段により輸送し、荷下ろしする際にはパレット1ごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出して取出すコイル状重量物の輸送方法及びそれに用いるパレットである。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル状に巻かれた鋼板等のコイル状重量物の輸送を円滑に行うことができる輸送方法及びそれに用いる輸送用パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材は従来主として在来船の使用が中心で輸送されている。コイル状重量物の輸送においては、従来個々に荷役作業がなされると共に、輸送も、車輌、船等の輸送手段の使用時に、個々に単数又は複数個のコイル状重量物が荷積みされて運ばれていた。今後は遠国輸送品、自動車用鋼板等の高付加価値品或いは緊急品を対象にコンテナ輸送の重要性が益々増加する環境にある。コイル状に巻かれた鋼板のコイル状重量物の場合、1個が10トン前後と高重量であるから、荷積み状態、荷役時の取り扱い、輸送方法等によって、損傷を受けることがある。そこで、これまでは図9に示すように、梱包品のコイル状重量物4を木材15を用い、手作業の大工仕事で固縛(木材保定)し、コンテナ7詰めして輸送されている。最近では、傷の付きにくいコンテナ内へ単数又は複数個収容して輸送する試みがなされるようになっているが、その様子は例えば、実用新案登録第3071912号、特開平11−342945号、特開平11−343034号、特開平11−349115号等にみられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
鋼材輸送の今後の増加に対応させるためには、廉価で安全に、安定的に、かつ製品への損傷が無いことが要求される。コイル状重量物が我が国で生産されて外国で鋼板が使用される場合に、コンテナ内へ収容する際には性能に優れた装備、例えばフォークリフト等が用いられてコンテナの内部奥から入口まで効率良く収容させることができる。ところが、コンテナによって運ばれたコイル状重量物が使用される消費地においては、しばしば荷役のための設備不足の理由から、特にコンテナの内部奥に収容されているコイル状重量物の取出しが困難な場合が多い。
【0004】
また、個々のコンテナの内部へコイル状重量物の搬入、搬出を可能にする装備を設けて、消費地での特にコンテナの内部奥に収容されているコイル状重量物の取出しを可能にすることもできるが、輸送コストの面から実施し難いし、重量増加の要因ともなる。
【0005】
そこで、本発明者等は、輸送効率のよい、しかも、コイル状重量物に損傷が加えられ難い特徴のあるコンテナを使用するコイル状重量物の輸送方法を更に改良して、輸送コストを低減させると共に、コンテナの内部奥にまでコイル状重量物が収容されていても、消費地でコイル状重量物の取出しを容易に可能にするコイル状重量物の輸送方法及びそれに用いるパレットについて検討した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を検討した結果、上面にコイル状重量物の保持部と下面にフォーク挿入部とを有するパレットを用い、コンテナに荷積みの際には、先ず前記パレット上へコイル状重量物を載せ、フォーク挿入部に挿入したフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容し、コイル状重量物の収容を終えたコンテナを輸送手段により輸送し、コンテナ内からコイル状重量物を荷下ろしする際には、パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出して取出すようにしたことを特徴とするコイル状重量物の輸送方法とした。ここにいう輸送手段としては、車輌、船舶、鉄道等の汎用されている手段を用いることができる。
【0007】
このようなコイル状重量物の輸送方法に用いるパレットは、パレット本体上面中央のコイル状重量物保持部と下面両端のフォーク挿入部とからなり、コイル状重量物保持部がコイル状重量物の移動を規制する凹面であり、フォーク挿入部がコンテナ内でのパレット及びコイル状重量物の移動方向に設けた左右のフォーク挿入溝又は穴であり、パレット本体にコンテナ内からの引出しを可能にする牽引手段の牽引掛止部を設けたことを特徴とする。
【0008】
このコイル状重量物の輸送用パレットは、パレット本体上面のコイル状重量物保持部又は下面のフォーク挿入部を形鋼によりハンモック型とし、パレット本体の耐荷重を高めると共に航海時の環境に対応した強度とした。コイル状重量物の収容を終えると、コンテナ内において牽引手段のための牽引掛止部とコンテナ内の保定用(固定用)リング、鈎状等の固定部材間を吊帯等で固縛することができる。また、パレット本体の底部幅をコンテナ側壁間隔に近い広幅とし、揺れに対する移動を低減させることとした。コンテナ側壁とパレット本体との間隙を無い状態にするためには、木材等の詰め物を使用することも考えられるが、省資源面からみると、パレット本体に突出長を調節できるアジャストボルトを設けてもよい。
【0009】
また、パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出すことを容易にするために、コンテナの床面とパレット間に引出し用滑材を介在させるとよい。引出し用滑材としては、段ボール紙、プラスチックシート、金属板等を使用することができる。特に、廃棄処分の容易さ、コスト面等からみてダンボール紙の使用が好ましい。更に、パレット本体底部に上方へ反った湾曲部を形成し、摩擦抵抗を低減して荷積み又は荷下ろし時の引張り力を低減させるようにするとよい。
【0010】
コンテナ内からパレットごと引出した後、コイル状重量物を荷下ろしして空となった後のパレットは、再使用するためにコンテナ内に複数個積重ねて回収することによって、輸送コストの低減が達成できる。コンテナ内に多数個を積重ねて回収することを可能にするための構造として、パレット本体上面のコイル状重量物保持部の凹面と下面の左右のフォーク挿入溝又は穴を形成するフォーク挿入部間とが積重ね可能な凹凸形状で、上下面略相似形のハンモック型とすることによって、このコイル状重量物の輸送用パレットを上下に積重ね可能にするとよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のコイル状重量物の輸送方法に用いるパレットを示す斜視図である。図2は同パレット上にコイル状重量物を載せた様子を示す斜視図である。図3及び図4はフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容している様子を示す斜視図である。図5はコイル状重量物を収容したコンテナを車輌で輸送している様子を示す一部破断斜視図である。図6はパレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出している様子を示す斜視図である。図7は再使用するためにコンテナ内に本発明のパレットを複数個積重ねて収容した様子を示す正面図である。
【0012】
本発明のコイル状重量物の輸送方法に用いるパレット1は、パレット本体上面のコイル状重量物保持部2と下面のフォーク挿入部3を備えている。コイル状重量物保持部2にはコイル状重量物4の移動を規制する凹面5が形成されており、更に、凹面5の両側へ締付けバンド取付環6を設けている。凹面5を形成するための斜面は30°程度に形成して転がり出ないようにしている。凹面5に載置したコイル状重量物4がその重量と締付けバンド取付環6を利用して締付けたバンドによって、コンテナ7が揺れても動かない構造である。フォーク挿入部3は下面の左右両側に設けており、フォーク8が挿入できる大きさの矩形穴をチャンネルとその間に架橋プレートを渡架させて形成している。コイル重量に耐える構造であれば、平行なチャンネル材等でフォーク挿入溝を形成してもよい。引張りによる引出しを含むコンテナ7内での前後方向の移動を可能にするためにフォーク挿入部3の前後には反りを設けるとよい。
【0013】
パレット本体には更に、コンテナ内からの引出しを可能にする牽引手段としての牽引掛止部9を設けている。牽引掛止部9としてはこの例ではワイヤ10を掛止する掛止穴11,11を設けているが、掛止用鈎や掛止用環の構造であってもよい。ワイヤ10を引くための装置については、特に限定するものではなく、汎用されているワイヤ巻き取り装置であってもよい。
【0014】
本発明では、このような上面にコイル状重量物の保持部2と下面にフォーク挿入部3,3とを有し、ワイヤ10を掛止する掛止穴11,11を有するパレット1を用いる。コンテナ7内に荷積みの際には、コンテナ7内床面に引出し用滑材12を敷いた後、先ず図2に示すように、パレット1上へコイル状重量物4を載せ、図3に示すようにフォーク挿入部3にフォークを挿入して持ち上げ、図4に示すようにコンテナ内にパレット1ごとコイル状重量物4を収容する。この状態で図5に示すように、コイル状重量物4の収容を終えたコンテナ7を輸送手段13により輸送する。このとき、パレットの牽引掛止部9とコンテナ内に設けられている固定リング間を吊帯等で固縛すると荷動きを防止することができる。また、図8にみられるように、パレット本体に突出長を調節できるアジャストボルト14を設けて移動不能にすることもできる。
【0015】
輸送後コンテナ7内からコイル状重量物4を荷下ろしする際には、パレット1ごとコイル状重量物4を牽引手段によりコンテナ7内から引出して取出す。その様子を図6に示す。パレット1を掛止したワイヤ10を引張ることによって、コンテナ7の床面とパレット1間に段ボールの滑材12を介在させているので、コイル状重量物4が容易にコンテナ7の端部まで引き出される。その後は簡易な作業機の使用やコンベア等でコイル状重量物の使用現場まで運ぶことができる。
【0016】
コンテナ内からパレットごと引出した後、コイル状重量物を荷下ろし後のパレット1は、図7に示すように、コンテナ7内に多数個積重ねて回収することができる。パレット本体上面のコイル状重量物保持部の凹面5と下面の左右のフォーク挿入溝又は穴を形成するフォーク挿入部3,3間とが積重ね可能な凹凸形状で、上下面を略相似形のハンモック型としたことによって、多数個を積重ねることができる。パレット保管容積を小さくすると共に、パレット回収のコストを低減することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によって、鋼製の簡易設計のパレットの使用で木材等の使用を無くしてのコイル状重量物の輸送を可能とした。環境保全上有益であり、また、木材の組み付け作業を不要にして省力化と輸送費用の低廉化を可能にした。
【0018】
また、コンテナ輸送における耐荷重条件及び揺れ、温度、湿度等の環境条件に充分耐えるパレットとなっている。コイル状重量物等の積荷の損傷皆無を実現し、納入製品の歩留まりが著しく向上し、信頼性も高まる。しかも、簡易梱包を可能にした。
【0019】
本発明は、輸送効率の良く、しかもコイル状重量物に損傷が加えられ難い特徴のあるコンテナを使用するコイル状重量物の輸送方法において、生産現場でコンテナの内部奥にまでコイル状重量物を収容しても、消費地で簡易な装置によるコイル状重量物の容易な取出しを可能にした。
【0020】
また、パレットをハンモック型としたことにより、荷役の容易さはもちろんのこと、納品先からの回収を段積みで可能にする等、回収コストを低減させると共に、パレットの保管容積を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル状重量物の輸送方法に用いるパレットを示す斜視図である。
【図2】同パレット上にコイル状重量物を載せた様子を示す斜視図である。
【図3】フォークでパレットごとコイル状重量物を持ち上げた様子を示す斜視図である。
【図4】フォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容している様子を示す斜視図である。
【図5】コイル状重量物を収容したコンテナを車輌で輸送している様子を示す一部破断斜視図である。
【図6】パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出している様子を示す斜視図である。
【図7】再使用するためにコンテナ内に本発明のパレットを複数個積重ねて収容した様子を示す正面図である。
【図8】コイル状重量物の輸送に用いる本発明のパレットの他の実施例の要部斜視図である。
【図9】従来のコイル状重量物の輸送例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パレット
2 コイル状重量物保持部
3 フォーク挿入部
4 コイル状重量物
5 凹面
6 締付けバンド取付環
7 コンテナ
8 フォーク
9 牽引掛止部
10 ワイヤ
11 掛止穴
12 引出し用滑材
13 輸送手段
14 アジャストボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル状に巻かれた鋼板等のコイル状重量物の輸送を円滑に行うことができる輸送方法及びそれに用いる輸送用パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材は従来主として在来船の使用が中心で輸送されている。コイル状重量物の輸送においては、従来個々に荷役作業がなされると共に、輸送も、車輌、船等の輸送手段の使用時に、個々に単数又は複数個のコイル状重量物が荷積みされて運ばれていた。今後は遠国輸送品、自動車用鋼板等の高付加価値品或いは緊急品を対象にコンテナ輸送の重要性が益々増加する環境にある。コイル状に巻かれた鋼板のコイル状重量物の場合、1個が10トン前後と高重量であるから、荷積み状態、荷役時の取り扱い、輸送方法等によって、損傷を受けることがある。そこで、これまでは図9に示すように、梱包品のコイル状重量物4を木材15を用い、手作業の大工仕事で固縛(木材保定)し、コンテナ7詰めして輸送されている。最近では、傷の付きにくいコンテナ内へ単数又は複数個収容して輸送する試みがなされるようになっているが、その様子は例えば、実用新案登録第3071912号、特開平11−342945号、特開平11−343034号、特開平11−349115号等にみられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
鋼材輸送の今後の増加に対応させるためには、廉価で安全に、安定的に、かつ製品への損傷が無いことが要求される。コイル状重量物が我が国で生産されて外国で鋼板が使用される場合に、コンテナ内へ収容する際には性能に優れた装備、例えばフォークリフト等が用いられてコンテナの内部奥から入口まで効率良く収容させることができる。ところが、コンテナによって運ばれたコイル状重量物が使用される消費地においては、しばしば荷役のための設備不足の理由から、特にコンテナの内部奥に収容されているコイル状重量物の取出しが困難な場合が多い。
【0004】
また、個々のコンテナの内部へコイル状重量物の搬入、搬出を可能にする装備を設けて、消費地での特にコンテナの内部奥に収容されているコイル状重量物の取出しを可能にすることもできるが、輸送コストの面から実施し難いし、重量増加の要因ともなる。
【0005】
そこで、本発明者等は、輸送効率のよい、しかも、コイル状重量物に損傷が加えられ難い特徴のあるコンテナを使用するコイル状重量物の輸送方法を更に改良して、輸送コストを低減させると共に、コンテナの内部奥にまでコイル状重量物が収容されていても、消費地でコイル状重量物の取出しを容易に可能にするコイル状重量物の輸送方法及びそれに用いるパレットについて検討した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を検討した結果、上面にコイル状重量物の保持部と下面にフォーク挿入部とを有するパレットを用い、コンテナに荷積みの際には、先ず前記パレット上へコイル状重量物を載せ、フォーク挿入部に挿入したフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容し、コイル状重量物の収容を終えたコンテナを輸送手段により輸送し、コンテナ内からコイル状重量物を荷下ろしする際には、パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出して取出すようにしたことを特徴とするコイル状重量物の輸送方法とした。ここにいう輸送手段としては、車輌、船舶、鉄道等の汎用されている手段を用いることができる。
【0007】
このようなコイル状重量物の輸送方法に用いるパレットは、パレット本体上面中央のコイル状重量物保持部と下面両端のフォーク挿入部とからなり、コイル状重量物保持部がコイル状重量物の移動を規制する凹面であり、フォーク挿入部がコンテナ内でのパレット及びコイル状重量物の移動方向に設けた左右のフォーク挿入溝又は穴であり、パレット本体にコンテナ内からの引出しを可能にする牽引手段の牽引掛止部を設けたことを特徴とする。
【0008】
このコイル状重量物の輸送用パレットは、パレット本体上面のコイル状重量物保持部又は下面のフォーク挿入部を形鋼によりハンモック型とし、パレット本体の耐荷重を高めると共に航海時の環境に対応した強度とした。コイル状重量物の収容を終えると、コンテナ内において牽引手段のための牽引掛止部とコンテナ内の保定用(固定用)リング、鈎状等の固定部材間を吊帯等で固縛することができる。また、パレット本体の底部幅をコンテナ側壁間隔に近い広幅とし、揺れに対する移動を低減させることとした。コンテナ側壁とパレット本体との間隙を無い状態にするためには、木材等の詰め物を使用することも考えられるが、省資源面からみると、パレット本体に突出長を調節できるアジャストボルトを設けてもよい。
【0009】
また、パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出すことを容易にするために、コンテナの床面とパレット間に引出し用滑材を介在させるとよい。引出し用滑材としては、段ボール紙、プラスチックシート、金属板等を使用することができる。特に、廃棄処分の容易さ、コスト面等からみてダンボール紙の使用が好ましい。更に、パレット本体底部に上方へ反った湾曲部を形成し、摩擦抵抗を低減して荷積み又は荷下ろし時の引張り力を低減させるようにするとよい。
【0010】
コンテナ内からパレットごと引出した後、コイル状重量物を荷下ろしして空となった後のパレットは、再使用するためにコンテナ内に複数個積重ねて回収することによって、輸送コストの低減が達成できる。コンテナ内に多数個を積重ねて回収することを可能にするための構造として、パレット本体上面のコイル状重量物保持部の凹面と下面の左右のフォーク挿入溝又は穴を形成するフォーク挿入部間とが積重ね可能な凹凸形状で、上下面略相似形のハンモック型とすることによって、このコイル状重量物の輸送用パレットを上下に積重ね可能にするとよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のコイル状重量物の輸送方法に用いるパレットを示す斜視図である。図2は同パレット上にコイル状重量物を載せた様子を示す斜視図である。図3及び図4はフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容している様子を示す斜視図である。図5はコイル状重量物を収容したコンテナを車輌で輸送している様子を示す一部破断斜視図である。図6はパレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出している様子を示す斜視図である。図7は再使用するためにコンテナ内に本発明のパレットを複数個積重ねて収容した様子を示す正面図である。
【0012】
本発明のコイル状重量物の輸送方法に用いるパレット1は、パレット本体上面のコイル状重量物保持部2と下面のフォーク挿入部3を備えている。コイル状重量物保持部2にはコイル状重量物4の移動を規制する凹面5が形成されており、更に、凹面5の両側へ締付けバンド取付環6を設けている。凹面5を形成するための斜面は30°程度に形成して転がり出ないようにしている。凹面5に載置したコイル状重量物4がその重量と締付けバンド取付環6を利用して締付けたバンドによって、コンテナ7が揺れても動かない構造である。フォーク挿入部3は下面の左右両側に設けており、フォーク8が挿入できる大きさの矩形穴をチャンネルとその間に架橋プレートを渡架させて形成している。コイル重量に耐える構造であれば、平行なチャンネル材等でフォーク挿入溝を形成してもよい。引張りによる引出しを含むコンテナ7内での前後方向の移動を可能にするためにフォーク挿入部3の前後には反りを設けるとよい。
【0013】
パレット本体には更に、コンテナ内からの引出しを可能にする牽引手段としての牽引掛止部9を設けている。牽引掛止部9としてはこの例ではワイヤ10を掛止する掛止穴11,11を設けているが、掛止用鈎や掛止用環の構造であってもよい。ワイヤ10を引くための装置については、特に限定するものではなく、汎用されているワイヤ巻き取り装置であってもよい。
【0014】
本発明では、このような上面にコイル状重量物の保持部2と下面にフォーク挿入部3,3とを有し、ワイヤ10を掛止する掛止穴11,11を有するパレット1を用いる。コンテナ7内に荷積みの際には、コンテナ7内床面に引出し用滑材12を敷いた後、先ず図2に示すように、パレット1上へコイル状重量物4を載せ、図3に示すようにフォーク挿入部3にフォークを挿入して持ち上げ、図4に示すようにコンテナ内にパレット1ごとコイル状重量物4を収容する。この状態で図5に示すように、コイル状重量物4の収容を終えたコンテナ7を輸送手段13により輸送する。このとき、パレットの牽引掛止部9とコンテナ内に設けられている固定リング間を吊帯等で固縛すると荷動きを防止することができる。また、図8にみられるように、パレット本体に突出長を調節できるアジャストボルト14を設けて移動不能にすることもできる。
【0015】
輸送後コンテナ7内からコイル状重量物4を荷下ろしする際には、パレット1ごとコイル状重量物4を牽引手段によりコンテナ7内から引出して取出す。その様子を図6に示す。パレット1を掛止したワイヤ10を引張ることによって、コンテナ7の床面とパレット1間に段ボールの滑材12を介在させているので、コイル状重量物4が容易にコンテナ7の端部まで引き出される。その後は簡易な作業機の使用やコンベア等でコイル状重量物の使用現場まで運ぶことができる。
【0016】
コンテナ内からパレットごと引出した後、コイル状重量物を荷下ろし後のパレット1は、図7に示すように、コンテナ7内に多数個積重ねて回収することができる。パレット本体上面のコイル状重量物保持部の凹面5と下面の左右のフォーク挿入溝又は穴を形成するフォーク挿入部3,3間とが積重ね可能な凹凸形状で、上下面を略相似形のハンモック型としたことによって、多数個を積重ねることができる。パレット保管容積を小さくすると共に、パレット回収のコストを低減することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によって、鋼製の簡易設計のパレットの使用で木材等の使用を無くしてのコイル状重量物の輸送を可能とした。環境保全上有益であり、また、木材の組み付け作業を不要にして省力化と輸送費用の低廉化を可能にした。
【0018】
また、コンテナ輸送における耐荷重条件及び揺れ、温度、湿度等の環境条件に充分耐えるパレットとなっている。コイル状重量物等の積荷の損傷皆無を実現し、納入製品の歩留まりが著しく向上し、信頼性も高まる。しかも、簡易梱包を可能にした。
【0019】
本発明は、輸送効率の良く、しかもコイル状重量物に損傷が加えられ難い特徴のあるコンテナを使用するコイル状重量物の輸送方法において、生産現場でコンテナの内部奥にまでコイル状重量物を収容しても、消費地で簡易な装置によるコイル状重量物の容易な取出しを可能にした。
【0020】
また、パレットをハンモック型としたことにより、荷役の容易さはもちろんのこと、納品先からの回収を段積みで可能にする等、回収コストを低減させると共に、パレットの保管容積を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル状重量物の輸送方法に用いるパレットを示す斜視図である。
【図2】同パレット上にコイル状重量物を載せた様子を示す斜視図である。
【図3】フォークでパレットごとコイル状重量物を持ち上げた様子を示す斜視図である。
【図4】フォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容している様子を示す斜視図である。
【図5】コイル状重量物を収容したコンテナを車輌で輸送している様子を示す一部破断斜視図である。
【図6】パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出している様子を示す斜視図である。
【図7】再使用するためにコンテナ内に本発明のパレットを複数個積重ねて収容した様子を示す正面図である。
【図8】コイル状重量物の輸送に用いる本発明のパレットの他の実施例の要部斜視図である。
【図9】従来のコイル状重量物の輸送例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パレット
2 コイル状重量物保持部
3 フォーク挿入部
4 コイル状重量物
5 凹面
6 締付けバンド取付環
7 コンテナ
8 フォーク
9 牽引掛止部
10 ワイヤ
11 掛止穴
12 引出し用滑材
13 輸送手段
14 アジャストボルト
Claims (9)
- 上面にコイル状重量物の保持部と下面にフォーク挿入部とを有するパレットを用い、コンテナに荷積みの際には、先ず前記パレット上へコイル状重量物を載せ、フォーク挿入部に挿入したフォークでコンテナ内にパレットごとコイル状重量物を収容し、コイル状重量物の収容を終えたコンテナを輸送手段により輸送し、コンテナ内からコイル状重量物を荷下ろしする際には、パレットごとコイル状重量物を牽引手段によりコンテナ内から引出して取出すようにすることを特徴とするコイル状重量物の輸送方法。
- コイル状重量物の収容を終えたコンテナ内において牽引手段のための牽引掛止部とコンテナ内の固定部材間を吊帯等で固縛する請求項1記載のコイル状重量物の輸送方法。
- コンテナの床面とパレット間に引出し用滑材を介在させる請求項1記載のコイル状重量物の輸送方法。
- コンテナ内からパレットごと引出した後、コイル状重量物を荷下ろし後のパレットがコンテナ内に複数個積重ねて回収される請求項1記載のコイル状重量物の輸送方法。
- パレット本体上面中央のコイル状重量物保持部と下面のフォーク挿入部とからなり、コイル状重量物保持部がコイル状重量物の移動を規制する凹面であり、フォーク挿入部がコンテナ内でのパレット及びコイル状重量物の移動方向に設けた左右のフォーク挿入溝又は穴であり、パレット本体にコンテナ内からの引出しを可能にする牽引手段の牽引掛止部を設けたことを特徴とするコイル状重量物の輸送用パレット。
- パレット本体上面のコイル状重量物保持部の凹面と下面の左右のフォーク挿入溝又は穴を形成するフォーク挿入部間とが積重ね可能な凹凸形状で、上下面略相似形のハンモック型である請求項5記載のコイル状重量物の輸送用パレット。
- パレット本体上面のコイル状重量物保持部又は下面のフォーク挿入部を形鋼によりハンモック型とし、パレット本体の耐荷重を高めると共に航海時の環境に対応した強度としたコイル状重量物の輸送用パレット。
- パレット本体底部に上方へ反った湾曲部を形成し、摩擦抵抗を低減して荷積み又は荷下ろし時の引張り力を低減させた請求項5乃至7のいずれかに記載のコイル状重量物の輸送用パレット。
- パレット本体の底部幅をコンテナ側壁間隔に近い広幅とし、揺れに対する移動を低減させた請求項5乃至8のいずれかに記載のコイル状重量物の輸送用パレット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002249560A JP2004083101A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | コイル状重量物の輸送方法及びそれに用いるパレット |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|---|
JP2009502662A (ja) * | 2005-07-27 | 2009-01-29 | ストラング エルピーピー ノミニーズ プロプライエタリー リミテッド | 貨物の積み込み及び輸送の改良 |
KR200493937Y1 (ko) * | 2019-12-30 | 2021-07-01 | 주식회사 한국가스기술공사 | 터빈 미터용 받침대 |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002249560A patent/JP2004083101A/ja active Pending
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JP2009502662A (ja) * | 2005-07-27 | 2009-01-29 | ストラング エルピーピー ノミニーズ プロプライエタリー リミテッド | 貨物の積み込み及び輸送の改良 |
KR200493937Y1 (ko) * | 2019-12-30 | 2021-07-01 | 주식회사 한국가스기술공사 | 터빈 미터용 받침대 |
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