JP2508971Y2 - スライドボックスパレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばリニアガイド装置，ボールねじなど
の長尺の精密重量品の搬出，搬入，輸送，保管を合理化
すべく、ボックスとパレットとを組合せてなるスライド
ボックスパレットに関する。

〔従来の技術〕

従来、この種長尺の精密重量品の梱包には、木箱やト
ライオールが用いられており、それらの積み荷，積み卸
し，搬出，搬入には、平パレットが使用されている。ま
た、保管は、木箱やトライオールを床に平置したり、パ
レットに積載したり、あるいは索に吊るすなどして行っ
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の長尺品の積み荷，保管，輸
送等に使用される木箱やトライオール等の容器、平パレ
ットには以下のような問題点があった。

上記長尺の精密品は、型式に応じて種々の寸法，形
状を有しており、それら多種のものが少ロットで生産さ
れる。それらの生産品は混在して、平パレット上に山積
される。この中から、必要な品が収納された容器を１本
づつフォークリフトや人手で取り出すため、荷役ロード
が非常に大きく、作業能率が悪い。

輸送時の荷崩れ，損傷を防止するためには、高価な
木箱またはトライオール梱包が必要になり、物流コスト
の低減が困難である。

特に長尺の精密重量品の輸送は、荷扱いが困難であ
り、且つトラック荷台への積載効率が低いため、運送業
者から取扱を忌避されがちである。

そこで本考案は、上記従来の問題点に着目してなされ
たものであり、種々の型式の長尺品の収納，搬送，保管
に好適な専用ボックスと、専用パレットとの組合せを提
供して、従来の問題点を解決することを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成する本考案のボックスパレットは、相
対する一対の側面にフオークリフトのホーク差し込み口
を備えると共に、これと直交する方向の他の一側面を開
閉自在に形成したボックスと、相対する一対の側面にフ
オークリフトのホーク差し込み口を、これと直交する方
向の他の一側面にボックス取り出し口を備えると共に、
デッキボードには、前記ボックスを受けて前記ボックス
取り出し口の方向に転動可能な転動体を配設したパレッ
トとよりなる。

〔作用〕

長尺品のサイズにあった専用ボックスを通い箱として
繰り返し利用できるから、梱包が簡単で従来の木箱，ト
ライオール等は不要になる。

また、そのボックスは、側面のホーク差し込み口を利
用してフオークリフトでボックスパレットに積み荷でき
る。その場合、ボックスパレットの側面のホーク差し込
み口からパレット内に搬入する。パレット内に順次配列
して積載されたボックスは、搬入口と直交する方向に開
口したボックス取り出し口から、積込み順位とは無関係
に取り出せる。しかも、パレットのデッキボード上に配
設された転動体により、人手で極めて容易に取り出すこ
とができる。したがって、任意のボックスの先入・先出
が可能であり、山積みされたボックスに保管されている
中からでも、必要な製品を即時に取り出すことができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図はスライドボックスパレットの第１実施例の全
体斜視図、第２図はそのパレット単体の斜視図、第３図
はボックス単体の斜視図である。ボックスパレット１
は、底板２が長方形で、その上にデッキボード３を有す
る二重底構造になっている。この実施例のデッキボード
３は、同サイズの複数枚の単位ボード3aを敷き詰めるよ
うになっている。各単位ボード3aには、鋼球からなる多
数の転動体４が、その球面の一部をボード面上に露出さ
せて、転動自在に埋め込まれている。

ボックスパレット１の長尺の両側面に立設された側面
板５は、中央部を切り開いて、フオークリフトのホーク
差し込み口６が形成されている。また、短尺の側面に立
設された一方の側面板（図で右側）7Aの中央部を幅広く
切り開いて、ボックス取り出し口８が形成されている。
このボックス取り出し口８には、蓋板7Aaが下方に開閉
可能に蝶番９で取付けられている。短尺の左側面板7Bの
外面には、ストッパコードの巻取りリール10が二箇所に
取付けられており、その上方の左側面板7Bの上縁に、ス
トッパコード案内溝11が設けてある。

上記長短の側面板の角部は、角当てアングル12で補強
されている。また、その角当てアングル12に、パレット
案内アングル13が固着されている。これは、別のボック
スパレット１を上に重ねて段積みするためのものであ
る。

底板２の下面には、左右両端に主桁14が、また必要に
応じて中間部に補助桁15が設けられている。

ボックス20は、上方に開口を有する直方体で、箱長さ
はボックスパレット１の長尺面とほぼ同じである。箱幅
は、収納される製品に応じた各種の寸法にされている。
その相対する長尺の側面21には、底部にフオークリフト
のホーク差し込み口22を備えている。このホーク差し込
み口22は、ボックス20の底面23にトンネル24を形成して
幅方向に貫通している。底面23には、更に、図示しない
網目状その他任意形状の多数の補強リーブが形成されて
いる。側面21も、内面側に多数の補強リブ21Aを設けて
補強されている。

短尺の一方の端面（図の左側）25は、内面に同じく補
強リブ26を有する。また、上縁にストッパコード案内溝
を有すると共に、内面にストッパコード係止突起28が設
けてある。

他方の端面（右側）29は、幅方向に大きく開口し、補
強リブ30Aを有する差し込み蓋30が着脱自在に嵌めこま
れる。

なお、31は側面21の右端部に設けられたキャスタ受け
溝、32は取っ手である。また、側面21の左端には、ボッ
クス20をボックスパレット１のボックス取り出し口８か
ら引き出すとき、引き出し過ぎて落下する危険を防止す
るべく、引き出し限度を示すストップカラー33が設けら
れている。

上記ボックス20の上部開口には、図示しない蓋が取付
けられるようになっている。

次に作用を述べる。

リニアガイド装置，ボールねじなどの長尺の精密重量
品の製造ラインに配備されたボックス20に、製品を収納
する。その際、従来のように、段ボール箱，木箱，トラ
イオール等を用いて製品を一個包装する必要はない。複
数の製品を収納したボックス20は、ホーク差し込み口22
を利用して、フオークリフトで容易に、ボックスパレッ
ト１に積載できる。その場合、ボックスパレット１のホ
ーク差し込み口６側から積み込む。所定数のボックス20
を積み込み終わったボックスパレット１に、更に別のボ
ックスパレット１を積み重ねる。パレット案内アングル
13が設けてあるから、ボックスパレット１の積み重ねは
安定している。かくして、平場に複数のボックスパレッ
ト１を段積みして保管することができ、従来の重量棚は
不要になる。

ボックスパレット１に積載されているボックス20を取
り出す際は、第 図に示すように、ストッパコードの巻
取りリール10から引き出したストッパコードＳの端部を
ボックス20のストッパコード係止突起28に係止させる。
ボックスパレット１の蓋板7Aaを開き、ボックス取り出
し口８から引き出す。ボックス20は、デッキボード３に
配設されている多数の転動体４により、極めて軽く、滑
らかに引き出せる。しかも、積み込み方向とは直交方向
に引き出すから、複数の積載ボックスのうちの任意のボ
ックス20を随時引き出すことが可能である。すなわち、
積み込み順位に関係なしに、奥のものを先に取り出すこ
ともできるから、荷役作業が極めて簡単になる。

ボックス20を引き出す際に、必要に応じて、キャスタ
Ｋを用いる。キャスタＫに設けられた差し込み爪Kaを、
ボックス20の側面のキャスタ受け溝31に差し込んで連結
すればよい。ストップカラー33が作業者の注意を促し、
且つ、ストッパコードＳが引き出し限度を規制する。

第４図ないし第６図には、第２実施例を示す。なお、
第１実施例と同一または相当部分には同一符号を付し
て、重複する説明は省く。

この実施例のボックスパレット１は、第４図に示すよ
うに、四隅に柱状の主桁40を備え、この主桁40の上面に
は段積用オス止め41、下面には段積用メス止め42が設け
られている。さらに、図で右側の主桁40の内側面に、ボ
ックススライド板案内溝43が形成されている。また、右
側の主桁40の外側面に、ボックス止め穴44が設けてあ
る。

長尺の側面板５、及び図で左側の側面板7Bの内面に
は、上部にボックス蓋支えリブ45が設けられている。

なお、デッキボード３は一枚板である。

この実施例のボックス20は、第５図に示すように、長
尺の側面21の中央部に、前記ボックスパレット１に設け
たホーク差し込み口６にほぼ見合った大きさのホーク差
し込み口50と、その下側のホーク差し込み口50Aとを有
する。また、長尺の側面21の上縁に、横曲がり防止兼取
っ手差し込み溝51が設けられている。更に、側面21の図
で右端の内面に、スライド板通し溝52とスライド板止め
ねじ53を有している。

一方の端面25の上縁には、複数の区画板置き溝54を有
する。

底面23には、長手方向に間隔をおいて、枕木55が取付
けられている。また、底面23の図で右端側には、棒，杭
等からなるボックス揺れ防止部材の差し込み口56及びス
ライド板差し込み口57が形成されている。この実施例の
ボックス20は、他方の端面側が全面開口とされており、
その開口をスライド板60で蓋するようになっている。そ
のスライド板60は、スライド板差し込み口57に上から差
し込んで取り付けるようになっており、上部側面には、
前記スライド板止めねじ穴53に対応させた止めねじ穴61
を備えている。この両穴53,61に止めねじを挿入して固
定される。スライド板60の上縁には、前記一方の端面25
の上縁にある区画板置き溝54に対応する区画板置き溝62
が設けてある。また、スライド板60の下縁には、キャス
ター等の転動部品が取付けられている。64は取っ手、65
はクリップなどからなる上蓋止め受け部材である。

上記のボックス20は、第６図に示すようにボックスパ
レット１に積載される。引き出す際には、スライド板60
の下部に取り付けた転動部品63により、一端側を支持さ
れて、安全且つスムースに移動する。

その他の作用・効果は第１実施例の場合とほぼ同様で
ある。

なお、上記各実施例では、ボックスパレット１のデッ
キボード３に鋼球からなる転動体４を多数転動自在に配
設したものを説明したが、転動体４は鋼球に限らない。
例えば、コロとかローラを用いることもできる。但し、
それらは転動に方向性があり、収納したボックス20をボ
ックス取り出し口８へ送り得るように設けることが必要
である。

〔考案の効果〕

本考案は、上記のように構成したため、次の如く効果
が得られる。

長尺の製品の、保管，運送の安定化，荷役ロードの
軽減と効率化が実現できる。

製品を混載した場合も、取り出し，在庫管理が正確
且つ容易にできる。

長尺品の保管に通い箱としても利用でき、梱包コス
トの削減ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例の全体斜視図、第２図は
そのパレット単体の斜視図、第３図はボックス単体の斜
視図、第４図は第１実施例のパレット単体の斜視図、第
５図はボックス単体の斜視図、第６図は全体斜視図であ
る。 図中、１はボックスパレット、３はデッキボード、４は
転動体、5,21は側面、６はホーク差し込み口、８はボッ
クス取り出し口、20はボックス、22はホーク差し込み口
である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】相対する一対の側面にフオークリフトのホ
   ーク差し込み口を備えると共に、これと直交する方向の
   他の一側面を開閉自在に形成したボックスと、 相対する一対の側面にフオークリフトのホーク差し込み
   口を、これと直交する方向の他の一側面にボックス取り
   出し口を備えると共に、デッキボードには、前記ボック
   スを受けて前記ボックス取り出し口の方向に転動可能な
   転動体を配設したパレットとよりなるスライドボックス
   パレット。