JP2004082254A - 持ち運び式穴加工用工具支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具による穴加工の作業が容易にできるようにする。
【解決手段】工具支持装置1が、金属表面3に磁着可能とされる磁石4と、金属表面3に対する垂直方向Aに延びるよう磁石4に突設される基台5と、垂直方向Aに向って移動自在となるようこの基台5に支承され穴加工用の工具6を支持可能とする工具支持体7とを備える。工具支持体7が、基台5に並設されて垂直方向Aに向って延び、この垂直方向Aに向って移動自在となるよう基台5に支承される可動体19と、この可動体19に並設されて工具6を固着可能とさせる支持体本体21と、工具6を固着させた支持体本体21を可動体19に対し係脱自在に係止させる係止手段22とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】工具支持装置1が、金属表面3に磁着可能とされる磁石4と、金属表面3に対する垂直方向Aに延びるよう磁石4に突設される基台5と、垂直方向Aに向って移動自在となるようこの基台5に支承され穴加工用の工具6を支持可能とする工具支持体7とを備える。工具支持体7が、基台5に並設されて垂直方向Aに向って延び、この垂直方向Aに向って移動自在となるよう基台5に支承される可動体19と、この可動体19に並設されて工具6を固着可能とさせる支持体本体21と、工具6を固着させた支持体本体21を可動体19に対し係脱自在に係止させる係止手段22とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、持ち運び式穴加工用工具支持装置に関し、より詳しくは、所望の作業位置への工具支持装置の持ち運びを可能とし、かつ、この工具支持装置をその作業位置に磁石により磁着させることにより、この工具支持装置に支持させた工具により穴加工を可能とさせるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記工具支持装置には、従来、実開昭57−18911号公報で示されるものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、工具支持装置は、金属表面に磁着可能とされる電磁石である磁石と、上記金属表面に対する垂直方向に延びるよう上記磁石に突設される基台と、上記垂直方向に向って移動自在となるようこの基台に支承されワークへの穴加工用の工具を締結具により締結固着して支持可能とする工具支持体とを備えている。
【0004】
上記工具支持装置によりワークに対し穴加工をしようとするときには、まず、ワーク自体の金属表面、もしくは、ワーク近傍に位置する金属表面に上記磁石を磁着させる。次に、工具を支持した工具支持体を上記垂直方向に向って移動させると、この移動に伴いワークに対し上記工具により所定の穴加工がなされる。即ち、所定位置に固定設置されている工具支持装置では穴加工作業がし難い場合、例えば狭い作業空間という作業条件でも、上記工具支持装置によれば穴加工が容易にできることとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術の工具支持装置では、工具支持体に対し締結具により工具が固着されるため、上記工具支持装置により工具を用いようとすれば、上記締結具の締結操作により上記工具支持体に工具を固着させる必要があり、一方、上記工具を単独で用いようとすると、上記締結具の弛緩操作により上記工具支持体から工具を離脱させる必要がある。
【0006】
しかし、上記締結具に対する作業は煩雑なものであることから、穴加工時の作業条件に応じ、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとすると、その都度、締結具への操作が必要となって、この工具による穴加工の作業は極めて煩雑になる。
【0007】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具による穴加工の作業が容易にできるようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の持ち運び式穴加工用工具支持装置は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0009】
請求項1の発明は、金属表面3に磁着可能とされる磁石4と、上記金属表面3に対する垂直方向Aに延びるよう上記磁石4に突設される基台5と、上記垂直方向Aに向って移動自在となるようこの基台5に支承され穴加工用の工具6を支持可能とする工具支持体7とを備えた持ち運び式穴加工用工具支持装置において、
【0010】
上記工具支持体7が、上記基台5に並設されて垂直方向Aに向って延び、この垂直方向Aに向って移動自在となるよう上記基台5に支承される可動体19と、この可動体19に並設されて上記工具6を固着可能とさせる支持体本体21と、上記工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に対し係脱自在に係止させる係止手段22とを備えたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記工具支持体7が、上記可動体19に対し支持体本体21を位置決め可能とする位置決め手段23を備え、この位置決め手段23により上記可動体19に対し位置決めされた支持体本体21を上記係止手段22により上記可動体19に係止させるようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明に加えて、上記係止手段22が、上記可動体19に設けられ上記支持体本体21の長手方向の一端部29を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体21を上記可動体19に向って往、復回動D,E自在とさせる掛止部材30と、上記支持体本体21を往回動Dさせて上記位置決め手段23により上記可動体19に対し上記支持体本体21を位置決めさせたとき、上記支持体本体21の他端部34側を上記可動体19に係脱自在に弾性的に係止させる係止具35とを備えたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明に加えて、上記垂直方向Aにおける上記支持体本体21の端部に切り欠き42を成形し、この切り欠き42の縁部を上記一端部29として上記掛止部材30に掛止させるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0015】
図において、符号1は持ち運び式の穴加工用工具支持装置で、この工具支持装置1はワーク2の所望位置に穿孔などの穴加工をするためのものである。
【0016】
上記工具支持装置1は、強磁性体である鉄製のワーク2自体の金属表面3に面接触して磁着可能とされる電磁石である磁石4と、上記金属表面3に対する垂直方向A、かつ、この金属表面3から離れる方向に向って直線的に延びるよう上記磁石4に突設される基台5と、上記垂直方向Aで上記ワーク2に向って往、復移動B,C自在となるよう上記基台5に支承され上記穴加工用の工具6を支持可能とする工具支持体7と、上記基台5内に収容されて上記工具6を支持した工具支持体7をこれらの重量に対抗しながら復移動Cさせるよう弾性的に付勢するコイル形状のばね8とを備え、図2中一点鎖線は上記工具6と工具支持体7とを往移動Bさせた加工時の状態を示し、図1〜4中実線は復移動Cさせた非加工時の状態を示している。
【0017】
上記工具6は、上記工具支持体7に支持され電動機により軸心9回りに回転駆動させられるチャックを有した手持ち式工具本体10と、この工具本体10のチャックに取り付けられて上記軸心9回りに回転駆動させられるキリ11とを備え、上記軸心9は上記垂直方向Aと平行に延びている。
【0018】
図例では、上記金属表面3は水平に延びている。上記磁石4は円柱形状をなしてその軸心は上記垂直方向Aに平行に延び、この垂直方向Aでの上記磁石4の一端面12が上記金属表面3に面接触して磁着されている。
【0019】
上記基台5は、上記垂直方向Aでの上記磁石4の他端面13に固着されこの他端面13側から上記垂直方向A、かつ、上記金属表面3から離れる方向に向って直線的に延出する板金製のハウジング14と、このハウジング14内に収容されて上記垂直方向Aに直線的に延びこのハウジング14に両端支持される一対のガイド軸15,15とを備え、上記ハウジング14の長手方向の各部断面は互いにほぼ同形同大で矩形状をなしている。
【0020】
上記工具支持体7は、上記基台5のハウジング14に並設されて上記垂直方向Aに向って直線的に延び、この垂直方向Aに向ってのみ往、復移動B,C自在となるよう上記基台5のガイド軸15,15に複数のブラケット18により支承される可動体19と、この可動体19に並設されて上記垂直方向Aに向って直線的に延び上記工具6の工具本体10を複数の締結具20により締結させて固着可能とさせる支持体本体21と、上記工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に対しワンタッチ式に係脱自在に係止させる係止手段22と、上記可動体19に対し支持体本体21を位置決め可能とする位置決め手段23とを備え、この位置決め手段23により上記可動体19に対し位置決めされた支持体本体21が上記係止手段22により上記可動体19に係止可能とされ、また、上記締結具20への操作により、上記工具6の軸心9が上記垂直方向Aに平行になるよう調整可能とされている。
【0021】
上記位置決め手段23につき説明すると、上記可動体19は、板金製でプレス成形されたものであり、その長手方向の各部断面は互いにほぼ同形同大とされ、かつ、上記支持体本体21に向って開くコの字形状とされて十分の強度と剛性とを備えている。より詳しくは、上記可動体19は互いに離れて対面する一対の側板25,25と、これら各側板25の上記基台5側の端縁同士を一体的に結合させる底板26とを備えている。
【0022】
上記支持体本体21は板金製でプレス成形されたものであり、その長手方向の各部断面は互いにほぼ同形同大とされ、かつ、上記工具6に向って開くコの字形状とされて十分の強度と剛性とを備えている。上記可動体19に対し上記支持体本体21は密嵌状に嵌脱自在に内嵌されて、互いに位置決め可能とされ、この嵌合による位置決め状態で、上記支持体本体21は上記可動体19に対し上記係止手段22により係止される。
【0023】
上記係止手段22は、上記可動体19の一端部である上記磁石4側の下端部における上記底板26の内面に突設され上記支持体本体21の長手方向の一端部29である下端部を掛脱自在に掛止させる掛止部材30を備え、この掛止部材30は上記一端部29を掛止させる掛止溝31を有している。この掛止部材30における上記支持体本体21の一端部29の掛止部である上記掛止溝31を中心として、上記支持体本体21は上記可動体19に向って往、復回動D,E自在とされている。
【0024】
また、上記係止手段22は、上記支持体本体21を往回動Dさせ上記可動体19に内嵌させてこれら19,21を互いに位置決めさせたとき、上記支持体本体21の他端部34である上端部側を上記可動体19に係脱自在に弾性的に係止させる係止具35を備えている。この係止具35は、上記可動体19の他端部である上端部における上記底板26の内面に突設される係止フック36と、上記支持体本体21の他端部34に一方向に向って往復移動自在に支承されて上記係止フック36に係脱自在に係止される被係止体37と、この被係止体37を上記一方向に弾性的に付勢して上記係止フック36に対する被係止体37の係止状態を保持可能とするばね38と、上記被係止体37に取り付けられて上記支持体本体21の他端部34の外方に突出するつまみ部39と、上記被係止体37を上記一方向に向ってのみ往復移動するよう案内するガイド体40とを備え、このガイド体40は上記支持体本体21に支持されたガイド軸と、上記被係止体37側に成形され上記ガイド軸を内嵌させて上記被係止体37を上記一方向にのみ案内する長孔とを備えている。
【0025】
上記の場合、被係止体37、ばね38、およびガイド体40は上記支持体本体21の内部に収容されて、この支持体本体21により外力から保護されると共に、外観上容易に見えることが防止されており、上記支持体本体21に成形された開口41を通し上記係止フック36に上記被係止体37が係脱自在に係止されるようになっている。
【0026】
図1,4中一点鎖線で示すように、上記支持体本体21の一端部29を掛止部材30の掛止溝31に掛止させ、かつ、上記支持体本体21の他端部34側が上記可動体19から離れた位置からこの支持体本体21を往回動Dさせて上記可動体19に内嵌させ始めると、図1中矢印Fで示すように、まず、上記開口41に係止フック36が嵌入して上記被係止体37が上記係止フック36の先端傾斜面に当接する。上記支持体本体21を更に往回動Dさせると、上記被係止体37は上記ばね38の付勢力に対抗しながら上記係止フック36の先端傾斜面を乗り上げる。上記可動体19に対し上記支持体本体21の位置決めが完了し、つまり、内嵌が完了したとき、上記ばね38の付勢力により弾性的に上記係止フック36に係止され、もって、上記可動体19に対し支持体本体21が所定位置に位置決めされた状態で係止され、かつ、この係止状態が保持される(図1〜4中実線)。
【0027】
上記つまみ部39を把持して上記ばね38の付勢力に対抗しながら上記被係止体37を移動させると、上記係止フック36に対する被係止体37の係止は解除される(図1,3中二点鎖線)。
【0028】
上記垂直方向Aにおける上記支持体本体21の端部に台形状の切り欠き42が成形され、この切り欠き42の奥部(台形状の上辺)の縁部が上記一端部29として上記掛止部材30の掛止溝31に掛止させられている。
【0029】
上記可動体19から支持体本体21が離脱した状態から、上記工具支持装置1により穴加工をしようとするときには、工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に係止させるが、その際、まず、上記可動体19に対し上記支持体本体21を少し傾斜させた状態から、この支持体本体21の一端部29を上記掛止部材30の掛止溝31に掛止させる(図1中一点鎖線)。次に、上記支持体本体21の他端部34側を往回動Dさせてこの支持体本体21を上記可動体19に内嵌させると、上記係止具35における係止フック36に被係止体37が自動的に係止され、この係止状態は上記ばね38により保持される。これにより、上記可動体19に対し支持体本体21が係止され、つまり、上記基台5に対し工具支持体7を介し工具6が支持される(図1〜4中実線)。
【0030】
次に、上記金属表面3の所望位置に磁石4を磁着させ、上記工具6のキリ11を回転駆動させて、上記工具支持体7と共に工具6を往移動Bさせる(図2中一点鎖線)。すると、上記キリ11によりワーク2に対し穴加工がなされる。
【0031】
上記工具6を単独で用いようとするときには、上記つまみ部39への操作により上記係止具35における係止フック36への被係止体37の係止を解除させ(図1,3中二点鎖線)、上記したと逆の手順によればよい。
【0032】
なお、上記可動体19への支持体本体21の係止は、金属表面3に磁石4を磁着した状態で行ってもよい。
【0033】
上記構成によれば、工具支持体7が、上記基台5に並設されて垂直方向Aに向って延び、この垂直方向Aに向って移動自在となるよう上記基台5に支承される可動体19と、この可動体19に並設されて上記工具6を固着可能とさせる支持体本体21と、上記工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に対し係脱自在に係止させる係止手段22とを備えている。
【0034】
このため、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置1により工具6を用いることと、この工具6を単独で用いることとを交互にしようとする場合には、上記工具6を固着した支持体本体21を可動体19に対し単に係脱させればよく、従来の技術のように工具を工具支持体に締結させたり、この締結を解除させるという煩雑な作業は不要である。
【0035】
よって、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置1により工具6を用いることと、この工具6を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具6による穴加工の作業が、従来の技術に比べ容易にできることとなる。
【0036】
また、前記したように、工具支持体7が、上記可動体19に対し支持体本体21を位置決め可能とする位置決め手段23を備え、この位置決め手段23により上記可動体19に対し位置決めされた支持体本体21を上記係止手段22により上記可動体19に係止させるようにしてある。
【0037】
このため、上記可動体19に対し支持体本体21を係止手段22により係止させるとき、予め、上記位置決め手段23により可動体19と支持体本体21の互いの位置決めがなされることから、上記係止手段22による係止作業がより容易にできる。
【0038】
よって、その分、上記した工具支持装置1による穴加工の作業がより容易となる。
【0039】
また、前記したように、係止手段22が、上記可動体19に設けられ上記支持体本体21の長手方向の一端部29を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体21を上記可動体19に向って往、復回動D,E自在とさせる掛止部材30と、上記支持体本体21を往回動Dさせて上記位置決め手段23により上記可動体19に対し上記支持体本体21を位置決めさせたとき、つまり、上記可動体19に支持体本体21を内嵌させたとき、この支持体本体21の他端部34側を上記可動体19に係脱自在に弾性的に係止させる係止具35とを備えている。
【0040】
このため、上記可動体19から支持体本体21が離脱した状態から、上記工具支持装置1により穴加工をしようとするときには、前記したように、まず、上記支持体本体21の一端部29を上記掛止部材30の掛止溝31に掛止させる(図1中一点鎖線)。次に、上記支持体本体21の他端部34側を往回動Dさせこの支持体本体21を上記可動体19に内嵌させて位置決めさせると、上記係止具35における係止フック36に被係止体37が自動的に係止され、この係止状態は上記ばね38により保持され、これにより、上記可動体19に対し支持体本体21が係止される。つまり、上記可動体19への支持体本体21の上記係止手段22による係止作業はワンタッチでできて、その作業が更に容易にできる。
【0041】
よって、その分、上記した工具支持装置1による穴加工の作業が更に容易となる。
【0042】
また、前記したように、垂直方向Aにおける上記支持体本体21の端部に切り欠き42を成形し、この切り欠き42の縁部を上記一端部29として上記掛止部材30に掛止させるようにしてある。
【0043】
このため、上記切り欠き42の縁部で構成された支持体本体21の一端部29は、上記支持体本体21の外縁部の一般面からみて少し奥に入り込むこととなる。
【0044】
よって、上記支持体本体21と固着されている工具6を上記可動体19から離脱させて用いる場合に、仮に、上記支持体本体21がその周りの何らかの物体に衝突したとしても、上記支持体本体21の一端部29が傷付いたり、変形したりするということは防止される。このため、上記工具6を用いた後、上記工具支持装置1により工具6を用いようとする際、上記可動体19に対し支持体本体21を係止手段22により係止させるという作業は円滑にできることから、上記した工具支持装置1による穴加工の作業は極めて容易にできる。
【0045】
また、上記基台5のハウジング14、可動体19、および支持体本体21はそれぞれ板金製でプレス加工され、また、これにより、上記位置決め手段23が成形されている。
【0046】
このため、上記各部品14,19,21を鋳造製とすることに比べて、工具支持装置1の成形が容易であり、かつ、軽量となって、工具支持装置1の持ち運びや取り扱いがより容易にできる。
【0047】
なお、以上は図示の例によるが、工具6による穴加工はタッピング等であってもよい。また、ワーク2と金属表面3とは互いに別体であってもよく、この場合ワーク2は強磁性体でなくてもよい。また、金属表面3は傾斜していても、鉛直方向に延びていてもよい。また、磁石4は永久磁石であってもよい。また、基台5のハウジング14、可動体19、および支持体本体21はアルミ等の鋳造製であってもよい。また、ガイド軸15はボルト体であってもよい。
【0048】
また、上記位置決め手段23は、前記した構成に加え、もしくは、これに代えて、次の構成にしてもよい。即ち、上記係止フック36と開口41の各幅寸法を互いにほぼ同じとしてこれらを上記幅方向で密嵌状態にさせ(図3では便宜上遊嵌状態で示している)、かつ、上記掛止部材30の掛止溝31と切り欠き42の奥部の各幅寸法を互いに同じとしてこれらを上記幅方向で密嵌状態にさせ(図3では便宜上遊嵌状態で示している)、これにより上記位置決め手段23を構成してもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0050】
請求項1の発明は、金属表面に磁着可能とされる磁石と、上記金属表面に対する垂直方向に延びるよう上記磁石に突設される基台と、上記垂直方向に向って移動自在となるようこの基台に支承され穴加工用の工具を支持可能とする工具支持体とを備えた持ち運び式穴加工用工具支持装置において、
【0051】
上記工具支持体が、上記基台に並設されて垂直方向に向って延び、この垂直方向に向って移動自在となるよう上記基台に支承される可動体と、この可動体に並設されて上記工具を固着可能とさせる支持体本体と、上記工具を固着させた上記支持体本体を上記可動体に対し係脱自在に係止させる係止手段とを備えている。
【0052】
このため、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合には、上記工具を固着した支持体本体を可動体に対し単に係脱させればよく、従来の技術のように工具を工具支持体に締結させたり、この締結を解除させるという煩雑な作業は不要である。
【0053】
よって、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具による穴加工の作業が、従来の技術に比べ容易にできることとなる。
【0054】
請求項2の発明は、上記工具支持体が、上記可動体に対し支持体本体を位置決め可能とする位置決め手段を備え、この位置決め手段により上記可動体に対し位置決めされた支持体本体を上記係止手段により上記可動体に係止させるようにしてある。
【0055】
このため、上記可動体に対し支持体本体を係止手段により係止させるとき、予め、上記位置決め手段により可動体と支持体本体の互いの位置決めがなされることから、上記係止手段による係止作業がより容易にできる。
【0056】
よって、その分、上記した工具支持装置による穴加工の作業がより容易となる。
【0057】
請求項3の発明は、上記係止手段が、上記可動体に設けられ上記支持体本体の長手方向の一端部を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体を上記可動体に向って往、復回動自在とさせる掛止部材と、上記支持体本体を往回動させて上記位置決め手段により上記可動体に対し上記支持体本体を位置決めさせたとき、上記支持体本体の他端部側を上記可動体に係脱自在に弾性的に係止させる係止具とを備えている。
【0058】
このため、上記可動体から支持体本体が離脱した状態から、上記工具支持装置により穴加工をしようとするときには、まず、工具を固着させた上記支持体本体の一端部を上記掛止部材に掛止させる。次に、上記支持体本体の他端部側を往回動させてこの支持体本体を上記可動体に上記位置決め手段23により位置決めさせると、上記係止具における係止フックに被係止体が自動的に係止され、これにより、上記可動体に対し支持体本体が係止される。つまり、上記可動体への支持体本体の上記係止手段による係止作業はワンタッチでできて、その作業が更に容易にできる。
【0059】
よって、その分、上記した工具支持装置による穴加工の作業が更に容易となる。
【0060】
請求項4の発明は、上記垂直方向における上記支持体本体の端部に切り欠きを成形し、この切り欠きの縁部を上記一端部として上記掛止部材に掛止させるようにしてある。
【0061】
このため、上記切り欠きの縁部で構成された支持体本体の一端部は、上記支持体本体の外縁部の一般面からみて少し奥に入り込むこととなる。
【0062】
よって、上記支持体本体と固着されている工具を上記可動体から離脱させて用いる場合に、仮に、上記支持体本体がその周りの何らかの物体に衝突したとしても、上記支持体本体の一端部が傷付いたり、変形したりするということは防止される。このため、上記工具を用いた後、上記工具支持装置により工具を用いようとする際、上記可動体に対し支持体本体を係止手段により係止させるという作業は円滑にできることから、上記した工具支持装置による穴加工の作業は極めて容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の部分拡大断面図である。
【図2】工具支持装置の全体側面図である。
【図3】図1で示したものの正面図である。
【図4】図1で示したものの平面断面図である。
【図5】可動体と支持体本体の部分斜視展開図である。
【符号の説明】
1 工具支持装置
2 ワーク
3 金属表面
4 磁石
5 基台
6 工具
7 工具支持体
8 ばね
19 可動体
21 支持体本体
22 係止手段
23 位置決め手段
29 一端部
30 掛止部材
31 掛止溝
34 他端部
35 係止具
36 係止フック
37 被係止体
38 ばね
41 開口
42 切り欠き
A 垂直方向
B 往移動
C 復移動
D 往回動
E 復回動
【発明が属する技術分野】
本発明は、持ち運び式穴加工用工具支持装置に関し、より詳しくは、所望の作業位置への工具支持装置の持ち運びを可能とし、かつ、この工具支持装置をその作業位置に磁石により磁着させることにより、この工具支持装置に支持させた工具により穴加工を可能とさせるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記工具支持装置には、従来、実開昭57−18911号公報で示されるものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、工具支持装置は、金属表面に磁着可能とされる電磁石である磁石と、上記金属表面に対する垂直方向に延びるよう上記磁石に突設される基台と、上記垂直方向に向って移動自在となるようこの基台に支承されワークへの穴加工用の工具を締結具により締結固着して支持可能とする工具支持体とを備えている。
【0004】
上記工具支持装置によりワークに対し穴加工をしようとするときには、まず、ワーク自体の金属表面、もしくは、ワーク近傍に位置する金属表面に上記磁石を磁着させる。次に、工具を支持した工具支持体を上記垂直方向に向って移動させると、この移動に伴いワークに対し上記工具により所定の穴加工がなされる。即ち、所定位置に固定設置されている工具支持装置では穴加工作業がし難い場合、例えば狭い作業空間という作業条件でも、上記工具支持装置によれば穴加工が容易にできることとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術の工具支持装置では、工具支持体に対し締結具により工具が固着されるため、上記工具支持装置により工具を用いようとすれば、上記締結具の締結操作により上記工具支持体に工具を固着させる必要があり、一方、上記工具を単独で用いようとすると、上記締結具の弛緩操作により上記工具支持体から工具を離脱させる必要がある。
【0006】
しかし、上記締結具に対する作業は煩雑なものであることから、穴加工時の作業条件に応じ、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとすると、その都度、締結具への操作が必要となって、この工具による穴加工の作業は極めて煩雑になる。
【0007】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具による穴加工の作業が容易にできるようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の持ち運び式穴加工用工具支持装置は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0009】
請求項1の発明は、金属表面3に磁着可能とされる磁石4と、上記金属表面3に対する垂直方向Aに延びるよう上記磁石4に突設される基台5と、上記垂直方向Aに向って移動自在となるようこの基台5に支承され穴加工用の工具6を支持可能とする工具支持体7とを備えた持ち運び式穴加工用工具支持装置において、
【0010】
上記工具支持体7が、上記基台5に並設されて垂直方向Aに向って延び、この垂直方向Aに向って移動自在となるよう上記基台5に支承される可動体19と、この可動体19に並設されて上記工具6を固着可能とさせる支持体本体21と、上記工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に対し係脱自在に係止させる係止手段22とを備えたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記工具支持体7が、上記可動体19に対し支持体本体21を位置決め可能とする位置決め手段23を備え、この位置決め手段23により上記可動体19に対し位置決めされた支持体本体21を上記係止手段22により上記可動体19に係止させるようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明に加えて、上記係止手段22が、上記可動体19に設けられ上記支持体本体21の長手方向の一端部29を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体21を上記可動体19に向って往、復回動D,E自在とさせる掛止部材30と、上記支持体本体21を往回動Dさせて上記位置決め手段23により上記可動体19に対し上記支持体本体21を位置決めさせたとき、上記支持体本体21の他端部34側を上記可動体19に係脱自在に弾性的に係止させる係止具35とを備えたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明に加えて、上記垂直方向Aにおける上記支持体本体21の端部に切り欠き42を成形し、この切り欠き42の縁部を上記一端部29として上記掛止部材30に掛止させるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0015】
図において、符号1は持ち運び式の穴加工用工具支持装置で、この工具支持装置1はワーク2の所望位置に穿孔などの穴加工をするためのものである。
【0016】
上記工具支持装置1は、強磁性体である鉄製のワーク2自体の金属表面3に面接触して磁着可能とされる電磁石である磁石4と、上記金属表面3に対する垂直方向A、かつ、この金属表面3から離れる方向に向って直線的に延びるよう上記磁石4に突設される基台5と、上記垂直方向Aで上記ワーク2に向って往、復移動B,C自在となるよう上記基台5に支承され上記穴加工用の工具6を支持可能とする工具支持体7と、上記基台5内に収容されて上記工具6を支持した工具支持体7をこれらの重量に対抗しながら復移動Cさせるよう弾性的に付勢するコイル形状のばね8とを備え、図2中一点鎖線は上記工具6と工具支持体7とを往移動Bさせた加工時の状態を示し、図1〜4中実線は復移動Cさせた非加工時の状態を示している。
【0017】
上記工具6は、上記工具支持体7に支持され電動機により軸心9回りに回転駆動させられるチャックを有した手持ち式工具本体10と、この工具本体10のチャックに取り付けられて上記軸心9回りに回転駆動させられるキリ11とを備え、上記軸心9は上記垂直方向Aと平行に延びている。
【0018】
図例では、上記金属表面3は水平に延びている。上記磁石4は円柱形状をなしてその軸心は上記垂直方向Aに平行に延び、この垂直方向Aでの上記磁石4の一端面12が上記金属表面3に面接触して磁着されている。
【0019】
上記基台5は、上記垂直方向Aでの上記磁石4の他端面13に固着されこの他端面13側から上記垂直方向A、かつ、上記金属表面3から離れる方向に向って直線的に延出する板金製のハウジング14と、このハウジング14内に収容されて上記垂直方向Aに直線的に延びこのハウジング14に両端支持される一対のガイド軸15,15とを備え、上記ハウジング14の長手方向の各部断面は互いにほぼ同形同大で矩形状をなしている。
【0020】
上記工具支持体7は、上記基台5のハウジング14に並設されて上記垂直方向Aに向って直線的に延び、この垂直方向Aに向ってのみ往、復移動B,C自在となるよう上記基台5のガイド軸15,15に複数のブラケット18により支承される可動体19と、この可動体19に並設されて上記垂直方向Aに向って直線的に延び上記工具6の工具本体10を複数の締結具20により締結させて固着可能とさせる支持体本体21と、上記工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に対しワンタッチ式に係脱自在に係止させる係止手段22と、上記可動体19に対し支持体本体21を位置決め可能とする位置決め手段23とを備え、この位置決め手段23により上記可動体19に対し位置決めされた支持体本体21が上記係止手段22により上記可動体19に係止可能とされ、また、上記締結具20への操作により、上記工具6の軸心9が上記垂直方向Aに平行になるよう調整可能とされている。
【0021】
上記位置決め手段23につき説明すると、上記可動体19は、板金製でプレス成形されたものであり、その長手方向の各部断面は互いにほぼ同形同大とされ、かつ、上記支持体本体21に向って開くコの字形状とされて十分の強度と剛性とを備えている。より詳しくは、上記可動体19は互いに離れて対面する一対の側板25,25と、これら各側板25の上記基台5側の端縁同士を一体的に結合させる底板26とを備えている。
【0022】
上記支持体本体21は板金製でプレス成形されたものであり、その長手方向の各部断面は互いにほぼ同形同大とされ、かつ、上記工具6に向って開くコの字形状とされて十分の強度と剛性とを備えている。上記可動体19に対し上記支持体本体21は密嵌状に嵌脱自在に内嵌されて、互いに位置決め可能とされ、この嵌合による位置決め状態で、上記支持体本体21は上記可動体19に対し上記係止手段22により係止される。
【0023】
上記係止手段22は、上記可動体19の一端部である上記磁石4側の下端部における上記底板26の内面に突設され上記支持体本体21の長手方向の一端部29である下端部を掛脱自在に掛止させる掛止部材30を備え、この掛止部材30は上記一端部29を掛止させる掛止溝31を有している。この掛止部材30における上記支持体本体21の一端部29の掛止部である上記掛止溝31を中心として、上記支持体本体21は上記可動体19に向って往、復回動D,E自在とされている。
【0024】
また、上記係止手段22は、上記支持体本体21を往回動Dさせ上記可動体19に内嵌させてこれら19,21を互いに位置決めさせたとき、上記支持体本体21の他端部34である上端部側を上記可動体19に係脱自在に弾性的に係止させる係止具35を備えている。この係止具35は、上記可動体19の他端部である上端部における上記底板26の内面に突設される係止フック36と、上記支持体本体21の他端部34に一方向に向って往復移動自在に支承されて上記係止フック36に係脱自在に係止される被係止体37と、この被係止体37を上記一方向に弾性的に付勢して上記係止フック36に対する被係止体37の係止状態を保持可能とするばね38と、上記被係止体37に取り付けられて上記支持体本体21の他端部34の外方に突出するつまみ部39と、上記被係止体37を上記一方向に向ってのみ往復移動するよう案内するガイド体40とを備え、このガイド体40は上記支持体本体21に支持されたガイド軸と、上記被係止体37側に成形され上記ガイド軸を内嵌させて上記被係止体37を上記一方向にのみ案内する長孔とを備えている。
【0025】
上記の場合、被係止体37、ばね38、およびガイド体40は上記支持体本体21の内部に収容されて、この支持体本体21により外力から保護されると共に、外観上容易に見えることが防止されており、上記支持体本体21に成形された開口41を通し上記係止フック36に上記被係止体37が係脱自在に係止されるようになっている。
【0026】
図1,4中一点鎖線で示すように、上記支持体本体21の一端部29を掛止部材30の掛止溝31に掛止させ、かつ、上記支持体本体21の他端部34側が上記可動体19から離れた位置からこの支持体本体21を往回動Dさせて上記可動体19に内嵌させ始めると、図1中矢印Fで示すように、まず、上記開口41に係止フック36が嵌入して上記被係止体37が上記係止フック36の先端傾斜面に当接する。上記支持体本体21を更に往回動Dさせると、上記被係止体37は上記ばね38の付勢力に対抗しながら上記係止フック36の先端傾斜面を乗り上げる。上記可動体19に対し上記支持体本体21の位置決めが完了し、つまり、内嵌が完了したとき、上記ばね38の付勢力により弾性的に上記係止フック36に係止され、もって、上記可動体19に対し支持体本体21が所定位置に位置決めされた状態で係止され、かつ、この係止状態が保持される(図1〜4中実線)。
【0027】
上記つまみ部39を把持して上記ばね38の付勢力に対抗しながら上記被係止体37を移動させると、上記係止フック36に対する被係止体37の係止は解除される(図1,3中二点鎖線)。
【0028】
上記垂直方向Aにおける上記支持体本体21の端部に台形状の切り欠き42が成形され、この切り欠き42の奥部(台形状の上辺)の縁部が上記一端部29として上記掛止部材30の掛止溝31に掛止させられている。
【0029】
上記可動体19から支持体本体21が離脱した状態から、上記工具支持装置1により穴加工をしようとするときには、工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に係止させるが、その際、まず、上記可動体19に対し上記支持体本体21を少し傾斜させた状態から、この支持体本体21の一端部29を上記掛止部材30の掛止溝31に掛止させる(図1中一点鎖線)。次に、上記支持体本体21の他端部34側を往回動Dさせてこの支持体本体21を上記可動体19に内嵌させると、上記係止具35における係止フック36に被係止体37が自動的に係止され、この係止状態は上記ばね38により保持される。これにより、上記可動体19に対し支持体本体21が係止され、つまり、上記基台5に対し工具支持体7を介し工具6が支持される(図1〜4中実線)。
【0030】
次に、上記金属表面3の所望位置に磁石4を磁着させ、上記工具6のキリ11を回転駆動させて、上記工具支持体7と共に工具6を往移動Bさせる(図2中一点鎖線)。すると、上記キリ11によりワーク2に対し穴加工がなされる。
【0031】
上記工具6を単独で用いようとするときには、上記つまみ部39への操作により上記係止具35における係止フック36への被係止体37の係止を解除させ(図1,3中二点鎖線)、上記したと逆の手順によればよい。
【0032】
なお、上記可動体19への支持体本体21の係止は、金属表面3に磁石4を磁着した状態で行ってもよい。
【0033】
上記構成によれば、工具支持体7が、上記基台5に並設されて垂直方向Aに向って延び、この垂直方向Aに向って移動自在となるよう上記基台5に支承される可動体19と、この可動体19に並設されて上記工具6を固着可能とさせる支持体本体21と、上記工具6を固着させた上記支持体本体21を上記可動体19に対し係脱自在に係止させる係止手段22とを備えている。
【0034】
このため、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置1により工具6を用いることと、この工具6を単独で用いることとを交互にしようとする場合には、上記工具6を固着した支持体本体21を可動体19に対し単に係脱させればよく、従来の技術のように工具を工具支持体に締結させたり、この締結を解除させるという煩雑な作業は不要である。
【0035】
よって、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置1により工具6を用いることと、この工具6を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具6による穴加工の作業が、従来の技術に比べ容易にできることとなる。
【0036】
また、前記したように、工具支持体7が、上記可動体19に対し支持体本体21を位置決め可能とする位置決め手段23を備え、この位置決め手段23により上記可動体19に対し位置決めされた支持体本体21を上記係止手段22により上記可動体19に係止させるようにしてある。
【0037】
このため、上記可動体19に対し支持体本体21を係止手段22により係止させるとき、予め、上記位置決め手段23により可動体19と支持体本体21の互いの位置決めがなされることから、上記係止手段22による係止作業がより容易にできる。
【0038】
よって、その分、上記した工具支持装置1による穴加工の作業がより容易となる。
【0039】
また、前記したように、係止手段22が、上記可動体19に設けられ上記支持体本体21の長手方向の一端部29を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体21を上記可動体19に向って往、復回動D,E自在とさせる掛止部材30と、上記支持体本体21を往回動Dさせて上記位置決め手段23により上記可動体19に対し上記支持体本体21を位置決めさせたとき、つまり、上記可動体19に支持体本体21を内嵌させたとき、この支持体本体21の他端部34側を上記可動体19に係脱自在に弾性的に係止させる係止具35とを備えている。
【0040】
このため、上記可動体19から支持体本体21が離脱した状態から、上記工具支持装置1により穴加工をしようとするときには、前記したように、まず、上記支持体本体21の一端部29を上記掛止部材30の掛止溝31に掛止させる(図1中一点鎖線)。次に、上記支持体本体21の他端部34側を往回動Dさせこの支持体本体21を上記可動体19に内嵌させて位置決めさせると、上記係止具35における係止フック36に被係止体37が自動的に係止され、この係止状態は上記ばね38により保持され、これにより、上記可動体19に対し支持体本体21が係止される。つまり、上記可動体19への支持体本体21の上記係止手段22による係止作業はワンタッチでできて、その作業が更に容易にできる。
【0041】
よって、その分、上記した工具支持装置1による穴加工の作業が更に容易となる。
【0042】
また、前記したように、垂直方向Aにおける上記支持体本体21の端部に切り欠き42を成形し、この切り欠き42の縁部を上記一端部29として上記掛止部材30に掛止させるようにしてある。
【0043】
このため、上記切り欠き42の縁部で構成された支持体本体21の一端部29は、上記支持体本体21の外縁部の一般面からみて少し奥に入り込むこととなる。
【0044】
よって、上記支持体本体21と固着されている工具6を上記可動体19から離脱させて用いる場合に、仮に、上記支持体本体21がその周りの何らかの物体に衝突したとしても、上記支持体本体21の一端部29が傷付いたり、変形したりするということは防止される。このため、上記工具6を用いた後、上記工具支持装置1により工具6を用いようとする際、上記可動体19に対し支持体本体21を係止手段22により係止させるという作業は円滑にできることから、上記した工具支持装置1による穴加工の作業は極めて容易にできる。
【0045】
また、上記基台5のハウジング14、可動体19、および支持体本体21はそれぞれ板金製でプレス加工され、また、これにより、上記位置決め手段23が成形されている。
【0046】
このため、上記各部品14,19,21を鋳造製とすることに比べて、工具支持装置1の成形が容易であり、かつ、軽量となって、工具支持装置1の持ち運びや取り扱いがより容易にできる。
【0047】
なお、以上は図示の例によるが、工具6による穴加工はタッピング等であってもよい。また、ワーク2と金属表面3とは互いに別体であってもよく、この場合ワーク2は強磁性体でなくてもよい。また、金属表面3は傾斜していても、鉛直方向に延びていてもよい。また、磁石4は永久磁石であってもよい。また、基台5のハウジング14、可動体19、および支持体本体21はアルミ等の鋳造製であってもよい。また、ガイド軸15はボルト体であってもよい。
【0048】
また、上記位置決め手段23は、前記した構成に加え、もしくは、これに代えて、次の構成にしてもよい。即ち、上記係止フック36と開口41の各幅寸法を互いにほぼ同じとしてこれらを上記幅方向で密嵌状態にさせ(図3では便宜上遊嵌状態で示している)、かつ、上記掛止部材30の掛止溝31と切り欠き42の奥部の各幅寸法を互いに同じとしてこれらを上記幅方向で密嵌状態にさせ(図3では便宜上遊嵌状態で示している)、これにより上記位置決め手段23を構成してもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0050】
請求項1の発明は、金属表面に磁着可能とされる磁石と、上記金属表面に対する垂直方向に延びるよう上記磁石に突設される基台と、上記垂直方向に向って移動自在となるようこの基台に支承され穴加工用の工具を支持可能とする工具支持体とを備えた持ち運び式穴加工用工具支持装置において、
【0051】
上記工具支持体が、上記基台に並設されて垂直方向に向って延び、この垂直方向に向って移動自在となるよう上記基台に支承される可動体と、この可動体に並設されて上記工具を固着可能とさせる支持体本体と、上記工具を固着させた上記支持体本体を上記可動体に対し係脱自在に係止させる係止手段とを備えている。
【0052】
このため、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合には、上記工具を固着した支持体本体を可動体に対し単に係脱させればよく、従来の技術のように工具を工具支持体に締結させたり、この締結を解除させるという煩雑な作業は不要である。
【0053】
よって、穴加工時の作業条件に応じて、工具支持装置により工具を用いることと、この工具を単独で用いることとを交互にしようとする場合、この工具による穴加工の作業が、従来の技術に比べ容易にできることとなる。
【0054】
請求項2の発明は、上記工具支持体が、上記可動体に対し支持体本体を位置決め可能とする位置決め手段を備え、この位置決め手段により上記可動体に対し位置決めされた支持体本体を上記係止手段により上記可動体に係止させるようにしてある。
【0055】
このため、上記可動体に対し支持体本体を係止手段により係止させるとき、予め、上記位置決め手段により可動体と支持体本体の互いの位置決めがなされることから、上記係止手段による係止作業がより容易にできる。
【0056】
よって、その分、上記した工具支持装置による穴加工の作業がより容易となる。
【0057】
請求項3の発明は、上記係止手段が、上記可動体に設けられ上記支持体本体の長手方向の一端部を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体を上記可動体に向って往、復回動自在とさせる掛止部材と、上記支持体本体を往回動させて上記位置決め手段により上記可動体に対し上記支持体本体を位置決めさせたとき、上記支持体本体の他端部側を上記可動体に係脱自在に弾性的に係止させる係止具とを備えている。
【0058】
このため、上記可動体から支持体本体が離脱した状態から、上記工具支持装置により穴加工をしようとするときには、まず、工具を固着させた上記支持体本体の一端部を上記掛止部材に掛止させる。次に、上記支持体本体の他端部側を往回動させてこの支持体本体を上記可動体に上記位置決め手段23により位置決めさせると、上記係止具における係止フックに被係止体が自動的に係止され、これにより、上記可動体に対し支持体本体が係止される。つまり、上記可動体への支持体本体の上記係止手段による係止作業はワンタッチでできて、その作業が更に容易にできる。
【0059】
よって、その分、上記した工具支持装置による穴加工の作業が更に容易となる。
【0060】
請求項4の発明は、上記垂直方向における上記支持体本体の端部に切り欠きを成形し、この切り欠きの縁部を上記一端部として上記掛止部材に掛止させるようにしてある。
【0061】
このため、上記切り欠きの縁部で構成された支持体本体の一端部は、上記支持体本体の外縁部の一般面からみて少し奥に入り込むこととなる。
【0062】
よって、上記支持体本体と固着されている工具を上記可動体から離脱させて用いる場合に、仮に、上記支持体本体がその周りの何らかの物体に衝突したとしても、上記支持体本体の一端部が傷付いたり、変形したりするということは防止される。このため、上記工具を用いた後、上記工具支持装置により工具を用いようとする際、上記可動体に対し支持体本体を係止手段により係止させるという作業は円滑にできることから、上記した工具支持装置による穴加工の作業は極めて容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の部分拡大断面図である。
【図2】工具支持装置の全体側面図である。
【図3】図1で示したものの正面図である。
【図4】図1で示したものの平面断面図である。
【図5】可動体と支持体本体の部分斜視展開図である。
【符号の説明】
1 工具支持装置
2 ワーク
3 金属表面
4 磁石
5 基台
6 工具
7 工具支持体
8 ばね
19 可動体
21 支持体本体
22 係止手段
23 位置決め手段
29 一端部
30 掛止部材
31 掛止溝
34 他端部
35 係止具
36 係止フック
37 被係止体
38 ばね
41 開口
42 切り欠き
A 垂直方向
B 往移動
C 復移動
D 往回動
E 復回動
Claims (4)
- 金属表面に磁着可能とされる磁石と、上記金属表面に対する垂直方向に延びるよう上記磁石に突設される基台と、上記垂直方向に向って移動自在となるようこの基台に支承され穴加工用の工具を支持可能とする工具支持体とを備えた持ち運び式穴加工用工具支持装置において、
上記工具支持体が、上記基台に並設されて垂直方向に向って延び、この垂直方向に向って移動自在となるよう上記基台に支承される可動体と、この可動体に並設されて上記工具を固着可能とさせる支持体本体と、上記工具を固着させた上記支持体本体を上記可動体に対し係脱自在に係止させる係止手段とを備えた持ち運び式穴加工用工具支持装置。 - 上記工具支持体が、上記可動体に対し支持体本体を位置決め可能とする位置決め手段を備え、この位置決め手段により上記可動体に対し位置決めされた支持体本体を上記係止手段により上記可動体に係止させるようにした請求項1に記載の持ち運び式穴加工用工具支持装置。
- 上記係止手段が、上記可動体に設けられ上記支持体本体の長手方向の一端部を掛脱自在に掛止させその掛止部を中心として上記支持体本体を上記可動体に向って往、復回動自在とさせる掛止部材と、上記支持体本体を往回動させて上記位置決め手段により上記可動体に対し上記支持体本体を位置決めさせたとき、上記支持体本体の他端部側を上記可動体に係脱自在に弾性的に係止させる係止具とを備えた請求項2に記載の持ち運び式穴加工用工具支持装置。
- 上記垂直方向における上記支持体本体の端部に切り欠きを成形し、この切り欠きの縁部を上記一端部として上記掛止部材に掛止させるようにした請求項3に記載の持ち運び式穴加工用工具支持装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009137008A (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Hilti Ag | 携帯可能な工具装置のための装置連結器を有する装置スタンド |
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