JP2004081021A - 鳥害防止方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易かつ低コストで、軽量鳥類に対しても忌避効果があり、しかも視覚的違和感が少なく、また着脱または短縮展開が可能な鳥害防止方法および装置を提供する。
【解決手段】線材または帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部1が軸方向に複数並んで設けられてなる弾性忌避具2を、各曲成部1が直立または斜めに倒した状態で曲成部1間の間隔を所定間隔に保って飛来忌避場所4の上面に沿って展開し、この展開した状態で前記飛来忌避場所4に保持材Hにより保持して、鳥類の飛来休止に対して軸方向と交差する方向に弾性力を発揮させる。
【選択図】 図1
【解決手段】線材または帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部1が軸方向に複数並んで設けられてなる弾性忌避具2を、各曲成部1が直立または斜めに倒した状態で曲成部1間の間隔を所定間隔に保って飛来忌避場所4の上面に沿って展開し、この展開した状態で前記飛来忌避場所4に保持材Hにより保持して、鳥類の飛来休止に対して軸方向と交差する方向に弾性力を発揮させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鳩や雀などの鳥類の糞による汚染の防止に関するものであり、特に駅、集合住宅、寺社、橋梁などの梁や手摺りのような飛来忌避場所への鳥類の飛来休止を阻止してその汚染を防ぎ、併せて、視覚的違和感も解消せんとする方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駅、集合住宅(マンション)、寺社、橋梁などの梁や手摺りのような鳥類の飛来忌避場所への鳥害対策として一般的に利用されている方法は、ネットを張って鳥類の侵入を妨げる方法、梁上部に針状突起を多数設け視覚的に忌避させる方法、柔らかなカマボコ柱状弾性体を貼り付け不安定足場に対する感覚的忌避感を学習させる方法、音、偽形、電流、磁石、色、臭いなど忌避要素による対策方法があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ネットで侵入防止する方法や針状突起を多数設置する方法においては、施設利用者に対して視覚的な違和感を余儀なくさせる結果となっていた。ネットを透明にしてもこの違和感は十分に解消されない。また、若干ではあるが視覚的違和感を考慮した、カマボコ柱状弾性体を利用する方法においては、カマボコ柱状という構造のため、スポンジ化などの柔軟化技術に限界があり、雀や燕に代表される軽量鳥類への効果はあまり見られなかった。さらに、音、偽形、電流、磁石、色、臭いなど忌避要素による対策方法は、周囲の環境に悪影響を与える場合があり、また装置が大掛かりとなる場合があった。
【0004】
本発明は、前記のような従来技術の欠点を解消して、簡易かつ低コストで、軽量鳥類に対しても忌避効果があり、しかも視覚的違和感が少なく、また着脱または短縮展開が可能な鳥害防止方法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、飛来忌避場所における鳥害を防止するものであって、線材または帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部が軸方向に複数並んで設けられてなる弾性忌避具を、各曲成部が直立または斜めに倒した状態で曲成部間の間隔を所定間隔に保った状態で前記飛来忌避場所の上面に沿って展開し、この展開した状態で前記飛来忌避場所に保持材により保持して、鳥類の飛来休止に対して軸方向と交差する方向に弾性力を発揮させるものである。
【0006】
この構成によれば、鳥類が飛来忌避場所に飛来休止しようとしても、弾性忌避具の各曲成部が線材または帯材からなるので、鳥類は曲成部を足で把持しにくく、かつ、飛来忌避場所の上面に沿って展開された各曲成部が軸方向と交差する方向に柔軟な弾性を発揮するので軽量の鳥類であっても足場を不安定にできる。これにより、線材または帯材により曲がり形状に形成された曲成部を軸方向に複数並んで設けたものを飛来忌避場所の上面に沿って展開するという簡易な構成により飛来忌避場所への鳥類の飛来休止を効果的に阻止できる。
【0007】
好ましくは、前記弾性忌避具が、透明または前記飛来忌避場所と同一または類似した保護色である。したがって、装置の視覚的違和感を解消することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図であり、使用時の状態を示すものである。本装置は、弾性忌避具2が線材または細長いテープのような帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部1が軸方向Xに複数並んで設けられており、この例では、各曲成部1が連なって螺旋状に形成してなる。使用時において、この弾性忌避具2は、各曲成部1が直立した状態で曲成部1間の間隔を所定間隔に拡大した状態で引っ張られて、例えば水平に置かれたH鋼のような飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開される。この場合、この弾性忌避具2は、飛来忌避場所4への鳥類の飛来休止に対して、軸方向と垂直に直交する方向に弾性力を発揮する。なお、斜めに傾いている飛来忌避場所4の場合には、弾性忌避具2は当該傾斜した飛来忌避場所4の上面に沿って展開され、鳥類の飛来休止に対して、軸方向と交差する方向(垂直方向)に弾性力を発揮する。
【0009】
前記弾性忌避具2を保持する保持材Hは、線材または帯材からなる蛇行防止部材3と係止部材5からなる。蛇行防止部材3は、前記螺旋状の弾性忌避具2を飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開した状態で、直線状に引っ張られて各底部1aを支持して、展開した弾性忌避具2を保持する。係止部材5は、この蛇行防止部材3を少なくともその両端部で飛来忌避場所4に係止する。このように、本装置は、使用時には弾性忌避具2および蛇行防止部材3が展開して用いられる一方、不使用時には、図1(b)のように弾性忌避具2の曲成部1間の間隔が短縮され、図1(a)の保持材Hも折り畳まれてコンパクトなサイズとなり、取り扱いが容易となる。また、係止部材5を飛来忌避場所4から着脱自在のものを使用することにより、本装置を繰り返し使用することができる。
【0010】
前記線材または帯材は、反発弾性のある素材であれば、金属、非金属を問わずあらゆる素材が用いられるが、弾性のある熱可塑性樹脂が好適に用いられる。弾性のある熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66など)、ポリオレフイン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂など)などが好適なものとして挙げられる。さらには、弾性線材としてポリ乳酸に代表される生分解性樹脂を利用した場合、廃棄時における環境配慮という点から、一層有用な鳥害防止装置が得られる可能性がある。弾性線材は軸方向Xと交差する方向に柔軟かつ強靭な弾性を発揮することが肝要であることから、弾性線材の断面の直径(断面が円形でない場合は平均径)は、0.1〜5mm、さらには0.2〜2mmの範囲にあることが好ましい。
また、線材の形状は、円形、四角形のほか、あらゆる断面形状が用いられる。帯材は、扁平な四角形、楕円形のような断面形状を持つ。
【0011】
前記弾性忌避具2は細い線材または帯材からなる各曲成部1を展開したものであるのでもともと目立ちにくく、視覚的違和感は少ないが、より違和感を軽減させるためには、透明または飛来忌避場所と同じか類似した保護色であることが好適である。
【0012】
前記曲成部1間の間隔は、忌避したい鳥の大きさにより決められるが、鳥類の体躯以下の幅であることが、忌避効果の大きいことから好適である。具体的には、5〜50mmの間隔、さらには15〜35mmの間隔で配置されることにより、弾性忌避具2として忌避効果が高く好適である。
【0013】
前記曲成部1の直径(円形でない場合は平均径)は、飛来忌避場所4の幅に応じて適宜設定されるが、視覚的違和感を与えず、しかも、柔軟な弾性を付与するためには8〜100mmさらには15〜50mmの範囲にあることが好ましい。
【0014】
前記曲成部1は、線材または帯材により曲がり形状に形成されたものであり、その形態は、螺旋形、リング形、C字形、U字形、蒲鉾形、楕円形、三角形、四角形、それ以上の多角形などが挙げられる。
【0015】
前記弾性忌避具2は、柔軟な弾性による忌避効果と、並列配置の容易さ、間隔を適宜調節し所定の長さに調整し易いことを考慮して、各曲成部1が連なって螺旋状に形成されている。ここで、螺旋とは、ある一定の形状がねじれを有しながら繋がった構造を表し、円形螺旋に限定されるものではなく、三角形螺旋、半円型螺旋など、あらゆる螺旋形状を含む。
【0016】
なお、弾性忌避具2は、各曲成部1がそれぞれ独立体であってもよいが、この場合、取り扱い性を考慮して、各曲成部1間の間隔を所定間隔に拡大した状態で蛇行防止部材3に予め固着しておくのが好ましい。
【0017】
前記蛇行防止線材3は、使用時に軸方向Xに沿って直線状に引っ張られて、展開した螺旋状の各曲成部1の各底部1aを例えばその上面(内面)から押圧して各曲成部1を支持し、風などの外圧要因から例えば水平に置かれた飛来忌避場所4の上面に沿って展開した弾性忌避具2の直進性を保持する。
この蛇行防止線材3には、前記曲成部1と同質の素材を用いることができる。また、糸や細いロープなどのような非弾性のものを用いてもよい。
また、蛇行防止線材3は、透明または前記飛来忌避場所と同一または類似した保護色であることが好適である。
【0018】
前記係止部材5は、蛇行防止線材3をH鋼などの梁(飛来忌避場所)4に係止するものであり、少なくとも両端部の2カ所以上設けられることが、安定設置を行う上で重要である。
この係止部材5は、弾性忌避具2を飛来忌避場所4に強固に固定できるものであればどの様なものでもよく、たとえば、粘着テープ、二股鋲、磁石、吸盤、面ファスナー(フック&ループ型、フックとループ混在型・マッシュ型フック、押出成型フックなど)などが挙げられる。これらのうち、飛来忌避場所4から着脱自在であることが求められる場合には、特にマジックテープ(商標;クラレ社製)が好ましく用いられる。
【0019】
前記構成の鳥害防止装置により、鳥類が飛来忌避場所4に飛来休止しようとしても、従来のカマボコ柱状弾性体と異なり、弾性忌避具2の各曲成部1が細い線材または帯材からなるので、鳥類は曲成部1を足で把持しにくい。かつ、飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開された螺旋状の各曲成部1が軸方向と垂直に直交する方向に柔軟な弾性を発揮するので、大きく沈み込みかつ揺動するから、軽量の鳥類であっても足場を不安定にできる。
【0020】
これにより、第1実施形態の鳥害防止装置は、線材または帯材により螺旋状に形成された各曲成部1を飛来忌避場所4に沿って展開するという簡易な構成により飛来忌避場所4への鳥類の飛来休止を効果的に阻止できる。
【0021】
不使用時には、装置自体が取り外されか、または各曲成部1が一方端に短縮される。これにより、着脱または短縮展開が可能であることにより、集合住宅のベランダの手摺りにおける布団干しなどの使用目的を妨げない様にすることができる。
【0022】
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図であり、使用時の状態を示すものである。本装置において、弾性忌避具2は、図2(b)に示す線材または帯材からなる曲成部1と、直立状態でその底部1aを支持する駒部6とを有する独立した忌避体8が、軸方向に複数並んで設けられたものである。この実施形態では、各曲成部1はC字形であるが、リング形、U字形、蒲鉾形、楕円形、三角形、四角形、それ以上の多角形などでもよい。
【0023】
図2(a)の保持材Hは、カーテンレール状の蛇行防止部材3と係止部材5を有する。蛇行防止部材3は、各曲成部1の駒部6と嵌合して各曲成部1を支持し、各曲成部1をスライドさせて飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開した弾性忌避具2の直進性を保持する。この蛇行防止部材3にはコスト面を考慮して市販のカーテンレールを用いるのが好ましい。係止部材5は、蛇行防止部材3を飛来忌避場所4に上向きに係止する。この係止部材5には、前記したと同様の材料が用いられる。
なお、各曲成部1同士を予め所定長さの糸で結んでおいて、展開の際、各曲成部1の所定間隔を容易に得られるようにしてもよい。
【0024】
これにより、第2実施形態の鳥害防止装置は、第1実施形態と同様に、線材または帯材により曲がり形状に形成された各曲成部1を飛来忌避場所4の上面に沿って展開するという簡易な構成により飛来忌避場所4への鳥類の飛来休止を効果的に阻止できる。
【0025】
不使用時には、装置自体が取り外されか、または各曲成部1を一方端にスライドさせて短縮される。これにより、着脱または短縮展開が可能であることにより、集合住宅のベランダの手摺りにおける布団干しなどの使用目的を妨げない様にすることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例
透明で、線経1.0mm(円形断面)のポリエステルモノフィラメントを、内径30mm(使用時の径)、ピッチ(間隔)25mm、で80周ルーピング加工し、長さ2m螺旋弾性体を得た。この螺旋形弾性忌避具の内部に、同一仕様のポリエステルモノフィラメント2mを、蛇行防止線材として直線状に引っ張り、その両端を粘着テープで、倉庫の軒下の梁であるH鋼上部に固定し、鳥害防止装置の実施例とした。
【0027】
実施例を設置した倉庫は、田園地帯にあり、その軒下の梁は旧来から鳩および雀の鳥害に悩まされてきた。本発明の実施例は、1年間の実用試験を行い、取り付けた場所への飛来休止がなくなったことが確認された。
また、透明な素材を用いたことにより、5m以上離れたときの視覚的違和感は非常に小さく、60度の見上げる角度で、5m離れた位置から目視確認したところ、12人中10人までが、「梁に何か見えるか?」という問いに対して、「何も」と回答する結果となった。
本発明の鳥害防止装置は、あらゆる大きさの鳥類に対しても忌避効果があり視覚的違和感を解消していることが証明された。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡易かつ低コストで、鳩、烏などの比較的大型の鳥類のみならず、雀、燕などの軽量鳥類に対しても忌避効果があり、しかも視覚的違和感が少なく、また着脱または短縮展開が可能であることにより、布団干しなど多目的に使用される集合住宅のベランダの手摺りなどにおいても利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…曲成部、2…弾性忌避具、3…蛇行防止線材、4…飛来忌避場所(H鋼)、5…係止部材、6…駒部、8…忌避体、H…保持材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鳩や雀などの鳥類の糞による汚染の防止に関するものであり、特に駅、集合住宅、寺社、橋梁などの梁や手摺りのような飛来忌避場所への鳥類の飛来休止を阻止してその汚染を防ぎ、併せて、視覚的違和感も解消せんとする方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駅、集合住宅(マンション)、寺社、橋梁などの梁や手摺りのような鳥類の飛来忌避場所への鳥害対策として一般的に利用されている方法は、ネットを張って鳥類の侵入を妨げる方法、梁上部に針状突起を多数設け視覚的に忌避させる方法、柔らかなカマボコ柱状弾性体を貼り付け不安定足場に対する感覚的忌避感を学習させる方法、音、偽形、電流、磁石、色、臭いなど忌避要素による対策方法があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ネットで侵入防止する方法や針状突起を多数設置する方法においては、施設利用者に対して視覚的な違和感を余儀なくさせる結果となっていた。ネットを透明にしてもこの違和感は十分に解消されない。また、若干ではあるが視覚的違和感を考慮した、カマボコ柱状弾性体を利用する方法においては、カマボコ柱状という構造のため、スポンジ化などの柔軟化技術に限界があり、雀や燕に代表される軽量鳥類への効果はあまり見られなかった。さらに、音、偽形、電流、磁石、色、臭いなど忌避要素による対策方法は、周囲の環境に悪影響を与える場合があり、また装置が大掛かりとなる場合があった。
【0004】
本発明は、前記のような従来技術の欠点を解消して、簡易かつ低コストで、軽量鳥類に対しても忌避効果があり、しかも視覚的違和感が少なく、また着脱または短縮展開が可能な鳥害防止方法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、飛来忌避場所における鳥害を防止するものであって、線材または帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部が軸方向に複数並んで設けられてなる弾性忌避具を、各曲成部が直立または斜めに倒した状態で曲成部間の間隔を所定間隔に保った状態で前記飛来忌避場所の上面に沿って展開し、この展開した状態で前記飛来忌避場所に保持材により保持して、鳥類の飛来休止に対して軸方向と交差する方向に弾性力を発揮させるものである。
【0006】
この構成によれば、鳥類が飛来忌避場所に飛来休止しようとしても、弾性忌避具の各曲成部が線材または帯材からなるので、鳥類は曲成部を足で把持しにくく、かつ、飛来忌避場所の上面に沿って展開された各曲成部が軸方向と交差する方向に柔軟な弾性を発揮するので軽量の鳥類であっても足場を不安定にできる。これにより、線材または帯材により曲がり形状に形成された曲成部を軸方向に複数並んで設けたものを飛来忌避場所の上面に沿って展開するという簡易な構成により飛来忌避場所への鳥類の飛来休止を効果的に阻止できる。
【0007】
好ましくは、前記弾性忌避具が、透明または前記飛来忌避場所と同一または類似した保護色である。したがって、装置の視覚的違和感を解消することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図であり、使用時の状態を示すものである。本装置は、弾性忌避具2が線材または細長いテープのような帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部1が軸方向Xに複数並んで設けられており、この例では、各曲成部1が連なって螺旋状に形成してなる。使用時において、この弾性忌避具2は、各曲成部1が直立した状態で曲成部1間の間隔を所定間隔に拡大した状態で引っ張られて、例えば水平に置かれたH鋼のような飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開される。この場合、この弾性忌避具2は、飛来忌避場所4への鳥類の飛来休止に対して、軸方向と垂直に直交する方向に弾性力を発揮する。なお、斜めに傾いている飛来忌避場所4の場合には、弾性忌避具2は当該傾斜した飛来忌避場所4の上面に沿って展開され、鳥類の飛来休止に対して、軸方向と交差する方向(垂直方向)に弾性力を発揮する。
【0009】
前記弾性忌避具2を保持する保持材Hは、線材または帯材からなる蛇行防止部材3と係止部材5からなる。蛇行防止部材3は、前記螺旋状の弾性忌避具2を飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開した状態で、直線状に引っ張られて各底部1aを支持して、展開した弾性忌避具2を保持する。係止部材5は、この蛇行防止部材3を少なくともその両端部で飛来忌避場所4に係止する。このように、本装置は、使用時には弾性忌避具2および蛇行防止部材3が展開して用いられる一方、不使用時には、図1(b)のように弾性忌避具2の曲成部1間の間隔が短縮され、図1(a)の保持材Hも折り畳まれてコンパクトなサイズとなり、取り扱いが容易となる。また、係止部材5を飛来忌避場所4から着脱自在のものを使用することにより、本装置を繰り返し使用することができる。
【0010】
前記線材または帯材は、反発弾性のある素材であれば、金属、非金属を問わずあらゆる素材が用いられるが、弾性のある熱可塑性樹脂が好適に用いられる。弾性のある熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66など)、ポリオレフイン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂など)などが好適なものとして挙げられる。さらには、弾性線材としてポリ乳酸に代表される生分解性樹脂を利用した場合、廃棄時における環境配慮という点から、一層有用な鳥害防止装置が得られる可能性がある。弾性線材は軸方向Xと交差する方向に柔軟かつ強靭な弾性を発揮することが肝要であることから、弾性線材の断面の直径(断面が円形でない場合は平均径)は、0.1〜5mm、さらには0.2〜2mmの範囲にあることが好ましい。
また、線材の形状は、円形、四角形のほか、あらゆる断面形状が用いられる。帯材は、扁平な四角形、楕円形のような断面形状を持つ。
【0011】
前記弾性忌避具2は細い線材または帯材からなる各曲成部1を展開したものであるのでもともと目立ちにくく、視覚的違和感は少ないが、より違和感を軽減させるためには、透明または飛来忌避場所と同じか類似した保護色であることが好適である。
【0012】
前記曲成部1間の間隔は、忌避したい鳥の大きさにより決められるが、鳥類の体躯以下の幅であることが、忌避効果の大きいことから好適である。具体的には、5〜50mmの間隔、さらには15〜35mmの間隔で配置されることにより、弾性忌避具2として忌避効果が高く好適である。
【0013】
前記曲成部1の直径(円形でない場合は平均径)は、飛来忌避場所4の幅に応じて適宜設定されるが、視覚的違和感を与えず、しかも、柔軟な弾性を付与するためには8〜100mmさらには15〜50mmの範囲にあることが好ましい。
【0014】
前記曲成部1は、線材または帯材により曲がり形状に形成されたものであり、その形態は、螺旋形、リング形、C字形、U字形、蒲鉾形、楕円形、三角形、四角形、それ以上の多角形などが挙げられる。
【0015】
前記弾性忌避具2は、柔軟な弾性による忌避効果と、並列配置の容易さ、間隔を適宜調節し所定の長さに調整し易いことを考慮して、各曲成部1が連なって螺旋状に形成されている。ここで、螺旋とは、ある一定の形状がねじれを有しながら繋がった構造を表し、円形螺旋に限定されるものではなく、三角形螺旋、半円型螺旋など、あらゆる螺旋形状を含む。
【0016】
なお、弾性忌避具2は、各曲成部1がそれぞれ独立体であってもよいが、この場合、取り扱い性を考慮して、各曲成部1間の間隔を所定間隔に拡大した状態で蛇行防止部材3に予め固着しておくのが好ましい。
【0017】
前記蛇行防止線材3は、使用時に軸方向Xに沿って直線状に引っ張られて、展開した螺旋状の各曲成部1の各底部1aを例えばその上面(内面)から押圧して各曲成部1を支持し、風などの外圧要因から例えば水平に置かれた飛来忌避場所4の上面に沿って展開した弾性忌避具2の直進性を保持する。
この蛇行防止線材3には、前記曲成部1と同質の素材を用いることができる。また、糸や細いロープなどのような非弾性のものを用いてもよい。
また、蛇行防止線材3は、透明または前記飛来忌避場所と同一または類似した保護色であることが好適である。
【0018】
前記係止部材5は、蛇行防止線材3をH鋼などの梁(飛来忌避場所)4に係止するものであり、少なくとも両端部の2カ所以上設けられることが、安定設置を行う上で重要である。
この係止部材5は、弾性忌避具2を飛来忌避場所4に強固に固定できるものであればどの様なものでもよく、たとえば、粘着テープ、二股鋲、磁石、吸盤、面ファスナー(フック&ループ型、フックとループ混在型・マッシュ型フック、押出成型フックなど)などが挙げられる。これらのうち、飛来忌避場所4から着脱自在であることが求められる場合には、特にマジックテープ(商標;クラレ社製)が好ましく用いられる。
【0019】
前記構成の鳥害防止装置により、鳥類が飛来忌避場所4に飛来休止しようとしても、従来のカマボコ柱状弾性体と異なり、弾性忌避具2の各曲成部1が細い線材または帯材からなるので、鳥類は曲成部1を足で把持しにくい。かつ、飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開された螺旋状の各曲成部1が軸方向と垂直に直交する方向に柔軟な弾性を発揮するので、大きく沈み込みかつ揺動するから、軽量の鳥類であっても足場を不安定にできる。
【0020】
これにより、第1実施形態の鳥害防止装置は、線材または帯材により螺旋状に形成された各曲成部1を飛来忌避場所4に沿って展開するという簡易な構成により飛来忌避場所4への鳥類の飛来休止を効果的に阻止できる。
【0021】
不使用時には、装置自体が取り外されか、または各曲成部1が一方端に短縮される。これにより、着脱または短縮展開が可能であることにより、集合住宅のベランダの手摺りにおける布団干しなどの使用目的を妨げない様にすることができる。
【0022】
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図であり、使用時の状態を示すものである。本装置において、弾性忌避具2は、図2(b)に示す線材または帯材からなる曲成部1と、直立状態でその底部1aを支持する駒部6とを有する独立した忌避体8が、軸方向に複数並んで設けられたものである。この実施形態では、各曲成部1はC字形であるが、リング形、U字形、蒲鉾形、楕円形、三角形、四角形、それ以上の多角形などでもよい。
【0023】
図2(a)の保持材Hは、カーテンレール状の蛇行防止部材3と係止部材5を有する。蛇行防止部材3は、各曲成部1の駒部6と嵌合して各曲成部1を支持し、各曲成部1をスライドさせて飛来忌避場所4の上面に沿って水平に展開した弾性忌避具2の直進性を保持する。この蛇行防止部材3にはコスト面を考慮して市販のカーテンレールを用いるのが好ましい。係止部材5は、蛇行防止部材3を飛来忌避場所4に上向きに係止する。この係止部材5には、前記したと同様の材料が用いられる。
なお、各曲成部1同士を予め所定長さの糸で結んでおいて、展開の際、各曲成部1の所定間隔を容易に得られるようにしてもよい。
【0024】
これにより、第2実施形態の鳥害防止装置は、第1実施形態と同様に、線材または帯材により曲がり形状に形成された各曲成部1を飛来忌避場所4の上面に沿って展開するという簡易な構成により飛来忌避場所4への鳥類の飛来休止を効果的に阻止できる。
【0025】
不使用時には、装置自体が取り外されか、または各曲成部1を一方端にスライドさせて短縮される。これにより、着脱または短縮展開が可能であることにより、集合住宅のベランダの手摺りにおける布団干しなどの使用目的を妨げない様にすることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例
透明で、線経1.0mm(円形断面)のポリエステルモノフィラメントを、内径30mm(使用時の径)、ピッチ(間隔)25mm、で80周ルーピング加工し、長さ2m螺旋弾性体を得た。この螺旋形弾性忌避具の内部に、同一仕様のポリエステルモノフィラメント2mを、蛇行防止線材として直線状に引っ張り、その両端を粘着テープで、倉庫の軒下の梁であるH鋼上部に固定し、鳥害防止装置の実施例とした。
【0027】
実施例を設置した倉庫は、田園地帯にあり、その軒下の梁は旧来から鳩および雀の鳥害に悩まされてきた。本発明の実施例は、1年間の実用試験を行い、取り付けた場所への飛来休止がなくなったことが確認された。
また、透明な素材を用いたことにより、5m以上離れたときの視覚的違和感は非常に小さく、60度の見上げる角度で、5m離れた位置から目視確認したところ、12人中10人までが、「梁に何か見えるか?」という問いに対して、「何も」と回答する結果となった。
本発明の鳥害防止装置は、あらゆる大きさの鳥類に対しても忌避効果があり視覚的違和感を解消していることが証明された。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡易かつ低コストで、鳩、烏などの比較的大型の鳥類のみならず、雀、燕などの軽量鳥類に対しても忌避効果があり、しかも視覚的違和感が少なく、また着脱または短縮展開が可能であることにより、布団干しなど多目的に使用される集合住宅のベランダの手摺りなどにおいても利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る鳥害防止装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…曲成部、2…弾性忌避具、3…蛇行防止線材、4…飛来忌避場所(H鋼)、5…係止部材、6…駒部、8…忌避体、H…保持材。
Claims (9)
- 飛来忌避場所における鳥害を防止する方法であって、
線材または帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部が軸方向に複数並んで設けられてなる弾性忌避具を、各曲成部が直立または斜めに倒した状態で曲成部間の間隔を所定間隔に保って前記飛来忌避場所の上面に沿って展開し、この展開した状態で前記飛来忌避場所に保持材により保持して、鳥類の飛来休止に対して軸方向と交差する方向に弾性力を発揮させる鳥害防止方法。 - 飛来忌避場所に取り付けられて鳥害を防止する装置であって、線材または帯材により曲がり形状に形成された弾性のある曲成部が軸方向に複数並んで設けられ、各曲成部が直立または斜めに倒した状態で曲成部間の間隔を所定間隔に保って前記飛来忌避場所の上面に沿って展開され、鳥類の飛来休止に対して軸方向と交差する方向に弾性力を発揮する弾性忌避具と、
この弾性忌避具を前記展開した状態で前記飛来忌避場所に保持する保持材とを備えた鳥害防止装置。 - 前記弾性忌避具が、透明または前記飛来忌避場所と同一または類似した保護色である、請求項2記載の鳥害防止装置。
- 前記弾性忌避具の使用時における各曲成部の所定間隔が5〜50mmである請求項2記載の鳥害防止装置。
- 前記曲成部は、線材または帯材からなる円形、C字形、U字形、蒲鉾形、楕円形、三角形以上の多角形を含む形状のいずれかに形成されている請求項2記載の鳥害防止装置。
- 前記弾性忌避具は、各曲成部が連なって螺旋状に形成してなり、
前記保持材が、前記螺旋状の弾性忌避具を使用時に飛来忌避場所の上面に沿って展開した状態で各底部を支持し、展開した弾性忌避具を保持する線材または帯材からなる蛇行防止部材と、この蛇行防止部材を少なくともその両端部で前記飛来忌避場所に係止する係止部材とからなる請求項2から5のいずれかに記載の鳥害防止装置。 - 前記弾性忌避具は、各曲成部のそれぞれ底部を支持する駒部を有する独立した忌避体が、軸方向に複数並んで設けられてなり、
前記保持材が、各駒部と嵌合して各曲成部を支持し、使用時に飛来忌避場所の上面に沿って展開する弾性忌避具の直進性を保持するカーテンレール状の蛇行防止部材を有している請求項2から5のいずれかに記載の鳥害防止装置。 - 請求項6記載の鳥害防止装置に用いられる螺旋状の弾性忌避具。
- 請求項7記載の鳥害防止装置に用いられる駒部を有する独立した忌避体。
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JP2002243031A JP2004081021A (ja) | 2002-08-23 | 2002-08-23 | 鳥害防止方法および装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011030458A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Kumakura Industry Co Ltd | 動物除け |
-
2002
- 2002-08-23 JP JP2002243031A patent/JP2004081021A/ja active Pending
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