JP2004080721A - 信号受信回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャタリング及び/又はリンギングを除去するための、簡易な構成の信号受信回路を提供する。
【解決手段】XOR回路1と、このXOR回路1の出力信号の立ち上がりに同期して立ち上がり、チャタリングの継続時間よりも長い時間の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号を生成するOMV(単安定マルチバイブレータ回路)2と、XOR回路1の一方の入力端子に入力される受信信号をデータ入力としOMV2から出力されるパルス信号をクロック入力とするD−FF(D型フリップフロップ回路)3とを備え、このD−FF3の出力信号を後段回路に出力すべき出力信号とするとともに、この出力信号をXOR回路1の他方の入力端子10に帰還させるようにして、信号受信回路を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】XOR回路1と、このXOR回路1の出力信号の立ち上がりに同期して立ち上がり、チャタリングの継続時間よりも長い時間の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号を生成するOMV(単安定マルチバイブレータ回路)2と、XOR回路1の一方の入力端子に入力される受信信号をデータ入力としOMV2から出力されるパルス信号をクロック入力とするD−FF(D型フリップフロップ回路)3とを備え、このD−FF3の出力信号を後段回路に出力すべき出力信号とするとともに、この出力信号をXOR回路1の他方の入力端子10に帰還させるようにして、信号受信回路を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、継続期間の長いチャタリング及び/又はリンギングを含む可能性があるデジタル信号を、安定的に受信するために用いられる信号受信回路に関する。
ここで、チャタリング(chattering)とは、デジタル信号の値が論理Highレベル(以下、「論理1」)から論理Lowレベル(以下、「論理0」)、あるいは論理0から論理1に遷移した直後に一定時間、値の変動を繰り返す現象をいい、リンギング(ringing)とは、方形波であるべきデジタル信号が一定時間波打ったような波形に変形する現象をいう。
【0002】
【従来の技術】
外部から受信したデジタル信号(受信信号)の処理を行う電子回路、例えば論理素子ICにおいて、受信信号にチャタリングやリンギングが含まれている場合、これに起因して、その電子回路が誤動作する場合がある。そのため、チャタリング等を除去するための信号受信回路が、当該電子回路の前段回路として設けられている場合がある。
【0003】
このような信号受信回路としては、従来、特開平5−83093号公報に記載されているような信号受信回路が知られている。この信号受信回路は、受信信号に継続時間の短いチャタリング等が含まれている場合だけでなく、継続時間の長いチャタリング等が含まれている場合にもそれを除去するように構成される。
図11は上記の信号受信回路の構成図、図12はその動作タイミング図である。これらの図を参照すると、従来の信号受信回路では、一対の入力端子を有する排他的論理和回路(XOR回路)101の一入力端子に入力された受信信号F1の立ち上がりに同期して、単安定マルチバイブレータ(OMV)102にセットされた一定時定数のパルス信号F4が立ち上がる。
【0004】
パルス信号F4のパルス幅T7は、受信信号F1に含まれるチャタリングやリンギングの継続時間t7よりも長く設定されている。パルス信号F4は、T型フリップフロップ(T−FF)103で1/2分周された遅延信号F2となり、XOR回路101の他の入力端子に戻される。遅延信号F2はD型フリップフロップ(D−FF)104によってラッチされ、論理値が反転されて、受信信号F1と同相の出力信号F5となって出力端子111に導かれる。受信信号F1の立ち下がりについても、立ち上がりの場合と同様に動作する。
【0005】
このように、従来の信号受信回路では、出力信号F5の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングが受信信号F1の立ち上がりのタイミングとほぼ一致し、かつ受信信号F1に含まれるチャタリング等の影響が除去されるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、図11に例示される従来の信号受信回路では、チャタリング等の影響が各回路素子の協働によって排除される利点がある。
しかしながら、上記の信号受信回路では、図12の動作タイミングで動作するXOR回路101、OMV102、T−FF103、D−FF104のように、複数種類の電子部品を必須の構成としており、それ故に、回路構成の簡略化には限界がある。このような電子部品を少なくして同一機能を実現することができれば、コスト上も、信号受信回路の信頼性を高める上からも好都合となる。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑み、継続時間が比較的長いチャタリング等をより簡易な構成で除去することができる、改良された信号受信回路を提供することを、その課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する信号受信回路は、一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件(XOR)を判定する第1回路と、自己が復旧状態のときに前記第1回路から出力される信号が最初に有為になった時点で起動して一定時間経過後に再復旧することで当該一定時間だけ有為な論理値となるパルス信号を出力する第2回路と、このパルス信号が有為な論理値に遷移するたびに当該遷移時点の前記パルス信号の論理値とその反転値とが交互に繰り返されるデジタル信号を後段回路に向けて出力する第3回路とを有し、前記一対の入力デジタル信号のうち一方の信号が前記後段回路に入力されるべき受信信号であり、他方の信号が前記第3回路から出力されるデジタル信号を分岐して得られた帰還信号である信号受信回路である。
【0009】
「信号が有為になる」とは、デジタル信号の論理値が、無意味な値から意味をもつ値になることをいい、「有為な論理値」とは意味をもつ論理値の意である。例えば、論理0では無意味であるという回路設計のときに、それが論理1に変化することをここでは「信号が有為になる」という。NOT回路をバッファとして用いるときは、有為な論理値が上記の値と逆になる。
【0010】
この発明において、前記受信信号が、有為な論理値を所定時間維持する第1状態(例えば論理1が継続する状態)と、非有為な論理値を所定時間維持する第2状態(例えば論理0が継続する状態)とを交互に繰り返すデジタル信号である場合、前記第1回路には、前記受信信号が、第2状態から第1状態に最初に遷移する時点および第1状態から第2状態に最初に遷移する時点に、前記第1回路から常に有為な論理値が出力されるタイミングで前記帰還信号が入力されるようにする。これは、回路素子を増やすことなく、信号が第1回路〜第3回路を通過する際の遅延時間を効果的に活用することによって実現が可能である。
このようにすることで、第1状態から第2状態に遷移するとき、および、第2状態から第1状態に遷移するときに、常に第1回路の出力信号が有為な論理値になるので、回路素子を増やすことなく、チャタリング等の影響を確実に阻止できるようになる。
【0011】
好ましくは、前記第2回路が、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間だけ前記パルス信号の有為な論理値を継続するように構成する。
【0012】
本発明が提供する他の信号受信回路は、受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件(XOR)を判定するXOR回路と、このXOR回路の出力信号に基づいて有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記受信信号をデータ入力とし前記OMVから出力されるパルス信号をクロック入力とするD−FFとを有する。
この信号受信回路において、前記一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記D−FFから出力される信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記XOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0013】
このような信号受信回路によれば、より少ない回路素子によりチャタリング等の影響を確実に阻止することができる。
なお、「信号が有為になる」及び「有為な論理値」の意義は上述したとおりである。このような信号受信回路においても、OMVを、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間だけ前記パルス信号の有為な論理値を継続するように構成することが望ましい。
【0014】
より少ない回路素子によりチャタリング等を防止するという観点からは、セットリセット回路を用いた以下のような構成の信号受信回路の実施も可能である。セットリセット回路は、D型、J−K型その他の各種フリップフロップにより構成することができる。フリップフロップも、一対の論理和回路(OR回路)、論理積回路(AND回路)、否定論理和回路(NOR回路)、否定論理積回路(NAND回路)又はこれらの組合せにより構成することができる。
(1)受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号のXOR条件を判定するXOR回路と、このXOR回路の出力信号に基づいて有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記XOR回路の出力信号と前記OMVから出力されるパルス信号との論理積(AND)条件を判定するAND回路と、このAND回路の出力信号と前記受信信号との否定論理積(NAND)条件を判定する第1NAND回路と、前記AND回路の出力信号と前記受信信号の論理値が反転した信号とのNAND条件を判定する第2NAND回路と、前記第1NAND回路と前記第2NAND回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路からの出力信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記XOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0015】
(2)受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号のNAND条件を判定する第1NAND回路と、前記受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号のNOR条件を判定するNOR回路と、前記第1NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記第1NAND回路の出力信号と前記OMVから出力される前記パルス信号との論理和(OR)条件を判定するOR回路と、前記NOR回路の出力信号と前記OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号とのNAND条件を判定する第2NAND回路と、前記OR回路と前記第2NAND回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路から出力される信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記第1NAND回路及び前記NOR回路における一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記セットリセット回路の出力信号を分岐し且つその論理値を反転させて得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記第1NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0016】
(3)受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNAND条件を判定するNAND回路と、前記受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNOR条件を判定するNOR回路と、前記NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記NAND回路と前記NOR回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路から出力される信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記NAND回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号と、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記NOR回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記OMVから出力されるパルス信号と、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0017】
(4)受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNAND条件を判定するNAND回路と、前記受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNOR条件を判定するNOR回路と、前記NAND回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する第1OMVと、前記NOR回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する第2OMVと、前記第1OMVから出力されるパルス信号と前記第2OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号の一方の信号をセット入力とし、他方の信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記NAND回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記第2OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号と、前記セットリセット回路の出力信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号であり、前記NOR回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記第1OMVから出力されるパルス信号と、前記セットリセット回路の出力信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号であり、前記第1OMV及び第2OMVは、自己が復旧している状態のときに前記NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態では、請求項1の第1回路の例としてXOR回路、第2回路の例としてOMV、第3回路の例としてD−FFを用いた信号受信回路の例を示す。つまり、接続の仕方を代えることにより、図11に示した従来の信号受信回路のT−FF103を不要としている。
この実施形態では、また、一例として、有為な論理値が論理1、非有為な論理値が論理0であり、論理0から論理1への立ち上がりエッジ時に有為な意味をもつものとして説明する。
【0019】
図1は、第一実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図2は、その動作タイミング図である。A1〜A4は、図1の各部の信号波形である。
この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号を入力するための入力端子10と、受信信号に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子11とを有している。
入力端子10に入力された受信信号A1は、XOR回路1の一方の入力端に入力される。このXOR回路1の出力端にはOMV2が接続され、さらにOMV2の出力側には、XOR回路1に入力された受信信号A1から分岐した信号をデータ入力とし、OMV2から出力されるパルス信号A3をクロック入力とするD−FF3が配置される。このD−FF3から出力される信号A4は、上記の出力端子11に導かれるが、その信号A4の分岐信号は、帰還信号としてXOR回路1の他方の入力端に帰還されるようになっている。
【0020】
OMV2は、XOR回路1から出力される信号A2に基づいてパルス信号A3を生成する。すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときにXOR回路1の出力信号A2が最初に論理1になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間Tの経過後に自律的に復旧することによって、XOR回路1の出力信号A2の立ち上がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間Tの経過後に自律的に立ち下がるパルス信号A3を生成する。このパルス信号A3の論理1が継続する時間T1は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号A1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t1よりも長い時間である(図2参照)。
【0021】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
XOR回路1に入力される受信信号A1に対して、D−FF3の出力信号A4から分岐された帰還信号は、XOR回路1、OMV2およびD−FF3を経る分だけタイミングが僅かに遅延してXOR回路1の他方の入力端に入力される。そのため、XOR回路1の出力信号A2は、図2に示されるように、受信信号A1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間および受信信号A1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に常に論理1になり、この出力信号A2が論理1の時点でOMV2が起動してパルス信号A3が論理1となる。このパルス信号A3の立ち上がりに同期してD−FF3の出力信号A4も立ち上がり、論理1となる。
【0022】
このとき、受信信号A1にチャタリング等が含まれていたとしても、OMV2は、時間T1が経過するまでは論理1を維持しているので、チャタリング等による影響は確実に吸収される。
【0023】
その後、パルス信号A3は時間T1の経過後に自律的に復旧して論理0に戻るが、D−FF3の出力信号A4は、論理1を維持している。
パルス信号A3がその後に論理1になると、それに同期してD−FF3の出力信号A4が論理1から論理0に遷移するが、このときも、論理0から論理1に遷移したときと同様、OMV2から出力されるパルス信号A3が時間T1だけ論理1を維持しているので、受信信号A1の立ち下がり時のチャタリング等の影響が確実に吸収される。
【0024】
その結果、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号A1の最初の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち下がった直後のチャタリング等も除去された出力信号A4が出力端子11から出力される。
図1から明らかなように、この信号受信回路は、図11に示した従来の信号受信回路のT−FF103を用いていないので、コストの観点から有利であるだけでなく、MTBF(平均故障間隔)を図11に示した回路よりも長くする観点からも有利となる。
【0025】
なお、本発明は、信号受信回路を図2のようなタイミングで動作させる点に主眼があるので、必ずしも図1に示した回路素子に限定されるものではない。すなわち、XOR回路1と同様の機能を有する他の回路を第1回路、OMV2と同様の機能を有する他の回路を第2回路、D−FF3と同様の機能を有する他の回路を第3回路として用いた場合にも上記の実施形態と同様の効果が得られるものである。
また、図1の信号受信回路を後段回路である論理素子ICのパッケージに同梱してもよく、あるいは図1の信号受信回路のみを単独でパッケージ化することも本発明によれば可能である。
【0026】
<第二実施形態>
この実施形態では、第1回路としてXOR回路、第2回路としてOMV、第3回路として、AND回路、NAND回路、NOT回路、及びセットリセット型のフリップフロップ(SR−FF)を用いた信号受信回路の例を示す。
【0027】
図3は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図4は、その動作タイミング図である。B1〜B7は、図3の各部の信号波形である。 この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号B1を入力するための入力端子30と、例えば受信信号B1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子31とを有している。
入力端子30に入力された受信信号B1は、XOR回路21の一方の入力端に入力される。このXOR回路21から出力される出力信号B2は、OMV22の反転入力に入力される。OMV22の出力端には一対の入力端を有するAND回路23が接続されており、一方の入力端にはOMV22から出力されるパルス信号B4の論理値が反転した信号が入力され、他方の入力端にはXOR回路21の出力信号B2の分岐信号が入力される。
AND回路23から出力される出力信号B3は、それぞれ一対の入力端を有するNAND回路24,26の一方の入力端に入力される。また、NAND回路24の他方の入力端には受信信号B1が入力され、NAND回路26の他方の入力端にはNOT回路25により受信信号B1の論理値が反転した信号が入力される。
NAND回路24及びNAND回路26の出力端には、NAND回路24から出力される出力信号B5をセット入力、NAND回路26から出力される出力信号B6をリセット入力とするSR−FF27が接続されている。SR−FF27から出力される出力信号B7は、出力端子31に導かれるが、その分岐信号は、XOR回路21の他方の入力端に帰還されるようになっている。
【0028】
OMV22は、出力信号B2に基づいてパルス信号B4を生成する。すなわち、自己が復旧している論理1の状態のときに出力信号B2が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T2の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号B2の立ち下がりに同期して立ち下がり、一定の時定数により定まる時間T2の経過後に自律的に立ち上がるパルス信号B4を生成する。このパルス信号B4の論理0が継続する時間T2は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号B1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t2よりも長い時間である(図4参照)。
【0029】
SR−FF27の出力信号B7が論理0のとき、受信信号B1が論理1になると、XOR回路21の出力信号B2も論理1、AND回路23の出力信号B3も論理1となり、NAND回路24の出力信号B5が論理0になるので、FF27の出力信号B7の論理値は反転する。よって、出力信号B7が論理1となるので、出力信号B2は論理0に戻り、OMV22が起動され、パルス信号B4が論理0となる。パルス信号B4が論理0の間は、出力信号B3は論理0となるので、受信信号B1の論理値に関係なく、NAND回路24の出力信号B5とNAND回路26の出力信号B6は共に論理1のままであり、FF27の出力信号B7は論理1のまま維持される。
その後、パルス信号B4が論理1に戻った時点では、受信信号B1に含まれるチャタリングは収束しているので、出力信号B5,B6が共に論理1で、FF27の出力信号B7は論理1のまま維持される。
そして、出力信号B7が論理1のとき、受信信号B1が論理0になると、出力信号B2も論理1、出力信号B3も論理1となり、出力信号B6が論理0になるので、FF27の出力信号B7は反転する。よって、出力信号B7は論理0になるので、出力信号B2は論理0に戻り、OMV22が起動され、パルス信号B4が論理0となる。パルス信号B4が論理0の間は、出力信号B3は論理0となるので、受信信号B1の論理値に関係なく、NAND回路24の出力信号B5とNAND回路26の出力信号B6は共に論理1のままであり、FF27の出力信号B7は論理0のまま維持される。
その後、パルス信号B4が論理1に戻った時点では、上述のように、受信信号B1に含まれるチャタリングは収束しているので、出力信号B5,B6が共に論理1で、FF27の出力信号B7は論理0のまま維持される。
【0030】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
XOR回路21に入力される受信信号B1に対して、SR−FF27の出力信号B7から分岐された信号B7は、OMV22、AND回路23、NAND回路24又は26、SR−FF27を経る分だけタイミングが僅かに遅延してXOR回路21の他方の入力端に入力される。
そのため、XOR回路21の出力信号B2は、図4に示されるように、受信信号B1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間および受信信号B1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に常に論理1になる。
【0031】
図4に示すように、OMV22のパルス信号B4は、この立ち下がりに同期して立ち下がるため、AND回路23の出力信号B3の波形は、受信信号B1の最初の立ち上がり及び最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に常に立ち上がる波形となる。また、受信信号B1にチャタリング等が含まれていたとしてもOMV22は時間T2が経過するまでは論理0を維持しているので、チャタリング等による影響は確実に吸収されている。つまり、出力信号B3では、OMV22の出力期間だけ受信信号B1がゲートオフされることとなる。そして、NAND回路24の出力信号B5の波形は、受信信号B1の最初の立ち上がりに同期して、僅かな時間に常に立ち下がる波形となる。また、NAND回路26の出力信号B6の波形は、受信信号の最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に常に立ち下がる波形となる。
【0032】
SR−FF27は、この出力信号B5をSR−FF27のセット信号とし、出力信号B6をSR−FF27のリセット信号としているので、出力信号B7は論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号B1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち下がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子31から出力されることとなる。
【0033】
このように、図3に示した構成の信号受信回路によっても、チャタリング等の影響が除去される。この実施形態の信号受信回路では、第一実施形態の信号受信回路と異なり、D−FF3は用いておらず、それ故に回路部品(FET等)数が第一実施形態の信号受信回路よりも少ないので、コストの観点からさらに有利であるだけでなく、MTBFを長くする観点からも有利となる。
【0034】
なお、本実施形態では、OMV22を受信信号B1の立ち下がりで起動するものとして説明したが、受信信号B1の立ち上がりで起動し、その他のゲートの論極性を反転させた構成にしてもよい。
【0035】
本発明は、信号受信回路を図4のようなタイミングで動作させる点に主眼があるので、必ずしも図3に示した回路素子に限定されるものではないことは、第一実施形態と同様である。また、図3の信号受信回路を後段回路である論理素子ICのパッケージに同梱してもよく、あるいは図3の信号受信回路のみを単独でパッケージ化してもよい。
【0036】
<第三実施形態>
この実施形態では、XOR回路に代えて、NAND回路、NOR回路及びOR回路を用い、また、OMVと、二つのNAND回路からなるSR−FFとを有する信号受信回路の例を示す。
図5は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図6は、その動作タイミング図である。C1〜C8は、図5の各部の信号波形である。
この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号C1を入力するための入力端子50と、受信信号C1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子51とを有している。
【0037】
入力端子50に入力された受信信号C1は、一対の入力端を有するNAND回路41の一方の入力端に入力される。また、受信信号C1は、一対の入力端を有するNOR回路42の一方の入力端に入力される。NAND回路41から出力される出力信号C2はOMV43に入力され、NOR回路42から出力される出力信号C3はOMV43の反転入力に入力される。
【0038】
OMV43の出力端には一対の入力端を有するOR回路44と、一対の入力端を有するNAND回路45が接続されている。OR回路44の一方の入力端にはOMV43から出力されるパルス信号C4が入力され、他方の入力端には分岐されたNAND回路41の出力信号C2が入力される。
NAND回路45の一方の入力端にはパルス信号C4の反転信号C5が入力され、他方の入力端には分岐されたNOR42の出力信号C3が入力される。OR回路44及びNAND回路45の出力端には、OR回路44から出力される出力信号C6をセット入力、NAND回路45から出力される出力信号C7をリセット入力とするSR−FF46が配置される。SR−FF46から出力される出力信号C8は、出力端子51に導かれるが、その論理値が反転した信号は、それぞれNAND回路41及びNOR回路42の他方の入力端に帰還されるようになっている。
【0039】
OMV43は、NAND回路41の出力信号C2と、NOR回路42の出力信号C3の信号に基づいてパルス信号C4を生成する。
すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときに出力信号C2が最初に論理1になった時点又は出力信号C3が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T3の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号C2の立ち上がり又は出力信号C3の立ち下がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間T3の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号C4を生成する。
このパルス信号C4の論理1が継続する時間T3は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号C1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t3よりも長い時間である(図6参照)。
【0040】
FF46の出力信号C8が論理0のとき、受信信号C1が論理0から論理1になると、NAND回路41の出力信号C2が論理0となるため、OR回路44の出力信号C6が論理0となり、SR−FF46の出力信号C8が反転し、論理1になる。これにより、出力信号C2は論理1に戻り、これに同期してOMV43が起動され、OMV43から出力され、論理反転した信号C5は論理0となるので、受信信号C1に含まれるチャタリングによりNOR回路42の出力信号C3が論理1になっても、NAND回路45の出力信号C7は論理1のままであり、SR−FF46の出力信号C8は、論理1のまま維持される。
その後、信号C5が論理1に戻った時点では受信信号C1のチャタリングは収束し、NOR回路42の出力信号C3が論理0なので、NAND回路45の出力信号C7は論理1となり、SR−FF46の出力信号C8は、論理1のまま維持される。
そして、出力信号C8が論理1のとき、受信信号C1が論理1から論理0になると、出力信号C3が論理1、出力信号C7が論理0となるため、SR−FF46の出力信号C8の論理値が反転して論理0になる。これにより、出力信号C3は論理0に戻り、これに同期してOMV43が起動してパルス信号C4が論理1となるので、受信信号C1に含まれるチャタリングによりNAND回路41の出力信号C2が論理0になっても、出力信号C6は論理1のままとなり、SR−FF46の出力信号C8は、論理0のまま維持される。その後、パルス信号C4が論理0に戻った時点では受信信号C1のチャタリングは収束し、出力信号C2が論理1なので、OR回路44の出力信号C6は論理1となり、SR−FF46の出力信号C8は、論理0のまま維持される。
【0041】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
NAND回路41又はNOR回路42に入力される受信信号C1に対して、入力されるSR−FF46の出力信号C8又はその論理値が反転した信号は、NAND回路41又はNOR回路42、OMV43、OR回路44又はNAND回路45、SR−FF46を経る分だけタイミングが僅かに遅延して、NAND回路41及びNOR回路42の他方の入力端に入力される。
そのため、NAND回路41の出力信号C2は、図6に示されるように、受信信号C1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間に常に論理0になる。また、NOR回路42の出力信号C3は、受信信号C1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に論理1になる。
【0042】
図6に示すように、出力信号C2は、受信信号C1の立ち上がりに同期して立ち下がり、出力信号C3は、受信信号C1の立ち下がりに同期して立ち上がる。OMV43は、出力信号C2の立ち上がりに同期して立ち上がり、また、出力信号C3の立ち下がりに同期して立ち上がる。
このため、OR回路44の出力信号C6の波形は、受信信号C1の最初の立ち上がりに同期して、僅かな時間に立ち下がる波形となる。また、NAND回路45の出力信号C7の波形は、受信信号C1の最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に立ち下がる波形となる。
なお、受信信号C1にチャタリング等が含まれていたとしても、OMV43は時間T3が経過するまでは論理1を維持しているため、チャタリング等による影響は確実に吸収される。つまり、出力信号C6及び出力信号C7では、OMV43の出力期間だけ受信信号C1がゲートオフされることとなり、チャタリング等による影響はない。
【0043】
SR−FF46は、この出力信号C6をセット信号とし、出力信号C7をリセット信号としているので、出力信号C8は、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号C1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子51から出力されることとなる。
図5に示した構成の信号受信回路は、D−FF3を用いていないので、回路部品(FET等)数が第一実施形態の回路よりも少なく、コスト及びMTBFを長くする観点から有利となる。
【0044】
なお、本実施形態では、OMVを出力信号C2の立ち上がりで起動するものとして説明したが、出力信号C2の立ち下がりで起動し、その他のゲートの極性等を反転させて回路を構成してもよい。
【0045】
<第四実施形態>
この実施形態では、NAND回路、NOR回路、OMV、及び、AND回路とOR回路とからなるSR−FF64を有する信号受信回路の例を示す。
図7は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図8は、その動作タイミング図である。D1〜D6は、図8の各部の信号波形である。
この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号D1を入力するための入力端子70と、受信信号D1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子71とを有している。
【0046】
入力端子70に入力された受信信号D1は、三つの入力端を有するNAND回路61の入力端の一つに入力される。また、受信信号D1は、三つの入力端を有するNOR回路62の入力端の一つに入力される。
NAND回路61から出力される出力信号D2はOMV63に入力され、NOR回路62から出力される出力信号D3はOMV63の反転入力に入力される。
【0047】
OMV63から出力されるパルス信号D4は、帰還されてNOR回路62の入力端の一つに入力される。また、パルス信号D4の論理値を反転させた信号D5は、帰還されてNAND回路61の入力端の一つに入力される。
NAND回路61の出力信号D2は、分岐されてSR−FF64のAND回路64Aに入力され、NOR回路62の出力信号D3は、分岐されてSR−FF64のOR64Bに入力される。
SR−FF64から出力される出力信号D6は、出力端子71に導かれるが、この信号は、NAND回路61の入力端の一つに入力されると共に、NOR回路62の入力端の一つに入力される。
【0048】
OMV63は、NAND回路61の出力信号D2と、NOR回路62の出力信号D3の信号に基づいてパルス信号D4を生成する。すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときに出力信号D2が最初に論理1になった時点又は出力信号D3が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T4の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号D2の立ち上がり又は出力信号D3の立ち下がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間T4の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号D4を生成する。
このパルス信号D4の論理1が継続する時間T4は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号D1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t4よりも長い時間である(図8参照)。
なお、SR−FF64は、AND回路64Aの一方の入力端に入力される信号D2が論理1であり、OR64Bの一方の入力端に入力される信号D3が論理0である場合、出力信号D6は論理0または1で安定し、出力信号D2を論理0とすることで出力信号D6を論理0に、出力信号D3を論理1とすることで出力信号D6を論理1とすることができる。
【0049】
SR−FF64の出力信号D6が論理1のとき、受信信号D1が論理0から論理1に変わると、NAND回路61の出力信号D2が論理0となり、SR−FF64の出力信号D6の論理値が反転して論理0となる。出力信号D6が論理0となると、出力信号D2は論理1に戻る。
これに同期してOMV63が起動し、パルス信号D4が論理1となるため、NOR回路62の出力信号D3は受信信号D1の論理値に関係なく、論理0となり、SR−FF64の出力信号D6は反転されない。
その後、OMV63のパルス信号D4が論理0に戻った時点では、受信信号D1に含まれるチャタリングは収束して論理1となっており、出力信号D3は論理0なので、SR−FF64の出力信号D6は、論理0のまま維持される。
そして、出力信号D6が論理0のとき、受信信号D1が論理1から論理0に変わると、NOR回路62の出力信号D3が論理1となり、SR−FF64の出力信号D6の論理値が反転して論理1となる。出力信号D6が論理1となると、出力信号D3は、論理0に戻る。
これに同期して、OMV63が起動し、反転信号D5が論理0になるため、出力信号D2は、受信信号D1の論理値に関係なく論理1であり、SR−FF64の出力信号D6の論理値は反転されない。
その後、OMV63の反転信号D5が論理1に戻った時点では、受信信号D1に含まれるチャタリングは収束して論理0となっており、出力信号D2は論理1なので、SR−FF64の出力信号D6は、論理1のまま維持される。
【0050】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
NAND回路61又はNOR回路62に入力される受信信号D1に対して、帰還されて入力されるOMV63のパルス信号D4又はその反転信号D5、及びSR−FF64の論理値が反転した信号は、NAND回路61又はNOR回路62、SR−FF64を経る分だけタイミングが僅かに遅延してNAND回路61及びNOR回路62の入力端に入力される。
【0051】
そのため、NAND回路61の出力信号D2は、図8に示されるように、受信信号D1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間に論理0になる。同様に、NOR回路62の出力信号D3は、受信信号D1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に論理1になる。
つまり、NAND回路61の出力信号D2の波形は、受信信号D1の最初の立ち上がりに同期して、僅かな時間に立ち下がる波形となる。また、NOR回路62の出力信号D3の波形は、受信信号D1の最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に常に立ち下がる波形となる。
なお、受信信号D1にチャタリング等が含まれていたとしても、OMV63は時間T4が経過するまでは論理1を維持しているので、チャタリング等による影響は確実に吸収される。つまり、出力信号D2及び出力信号D3では、OMV63の出力期間だけ受信信号D1がゲートオフされるため、チャタリング等の影響はない。
SR−FF64の出力信号D6は、上述のように、出力信号D2が論理0となったタイミングで論理0になり、出力信号D3が論理1となったタイミングで論理1になるため、受信信号D1に含まれるチャタリングを除いた、反転波形となる。つまり、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号D1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子71から出力されることとなる。
この実施形態の信号受信回路も、D−FF3を用いておらず、それ故に、回路部品(FET等)数が第一実施形態の回路よりも少なくなり、コスト及びMTBFを長くする観点から有利となる。
【0052】
<第五実施形態>
この実施形態では、NAND回路、NOR回路、二つのOMV、及び、NAND回路とNAND回路からなるSR−FFとを有する信号受信回路の例を示す。
【0053】
図9は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図10は、その動作タイミング図である。E1〜E6は、図9の各部の信号波形である。この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号E1を入力するための入力端子90と、受信信号E1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子91とを有している。
入力端子90に入力された受信信号E1は、三つの入力端を有するNAND回路81の入力端の一つに入力される。また、受信信号E1は、三つの入力端を有するNOR回路82の入力端の一つに入力される。このNAND回路81の出力端子にはOMV83が接続されている。また、NOR回路82の出力端子にはOMV84が接続されている。
【0054】
OMV83から出力されるパルス信号E4は、帰還されてNOR回路82の入力端の一つに入力される。また、パルス信号E4の論理値が反転した信号は、NAND回路85Aに入力される。OMV84から出力されるパルス信号の論理値が反転した信号E5は、NAND回路85Bに入力されると共に、帰還されてNAND回路81の入力端の一つに入力される。
【0055】
OMV83は、NAND回路81の出力信号E2の論理値が反転した信号に基づいてパルス信号E4を生成する。すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときに出力信号E2が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T5の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号E2の立ち下がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間T5の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号E4を生成する。
このパルス信号E4の論理1が継続する時間T5は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号E1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t5よりも長い時間である(図10参照)。
【0056】
OMV84は、NOR回路82の出力信号E3に基づいてパルス信号E5を生成する。すなわち、自己が復旧している論理1の状態のときに出力信号E3が最初に論理1になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T6の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号E3の立ち上がりに同期して立ち下がり、一定の時定数により定まる時間T6の経過後に自律的に立ち上がるパルス信号E5を生成する。
このパルス信号E5の論理0が継続する時間T6は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号E1の論理0が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t5よりも長い時間である。
【0057】
SR−FF85の出力信号E6が論理0であるとき、受信信号E1が論理0から論理1になると、NAND回路81の出力信号E2が論理0となり、これに同期してOMV83が起動する。
OMV83の反転信号は論理0となり、SR−FF85の出力信号E6の論理値が反転して論理1となる。この時点で、OMV83のパルス信号E4は論理1なので、チャタリングにより受信信号E1が論理0になっても、NOR回路82の出力信号E3は論理0のままであり、OMV84は起動せず、SR−FF85の出力信号E6は論理1のまま維持される。
その後、パルス信号E4が論理0に戻った時点では、受信信号E1に含まれるチャタリングは収束して論理1となっており、出力信号E3は論理0のままなので、出力信号E6は論理1のまま維持される。
【0058】
そして、出力信号E6が論理1のとき、受信信号E1が論理1から論理0になると、NOR回路82の出力信号E3が論理1となり、これに同期してOMV84が起動する。OMV84から出力されその論理値が反転した信号E5は論理0となり、SR−FF85の出力信号E6は反転し、論理0となる。この時点で、OMV84の反転信号E5が論理0なので、チャタリングにより受信信号E1が論理1になっても、NAND回路81の出力信号E2は論理1のままであり、OMV83は起動せず、SR−FF85の出力信号E6は論理0のまま維持される。その後、パルス信号E4の論理値が反転した信号が論理1に戻った時点では、受信信号E1に含まれるチャタリングは収束し、出力信号E2は論理1のままなので、出力信号E6は論理0のまま維持される。
【0059】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を説明する。
NAND回路81又はNOR回路82に入力される受信信号E1に対して、OMV83のパルス信号E4又はOMV84の論理値が反転した信号E5、及びSR−FF85の論理値が反転した信号は、NAND回路81又はNOR回路82、OMV83又はOMV84、SR−FF85を経る分だけタイミングが僅かに遅延してNAND回路81及びNOR回路82の入力端に入力される。
【0060】
そのため、NAND回路81の出力信号E2は、図10に示されるように、受信信号E1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間に論理0になる。また、NOR回路の出力信号E3は、受信信号E1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に論理1になる。
OMV83のパルス信号E4は、図10に示すように、受信信号E1の立ち上がりに同期して立ち上がり、立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となる。また、OMV84のパルス信号E5は、受信信号E1の立ち下がりに同期して立ち下がり、立ち下がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となる。つまり、OMV83,84の出力期間だけ受信信号E1がゲートオフされることとなる。
SR−FF85の出力信号E6は、この出力信号E4の立ち上がりに同期して立ち上がり、出力信号E5の立ち下がりに同期して立ち下がるため、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号E1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子91から出力されることとなる。
【0061】
この実施形態の信号受信回路においても、D−FFを用いられておらず、それ故に、回路部品(FET等)数が第一実施形態の回路よりも少ないので、コスト及びMTBFを長くする観点からも有利となる。
また、本実施形態では、他の実施形態と異なりOMVを二つ使用しているが、第四実施形態と比較して、OMVを起動するための必要なパルス幅が広くても確実に動作させることができる利点がある。また、出力信号の極性を選択できる利点がある。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、継続時間の長いチャタリング等を、簡易な構成で除去することができる、高信頼性の信号受信回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図2】図1に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図3】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図4】図3に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図5】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図6】図5に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図7】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図8】図7に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図9】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図10】図9に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図11】従来の信号受信回路の構成例を示す図。
【図12】従来の信号受信回路の動作タイミング図。
【符号の説明】
1,21,101 排他的論理和回路(XOR回路)
2,22,43,63,83,84,102 単安定マルチバイブレータ(OMV)
3,104 D型フリップフロップ回路(D−FF)
23,64A 論理積回路(AND回路)
24,26,41,45,61,81,85A,85B 否定論理積回路(NAND回路)
25 否定回路(NOT回路)
27,46,64,85 セットリセット型のフリップフロップ回路(SR−FF)
10,30,50,70,90,110 入力端子
11,31,51,71,91,111 出力端子
42,62,82 否定論理和回路(NOR回路)
44,64B 論理和回路(OR回路)
103 T型フリップフロップ回路(T−FF)
【発明の属する技術分野】
本発明は、継続期間の長いチャタリング及び/又はリンギングを含む可能性があるデジタル信号を、安定的に受信するために用いられる信号受信回路に関する。
ここで、チャタリング(chattering)とは、デジタル信号の値が論理Highレベル(以下、「論理1」)から論理Lowレベル(以下、「論理0」)、あるいは論理0から論理1に遷移した直後に一定時間、値の変動を繰り返す現象をいい、リンギング(ringing)とは、方形波であるべきデジタル信号が一定時間波打ったような波形に変形する現象をいう。
【0002】
【従来の技術】
外部から受信したデジタル信号(受信信号)の処理を行う電子回路、例えば論理素子ICにおいて、受信信号にチャタリングやリンギングが含まれている場合、これに起因して、その電子回路が誤動作する場合がある。そのため、チャタリング等を除去するための信号受信回路が、当該電子回路の前段回路として設けられている場合がある。
【0003】
このような信号受信回路としては、従来、特開平5−83093号公報に記載されているような信号受信回路が知られている。この信号受信回路は、受信信号に継続時間の短いチャタリング等が含まれている場合だけでなく、継続時間の長いチャタリング等が含まれている場合にもそれを除去するように構成される。
図11は上記の信号受信回路の構成図、図12はその動作タイミング図である。これらの図を参照すると、従来の信号受信回路では、一対の入力端子を有する排他的論理和回路(XOR回路)101の一入力端子に入力された受信信号F1の立ち上がりに同期して、単安定マルチバイブレータ(OMV)102にセットされた一定時定数のパルス信号F4が立ち上がる。
【0004】
パルス信号F4のパルス幅T7は、受信信号F1に含まれるチャタリングやリンギングの継続時間t7よりも長く設定されている。パルス信号F4は、T型フリップフロップ(T−FF)103で1/2分周された遅延信号F2となり、XOR回路101の他の入力端子に戻される。遅延信号F2はD型フリップフロップ(D−FF)104によってラッチされ、論理値が反転されて、受信信号F1と同相の出力信号F5となって出力端子111に導かれる。受信信号F1の立ち下がりについても、立ち上がりの場合と同様に動作する。
【0005】
このように、従来の信号受信回路では、出力信号F5の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングが受信信号F1の立ち上がりのタイミングとほぼ一致し、かつ受信信号F1に含まれるチャタリング等の影響が除去されるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、図11に例示される従来の信号受信回路では、チャタリング等の影響が各回路素子の協働によって排除される利点がある。
しかしながら、上記の信号受信回路では、図12の動作タイミングで動作するXOR回路101、OMV102、T−FF103、D−FF104のように、複数種類の電子部品を必須の構成としており、それ故に、回路構成の簡略化には限界がある。このような電子部品を少なくして同一機能を実現することができれば、コスト上も、信号受信回路の信頼性を高める上からも好都合となる。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑み、継続時間が比較的長いチャタリング等をより簡易な構成で除去することができる、改良された信号受信回路を提供することを、その課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する信号受信回路は、一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件(XOR)を判定する第1回路と、自己が復旧状態のときに前記第1回路から出力される信号が最初に有為になった時点で起動して一定時間経過後に再復旧することで当該一定時間だけ有為な論理値となるパルス信号を出力する第2回路と、このパルス信号が有為な論理値に遷移するたびに当該遷移時点の前記パルス信号の論理値とその反転値とが交互に繰り返されるデジタル信号を後段回路に向けて出力する第3回路とを有し、前記一対の入力デジタル信号のうち一方の信号が前記後段回路に入力されるべき受信信号であり、他方の信号が前記第3回路から出力されるデジタル信号を分岐して得られた帰還信号である信号受信回路である。
【0009】
「信号が有為になる」とは、デジタル信号の論理値が、無意味な値から意味をもつ値になることをいい、「有為な論理値」とは意味をもつ論理値の意である。例えば、論理0では無意味であるという回路設計のときに、それが論理1に変化することをここでは「信号が有為になる」という。NOT回路をバッファとして用いるときは、有為な論理値が上記の値と逆になる。
【0010】
この発明において、前記受信信号が、有為な論理値を所定時間維持する第1状態(例えば論理1が継続する状態)と、非有為な論理値を所定時間維持する第2状態(例えば論理0が継続する状態)とを交互に繰り返すデジタル信号である場合、前記第1回路には、前記受信信号が、第2状態から第1状態に最初に遷移する時点および第1状態から第2状態に最初に遷移する時点に、前記第1回路から常に有為な論理値が出力されるタイミングで前記帰還信号が入力されるようにする。これは、回路素子を増やすことなく、信号が第1回路〜第3回路を通過する際の遅延時間を効果的に活用することによって実現が可能である。
このようにすることで、第1状態から第2状態に遷移するとき、および、第2状態から第1状態に遷移するときに、常に第1回路の出力信号が有為な論理値になるので、回路素子を増やすことなく、チャタリング等の影響を確実に阻止できるようになる。
【0011】
好ましくは、前記第2回路が、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間だけ前記パルス信号の有為な論理値を継続するように構成する。
【0012】
本発明が提供する他の信号受信回路は、受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件(XOR)を判定するXOR回路と、このXOR回路の出力信号に基づいて有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記受信信号をデータ入力とし前記OMVから出力されるパルス信号をクロック入力とするD−FFとを有する。
この信号受信回路において、前記一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記D−FFから出力される信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記XOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0013】
このような信号受信回路によれば、より少ない回路素子によりチャタリング等の影響を確実に阻止することができる。
なお、「信号が有為になる」及び「有為な論理値」の意義は上述したとおりである。このような信号受信回路においても、OMVを、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間だけ前記パルス信号の有為な論理値を継続するように構成することが望ましい。
【0014】
より少ない回路素子によりチャタリング等を防止するという観点からは、セットリセット回路を用いた以下のような構成の信号受信回路の実施も可能である。セットリセット回路は、D型、J−K型その他の各種フリップフロップにより構成することができる。フリップフロップも、一対の論理和回路(OR回路)、論理積回路(AND回路)、否定論理和回路(NOR回路)、否定論理積回路(NAND回路)又はこれらの組合せにより構成することができる。
(1)受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号のXOR条件を判定するXOR回路と、このXOR回路の出力信号に基づいて有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記XOR回路の出力信号と前記OMVから出力されるパルス信号との論理積(AND)条件を判定するAND回路と、このAND回路の出力信号と前記受信信号との否定論理積(NAND)条件を判定する第1NAND回路と、前記AND回路の出力信号と前記受信信号の論理値が反転した信号とのNAND条件を判定する第2NAND回路と、前記第1NAND回路と前記第2NAND回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路からの出力信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記XOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0015】
(2)受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号のNAND条件を判定する第1NAND回路と、前記受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号のNOR条件を判定するNOR回路と、前記第1NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記第1NAND回路の出力信号と前記OMVから出力される前記パルス信号との論理和(OR)条件を判定するOR回路と、前記NOR回路の出力信号と前記OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号とのNAND条件を判定する第2NAND回路と、前記OR回路と前記第2NAND回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路から出力される信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記第1NAND回路及び前記NOR回路における一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記セットリセット回路の出力信号を分岐し且つその論理値を反転させて得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記第1NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0016】
(3)受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNAND条件を判定するNAND回路と、前記受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNOR条件を判定するNOR回路と、前記NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成するOMVと、前記NAND回路と前記NOR回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路から出力される信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記NAND回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号と、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記NOR回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記OMVから出力されるパルス信号と、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、前記OMVは、自己が復旧している状態のときに前記NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0017】
(4)受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNAND条件を判定するNAND回路と、前記受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号のNOR条件を判定するNOR回路と、前記NAND回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する第1OMVと、前記NOR回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する第2OMVと、前記第1OMVから出力されるパルス信号と前記第2OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号の一方の信号をセット入力とし、他方の信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有する信号受信回路。
この信号受信回路において、前記NAND回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記第2OMVから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号と、前記セットリセット回路の出力信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号であり、前記NOR回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記第1OMVから出力されるパルス信号と、前記セットリセット回路の出力信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号であり、前記第1OMV及び第2OMVは、自己が復旧している状態のときに前記NAND回路の出力信号または前記NOR回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態では、請求項1の第1回路の例としてXOR回路、第2回路の例としてOMV、第3回路の例としてD−FFを用いた信号受信回路の例を示す。つまり、接続の仕方を代えることにより、図11に示した従来の信号受信回路のT−FF103を不要としている。
この実施形態では、また、一例として、有為な論理値が論理1、非有為な論理値が論理0であり、論理0から論理1への立ち上がりエッジ時に有為な意味をもつものとして説明する。
【0019】
図1は、第一実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図2は、その動作タイミング図である。A1〜A4は、図1の各部の信号波形である。
この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号を入力するための入力端子10と、受信信号に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子11とを有している。
入力端子10に入力された受信信号A1は、XOR回路1の一方の入力端に入力される。このXOR回路1の出力端にはOMV2が接続され、さらにOMV2の出力側には、XOR回路1に入力された受信信号A1から分岐した信号をデータ入力とし、OMV2から出力されるパルス信号A3をクロック入力とするD−FF3が配置される。このD−FF3から出力される信号A4は、上記の出力端子11に導かれるが、その信号A4の分岐信号は、帰還信号としてXOR回路1の他方の入力端に帰還されるようになっている。
【0020】
OMV2は、XOR回路1から出力される信号A2に基づいてパルス信号A3を生成する。すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときにXOR回路1の出力信号A2が最初に論理1になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間Tの経過後に自律的に復旧することによって、XOR回路1の出力信号A2の立ち上がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間Tの経過後に自律的に立ち下がるパルス信号A3を生成する。このパルス信号A3の論理1が継続する時間T1は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号A1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t1よりも長い時間である(図2参照)。
【0021】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
XOR回路1に入力される受信信号A1に対して、D−FF3の出力信号A4から分岐された帰還信号は、XOR回路1、OMV2およびD−FF3を経る分だけタイミングが僅かに遅延してXOR回路1の他方の入力端に入力される。そのため、XOR回路1の出力信号A2は、図2に示されるように、受信信号A1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間および受信信号A1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に常に論理1になり、この出力信号A2が論理1の時点でOMV2が起動してパルス信号A3が論理1となる。このパルス信号A3の立ち上がりに同期してD−FF3の出力信号A4も立ち上がり、論理1となる。
【0022】
このとき、受信信号A1にチャタリング等が含まれていたとしても、OMV2は、時間T1が経過するまでは論理1を維持しているので、チャタリング等による影響は確実に吸収される。
【0023】
その後、パルス信号A3は時間T1の経過後に自律的に復旧して論理0に戻るが、D−FF3の出力信号A4は、論理1を維持している。
パルス信号A3がその後に論理1になると、それに同期してD−FF3の出力信号A4が論理1から論理0に遷移するが、このときも、論理0から論理1に遷移したときと同様、OMV2から出力されるパルス信号A3が時間T1だけ論理1を維持しているので、受信信号A1の立ち下がり時のチャタリング等の影響が確実に吸収される。
【0024】
その結果、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号A1の最初の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち下がった直後のチャタリング等も除去された出力信号A4が出力端子11から出力される。
図1から明らかなように、この信号受信回路は、図11に示した従来の信号受信回路のT−FF103を用いていないので、コストの観点から有利であるだけでなく、MTBF(平均故障間隔)を図11に示した回路よりも長くする観点からも有利となる。
【0025】
なお、本発明は、信号受信回路を図2のようなタイミングで動作させる点に主眼があるので、必ずしも図1に示した回路素子に限定されるものではない。すなわち、XOR回路1と同様の機能を有する他の回路を第1回路、OMV2と同様の機能を有する他の回路を第2回路、D−FF3と同様の機能を有する他の回路を第3回路として用いた場合にも上記の実施形態と同様の効果が得られるものである。
また、図1の信号受信回路を後段回路である論理素子ICのパッケージに同梱してもよく、あるいは図1の信号受信回路のみを単独でパッケージ化することも本発明によれば可能である。
【0026】
<第二実施形態>
この実施形態では、第1回路としてXOR回路、第2回路としてOMV、第3回路として、AND回路、NAND回路、NOT回路、及びセットリセット型のフリップフロップ(SR−FF)を用いた信号受信回路の例を示す。
【0027】
図3は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図4は、その動作タイミング図である。B1〜B7は、図3の各部の信号波形である。 この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号B1を入力するための入力端子30と、例えば受信信号B1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子31とを有している。
入力端子30に入力された受信信号B1は、XOR回路21の一方の入力端に入力される。このXOR回路21から出力される出力信号B2は、OMV22の反転入力に入力される。OMV22の出力端には一対の入力端を有するAND回路23が接続されており、一方の入力端にはOMV22から出力されるパルス信号B4の論理値が反転した信号が入力され、他方の入力端にはXOR回路21の出力信号B2の分岐信号が入力される。
AND回路23から出力される出力信号B3は、それぞれ一対の入力端を有するNAND回路24,26の一方の入力端に入力される。また、NAND回路24の他方の入力端には受信信号B1が入力され、NAND回路26の他方の入力端にはNOT回路25により受信信号B1の論理値が反転した信号が入力される。
NAND回路24及びNAND回路26の出力端には、NAND回路24から出力される出力信号B5をセット入力、NAND回路26から出力される出力信号B6をリセット入力とするSR−FF27が接続されている。SR−FF27から出力される出力信号B7は、出力端子31に導かれるが、その分岐信号は、XOR回路21の他方の入力端に帰還されるようになっている。
【0028】
OMV22は、出力信号B2に基づいてパルス信号B4を生成する。すなわち、自己が復旧している論理1の状態のときに出力信号B2が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T2の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号B2の立ち下がりに同期して立ち下がり、一定の時定数により定まる時間T2の経過後に自律的に立ち上がるパルス信号B4を生成する。このパルス信号B4の論理0が継続する時間T2は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号B1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t2よりも長い時間である(図4参照)。
【0029】
SR−FF27の出力信号B7が論理0のとき、受信信号B1が論理1になると、XOR回路21の出力信号B2も論理1、AND回路23の出力信号B3も論理1となり、NAND回路24の出力信号B5が論理0になるので、FF27の出力信号B7の論理値は反転する。よって、出力信号B7が論理1となるので、出力信号B2は論理0に戻り、OMV22が起動され、パルス信号B4が論理0となる。パルス信号B4が論理0の間は、出力信号B3は論理0となるので、受信信号B1の論理値に関係なく、NAND回路24の出力信号B5とNAND回路26の出力信号B6は共に論理1のままであり、FF27の出力信号B7は論理1のまま維持される。
その後、パルス信号B4が論理1に戻った時点では、受信信号B1に含まれるチャタリングは収束しているので、出力信号B5,B6が共に論理1で、FF27の出力信号B7は論理1のまま維持される。
そして、出力信号B7が論理1のとき、受信信号B1が論理0になると、出力信号B2も論理1、出力信号B3も論理1となり、出力信号B6が論理0になるので、FF27の出力信号B7は反転する。よって、出力信号B7は論理0になるので、出力信号B2は論理0に戻り、OMV22が起動され、パルス信号B4が論理0となる。パルス信号B4が論理0の間は、出力信号B3は論理0となるので、受信信号B1の論理値に関係なく、NAND回路24の出力信号B5とNAND回路26の出力信号B6は共に論理1のままであり、FF27の出力信号B7は論理0のまま維持される。
その後、パルス信号B4が論理1に戻った時点では、上述のように、受信信号B1に含まれるチャタリングは収束しているので、出力信号B5,B6が共に論理1で、FF27の出力信号B7は論理0のまま維持される。
【0030】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
XOR回路21に入力される受信信号B1に対して、SR−FF27の出力信号B7から分岐された信号B7は、OMV22、AND回路23、NAND回路24又は26、SR−FF27を経る分だけタイミングが僅かに遅延してXOR回路21の他方の入力端に入力される。
そのため、XOR回路21の出力信号B2は、図4に示されるように、受信信号B1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間および受信信号B1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に常に論理1になる。
【0031】
図4に示すように、OMV22のパルス信号B4は、この立ち下がりに同期して立ち下がるため、AND回路23の出力信号B3の波形は、受信信号B1の最初の立ち上がり及び最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に常に立ち上がる波形となる。また、受信信号B1にチャタリング等が含まれていたとしてもOMV22は時間T2が経過するまでは論理0を維持しているので、チャタリング等による影響は確実に吸収されている。つまり、出力信号B3では、OMV22の出力期間だけ受信信号B1がゲートオフされることとなる。そして、NAND回路24の出力信号B5の波形は、受信信号B1の最初の立ち上がりに同期して、僅かな時間に常に立ち下がる波形となる。また、NAND回路26の出力信号B6の波形は、受信信号の最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に常に立ち下がる波形となる。
【0032】
SR−FF27は、この出力信号B5をSR−FF27のセット信号とし、出力信号B6をSR−FF27のリセット信号としているので、出力信号B7は論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号B1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち下がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子31から出力されることとなる。
【0033】
このように、図3に示した構成の信号受信回路によっても、チャタリング等の影響が除去される。この実施形態の信号受信回路では、第一実施形態の信号受信回路と異なり、D−FF3は用いておらず、それ故に回路部品(FET等)数が第一実施形態の信号受信回路よりも少ないので、コストの観点からさらに有利であるだけでなく、MTBFを長くする観点からも有利となる。
【0034】
なお、本実施形態では、OMV22を受信信号B1の立ち下がりで起動するものとして説明したが、受信信号B1の立ち上がりで起動し、その他のゲートの論極性を反転させた構成にしてもよい。
【0035】
本発明は、信号受信回路を図4のようなタイミングで動作させる点に主眼があるので、必ずしも図3に示した回路素子に限定されるものではないことは、第一実施形態と同様である。また、図3の信号受信回路を後段回路である論理素子ICのパッケージに同梱してもよく、あるいは図3の信号受信回路のみを単独でパッケージ化してもよい。
【0036】
<第三実施形態>
この実施形態では、XOR回路に代えて、NAND回路、NOR回路及びOR回路を用い、また、OMVと、二つのNAND回路からなるSR−FFとを有する信号受信回路の例を示す。
図5は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図6は、その動作タイミング図である。C1〜C8は、図5の各部の信号波形である。
この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号C1を入力するための入力端子50と、受信信号C1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子51とを有している。
【0037】
入力端子50に入力された受信信号C1は、一対の入力端を有するNAND回路41の一方の入力端に入力される。また、受信信号C1は、一対の入力端を有するNOR回路42の一方の入力端に入力される。NAND回路41から出力される出力信号C2はOMV43に入力され、NOR回路42から出力される出力信号C3はOMV43の反転入力に入力される。
【0038】
OMV43の出力端には一対の入力端を有するOR回路44と、一対の入力端を有するNAND回路45が接続されている。OR回路44の一方の入力端にはOMV43から出力されるパルス信号C4が入力され、他方の入力端には分岐されたNAND回路41の出力信号C2が入力される。
NAND回路45の一方の入力端にはパルス信号C4の反転信号C5が入力され、他方の入力端には分岐されたNOR42の出力信号C3が入力される。OR回路44及びNAND回路45の出力端には、OR回路44から出力される出力信号C6をセット入力、NAND回路45から出力される出力信号C7をリセット入力とするSR−FF46が配置される。SR−FF46から出力される出力信号C8は、出力端子51に導かれるが、その論理値が反転した信号は、それぞれNAND回路41及びNOR回路42の他方の入力端に帰還されるようになっている。
【0039】
OMV43は、NAND回路41の出力信号C2と、NOR回路42の出力信号C3の信号に基づいてパルス信号C4を生成する。
すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときに出力信号C2が最初に論理1になった時点又は出力信号C3が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T3の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号C2の立ち上がり又は出力信号C3の立ち下がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間T3の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号C4を生成する。
このパルス信号C4の論理1が継続する時間T3は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号C1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t3よりも長い時間である(図6参照)。
【0040】
FF46の出力信号C8が論理0のとき、受信信号C1が論理0から論理1になると、NAND回路41の出力信号C2が論理0となるため、OR回路44の出力信号C6が論理0となり、SR−FF46の出力信号C8が反転し、論理1になる。これにより、出力信号C2は論理1に戻り、これに同期してOMV43が起動され、OMV43から出力され、論理反転した信号C5は論理0となるので、受信信号C1に含まれるチャタリングによりNOR回路42の出力信号C3が論理1になっても、NAND回路45の出力信号C7は論理1のままであり、SR−FF46の出力信号C8は、論理1のまま維持される。
その後、信号C5が論理1に戻った時点では受信信号C1のチャタリングは収束し、NOR回路42の出力信号C3が論理0なので、NAND回路45の出力信号C7は論理1となり、SR−FF46の出力信号C8は、論理1のまま維持される。
そして、出力信号C8が論理1のとき、受信信号C1が論理1から論理0になると、出力信号C3が論理1、出力信号C7が論理0となるため、SR−FF46の出力信号C8の論理値が反転して論理0になる。これにより、出力信号C3は論理0に戻り、これに同期してOMV43が起動してパルス信号C4が論理1となるので、受信信号C1に含まれるチャタリングによりNAND回路41の出力信号C2が論理0になっても、出力信号C6は論理1のままとなり、SR−FF46の出力信号C8は、論理0のまま維持される。その後、パルス信号C4が論理0に戻った時点では受信信号C1のチャタリングは収束し、出力信号C2が論理1なので、OR回路44の出力信号C6は論理1となり、SR−FF46の出力信号C8は、論理0のまま維持される。
【0041】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
NAND回路41又はNOR回路42に入力される受信信号C1に対して、入力されるSR−FF46の出力信号C8又はその論理値が反転した信号は、NAND回路41又はNOR回路42、OMV43、OR回路44又はNAND回路45、SR−FF46を経る分だけタイミングが僅かに遅延して、NAND回路41及びNOR回路42の他方の入力端に入力される。
そのため、NAND回路41の出力信号C2は、図6に示されるように、受信信号C1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間に常に論理0になる。また、NOR回路42の出力信号C3は、受信信号C1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に論理1になる。
【0042】
図6に示すように、出力信号C2は、受信信号C1の立ち上がりに同期して立ち下がり、出力信号C3は、受信信号C1の立ち下がりに同期して立ち上がる。OMV43は、出力信号C2の立ち上がりに同期して立ち上がり、また、出力信号C3の立ち下がりに同期して立ち上がる。
このため、OR回路44の出力信号C6の波形は、受信信号C1の最初の立ち上がりに同期して、僅かな時間に立ち下がる波形となる。また、NAND回路45の出力信号C7の波形は、受信信号C1の最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に立ち下がる波形となる。
なお、受信信号C1にチャタリング等が含まれていたとしても、OMV43は時間T3が経過するまでは論理1を維持しているため、チャタリング等による影響は確実に吸収される。つまり、出力信号C6及び出力信号C7では、OMV43の出力期間だけ受信信号C1がゲートオフされることとなり、チャタリング等による影響はない。
【0043】
SR−FF46は、この出力信号C6をセット信号とし、出力信号C7をリセット信号としているので、出力信号C8は、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号C1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子51から出力されることとなる。
図5に示した構成の信号受信回路は、D−FF3を用いていないので、回路部品(FET等)数が第一実施形態の回路よりも少なく、コスト及びMTBFを長くする観点から有利となる。
【0044】
なお、本実施形態では、OMVを出力信号C2の立ち上がりで起動するものとして説明したが、出力信号C2の立ち下がりで起動し、その他のゲートの極性等を反転させて回路を構成してもよい。
【0045】
<第四実施形態>
この実施形態では、NAND回路、NOR回路、OMV、及び、AND回路とOR回路とからなるSR−FF64を有する信号受信回路の例を示す。
図7は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図8は、その動作タイミング図である。D1〜D6は、図8の各部の信号波形である。
この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号D1を入力するための入力端子70と、受信信号D1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子71とを有している。
【0046】
入力端子70に入力された受信信号D1は、三つの入力端を有するNAND回路61の入力端の一つに入力される。また、受信信号D1は、三つの入力端を有するNOR回路62の入力端の一つに入力される。
NAND回路61から出力される出力信号D2はOMV63に入力され、NOR回路62から出力される出力信号D3はOMV63の反転入力に入力される。
【0047】
OMV63から出力されるパルス信号D4は、帰還されてNOR回路62の入力端の一つに入力される。また、パルス信号D4の論理値を反転させた信号D5は、帰還されてNAND回路61の入力端の一つに入力される。
NAND回路61の出力信号D2は、分岐されてSR−FF64のAND回路64Aに入力され、NOR回路62の出力信号D3は、分岐されてSR−FF64のOR64Bに入力される。
SR−FF64から出力される出力信号D6は、出力端子71に導かれるが、この信号は、NAND回路61の入力端の一つに入力されると共に、NOR回路62の入力端の一つに入力される。
【0048】
OMV63は、NAND回路61の出力信号D2と、NOR回路62の出力信号D3の信号に基づいてパルス信号D4を生成する。すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときに出力信号D2が最初に論理1になった時点又は出力信号D3が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T4の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号D2の立ち上がり又は出力信号D3の立ち下がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間T4の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号D4を生成する。
このパルス信号D4の論理1が継続する時間T4は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号D1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t4よりも長い時間である(図8参照)。
なお、SR−FF64は、AND回路64Aの一方の入力端に入力される信号D2が論理1であり、OR64Bの一方の入力端に入力される信号D3が論理0である場合、出力信号D6は論理0または1で安定し、出力信号D2を論理0とすることで出力信号D6を論理0に、出力信号D3を論理1とすることで出力信号D6を論理1とすることができる。
【0049】
SR−FF64の出力信号D6が論理1のとき、受信信号D1が論理0から論理1に変わると、NAND回路61の出力信号D2が論理0となり、SR−FF64の出力信号D6の論理値が反転して論理0となる。出力信号D6が論理0となると、出力信号D2は論理1に戻る。
これに同期してOMV63が起動し、パルス信号D4が論理1となるため、NOR回路62の出力信号D3は受信信号D1の論理値に関係なく、論理0となり、SR−FF64の出力信号D6は反転されない。
その後、OMV63のパルス信号D4が論理0に戻った時点では、受信信号D1に含まれるチャタリングは収束して論理1となっており、出力信号D3は論理0なので、SR−FF64の出力信号D6は、論理0のまま維持される。
そして、出力信号D6が論理0のとき、受信信号D1が論理1から論理0に変わると、NOR回路62の出力信号D3が論理1となり、SR−FF64の出力信号D6の論理値が反転して論理1となる。出力信号D6が論理1となると、出力信号D3は、論理0に戻る。
これに同期して、OMV63が起動し、反転信号D5が論理0になるため、出力信号D2は、受信信号D1の論理値に関係なく論理1であり、SR−FF64の出力信号D6の論理値は反転されない。
その後、OMV63の反転信号D5が論理1に戻った時点では、受信信号D1に含まれるチャタリングは収束して論理0となっており、出力信号D2は論理1なので、SR−FF64の出力信号D6は、論理1のまま維持される。
【0050】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を具体的に説明する。
NAND回路61又はNOR回路62に入力される受信信号D1に対して、帰還されて入力されるOMV63のパルス信号D4又はその反転信号D5、及びSR−FF64の論理値が反転した信号は、NAND回路61又はNOR回路62、SR−FF64を経る分だけタイミングが僅かに遅延してNAND回路61及びNOR回路62の入力端に入力される。
【0051】
そのため、NAND回路61の出力信号D2は、図8に示されるように、受信信号D1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間に論理0になる。同様に、NOR回路62の出力信号D3は、受信信号D1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に論理1になる。
つまり、NAND回路61の出力信号D2の波形は、受信信号D1の最初の立ち上がりに同期して、僅かな時間に立ち下がる波形となる。また、NOR回路62の出力信号D3の波形は、受信信号D1の最初の立ち下がりに同期して、僅かな時間に常に立ち下がる波形となる。
なお、受信信号D1にチャタリング等が含まれていたとしても、OMV63は時間T4が経過するまでは論理1を維持しているので、チャタリング等による影響は確実に吸収される。つまり、出力信号D2及び出力信号D3では、OMV63の出力期間だけ受信信号D1がゲートオフされるため、チャタリング等の影響はない。
SR−FF64の出力信号D6は、上述のように、出力信号D2が論理0となったタイミングで論理0になり、出力信号D3が論理1となったタイミングで論理1になるため、受信信号D1に含まれるチャタリングを除いた、反転波形となる。つまり、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号D1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子71から出力されることとなる。
この実施形態の信号受信回路も、D−FF3を用いておらず、それ故に、回路部品(FET等)数が第一実施形態の回路よりも少なくなり、コスト及びMTBFを長くする観点から有利となる。
【0052】
<第五実施形態>
この実施形態では、NAND回路、NOR回路、二つのOMV、及び、NAND回路とNAND回路からなるSR−FFとを有する信号受信回路の例を示す。
【0053】
図9は、この実施形態による信号受信回路の構成例を示す図であり、図10は、その動作タイミング図である。E1〜E6は、図9の各部の信号波形である。この実施形態の信号受信回路は、図示しない外部回路で受信した受信信号E1を入力するための入力端子90と、受信信号E1に関わる処理を行う論理素子IC等である後段回路へデジタル信号を出力するための出力端子91とを有している。
入力端子90に入力された受信信号E1は、三つの入力端を有するNAND回路81の入力端の一つに入力される。また、受信信号E1は、三つの入力端を有するNOR回路82の入力端の一つに入力される。このNAND回路81の出力端子にはOMV83が接続されている。また、NOR回路82の出力端子にはOMV84が接続されている。
【0054】
OMV83から出力されるパルス信号E4は、帰還されてNOR回路82の入力端の一つに入力される。また、パルス信号E4の論理値が反転した信号は、NAND回路85Aに入力される。OMV84から出力されるパルス信号の論理値が反転した信号E5は、NAND回路85Bに入力されると共に、帰還されてNAND回路81の入力端の一つに入力される。
【0055】
OMV83は、NAND回路81の出力信号E2の論理値が反転した信号に基づいてパルス信号E4を生成する。すなわち、自己が復旧している論理0の状態のときに出力信号E2が最初に論理0になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T5の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号E2の立ち下がりに同期して立ち上がり、一定の時定数により定まる時間T5の経過後に自律的に立ち下がるパルス信号E4を生成する。
このパルス信号E4の論理1が継続する時間T5は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号E1の論理1が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t5よりも長い時間である(図10参照)。
【0056】
OMV84は、NOR回路82の出力信号E3に基づいてパルス信号E5を生成する。すなわち、自己が復旧している論理1の状態のときに出力信号E3が最初に論理1になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間T6の経過後に自律的に復旧することによって、出力信号E3の立ち上がりに同期して立ち下がり、一定の時定数により定まる時間T6の経過後に自律的に立ち上がるパルス信号E5を生成する。
このパルス信号E5の論理0が継続する時間T6は、チャタリング等がないと仮定したときの受信信号E1の論理0が継続する時間よりも短く、且つ予定されるチャタリング等が継続する時間t5よりも長い時間である。
【0057】
SR−FF85の出力信号E6が論理0であるとき、受信信号E1が論理0から論理1になると、NAND回路81の出力信号E2が論理0となり、これに同期してOMV83が起動する。
OMV83の反転信号は論理0となり、SR−FF85の出力信号E6の論理値が反転して論理1となる。この時点で、OMV83のパルス信号E4は論理1なので、チャタリングにより受信信号E1が論理0になっても、NOR回路82の出力信号E3は論理0のままであり、OMV84は起動せず、SR−FF85の出力信号E6は論理1のまま維持される。
その後、パルス信号E4が論理0に戻った時点では、受信信号E1に含まれるチャタリングは収束して論理1となっており、出力信号E3は論理0のままなので、出力信号E6は論理1のまま維持される。
【0058】
そして、出力信号E6が論理1のとき、受信信号E1が論理1から論理0になると、NOR回路82の出力信号E3が論理1となり、これに同期してOMV84が起動する。OMV84から出力されその論理値が反転した信号E5は論理0となり、SR−FF85の出力信号E6は反転し、論理0となる。この時点で、OMV84の反転信号E5が論理0なので、チャタリングにより受信信号E1が論理1になっても、NAND回路81の出力信号E2は論理1のままであり、OMV83は起動せず、SR−FF85の出力信号E6は論理0のまま維持される。その後、パルス信号E4の論理値が反転した信号が論理1に戻った時点では、受信信号E1に含まれるチャタリングは収束し、出力信号E2は論理1のままなので、出力信号E6は論理0のまま維持される。
【0059】
次に、この実施形態の信号受信回路によって、チャタリング等が除去される原理を説明する。
NAND回路81又はNOR回路82に入力される受信信号E1に対して、OMV83のパルス信号E4又はOMV84の論理値が反転した信号E5、及びSR−FF85の論理値が反転した信号は、NAND回路81又はNOR回路82、OMV83又はOMV84、SR−FF85を経る分だけタイミングが僅かに遅延してNAND回路81及びNOR回路82の入力端に入力される。
【0060】
そのため、NAND回路81の出力信号E2は、図10に示されるように、受信信号E1が論理0の状態から最初に論理1に立ち上がる僅かの時間に論理0になる。また、NOR回路の出力信号E3は、受信信号E1が論理1の状態から最初に論理0に立ち下がる僅かの時間に論理1になる。
OMV83のパルス信号E4は、図10に示すように、受信信号E1の立ち上がりに同期して立ち上がり、立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となる。また、OMV84のパルス信号E5は、受信信号E1の立ち下がりに同期して立ち下がり、立ち下がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となる。つまり、OMV83,84の出力期間だけ受信信号E1がゲートオフされることとなる。
SR−FF85の出力信号E6は、この出力信号E4の立ち上がりに同期して立ち上がり、出力信号E5の立ち下がりに同期して立ち下がるため、論理1と論理0が交互に繰り返される受信信号E1の立ち上がり及びチャタリング等が除去された後の最初の立ち下がりのタイミングに同期し、且つ立ち上がった直後のチャタリング等の影響が確実に吸収された波形の信号となり、出力端子91から出力されることとなる。
【0061】
この実施形態の信号受信回路においても、D−FFを用いられておらず、それ故に、回路部品(FET等)数が第一実施形態の回路よりも少ないので、コスト及びMTBFを長くする観点からも有利となる。
また、本実施形態では、他の実施形態と異なりOMVを二つ使用しているが、第四実施形態と比較して、OMVを起動するための必要なパルス幅が広くても確実に動作させることができる利点がある。また、出力信号の極性を選択できる利点がある。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、継続時間の長いチャタリング等を、簡易な構成で除去することができる、高信頼性の信号受信回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図2】図1に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図3】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図4】図3に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図5】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図6】図5に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図7】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図8】図7に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図9】本発明を適用した信号受信回路の構成例を示す図。
【図10】図9に例示した信号受信回路の動作タイミング図。
【図11】従来の信号受信回路の構成例を示す図。
【図12】従来の信号受信回路の動作タイミング図。
【符号の説明】
1,21,101 排他的論理和回路(XOR回路)
2,22,43,63,83,84,102 単安定マルチバイブレータ(OMV)
3,104 D型フリップフロップ回路(D−FF)
23,64A 論理積回路(AND回路)
24,26,41,45,61,81,85A,85B 否定論理積回路(NAND回路)
25 否定回路(NOT回路)
27,46,64,85 セットリセット型のフリップフロップ回路(SR−FF)
10,30,50,70,90,110 入力端子
11,31,51,71,91,111 出力端子
42,62,82 否定論理和回路(NOR回路)
44,64B 論理和回路(OR回路)
103 T型フリップフロップ回路(T−FF)
Claims (8)
- 一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件を判定する第1回路と、
自己が復旧状態のときに前記第1回路から出力される信号が最初に有為になった時点で起動して一定時間経過後に再復旧することで当該一定時間だけ有為な論理値となるパルス信号を出力する第2回路と、
このパルス信号が有為な論理値に遷移するたびに当該遷移時点の前記パルス信号の論理値とその反転値とが交互に繰り返されるデジタル信号を後段回路に向けて出力する第3回路とを有し、
前記一対の入力デジタル信号のうち一方の信号が前記後段回路に入力されるべき受信信号であり、他方の信号が前記第3回路から出力されるデジタル信号を分岐して得られた帰還信号である、
信号受信回路。 - 前記受信信号が、有為な論理値を所定時間維持する第1状態と、非有為な論理値を所定時間維持する第2状態とを交互に繰り返すデジタル信号であり、
前記第1回路には、
前記受信信号が、第2状態から第1状態に最初に遷移する時点および第1状態から第2状態に最初に遷移する時点に、前記第1回路から常に有為な論理値が出力されるタイミングで前記帰還信号が入力されるように構成されている、
請求項1記載の信号受信回路。 - 前記第2回路が、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間だけ前記パルス信号の有為な論理値を継続するように構成されている、
請求項1記載の信号受信回路。 - 受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件を判定する排他的論理和回路と、
この排他的論理和回路の出力信号に基づいて有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する単安定マルチバイブレータと、
前記受信信号をデータ入力とし前記単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号をクロック入力とするD型フリップフロップ回路とを有し、
前記一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記D型フリップフロップ回路から出力される信号を分岐して得られた帰還信号であり、
前記単安定マルチバイブレータは、自己が復旧している状態のときに前記排他的論理和回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、
当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である、
信号受信回路。 - 受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号の排他的論理和条件を判定する排他的論理和回路と、
この排他的論理和回路の出力信号に基づいて有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する単安定マルチバイブレータと、
前記排他的論理和回路の出力信号と前記単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号との論理積条件を判定する論理積回路と、
この論理積回路の出力信号と前記受信信号との否定論理積条件を判定する第1否定論理積回路と、
前記論理積回路の出力信号と前記受信信号の論理値が反転した信号との否定論理積を判定する第2否定論理積回路と、
前記第1否定論理積回路と前記第2否定論理積回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路からの出力信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有し、
前記一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、
前記単安定マルチバイブレータは、自己が復旧している状態のときに前記排他的論理和回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、
当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である、
信号受信回路。 - 受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号の否定論理積条件を判定する第1否定論理積回路と、
前記受信信号をその一方の信号とする、一対の入力デジタル信号の否定論理和条件を判定する否定論理和回路と、
前記第1否定論理積回路の出力信号または前記否定論理和回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する単安定マルチバイブレータと、
前記第1否定論理積回路の出力信号と前記単安定マルチバイブレータから出力される前記パルス信号との論理和条件を判定する論理和回路と、
前記否定論理和回路の出力信号と前記単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号との否定論理積条件を判定する第2否定論理積回路と、
前記論理和回路と前記第2否定論理積回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路から出力される信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有し、
前記第1否定論理積回路及び前記否定論理和回路における一対の入力デジタル信号の他方の信号は、前記セットリセット回路の出力信号を分岐し且つその論理値を反転させて得られた帰還信号であり、
前記単安定マルチバイブレータは、自己が復旧している状態のときに前記第1否定論理積回路の出力信号または前記否定論理和回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、
当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である、
信号受信回路。 - 受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号の否定論理積条件を判定する否定論理積回路と、
前記受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号の否定論理和条件を判定する否定論理和回路と、
前記否定論理積回路の出力信号または前記否定論理和回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する単安定マルチバイブレータと、
前記否定論理積回路と前記否定論理和回路の一方の回路から出力される信号をセット入力、他方の回路から出力される信号をリセット入力とするセットリセット回路とを有し、
前記否定論理積回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号と、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、
前記否定論理和回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号と、前記セットリセット回路の出力信号を分岐して得られた帰還信号であり、
前記単安定マルチバイブレータは、自己が復旧している状態のときに前記否定論理積回路の出力信号または前記否定論理和回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、
当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である、
信号受信回路。 - 受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号の否定論理積条件を判定する否定論理積回路と、
前記受信信号をその一つの信号とする、三つの入力デジタル信号の否定論理和条件を判定する否定論理和回路と、
前記否定論理積回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する第1単安定マルチバイブレータと、
前記否定論理和回路の出力信号に基づいて、有為な論理値が一定時間だけ継続するパルス信号を生成する第2単安定マルチバイブレータと、
前記第1単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号と前記第2単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号の一方の信号をセット入力とし、他方の信号をリセット入力とするセットリセット回路と、
前記否定論理積回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記第2単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号と、前記セットリセット回路の出力信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号であり、
前記否定論理和回路における三つの入力デジタル信号の他の信号は、前記第1単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号と、前記セットリセット回路の出力信号の論理値が反転した信号から得られた帰還信号であり、
前記第1単安定マルチバイブレータ及び第2単安定マルチバイブレータは、自己が復旧している状態のときに前記否定論理積回路の出力信号または前記否定論理和回路の出力信号が最初に有為になった時点で起動し、一定の時定数により定まる時間の経過後に自律的に復旧することによって前記パルス信号を生成するものであり、
当該パルス信号の有為な論理値が継続する時間は、チャタリング及び/又はリンギングがないと仮定したときの前記受信信号の有為な論理値が継続する時間よりも短く、且つ予定される前記チャタリング及び/又はリンギングが継続する時間よりも長い時間である、
信号受信回路。
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