JP2004080639A - ガンダイオード発振器および電圧制御発振器および無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイアス基板の孔に、ガンダイオードにマウントされたガンダイオードの突起部を挿入してなるガンダイオード発振器において、突起部が基板の表面よりも下に位置する構成を可能とするガンダイオード発振器を提供する。
【解決手段】バイアス基板上に形成された線路と、ガンダイオードの突起部にある導体部とを、下方に凸部を有する金属箔によって電気的に接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】バイアス基板上に形成された線路と、ガンダイオードの突起部にある導体部とを、下方に凸部を有する金属箔によって電気的に接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯やミリ波帯で発振動作するガンダイオード発振器およびそれを用いた電圧制御発振器、およびそれを用いた無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FMレーダーモジュールなどにおいてマイクロ波帯やミリ波帯の高周波を発振させるためにガンダイオード発振器が用いられる。ガンダイオード発振器は、ガンダイオードマウント、ガンダイオード、バイアス基板からなる。ガンダイオードはガンダイオードマウントにマウントされている。また、バイアス基板上にはバイアス線路や共振電極などが形成されており、バイアス線路とガンダイオードの突起部の先端にある導体部とが電気的に接合されている。
【0003】
そのようなガンダイオード発振器において、ガンダイオードマウントとバイアス基板との位置決めのために、バイアス基板に孔をあけてガンダイオードの突起部をこの孔に挿入する構造が特開平6−177649号公報、特開2001−77659号公報において開示されている。
【0004】
特開平6−177649号公報に開示されている技術を図5に示す。図5はガンダイオード発振器を示す断面図である。ガンダイオード10は、ピルパッケージ11と突起部12とからなる。突起部12はセラミック円筒13と導体部14とからなっている。ピルパッケージ11にガンダイオード素子15がマウントされており、ガンダイオード素子15の周囲はセラミック円筒13で覆われ、その開口部を導体部14によって閉じている。導体部14とガンダイオード素子15とは金線リード16を介して電気的に接続されている。ガンダイオード10とガンダイオードマウント20とは螺着によって接合されており、バイアス基板30にあけられた孔にガンダイオード10の突起部12が挿入されている。ガンダイオード10の突起部12の先端にある導体部14とバイアス基板30上のバイアス線路31とは、金箔42によって電気的に接合されている。
【0005】
また、特開2001−77654号公報に開示される技術を図6に示す。図5と同一の部分には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。ガンダイオード10とガンダイオードマウント20とは螺合されており、バイアス基板30にあけられた孔にガンダイオード10の突起部12が挿入されている。ガンダイオード10の突起部12の先端にある導体部14とバイアス基板30上の導体ランド33とは、はんだ43によって電気的に接続されている。図示していないが、導体ランド33はバイアス線路、伝送線路と電気的に接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ガンダイオード発振器においては、バイアス基板の表面の線路とガンダイオードの突起部の先端にある導体部との距離によって特性が変化することがわかっており、ある条件の下では導体部をバイアス基板の表面よりも下になるように構成すると良好な特性を得られることがわかった。図7に示す実験結果はそのような場合の一例である。図中においてxは、基板表面とガンダイオードの突起部の頂点との縦方向の相対的位置関係を表し、x=0とは、バイアス基板の表面とガンダイオードの突起部の頂点とが同一平面上にあることを意味し、x=−0.13とは、ガンダイオードの突起部の頂点がバイアス基板の表面よりも0.13mm下にあることを意味する。また、ΔPは出力変動幅を示す。x=−0.13とした場合はx=0とした場合よりも出力が大きく、出力のバラツキ(ΔP)が小さいことがわかる。
【0007】
ところが、上記の公開公報に開示された技術ではガンダイオードの導体部がバイアス基板の線路と同一平面上にあるか、または導体部がバイアス基板の表面より突出した構造となっていないと、導体部とバイアス基板の導体ランドあるいはバイアス線路、伝送線路とを接合できない。すなわち、上記特開平6−177649号公報に開示されている技術では、図5から明らかなようにバイアス基板30の表面とガンダイオード10の突起部12の頂点とが略同一平面上になければならない。また、上記特開2001−77654号公報に開示されている技術では、図6から明らかなようにガンダイオード10の突起部12の頂点はバイアス基板30の表面よりも上に形成されていなければならない。
【0008】
本発明の目的は、ガンダイオード10の突起部12の頂点がバイアス基板30の表面よりも下に位置するように設計することが可能になるようなガンダイオード発振器の構成を提供することであり、また、そのガンダイオード発振器を用いた電圧制御発振器、その電圧制御発振器を用いた無線装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のガンダイオード発振器は、孔が設けられ、かつ表面に伝送線路が形成された基板と、ガンダイオードマウントと、該ガンダイオードマウントに一部が埋め込まれたガンダイオードとを有し、前記基板は前記ガンダイオードマウント上に取り付けられ、前記ガンダイオードの突起部は、その頂点が前記基板の表面よりも下に位置するように、前記基板の裏面側から前記孔に挿入され、凸部が形成された金属箔が前記孔上に張り渡され、前記金属箔を張り渡している両端部が前記伝送線路に接合され、前記金属箔の凸部は前記ガンダイオードの突起部にある導体部と接合されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構造により、ガンダイオードの突起部の頂点が基板の表面よりも下に位置するような設計が可能となり、出力や出力変動幅などの特性が良好なガンダイオード発振器を得ることができる。
【0011】
また、本発明の電圧制御発振器は、上記ガンダイオード発振器と、可変容量ダイオードと、共振器とを含むことを特徴とする。これによって出力や出力変動幅などの特性が良好な電圧制御発振器を得ることができる。
【0012】
また、本発明の無線装置は、上記電圧制御発振器を含むことを特徴とする。これによって出力や出力変動幅などの特性が良好な無線装置を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下に図を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施例に係るガンダイオード発振器を示す断面図である。図2はガンダイオードが接続されたバイアス基板の平面図を示す。
【0014】
ガンダイオード10は、外側面にネジが切られているピルパッケージ11と、突起部12とからなる。突起部12はセラミック円筒13と導体部14とからなっている。ピルパッケージ11にガンダイオード素子15がマウントされており、ガンダイオード素子15の周囲はセラミック円筒13で覆われ、その開口部を導体部14によって閉じている。導体部14とガンダイオード素子15とは金線リード16を介して電気的に接続されている。ガンダイオード10は接地電位に保たれたガンダイオードマウント20に螺着によって保持され、ガンダイオードマウント20を一方の電極、導体部14を他方の電極としている。
【0015】
バイアス基板30には孔30aが設けられており、ガンダイオード10の突起部12が、この孔30aに挿入されている。このとき、突起部12の上端はバイアス基板30の表面よりも下にある。バイアス基板30上のバイアス線路31と伝送線路32との間には凸部付きの銅箔41が凸部を下にして張り渡されており、銅箔41の凸部がガンダイオード10の突起部12の上面にある導体部14と接合されている。
【0016】
バイアス基板30の表面とガンダイオード10の突起部12の頂点との位置関係は、ガンダイオード発振器の発振周波数や出力などの特性に影響を与え、ある設計の下では、突起部12がバイアス基板30の表面と同一平面上、あるいはバイアス基板30の表面よりも突出していると特性の悪化を招くことがわかった。本発明は、突起部12をバイアス基板30の表面よりも下に構成したときに良好な特性を得られる場合に向けられたものである。
【0017】
本発明ではバイアス基板30の表面に形成されたバイアス線路31および伝送線路32と、突起部12の上面にある導体部14とは、凸部を有する銅箔41によって電気的に接合されている。銅箔41は下方に凸部を有しているため、バイアス基板30を曲げるなどすることなくバイアス線路31および伝送線路32と導体部14との導通を図ることが可能となり、これによって銅箔41と導体部14との導通は安定し、ガンダイオード発振器の特性が安定する。なお、図2(a)は、銅箔41を接合する前のバイアス基板30の平面図であり、図2(b)は銅箔41を接合した後のバイアス基板30の平面図を示している。また、図2において34は共振電極であり、共振電極34の寸法によってガンダイオード発振器の発振周波数が決まる。
【0018】
次に本発明のガンダイオード発振器の動作を説明する。バイアス基板30上に形成されたバイアス線路31からガンダイオード10にバイアス電圧が供給され、ガンダイオード10は発振する。ガンダイオード10で発振された信号は伝送線路32を伝わって共振電極34へと導かれる。共振電極34に伝えられた信号は、図示していないが、誘電体線路などに伝播される。
【0019】
(実施の形態2)本発明の第2の実施の形態として、上述したガンダイオード発振器を用いた電圧制御発振器(VCO)について説明する。図3に本発明の電圧制御発振器の斜視図を示す。図3では上部導体板51を透視して示している。下部導体板52はガンダイオードマウントとなっており、下部導体板52上にはガンダイオード、バイアス基板30、誘電体ストリップ60が取り付けられている。誘電体ストリップ60は、上部導体板51および下部導体板52にそれぞれ形成されている溝にはめ込まれており、非放射性誘電体線路となっている。上部導体板51の裏面のうちバイアス基板30と対向する部分には凹部がある。バイアス基板30上にはバイアス供給線路31、31a、31b、伝送線路32、共振電極34が形成されている。また、共振電極34には可変容量ダイオード70が接続されている。バイアス線路31および伝送線路32とガンダイオードの導体部とは、上述したように凸部付きの銅箔41によって電気的に接続されている。
【0020】
次に、この電圧制御発振器の動作について説明する。ガンダイオードには第1のバイアス供給線路31aから電圧が供給され、第1のバイアス線路31に供給される電圧によってガンダイオードのバイアス電圧が調整される。また、可変容量ダイオード70の制御電圧は、第1のバイアス線路31aと第2のバイアス線路31bとの電圧の差によって調整される。ガンダイオードで発振された信号は共振電極34を介して誘電体ストリップ60に伝搬されるが、このとき可変容量ダイオード70の制御電圧によって信号の周波数が調整される。よって、可変容量ダイオード70の制御電圧を調整することによって電圧制御発振器の発振周波数を変化させることができる。
【0021】
(実施の形態3)本発明の第3の実施の形態として、上記の電圧制御発振器を用いた無線装置について説明する。図4は本発明の無線装置のブロック図である。この無線装置は、例えばFMレーダモジュールなどに使用されるものである。
【0022】
ここでVCOは、第2の実施例に記載の電圧制御発振器であり、変調信号に応じたミリ波信号を発振する。アイソレータは、VCOの発振信号をカプラ方面へ伝送すると共に、アイソレータ方向から伝搬してくる反射波がVCO方向へ伝搬されることを防ぐ。カプラは、アイソレータ方向からの信号を送信信号Txとしてサーキュレータ方向へ伝送すると共に、その一部をローカル信号Loとして取り出し、ミキサへ伝送する。終端器は、サーキュレータからカプラ方向へ戻る反射波を吸収する。サーキュレータは送信信号Txをアンテナへ伝搬させると共に、アンテナからの受信信号Rxをミキサへ伝搬させる。ミキサは受信信号Rxとローカル信号Loとをミキシングし、これらの差の周波数成分を中間波信号IFとして生成し、出力する。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、凸部付きの金属箔を用いてバイアス線路とガンダイオードの導体部とを電気的に接続することによってガンダイオードの導体部がバイアス基板の表面よりも下に位置するような構成が可能となり、出力や出力変動幅などの特性が良好なガンダイオード発振器を構成することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、ガンダイオードを用いる電圧制御発振器において、出力や出力変動幅などの特性が良好な電圧制御発振器を構成することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、ミリ波レーダなどに用いられる無線装置において、出力や出力変動幅などの特性が良好な無線装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るガンダイオード発振器を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るガンダイオード発振器の、バイアス基板を示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る電圧制御発振器を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る無線装置を示すブロック図である。
【図5】従来のガンダイオード発振器を示す断面図である。
【図6】従来のガンダイオード発振器を示す断面図である。
【図7】ガンダイオード発振器の特性を示す図である。
【符号の説明】
10 ガンダイオード
11 ピルパッケージ
12 突起部
13 セラミック円筒
14 導体部
15 ガンダイオード素子
16 金線リード
20 ガンダイオードマウント
30 バイアス基板
30a 孔
31 バイアス線路
31a 第1のバイアス線路
31b 第2のバイアス線路
32 伝送線路
33 導体ランド
34 共振電極
41 銅箔
42 金箔
43 はんだ
51 上部導体板
52 下部導体板
60 誘電体ストリップ
70 可変容量ダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯やミリ波帯で発振動作するガンダイオード発振器およびそれを用いた電圧制御発振器、およびそれを用いた無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FMレーダーモジュールなどにおいてマイクロ波帯やミリ波帯の高周波を発振させるためにガンダイオード発振器が用いられる。ガンダイオード発振器は、ガンダイオードマウント、ガンダイオード、バイアス基板からなる。ガンダイオードはガンダイオードマウントにマウントされている。また、バイアス基板上にはバイアス線路や共振電極などが形成されており、バイアス線路とガンダイオードの突起部の先端にある導体部とが電気的に接合されている。
【0003】
そのようなガンダイオード発振器において、ガンダイオードマウントとバイアス基板との位置決めのために、バイアス基板に孔をあけてガンダイオードの突起部をこの孔に挿入する構造が特開平6−177649号公報、特開2001−77659号公報において開示されている。
【0004】
特開平6−177649号公報に開示されている技術を図5に示す。図5はガンダイオード発振器を示す断面図である。ガンダイオード10は、ピルパッケージ11と突起部12とからなる。突起部12はセラミック円筒13と導体部14とからなっている。ピルパッケージ11にガンダイオード素子15がマウントされており、ガンダイオード素子15の周囲はセラミック円筒13で覆われ、その開口部を導体部14によって閉じている。導体部14とガンダイオード素子15とは金線リード16を介して電気的に接続されている。ガンダイオード10とガンダイオードマウント20とは螺着によって接合されており、バイアス基板30にあけられた孔にガンダイオード10の突起部12が挿入されている。ガンダイオード10の突起部12の先端にある導体部14とバイアス基板30上のバイアス線路31とは、金箔42によって電気的に接合されている。
【0005】
また、特開2001−77654号公報に開示される技術を図6に示す。図5と同一の部分には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。ガンダイオード10とガンダイオードマウント20とは螺合されており、バイアス基板30にあけられた孔にガンダイオード10の突起部12が挿入されている。ガンダイオード10の突起部12の先端にある導体部14とバイアス基板30上の導体ランド33とは、はんだ43によって電気的に接続されている。図示していないが、導体ランド33はバイアス線路、伝送線路と電気的に接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ガンダイオード発振器においては、バイアス基板の表面の線路とガンダイオードの突起部の先端にある導体部との距離によって特性が変化することがわかっており、ある条件の下では導体部をバイアス基板の表面よりも下になるように構成すると良好な特性を得られることがわかった。図7に示す実験結果はそのような場合の一例である。図中においてxは、基板表面とガンダイオードの突起部の頂点との縦方向の相対的位置関係を表し、x=0とは、バイアス基板の表面とガンダイオードの突起部の頂点とが同一平面上にあることを意味し、x=−0.13とは、ガンダイオードの突起部の頂点がバイアス基板の表面よりも0.13mm下にあることを意味する。また、ΔPは出力変動幅を示す。x=−0.13とした場合はx=0とした場合よりも出力が大きく、出力のバラツキ(ΔP)が小さいことがわかる。
【0007】
ところが、上記の公開公報に開示された技術ではガンダイオードの導体部がバイアス基板の線路と同一平面上にあるか、または導体部がバイアス基板の表面より突出した構造となっていないと、導体部とバイアス基板の導体ランドあるいはバイアス線路、伝送線路とを接合できない。すなわち、上記特開平6−177649号公報に開示されている技術では、図5から明らかなようにバイアス基板30の表面とガンダイオード10の突起部12の頂点とが略同一平面上になければならない。また、上記特開2001−77654号公報に開示されている技術では、図6から明らかなようにガンダイオード10の突起部12の頂点はバイアス基板30の表面よりも上に形成されていなければならない。
【0008】
本発明の目的は、ガンダイオード10の突起部12の頂点がバイアス基板30の表面よりも下に位置するように設計することが可能になるようなガンダイオード発振器の構成を提供することであり、また、そのガンダイオード発振器を用いた電圧制御発振器、その電圧制御発振器を用いた無線装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のガンダイオード発振器は、孔が設けられ、かつ表面に伝送線路が形成された基板と、ガンダイオードマウントと、該ガンダイオードマウントに一部が埋め込まれたガンダイオードとを有し、前記基板は前記ガンダイオードマウント上に取り付けられ、前記ガンダイオードの突起部は、その頂点が前記基板の表面よりも下に位置するように、前記基板の裏面側から前記孔に挿入され、凸部が形成された金属箔が前記孔上に張り渡され、前記金属箔を張り渡している両端部が前記伝送線路に接合され、前記金属箔の凸部は前記ガンダイオードの突起部にある導体部と接合されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構造により、ガンダイオードの突起部の頂点が基板の表面よりも下に位置するような設計が可能となり、出力や出力変動幅などの特性が良好なガンダイオード発振器を得ることができる。
【0011】
また、本発明の電圧制御発振器は、上記ガンダイオード発振器と、可変容量ダイオードと、共振器とを含むことを特徴とする。これによって出力や出力変動幅などの特性が良好な電圧制御発振器を得ることができる。
【0012】
また、本発明の無線装置は、上記電圧制御発振器を含むことを特徴とする。これによって出力や出力変動幅などの特性が良好な無線装置を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下に図を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施例に係るガンダイオード発振器を示す断面図である。図2はガンダイオードが接続されたバイアス基板の平面図を示す。
【0014】
ガンダイオード10は、外側面にネジが切られているピルパッケージ11と、突起部12とからなる。突起部12はセラミック円筒13と導体部14とからなっている。ピルパッケージ11にガンダイオード素子15がマウントされており、ガンダイオード素子15の周囲はセラミック円筒13で覆われ、その開口部を導体部14によって閉じている。導体部14とガンダイオード素子15とは金線リード16を介して電気的に接続されている。ガンダイオード10は接地電位に保たれたガンダイオードマウント20に螺着によって保持され、ガンダイオードマウント20を一方の電極、導体部14を他方の電極としている。
【0015】
バイアス基板30には孔30aが設けられており、ガンダイオード10の突起部12が、この孔30aに挿入されている。このとき、突起部12の上端はバイアス基板30の表面よりも下にある。バイアス基板30上のバイアス線路31と伝送線路32との間には凸部付きの銅箔41が凸部を下にして張り渡されており、銅箔41の凸部がガンダイオード10の突起部12の上面にある導体部14と接合されている。
【0016】
バイアス基板30の表面とガンダイオード10の突起部12の頂点との位置関係は、ガンダイオード発振器の発振周波数や出力などの特性に影響を与え、ある設計の下では、突起部12がバイアス基板30の表面と同一平面上、あるいはバイアス基板30の表面よりも突出していると特性の悪化を招くことがわかった。本発明は、突起部12をバイアス基板30の表面よりも下に構成したときに良好な特性を得られる場合に向けられたものである。
【0017】
本発明ではバイアス基板30の表面に形成されたバイアス線路31および伝送線路32と、突起部12の上面にある導体部14とは、凸部を有する銅箔41によって電気的に接合されている。銅箔41は下方に凸部を有しているため、バイアス基板30を曲げるなどすることなくバイアス線路31および伝送線路32と導体部14との導通を図ることが可能となり、これによって銅箔41と導体部14との導通は安定し、ガンダイオード発振器の特性が安定する。なお、図2(a)は、銅箔41を接合する前のバイアス基板30の平面図であり、図2(b)は銅箔41を接合した後のバイアス基板30の平面図を示している。また、図2において34は共振電極であり、共振電極34の寸法によってガンダイオード発振器の発振周波数が決まる。
【0018】
次に本発明のガンダイオード発振器の動作を説明する。バイアス基板30上に形成されたバイアス線路31からガンダイオード10にバイアス電圧が供給され、ガンダイオード10は発振する。ガンダイオード10で発振された信号は伝送線路32を伝わって共振電極34へと導かれる。共振電極34に伝えられた信号は、図示していないが、誘電体線路などに伝播される。
【0019】
(実施の形態2)本発明の第2の実施の形態として、上述したガンダイオード発振器を用いた電圧制御発振器(VCO)について説明する。図3に本発明の電圧制御発振器の斜視図を示す。図3では上部導体板51を透視して示している。下部導体板52はガンダイオードマウントとなっており、下部導体板52上にはガンダイオード、バイアス基板30、誘電体ストリップ60が取り付けられている。誘電体ストリップ60は、上部導体板51および下部導体板52にそれぞれ形成されている溝にはめ込まれており、非放射性誘電体線路となっている。上部導体板51の裏面のうちバイアス基板30と対向する部分には凹部がある。バイアス基板30上にはバイアス供給線路31、31a、31b、伝送線路32、共振電極34が形成されている。また、共振電極34には可変容量ダイオード70が接続されている。バイアス線路31および伝送線路32とガンダイオードの導体部とは、上述したように凸部付きの銅箔41によって電気的に接続されている。
【0020】
次に、この電圧制御発振器の動作について説明する。ガンダイオードには第1のバイアス供給線路31aから電圧が供給され、第1のバイアス線路31に供給される電圧によってガンダイオードのバイアス電圧が調整される。また、可変容量ダイオード70の制御電圧は、第1のバイアス線路31aと第2のバイアス線路31bとの電圧の差によって調整される。ガンダイオードで発振された信号は共振電極34を介して誘電体ストリップ60に伝搬されるが、このとき可変容量ダイオード70の制御電圧によって信号の周波数が調整される。よって、可変容量ダイオード70の制御電圧を調整することによって電圧制御発振器の発振周波数を変化させることができる。
【0021】
(実施の形態3)本発明の第3の実施の形態として、上記の電圧制御発振器を用いた無線装置について説明する。図4は本発明の無線装置のブロック図である。この無線装置は、例えばFMレーダモジュールなどに使用されるものである。
【0022】
ここでVCOは、第2の実施例に記載の電圧制御発振器であり、変調信号に応じたミリ波信号を発振する。アイソレータは、VCOの発振信号をカプラ方面へ伝送すると共に、アイソレータ方向から伝搬してくる反射波がVCO方向へ伝搬されることを防ぐ。カプラは、アイソレータ方向からの信号を送信信号Txとしてサーキュレータ方向へ伝送すると共に、その一部をローカル信号Loとして取り出し、ミキサへ伝送する。終端器は、サーキュレータからカプラ方向へ戻る反射波を吸収する。サーキュレータは送信信号Txをアンテナへ伝搬させると共に、アンテナからの受信信号Rxをミキサへ伝搬させる。ミキサは受信信号Rxとローカル信号Loとをミキシングし、これらの差の周波数成分を中間波信号IFとして生成し、出力する。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、凸部付きの金属箔を用いてバイアス線路とガンダイオードの導体部とを電気的に接続することによってガンダイオードの導体部がバイアス基板の表面よりも下に位置するような構成が可能となり、出力や出力変動幅などの特性が良好なガンダイオード発振器を構成することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、ガンダイオードを用いる電圧制御発振器において、出力や出力変動幅などの特性が良好な電圧制御発振器を構成することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、ミリ波レーダなどに用いられる無線装置において、出力や出力変動幅などの特性が良好な無線装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るガンダイオード発振器を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るガンダイオード発振器の、バイアス基板を示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る電圧制御発振器を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る無線装置を示すブロック図である。
【図5】従来のガンダイオード発振器を示す断面図である。
【図6】従来のガンダイオード発振器を示す断面図である。
【図7】ガンダイオード発振器の特性を示す図である。
【符号の説明】
10 ガンダイオード
11 ピルパッケージ
12 突起部
13 セラミック円筒
14 導体部
15 ガンダイオード素子
16 金線リード
20 ガンダイオードマウント
30 バイアス基板
30a 孔
31 バイアス線路
31a 第1のバイアス線路
31b 第2のバイアス線路
32 伝送線路
33 導体ランド
34 共振電極
41 銅箔
42 金箔
43 はんだ
51 上部導体板
52 下部導体板
60 誘電体ストリップ
70 可変容量ダイオード
Claims (3)
- 孔が設けられ、かつ表面に伝送線路が形成された基板と、ガンダイオードマウントと、該ガンダイオードマウントに一部が埋め込まれたガンダイオードとを有し、
前記基板は前記ガンダイオードマウント上に取り付けられ、
前記ガンダイオードの突起部は、その頂点が前記基板の表面よりも下に位置するように、前記基板の裏面側から前記孔に挿入され、
凸部が形成された金属箔が前記孔上に張り渡され、
前記金属箔を張り渡している両端部が前記伝送線路に接合され、
前記金属箔の凸部は前記ガンダイオードの突起部にある導体部と接合されていることを特徴とする、ガンダイオード発振器。 - 請求項1に記載のガンダイオード発振器と、可変容量ダイオードと、共振器とを含むことを特徴とする、電圧制御発振器。
- 請求項2に記載の電圧制御発振器を含むことを特徴とする、無線装置。
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-
2002
- 2002-08-21 JP JP2002241096A patent/JP2004080639A/ja active Pending
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