JP2004078896A - 光学情報コードの読取方法および光学情報コード読取装置 - Google Patents

光学情報コードの読取方法および光学情報コード読取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通常の読取処理を繰り返し行う間に、毎時の画像中の光学情報コードの質がデコード不可能な方向に変化していないか否かを判断できるようにする。
【解決手段】コントローラ2は、2次元コード7をカメラ3に撮像させる処理と、得られた画像上の2次元コードの光学情報をデコードする処理とを繰り返し実行する。この読取処理においてデコードに成功すると、コントローラ2では、デコード処理の過程で行った処理の結果や2次元コードの画像データを用いて、処理対象の2次元コードの評価値を算出するとともに、この評価値の経時変化を示すグラフを表示する処理を実行する。さらにコントローラ2は、評価値を所定の警告レベルと比較し、評価値が警告レベル以下となる状態が所定回数発生したことに応じて警告信号を出力する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バーコードや2次元コードのように、視覚認識が可能であり、所定の情報がエンコードされたパターンを含むシンボルを、カメラ、スキャナなどにより撮像し、生成された画像中のシンボルに対する画像処理を行って、そのシンボルにより表示される情報を読み取る技術に関連する。なお、この明細書では、上記のシンボルにより表される視覚認識可能な情報(たとえば白黒、濃淡、または色彩の配列状態)を「光学情報」と呼び、前記シンボルを「光学情報コード」と呼ぶことにする。
【0002】
【従来の技術】
バーコードや2次元コードは、光学情報の最小単位を示す白または黒の小領域を規定された方法に基づいて配置することにより種々の情報を表すように設定されている。特に2次元コードは、「セル」と呼ばれる小領域が2次元配列されているため、バーコードよりも多数の情報を表すことができる。
【0003】
図21(1)(2)は、それぞれ代表的な2次元コードであるデータマトリクスとQRコードとを示す。データマトリクスは、直交する2辺にコードの方向を示すL字状のファインダパターン40が形成され、他の直交する2辺に同じくL字状のタイミングパターン41が形成される。一般に、ファインダパターン40は黒いセルを配列することで構成され、タイミングパターン41は、白いセルと黒いセルとが交互に配列された構成をとる(以下、白いセルを「白セル」、黒いセルを「黒セル」という。)。
【0004】
一方、QRコードには、矩形状の3個の位置決めシンボル42a,42b,42cによるファインダパターン42が設けられる。各位置決めシンボル42a,42b,42cは、複数の黒セルによる矩形パターンの周囲に白セルの枠を配置し、さらにその外側に黒セルの枠を配置して成る。これら位置決めシンボル42a,42b,42cは、それぞれコードの頂点に対応する位置に配備され、それぞれのシンボル42a,42b,42cの内側の角部を結ぶように、白セルと黒セルとが交互に配列されたL字型のタイミングパターン43が形成される。
なお、データマトリクス、QRコードのいずれにおいても、図示の白セルと黒セルとの関係は、背景の状態によって逆転することがある。
【0005】
上記のような2次元コードを読み取る際には、まずエッジ抽出処理やパターンマッチング処理などによる画像処理により、画像上のファインダパターン40,42を抽出してコードの位置および向きを認識する。つぎに、抽出されたファインダパターン40,42に基づき、タイミングパターン41,43を検出する。そして、このタイミングパターン41,43での白セルと黒セルとの配列に基づき、その他のセルの位置を特定する。
【0006】
つぎに、特定された各セルの画像データを用いて、これらのセルが表す光学情報をコンピュータで認識可能なデータ形式に変換する処理を実行する。この処理では、まず2値化処理などによって各セルが白黒いずれのセルであるかを判別し、その判別結果に応じて各セルが表す光学情報を符号化する。そして、文字など1単位分の情報を表すセルのグループ(シンボルキャラクタ)毎に、各セルのコードを配列することにより、前記情報をデコードする。また、このデコードにおいては、セルの白黒状態を判別する際に生じた誤りを訂正する処理(誤り訂正処理)も実行される。
【0007】
上記の2次元コードは、セルの大きさを調整することによって、面積がきわめて小さな状態に形成することができる。さらに近年、レーザー光や打刻用のピンを用いて金属面の表面に直接コードをマーキングする方法(「ダイレクトマーキング」と呼ばれる。)が開発されたことから、微細な2次元コードを半永久的に消えない状態で記すことができるようになり、電子部品のような小さな対象物にも2次元コードを簡単に記すことが可能となっている。
【0008】
このダイレクトマーキングを利用して、たとえば、工場の製品組立ラインには、2次元コードを記した部品を搬送しながら、その搬送途中で2次元コードの示す情報を読み取って、前記部品の搬送先や後工程における処理方法などを認識するようにしたシステムが導入されている。
【0009】
上記した工場内のシステムにおいては、高精度の情報管理を行う必要があることから、システム導入時に2次元コードリーダを設置する際には、2次元コードを安定して読み取りできるような調整を行う必要がある。たとえば、セル間の境界位置や白黒状態の判別を誤ることがないように、撮像部のフォーカスや照明を調整したり、2次元コードが視野からはみ出したり、個々のセルが分解能以下の大きさになることがないように、視野の大きさを調整する必要がある。
【0010】
従来の2次元コードリーダでは、所定回数の読取処理を行った場合の処理回数に対するデコード成功回数の比(読取率)を算出して、出力するようにしている。しかしながら、2次元コードの画像が最適な状態にある場合でも、デコード不可能な状態に近い場合でも、デコードに成功している限り、読取率は同じ値を示す。このため、ユーザーは、光学情報のデコードがどの程度の余裕度をもって行われているのか判断できず、デコードに適した画像が得られるような調整を容易に行うことができない、という問題がある。
【0011】
下記の特許文献1には、上記の問題を解決するために、読取処理時に実行された誤り訂正の程度を示す情報を出力または表示するようにした発明が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−274636号公報
【0013】
この特許文献1では、読取処理における誤り訂正個数の最大値および最小値を求めた後、これを誤り訂正率またはその補数の最大値,最小値に換算する。そして、求められた最大値と最小値とによる数値範囲を表示することにより、誤り訂正がどの程度の割合で行われたかを認識できるようにしている。(段落[0032]〜[0038],図5,図7参照。)
【0014】
特許文献1における誤り訂正率は、誤り訂正が可能な個数(誤り訂正可能個数)に対する誤り訂正の個数の比率である。したがって、2次元コードの読取に成功しても、誤り訂正率の値が大きい場合には、読取処理における余裕度が小さくなっている、と判断することができる。
【0015】
特許文献1には、上記誤り訂正率などの表示を、導入時のテストモードにおいて実行することが記載されている。このテストモードでは、2次元コードを静止させた状態または移動させた状態で、コードの撮像、ファインダパターンの抽出、セルの符号化、誤り訂正、デコードなどを含む一連の処理を複数回実行し、その複数回の処理における誤り訂正個数の最大値および最小値に基づき、前記表示を行うようにしている(段落[0039]〜[0059],図8〜12参照。)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された発明によれば、ユーザーは、導入時に上記のテストモードを実行することによって、どの程度の誤り訂正が行われているかを知ることができる。また、誤り訂正の度合が大きい場合には、撮像部や照明などを調整することによって、誤り訂正率を小さくし、デコードにおける余裕度を確保することができる。
【0017】
しかしながら、工場における情報管理システムでは、多数の2次元コードを順次高速処理する必要があるので、デコードにおける余裕度は、処理を重ねるにつれて小さくなる可能性がある。余裕度が小さくなる要因としては、まず、処理対象の2次元コード自身の変化が考えられる。特に、前記したダイレクトマーキングを行う場合、マーキングに使用されるレーザーダイオードや打刻用のピンは消耗品であるので、これらが消耗してコードの状態が変化すると、画像上の濃淡度合いやセルの大きさなどが変動し、デコードが困難になるおそれがある。
【0018】
また照明用のランプが消耗するなどの照明条件の変動によって画像の濃淡度合が変化した場合にも、同様に、デコードが困難になる可能性がある。このほか、撮像部の位置ずれによりフォーカス調整の状態や視野の大きさが変わるなど、2次元コードリーダ側で発生した要因によって、デコードが困難になる可能性もある。
【0019】
上記した2次元コードの画像の経時劣化は、時間が経つにつれてより大きなものとなる可能性が高いので、劣化の傾向にあることを早期に発見して、消耗した部品を取り替えるなどの対応をとるのが望ましい。これに対し、特許文献1の発明では初期導入時にテストモードを実行するだけであるので、本格的な読取処理を行っている際に、2次元コードの画像の質が低下して読取不可能なレベルに近づいても、その状態をデコードが不可能になる前に検出するのは困難である。しかも、特許文献1では、コードの撮影からデコードまでの一連の動作を複数回行うことを1サイクルとして、サイクル毎にそのサイクル内で得た誤り訂正率などの範囲を出力するだけである。したがって、仮に特許文献1に開示された方法を通常の読取処理時に実行するようにしても、デコードにおける余裕度のばらつき度合を把握できる程度であり、2次元コードの画像の質が低下する傾向にあるかどうかまでを判断するのは、困難である。
【0020】
また、一般のユーザーにとって、誤り訂正率を見ただけでその誤りの原因を把握するのは、きわめて困難であるから、原因を特定できるまでに時間がかかり、効率の良い対応をとることができない、という問題がある。
【0021】
さらに、特許文献1における誤り訂正個数は、1つのシンボルキャラクタ毎に計数されるものである。したがって、同じシンボルキャラクタの中であれば、誤りが生じたセルが何個あっても、訂正数は「1」と数えられることになる。したがって、誤り訂正個数や誤り訂正率だけでは、2次元コードがデコードにどのくらい適しているかを正確に判別するのは困難である。
【0022】
この発明は上記の問題点に着目してなされたもので、光学情報コードの通常の読取処理を繰り返し行う間に、毎時の画像中の光学情報コードの質がデコード不能な方向に変化していないかどうかを、常時簡単に判断できるようにして、その変化に速やかに対応できるようにすることを、目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
以下、この発明にかかる光学情報コードの読取方法および光学情報コード読取装置について、順を追って説明する。なお、この明細書でいうところの「読取処理」とは、光学情報コードの画像を取得してからその光学情報をデコードするまでの処理全般を指すものとする。
【0024】
(1)第1の光学情報コード読取方法
この方法では、視覚認識が可能なシンボルによる光学情報コードを撮像するステップと、前記撮像により得られた画像に所定の画像処理を施して、前記画像中の前記光学情報コードを抽出するステップと、前記画像処理により抽出された光学情報コードに前記抽出時とは異なる画像処理を実行し、その画像処理結果に基づき前記光学情報コードの表す光学情報をデコードするステップとを順番に実行する。そして前記3つのステップによる1サイクル分の処理において光学情報のデコードに成功したとき、そのデコードまでに実行した処理の結果に基づき、前記画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得るステップと、この評価値を記憶するステップと、前記評価値と過去に記憶した複数の評価値とを用いて評価値の経時変化を示すデータを出力するステップとを、実行するようにしている。
【0025】
上記において、光学情報コードを撮像するステップ(以下、「撮像ステップ」という。)は、レンズやCCDなどの撮像素子を具備する撮像装置を用いて行うことができる。また、以下のステップにおける画像処理のために、この撮像ステップには、前記撮像素子により生成された画像をA/D変換する処理が含まれるのが望ましい。
【0026】
光学情報コードを抽出するステップ(以下、「抽出処理ステップ」という。)では、少なくとも、光学情報コードの位置および向きを抽出するのが望ましい。この抽出のための最適な方法として、前記撮像ステップにより得られた画像から、光学情報コードに含まれる特定のパターンを抽出する処理を行う方法が考えられる。特定のパターンとしては、2次元コードであれば前記したファインダパターン、バーコードであれば左端のスタートキャラクタなど、同じ種類のコード間で形状が共通するパターンを使用することができる。
【0027】
特定のパターンを抽出するための画像処理の一例として、その特定のパターンのモデルを用いたパターンマッチング処理をあげることができる。また、特定のパターンが線形のパターン、または同一の図形が直線状に並んだパターンであれば、前記画像に含まれるエッジ点を抽出した後、抽出された各エッジ点につき、濃度勾配に直交する方向に所定長さの線分を設定し、線分の重なり度合が所定の値以上となる画像領域を抽出する方法を採用することもできる。
【0028】
光学情報コードの表す光学情報をデコードするステップ(以下、「デコード処理ステップ」という。)では、デコード対象の情報がエンコードされた領域(この明細書では、「情報表示領域」という。)の位置を認識した後、この情報表示領域において、光学情報の最小単位を示す小領域(2次元コードであればセル、バーコードであればバーまたはスペースに相当する。)を識別して、各小領域が表す光学情報を符号化することができる。さらに前記したシンボルキャラクタ毎に符号化の結果をまとめることで、前記情報表示領域内の光学情報をデコードすることができる。また、デコード処理ステップでは、シンボルキャラクタ毎に、個々の小領域に対する識別において生じた誤りを訂正する処理(誤り訂正)を行うことができる。
【0029】
上記の撮像ステップ、抽出処理ステップ、デコード処理ステップの各ステップを順に実行することにより、1つの光学情報コードが表す光学情報をコンピュータで認識可能な情報に変換することができる。さらに、3つのステップによるサイクルを繰り返し実行することにより、複数の光学情報コードに対する読取処理を順に行うことができる。この点は、従来の光学情報コード読取方法や次に述べる第2の方法においても同様である。
【0030】
この発明にかかる第1の方法では、上記のサイクルを繰り返し実行する過程において、デコードに成功する都度、その処理対象の2次元コードについて評価値を取得して記憶するとともに、取得した評価値と過去に記憶した評価値とを用いて、評価値の経時変化を示すデータを出力することができる。
【0031】
なお、評価値は、詳細は後記するが、前記撮像ステップにより得られた画像中の光学情報コードがどの程度デコードに適しているかを反映するものと考えることができる。評価値を記憶するステップでは、前記撮像ステップ、抽出処理ステップ、デコード処理ステップの各ステップによる処理が所定サイクル実行される間に得られた評価値を、順次蓄積するのが望ましい。また、「評価値の経時変化を示すデータ」とは、現時点から遡って過去の所定サイクル分の処理の間に得られた評価値の推移を示すデータと、考えることができる。
【0032】
光学情報コードのマーキングの状態や照明などの周囲環境が徐々に劣化したり、撮像部の位置ずれなどによってフォーカスや視野の調整状態が変化すると、画像中の光学情報コードの質もデコードが困難な状態に向かって変化することが予想される(以下、この変化を「光学情報コードの質の低下」という。)。上記の方法によれば、光学情報コードの読取処理を繰り返す過程において、評価値の経時変化を用いて、光学情報コードの質が低下する傾向にあるかどうかを簡単に判別することができる。よって、デコード不可能な状態になるより前に光学情報コードの質の低下を引き起こした原因を取り除いて、デコードを安定して行うことができる。
【0033】
上記第1の光学情報コード読取方法にかかる一態様では、前記評価値の経時変化を示すデータを出力するステップにおいて、前記データを所定の警告レベルに対比させて表示させるようにしている。たとえば、評価値の経時変化を示すグラフを警告レベルを示す直線とともに表示することができる。このようにすれば、評価値の経時変化やその変化が警告レベルに近いか否かを視覚的に認識することができるので、一般ユーザーでも、光学情報コードの質が低下の方向に変化しているか否かを容易に判断することができる。
【0034】
(2)第2の光学情報コード読取方法
この方法でも、撮像ステップ,抽出処理ステップ,デコード処理ステップの各ステップを順番に実行する。さらに、この第2の方法では、デコードに成功したとき、そのデコードまでに実行した処理の結果に基づき、前記画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得るステップと、この評価値を所定の警告レベルと比較するステップと、前記評価値が前記警告レベルに達したことを条件として、所定の態様による警告処理を実行するステップとを、実行するようにしている。
【0035】
評価値を求めるステップについては、第1の方法と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。前記所定の警告レベルは、あらかじめ、デコードを行うのに適した光学情報コードや不適切な光学情報コードを撮像し、得られた画像における評価値を求めるなどして設定することができる。なお、この警告レベルは、デコード不可能な状態にまで質が低下した光学情報コードから求めても良いが、好ましくは、デコードは可能であるが、デコード不可能な状態に近い光学情報コードから求めるのがよい。
【0036】
前記警告処理を実行するステップでは、警報ブザーを鳴らしたり、表示装置に警告情報を表示することができる。また、この方法を実施する装置に接続される外部機器に、警告信号を出力することもできる。なお、評価値を「大」の方向に変化させることにより光学情報コードの質の低下を表す場合には、評価値が警告レベル以上または警告レベルを超える値になったときに、「警告レベルに達した」と判断することができる。また、評価値を「小」の方向に変化させることにより光学情報コードの質の低下を表す場合には、評価値が警告レベル以下または警告レベルを下回る値になったときに、「警告レベルに達した」と判断することができる。
【0037】
上記の方法によれば、撮像ステップ、抽出処理ステップ、デコード処理ステップの各ステップによるサイクルを繰り返し実行する間に、画像中の光学情報コードの質が低下する傾向にあるか否かを常時監視し、評価値が警告レベルに達したときにユーザーや上位機器などにその旨を報知することができる。よって、読取処理に支障がなくとも、光学情報コードの質が低下する傾向を示した場合には、早期に対応して、低下の原因を取り除くことができる。
【0038】
(3)実施態様
上記した第1、第2の光学情報コード読取方法には、いずれも、以下に示す5つの実施態様A〜Eを適用することができる。
(3)−1 実施態様A
この態様では、前記抽出処理ステップは、光学情報コードに含まれる特定のパターンのモデルを前記撮像により得られた画像に走査しながら相関演算を行うステップと、前記相関演算による相関値が所定のしきい値以上となった位置を前記光学情報コードの抽出位置として特定するステップとを含む。また、評価値を得るステップでは、前記光学情報コードの抽出位置として特定された位置で得られた相関値を前記評価値として認識するようにしている。
【0039】
上記の抽出処理ステップでは、いわゆるパターンマッチング処理により、光学情報コードに含まれる特定のパターンを抽出することになる。画像中の特定のパターンがモデルに近い状態であれば、前記相関演算では、十分に高い相関値が得られるはずである。しかしながら、マーキング装置における部品の消耗などによって、特定のパターンの形状や濃度分布などが変化すると、相関値は小さい値に変化すると考えられる。光学情報コードが抽出できない状態になると、当然ながら、その後のデコード処理ステップを実行することもできなくなるから、相関値によって画像中の光学情報コードの質が低下する傾向にあるかどうかを、容易に判断することができる。
【0040】
(3)―2 実施態様B
この実施態様では、前記抽出処理ステップにおいて、前記撮像により得られた画像から前記光学情報コードに含まれる特定のパターンを抽出する処理を実行する。また前記評価値を得るステップにおいて、前記抽出処理ステップにおける特定のパターンの抽出数を用いて評価値を算出するようにしている。
【0041】
たとえば、前記したパターンマッチングにより特定のパターンを抽出するようにした場合、特定のパターンの抽出数は、前記しきい値以上の相関値が得られた回数に相当する。光学情報コードを1つずつ撮像して読取処理を行う場合、画像上に現れる特定のパターンは、1個になるはずである。しかしながら、マーキング装置の部品の劣化によって本来の光学情報コード以外のマーキングが行われたり、照明の変化によって影が生じるなどして、前記特定のパターンとして誤抽出されるノイズが発生すると、これらノイズを含む全ての抽出結果に対してデコード処理ステップが実行される。
【0042】
上記のようなノイズが生じても、1つの光学情報コードに用意された処理時間内にデコードが完了すれば、読取には支障は生じない。しかしながら、ノイズが多くなると、特定パターンの抽出に時間を浪費してデコード処理のための時間が足らなくなり、その結果、デコードが不可能となるおそれがある。よって、この態様では、前記処理時間内に実行可能なデコード処理回数に対する特定のパターンの抽出数の比を用いるなどして、評価値を算出するのが望ましい。
【0043】
また、この評価値は、運転時の読取処理を行う前の初期設定時に、背景状態の適正度合をチェックする目的でも使用することができる。たとえば、光学情報コードが示される対象物の表面に模様や凹凸があると、ノイズが生じる可能性も高くなるが、上記の評価値によれば、事前にノイズが読取処理に及ぼす影響をチェックできるから、できるだけ安定した状態で読取処理を行うことができるように、照明などの環境を調整することが可能となる。
【0044】
(3)−3 実施態様C
この実施態様では、前記デコード処理ステップには、光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別するステップが含まれる。また、評価値を得るステップでは、前記小領域の識別結果と前記光学情報コードを含む画像領域内の画像データとを用いて、光学情報コードを撮像したときのフォーカス調整、光学情報コードにおけるコントラスト、小領域の大きさ、小領域内の濃度分布、コードの位置のうちの少なくとも1つにかかる評価値を算出する。
【0045】
前記光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別するステップでは、各小領域の位置、大きさ、隣接の小領域との境界などを識別することができる。さらに前記した情報表示領域内の小領域については、それぞれその小領域の画像データに基づき、その小領域に対応する最小単位の光学情報の内容を識別することができる。なお、この識別結果は、コンピュータで認識可能な情報に変換するのが望ましい。
たとえば、2次元コードの場合であれば、上記のステップでは、前記タイミングパターンを構成する各セルを識別する処理、タイミングパターンの配列に基づき情報表示領域内の各セルの位置や大きさを識別する処理、情報表示領域内の各セルをその白黒状態に基づいて2値化する処理などを行うことができる。
【0046】
つぎに、この態様における評価値の算出対象について簡単に説明する。フォーカス調整とは、光学情報コードを撮像するカメラなどの焦点の調整状態のことで、画像上の濃度変化を抽出するための画像処理(微分処理など)の結果を用いて、評価値を算出することができる。この評価値によれば、2次元コードのタイミングパターンやバーコードのように「白」の小領域と「黒」の小領域とが隣り合わせになっている領域において、白と黒との境界位置を明確に判別できるだけのフォーカス調整が行われているかどうかを判断することができる。
【0047】
光学情報コードにおけるコントラストの評価値は、光学情報コードに対する照明状態の適正度合を示すものと考えることができる。この評価値は、たとえば、「白」と判断される小領域の濃度と「黒」と判断される小領域の濃度との差を用いて求めることができる。この評価値によれば、「白」の小領域と「黒」の小領域とを明瞭に判別できるだけの照明光量が確保できているかどうかを判断することができる。
【0048】
小領域の大きさとは、前記光学情報の最小単位を示す小領域1つ1つの大きさをいう。小領域の大きさは、撮像部の視野調整によって変化するものであり、小領域の幅、面積などにより評価値を求めることができる。各小領域は、それぞれその小領域が表す光学情報を判別するのに必要な大きさ以上になるように設定する必要があり、また画像中に光学情報コードの全体像を収めることが可能な大きさ以下に設定する必要がある。よって、小領域の大きさにかかる評価値により、視野が適正であるかどうかを判断することができる。また、この評価値は、光学情報コードのマーキング状態の経時変化の影響をチェックする目的で使用することもできる。
【0049】
小領域内の濃度分布とは、1つの小領域を構成する複数の画素間における濃度分布をいう。この場合の評価値は、たとえば、小領域内の画素の濃度値の分散値により求めることができる。
たとえば、2次元コードの読取処理では、情報表示領域内の各セルを符号化する際には、セル内の濃度平均値を求めた上で、その平均値を2値化するが、マーキング装置の部品の劣化や照明の変動などによってセル内の濃度のばらつきが大きくなると、2値化処理に誤りが生じる可能性がある。前記小領域内の濃度分布にかかる評価値によれば、マーキング状態や照明について、最小単位の光学情報に対する識別に誤りが生じるような変化が生じていないかどうかを、判断することができる。
【0050】
コードの位置とは、撮像部の視野に対する光学情報コードの位置である。たとえば、コンベアなどにより光学情報コードが撮像部の視野に順に送り込まれる場合、前記コードの位置にかかる評価値により、視野に対する光学情報コードの位置の適正度合を判断することができる。この評価値は、たとえば、光学情報コードの抽出時などに得たコードの端点または端縁の座標に基づき、視野の端縁から光学情報コードまでの距離を算出し、その算出値をもって求めることができる。または、コードの中心点を抽出し、その抽出位置と視野の中心との間の距離の大きさを反映した評価値を設定してもよい。
【0051】
この評価値によれば、光学情報コードの送り込み状態や撮像部の設置位置が適正であるかどうかを判断することができる。したがって、本格的な読取を開始する前の初期設定時に、撮像部の位置合わせを行ったり、光学情報コードの位置ずれのばらつきをチェックするのに使用することができる。
【0052】
上記の態様において、たとえば、上記した5種類の対象すべてについて評価値を求め、各評価値の経時変化を切り替えて出力するようにすれば、いずれの評価値の経時変化が劣化したかによって、画像中の光学情報コードの質を低下させた具体的な原因を判断することが可能になる。よって、その原因を速やかに取り除いて、光学情報コードの質を回復することができる。
また、初期設定時などに撮像部や照明の設定の適否を確認する場合には、上記の評価の対象の中からユーザーが必要とするものを選択して、複数サイクル分の読取処理を行うことにより、目的とする確認処理を容易に実行することができる。勿論、この場合には、すべての評価値を求めるようにしてもよい。
【0053】
(3)−4 実施態様D
この実施態様では、前記デコード処理ステップには、光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別するステップが含まれる。また、評価値を得るステップでは、前記小領域の識別処理における誤りの度合を示す評価値を算出する。
【0054】
光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別するステップでは、前記した実施態様Cと同様に、各小領域の位置、大きさ、隣接の小領域との境界などを識別することができる。また、前記した情報表示領域内の小領域について、その小領域に対応する最小単位の光学情報の内容を識別することもできる。
【0055】
この態様における評価値は、たとえば、前記識別処理に誤りの生じた小領域の数を、小領域の全数、または小領域に対して実行できる誤り訂正の最大数で除算する方法により求めることができる。
【0056】
この態様における評価値は、前記した特許文献1における誤り訂正率とは異なり、誤りが生じた小領域の数によって変化するものとなる。たとえば、誤りが生じると評価値が低くなるように評価値の算出式を設定した場合には、誤りが生じた小領域の数が増えるほど、評価値は低くなる。よって、デコードにおける余裕度を精度良く反映した評価値が得られることになり、画像中の光学情報コードの質が、デコード不可能な方向に変化しているのを早期に見つけることができる。なお、この態様を2次元コードの読取に適用する場合、識別に誤りが生じたセルの抽出は、情報表示領域内のセルに限らず、ファインダパターンやタイミングパターンを構成するセルも、対象に含めることができる。
【0057】
(3)−5 実施態様E
この実施態様では、前記撮像ステップ、抽出処理ステップ、デコード処理ステップの各ステップによる処理が複数サイクル実行される間に記憶された評価値を用いて、前記3つのステップによる処理がさらに所定サイクル実行された後のデコードが可能であるか否かを予測し、デコードが不可能になると予測されたとき、所定の態様による警告処理を行うようにしている。上記の予測処理では、たとえば、過去の複数サイクル分の評価値からその変化の状態に近似する直線または曲線を設定し、その直線または曲線上で所定サイクルが経過した時点に対応する値を所定のしきい値と比較する。なお、直線や曲線の設定は、個々の評価値に限らず、所定期間毎の評価値の平均値または評価値を算出する毎に得られる移動平均値に基づいて行ってもよい。
【0058】
上記の態様によれば、現在の読取処理に問題がなくとも、所定サイクル先の読取処理においてデコードが不可能な状態にまで光学情報コードの質が低下する可能性がある場合に、ユーザーにその旨を知らせることができる。また、予測に使用した評価値の種類によって、光学情報コードの質が低下した原因を判断することも可能である。
【0059】
(3)−6 その他
上記第1、第2のいずれの方法においても、上記A〜Eの実施態様に掲げた複数の評価の対象についてユーザーの選択を受け付け、選択された態様に対応する評価値を求めることができる。または、読取処理の成功に応じてすべての評価値を求めるが、経時変化を示すデータの出力や警告レベルとの比較については、選択されたものに限定して行うようにしてもよい。このようにすれば、ユーザーの目的や光学情報コードの質の低下を招く可能性の高い要因によって、出力や比較の対象の評価値を変更することができ、光学情報コードの質の低下についての判断をより的確に行うことができる。
【0060】
(4)第1の光学情報コード読取装置
この光学情報コード読取装置は、前記第1の光学情報コードの読取方法を実施するためのもので、視覚認識が可能なシンボルによる光学情報コードを含む画像を取得する画像取得手段と、前記取得した画像に対し、光学情報コードを抽出するための画像処理を実行する画像処理手段と、前記画像処理により抽出された光学情報コードに前記抽出時とは異なる画像処理を実行し、その画像処理結果を用いて前記光学情報コードの表す光学情報をデコードするデコード処理手段と、前記デコード処理手段が光学情報のデコードに成功したとき、前記画像処理手段および前記デコード処理手段の少なくとも一方が実行した処理の結果に基づき、前記取得した画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得る評価値取得手段と、前記評価値取得手段が取得した評価値を保持するための記憶手段と、前記記憶手段に保持された複数の評価値を用いて、評価値の経時変化を示すデータを作成して出力する経時変化出力手段とを具備する。
【0061】
画像取得手段は、少なくともカメラなどの撮像部により生成された画像を入力する入力インターフェースを具備する。また、アナログ画像信号が入力される場合には、画像取得手段には、A/D変換回路を含ませるのが望ましい。
【0062】
画像処理手段、デコード処理手段、評価値取得手段は、それぞれ前記抽出処理ステップ、デコード処理ステップ、評価値を得るステップを実行するためのプログラムを組み込んだコンピュータにより構成することができる。各手段は1つのコンピュータにより構成することができる。また、各手段のうち、画像処理手段およびデコード処理手段の中の画像処理を行う機能については、別体のコンピュータまたは画像処理専用のハードウェア回路により構成することもできる。
【0063】
前記記憶手段は、上記したコンピュータ内のメモリに設定するのが望ましい。また、この記憶手段には、評価値の種類毎に、それぞれ所定回数分の評価値を蓄積できるだけの容量を持たせるのが望ましい。蓄積数は可変としても良いが、所定の上限値を設けておき、蓄積数がこの上限値を超える場合には、最も古い評価値のデータを消去するようにしてもよい。
【0064】
経時変化出力手段は、後記する表示装置のほか、評価値の経時変化を示すデータを外部機器に出力するインターフェース回路とすることもできる。
【0065】
上記構成において、画像取得手段が光学情報コードを含む画像を取得する都度、画像処理手段およびデコード処理手段が順に動作し、前記光学情報コードの表す光学情報がデコードされる。このデコードに成功したとき、評価値取得手段は処理対象の光学情報コードについて所定の評価値を求める。ここで得られた評価値は、記憶手段に保持されるとともに、この記憶手段内の過去の評価値とともに経時変化を示すデータに作成され、表示その他の方法により出力される。
【0066】
この第1の光学情報コード読取装置については、経時変化出力手段に、前記評価値の経時変化を示すデータを所定の警告レベルとともに表示する手段を含ませることができる。この表示は、グラフ表示により行うのが望ましいが、これに限らず、数値表示を行うようにしてもよい。
【0067】
(5)第2の光学情報コード読取装置
この光学情報コード読取装置は、前記した第2の光学情報コードの読取方法を実行するもので、第1の光学情報コード読取装置と同様の画像取得手段、画像処理手段、デコード処理手段、評価値取得手段を具備する。さらに、この装置は、前記評価値取得手段が取得した評価値が所定の警告レベルに達したか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記評価値が前記警告レベルに達したと判断されたときに所定の警告情報を出力する警告出力手段とを具備する。
【0068】
前記判別手段は、比較処理のためのプログラムが組み込まれたコンピュータにより構成するのが望ましい。警告出力手段は、評価値が警告レベルに達したときにブザーやランプを作動させる手段として構成することができる。また、第1の光学情報コード読取装置における経時変化出力手段と同様に、外部機器に判別結果や警告情報を出力することもできる。また、たとえば「OK」「NG」のような情報を表示するなど、判別手段の判別結果を常に出力するようにしてもよい。
【0069】
(6)光学情報コード読取装置の実施態様
第1,第2の各光学情報コード読取装置では、いずれも、前記光学情報コード読取方法に示した実施態様A〜Eにかかる方法を実施することができる。この場合の光学情報コード読取装置には、各態様に示した評価の対象について、ユーザーの選択を受け付けるための手段を付加し、評価値取得手段を、選択された対象についての評価値を取得するように設定することができる。または、評価値取得手段にすべての対象に対する評価値を取得させ、経時変化出力手段や判別手段の処理対象を前記選択操作に応じて限定するようにしてもよい。
【0070】
なお、評価の対象の選択を受け付ける手段は、外付けのコンソール,装置本体に設けられた選択スイッチなどによる選択操作を受け付けるように構成することができる。また外部機器から選択結果を示すデータを受け付けるように設定することもできる。
【0071】
また、第1,第2の各光学情報コード読取装置において、経時変化出力手段や警告出力手段を表示を行う手段として構成した場合、処理対象の光学情報コードの画像やその読取結果をともに表示することができる。
【0072】
さらに、第1,第2の各光学情報コード読取装置には、前記光学情報コードを撮像する撮像部(カメラ,スキャナなど)や、光学情報コードの読取結果などを表示するためのモニタを接続することができる。あるいは、これら撮像部やモニタを一体化した装置として構成することもできる。
【0073】
このような光学情報コード読取装置は、2次元コードリーダのほか、1次元バーコード用のバーコードリーダとして構成することができる。またこれらのコードに限らず、所定の情報を表示する種々のシンボルを処理対象とすることもできる。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる光学情報コード読取装置の一実施形態である2次元コードリーダについて、詳細に説明する。
【0075】
(1)2次元コードリーダの構成および機能
図1は、この発明にかかる2次元コードリーダ1の構成を示す。図中、レンズ101および撮像素子(CCD)102は、2次元コード7を撮像するためのもの、照明ランプ6は、処理対象の2次元コード7を照明するためのものである。
【0076】
さらに、この2次元コードリーダ1には、撮像制御部104、照明制御部105、トリガ入力部106、A/D変換部107、画像記憶部108、画像処理部109、デコード処理部110、評価値算出部111、判定処理部112、出力処理部113などを具備する。また、図中の11は、この2次元コードリーダ1の動作を制御する上位システムであり、パーソナルコンピュータやプログラマブルコントローラ(PLC)などにより構成される。また、モニタ4は、後記するように、2次元コードリーダ1の構成要素として設定することもできる。
【0077】
トリガ入力部106は、上位システム11から撮像開始を指示するトリガ信号を受け付ける。このトリガ信号は、撮像制御部104および照明制御部105に与えられる。これにより、照明ランプ6による照明の下でCCD102が作動し、2次元コード7が撮像される。
【0078】
CCD102からの画像信号は、A/D変換部107においてディジタル変換された後、画像記憶部108に格納される。画像処理部109は、画像記憶部108に格納された画像データ(以下、「処理対象画像」という。)から2次元コード7のファインダパターンを抽出した後、その抽出結果に基づき、処理対象画像中の2次元コードの位置や傾きを判別する。また画像処理部109は、タイミングパターンを抽出し、その配列に基づき、コード内の各セルの位置、大きさを認識する。さらに2値化処理などにより、各セルが黒セル、白セルのいずれであるかの判別や、セルの大きさを判別する処理などを実行する。
【0079】
デコード処理部110は、画像処理部109の処理結果に基づき、各セル毎の光学情報を符号化する。さらに、デコード処理部110は、これらの符号をシンボルキャラクタ毎にまとめながら、そのシンボルキャラクタの示す値(コードワード)に誤りが生じていないかどうかを判別し、誤りがある場合にはこれを訂正する。これにより、光学情報がデコードされると、そのデコード結果は出力処理部113に出力される。
【0080】
評価値算出部111は、画像処理部109やデコード処理部110の処理結果を用いて、処理対象の2次元コードについて後記する各種の評価値を算出する。判定処理部112は、これらの評価値またはその平均値などのデータを用いて、処理対象画像中の2次元コードがデコード不可能な状態に向かって変化していないかどうかを判別する。
【0081】
出力処理部113は、デコード処理部110、評価値算出部111、判定処理部112から処理結果を取り込んで前記上位システム11やモニタ4に出力する。
【0082】
(2)第1実施例
図2および図3は、前記2次元コードリーダ1の具体的な構成例を示す。まず、図2は、2次元コードリーダ1の外観とその使用状態を示すものである。この実施例の2次元コードリーダ1は、プリント配線基板の組立製造ラインにおける情報管理システムに組み込まれるもので、コンピュータが内蔵されたコントローラ2と、このコントローラ2にケーブル接続されるCCDカメラ3(以下、単に「カメラ3」という。)とを基本構成とする。なお、コントローラ2の前面には、カメラ接続用のコネクタ8aが2つ設けられるほか、モニタ4,コンソール5(いずれも図3に示す。)を接続するためのコネクタ8b,8cなどが設けられる。また、カメラ3の内部には、前記した照明ランプ6が収容されている。
【0083】
この実施例にかかる2次元コードリーダ1は、前記プリント配線基板に実装される部品9の表面にダイレクトマーキングされた2次元コード7を読み取る目的で設置される。前記カメラ3は、部品の搬送用コンベア10(以下、単に「コンベア10」という。)の上方に設置される。コントローラ2は、このコンベア10の近傍位置に設置されており、前記した上位システム11に接続される。コントローラ2は、この上位システム11からのコマンドを受けてカメラ3を作動して前記2次元コード7を撮像させた後、その画像中の2次元コードが有する光学情報をデコードする。
【0084】
前記コントローラ2で最終的に得られたデコード結果は、上位システム11に送信される。なお前記2次元コード7には、部品の種類,部品番号,部品の搬送先,部品が組み付けられる基板の番号など、組立処理に必要な種々の情報が格納される。上位システム11は、これらの情報を用いて、前記コンベア10の経路を切り替えたり、図示しない組立ロボットにコマンドを送るなどの制御を実行する。
【0085】
図3は、前記コントローラ2を中心とした2次元コードリーダ1のハードウェアブロック図を示す。この実施例のコントローラ2は、CPU21、メインメモリ22、入出力制御部23、画像処理部24、モデルメモリ25、画像メモリ26などを主要構成として含む。前記したカメラ3、モニタ4、コンソール5、およびカメラ3内の照明ランプ6は、それぞれインターフェース回路203,204,205,206を介して入出力制御部23に接続される。なお、カメラインターフェース回路203には、前記したA/D変換部107が含まれる。
【0086】
またCPU21は、通信インターフェース回路201を介して、前記上位システム11とデータやコマンドのやりとりを実行する。前記図1のトリガ入力部106は、通信インターフェース回路201およびCPU21におけるトリガ信号を受け付ける機能により構成されるものである。
【0087】
前記入出力制御部23および画像処理部24は、CPUバス27を介してCPU21に接続されるとともに、画像バス28を介して相互に画像データをやりとりできるように構成されている。カメラ3から出力された画像は、入出力制御部23から画像処理部24に提供されて、画像メモリ26に格納される。この画像メモリ26は、図1の画像記憶部108に対応する。画像処理部24は、この画像メモリ26に格納された画像をCPU21からの指示に応じて読み出して、入出力制御部23に提供する。
【0088】
入出力制御部23は、モニタ4に対し、前記画像処理部24から提供された画像およびカメラ3から入力したリアルタイムの画像を切り替えて表示させることができる。また入出力制御部23は、CPU21から画像の評価値の経時変化を示すグラフ(詳細は後記する。)を表示するためのデータの提供を受け、このグラフを前記モニタ4に表示させる。
【0089】
メインメモリ22は、CPU21の動作に必要なプログラムを格納するほか、処理の過程で生じたデータを一時保存したり、後記する評価値および警告出力に関わる設定データを記憶したり、読取処理の過程で得た評価値を順次蓄積するなどの目的で使用される。
【0090】
モデルメモリ25は、2次元コードのファインダパターンの検出に使用するモデルを登録するためのもので、画像メモリ26とともに画像処理部24に接続される。画像処理部24は、画像処理専用のプロセッサやディジタル演算回路を具備するもので、前記図1の画像処理部109に対応する。
【0091】
前記メインメモリ22には、前記図1の撮像制御部104、照明制御部105、デコード処理部110、評価値算出部111、判定処理部112、出力処理部113の各処理部に対応するプログラムが格納される。CPU21は、これらのプログラムに基づく処理を実行することにより、各処理部として機能することができる。
【0092】
この実施例の2次元コードリーダ1は、前記コンベア10上に搬送される部品9の2次元コード7を順に読み取って出力する必要があるため、コントローラ2は、カメラ3を作動させて2次元コード7の画像を取り込む処理と、その画像の2次元コードを読み取る処理とを、高速で繰り返し実行するように設定されている。前記2次元コード7は、コンベア10の上流において、図示しないマーキング装置により記されるものであるが、このマーキング装置の部品の消耗により、搬送される部品の2次元コードのマーキング状態がしだいに劣化する可能性がある。また、前記照明ランプ6が消耗して撮像対象の領域が暗くなるなどの変化が起こる可能性がある。このような変化が起こると、コントローラ2内に取り込まれる画像中の2次元コードの質もしだいに低下し、これを放置すると、デコード時の誤り訂正の頻度が高くなると考えられる。さらに放置を続けると、最終的にデコードを行うことが不可能となり、プリント配線基板の組立作業に支障が生じる可能性がある。
【0093】
この実施例のコントローラ2は、上記の問題に対処するために、2次元コードの画像を取り込んで画像処理やデコード処理を実行する都度、処理対象画像における2次元コードの評価値を求めるようにしている。
ここでいう評価値とは、画像中の2次元コードが読取処理にどのくらい適しているかの度合を表すものである。なお、「読取処理」とは、デコード処理のみを指すのではなく、2次元コードの画像データの取り込みを含む一連の画像処理を意味するものとする。
【0094】
この実施例では、図4に示すような複数種の評価項目を用意して、読取処理を開始する前に、ユーザーに、前記警告処理やグラフの表示の対象とする評価項目を選択させるようにしている。この後、読取処理が開始されると、コントローラ2は、読取処理の対象とした各画像(デコードに失敗した画像は除く。)につき、それぞれ選択された評価項目に対応する評価値を求めるとともに、この評価値の経時変化を示すグラフをモニタ4に表示するようにしている。
【0095】
またコントローラ2は、前記評価値を所定の警告レベルと比較しており、評価値がこの警告レベル以下になる状態が所定回数発生すると、前記上位システム11に警告信号を出力するようにしている(以下、この処理を「警告出力」という。)。上位システム11は、この警告出力を受けると、前記コンベア10を停止させたり、ブザーを鳴らすなどのエラー処理を実行して、部品の搬送処理を中止させるようにしている。
【0096】
図5は、評価値の経時変化を示すグラフの表示例を示す。
図5(1)において、横軸は読取処理の回数を、縦軸は前記評価値のレベルを、それぞれ示すもので、過去複数回の評価値の推移が示されている(図中、矢印の方向に沿って、より新しい評価値が示される。)。またこのグラフには、2次元コードの質がある水準まで低下したときの評価値が警告レベルとして示されている。
【0097】
図4に示した評価値は、いずれも処理対象画像中の2次元コードの質が好適な状態を「100」として、2次元コードの質が読取可能な限界レベルに近づくほど値が低くなるように設定されている。図5(1)のグラフでは、ある時点から評価値が低下してゆき、N回目の評価値が警告レベルに達した状態になっている。よってユーザーは、前記グラフの表示により2次元コードが低下したことを確認して、マーキング装置の消耗した部品や照明ランプ6を取り替えるなどの対応をとることができる。またこの実施例では、仮にユーザーが2次元コードの質の低下に気づかなくとも、評価値が警告レベルを下回る状態が複数回発生すると、上位システム11への警告出力が行われるようにしているので、ユーザーに、部品や照明ランプ6の取替が必要であることを認識させることができる。
【0098】
図5(2)は、複数の評価項目(図中、A,Bで示す。)が選択された場合の表示例であって、評価項目毎にそれぞれ評価値の経時変化が示されている。またこのグラフには、各評価項目毎の警告レベルが示されているので、ユーザーは、各評価値の適否を容易に判断することができる。
またこのグラフによれば、評価値が警告レベルに達するタイミングは評価項目によって異なるものとなっている。したがってユーザーは、使用するマーキング装置の種類や照明などの周囲環境に適合した評価項目を選択することにより、2次元コードの質の低下をより的確に検出することが可能となる。
【0099】
ここで図4に示した各評価項目について、具体的な評価値の内容や算出方法を順に説明する。なお、計算式(A)〜(F)は、図4中に示しているので、本文中での式の記載は省略する。
【0100】
▲1▼ ファインダパターンの抽出精度
この実施例の画像処理部24は、モデルメモリ25内のファインダパターンのモデルを処理対象画像に走査しながら相関演算を実行するパターンマッチング処理を実行する。以下では、このパターンマッチングによりファインダパターンを検索する処理を「相関サーチ」という。この検索処理において、前記モデルに対する相関値が所定値以上となる画像領域が見つかると、画像処理部24は、この画像領域をファインダパターンとして抽出する。なお、この相関サーチでは、モデルを所定角度ずつ回転させながら複数回の走査を行うことにより、ファインダパターンの位置および向きを特定することができる。
【0101】
ファインダパターンの抽出精度は、上記の相関サーチにおいて得られた相関値を利用して行われるもので、相関サーチ時にモデルにヒットした位置で得られた相関値をパーセント換算した値Rを評価値とする。
処理対象画像のファインダパターンがモデルと同様の良好な状態にあれば、相関サーチ時のヒット位置の相関値Rは高い値を示すはずである。一方、マーキング装置の部品の消耗によってファインダパターンの形状に歪みが生じたり、ファインダパターンの濃度分布のばらつきが大きくなるなどの劣化が生じると、前記相関値Rは小さい値を示すようになる。
【0102】
▲2▼ 抽出されたファインダパターンの信頼度
この評価項目については、前記相関サーチ処理において、ファインダパターンの抽出数FNを(A)式にあてはめて評価値FNratを算出する。この実施例では、コンベア10上を搬送される2次元コードを次々と読取処理する必要があるため、1回の読取処理に対してあらかじめ所定の制限時間が設定されている。(A)式中のFNmaxは、この制限時間内に実行できるデコード処理回数の上限値である。
【0103】
(A)式によれば、評価値FNratは、抽出数FN=1のときに最大値の100となり、以下、FNの値が大きくなるほど、小さな値をとる。なお、FN>FNmaxとなった場合には、FNrat=0とする。
【0104】
前記2次元コードリーダ1は、2次元コードを1つずつ撮像して読取処理を行うようにしているので、画像上に現れるファインダパターンは、本来は1個のはずである。しかしながらマーキング装置の部品の劣化により、2次元コードの書込み位置以外の部分にパターンが形成されたり、コード内に傷が生じたり、照明ランプの劣化によって影が生じるなどして、画像上にファインダパターンに似た形状のノイズが生じると、これらのノイズもファインダパターンの候補として抽出される可能性がある。
【0105】
このようにノイズによりファインダパターンの候補が複数抽出された場合には、CPU21は、抽出された候補毎にデコード処理を実行し、デコードに失敗した候補をノイズとして除去する。したがって、最終的に正しいファインダパターンに対するデコード結果を出力することが可能である。ただし前記したように、1回の読取処理には所定の制限時間が設けられているので、ノイズが多くなると、ファインダパターンの相関サーチに時間を浪費してしまう。この結果、正しい2次元コードに対するデコード処理のための時間が不足し、正しい読取結果を出力できなくなるおそれがある。
【0106】
上記(A)式による評価値FNratは、ノイズが多くなるほど小さな値を示す。したがって、前記図5の方式に基づき、評価値FNratを所定の警告レベルとともに示すようにすれば、ノイズが増加して2次元コードの読取が不可能になる可能性があるかどうかを容易に判断することができる。
【0107】
▲3▼ デコード処理の精度
この評価項目では、デコード処理時にコードワードの誤りを訂正した比率P(誤り訂正されたコードワードの数Cwを誤り訂正可能なコードワード数Cwmaxで割った値;以下「誤り訂正率P」という。)を式(B)にあてはめて評価値Erを算出する。処理対象画像中の2次元コードの状態が良好であれば、セルの白黒判定に誤りが生じる可能性は低くなるから、当然、評価値Erの値は高くなる。一方、マーキング状態の劣化や照明光量の減少などにより、誤り訂正率Pが大きくなると、評価値Erの値は低下する。
【0108】
▲4▼ セルサイズ
この評価項目による評価は、タイミングパターンの画像データを用いて行われる。タイミングパターンは、図21に示したように、水平,垂直の各方向にそれぞれ白セルと黒セルとを交互に配置したパターンであり、コード内部の各セルの位置を特定するために使用される。
【0109】
この評価項目は、特に、刻印マーキングによる2次元コードを評価するのに適している。刻印マーキングでは、黒セルに対応する位置にピンを刺すことによって、部品の表面に円形状の凹部を形成する。この円形状の凹部は、一般に黒セルとして識別されるので、黒セルがドット状に配列された2次元コードが示されることになる。この実施例では、図6に示すように、タイミングパターンの方向に沿って各セルのセル幅Bn,Wn(n=1,2,3・・・)を順に検出した後、各黒セルのセル幅の平均値B、および各白セルのセル幅の平均値Wを求める。さらにこれらの平均値B,Wを、B<Wのときは(C)式に、B≧Wのときは(D)式に、それぞれあてはめて、評価値Sを算出する。この(C)(D)式によれば、いずれも、B=Wの場合のSが最大値の100となり、BとWとの差が大きくなるほど、Sの値が小さくなる。
【0110】
刻印マーキングに使用するピンが良好な状態であれば、形成された2次元コードを撮像すると、図7(1)に示すように、黒セルに対応するドットが本来のセル間隔に応じた間隔をもって分布した画像が生成される。一方、連続使用によりピンの先が摩耗してしまうと、図7(2)に示すように、黒セルが肥大して白セルの部分が浸食され、白セルの認識が困難になる可能性が生じる。また反対に、黒セルの面積がしだいに小さくなっていくような変化が生じた場合には、白セルが肥大化して黒セルの認識が困難になるおそれがある。
【0111】
(C)式によれば、黒セルが小さくなるほど評価値Sの値が小さくなり、また(D)式によれば、黒セルが大きくなるほど、評価値Sの値が小さくなる。このように評価値Sによれば、セルの大きさの変化を精度良く検出できるので、黒セルの肥大化傾向や極小化傾向を簡単に把握することができる。
【0112】
▲5▼ 画像コントラスト
この評価項目では、前記タイミングパターンの内側の領域内の画像データを用いて評価値C1を算出する(この領域は、具体的な情報がエンコードされた情報表示領域である。)。画像処理部24は、前記タイミングパターンに基づき、コード内部のすべてのセルの座標位置を抽出しているから、情報表示領域内の各セルに対応する濃度値を画像メモリ26から読み出して、評価値の算出のために使用することができる。この実施例では、各セルの濃度値を抽出した後、黒セルの平均濃度値Qと白セルの平均濃度値Qとをそれぞれ求め、これら平均濃度値Q,Qを(E)式にあてはめて評価値C1を算出する。なお、(E)式において、Tは、画像データの階調に対応する数値であって、たとえば画像データが8ビット構成であれば、T=256となる。また階調は、黒レベルから白レベルに向かって値が大きくなるものとする(第2実施例でも同じ。)。
【0113】
上記の(E)式によれば、平均濃度値Q,Qの差が小さくなるほど、すなわち画像のコントラストが弱くなるほど、評価値C1の値は小さくなる。
たとえばレーザーマーキング方式のマーキング装置により2次元コードを形成する場合、黒セルに対応する部分にレーザー光を照射して黒セルのパターンを形成するが、レーザーダイオードの消耗によりレーザー光の強度が弱まると、黒セルが明瞭に表せなくなってしまう。この場合、図8に示すように、黒セルの濃度値が大きくなってコントラストが弱くなった画像が生成されるが、上記(E)式によれば、このような画像の変動を簡単に検出することができる。
【0114】
また照明が経時変化により弱まって画像が暗くなった場合には、反対に白セルの濃度値が小さくなるが、この場合にも、(E)式によってその濃度変化を簡単に検出することができる。なお、この照明変動による影響を重視する場合には、セルに対応する画像のみならず、2次元コードの周囲の背景の画像も評価値C1の算出要素に加えるのが望ましい。
【0115】
▲6▼ 不良セルの比率
この評価項目では、上記の▲5▼と同様に、情報表示領域内の各セルの画像データとそのデコード結果とを用いて評価値C2を算出する。この処理では、まず各白セルの濃度値の中から最小値Wminを抽出する。つぎに各黒セルについて、順にその濃度値を前記Wminと比較し、Wminを上回るセルを抽出する。そして最終的に抽出された黒セルの数Uを(F)式にあてはめて、評価値C2を算出する。
【0116】
なお、上記の白セル、黒セルは、誤り訂正後の最終的な判定結果に基づくものである。また(F)式において、Mは、全セル数(2次元コードを構成するセルの総数)である。また図9に示すように、画像上の2次元コードでは、1つのセルは複数の画素により構成されるので、前記黒セルをWminと比較する処理においては、黒セル内における最大の濃度値または濃度平均値を前記Wminと比較するのが望ましい。
【0117】
黒セルの濃度値が白セルの最小の濃度値Wminを上回る、ということは、すなわち処理対象画像上の黒セルと白セルとの濃度値の関係が逆転していることを意味する。たとえば、照明ランプ6が劣化して一部の領域に影ができると、上記のような逆転現象が生じることがある。デコード処理では、誤り訂正により上記のような逆転現象を補正して光学情報を正しくデコードすることができるが、ここで訂正できる範囲には限界がある。
【0118】
(F)式によれば、U=0であれば、評価値C2は最大値100となる。またUの値が大きくなるほど、言い換えれば逆転現象の比率が高まるほど、評価値C2の値は小さくなる。
【0119】
なお、前記した誤り訂正率Pは、コードワード単位の誤り訂正の比率を示すだけであるので、評価値Erのみでは、セル単位での誤りの発生頻度を把握するのは困難である。これに対し、(F)式によれば、データ表示領域内の個々のセルに対する誤認識の割合を反映した評価値を得ることができる。よって、評価値Er,C2の両方を求めるようにすれば、デコード処理における余裕度について、詳細に判断することができる。
【0120】
▲7▼ セル内の濃度分布
この評価項目では、2次元コード内の特定のセルの画像データを用いて評価値Vを算出する。前記したように、画像上の2次元コードでは、1つのセルは複数の画素により表される。この処理では、これらの画素について、図10(1)(2)に示すような濃度分布ヒストグラムを生成し、そのヒストグラムの幅(分散値)Varを(G)式にあてはめて、評価値Vを算出するようにしている。なお、分散Varを求めるのは1セルに限らず、複数のセルについて分散値を求め、これらの値の平均値を(G)式にあてはめてもよい。
【0121】
セルの白黒判定を精度良く行うためには、図10(1)のように、セル内の各画素の濃度のばらつきが小さい状態であるのが望ましい。上記(G)式によれば、セル内の各画素の濃度が完全に均一である場合(Var=1のとき)には、評価値Vは最大値100となり、以下、分散値Varが大きくなるほど、評価値Vの値は小さくなる。
よって上記の評価値Vによれば、マーキング装置の部品や照明ランプ6の消耗によって、セル内の濃度のばらつきが大きくなった場合(図10(2)の状態)に、この変化を簡単に検出することができる。
【0122】
図11は、上記2次元コードリーダ1を使用するユーザーが実行する手順(ST101〜107)を示す。
まず装置導入時には、カメラ3やコントローラ2を適所に位置決めし、コントローラ2にモニタ4やコンソール5を接続する。この設置が完了すると、モニタ4には、前記図4に示した各種評価項目のリストなどを含む初期設定画面が表示される。ユーザーは、コンソール5などを用いて、前記設定画面上で所望の評価項目を選択することにより、評価値の算出処理対象の評価項目をコントローラ2に登録する(ST101)。
【0123】
つぎにST102では、前記選択した評価項目につき、警告レベルの設定を行う。たとえば、コントローラ2内に各種評価項目についてデフォルトの警告レベルが設定されている場合、ST102では、前記モニタ4にこのデフォルト値を表示させ、これを確定または修正する操作を行うことができる。または後記するモデル画像から評価値を求めて、これより所定レベルだけ低い値を自動登録するように設定することもできる。
【0124】
さらにST103では、警告を実行する条件(以下、「警告条件」という。)についての設定を行う。この実施例では、評価値が警告レベル以下になる状態(以下、これを「不良状態」という。)が所定回数生じた場合に警告出力が行われるように、不良状態の発生回数を評価項目毎に登録するようにしている。その理由は、前記したように、この実施例の2次元コードリーダ1では、マーキング装置の部品や照明ランプ6の劣化による2次元コードの経時的な変化に対応することを目的とし、偶発的な(1度きりの)変化が起こっても、警告出力が行われないようにするのが望ましいためである。
【0125】
このようにして画像評価に関わる設定が終了すると、ST104では、モデルの2次元コードを撮像領域において撮像させ、得られたモデル画像によりファインダパターンの抽出のためのモデルの登録処理を行う。
【0126】
この後、コンソール5で設定終了操作などを行うことにより、コントローラ2の設定を終了して、2次元コードに対する読取処理を開始させる(ST105)。この後、所定期間が経過して、コントローラ2から警告が出力されると、ユーザーは、前記モニタ4のグラフ表示などに基づき、不備の生じた部品を判断し、これを新しいものに取り替えるなどのメンテナンス処理を実行する(ST106,107)。
【0127】
なお、図11の手順では、警告出力がなされた場合には、メンテナンス処理を行った後に読取処理に復帰するようにしているが、前記したように警告レベルに達しても、読取処理が不可能となる訳ではないので、警告出力後に直ちに読取処理を中止する必要はない。たとえば処理工程の切れ目などで搬送ラインが停止した際にメンテナンス処理を行うようにすれば、実稼働時に搬送ラインを停止させることなく、良好な画像を得られる環境に復帰することができる。
【0128】
図12は、前記コントローラ2において、1つの2次元コードの画像データに対する読取処理の手順(ST1〜17)を示す。
まず上位システム11からの読取開始信号が入力されると、前記カメラ3を駆動して処理対象の2次元コードを撮像させる。カメラ3からの画像は、前記したように、入出力制御部23から画像処理部24に渡された後、画像メモリ26に格納される(ST1〜3)。
【0129】
つぎのST4で、画像処理部24は、前記画像メモリ26に格納された画像に対し、モデルメモリ25内のモデルを用いた相関サーチを行って、ファインダパターンを抽出する。なお、この相関サーチにおいて得られた相関値やファインダパターンの抽出数は、画像処理部24からCPU21に伝送され、メインメモリ22に一時保存される。
【0130】
ファインダパターンの抽出に成功すると、ST6のデコード処理に進む。図13は、このデコード処理の具体的な手順を示すもので、まずタイミングパターンを検出した後、その検出結果に基づき、コード内部の各セルの位置を抽出する(ST61,62)。そして各セル毎に、抽出位置における濃度値を2値化するなどして、セルが白であるか黒であるかを判別し、その判別結果に基づき、各セルの表わす光学情報を符号化する(ST63)。さらにつぎのST64では、これらの符号を誤り訂正処理を行いつつデコードする(ST64)。そしてST65では、デコード結果を配列した最終形式の読取データを編集する。編集された読取データや前記ST64の処理により得られる誤り訂正率Pは、メインメモリ22に一時保存される。
【0131】
上記一連の読取処理が支障なく実行され、デコードに成功すると、図12のST7が「YES」となり、ST8以降の処理に進む。一方、デコードまたは前記のファインダパターンの抽出に失敗した場合には、ST17に進み、上位システム11に、デコードに失敗した旨を示すエラー信号を出力して処理を終了する。
【0132】
デコードに成功した場合には、評価値の算出処理を実行する。ここで前記図4の評価項目▲1▼▲2▼▲3▼のうち少なくとも1つが選択されている場合には、ST8からST9に進み、メインメモリ22に一時保存されたデータを用いて評価値を算出する。
すなわち評価項目▲1▼が選択されている場合は、前記ファインダパターンの相関サーチにおいて得られた相関値をパーセント換算して、評価値Rを求める。また評価項目▲2▼が選択されている場合には、ファインダパターンの抽出数FNを用いて評価値FNratを算出する。また評価項目▲3▼が選択されている場合は、前記ST64の誤り訂正処理において得られた誤り訂正率Pを用いて、評価値Erを算出する。
【0133】
つぎに評価項目▲4▼〜▲7▼のうち少なくとも1つが選択されている場合には、ST10が「YES」となってST11に進む。ST11では、画像処理部24の機能を用いて、画像メモリ26から個々のセルに対応する画像データを読み出し、前記した演算式(C)(D)(E)(F)(G)にあてはめるためのパラメータを算出する。さらにこれらのパラメータを用いて演算を実行し、評価値S,C1,C2,Vを算出する。
【0134】
このようにして選択された評価項目に対応する評価値を算出すると、ST12において、前記評価値をメインメモリ22の評価値の蓄積エリアに格納した後、警告レベルとの比較処理を行う。ここでいずれかの評価値が前記図11のST103で設定された警告条件を満たした場合、ST13が「YES」となってST14に進み、警告出力を実行する。また警告出力の有無に関わらず、ST15では、算出された評価値を用いてモニタ4のグラフ表示を更新する処理を実行する。さらにST16では、前記デコード処理において編集された読取データを上位システム11に出力する。
【0135】
このように2次元コードの読取処理を行う都度、選択された評価項目に対応する評価値が算出されるとともに、その評価値の経時変化を示すグラフが表示される。さらに所定の評価項目について、警告レベル以下の評価値を得る状態が所定回数発生すると、上位システム11への警告出力が実行される。
【0136】
上記の手順によれば、仮に警告処理が行われても、2次元コード自体の読取処理には成功しているので、読取データを出力しても上位システム11の処理に支障が生じる虞はない。また警告処理の後は、所定の時期にメンテナンス処理を行うことで不備が取り除かれるので、仮にマーキング装置の部品消耗により画像の劣化が生じても、2次元コードが読取不可能な状態に劣化するまでマーキング装置を使用し続けることがなくなる。よって部品が無駄になったり、組立て処理工程にエラーが頻発するのを、防止することができ、2次元コードの読取処理を円滑に進めることができる。
【0137】
また上記実施例では、ユーザーは、評価値の算出のために、複数の評価項目▲1▼〜▲7▼の中から、使用するマーキング装置の種類や照明条件に応じた評価項目を自由に選択することができるので、現場の状況に応じたチェックを行うことができる。特に複数種の評価項目を選択した場合には、警告出力の際に、その警告にかかる評価項目を明らかにすることにより、画像が劣化した要因の推定が容易になり、速やかな対応をとることができる。
【0138】
(3)第2実施例
つぎに示す実施例は、装置構成は前記第1実施例とほぼ同様であるが、評価値の算出方法や算出後の処理の方法が異なっている。よって、ハードウェア構成や基本的な読取処理についての説明は省略し、第1実施例とは異なる処理の詳細について説明する。
【0139】
まず、この実施例では、ファインダパターンを抽出する際に、前記した相関サーチに代えて、画像上のエッジ点やその濃度勾配方向を利用した処理を実行するようにしている。
【0140】
このファインダパターンの抽出処理について簡単に説明する。まず処理対象画像に対しエッジ抽出のための微分処理を実行する。つぎに抽出された各エッジ点において、その濃度勾配方向(黒から白に向かう方向)に直交する方向に沿って所定長さの線分を設定する。
【0141】
刻印マーキングによる2次元コードでは、黒セルはドットのパターンになるので、これらドットの輪郭線上の各エッジ点に設定された線分は、ドットの接線に近似すると考えられる。たとえば、データマトリクスのファインダパターンでは、黒セルがL字状に配列されているから、これらの黒セルを示すドットのエッジに設定された線分の重なり度合に着目すると、前記黒セルの配列方向に沿う重なり度合が最も大きくなると考えられる。
【0142】
この原理に基づき、この実施例では、前記エッジ点毎に設定した線分の重なり度合が所定値以上となる画像領域を抽出し、その中でファインダパターンの形状に近似する画像領域を抽出する方法により、ファインダパターンの位置や向きを特定するようにしている。
【0143】
つぎに、この実施例では、2次元コードを処理する都度、図14に示す6種類の評価項目について、評価値を求めるようにしている。またこれらの評価値を、図中の中央欄の警告レベルと比較し、評価値が警告レベル以下となったときに、右欄の警告時コメントをモニタ4に表示したり、同様の警告情報を上位システム11に出力するようにしている。
【0144】
以下、図14の評価項目およびその評価値の算出方法について、順を追って説明する。なお、各評価価値を求めるための式(a)〜(f)は、図中に記載しているので、本文中での記載は省略するが、いずれの式も、8ビット構成の画像データを処理することを前提としている。
【0145】
(1) 照明(Light)
この評価項目では、処理対象画像中の2次元コードのコントラストの状態により照明状態の適正度合が表わされるものと考えて、評価値Liを算出する。コントラストは、デコード処理時の誤り訂正により最終確定した白セル、黒セルの画像データを用いて算出する。(a)式中、wは、白セルと判別されたセル毎の濃度値のうちの最小値であり、bは、黒セルと判別されたセル毎の濃度値のうちの最大値である。
【0146】
先の第1実施例の(E)式では、白セルと黒セルとの間の濃度値を階調により正規化したものを、コントラストの評価値とした。これに対し、この実施例では、画像上の濃度値は最低でも50程度の値を示すことを前提として、コントラストの想定される変化の範囲において評価値Liが1〜100の範囲で変化するように設定している。なお、前記最低の濃度値は、CCDのショットノイズなどの影響によるものである。
【0147】
具体的には、(w−b)の値が200以上であれば、コントラストは十分であるとみなす一方、(w−b)の値が10になると、セルの識別が不可能になる可能性があるとしている。(a)式によれば、w−b=200のときに、評価値Liが100となり、w−b=10のときに、評価値Liが1となる。
【0148】
この評価値Liに対する警告レベルはLiの値が6以下となったとき、すなわち、(w−b)の値が20以下となったときに設定されている。評価値Liがこの警告レベルに達したときには、通常は、照明の選択に誤りがある旨を知らせるコメントを表示する。ただし、このときのwの値が、前記最低値とみなした「50」よりも小さくなっている場合には、照明を明るくする必要があることを知らせるコメントを表示する。反対に、bの値が最大値である「255」に達しているときは、照明を暗くする必要があることを知らせるコメントを表示する。
【0149】
(2) フォーカス(Focus)
この評価項目にかかる評価値Fcは、前記カメラ3のフォーカス調整の適正度合を示すものである。この実施例では、タイミングパターンに対する画像処理結果を用いて、黒セルと白セルとの間で濃度変化が現れる範囲の大きさEを抽出し、このEの値を用いた算出式(b)を設定している。
【0150】
前記(b)式のEは、タイミングパターンの画像を一次微分した結果を二次微分することによって得られたものである。なお、この実施例では、タイミングパターンにおけるセルの配列状態を識別す際に一次微分を行い、その結果をメインメモリ22内に保存しているので、評価値Fcを算出する際には二次微分処理から開始すればよい。
【0151】
図15は、タイミングパターンの配列方向における濃度変化がフォーカスの調整状態によって異なる例を3つ示す。これらの例では、白、黒、白の各セルを横切る方向における濃度変化を、一次微分,二次微分の各結果とともに示している。なお、濃度変化は、白から黒への変化を下方向(−方向)に、黒から白の変化を上方向(+方向)に、それぞれ対応させている。
【0152】
図15(1)は、フォーカスの調整が最適な場合である。最適な調整が行われた場合、一次微分で抽出される変化は殆ど幅を持たないものとなり、これを受けた二次微分における+方向の変曲点と−方向の変曲点とは、セルの配列方向においてほぼ同じ位置に現れる。これに対し、フォーカスの調整状態が悪くなると、(2)(3)に示すように、セル間における濃度変化の幅が大きくなり、二次微分における+、−の各変曲点の間隔もしだいに大きくなる。
【0153】
この実施例では、上記二次微分における+、−の各変曲点間の間隔に対応する画素数をEとしている。また、(b)式中のCは、セル間のピッチを表す画素数である(この実施例では、このCを「セルサイズ」と呼ぶ。)。セルサイズCは、コードサイズS(画像上の2次元コードの1辺に対応する画素数)をシンボルサイズM(2次元コードの1辺に対応するセルの数)で割った値(S/M)に相当する。コードサイズSは、ファインダパターンが抽出されたとき、以後のセルの識別のために計測され、メインメモリ22に保存されるものである。また、シンボルサイズMは、処理対象の2次元コードの仕様に基づき、あらかじめユーザーにより入力され、メインメモリ22内に登録されているものである。
【0154】
(b)式によれば、E=2のときに評価値Fcが「100」となる。E=2となるのは、隣接する黒セルおよび白セルの双方において、一番外側の一画素のみに濃度変化が生じている場合と考えられる。一方、この実施例では、E=Cになるときを最悪のフォーカス状態と考え、このときの評価値Fcが1となるようにしている。また、この最悪の状態よりも1画素分小さい場合、すなわちE=C−1のときの評価値Fcを警告レベルとして、フォーカスの調整が適正でないことを知らせるコメントを表示するようにしている。
【0155】
(3) マーキング(Mark)
この評価項目にかかる評価値Mkは、セルの認識処理の精度を表すものである。この実施例では、ファインダパターン、タイミングパターン、およびタイミングパターンの内側の情報表示領域について、それぞれ(c1)式,(c2)式,(c3)式により評価値を求め、その中の最小値を評価値Mkとして採用するようにしている。
【0156】
まず、(c1)式は、情報表示領域に対する評価値の算出式である。この(c1)式において、CDは、誤り訂正が行われたセルの数である。またCDmaxは誤り訂正可能なセルの数である。このCDmaxは、誤り訂正が可能なコードワード数Cwmaxに1コードワードを構成するセルの数(たとえば8)を掛けた値(Cwmax×8)に相当する。
【0157】
(c2)式は、ファインダパターンに対する評価値の算出式である。この(c2)式中のCFは、ファインダパターンの抽出処理において、ファインダパターンに対応するセルとして認識できなかったセルの数である。また、CFmaxは、このセルの誤認識が許容される数に相当する。
【0158】
(c3)式は、タイミングパターンに対する評価値の算出式である。この(c3)式中のCTは、タイミングパターンのセルの識別処理において、白黒の判別を誤ったセルの数である。また、CTmaxは、このセルの誤認識が許容される数に相当する。
【0159】
上記(c1)(c2)(c3)の各式によれば、CD,CF,CTがいずれも0であれば、すなわち、2次元コード内の全てのセルを正しく認識できた場合には、評価値Mkは100となる。誤認識したセルが増えるほど評価値Mkは小さくなり、CD,CF,CTのいずれかが対応する最大値CDmax,CFmax,CTmaxに達したときに、評価値Mkは0となる。
【0160】
このマーキング状態については、前記誤認識数CD,CF,CTが対応する最大値CDmax,CFmax,CTmaxより1だけ小さい値になったときの評価値を、警告レベルとしている。そして、前記評価値Mkとして採用された評価値が警告レベル以下となった場合に、認識できないセルがある旨を知らせるコメントを表示するようにしている。
【0161】
上記の評価値Mkは、2次元コードの情報表示領域に限らず、2次元コード全体について、セル単位での誤認識の度合を示すものとなる。したがって、処理画像中の2次元コードの質を、精度良く反映するものと考えることができる。
【0162】
(4) 大きさ(Size)
この評価項目にかかる評価値Csは、カメラの視野に対する2次元コードの大きさの適正度合を示すもので、黒セルを表すドットの大きさ、およびセルサイズを用いて算出される。
【0163】
先の第1実施例では、セルサイズ=ドットサイズと考えたが、この実施例では、両者が異なるものも含めて考える。具体的には、図16(1)に示すように、セルサイズをCとし、ドットの幅Dをドットサイズとする。ドットサイズは、図16(2)に示すように、ドットのマーキングの状態によって変化する。セルサイズCは、(b)式の説明の際に述べたように、コードサイズSをシンボルサイズMで割った値(S/M)に相当するもので、ドットサイズにかかわらず一定の値となる。
【0164】
なお、図16では、1つのセルに1つのドットがマーキングされる場合を示しているが、1つのセルに複数のドットがマーキングされる場合もある。このような場合には、これら複数のドットによる集合体の大きさがドットサイズDに相当すると考える。
【0165】
この実施例では、ドットサイズD,セルサイズCについて、それぞれ個別に評価値を求め、そのうちの小さい方を大きさの評価値Cとして特定するようにしている。
まずドットサイズDの評価値について説明する。この実施例では、個々のセルの白黒状態を判別するには、最低でもドットサイズDを4画素分の大きさに対応させる必要がある、と考える。なお、このドットサイズDの最小値は、CCDの分解能によって変動する。
【0166】
さらに各セルを安定して識別するには、ドットサイズDを7画素以上にする必要があると考える。しかしながら、ドットが大きくなりすぎると、前記したセルの肥大化現象を招くおそれがある。また、ドットを構成する画素数が増えることでドット内における濃度のばらつきが大きくなると、白黒状態の判別に誤りが生じるおそれがある。この点に鑑み、この実施例では、ドットサイズDの適正な範囲を7画素から10画素の間に定め、7<D≦10のときの評価値を「100」としている。一方、D≦7のときには(d1)式により評価値を算出する。この(d1)式によっても、D=7のときの評価値は「100」となる。以下、Dの値が小さくなるにつれて評価値は小さくなり、識別に必要な最低限の値(D=4)において、「1」となる。
【0167】
つぎに、セルサイズの評価値は、セルサイズCおよびシンボルサイズMを(d2)式にあてはめることにより算出される。
この(d2)式では、2次元コードが視野に対して45度傾いた状態を想定し、2次元コードの対角線の長さが視野の一辺に等しくなったときの評価値が「1」となるように設定している。なお、画像中の2次元コードを処理するには、周囲に少なくとも1セル分のマージンを確保する必要があるので、(d2)式では、コードの一辺の長さを、両端のマージンも含め、(C×(M+2))と設定している。よって、2次元コードの対角線の長さは、上記一辺の長さに2の平方根を掛けた大きさ(C×(M+2)×1.4)となる。
【0168】
なお、カメラ3の視野は、x軸方向に512画素、y軸方向に484画素の大きさを持つものとする。この場合、前記2次元コードの対角線の長さがy軸方向の画素数を超えると、2次元コードが視野からはみ出す可能性があるから、(d2)式では、C=345/(M+2)のときに評価値が「1」となるようにしている。また、(d2)式では、ドットサイズDの好ましい数値範囲に対応させて、C=10のときの評価値が「100」となるようにしている。
【0169】
よって、上記ドットサイズDに対する評価値は、処理画像中の各ドットが分解能に応じた大きさを確保できているどうかを判断する指標となる。また、セルサイズCに対する評価値は、2次元コードが視野からはみ出す可能性がないかどうかを判断する指標となる。
【0170】
この実施例では、ドットサイズDが「4」にまで低下したとき(すなわちC=1となったとき)、またはセルサイズCが345/(M+3)に達したときを警告レベルとしている。ドットサイズDが4以下となる場合には、画像中のドットが識別できる大きさを確保できていないことになるから、警告時コメントとして、視野を小さくする(すなわちカメラの位置を下げる。)必要があることを報知する情報を表示する。一方、セルサイズCが345/(M+3)以上になる場合には、画像中の2次元コードが視野からはみ出す状態に近いことになるから、視野を大きくする(すなわちカメラの位置を上げる。)必要があることを報知する情報を表示する。
【0171】
(5) 位置(Locate)
この評価項目にかかる評価値Loは、カメラ3の視野に対する2次元コードの位置の適正度合を示すものである。この実施例では、図17に示すように、処理画像中の2次元コードの4頂点a,b,c,dの座標を用いて、各頂点から視野端までの距離L1,L2,L3,L4を求める。そして、これらの距離の中の最小の値をLとおき、このLを(e)式にあてはめることにより、評価値Loを算出する。
【0172】
この実施例では、前記Lの値が視野の1/3以上の大きさになれば、2次元コードが視野の中央付近に位置するものと考え、L=161(画素)のときに評価値Loが「100」となるように、(e)式を設定している。なお、上記の161画素は、前記したy軸方向の画素数484を3で割った値に近似する。
【0173】
また、この実施例では、前記した1セル分のマージンがなければ、2次元コードを読み取りできなくなる点を考慮して、前記距離Lが1セル分の大きさC(=S/M)になったときに、評価値Loが「1」となるようにしている。
【0174】
また、警告レベルは、距離Lが3Cとなったときの評価値Loに対応させている。評価値Loがこの警告レベル以下となった場合には、警告時コメントとして、2次元コードを視野の中央に設定する必要がある旨を知らせる情報が表示される。
【0175】
(6) 背景(B.G)
この評価項目にかかる評価値Bgは、2次元コードの背景の適正度合を示すものである。この評価値Bgは、ファインダパターンの抽出処理時の抽出数FNを(f)式にあてはめて算出される。なお、(f)式において、FNmaxは、前記第1実施例の(A)式と同様に、所定の制限時間内に実行可能なデコード回数の上限値に設定される。またFNminは、0より大きくFNmaxより小さい所定数に設定される。
【0176】
(f)式によれば、FN=FNmaxのときに、評価値Bgは最小値の「10」となる。また、(f)式では、FN=FNminのときに、評価値Bgが「100」となるが、FNの値がFNminより小さくなったときも、評価値Bgの値は「100」のまま維持するのが望ましい。なお、FNがFNmaxより大きくなった場合には、デコード失敗となる。
【0177】
この評価項目については、評価値Bgを示すのみで、警告レベルや警告時コメントは設定していない。これは、仮にFN=FNmaxとなっても、デコード自体は可能である、という理由による。また、この実施例では、凹凸や模様のある対象物に2次元コードが付される場合に、背景状態のばらつきや読取に及ぼす影響を把握することを主な目的として評価値Bgを求めている、という事情にもよる。ただし、第1実施例で述べたように、マーキング装置の部品の劣化などによって2次元コードの書込み位置以外にノイズが形成され、このノイズの発生量の変化を問題とする場合には、たとえばFNのFNmaxに対する差が所定値に達したときのBgの値を警告レベルとして設定してもよい。
【0178】
上記(1)〜(6)の評価値も、第1実施例の各評価値と同様に、処理画像中の2次元コードが読取処理にどのくらい適しているかの度合を反映するものと考えることができる。この第2実施例でも、第1実施例と同様に、2次元コードの撮像からデコードまでの一連の処理を実行し、デコードに成功すると、前記した6種類の評価項目について、それぞれ評価値を算出するようにしている。
【0179】
さらに、この実施例では、モニタ4への表示について、ユーザーの選択に応じて2種類の表示画面を提示できるようにしている。1つは、各評価値の現在値を処理対象画像や光学情報のデコード結果とともに示す画面である。
【0180】
図18(1)は、上記評価値の現在値を示す表示画面の一例を示す(以下、この画面を「A画面」という。)。図中の30は処理対象の2次元コードの画像であり、31はこの画像中の2次元コードから得た読取データの表示領域である。各評価値は、図中の領域32内に具体的な数値として示されるほか、レーダーチャート33としても表示されている。また、処理対象画像中の2次元コードには、誤認識したセルの位置を示すポインタ34が表示される。
【0181】
さらに、所定の評価値が警告レベルに達している場合には、図示のように、警告マーク35が表示される。また、警告マーク35の隣には、前記警告レベルに達した評価値に対応する警告時コメント(前記図14に示したもの)が表示される。
【0182】
もう一方の表示画面は、評価値の経時変化を示す画面であり、図18(2)にその例を示す(以下、この画面を「B画面」という。)。このB画面では、所定の評価項目(図示例では照明)についての評価値の経時変化を示すグラフ37が表示される。なお、このB画面にも、直前に処理した2次元コードの画像30(ここでは輪郭のみ仮想線で示す。)や読取データの表示領域31が示されるほか、通算の処理回数や読取に成功した回数などの履歴データの表示領域36が設定される。
【0183】
この実施例では、照明、フォーカス、マーキング、位置の4項目について、評価値の経時変化を表示できるようにしている。なお、表示される項目は、ユーザーの選択操作によって、適宜変更することができる。なお、図中の警告マーク35は、A画面の場合と同様に、評価値の現在値に対して表示されるもので、上記4項目のほか、大きさや背景にかかる評価値も表示の対象となる。
【0184】
この実施例では、評価値を算出する毎に、その最新の評価値を含む過去所定回数分の評価値の平均値(いわゆる移動平均値)を算出するようにしている。前記B画面に表示されるグラフは、この平均値の変化を示しており、横軸の「0」が現時点を示す。この実施例では、この平均値を用いて、評価値のばらつき度合を評価する処理、または評価値の経時変化から2次元コードの変化の傾向を予測する処理を実行する。そして、前記ばらつき度合が大きすぎると判断したり、2次元コードが読取不可能な状態になると予測した場合には、判断対象となった評価項目を明示した警告情報を表示または出力するようにしている。
【0185】
評価値のばらつき度合の評価は、過去所定回数分の平均値Xnについて標準偏差σを求め、(X−3σ)の値をチェックすることにより行われる(Xは現時点で得た最新の平均値である。)。この実施例では、X−3σ≦0となるときに、所定の警告情報を出力するようにしている。
【0186】
統計理論に従えば、母集団を構成するサンプルの99.7%までが(X±3σ)の範囲に含まれる。よって、上記の警告情報が出力されることがなければ、ユーザーは、いずれの評価値も安定した状態にあり、2次元コードの読取を支障なく行うことができると判断することができる。
【0187】
つぎに、2次元コードの変化の傾向を予測する処理では、たとえば、図19に示すように、現在から14回前に得られた平均値X1と、この平均値X1よりさらに1000回前に得られた平均値X2とを抽出し、時間軸と平均値Xnの軸とによるグラフ上にプロットする。そして、これら2点を用いて、下記の(1)式のように、評価値Xnの変化を示す直線を設定する。
【0188】
【数1】
Figure 2004078896
【0189】
ここで、デコードに失敗したときの評価値を0として、現時点から5000回の処理を行った時点でデコードが不可能になるものと仮定する。この仮定に基づき、上記(1)式のnを5000として、このときのXnが0以下になるものと仮定すると、X1,X2の関係は、下記の(2)式のようになる。
【0190】
【数2】
Figure 2004078896
【0191】
よって、X1,X2の間に(2)式の関係が成立するとき、5000回後に処理対象となる2次元コードの読取が不可能になると判断することができる。この実施例では、2次元コードに対する処理を行う毎に、各項目毎の評価値について、それぞれ14回前および1014回前の平均値X1,X2を抽出し、これらの間に上記(2)式の関係が成立するかどうかをチェックするようにしている。そして、いずれかの項目について(2)式の関係が成立した場合には、その項目を明示した警告情報をモニタ4に表示または上位システム11に出力するようにしている。
【0192】
図20は、この第2実施例における読取処理の手順を示す。なお、この読取処理の開始に先立ち、ユーザーは、モニタ4に前記A画面,B画面のいずれを表示するかを選択する操作を実行する。さらに、B画面を表示する場合には、表示対象の評価項目を選択する処理を行うほか、前記したばらつきの評価または2次元コードの変化の傾向を予測する処理のいずれを実行するかの選択を行う。
【0193】
図20において、ST1〜7の流れは、前記第1実施例の図12に示したのと同様である。また、デコードに失敗したときはエラー出力を行うステップ(この実施例ではST20)も同様である。
【0194】
上記の処理においてデコードに成功すると、ST7が「YES」となってST8に進み、前記した6種類の評価値を算出する。
つぎにST9では、前記表示画面の選択をチェックする。ここで、評価値の現在値を表示するA画面が選択されている場合には、ST10に進み、6種類の評価値を処理対象画像や読取データとともに表示する。さらに、これらの評価値の中に警告レベルに達したものがある場合には、ST11が「YES」となってST12に進み、前記した警告マーク35や警告時コメントを表示する。また、上位システム11にも、警告時コメントと同じ内容の情報を出力する。
【0195】
この後は、ST13において、算出された各評価値のうち、Li,Fc,Mk,Loの4種類の評価値をメインメモリ22に保存し、読取処理を終了する。なお、警告レベルに達している評価値がない場合には、ST12をスキップしてST13に進む。
【0196】
つぎに、評価値の経時変化を示すB画面が選択されている場合には、ST9からST14に進む。このST14では、選択されている評価項目について、直前に得た評価値を含む過去所定回数分の評価値をメインメモリ22から読み出し、平均値Xを算出する。
【0197】
この後、ST15では、この平均値Xを含む過去所定回数分の平均値をメインメモリ22から読み出し、その経時変化を示すグラフを含むB画面を表示する。つぎのST16では、ユーザーの選択に応じて、評価値のばらつきを評価する処理、または2次元コードの変化の傾向を予測する処理のいずれかを実行する。なお、このST16での処理対象は、B画面の表示対象として選択されている評価値のみとしても良いが、これに限らず、B画面に表示可能な4種類の評価値Li,Fc,Mk,Loのすべてを処理しても良い。
【0198】
つぎのST17では、ST16における処理結果が警告すべきレベルに達しているかどうかをチェックする。この判定が「YES」であればST18に進み、モニタ4に所定の警告情報を表示する。さらに上位システム11に対しても、同じ内容の警告情報を表示することができる。
【0199】
この後は、ST19において、前記ST8で得た評価値やST14で得た平均値をメインメモリ22に保存し、読取処理を終了する。なお、ST17において、処理結果が警告レベルに達していない場合には、ST18をスキップしてST19に進む。
【0200】
なお、ST8以下の手順は、デコードが成功しているときのみ行われるので、仮にST12やST18の警告表示・出力が行われても、後続の2次元コードに対する読取処理を直ちに中止する必要はない。ただし、2次元コードの質を低下させている原因が取り除かれるまでは、図20の読取処理を実行する都度、同じ警告表示や出力が行われることになる。
【0201】
前記図14の設定によれば、照明、フォーカス、マーキング、位置の4項目については、評価値Li,Fc,Mk,Loが警告レベルに達している場合には、具体的な対応の方法を示す警告時コメントが表示される。したがって、一般ユーザーでも、容易に正しい対応をとって、2次元コードの質を向上させることができる。
【0202】
このような設定によれば、2次元コードリーダ1の初期設定時や読取対象の2次元コード7や部品9の種類を変更したような場合に、試験的に図20の読取処理を実行することにより、照明、フォーカス、視野、2次元コードの位置などの調整の不備をユーザーに示すことができる。よって、ユーザーは、調整の不備を速やかに修正して、2次元コードの読取に適した環境を設定することができる。また、評価値のばらつき度合を評価する処理を選択するようにすれば、ユーザーは、2次元コードの読取がどの程度の安定性をもって行われるのかを判断することができる。
【0203】
さらに、2次元コードリーダ1を本格的に使用する際には、デコードに成功する都度、各種評価値を算出して警告レベルと比較する処理が行われるから、2次元コードの状態がデコードが困難な方向に変化していることを速やかに検出して、ユーザーに知らせることができる。また、ユーザーは、2次元コードの変化の傾向を予測する処理を選択することにより、所定回数分の読取処理を経た時点での2次元コードの読取が可能であるか否かを判断することができる。
【0204】
【発明の効果】
この発明によれば、光学情報コードの読取処理を繰り返し行っている間に、毎時の画像中の光学情報コードの質がデコード不可能な状態に向かって変化している場合には、その変化をユーザーに知らしめることができるので、デコード不可能な状態にまで光学情報コードの質が低下する前に、低下を引き起こした原因を取り除くことができる。よって、光学情報コードを連続して読み取る場合にも、デコードに支障が生じることがなく、読取処理を安定して行うことができる。また、光学情報コードの質が低下の方向に変化していても、デコードが不可能になる前にその変化を検出することができるから、読取処理を即座に停止する必要がなく、読取処理における利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された2次元コードリーダの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】2次元コードリーダの外観および使用状態を示す図である。
【図3】2次元コードリーダの電気構成を示すブロック図である。
【図4】2次元コードに対する評価項目および評価値の算出式を示すテーブルである。
【図5】評価値の経時変化を示すグラフの表示例を示す図である。
【図6】セルサイズの評価に用いるパラメータの抽出方法を示す図である。
【図7】セルサイズの変動例を示す図である。
【図8】画像のコントラスト変化の例を示す図である。
【図9】セルと画素との関係を示す図である。
【図10】セル内の分散値を求める方法を示す図である。
【図11】ユーザーによる装置使用手順を示すフローチャートである。
【図12】読取処理にかかるコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】デコード処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図14】2次元コードに対する評価項目、評価値の算出式、警告レベル、警告時コメントを示すテーブルである。
【図15】フォーカスの評価値算出に用いられるパラメータEの抽出方法を示す図である。
【図16】セルサイズとドットサイズとの概念を示す図である。
【図17】位置の評価値算出に用いられるパラメータLの抽出方法を示す図である。
【図18】モニタに表示する2種類の画面の表示例を示す図である。
【図19】2次元コードの変化の傾向を予測する処理の具体例を示す図である。
【図20】第2実施例における読取処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】2次元コードの代表例および各コードにおけるファインダパターン,タイミングパターンを示す説明図である。
【符号の説明】
1 2次元コードリーダ
2 コントローラ
3 カメラ
4 モニタ
5 コンソール
6 表示ランプ
7 2次元コード
21 CPU
22 メインメモリ
24 画像処理部
26 画像メモリ

Claims (16)

  1. 視覚認識が可能なシンボルによる光学情報コードを撮像するステップと、
    前記撮像により得られた画像に所定の画像処理を施して、前記画像中の前記光学情報コードを抽出するステップと、
    前記画像処理により抽出された光学情報コードに前記抽出時とは異なる画像処理を実行し、その画像処理結果に基づき前記光学情報コードの表す光学情報をデコードするステップとを、順番に実行する方法において、
    前記光学情報のデコードに成功したとき、そのデコードまでに実行した処理の結果に基づき、前記画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得るステップと、この評価値を記憶するステップと、前記評価値と過去に記憶した複数の評価値とを用いて評価値の経時変化を示すデータを出力するステップとを、実行することを特徴とする光学情報コードの読取方法。
  2. 請求項1に記載された方法において、
    前記評価値の経時変化を示すデータを出力するステップでは、前記データを所定の警告レベルに対比させて表示する光学情報コードの読取方法。
  3. 視覚認識が可能なシンボルによる光学情報コードを撮像するステップと、
    前記撮像により得られた画像に所定の画像処理を施して、前記画像中の前記光学情報コードを抽出するステップと、
    前記画像処理により抽出された光学情報コードに前記抽出時とは異なる画像処理を実行し、その画像処理結果に基づき前記光学情報コードの表す光学情報をデコードするステップとを、順番に実行する方法において、
    前記光学情報のデコードに成功したとき、そのデコードまでに実行した処理の結果に基づき、前記画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得るステップと、この評価値を所定の警告レベルと比較するステップと、前記評価値が前記警告レベルに達したことを条件として、所定の態様による警告処理を実行するステップとを、実行することを特徴とする光学情報コードの読取方法。
  4. 請求項1または3に記載された方法において、
    前記光学情報コードを抽出するステップは、この光学情報コードに含まれる特定のパターンのモデルを前記撮像により得られた画像に走査しながら相関演算を行うステップと、前記相関演算による相関値が所定のしきい値以上となった位置を前記光学情報コードの抽出位置として特定するステップとを含んでおり、
    前記評価値を得るステップでは、前記コードの抽出位置として特定された位置で得られた相関値を前記評価値として認識する光学情報コードの読取方法。
  5. 請求項1または3に記載された方法において、
    前記光学情報コードを抽出するステップでは、前記撮像により得られた画像から前記光学情報コードに含まれる特定のパターンを抽出する処理を実行し、
    前記評価値を得るステップでは、前記光学情報コードを抽出するステップにおける特定のパターンの抽出数を用いて前記評価値を算出する光学情報コードの読取方法。
  6. 請求項1または3に記載された方法において、
    前記光学情報をデコードするステップには、光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別するステップが含まれており、
    前記評価値を得るステップでは、前記小領域の識別結果と前記光学情報コードを含む画像領域内の画像データとを用いて、光学情報コードを撮像したときのフォーカス調整、光学情報コードにおけるコントラスト、小領域の大きさ、小領域内の濃度分布、コードの位置のうちの少なくとも1つにかかる評価値を算出する光学情報コードの読取方法。
  7. 請求項1または3に記載された方法において、
    前記光学情報をデコードするステップには、光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別するステップが含まれており、
    前記評価値を得るステップでは、前記小領域の識別処理における誤りの度合を示す評価値を算出する光学情報コードの読取方法。
  8. 請求項1または3に記載された方法において、
    前記光学情報コードを撮像するステップ、前記光学情報を抽出するステップ、前記光学情報をデコードするステップの各ステップによる処理が複数サイクル実行される間に記憶された評価値を用いて、前記3つのステップによる処理がさらに所定サイクル実行された後のデコードが可能であるか否かを予測し、デコードが不可能になると予測されたとき、所定の態様による警告処理を行う光学情報コードの読取方法。
  9. 視覚認識が可能なシンボルによる光学情報コードを含む画像を取得する画像取得手段と、
    前記取得した画像に対し、前記光学情報コードを抽出するための画像処理を実行する画像処理手段と、
    前記画像処理により抽出された光学情報コードに前記抽出時とは異なる画像処理を実行し、その画像処理結果を用いて前記光学情報コードの表す光学情報をデコードするデコード処理手段と、
    前記デコード処理手段が光学情報のデコードに成功したとき、前記画像処理手段および前記デコード処理手段の少なくとも一方が実行した処理の結果に基づき、前記取得した画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得る評価値取得手段と、
    前記評価値取得手段が取得した評価値を保持するための記憶手段と、
    前記記憶手段に保持された複数の評価値を用いて、評価値の経時変化を示すデータを作成して出力する経時変化出力手段とを具備して成る光学情報コード読取装置。
  10. 前記経時変化出力手段は、前記評価値の経時変化を示すデータを所定の警告レベルとともに表示する手段を含んで成る請求項9に記載された光学情報コード読取装置。
  11. 視覚認識が可能なシンボルによる光学情報コードを含む画像を取得する画像取得手段と、
    前記取得した画像に対し、前記光学情報コードを抽出するための画像処理を実行する画像処理手段と、
    前記画像処理により抽出された光学情報コードに前記抽出時とは異なる画像処理を実行し、その画像処理結果を用いて前記光学情報コードの表す光学情報をデコードするデコード処理手段と、
    前記デコード処理手段が光学情報のデコードに成功したとき、前記画像処理手段および前記デコード処理手段の少なくとも一方が実行した処理の結果に基づき、前記取得した画像中の光学情報コードについて所定の評価値を得る評価値取得手段と、
    前記評価値取得手段が取得した評価値が所定の警告レベルに達したか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段により前記評価値が前記警告レベルに達したと判断されたときに所定の警告情報を出力する警告出力手段とを具備して成る光学情報コード読取装置。
  12. 前記画像処理手段は、前記光学情報コードに含まれる特定のパターンのモデルを前記画像取得手段が取得した画像に走査しながら相関演算を実行する手段と、前記相関演算による相関値が所定のしきい値以上となった位置を前記光学情報コードの抽出位置として特定する手段とを含み、
    前記評価値取得手段は、前記光学情報コードの抽出位置として特定された位置で得られた相関値を前記デコード処理手段の処理が終了するまで保持し、前記デコード処理手段が光学情報のデコードに成功したとき、前記保持されていた相関値を前記評価値として認識する請求項9または11に記載された光学情報コード読取装置。
  13. 前記画像処理手段は、前記画像取得手段が取得した画像から前記光学情報コードに含まれる特定のパターンを抽出するための画像処理を実行し、
    前記評価値取得手段は、前記特定のパターンの抽出数を用いて、前記評価値を算出する請求項9または11に記載された光学情報コード読取装置。
  14. 前記デコード処理手段は、光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別する手段を含み、
    前記評価値取得手段は、前記小領域の識別結果と前記光学情報コードを含む画像領域内の画像データとを用いて、光学情報コードを撮像したときのフォーカス調整、光学情報コードにおけるコントラスト、小領域の大きさ、小領域内の濃度分布、コードの位置のうちの少なくとも1つにかかる評価値を算出する請求項9または11に記載された光学情報コード読取装置。
  15. 前記デコード処理手段は、光学情報の最小単位を示す小領域を個別に識別する手段を含み、
    前記評価値取得手段は、前記小領域の識別処理における誤りの度合を算出する請求項9または11に記載された光学情報コード読取装置。
  16. 請求項9または11に記載された光学情報コード読取装置において、
    前記画像取得手段、画像処理手段、デコード処理手段の各手段による処理が所定サイクル実行された後の光学情報のデコードが可能であるか否かを、前記評価値記憶手段に保持された複数の評価値を用いて予測する予測手段と、
    前記予測手段が前記所定サイクル実行された後の光学情報のデコードが不可能になると予測したとき、所定の態様による警告情報を出力する警告情報出力手段とを具備して成る光学情報コード読取装置。
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