JP2004078713A - クロスバスイッチの調停制御方法及びクロスバスイッチの調停制御方式 - Google Patents

クロスバスイッチの調停制御方法及びクロスバスイッチの調停制御方式 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のクロスバスイッチを多段接続した構成のシステムにおいて、全てのノード間でトランザクションの転送能力を均一化する。
【解決手段】クロスバスイッチ(L0〜L5)において、ルーティングテーブルはトランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号とトランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号で索引すると出力ポート番号とクロスバスイッチ調停時の優先度を出力する。セレクタは、入力ポートからトランザクションが入力されると、トランザクションの発行元のプロセッサ/IOノード番号と転送先のプロセッサ/IOノード番号に基づき前述のルーティングテーブルから出力ポート番号と優先度を取り出す。出力ポート番号に対応した調停回路は、取り出した前記優先度に応じた調停処理を行う。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクロスバスイッチの調停制御方法及びクロスバスイッチの調停制御方式に関し、特に全てのプロセッサ/IOノードからのトランザクションを均等のスループットでルーティングすることを可能にするクロスバスイッチの調停制御方法及びクロスバスイッチの調停制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
クロスバスイッチを多段構成で使用する場合、トランザクションのスループットは、通過するクロスバスイッチの段数、ルーティングによって大きく異なってくる。
【0003】
図5は4つのクロスバーLSI#0(L50)〜#3(L53)と8つのプロセッサ/IOノード#0(N50)〜#7(N57)を使った構成のシステムを表しており、クロスバーLSIの#0,#1,#2を使って、プロセッサ/IOノードの#0,#1,#4から#6に対してトランザクションが出力されている事を表している。この時、クロスバーLSIの#0,#1,#2内のクロスバスイッチが単に全てのトランザクションを均一に調停したとすると、プロセッサ/IOノードの#1から#6へのパスの平均的なスループットは1/64(注;下記)となるのに対して、プロセッサ/IOノードの#4から#6へのパスの平均的なスループットは1/4であり、プロセッサ/IOノード間でのトランザクションスループットに大きな差が生じる。
【0004】
(注)プロセッサ/IOノードの#1のトランザクションがクロスバーLSIの#1からクロスバーLSIの#0へ出力する為には、クロスバーLSIの#1内のクロスバスイッチの調停を勝取る必要が有り、この時の確率は1/4である。同様にクロスバーLSI#0からクロスバーLSI#2へ出力する為には、クロスバーLSI#0内のクロスバスイッチの調停を勝取る必要があり、この時の確率は1/4で、プロセッサ/IOノード#1からクロスバーLSI#2へ到達する確率は1/16である。最終的にプロセッサ/IOノード#1からプロセッサ/IOノード#6へ到達する確率は1/64となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の多段構成のクロスバスイッチにおける調停制御方法は、単に個々のクロスバスイッチでのトランザクションの調停を最適化(平等化)しているため、ノード間を通過するクロスバスイッチの段数、ルーティングによってトランザクションのスループットが大きく異なってくるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、多段構成のクロスバスイッチにおいて、各ノード間でクロスバスイッチの通過回数が異なる場合でも、全てのノード間でトランザクションの転送能力を均一化する調停制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、複数の入力ポートと出力ポートを有するクロスバスイッチが多段構成されたシステムにおけるクロスバスイッチの調停制御方法において、前記クロスバスイッチはトランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記トランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号で索引すると出力ポート番号とクロスバスイッチ調停時の優先度を出力するルーティングテーブルを予め具備し、前記入力ポートから前記トランザクションが入力されると、前記トランザクションの前記発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記転送先のプロセッサ/IOノード番号に基づき前記ルーティングテーブルから前記出力ポート番号と前記優先度を取り出し、取り出した前記出力ポート番号に対応した調停回路にて前記優先度に応じた調停処理を行うことを特徴とする。
【0008】
本願の第2の発明は、第1の発明の前記調停回路は、前記優先度に対応した調停獲得比率で前記複数の入力ポートからの前記トランザクションを選択することを特徴とする。
【0009】
本願の第3の発明は、第1または第2の発明の前記優先度は、前記出力ポートから出力される前記複数の入力ポートからの前記トランザクションのスループットが均等になるように割り付けられることを特徴とする。
【0010】
本願の第4の発明は、複数の入力ポートと出力ポートを有するクロスバスイッチが多段構成されたシステムにおけるクロスバスイッチの調停制御方式において、前記クロスバスイッチはトランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記トランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号で索引すると出力ポート番号とクロスバスイッチ調停時の優先度を出力するルーティングテーブルと、前記入力ポートから前記トランザクションが入力されると前記トランザクションの前記発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記転送先のプロセッサ/IOノード番号に基づき前記ルーティングテーブルから前記出力ポート番号と前記優先度を取り出すセレクタと、前記出力ポート番号に対応した調停回路であって取り出した前記優先度に応じた調停処理を行う前記調停回路を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
本願の第5の発明は、第4の発明の前記調停回路は、前記優先度に対応した調停獲得比率で前記複数の入力ポートからの前記トランザクションを選択することを特徴とする。
【0012】
本願の第6の発明は、第4または第5の発明の前記優先度は、前記出力ポートから出力される前記複数の入力ポートからの前記トランザクションのスループットが均等になるように割り付けられることを特徴とする。
【0013】
「作用」
本発明のクロスバスイッチの調停制御方式は、クロスバスイッチを通過する際に、ルーティングテーブルを参照し、その情報に基づいてルーティングされる機能を有し、予めルーティングテーブル内に調停の優先度を設定しておく事で、クロスバスイッチの調停に際し、ルーティングテーブルを索引して得られた重みを考慮して調停を行う事により、クロスバスイッチを通過する回数の多い経路のトランザクションの、経路上の各クロスバスイッチでの調停優先度を上げる事で、クロスバスイッチを通過する回数の多い経路のトランザクションが、クロスバスイッチを通過する回数の少ない経路のトランザクションに対する相対的な、スループットの低下を防ぐ事が可能となる事を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の多段クロスバの調停制御方式に係わるクロスバーLSIを用いた多段クロスバシステムの一実施の形態を示すブロック図である。
【0016】
図1を参照すると、多段クロスバシステムは、6つのクロスバーLSIであるL0〜L5と6つのプロセッサ/IOノードであるN0〜N5からなっている。
【0017】
クロスバーLSIには4組の入出力ポートであるポート#0,ポート#1,ポート#2,ポート#3を有し、入力ポートからトランザクションとして、トランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号と、トランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号と、転送データを入力し、クロスバーLSI内部に有しているルーティングテーブルの情報に従って、出力ポートへトランザクションを出力する機能を有し、システム規模によりクロスバーLSIを複数接続することで、より大きなクロスバスイッチを構成する事が出来る。
【0018】
図2は図1のクロスバーLSIの内部構造を表しており、クロスバーLSIには転送データを選択する為のデータセレクタ110〜113と、各ポートからのトランザクションを調停する調停回路120〜123と、トランザクションを転送する入力データ140〜143と、調停に使用される優先度(調停獲得比率)情報を保持するルーティングテーブル130〜133を有している。クロスバーLSIは入力ポートからトランザクションを受付けた時、トランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号と、トランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号でルーティングテーブルを索引し、その結果から出力ポート番号を特定する。この時、ルーティングテーブルから出力ポート番号と共に、クロスバスイッチ調停時の優先度(Priority)も獲得し、出力ポート毎に対応した調停回路に対して調停要求を行う。複数の入力ポートから調停要求を受けた調停回路はルーティングテーブルから得た優先度に従って調停を行い、調停に勝ったトランザクションを選択し出力ポートへ出力する。
【0019】
次に、本発明の実施の形態の動作について図面を参照して説明する。
【0020】
図3は、図1の動作説明図であり、図4は、図3のクロスバーLSIに保持されたルーティングテーブルの設定状態の一例を示す図である。
【0021】
ここで全てのプロセッサ/IOノードからプロセッサ/IOノード#4へトランザクションを転送する場合の動作を説明する。ルーティングテーブルの設定に従うと、プロセッサ/IOノード#0からのトランザクションは、クロスバーLSI#0、#1、#4を経由してプロセッサ/IOノード#4へ転送される。プロセッサ/IOノード#1からのトランザクションは、クロスバーLSI#1,#4を経由してプロセッサ/IOノード#4へ転送される。プロセッサ/IOノード#2からのトランザクションは、クロスバーLSI#2,#1,#4を経由してプロセッサ/IOノード#4へ転送される。プロセッサ/IOノード#3からのトランザクションは、クロスバーLSI#3,#4を経由してプロセッサ/IOノード#4へ転送される。プロセッサ/IOノード#4からのトランザクションは、自Nodeから自Nodeへの転送であり存在しない。プロセッサ/IOノード#5からのトランザクションは、クロスバーLSI#5,#4を経由してプロセッサ/IOノード#4へ転送される。この時、プロセッサ/IOノード#3,#5からのトランザクションは、クロスバーLSI#4で1回のみ調停へ参加し、プロセッサ/IOノード#0,#1,#2からのトランザクションは、クロスバーLSI#1で1回、クロスバーLSI#4で1回の計2回調停へ参加する事になる。クロスバーLSI#0のポート#1を使用するプロセッサ/IOノードがプロセッサ/IOノード#0しか存在しないため、出力ポート競合による調停は無い。クロスバーLSI#2,#3,#5でも同様である。プロセッサ/IOノード#0,#1,#2からのトランザクションは、クロスバーLSI#1のルーティングテーブルの設定により同確立で調停される為、各々1/3の確立で調停を勝取る事になる。クロスバーLSI#1で調停を勝取ったプロセッサ/IOノード#0,#1,#2からのトランザクションは、クロスバーLSI#4でプロセッサ/IOノード#3,#5と調停を行うが、この時、プロセッサ/IOノード#0,#1,#2からのトランザクションは既にクロスバーLSI#1でスループットが1/3に落ちている為、同確立でプロセッサ/IOノード#3,#5と調停を行うと、発行元プロセッサ/IOノードによりトランザクション転送時のスループットに差が生じてしまう。その為、クロスバーLSI#4での調停は、プロセッサ/IOノード#0,#1,#2からのトランザクションが、プロセッサ/IOノード#3,#5からのトランザクションに対して3倍の確立で調停を勝取れるようにルーティングテーブル内のPriorityを設定し調停を行う。その結果、クロスバーLSI#4からプロセッサ/IOノード#4への出力ポート#2で見た場合、プロセッサ/IOノード#0,#1,#2,#3,#5からのトランザクションは均等に1/5の確立で調停を勝取る事になる。
【0022】
本実施例より更に大きな構成で、クロスバ−LSIの通過個数に差がでる構成の場合も、あるクロスバ−LSIの出力ポートを通過する全プロセッサ/IOノード発行のトランザクションが、クロスバ−LSIの出力ポートでの調停獲得確立が同じに成るようにルーティングテーブルのPriorityを設定する事で、最終的に転送先プロセッサ/IOノードへ入力されるトランザクションは、全発行元プロセッサ/IOノード間で均等の確立(スループット)になる。
【0023】
各クロスバ−LSIの入出力ポートはHW量の許す範囲内で増減可能であり、また、クロスバ−LSIの接続個数に制限は無い。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、複数のクロスバスイッチを多段接続した構成のシステムにおいて、各ノード間でクロスバスイッチの通過回数が異なる場合でも、全てのノード間でトランザクションの転送能力を均一化する事が可能となり、スループットの偏りを解消することが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多段クロスバの調停制御方式に係わるクロスバーLSIを用いた多段クロスバシステムの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1のクロスバーLSIの内部構造を示すブロック図である。
【図3】図1の動作説明図である。
【図4】図3のクロスバーLSIに保持されたルーティングテーブルの設定状態の一例を示す図である。
【図5】多段構成のクロスバスイッチにおけるスループットを説明するための参考図である。
【符号の説明】
L0〜L5  クロスバーLSI
N0〜N5  プロセッサ/IOノード
L30〜L35  クロスバーLSI
N30〜N35  プロセッサ/IOノード
L50〜L53  クロスバーLSI
N50〜N57  プロセッサ/IOノード
110〜113  データセレクタ
120〜123  調停回路
130〜133  ルーティングテーブル
140〜143  入力データ

Claims (6)

  1. 複数の入力ポートと出力ポートを有するクロスバスイッチが多段構成されたシステムにおけるクロスバスイッチの調停制御方法において、前記クロスバスイッチはトランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記トランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号で索引すると出力ポート番号とクロスバスイッチ調停時の優先度を出力するルーティングテーブルを予め具備し、前記入力ポートから前記トランザクションが入力されると、前記トランザクションの前記発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記転送先のプロセッサ/IOノード番号に基づき前記ルーティングテーブルから前記出力ポート番号と前記優先度を取り出し、取り出した前記出力ポート番号に対応した調停回路にて前記優先度に応じた調停処理を行うことを特徴とするクロスバスイッチの調停制御方法。
  2. 前記調停回路は、前記優先度に対応した調停獲得比率で前記複数の入力ポートからの前記トランザクションを選択することを特徴とする請求項1記載のクロスバスイッチの調停制御方法。
  3. 前記優先度は、前記出力ポートから出力される前記複数の入力ポートからの前記トランザクションのスループットが均等になるように割り付けられることを特徴とする請求項1または2記載のクロスバスイッチの調停制御方法。
  4. 複数の入力ポートと出力ポートを有するクロスバスイッチが多段構成されたシステムにおけるクロスバスイッチの調停制御方式において、前記クロスバスイッチはトランザクション発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記トランザクション転送先のプロセッサ/IOノード番号で索引すると出力ポート番号とクロスバスイッチ調停時の優先度を出力するルーティングテーブルと、前記入力ポートから前記トランザクションが入力されると前記トランザクションの前記発行元のプロセッサ/IOノード番号と前記転送先のプロセッサ/IOノード番号に基づき前記ルーティングテーブルから前記出力ポート番号と前記優先度を取り出すセレクタと、前記出力ポート番号に対応した調停回路であって取り出した前記優先度に応じた調停処理を行う前記調停回路を含んで構成されることを特徴とするクロスバスイッチの調停制御方式。
  5. 前記調停回路は、前記優先度に対応した調停獲得比率で前記複数の入力ポートからの前記トランザクションを選択することを特徴とする請求項4記載のクロスバスイッチの調停制御方式。
  6. 前記優先度は、前記出力ポートから出力される前記複数の入力ポートからの前記トランザクションのスループットが均等になるように割り付けられることを特徴とする請求項4または5記載のクロスバスイッチの調停制御方式。
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