JP2004077934A - 液晶表示素子及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶層への入射光発散角が照明系の変動に因らず、視野角補正を容易にできる液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】各マイクロレンズ42Mは、第2のレンズ面R2の焦点位置が、第1のレンズ面R1についての主点位置に略一致し、かつマイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致するように構成されているので、光軸60に対して±βの角度で液晶層45を照明する光は、第2のレンズ面R2を通過する際に、主光線に平行な光になり、照明光の発散角が除去される。これによって、入射光発散角が照明系によって差異があっても、液晶層45に入射する光強度の角度分布は変化しない。
【選択図】図2
【解決手段】各マイクロレンズ42Mは、第2のレンズ面R2の焦点位置が、第1のレンズ面R1についての主点位置に略一致し、かつマイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致するように構成されているので、光軸60に対して±βの角度で液晶層45を照明する光は、第2のレンズ面R2を通過する際に、主光線に平行な光になり、照明光の発散角が除去される。これによって、入射光発散角が照明系によって差異があっても、液晶層45に入射する光強度の角度分布は変化しない。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子、及び液晶表示素子を用いて光を投影して画像を表示する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(以下、液晶パネル(LCD)という。)によって光変調された光をスクリーンに投射して、画像を表示するようにした投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)が知られている。投射型液晶表示装置における画像の投射方式としては、スクリーンの前面側より画像を投射する前面投射式(フロント式)と、スクリーンの背面側より画像を投射する背面投射式(リア式)とがある。また、投射型液晶表示装置において、カラー表示を行なうものには、液晶パネルを1枚用いる単板方式と、赤(Red=R),緑(Green=G),青(Blue=B)の3つの色光に対応した3枚の液晶パネルを用いる3板方式とがある。
【0003】
図8は、従来の投射型液晶表示装置の概略構成を示している。この投射型液晶表示装置は、光軸100に沿って、光源101と、一対の第1、第2レンズアレイ(以下、「MLA」と記す。)102,103と、PS合成素子104と、コンデンサレンズ105と、フィールドレンズ106と、液晶パネル107と、投射レンズ108とを順番に備えている。
MLA102とMLA103には、それぞれ複数の微小レンズ102M,103Mが2次元的に配列されている。PS合成素子104には、MLA103における隣り合うレンズ間に対応する位置に、複数の1/2波長板104Aが設けられている。
【0004】
この投射型液晶表示装置では、光源101から発せられた照明用の光が、MLA102とMLA103を透過し、複数の小光束に分割され、PS合成素子104に入射する。PS合成素子104に入射する光L10は、光軸100に垂直な面内において互いに直交するP偏光成分およびS偏光成分偏光光L11,L12に分離される。分離された偏光光L11,L12のうち、一方の偏光光L11は、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子104から出射され、他方の偏光光L12(例えばS偏光成分)は、1/2波長板104Aにより、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換され、分離された2つの偏光光L11,L12の偏光方向が特定の方向に揃えられて出射される。
【0005】
PS合成素子104を出射した光は、コンデンサレンズ105およびフィールドレンズ106を経て、液晶パネル107に照射される。MLA102とMLA103によって分割された各小光束は、コンデンサレンズ105の焦点距離と第2MLA103に設けられたマイクロレンズ103Mの焦点距離とで決まる拡大率で拡大され、液晶パネル107の入射面全体を照射する。これにより、液晶パネル107の入射面には、複数の拡大された光束が重畳され、全体的に均一な照明がなされる。液晶パネル107は、入射した光を画像信号に応じて空間的に変調して出射する。液晶パネル107を出射した光は、投射レンズ108によって図示しないスクリーンに投射され、スクリーン上に画像を形成する。
【0006】
液晶パネル107では、その駆動デバイスとして薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などを基板上に作り込むため、隣接する画素間にはブラックマトリクスと呼ばれる光の遮蔽領域が設けられている。そのため、その開口率は100%とはならない。そこで、従来では、液晶パネルにおける集光効率を上げるために、例えば、光の入射側に配置された対向基板上に1ドット(1ピクセルまたは1サブピクセル)につき光軸方向に1面もしくは複数面の集光用マイクロレンズを配置し、液晶パネルの実効開口率を上げるようにしていた。
【0007】
図9は、液晶パネル107の構成例として、マイクロレンズを用いた方式のものを示している。液晶パネル107は、画素電極基板140Bと、画素電極基板140Bの光の入射面側に液晶層145を介して対向配設された対向基板140Aとを備えている。
【0008】
画素電極基板140Bは、ガラス基板148と、このガラス基板148の光の入射面側に積層された偏光膜150と、液晶視野角特性を補正する機能を有する光学部品、例えば、光学補償フィルム149と、複数の画素電極部146および複数のブラックマトリクス部147とを有する。画素電極部146およびブラックマトリクス部147は、2次元的に配列されている。各画素電極部146は、導電性を有した透明な部材によって構成されている。ブラックマトリクス部147は、隣り合う画素電極部146の間に形成されている。各ブラックマトリクス部147は、例えば金属膜などにより遮光されている。光学補償フィルム149は、複屈折率を有しており、液晶層145に入射する照明光の入射角の分散による表示コントラストの変動を補正する。偏光膜150は、所定の偏光方向の偏光光を通過させる。ガラス基板148上のブラックマトリクス部147に遮蔽された領域に、隣接する画素電極部146に対して、画像信号に応じて選択的に電圧を印加するための図示しないスイッチング素子が形成されている。画素電極部146に電圧を印加するためのスイッチング素子としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が使用される。
【0009】
対向基板140Aは、光の入射側から順に、ガラス基板141と、マイクロレンズアレイ142と、カバーガラス144とを有している。ガラス基板141とマイクロレンズアレイ142との間には、樹脂層143が積層されている。
【0010】
マイクロレンズアレイ142は、屈折率がn2(>n1)の光学樹脂により構成され、各画素電極部146に対応して2次元的に設けられた複数のマイクロレンズ142Mを有している。マイクロレンズ142Mは、光の入射側が凸形状であり、正の屈折力(パワー)を有している。マイクロレンズ142Mは、ガラス基板141および樹脂層143を介して入射した光を、対応する画素電極部146に向けて集光する。このようにマイクロレンズ142Mを設けることによって、光源からの入射光が、ブラックマトリクス147や配線パターン等の遮光領域に当たらずに、画素電極部146の開口部146Aのみに集光でき、液晶パネル107の実効開口率を上げ、光利用効率を向上させることができる。
【0011】
ところが、このような構成の液晶パネル107において、マイクロレンズ142Mの光軸200に対して入射角(以降、入射発散角と呼ぶ)βで入射した光211は、マイクロレンズ142Mのパワーに屈折されることにより、マイクロレンズ142Mがないときより発散角が増大する。
図10は、マイクロレンズ142Mに入射する照明光の入射角度強度分布、及びマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する照明光の入射角度強度分布を示している。
図10(a)と(b)において、横軸は、照明光の入射角度、縦軸は、照明光の強度分布を表わし、入射発散角は、空気中での角度に換算したものであり、マイクロレンズ142Mの光軸200に対して定義される。
【0012】
図10(a)において、曲線cは、光軸200に対して最大入射発散角度が約9°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の強度分布を示し、曲線dは、曲線cで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の強度分布を示している。
また、図10(b)において、曲線eは、最大入射発散角度が約12°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の強度分布を示し、曲線fは、曲線eで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の強度分布を示している。
【0013】
図10(a)と(b)に示すように、マイクロレンズ142Mからの出射光の発散角度の分布範囲は、マイクロレンズ142Mに入射したときの発散角度より約5°増大した。
マイクロレンズ142Mからの出射光の発散角度をθとし、マイクロレンズ142Mのパワーによって生じる角度をαとすれば、θはαとβとの和となる。
【0014】
液晶表示装置において、液晶分子に屈折率異方性が存在し、また上下電極基板に対して液晶分子が傾斜して配向しているため、観察する視角、または、照明光の入射角によって表示画面のコントラストが変化し、視野角依存性が存在することは知られている。上記のようにマイクロレンズ142Mを搭載することにより入射発散角が増大すると、マイクロレンズを搭載していない投射装置に比べて、コントラストは低下する問題が生じる。
この問題を解決するために、従来、液晶パネルの視野角特性補正機能を有する光学部品、例えば、光学補償フィルム149を設けることとしていた。光学補償フィルム149を設けることによって、マイクロレンズ142Mを搭載した場合であっても、コントラストを顕著に改善でき、マイクロレンズなしの液晶パネルを使用したときよりも、実機としてのコントラストは向上することが知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロレンズ142Mに入射する照明光の入射発散角βの強度分布および液晶層145に入射する照明光の入射発散角θの強度分布が照明系の構成によって異なる。
【0016】
図11は、入射発散角の強度分布の照明系への依存性を示す。
図11において、横軸は、照明光の入射発散角度、縦軸は、照明光の強度を表わす。入射発散角は、空気中での角度に換算したものである。
図11(a)において、曲線cは、図10(a)における曲線cと同様に、最大入射発散角度が約9°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の角度分布を示し、曲線dは、図10(b)における曲線eと同様に、最大入射発散角度が約12°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の角度分布を示している。
図11(b)において、曲線eは、図10(a)における曲線dと同様に、(a)の曲線cで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の角度分布を示しており、曲線fは、図10(b)における曲線fと同様に、(a)の曲線dで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の角度分布を示している。
【0017】
図11に示すように、構成の異なる照明系が、角度分布が異なる照明光を発生し、図11(a)に示された角度分布の照明光がマイクロレンズ142Mに入射すると、図11(b)に示されたように、マイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する照明光の角度分布が異なる。また、製造公差等によるマイクロレンズ142Mの光学特性の違いも、液晶層145に入射する照明光の角度分布の変動を生じさせる。
液晶層145に入射する照明光の角度分布が異なると、液晶パネル107の視野角特性の補正によるコントラストの改善効果は、液晶層145に対する入射光強度の角度分布によって影響を受ける。コントラストを最大限に引き出すため、従来では、マイクロレンズのパワー、光学補償フィルム149の光学パラメータをそれぞれの光学系に最適化させてやる必要があった。そのため、同一フォーマットの液晶パネル107に対して、多様な規格が存在し、開発時に膨大な検証工数が必要となり、品種が増えることにより、生産性も低下させる要因にもなっていた。
【0018】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、液晶層への入射光角度分布が照明系の変動に因らず、視野角補正を容易にできる液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示素子は、2次元的に配列された複数の画素部を含む液晶層と、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記複数の画素部に対応して2次元的に配列された複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイと、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記液晶層の各画素部から射出された光に対して、視野角補正を行なう視野角補正部とを有し、前記各マイクロレンズは、光軸方向において、入射光を前記画素部に集光させる第1のレンズと、焦点位置が前記第1のレンズの主点位置に略一致する第2のレンズとを含む。
【0020】
好ましくは、前記各マイクロレンズの焦点位置が、前記画素部に略一致する。また、前記各マイクロレンズの前記第1のレンズまたは第2のレンズは、球面レンズ、非球面レンズ、または、フレネル面レンズのいずれか1つ、もしくは2つ以上の組み合わせを含む。
前記視野角補正部は、位相補償フィルム、または、コレステリック液晶のいずれか1つを含む。
【0021】
本発明による液晶表示装置は、2次元的に配列された複数の画素部を含む液晶層と、前記液晶層を照明する照明光を発する光源と、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記複数の画素部に対応して2次元的に配列された複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイと、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記液晶層の各画素部から射出された光に対して、視野角補正を行なう視野角補正部と、前記液晶層及び前記資格補正部を透過した光を投射する投射レンズとを有し、前記各マイクロレンズは、光軸方向において、入射光を前記画素部に集光させる第1のレンズと、焦点位置が前記第1のレンズの主点位置に略一致する第2のレンズとを含む。
【0022】
本発明による液晶表示素子および液晶表示装置では、各マイクロレンズには、光軸方向において、入射光を集光する第1のレンズと、フィールドレンズとして機能する第2のレンズとが形成され、さらに、第2のレンズの焦点位置が第1のレンズの主点位置に略一致させるように形成されている。従って、第1のレンズ表面のある箇所に入射する入射角度の異なる光線が、第2のレンズの焦点近傍から第2のレンズに入射するのに相当するので、これらの入射角度の異なる光線が第2のレンズから出射された後に、これら光線の主光線と平行する光束となる。これにより、照明系の構成に依存する第1のレンズに入射する時の発散角度の分布が除去される。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態に係る液晶表示装置の全体構成の一例を示している。図1に示した液晶表示装置は、透過型の液晶パネルを3枚用いてカラー画像表示を行なういわゆる3板方式のものである。この液晶表示装置は、光を発する光源11と、一対の第1、第2レンズアレイMLA12とMLA13と、MLA12とMLA13の間に設けられ、光路(光軸10)をMLA13側に略90度曲げるように配置された全反射ミラー14とを備えている。MLA12とMLA13には、それぞれ複数の微小レンズ12M,13Mが2次元的に配列されている。MLA12、MLA13は、光の照度分布を均一化させるためのものであり、入射した光を複数の小光束に分割する機能を有している。
【0024】
光源11は、カラー画像表示に必要とされる、赤色光、青色光および緑色光を含んだ白色光を発する。光源11は、白色光を発する発光体(図示せず)と、発光体から発せられた光を反射、集光する凹面鏡とを含んで構成されている。発光体としては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプまたはキセノンランプ等が使用される。凹面鏡は、集光効率が良い形状であることが望ましく、例えば回転楕円面鏡や回転放物面鏡等の回転対称な面形状となっている。
【0025】
MLA13の光の出射側に、PS合成素子15と、コンデンサレンズ16と、ダイクロイックミラー17とを順番に備えている。ダイクロイックミラー17は、入射した光を、例えば赤色光LRと、その他の色光とに分離する。
【0026】
PS合成素子15には、第2MLA13における隣り合うマイクロレンズ間に対応する位置に、複数の1/2波長板15Aが設けられている。PS合成素子15は、入射した光をP偏光成分およびS偏光成分の偏光光に分離し、また、分離された2つの偏光光のうち、一方の偏光光を、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子15から出射し、他方の偏光光(例えばS偏光成分)を、1/2波長板15Aの作用により、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換して出射する。
【0027】
この液晶表示装置は、ダイクロイックミラー17によって分離された赤色光LRの光路に沿って、全反射ミラー18と、フィールドレンズ24Rと、液晶パネル25Rとを順番に備えている。全反射ミラー18は、ダイクロイックミラー17によって分離された赤色光LRを、液晶パネル25Rに向けて反射する。液晶パネル25Rは、フィールドレンズ24Rを介して入射した赤色光LRを、画像信号に応じて空間的に変調する。
さらに、ダイクロイックミラー17によって分離された他の色光の光路に沿って、ダイクロイックミラー19を備えている。ダイクロイックミラー19は、入射した光を、例えば緑色光と青色光とに分離する。
【0028】
この液晶表示装置は、ダイクロイックミラー19によって分離された緑色光LGの光路に沿って、フィールドレンズ24Gと、液晶パネル25Gとを順番に備えている。液晶パネル25Gは、フィールドレンズ24Gを介して入射した緑色光LGを、画像信号に応じて空間的に変調する。
さらに、ダイクロイックミラー19によって分離された青色光LBの光路に沿って、リレーレンズ20と、全反射ミラー21と、リレーレンズ22と、全反射ミラー23と、フィールドレンズ24Bと、液晶パネル25Bとを順番に備えている。全反射ミラー21は、リレーレンズ20を介して入射した青色光LBを、全反射ミラー23に向けて反射するようになっている。全反射ミラー23は、全反射ミラー21によって反射され、リレーレンズ22を介して入射した青色光LBを、液晶パネル25Bに向けて反射するようになっている。液晶パネル25Bは、全反射ミラー23によって反射され、フィールドレンズ24Bを介して入射した青色光LBを、画像信号に応じて空間的に変調する。
【0029】
赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBの光路が交わる位置に、3つの色光LR、LG,LBを合成する機能を有したクロスプリズム26を備えている。また、クロスプリズム26から出射された合成光を、スクリーン28に向けて投射するための投射レンズ27を備えている。クロスプリズム26は、3つの入射面26R,26G,26Bと、一つの出射面26Tとを有している。入射面26Rには、液晶パネル25Rから出射された赤色光LRが入射するようになっている。入射面26Gには、液晶パネル25Gから出射された緑色光LGが入射するようになっている。入射面26Bには、液晶パネル25Bから出射された青色光LBが入射するようになっている。クロスプリズム26は、入射面26R,26G,26Gに入射した3つの色光を合成して出射面26Tから出射する。
【0030】
図2は、液晶パネル25R,25G,25Bの構成例を示している。液晶パネル25R,25G,25Bは、それぞれ変調対象となる光の成分が異なるのみで、その機能、構成は実質的に同じである。以下では、各色用の液晶パネル25R,25G,25Bの構成をまとめて説明する。液晶パネル25(25R,25G,25B)は、画素電極基板40Bと、この画素電極基板40Bの光の入射面側に液晶層45を介して対向配設された対向基板40Aとを備えている。
【0031】
画素電極基板40Bは、ガラス基板48と、このガラス基板48の光の入射面側に積層された偏光板50と、液晶視野角特性を補正する機能を有する光学部品、例えば、光学補償フィルム49と、複数の画素電極部46、および複数のブラックマトリクス部47とを有している。
画素電極基板40Bは、また、画素電極部45およびブラックマトリクス部46と液晶層45との間に積層された配向膜(図示せず)を有している。画素電極部46およびブラックマトリクス部47は、2次元的に配列されている。各画素電極部46は、導電性を有した透明な部材によって構成されている。ブラックマトリクス部47は、隣り合う画素電極部46の間に形成されている。各ブラックマトリクス部47は、例えば金属膜などにより遮光されている。
光学補償フィルム49は、複屈折率を有しており、液晶のプレチルトによって生じる視野角特性、即ち、液晶層45に入射する照明光の入射角度の分散による表示コントラストの変動を補正する。液晶視野角特性を補正する機能を有する光学部品として、コレステリック液晶を用いても良い。
偏光板50は、液晶層45に変調された所定の偏光方向の偏光光を通過させる。ガラス基板48上のブラックマトリクス部47に遮蔽された領域に、隣接する画素電極部46に対して、画像信号に応じて選択的に電圧を印加するための図示しないスイッチング素子が形成されている。画素電極部46に電圧を印加するためのスイッチング素子としては、例えばTFTが使用される。ブラックマトリクス部47によって囲まれ、入射光が透過可能な一つの画素電極部46の開口領域が、1画素分の画素開口46Aとなる。
【0032】
対向基板40Aは、光の入射側から順に、ガラス基板41と、第1の樹脂層43Aと、マイクロレンズアレイ42と、第2の樹脂層43Bと、カバーガラス44とを有している。対向基板40Aは、図示しないが、カバーガラス44と液晶層45との間に、対向電極と、配向膜とをさらに有し、また、ガラス基板41と樹脂層43Aの間に液晶パネル入射側の偏光膜を有する。
【0033】
マイクロレンズアレイ42は、光学樹脂により構成され、各画素電極部46に対応して2次元的に設けられた複数のマイクロレンズ42Mを有している。各マイクロレンズ42Mは、全体として正の屈折力(パワー)を有しており、液晶パネル25に入射した光を、対応する画素電極部46に向けて集光する機能を有している。後段の投射レンズ27に十分なFナンバーが確保されていれば、液晶パネル25に入射した光のうち、マイクロレンズ42Mによって集光され画素開口46Aに入射した光のほとんどが画像表示に利用可能な有効な光となる。
【0034】
各マイクロレンズ42Mは、一つの画素開口46A、すなわち、1ドット(1ピクセルまたは1サブピクセル)につき光軸方向に2つのレンズ面R1,R2が配置されるように構成されている。各レンズ面R1,R2は、それぞれ正のパワーを有するように構成されている。図2の例では、各レンズ面R1,R2は球面形状で構成され、第1のレンズ面R1が、光の入射側(光源側)に凸形状、第2のレンズ面R2が、光の出射側に凸形状となっている。このような面形状で正のパワーを持たせるために、第1の樹脂層43A、マイクロレンズアレイ42、第2の樹脂層43Bは、その屈折率をそれぞれn1,n2,n3とすると、「n2>n1,n3」の関係を満たすように構成されている。なお、n2とn1の相対的な屈折率差は、例えば0.2〜0.3程度で、より高い値が確保されていることが望ましい。n2とn3についても同様である。
【0035】
また、各マイクロレンズ42Mは、第2のレンズ面R2の焦点位置が、第1のレンズ面R1についての主点位置H1(図3)に略一致し、かつマイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致するように構成されている。第1のレンズ面R1は、集光機能を有した集光用レンズを形成している。第2のレンズ面R2は、フィールド機能を有したフィールドレンズを形成している。
【0036】
なお、マイクロレンズ全体での焦点位置は、画素開口付近にある方が、開口効率が良くなると考えられるが、入射光についてすべての角度成分を考慮すると、焦点位置が画素開口に完全に一致している場合が最も開口効率が良くなるとは限らない。すべての角度成分を考慮すると、例えば光のビームウェストが画素開口に一致するように焦点位置を設定することが望ましいと考えられる。
【0037】
なお、第1の樹脂層43A、マイクロレンズアレイ42、第2の樹脂層43Bは、レンズ面R1,R2が正のパワーを持ち、所定の光学特性を満たすように構成されていれば良く、図示した球面形状に限定されない。また、マイクロレンズ42Mの機能を持たせるための十分なパワーが得られれば、樹脂層43A,43Bを構成から省き、ガラス基板41とカバーガラス44との間に直接マイクロレンズアレイ42を形成するようにしても良い。
【0038】
次に、液晶パネル25におけるマイクロレンズ42Mの光学特性について説明する。
図3では、説明を簡略化するため、液晶パネル25におけるマイクロレンズ部分の主要な構成要素のみを示している。既に説明したように、マイクロレンズ42Mにおいて、第1のレンズ面R1および第2のレンズ面R2は、正のパワーを有している。また、第2のレンズ面R2の焦点位置は、第1のレンズ面R1についての主点位置H1に略一致し、かつマイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致している。以下、このような構成において、液晶パネル25の前段の照明光学系によって液晶パネル25に発散角βの照明光が全体的に照明されるものとして説明する。
【0039】
まず、マイクロレンズ42Mの光軸60に対して平行な主光線60A(図中、実線で示す)について考える。主光線60Aは、マイクロレンズ全体のパワーによって画素開口46A付近に集光される。マイクロレンズ42Mを通過後の出射光の光軸60に対する最大発散角度αは、マイクロレンズ42Mの最大外形とマイクロレンズ42M全体の合成焦点距離との関係で決まる。具体的には、最大外形(直径)を2a、合成焦点距離をfとすると、以下の式(1)で表される。
tanα=a/f ……(1)
【0040】
一方、合成焦点距離fは、第1のレンズ面R1についての焦点距離をf1、第2のレンズ面R2についての焦点距離をf2とすると、以下の式(2)で表される。△は、第1のレンズ面R1についての主点H1と第2のレンズ面R2についての主点H2との間隔(主点間隔)を示す。
f=f1×f2/(f1+f2−△) …(2)
【0041】
ここで、第2のレンズ面R2についての焦点位置と第1のレンズ面R1についての主点位置H1とを一致させた時には、△=f2となるので、合成焦点距離fは、以下の式(3)で表される。
f=f2 ……(3)
【0042】
式(3)は、合成焦点距離fが、第1のレンズ面R1についての焦点距離f1の値によらず、一定の値f2となることを示している。式(3)と式(1)から、主光線60Aについての出射光の最大発散角度αは、マイクロレンズ42Mの外形(半径)aと第2のレンズ面R2による焦点距離f2とで一義的に決定されることが分かる。また、このとき、第1のレンズ面R1による焦点距離f1の値により、合成焦点距離fを一定の値に保ったまま、レンズ全体の合成焦点位置をコントロールすることが可能となる。焦点距離f1を適当な値にすることにより、画素開口46Aと第2のレンズ面R2との間の距離を加工上必要なだけ確保することができる。
【0043】
次に、光軸60に対して角度成分を持って入射する発散光60B(図中、破線で示す)について考える。光軸60に対して±βの角度で液晶パネル25を照明する光は、主光線60Aを中心に、±βの角度で発散した状態で第1のレンズ面R1を通過する。この光は、第2のレンズ面R2についての焦点位置が第1のレンズ面R1についての主点H1と略一致していることにより、第2のレンズ面R2を通過する際に、すべて主光線60Aに平行な光に変わる。すなわち、主光線60Aと発散光60Bの双方とも、マイクロレンズ42Mを出射した後の最大発散角度αは等しくなる。
【0044】
以上の光学的作用を有するマイクロレンズ42Mを搭載することにより、液晶パネル25を出射する光の最大発散角度θは、以下の式(4)で表されることになる。
θ=α ……(4)
【0045】
この式(4)は、液晶パネル25における出射光の発散角度θも、マイクロレンズ42Mの外形(半径)aと第2のレンズ面R2による焦点距離f2との2つのパラメータだけで決まり、照明光の発散角度βは、出射光の発散角度θに影響を及ぼさないことを意味している。
図4は、本実施形態の液晶表示装置において、入射光発散角9°及び12°の照明系に対して、マイクロレンズアレイ42を通過した後に、液晶層45に入射する照明光の角度強度分布を示す。図4において、横軸は、液晶層45に入射する照明光の入射発散角度、縦軸は、照明光の強度をそれぞれ表わす。入射発散角は、空気中での角度に換算したものである。
図4において、実線と点線がマイクロレンズアレイ42に入射する照明光の入射光発散角が9°と12°の場合の角度分布をそれぞれ示している。
【0046】
図4に示すように、入射光発散角9°と12°という差異があるにもかかわらず、液晶層45に入射する光強度の角度分布は、変化していないということが分かる。すなわち、本実施の形態によれば、照明光の発散角度βが液晶パネル25を出射するときには除去され、従来方式と比較して角度βの分だけ出射発散角度θを小さくすることができる。このことは、液晶層45を透過する光の角度分布は、照明光学系の入射光発散角およびその光強度の角度分布に依存しないことを意味しており、視野角補償は、マイクロレンズ42Mのパラメータによって決まる強度分布についてだけ最適化すればよいことになる。
【0047】
次に、本実施形態の液晶表示装置の動作について説明する。
光源11から発せられた白色光は、MLA12とMLA13を透過し、複数の小光束に分割され、そして、PS合成素子15に入射する。PS合成素子15は、入射した光を2種類(P偏光成分およびS偏光成分)の偏光光に分離し、分離された偏光光のうち、一方の偏光光は、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子15から出射され、他方の偏光光(例えばS偏光成分)は、1/2波長板15Aの作用により、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換して、分離された2つの偏光光の偏光方向を特定の方向(例えばP偏光)に揃えて出射する。
【0048】
PS合成素子15を出射した光は、コンデンサレンズ16を透過した後、ダイクロイックミラー17に入射し、例えば赤色光LRと、その他の色光とに分離される。分離された赤色光LRは、全反射ミラー18によって、液晶パネル25Rに向けて反射され、フィールドレンズ24Rを介して液晶パネル25Rに入射する。液晶パネル25Rにおいて、赤色光LRは、所定の発散角度分布を持ってマイクロレンズアレイ42に入射し、マイクロレンズアレイ42における各マイクロレンズ42Mの光学作用により、赤色光LRの所定の発散角度分布が除去され、各マイクロレンズ42Mの屈折パワーにより生じた発散角度のみを持って液晶層45に入射し、画像信号に応じて空間的に変調された後、光学補償フィルム49に入射し、液晶層45の視野角特性を補正する。そして、赤色光LRはクロスプリズム26の入射面26Rに入射する。
【0049】
同様に、ダイクロイックミラー17によって分離されたその他の色光は、次に、ダイクロイックミラー19に入射し、例えば緑色光LGと青色光LBとに分離される。分離された緑色光LGは、液晶パネル25Gを通過した後、クロスプリズム26の入射面26Gに入射する。
ダイクロイックミラー19によって分離された青色光LBは、リレーレンズ20を介して全反射ミラー21に入射し、ここで、全反射ミラー23に向けて反射される。全反射ミラー21によって反射された青色光LBは、リレーレンズ22を介して全反射ミラー23に入射し、ここで、液晶パネル部25Bに向けて反射される。全反射ミラー23によって反射された青色光LBは、フィールドレンズ24Bを介して液晶パネル25Bを通過し後、クロスプリズム26の入射面26Bに入射する。
【0050】
液晶パネル25G,25Bにおいても、各色の入射光は、所定の発散角度分布を持ってマイクロレンズアレイ42に入射し、マイクロレンズアレイ42における各マイクロレンズ42Mの光学作用により、入射光の発散角度分布が除去され、各マイクロレンズ42Mの屈折パワーにより生じた発散角度のみを持って液晶層45に入射し、画像信号に応じて空間的に変調された後、光学補償フィルム49に入射し、液晶層45の視野角特性を補正する。
なお、液晶パネル25R,25G,25Bのそれぞれの入射面には、MLA12とMLA13によって分割された複数の小光束が拡大された状態で重畳され、全体的に均一な照明がなされる。
【0051】
クロスプリズム26に入射した3つの色光LR、LG,LBは、クロスプリズム26の作用により合成され、出射面26Tから投射レンズ27に向けて出射される。その出射光が、投射レンズ27によってスクリーン28の前面側または背面側に投射されることにより、スクリーン28上に画像を形成する。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば、各画素ごとに、2つのレンズ面R1,R2を有するマイクロレンズ42Mを配置し、第2のレンズ面R2の焦点位置を、第1のレンズ面R1についての主点位置H1に略一致させると共に、マイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致するようにしたので、例えば、光軸に対して発散角度成分βを有して入射した入射光について、その発散角度成分βがマイクロレンズ42Mから出射するときに除去される。これにより、出射発散角度を小さくすることができ、さらに、液晶層45を透過する光の角度分布は、照明光学系の入射光発散角およびその光強度の角度分布に依存せず、光学補償フィルム49の光学パラメータは、マイクロレンズ42Mのパラメータによって決まる強度分布についてだけ最適化すれば視野角特性の補正を容易にできる。
【0053】
また、液晶表示装置に使われる照明光学系では、光源11の発光体に対する凹面鏡のアライメントによって入射光強度の角度分布は大きなバラツキが存在する。本実施形態は、そのバラツキがある場合にも、入射光強度の角度分布を一定にすることから、コントラストの安定に、大きな効果を発揮することになる。
【0054】
本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、図5(A)と(B)に示すように、レンズ面R1,R2の形状は、球面(図5(C))の他にも、回転楕円体及び回転双曲面などの非球面(図5(B))や、フレネル面(図5(A))など、または、それらのうち、2つ以上の組み合わせを使用することが可能である。球面レンズは、表面加工がしやすいという点で有利ではあるが、焦点距離が最短となる曲率半径がドット寸法に規制されてしまうため、レンズ界面での屈折率差が十分に確保されなければ、短焦点化は難しい。一方、非球面やフレネル面は、図からも分かるように、短焦点化やレンズ主面の平面性の点で優れており、発散角βのキャンセル効果が高いレンズ形状である。
【0055】
図6は、液晶パネル25の構成の変形例を示している。図6に示された液晶パネルにおいて、光学補償フィルム55は、入射側の偏光膜56と樹脂層43Aとの間に配置されている。
図7は、液晶パネル25の構成の他の変形例を示している。図7に示された液晶パネルにおいて、出射側の光学補償フィルム49に加え、入射側の偏光膜56と樹脂層43Aとの間にも光学補償フィルム55が配置されている。
【0056】
また、例えば、上記実施の形態では、パワーを有するレンズ面が1ドットにつき2つのみである場合について説明したが、パワーを有するレンズ面を1ドットにつき3つ以上形成するようにしても良い。また、本発明は、3板式に限らず、単板式の投射型液晶表示装置にも適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した本発明の液晶表示素子及び液晶表示装置によれば、マイクロレンズが、光軸方向において第1のレンズ面と第2のレンズ面を有し、かつ、第2のレンズ面の焦点位置が第1のレンズの主点位置に略一致するように構成されているので、第1のレンズに入射する時の発散角度の分布が除去され、液晶層に入射する照明光の入射発散角度を小さくすることができ、さらに、液晶層を入射する光の角度分布は、照明光学系の入射光の角度分布に依存せず、視野角特性の補正を容易にでき、コントラストの安定に、大きな効果を発揮することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液晶パネルの概略構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る液晶パネルにおけるマイクロレンズの光学作用を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置において、異なる照明系からの照明光をマイクロレンズアレイを通過した後の角度分布を比較する図である。
【図5】マイクレンズの面形状の変形例を示す説明図である。
【図6】図2に示した液晶パネルの変形例を示す断面図である。
【図7】図2に示した液晶パネルの他の変形例を示す断面図である。
【図8】従来の投射型液晶表示装置の光学系の概略構成を示す平面図である。
【図9】従来の液晶パネルの構成例を示す断面図である。
【図10】従来の液晶パネルにおいて、マイクロレンズアレイが入射光の発散角分布を広げるシミュレーションの結果である。
【図11】従来の液晶パネルにおいて、液晶層に入射する照明光発散角の照明系の依存性を示すシミュレーションの結果である。
【符号の説明】
R1,R2…レンズ面、10…光軸、11…光源、12…第1レンズアレイ、12M…マイクロレンズ、13…第2レンズアレイ、13M…マイクロレンズ、14…ミラー、15…PS分離合成素子、15A…位相板、16…コンデンサレンズ、17…ダイクロイックミラー、18…ミラー、19…ダイクロイックミラー、20…リレーレンズ、22…リレーレンズ、23…ミラー、24…フィールドレンズ、25(25R,25G,25B)…液晶パネル、26…クロスプリズム、27…投射レンズ、28…スクリーン、40A…対向基板、40B…画素電極基板、41…ガラス基板、42…マイクロレンズアレイ、42M…マイクロレンズ、43A…第1の樹脂層、43B…第2の樹脂層、45…液晶層、46…画素電極部、46A…画素開口、47…ブラックマトリクス部、48…ガラス基板、49…光学補償フィルム、50…偏光膜、55…光学補償フィルム、56…偏光膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子、及び液晶表示素子を用いて光を投影して画像を表示する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(以下、液晶パネル(LCD)という。)によって光変調された光をスクリーンに投射して、画像を表示するようにした投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)が知られている。投射型液晶表示装置における画像の投射方式としては、スクリーンの前面側より画像を投射する前面投射式(フロント式)と、スクリーンの背面側より画像を投射する背面投射式(リア式)とがある。また、投射型液晶表示装置において、カラー表示を行なうものには、液晶パネルを1枚用いる単板方式と、赤(Red=R),緑(Green=G),青(Blue=B)の3つの色光に対応した3枚の液晶パネルを用いる3板方式とがある。
【0003】
図8は、従来の投射型液晶表示装置の概略構成を示している。この投射型液晶表示装置は、光軸100に沿って、光源101と、一対の第1、第2レンズアレイ(以下、「MLA」と記す。)102,103と、PS合成素子104と、コンデンサレンズ105と、フィールドレンズ106と、液晶パネル107と、投射レンズ108とを順番に備えている。
MLA102とMLA103には、それぞれ複数の微小レンズ102M,103Mが2次元的に配列されている。PS合成素子104には、MLA103における隣り合うレンズ間に対応する位置に、複数の1/2波長板104Aが設けられている。
【0004】
この投射型液晶表示装置では、光源101から発せられた照明用の光が、MLA102とMLA103を透過し、複数の小光束に分割され、PS合成素子104に入射する。PS合成素子104に入射する光L10は、光軸100に垂直な面内において互いに直交するP偏光成分およびS偏光成分偏光光L11,L12に分離される。分離された偏光光L11,L12のうち、一方の偏光光L11は、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子104から出射され、他方の偏光光L12(例えばS偏光成分)は、1/2波長板104Aにより、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換され、分離された2つの偏光光L11,L12の偏光方向が特定の方向に揃えられて出射される。
【0005】
PS合成素子104を出射した光は、コンデンサレンズ105およびフィールドレンズ106を経て、液晶パネル107に照射される。MLA102とMLA103によって分割された各小光束は、コンデンサレンズ105の焦点距離と第2MLA103に設けられたマイクロレンズ103Mの焦点距離とで決まる拡大率で拡大され、液晶パネル107の入射面全体を照射する。これにより、液晶パネル107の入射面には、複数の拡大された光束が重畳され、全体的に均一な照明がなされる。液晶パネル107は、入射した光を画像信号に応じて空間的に変調して出射する。液晶パネル107を出射した光は、投射レンズ108によって図示しないスクリーンに投射され、スクリーン上に画像を形成する。
【0006】
液晶パネル107では、その駆動デバイスとして薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などを基板上に作り込むため、隣接する画素間にはブラックマトリクスと呼ばれる光の遮蔽領域が設けられている。そのため、その開口率は100%とはならない。そこで、従来では、液晶パネルにおける集光効率を上げるために、例えば、光の入射側に配置された対向基板上に1ドット(1ピクセルまたは1サブピクセル)につき光軸方向に1面もしくは複数面の集光用マイクロレンズを配置し、液晶パネルの実効開口率を上げるようにしていた。
【0007】
図9は、液晶パネル107の構成例として、マイクロレンズを用いた方式のものを示している。液晶パネル107は、画素電極基板140Bと、画素電極基板140Bの光の入射面側に液晶層145を介して対向配設された対向基板140Aとを備えている。
【0008】
画素電極基板140Bは、ガラス基板148と、このガラス基板148の光の入射面側に積層された偏光膜150と、液晶視野角特性を補正する機能を有する光学部品、例えば、光学補償フィルム149と、複数の画素電極部146および複数のブラックマトリクス部147とを有する。画素電極部146およびブラックマトリクス部147は、2次元的に配列されている。各画素電極部146は、導電性を有した透明な部材によって構成されている。ブラックマトリクス部147は、隣り合う画素電極部146の間に形成されている。各ブラックマトリクス部147は、例えば金属膜などにより遮光されている。光学補償フィルム149は、複屈折率を有しており、液晶層145に入射する照明光の入射角の分散による表示コントラストの変動を補正する。偏光膜150は、所定の偏光方向の偏光光を通過させる。ガラス基板148上のブラックマトリクス部147に遮蔽された領域に、隣接する画素電極部146に対して、画像信号に応じて選択的に電圧を印加するための図示しないスイッチング素子が形成されている。画素電極部146に電圧を印加するためのスイッチング素子としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が使用される。
【0009】
対向基板140Aは、光の入射側から順に、ガラス基板141と、マイクロレンズアレイ142と、カバーガラス144とを有している。ガラス基板141とマイクロレンズアレイ142との間には、樹脂層143が積層されている。
【0010】
マイクロレンズアレイ142は、屈折率がn2(>n1)の光学樹脂により構成され、各画素電極部146に対応して2次元的に設けられた複数のマイクロレンズ142Mを有している。マイクロレンズ142Mは、光の入射側が凸形状であり、正の屈折力(パワー)を有している。マイクロレンズ142Mは、ガラス基板141および樹脂層143を介して入射した光を、対応する画素電極部146に向けて集光する。このようにマイクロレンズ142Mを設けることによって、光源からの入射光が、ブラックマトリクス147や配線パターン等の遮光領域に当たらずに、画素電極部146の開口部146Aのみに集光でき、液晶パネル107の実効開口率を上げ、光利用効率を向上させることができる。
【0011】
ところが、このような構成の液晶パネル107において、マイクロレンズ142Mの光軸200に対して入射角(以降、入射発散角と呼ぶ)βで入射した光211は、マイクロレンズ142Mのパワーに屈折されることにより、マイクロレンズ142Mがないときより発散角が増大する。
図10は、マイクロレンズ142Mに入射する照明光の入射角度強度分布、及びマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する照明光の入射角度強度分布を示している。
図10(a)と(b)において、横軸は、照明光の入射角度、縦軸は、照明光の強度分布を表わし、入射発散角は、空気中での角度に換算したものであり、マイクロレンズ142Mの光軸200に対して定義される。
【0012】
図10(a)において、曲線cは、光軸200に対して最大入射発散角度が約9°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の強度分布を示し、曲線dは、曲線cで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の強度分布を示している。
また、図10(b)において、曲線eは、最大入射発散角度が約12°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の強度分布を示し、曲線fは、曲線eで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の強度分布を示している。
【0013】
図10(a)と(b)に示すように、マイクロレンズ142Mからの出射光の発散角度の分布範囲は、マイクロレンズ142Mに入射したときの発散角度より約5°増大した。
マイクロレンズ142Mからの出射光の発散角度をθとし、マイクロレンズ142Mのパワーによって生じる角度をαとすれば、θはαとβとの和となる。
【0014】
液晶表示装置において、液晶分子に屈折率異方性が存在し、また上下電極基板に対して液晶分子が傾斜して配向しているため、観察する視角、または、照明光の入射角によって表示画面のコントラストが変化し、視野角依存性が存在することは知られている。上記のようにマイクロレンズ142Mを搭載することにより入射発散角が増大すると、マイクロレンズを搭載していない投射装置に比べて、コントラストは低下する問題が生じる。
この問題を解決するために、従来、液晶パネルの視野角特性補正機能を有する光学部品、例えば、光学補償フィルム149を設けることとしていた。光学補償フィルム149を設けることによって、マイクロレンズ142Mを搭載した場合であっても、コントラストを顕著に改善でき、マイクロレンズなしの液晶パネルを使用したときよりも、実機としてのコントラストは向上することが知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロレンズ142Mに入射する照明光の入射発散角βの強度分布および液晶層145に入射する照明光の入射発散角θの強度分布が照明系の構成によって異なる。
【0016】
図11は、入射発散角の強度分布の照明系への依存性を示す。
図11において、横軸は、照明光の入射発散角度、縦軸は、照明光の強度を表わす。入射発散角は、空気中での角度に換算したものである。
図11(a)において、曲線cは、図10(a)における曲線cと同様に、最大入射発散角度が約9°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の角度分布を示し、曲線dは、図10(b)における曲線eと同様に、最大入射発散角度が約12°の照明光がマイクロレンズ142Mに入射する時の角度分布を示している。
図11(b)において、曲線eは、図10(a)における曲線dと同様に、(a)の曲線cで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の角度分布を示しており、曲線fは、図10(b)における曲線fと同様に、(a)の曲線dで示された照明光がマイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する時の角度分布を示している。
【0017】
図11に示すように、構成の異なる照明系が、角度分布が異なる照明光を発生し、図11(a)に示された角度分布の照明光がマイクロレンズ142Mに入射すると、図11(b)に示されたように、マイクロレンズ142Mから出射され液晶層145に入射する照明光の角度分布が異なる。また、製造公差等によるマイクロレンズ142Mの光学特性の違いも、液晶層145に入射する照明光の角度分布の変動を生じさせる。
液晶層145に入射する照明光の角度分布が異なると、液晶パネル107の視野角特性の補正によるコントラストの改善効果は、液晶層145に対する入射光強度の角度分布によって影響を受ける。コントラストを最大限に引き出すため、従来では、マイクロレンズのパワー、光学補償フィルム149の光学パラメータをそれぞれの光学系に最適化させてやる必要があった。そのため、同一フォーマットの液晶パネル107に対して、多様な規格が存在し、開発時に膨大な検証工数が必要となり、品種が増えることにより、生産性も低下させる要因にもなっていた。
【0018】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、液晶層への入射光角度分布が照明系の変動に因らず、視野角補正を容易にできる液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示素子は、2次元的に配列された複数の画素部を含む液晶層と、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記複数の画素部に対応して2次元的に配列された複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイと、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記液晶層の各画素部から射出された光に対して、視野角補正を行なう視野角補正部とを有し、前記各マイクロレンズは、光軸方向において、入射光を前記画素部に集光させる第1のレンズと、焦点位置が前記第1のレンズの主点位置に略一致する第2のレンズとを含む。
【0020】
好ましくは、前記各マイクロレンズの焦点位置が、前記画素部に略一致する。また、前記各マイクロレンズの前記第1のレンズまたは第2のレンズは、球面レンズ、非球面レンズ、または、フレネル面レンズのいずれか1つ、もしくは2つ以上の組み合わせを含む。
前記視野角補正部は、位相補償フィルム、または、コレステリック液晶のいずれか1つを含む。
【0021】
本発明による液晶表示装置は、2次元的に配列された複数の画素部を含む液晶層と、前記液晶層を照明する照明光を発する光源と、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記複数の画素部に対応して2次元的に配列された複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイと、前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記液晶層の各画素部から射出された光に対して、視野角補正を行なう視野角補正部と、前記液晶層及び前記資格補正部を透過した光を投射する投射レンズとを有し、前記各マイクロレンズは、光軸方向において、入射光を前記画素部に集光させる第1のレンズと、焦点位置が前記第1のレンズの主点位置に略一致する第2のレンズとを含む。
【0022】
本発明による液晶表示素子および液晶表示装置では、各マイクロレンズには、光軸方向において、入射光を集光する第1のレンズと、フィールドレンズとして機能する第2のレンズとが形成され、さらに、第2のレンズの焦点位置が第1のレンズの主点位置に略一致させるように形成されている。従って、第1のレンズ表面のある箇所に入射する入射角度の異なる光線が、第2のレンズの焦点近傍から第2のレンズに入射するのに相当するので、これらの入射角度の異なる光線が第2のレンズから出射された後に、これら光線の主光線と平行する光束となる。これにより、照明系の構成に依存する第1のレンズに入射する時の発散角度の分布が除去される。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態に係る液晶表示装置の全体構成の一例を示している。図1に示した液晶表示装置は、透過型の液晶パネルを3枚用いてカラー画像表示を行なういわゆる3板方式のものである。この液晶表示装置は、光を発する光源11と、一対の第1、第2レンズアレイMLA12とMLA13と、MLA12とMLA13の間に設けられ、光路(光軸10)をMLA13側に略90度曲げるように配置された全反射ミラー14とを備えている。MLA12とMLA13には、それぞれ複数の微小レンズ12M,13Mが2次元的に配列されている。MLA12、MLA13は、光の照度分布を均一化させるためのものであり、入射した光を複数の小光束に分割する機能を有している。
【0024】
光源11は、カラー画像表示に必要とされる、赤色光、青色光および緑色光を含んだ白色光を発する。光源11は、白色光を発する発光体(図示せず)と、発光体から発せられた光を反射、集光する凹面鏡とを含んで構成されている。発光体としては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプまたはキセノンランプ等が使用される。凹面鏡は、集光効率が良い形状であることが望ましく、例えば回転楕円面鏡や回転放物面鏡等の回転対称な面形状となっている。
【0025】
MLA13の光の出射側に、PS合成素子15と、コンデンサレンズ16と、ダイクロイックミラー17とを順番に備えている。ダイクロイックミラー17は、入射した光を、例えば赤色光LRと、その他の色光とに分離する。
【0026】
PS合成素子15には、第2MLA13における隣り合うマイクロレンズ間に対応する位置に、複数の1/2波長板15Aが設けられている。PS合成素子15は、入射した光をP偏光成分およびS偏光成分の偏光光に分離し、また、分離された2つの偏光光のうち、一方の偏光光を、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子15から出射し、他方の偏光光(例えばS偏光成分)を、1/2波長板15Aの作用により、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換して出射する。
【0027】
この液晶表示装置は、ダイクロイックミラー17によって分離された赤色光LRの光路に沿って、全反射ミラー18と、フィールドレンズ24Rと、液晶パネル25Rとを順番に備えている。全反射ミラー18は、ダイクロイックミラー17によって分離された赤色光LRを、液晶パネル25Rに向けて反射する。液晶パネル25Rは、フィールドレンズ24Rを介して入射した赤色光LRを、画像信号に応じて空間的に変調する。
さらに、ダイクロイックミラー17によって分離された他の色光の光路に沿って、ダイクロイックミラー19を備えている。ダイクロイックミラー19は、入射した光を、例えば緑色光と青色光とに分離する。
【0028】
この液晶表示装置は、ダイクロイックミラー19によって分離された緑色光LGの光路に沿って、フィールドレンズ24Gと、液晶パネル25Gとを順番に備えている。液晶パネル25Gは、フィールドレンズ24Gを介して入射した緑色光LGを、画像信号に応じて空間的に変調する。
さらに、ダイクロイックミラー19によって分離された青色光LBの光路に沿って、リレーレンズ20と、全反射ミラー21と、リレーレンズ22と、全反射ミラー23と、フィールドレンズ24Bと、液晶パネル25Bとを順番に備えている。全反射ミラー21は、リレーレンズ20を介して入射した青色光LBを、全反射ミラー23に向けて反射するようになっている。全反射ミラー23は、全反射ミラー21によって反射され、リレーレンズ22を介して入射した青色光LBを、液晶パネル25Bに向けて反射するようになっている。液晶パネル25Bは、全反射ミラー23によって反射され、フィールドレンズ24Bを介して入射した青色光LBを、画像信号に応じて空間的に変調する。
【0029】
赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBの光路が交わる位置に、3つの色光LR、LG,LBを合成する機能を有したクロスプリズム26を備えている。また、クロスプリズム26から出射された合成光を、スクリーン28に向けて投射するための投射レンズ27を備えている。クロスプリズム26は、3つの入射面26R,26G,26Bと、一つの出射面26Tとを有している。入射面26Rには、液晶パネル25Rから出射された赤色光LRが入射するようになっている。入射面26Gには、液晶パネル25Gから出射された緑色光LGが入射するようになっている。入射面26Bには、液晶パネル25Bから出射された青色光LBが入射するようになっている。クロスプリズム26は、入射面26R,26G,26Gに入射した3つの色光を合成して出射面26Tから出射する。
【0030】
図2は、液晶パネル25R,25G,25Bの構成例を示している。液晶パネル25R,25G,25Bは、それぞれ変調対象となる光の成分が異なるのみで、その機能、構成は実質的に同じである。以下では、各色用の液晶パネル25R,25G,25Bの構成をまとめて説明する。液晶パネル25(25R,25G,25B)は、画素電極基板40Bと、この画素電極基板40Bの光の入射面側に液晶層45を介して対向配設された対向基板40Aとを備えている。
【0031】
画素電極基板40Bは、ガラス基板48と、このガラス基板48の光の入射面側に積層された偏光板50と、液晶視野角特性を補正する機能を有する光学部品、例えば、光学補償フィルム49と、複数の画素電極部46、および複数のブラックマトリクス部47とを有している。
画素電極基板40Bは、また、画素電極部45およびブラックマトリクス部46と液晶層45との間に積層された配向膜(図示せず)を有している。画素電極部46およびブラックマトリクス部47は、2次元的に配列されている。各画素電極部46は、導電性を有した透明な部材によって構成されている。ブラックマトリクス部47は、隣り合う画素電極部46の間に形成されている。各ブラックマトリクス部47は、例えば金属膜などにより遮光されている。
光学補償フィルム49は、複屈折率を有しており、液晶のプレチルトによって生じる視野角特性、即ち、液晶層45に入射する照明光の入射角度の分散による表示コントラストの変動を補正する。液晶視野角特性を補正する機能を有する光学部品として、コレステリック液晶を用いても良い。
偏光板50は、液晶層45に変調された所定の偏光方向の偏光光を通過させる。ガラス基板48上のブラックマトリクス部47に遮蔽された領域に、隣接する画素電極部46に対して、画像信号に応じて選択的に電圧を印加するための図示しないスイッチング素子が形成されている。画素電極部46に電圧を印加するためのスイッチング素子としては、例えばTFTが使用される。ブラックマトリクス部47によって囲まれ、入射光が透過可能な一つの画素電極部46の開口領域が、1画素分の画素開口46Aとなる。
【0032】
対向基板40Aは、光の入射側から順に、ガラス基板41と、第1の樹脂層43Aと、マイクロレンズアレイ42と、第2の樹脂層43Bと、カバーガラス44とを有している。対向基板40Aは、図示しないが、カバーガラス44と液晶層45との間に、対向電極と、配向膜とをさらに有し、また、ガラス基板41と樹脂層43Aの間に液晶パネル入射側の偏光膜を有する。
【0033】
マイクロレンズアレイ42は、光学樹脂により構成され、各画素電極部46に対応して2次元的に設けられた複数のマイクロレンズ42Mを有している。各マイクロレンズ42Mは、全体として正の屈折力(パワー)を有しており、液晶パネル25に入射した光を、対応する画素電極部46に向けて集光する機能を有している。後段の投射レンズ27に十分なFナンバーが確保されていれば、液晶パネル25に入射した光のうち、マイクロレンズ42Mによって集光され画素開口46Aに入射した光のほとんどが画像表示に利用可能な有効な光となる。
【0034】
各マイクロレンズ42Mは、一つの画素開口46A、すなわち、1ドット(1ピクセルまたは1サブピクセル)につき光軸方向に2つのレンズ面R1,R2が配置されるように構成されている。各レンズ面R1,R2は、それぞれ正のパワーを有するように構成されている。図2の例では、各レンズ面R1,R2は球面形状で構成され、第1のレンズ面R1が、光の入射側(光源側)に凸形状、第2のレンズ面R2が、光の出射側に凸形状となっている。このような面形状で正のパワーを持たせるために、第1の樹脂層43A、マイクロレンズアレイ42、第2の樹脂層43Bは、その屈折率をそれぞれn1,n2,n3とすると、「n2>n1,n3」の関係を満たすように構成されている。なお、n2とn1の相対的な屈折率差は、例えば0.2〜0.3程度で、より高い値が確保されていることが望ましい。n2とn3についても同様である。
【0035】
また、各マイクロレンズ42Mは、第2のレンズ面R2の焦点位置が、第1のレンズ面R1についての主点位置H1(図3)に略一致し、かつマイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致するように構成されている。第1のレンズ面R1は、集光機能を有した集光用レンズを形成している。第2のレンズ面R2は、フィールド機能を有したフィールドレンズを形成している。
【0036】
なお、マイクロレンズ全体での焦点位置は、画素開口付近にある方が、開口効率が良くなると考えられるが、入射光についてすべての角度成分を考慮すると、焦点位置が画素開口に完全に一致している場合が最も開口効率が良くなるとは限らない。すべての角度成分を考慮すると、例えば光のビームウェストが画素開口に一致するように焦点位置を設定することが望ましいと考えられる。
【0037】
なお、第1の樹脂層43A、マイクロレンズアレイ42、第2の樹脂層43Bは、レンズ面R1,R2が正のパワーを持ち、所定の光学特性を満たすように構成されていれば良く、図示した球面形状に限定されない。また、マイクロレンズ42Mの機能を持たせるための十分なパワーが得られれば、樹脂層43A,43Bを構成から省き、ガラス基板41とカバーガラス44との間に直接マイクロレンズアレイ42を形成するようにしても良い。
【0038】
次に、液晶パネル25におけるマイクロレンズ42Mの光学特性について説明する。
図3では、説明を簡略化するため、液晶パネル25におけるマイクロレンズ部分の主要な構成要素のみを示している。既に説明したように、マイクロレンズ42Mにおいて、第1のレンズ面R1および第2のレンズ面R2は、正のパワーを有している。また、第2のレンズ面R2の焦点位置は、第1のレンズ面R1についての主点位置H1に略一致し、かつマイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致している。以下、このような構成において、液晶パネル25の前段の照明光学系によって液晶パネル25に発散角βの照明光が全体的に照明されるものとして説明する。
【0039】
まず、マイクロレンズ42Mの光軸60に対して平行な主光線60A(図中、実線で示す)について考える。主光線60Aは、マイクロレンズ全体のパワーによって画素開口46A付近に集光される。マイクロレンズ42Mを通過後の出射光の光軸60に対する最大発散角度αは、マイクロレンズ42Mの最大外形とマイクロレンズ42M全体の合成焦点距離との関係で決まる。具体的には、最大外形(直径)を2a、合成焦点距離をfとすると、以下の式(1)で表される。
tanα=a/f ……(1)
【0040】
一方、合成焦点距離fは、第1のレンズ面R1についての焦点距離をf1、第2のレンズ面R2についての焦点距離をf2とすると、以下の式(2)で表される。△は、第1のレンズ面R1についての主点H1と第2のレンズ面R2についての主点H2との間隔(主点間隔)を示す。
f=f1×f2/(f1+f2−△) …(2)
【0041】
ここで、第2のレンズ面R2についての焦点位置と第1のレンズ面R1についての主点位置H1とを一致させた時には、△=f2となるので、合成焦点距離fは、以下の式(3)で表される。
f=f2 ……(3)
【0042】
式(3)は、合成焦点距離fが、第1のレンズ面R1についての焦点距離f1の値によらず、一定の値f2となることを示している。式(3)と式(1)から、主光線60Aについての出射光の最大発散角度αは、マイクロレンズ42Mの外形(半径)aと第2のレンズ面R2による焦点距離f2とで一義的に決定されることが分かる。また、このとき、第1のレンズ面R1による焦点距離f1の値により、合成焦点距離fを一定の値に保ったまま、レンズ全体の合成焦点位置をコントロールすることが可能となる。焦点距離f1を適当な値にすることにより、画素開口46Aと第2のレンズ面R2との間の距離を加工上必要なだけ確保することができる。
【0043】
次に、光軸60に対して角度成分を持って入射する発散光60B(図中、破線で示す)について考える。光軸60に対して±βの角度で液晶パネル25を照明する光は、主光線60Aを中心に、±βの角度で発散した状態で第1のレンズ面R1を通過する。この光は、第2のレンズ面R2についての焦点位置が第1のレンズ面R1についての主点H1と略一致していることにより、第2のレンズ面R2を通過する際に、すべて主光線60Aに平行な光に変わる。すなわち、主光線60Aと発散光60Bの双方とも、マイクロレンズ42Mを出射した後の最大発散角度αは等しくなる。
【0044】
以上の光学的作用を有するマイクロレンズ42Mを搭載することにより、液晶パネル25を出射する光の最大発散角度θは、以下の式(4)で表されることになる。
θ=α ……(4)
【0045】
この式(4)は、液晶パネル25における出射光の発散角度θも、マイクロレンズ42Mの外形(半径)aと第2のレンズ面R2による焦点距離f2との2つのパラメータだけで決まり、照明光の発散角度βは、出射光の発散角度θに影響を及ぼさないことを意味している。
図4は、本実施形態の液晶表示装置において、入射光発散角9°及び12°の照明系に対して、マイクロレンズアレイ42を通過した後に、液晶層45に入射する照明光の角度強度分布を示す。図4において、横軸は、液晶層45に入射する照明光の入射発散角度、縦軸は、照明光の強度をそれぞれ表わす。入射発散角は、空気中での角度に換算したものである。
図4において、実線と点線がマイクロレンズアレイ42に入射する照明光の入射光発散角が9°と12°の場合の角度分布をそれぞれ示している。
【0046】
図4に示すように、入射光発散角9°と12°という差異があるにもかかわらず、液晶層45に入射する光強度の角度分布は、変化していないということが分かる。すなわち、本実施の形態によれば、照明光の発散角度βが液晶パネル25を出射するときには除去され、従来方式と比較して角度βの分だけ出射発散角度θを小さくすることができる。このことは、液晶層45を透過する光の角度分布は、照明光学系の入射光発散角およびその光強度の角度分布に依存しないことを意味しており、視野角補償は、マイクロレンズ42Mのパラメータによって決まる強度分布についてだけ最適化すればよいことになる。
【0047】
次に、本実施形態の液晶表示装置の動作について説明する。
光源11から発せられた白色光は、MLA12とMLA13を透過し、複数の小光束に分割され、そして、PS合成素子15に入射する。PS合成素子15は、入射した光を2種類(P偏光成分およびS偏光成分)の偏光光に分離し、分離された偏光光のうち、一方の偏光光は、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子15から出射され、他方の偏光光(例えばS偏光成分)は、1/2波長板15Aの作用により、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換して、分離された2つの偏光光の偏光方向を特定の方向(例えばP偏光)に揃えて出射する。
【0048】
PS合成素子15を出射した光は、コンデンサレンズ16を透過した後、ダイクロイックミラー17に入射し、例えば赤色光LRと、その他の色光とに分離される。分離された赤色光LRは、全反射ミラー18によって、液晶パネル25Rに向けて反射され、フィールドレンズ24Rを介して液晶パネル25Rに入射する。液晶パネル25Rにおいて、赤色光LRは、所定の発散角度分布を持ってマイクロレンズアレイ42に入射し、マイクロレンズアレイ42における各マイクロレンズ42Mの光学作用により、赤色光LRの所定の発散角度分布が除去され、各マイクロレンズ42Mの屈折パワーにより生じた発散角度のみを持って液晶層45に入射し、画像信号に応じて空間的に変調された後、光学補償フィルム49に入射し、液晶層45の視野角特性を補正する。そして、赤色光LRはクロスプリズム26の入射面26Rに入射する。
【0049】
同様に、ダイクロイックミラー17によって分離されたその他の色光は、次に、ダイクロイックミラー19に入射し、例えば緑色光LGと青色光LBとに分離される。分離された緑色光LGは、液晶パネル25Gを通過した後、クロスプリズム26の入射面26Gに入射する。
ダイクロイックミラー19によって分離された青色光LBは、リレーレンズ20を介して全反射ミラー21に入射し、ここで、全反射ミラー23に向けて反射される。全反射ミラー21によって反射された青色光LBは、リレーレンズ22を介して全反射ミラー23に入射し、ここで、液晶パネル部25Bに向けて反射される。全反射ミラー23によって反射された青色光LBは、フィールドレンズ24Bを介して液晶パネル25Bを通過し後、クロスプリズム26の入射面26Bに入射する。
【0050】
液晶パネル25G,25Bにおいても、各色の入射光は、所定の発散角度分布を持ってマイクロレンズアレイ42に入射し、マイクロレンズアレイ42における各マイクロレンズ42Mの光学作用により、入射光の発散角度分布が除去され、各マイクロレンズ42Mの屈折パワーにより生じた発散角度のみを持って液晶層45に入射し、画像信号に応じて空間的に変調された後、光学補償フィルム49に入射し、液晶層45の視野角特性を補正する。
なお、液晶パネル25R,25G,25Bのそれぞれの入射面には、MLA12とMLA13によって分割された複数の小光束が拡大された状態で重畳され、全体的に均一な照明がなされる。
【0051】
クロスプリズム26に入射した3つの色光LR、LG,LBは、クロスプリズム26の作用により合成され、出射面26Tから投射レンズ27に向けて出射される。その出射光が、投射レンズ27によってスクリーン28の前面側または背面側に投射されることにより、スクリーン28上に画像を形成する。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば、各画素ごとに、2つのレンズ面R1,R2を有するマイクロレンズ42Mを配置し、第2のレンズ面R2の焦点位置を、第1のレンズ面R1についての主点位置H1に略一致させると共に、マイクロレンズ全体での焦点位置が、画素開口46Aの位置に略一致するようにしたので、例えば、光軸に対して発散角度成分βを有して入射した入射光について、その発散角度成分βがマイクロレンズ42Mから出射するときに除去される。これにより、出射発散角度を小さくすることができ、さらに、液晶層45を透過する光の角度分布は、照明光学系の入射光発散角およびその光強度の角度分布に依存せず、光学補償フィルム49の光学パラメータは、マイクロレンズ42Mのパラメータによって決まる強度分布についてだけ最適化すれば視野角特性の補正を容易にできる。
【0053】
また、液晶表示装置に使われる照明光学系では、光源11の発光体に対する凹面鏡のアライメントによって入射光強度の角度分布は大きなバラツキが存在する。本実施形態は、そのバラツキがある場合にも、入射光強度の角度分布を一定にすることから、コントラストの安定に、大きな効果を発揮することになる。
【0054】
本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、図5(A)と(B)に示すように、レンズ面R1,R2の形状は、球面(図5(C))の他にも、回転楕円体及び回転双曲面などの非球面(図5(B))や、フレネル面(図5(A))など、または、それらのうち、2つ以上の組み合わせを使用することが可能である。球面レンズは、表面加工がしやすいという点で有利ではあるが、焦点距離が最短となる曲率半径がドット寸法に規制されてしまうため、レンズ界面での屈折率差が十分に確保されなければ、短焦点化は難しい。一方、非球面やフレネル面は、図からも分かるように、短焦点化やレンズ主面の平面性の点で優れており、発散角βのキャンセル効果が高いレンズ形状である。
【0055】
図6は、液晶パネル25の構成の変形例を示している。図6に示された液晶パネルにおいて、光学補償フィルム55は、入射側の偏光膜56と樹脂層43Aとの間に配置されている。
図7は、液晶パネル25の構成の他の変形例を示している。図7に示された液晶パネルにおいて、出射側の光学補償フィルム49に加え、入射側の偏光膜56と樹脂層43Aとの間にも光学補償フィルム55が配置されている。
【0056】
また、例えば、上記実施の形態では、パワーを有するレンズ面が1ドットにつき2つのみである場合について説明したが、パワーを有するレンズ面を1ドットにつき3つ以上形成するようにしても良い。また、本発明は、3板式に限らず、単板式の投射型液晶表示装置にも適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した本発明の液晶表示素子及び液晶表示装置によれば、マイクロレンズが、光軸方向において第1のレンズ面と第2のレンズ面を有し、かつ、第2のレンズ面の焦点位置が第1のレンズの主点位置に略一致するように構成されているので、第1のレンズに入射する時の発散角度の分布が除去され、液晶層に入射する照明光の入射発散角度を小さくすることができ、さらに、液晶層を入射する光の角度分布は、照明光学系の入射光の角度分布に依存せず、視野角特性の補正を容易にでき、コントラストの安定に、大きな効果を発揮することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液晶パネルの概略構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る液晶パネルにおけるマイクロレンズの光学作用を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置において、異なる照明系からの照明光をマイクロレンズアレイを通過した後の角度分布を比較する図である。
【図5】マイクレンズの面形状の変形例を示す説明図である。
【図6】図2に示した液晶パネルの変形例を示す断面図である。
【図7】図2に示した液晶パネルの他の変形例を示す断面図である。
【図8】従来の投射型液晶表示装置の光学系の概略構成を示す平面図である。
【図9】従来の液晶パネルの構成例を示す断面図である。
【図10】従来の液晶パネルにおいて、マイクロレンズアレイが入射光の発散角分布を広げるシミュレーションの結果である。
【図11】従来の液晶パネルにおいて、液晶層に入射する照明光発散角の照明系の依存性を示すシミュレーションの結果である。
【符号の説明】
R1,R2…レンズ面、10…光軸、11…光源、12…第1レンズアレイ、12M…マイクロレンズ、13…第2レンズアレイ、13M…マイクロレンズ、14…ミラー、15…PS分離合成素子、15A…位相板、16…コンデンサレンズ、17…ダイクロイックミラー、18…ミラー、19…ダイクロイックミラー、20…リレーレンズ、22…リレーレンズ、23…ミラー、24…フィールドレンズ、25(25R,25G,25B)…液晶パネル、26…クロスプリズム、27…投射レンズ、28…スクリーン、40A…対向基板、40B…画素電極基板、41…ガラス基板、42…マイクロレンズアレイ、42M…マイクロレンズ、43A…第1の樹脂層、43B…第2の樹脂層、45…液晶層、46…画素電極部、46A…画素開口、47…ブラックマトリクス部、48…ガラス基板、49…光学補償フィルム、50…偏光膜、55…光学補償フィルム、56…偏光膜。
Claims (5)
- 2次元的に配列された複数の画素部を含む液晶層と、
前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記複数の画素部に対応して2次元的に配列された複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイと、
前記液晶層に対して光のまたは出射側または出射側に、前記液晶層の各画素部から射出された光に対して、視野角補正を行なう視野角補正部と
を有し、
前記各マイクロレンズは、光軸方向において、入射光を前記画素部に集光させる第1のレンズと、焦点位置が前記第1のレンズの主点位置に略一致する第2のレンズとを含む
液晶表示素子。 - 前記各マイクロレンズの焦点位置が、前記画素部に略一致する
請求項1記載の液晶表示素子。 - 前記各マイクロレンズの前記第1のレンズまたは第2のレンズは、球面レンズ、非球面レンズ、または、フレネル面レンズのいずれか1つ、もしくは2つ以上の組み合わせを含む
請求項1記載の液晶表示素子。 - 前記視野角補正部は、位相補償フィルム、または、コレステリック液晶のいずれか1つを含む
請求項1記載の液晶表示素子。 - 2次元的に配列された複数の画素部を含む液晶層と、
前記液晶層を照明する照明光を発する光源と、
前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記複数の画素部に対応して2次元的に配列された複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイと、
前記液晶層に対して光の入射側または出射側に、前記液晶層の各画素部から射出された光に対して、視野角補正を行なう視野角補正部と、
前記液晶層及び前記資格補正部を透過した光を投射する投射レンズと
を有し、
前記各マイクロレンズは、光軸方向において、入射光を前記画素部に集光させる第1のレンズと、焦点位置が前記第1のレンズの主点位置に略一致する第2のレンズとを含む
液晶表示装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008545149A (ja) * | 2005-07-05 | 2008-12-11 | 富士フイルム株式会社 | 液晶表示装置及び液晶プロジェクタ |
JP2013148627A (ja) * | 2012-01-17 | 2013-08-01 | Ricoh Opt Ind Co Ltd | 液晶デバイスの対向基板およびそれを用いた液晶デバイス |
-
2002
- 2002-08-20 JP JP2002239859A patent/JP2004077934A/ja active Pending
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