JP2004077812A - 色素溶液の調製方法並びにハロゲン化銀乳剤およびハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents

色素溶液の調製方法並びにハロゲン化銀乳剤およびハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カブリの少ないハロゲン化銀写真乳剤、およびハロゲン化銀写真感光材料を提供すること、さらにその手段としての高濃度で安定性の高い色素溶液の調製方法を提供する。
【解決手段】対イオンを有さない色素をpKa値6.6以上9.0以下の塩基とともに20℃における比誘電率が10以上の溶媒に溶解する色素溶液の調製方法。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素溶液の調製方法、およびハロゲン化銀写真乳剤ならびにハロゲン化銀写真感光材料とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハロゲン化銀写真感光材料の高感度化、および処理後の残色低減のために、多大の努力がなされてきた。写真に高感度、高画質化を求められる一方で、写真処理の迅速化の要求、環境問題に対する廃液量低減の要求などが近年特に強まっており、被りや残色等の悪影響を生じさせずに、ハロゲン化銀粒子を高感度に分光増感する技術の重要性はますます高まっている。
分光増感のために用いられる増感色素は、ハロゲン化銀写真感光材料の性能に大きな影響を与えることが知られている。本発明者らはすでに特開2001−312023号においてスルホン酸以外の解離性基を含む増感色素を少なくとも2種含有するハロゲン化銀写真感光材料によって高感度と低残色を両立しうることを開示している。
この特許に記載の増感色素は、直接乳剤中へ分散することもできるが、通常これらはまず適当な溶媒、例えばメタノール、エタノール、メチルセロソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添加される。この際、塩基や酸、界面活性剤などの添加物を共存させることもでき、溶解に超音波を使用することもできる。また、この化合物の添加方法としては米国特許第3,469,987号などに記載のような、該化合物を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロイド中に分散してこの分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24185号などに記載のような、水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,135号に記載のような、界面活性剤に化合物を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74624号に記載のような、レッドシフトさせる化合物を用いて溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭50−80826号に記載のような、化合物を実質的に水を含まない酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法などが用いられる。その他、乳剤中への添加には米国特許第2,912,343号、同3,342,605号、同2,996,287号、同3,429,835号などに記載の方法も用いられる。また特開平7−140580号などに記載の固体微粒子分散物等の形で添加することもできる。
ところが当該色素が対イオンを有さない場合は、一般に使われる水やメタノールのような溶媒に難溶であり、実用的な濃度で色素を溶液化するには、水酸化ナトリウムやトリエチルアミンといった塩基をともに添加して、解離性基を解離させてやる必要があった。しかしこの方法で色素を完全に溶解させた溶液のpHは10〜11前後と高く、高pHでは色素の分解が起こりやすいため、このようにして調製した色素溶液を添加したハロゲン化銀乳剤は、カブリの増大や階調の軟調化といった写真性能の悪化を伴うことが多かった。またこの溶液のpHを下げれば色素が析出してしまうという問題を生じる。
従って、できるだけ中性に近いpHで増感色素を実用的に濃い濃度で溶液化できる方法が強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、カブリの少ないハロゲン化銀写真乳剤、およびハロゲン化銀写真感光材料を提供することにあり、さらにその手段としての高濃度で安定性の高い色素溶液の調製方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は鋭意研究を行なった結果、下記の手段によって達成することができた。すなわち、
【0005】
(1) 対イオンを有さない色素をpKa値6.6以上9.0以下の塩基とともに20℃における比誘電率が10以上(好ましくは90以下)の溶媒に溶解することを特徴とする色素溶液の調製方法。
【0006】
(2) 前記(1)記載の色素が下記一般式(I)で表されることを特徴とする上記(1)記載の色素溶液の調製方法。
一般式(I)
【0007】
【化1】
Figure 2004077812
【0008】
式中、Dyeは色素部、Aは連結基、Qは解離性基、rは0または1、qは1以上の整数(好ましくは4以下)を表す。ただし少なくとも1つのQは−COOH、−CONHSOR、−SONHCOR、−SONHSOR、−CONHCORより選ばれ、Rはアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、アミノ基を表す。
【0009】
(3) 前記(1)または(2)記載の色素が下記一般式(II)で表されることを特徴とする上記(1)または(2)記載の色素溶液の調製方法。
一般式(II)
【0010】
【化2】
Figure 2004077812
【0011】
式中、R、Rは置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、このうち少なくとも一方は−COOH、−CONHSO、−SONHCOR、−SONHSO、−CONHCORで置換されている。Rはアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、またはアミノ基を表す。Y、Yは5〜6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、さらに他の炭素環または複素環と縮合していてもよい。V、Vはそれぞれ置換基を表し、n、nは0以上の整数(好ましくは4以下、より好ましくは0または1)を表すが、n、nが2以上の場合はそれぞれのV、Vは互いに同一でも異なっていてもよい。L、L、L、L、L、L、Lはそれぞれメチン基を表し、pは0、1、2または3を表し、p、pは0または1を表すが、pが2または3の場合は繰り返されるL、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0012】
(4) 前記(1)、(2)または(3)において添加される塩基のpKa値が7.0以上8.0以下であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の色素溶液の調製方法。
【0013】
(5) 前記(1)、(2)または(3)において添加される塩基が下記一般式(III)、(IV)、(V)または(VI)で表されることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の色素溶液の調製方法。
一般式(III)
【0014】
【化3】
Figure 2004077812
【0015】
式中、R11、R12、R13は水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表し、少なくとも1つはσm値が0より大きい(好ましくは0.8以下)基で置換されたアルキル基である。
一般式(IV)
【0016】
【化4】
Figure 2004077812
【0017】
式中、R21、R22、R24、R25は水素原子または置換基を表し、R24とR25が互いに連結して炭素環または複素環を形成してもよい。
一般式(V)
【0018】
【化5】
Figure 2004077812
【0019】
式中、R32、R33、R34、R35、R36は水素原子または置換基を表す。
一般式(VI)
【0020】
【化6】
Figure 2004077812
【0021】
式中、R42、R43、R44、R45、R46は水素原子または置換基を表し、少なくとも2つは無置換もしくはσm値が0以下(好ましくは−0.2以上)の基で置換されたアルキル基である。またR42とR43、R43とR44、R44とR45またはR45とR46が互いに連結して炭素環または複素環を形成してもよい。
【0022】
(6) 前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)において色素を溶解する溶媒が、20℃における比誘電率が20以上の溶媒、またはこれらの内の2種以上の混合溶媒から選ばれることを特徴とする上記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載の色素溶液の調製方法。
【0023】
(7) 前記(6)記載の溶媒が、水、メタノール、または両者の混合溶媒から選ばれることを特徴とする上記(6)記載の色素溶液の調製方法。
【0024】
(8) 前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)記載の方法で調製された色素溶液を少なくとも1種添加することを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
【0025】
(9) 前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)記載の方法で調製された色素溶液の少なくとも1種が添加されたことを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0026】
(10) 支持体上に前記(9)記載のハロゲン化銀写真乳剤を含有する乳剤層を少なくとも1層塗設することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
【0027】
(11) 支持体上に前記(9)記載のハロゲン化銀写真乳剤を含有する乳剤層の少なくとも1層が塗設されたことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に使用する色素について説明する。
本発明に使用する色素としては、対イオンを有さないものならばどのようなものでもよく、例えばシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素を挙げることができる。
本発明で用いる色素は溶液状態で解離することができる「解離性基」を少なくとも1つ有することが好ましい。
【0029】
本発明の色素は好ましくは一般式(I)のように表される。
一般式(I)の解離性基Qとしては、解離(例えばプロトンなどの解離)によりアニオン性基となりえる基、すなわち負電荷を有することができる基であり、例えばpH5〜10の間で90%以上解離するプロトン解離性酸性基が挙げられる。具体的には、例えばスルホ基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、スルファト基(−OSOH)、ホスホン酸基(−PO(OH))、リン酸基(−OPO(OH)2 、ボロン酸基(−B(OH))、ホウ酸基(−OB(OH))、電子求引基が置換したアミノ基(例えば、スルホニルカルバモイル基(−CONHSOR)、アシルカルバモイル基(−CONHCOR)、アシルスルファモイル基(−SONHCOR)、スルホニルスルファモイル基(−SONHSOR))、ヒドロキシアリール基(−ArOH)、メルカプトアリール基(−ArSH)が挙げられる。
【0030】
上記の式中、Rはアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ヘテロシクリルオキシ基、またはアミノ基を表し、Rとしては好ましくは次のものが挙げられる。
例えば炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基(ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは好ましくは炭素数2〜18、さらに好ましくは炭素数3〜10、特に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜6の置換されてもよいヘテロ環基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数3〜10のヘテロシクリルオキシ基(複素環基で置換されたオキシ基を意味し、例えば2−チエニルオキシ、2−モルホリノオキシ)、アミノ基としては炭素数0〜20、好ましくは炭素数0〜12、さらに好ましくは炭素数0〜8のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、環を形成したモルホリノ、ピロリジノ)が挙げられる。さらにこれらに後述のVが置換していてもよい。
さらに好ましくは、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0031】
上記の式中、Arはアリーレン基を表し、好ましいアリーレン基としてはo−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、1,2−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,8−ナフチレンなどが挙げられるが、より好ましくはo−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンであり、特に好ましくはp−フェニレンである。
【0032】
なお、式中の解離性基は非解離型で表記(例えば、NH、COH)したが、解離した形(例えば、N、CO )で表記することも可能である。
対イオンとして陽イオンが存在する場合、例えば(N、Na)と表記する。非解離状態では(NH)と表記するが、対イオンのカチオン化合物がプロトンと考えれば、(N、H)と表記することも可能である。
実際には、色素の置かれたpHなどの環境により解離状態になったり、非解離状態になったりする。
【0033】
一般式(I)において、Aは連結基(好ましくは2価の連結基)を表す。この連結基は、好ましくは炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のうち、少なくとも1種を含む原子または原子団からなる。好ましくはアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、トリメチレン、ブチレン、テトラメチレン、ペンチレン)、アリーレン基(例えばフェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(例えばエテニレン、プロペニレン)、アルキニレン基(例えばエチニレン、プロピニレン、これらは分岐していてもよい)、アミド基、エステル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、−N(V)−(Vは水素原子または一価の置換基を表し、一価の置換基としては後述のVが挙げられる)、複素環2価基(例えば、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0以上100以下、好ましくは炭素数1以上20以下の連結基を表す。
【0034】
上記の連結基は、さらに後述のVで表される置換基を有してもよく、環(芳香族または非芳香族の炭化水素環、または複素環)を含有してもよく、分岐してもよい。
【0035】
さらに好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン)、炭素数6〜10のアリーレン基(例えばフェニレン、ナフチレン)、炭素数2〜10のアルケニレン基(例えば、エテニレン、プロペニレン)、炭素数2〜10のアルキニレン基(例えば、エチニレン、プロピニレン)、エーテル基、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数1〜10の2価の連結基である。これらは、後述のVで置換されていてもよい。
【0036】
一般式(I)におけるDyeの解離性基を有する置換基(A)Qとして具体的には、カルボキシアルキル基(例えばカルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル)、スルホアルキル基(例えば2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例えばメタンスルホニルカルバモイルメチル)、アシルカルバモイルアルキル基(例えばアセチルカルバモイルメチル)、アシルスルファモイルアルキル基(例えばアセチルスルファモイルメチル)、アルキルスルホニルスルファモイルアルキル基(例えばメタンスルホニルスルファモイルメチル)が挙げられる。
【0037】
一般式(I)のqは解離性基を持つ置換基(A)Qの数を表し、1以上(好ましくは4以下)の整数であるが好ましくは2以上であり、その場合、複数の(A)Qは同一でも互いに異なっていてもよい。
【0038】
解離性基Qの置換位置としては、r=0で色素部に直接置換していてもr=1で側鎖に置換していてもよいが、側鎖に置換していることが好ましく、特に塩基性核のN位の置換基上に解離性基を有していることが好ましい。
【0039】
本発明の増感色素は、少なくとも1つの−COOH、−CONHSOR、−CONHCOR、−SONHCOR、または−SONHSORを持ち、好ましくは−COOH、または−CONHSORを持つ。特に好ましいのは少なくとも1つの−SOHと少なくとも1つの−COOHまたは−CONHSORを持つ場合である。
【0040】
一般式(I)において、色素部Dyeには先に挙げたいかなる色素を使用することも可能である。
例えば、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素が挙げられる。
色素部Dyeは好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素(3核メロシアニンの基本骨格としては、特開平3−171135号の一般式(I)、(II)、特開平7−159920号記載の一般式(I)で表される基本骨格が好ましい)、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素などのポリメチン発色団が挙げられる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、またはロダシアニン色素であり、特に好ましくはシアニン色素、またはメロシアニン色素であり、最も好ましくはシアニン色素である。
【0041】
これらの色素の詳細については、F.M.Hamer著「Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds」、John Wiley & Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、D.M.Sturmer著「Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry」、第18章、第14節、第482〜515頁などに記載されている。
好ましい色素の一般式としては、米国特許第5,994,051号第32〜36欄記載の一般式、および同第5,747,236号第30〜34欄記載の一般式が挙げられる。また、シアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の一般式は、米国特許第5,340,694号第21〜22欄の(XI)、(XII)、(XIII) に示されているもの(ただし、n12、n15、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下))が好ましい。
【0042】
次に、本発明で用いる色素について、さらに詳細に説明する。
本発明の色素の中で、さらに好ましくは前記一般式(I)で表される色素が、一般式(II)または下記一般式(VII)、(VIII)から選ばれた場合である。
一般式(II)
【0043】
【化7】
Figure 2004077812
【0044】
式(II)中、R、Rは置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、このうち少なくとも一方は−SOH以外の解離性基で置換されている。Y、Yは5〜6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、さらに他の炭素環または複素環と縮合していてもよい。V及びVはそれぞれ置換基を表し、Y及びYによって形成された含窒素複素環またはこれに縮合する炭素環もしくは複素環に結合する置換基である。n、nは0以上(好ましくは4以下、より好ましくは0又は1)の整数を表すが、n、nが2以上の場合はそれぞれのV、Vは互いに同一でも異なっていてもよい。L、L、L、L、L、L、Lはそれぞれメチン基を表し、pは0、1、2または3を表し、p、pは0または1を表すが、pが2または3の場合は繰り返されるL、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(VII)
【0045】
【化8】
Figure 2004077812
【0046】
式(VII)中、Rは置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、−SOH以外の解離性基で置換されている。Yは5〜6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、さらに他の炭素環または複素環と縮合していてもよい。Yは酸性核を形成するのに必要な原子群を表し、さらに他の炭素環または複素環と縮合していてもよい。V、Vはそれぞれ置換基を表し、n、nは0以上(好ましくは4以下)の整数を表すが、n、nが2以上の場合はそれぞれのV、Vは互いに同一でも異なっていてもよい。L31、L32、L33、L34 はそれぞれメチン基を表し、pは0、1、2または3を表し、pは0または1を表すが、pが2または3の場合は繰り返されるL31、L32は互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(VIII)
【0047】
【化9】
Figure 2004077812
【0048】
式(VIII)中、R、R、Rは置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、このうち少なくとも一つは−SOH以外の解離性基で置換されている。Y、Y、Yは5〜6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、さらに他の炭素環または複素環と縮合していてもよい。V、V、Vはそれぞれ置換基を表し、n、n、nは0以上(好ましくは4以下)の整数を表すが、n、n、nが2以上の場合はそれぞれのV、V、Vは互いに同一でも異なっていてもよい。L41、L42、L43、L44、L45、L46、L47、L 48、L49はそれぞれメチン基を表し、p、pは0、1、2または3を表し、p、pは0または1を表すが、p、pが2または3の場合は繰り返されるL41、L42、L44、L45は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0049】
一般式(II)、(VII)および(VIII)において、Y、Y、Y、Y、Yは5〜6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表し、これらに炭素環または複素環が縮合していてもよく、縮合環としては、芳香族環または非芳香族環いずれでもよい。好ましくは芳香族環であり、例えばベンゼン環、ナフタレン環などの炭化水素芳香族環や、ピラジン環、チオフェン環などの複素芳香族環が挙げられる。
【0050】
上記の5〜6員の含窒素複素環としてはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核、チエノ[3,2−d]チアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、3,3−ジ置換インドレニン核(置換基はアルキル、アリールなど、好ましくはアルキル、例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンズイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核、イミダゾ[4,5−b]キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができるが、好ましくはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベンズイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核であり、より好ましくはベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核、チエノ[3,2−d]チアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベンズイミダゾール核であり、さらに好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核、チエノ[3,2−d]チアゾール核、ベンズイミダゾール核であり、特に好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核、チエノ[3,2−d]チアゾール核であり、最も好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、またはチエノ[2,3−d]チアゾール核である。
【0051】
一般式(VII)において、Yは非環式または環式の酸性核を形成するために必要な原子群を表すが、いかなる一般のメロシアニン色素の酸性核の形をとることもできる。好ましい形においてYのメチン鎖連結位置の隣がチオカルボニル基またはカルボニル基となっている。
【0052】
ここでいう酸性核とは、例えばT.H.James編「The Theory of the Photographic Process」第4版、MacMillan Publishing社刊、1977年、198頁により定義される。具体的には、米国特許第3,567,719号、同第3,575,869号、同第3,804,634号、同第3,837,862号、同第4,002,480号、同第4,925,777号、特開平3−167546号などに記載されているものが挙げられる。
酸性核が、炭素、窒素、およびカルコゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、およびテルル)原子からなる5〜6員の含窒素複素環を形成するとき好ましく、次の核が挙げられる。
【0053】
2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−オン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、インダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリニウム、3−オキソインダゾリニウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ[3,2−a]ピリミジン、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロマン−2,4− ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]ベンズイミダゾール、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキシド、3−ジシアノメチレン−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキシドの核、およびこれらの核を形成しているカルボニル基もしくはチオカルボニル基をケトメチレンやシアノメチレンなどの構造を有する活性メチレン化合物の活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する核。
【0054】
として好ましくはヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸であり、さらに好ましくは、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸である。特に好ましくは2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニン、バルビツール酸である。
【0055】
一般式(VIII)において、Yによって形成される5〜6員の含窒素複素環は、Yによって表される複素環からオキソ基、またはチオキソ基を除いたものである。好ましくはヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸からオキソ基、またはチオキソ基を除いたものであり、さらに好ましくは、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸からオキソ基、またはチオキソ基を除いたものであり、特に好ましくは2−または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニンからオキソ基、またチオキソ基を除いたものである。
【0056】
一般式(II)、(VII)および(VIII)において、これらの含窒素複素環Y〜Y上(縮合環を有する場合はこの縮合環上も含む)の置換基V〜V(総称してVとする)で示される置換基としては特に制限は無いが、例えばハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0057】
さらに詳しくは、Vはハロゲン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ素)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2ーエチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、例えばビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基に加え、下記のアルケニル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、アルキニル基等も含むものとする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらはアルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えばビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えばエチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5〜6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは炭素数3〜30の5〜6員の芳香族の複素環基、例えば2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えばホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えばN,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えばフェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくはアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチルアニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくはホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えばカルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えばフェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えばスルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えばメチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えばフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えばN−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えばアセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えばカルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えばフェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくはN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えばジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えばホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えばジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えばジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、および一部重複するが、前述のQで表される解離性基を持つ基を表す。
【0058】
また2個の置換基Vが互いに連結してさらに縮合環を形成してもよく、縮合環としてはベンゼン環、シクロヘキセン環、ナフタレン環等の炭素環やピラジン環、チオフェン環等の複素環が挙げられるが、このような縮合環は存在しないことが好ましい。
置換基Vとして好ましいものは上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはハロゲン原子である。
【0059】
一般式(VII)において、Yで表される酸性核に含まれる窒素原子に結合しているアルキル基、アリール基、または複素環基をRとする。Rおよび一般式(II)、(VII)、(VIII)におけるR、R、R、R、R、Rはアルキル基、アリール基、および複素環基であるが、具体的には、例えば炭素原子1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、炭素原子1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のVが置換したアルキル基が挙げられる。好ましくはアラルキル基(例えばベンジル、2−フェニルエチル)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、カルボキシメチル)、アルコキシアルキル基(例えば2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば2−フェノキシエチル、2−(1−ナフトキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば3−フェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えばN,N−ジメチルスルファモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、テトラヒドロフルフリル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例えばメタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイルアルキル基(例えばアセチルカルバモイルメチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えばアセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルホニルスルファモイルアルキル基(例えばメタンスルホニルスルファモイルメチル基)}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素数6〜8の無置換または置換アリール基(置換基の例としては前述のVが挙げられる。例えばフェニル基、1−ナフチル基、p−メトキシフェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げられる。)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数4〜8の無置換または置換複素環基(置換基の例としては前述のVが挙げられる。例えば2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジル、2−(1,3,5−トリアゾリル)、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリル、5−メチル−2−チエニル基、4−メトキシ−2−ピリジル基などが挙げられる。)、および一部重複するが、前述のQで表される解離性基を持つ基が挙げられる。
【0060】
一般式(II)、(VII)、(VIII)において、L、L、L、L、L、L、L、L31、L32、L33、L34、L41、L42、L43、L44、L45、L46 、L47、L48、L49はそれぞれ独立にメチン基を表す。それぞれのメチン基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述のVが挙げられる。例えば置換または無置換の炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、2−カルボキシエチル)、置換または無置換の炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えばフェニル、o−カルボキシフェニル)、置換または無置換の炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10の複素環基(例えばN,N’−ジメチルバルビツール酸)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜10のアミノ基(例えばメチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチルピペラジノ)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ)などが挙げられる。また他のメチン基と環を形成してもよく、もしくはY〜Y、R〜R、V〜Vと共に環を形成することもできる。
【0061】
は無置換メチン基であることが好ましく、pが1の時、Lは無置換アルキル基で置換されたメチン基、Lは無置換メチン基であることが好ましい。Lは特にメチル置換メチン基またはエチル置換メチン基であることが好ましい。
、L、L、L、L33、L34、L46、L47、L48およびL49として好ましくは、無置換メチン基である。
【0062】
、p、pおよびpはそれぞれ独立に0、1、2または3を表す。好ましくは0、1、2であり、さらに好ましくは0、1である。p、p、pおよびpが2以上の時、メチン基が繰り返されるが同一である必要はない。
、p、p、pおよびpはそれぞれ独立に0または1を表す。好ましくは0である。
【0063】
本発明の色素の中で、最も好ましいのは前記一般式(II)で表される色素であり、この場合のY、Yで表される5〜6員の含窒素複素環としては好ましくはベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核、チエノ[3,2−d]チアゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベンズイミダゾール核であり、より好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核、チエノ[3,2−d]チアゾール核、ベンズイミダゾール核であり、さらに好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、チエノ[2,3−d]チアゾール核である。本発明の色素溶液の調製方法は、特に一方の含窒素複素環がベンゾオキサゾール核またはベンゾチアゾール核であり、他方の含窒素複素環がチエノ[2,3−d]チアゾール核またはチエノ[3,2−d]チアゾール核であるような一般式(II)の色素に対して、有効に使用しうる。
以下に本発明の色素の具体例を示すが、これにより本発明が制限されるわけではない。
【0064】
【化10】
Figure 2004077812
【0065】
【化11】
Figure 2004077812
【0066】
【化12】
Figure 2004077812
【0067】
【化13】
Figure 2004077812
【0068】
【化14】
Figure 2004077812
【0069】
【化15】
Figure 2004077812
【0070】
【化16】
Figure 2004077812
【0071】
【化17】
Figure 2004077812
【0072】
本発明の一般式(I)(下位概念の色素も含む)で表される色素は、F.M.Hamer著「Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds」、John Wiley & Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、D.M.Sturmer著「Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry」、第18章、第14節、第482〜515頁、John Wiley & Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds」2nd Ed. vol.IV, part B,1977刊、第15章、第369〜422頁、Elsevier Science Publishing Company Inc.社刊、ニューヨーク、などに記載の方法に基づいて合成することができる。
【0073】
本発明の色素を溶解する溶媒の20℃における比誘電率は10以上(好ましくは50以下)、好ましくは20以上、特に好ましくは30以上であり、水(比誘電率80.10)以外に有機溶媒として例えばメタノール(33.0)、エタノール(25.3)、n−プロパノール(20.8)、イソプロパノール(20.18)、n−ブタノール(17.51)、イソブタノール(17.93)、t−ブタノール(12.47)、ベンジルアルコール(13.1)、2,2,2−トリフルオロエタノール(27.68)、メチルセロソルブ(17.23)、アセトン(21.01)、アセトニトリル(36.64)、ピリジン(13.26)、N,N−ジメチルホルムアミド(38.25)、N,N−ジメチルアセトアミド(38.85)、N−メチルピロリドン(32.55)、ジメチルスルホキシド(47.24)、スルホラン(42.13)、あるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒として最も好ましいのは、水、メタノール、または両者の混合溶媒である。
【0074】
本発明においては、水、上記の有機溶媒、またはこれらの混合溶媒に本発明の色素を溶解させる際には、pKaが6.6以上9.0以下、より好ましくはpKaが7.0以上8.0以下の塩基を添加する。塩基の共役酸が多段解離の場合には、pKa値は最終解離段のものを指すものとする。
そのような塩基の例としては以下のものが挙げられる。
一般式(III)
【0075】
【化18】
Figure 2004077812
【0076】
式中、R11、R12、R13は水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表し、少なくとも1つはσm値が0より大きい基で置換されたアルキル基である。
一般式(IV)
【0077】
【化19】
Figure 2004077812
【0078】
式中、R21、R22、R24、R25は水素原子または置換基を表し、R24とR25が互いに連結して炭素環または複素環を形成してもよい。
一般式(V)
【0079】
【化20】
Figure 2004077812
【0080】
式中、R32、R33、R34、R35、R36は水素原子または置換基を表す。
一般式(VI)
【0081】
【化21】
Figure 2004077812
【0082】
式中、R42、R43、R44、R45、R46は水素原子または置換基を表し、少なくとも2つは無置換もしくはσm値が0以下の基で置換されたアルキル基である。またR42とR43、R43とR44、R44とR45またはR45とR46が互いに連結して炭素環または複素環を形成してもよい。
【0083】
式(III)〜(VI)中、R11、R12、R13で表されるアルキル基としては前述の一般式(I)の説明で述べたRの例と同様のアルキル基を挙げることができ、またR21、R22、R24、R25、R32、R33、R34、R35、R36、R42、R43、R 44、R45、R46で表される置換基としては前述の置換基Vと同様の置換基を挙げることができる。さらに上記の内の2個の基が互いに連結してさらに縮合環を形成する場合の縮合環としてはベンゼン環、シクロヘキセン環、ナフタレン環等の炭素環やピラジン環、チオフェン環等の複素環が挙げられる。
【0084】
式(III)中、R11、R12、R13のうち少なくとも1つはσm値が0より大きい(好ましくは0.8以下)基で置換されたアルキル基であり、式(VI)中、R42、R43、R44、R45、R 46のうち少なくとも2つは無置換もしくはσm値が0以下(好ましくは−0.2以上)の基で置換されたアルキル基である。上記説明中のσm値については、Chemical Reviews、 1991, Vol.91, 165のTABLE I.から適当な置換基を選ぶことができる。
σm値が0より大きい基としては、OH(0.12)、OCH(0.12)、F(0.48)、Cl(0
.37)、Br(0.39)、I(0.35)、CF(0.43)、COOH(0.37)、COCH(0.38)、COCF(0 .63)、COOCH(0.37)、SOCH(0.60)、C(0.06)、2−Pyridyl(0.33)、CN(0.56)、NO(0.71)等が挙げられ、σm値が0以下の基としては、H(0.00)、CH(−0.07)、NH(−0.16)、N(CH(−0.16)、Si(CH(−0.04)等が挙げられる。
【0085】
具体的な塩基の例を挙げると以下の通りである。
Figure 2004077812
【0086】
これらの内、塩基としては一般式(III)または一般式(V)のものが好ましく、一般式(III)がより好ましく、トリエタノールアミンが特に好ましい。
溶解の際には溶媒の沸点までの温度で加熱することもできるが、好ましくは60℃以下(好ましくは0℃以上)、より好ましくは50℃以下で溶解する。また溶解時に超音波照射を行うことは、溶解を速やかに行うために有効な手段である。
好ましい溶解方法としては、水、メタノール、または水とメタノールの混合溶媒に色素を添加し、さらに色素と等モル〜小過剰のトリエタノールアミン溶液を添加する方法を挙げることができる。
色素を溶解した溶液はすぐに乳剤に添加することが好ましいが、溶液を保存する場合には、使用時まで30℃以下、好ましくは20℃以下に保つようにする。この際冷却により色素の溶解度が低下して析出が起こる可能性があるので、溶液濃度は保存時の温度における色素の飽和溶解度以下にする必要がある。好ましい溶液中の色素濃度は0.2〜10質量%、より好ましくは0.4〜5質量%である。
【0087】
次に本発明のハロゲン化銀写真乳剤およびハロゲン化銀写真感光材料について詳しく説明する。
本発明の増感色素(また、その他の増感色素についても同様)を本発明のハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認められている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。例えば、米国特許2,735,766号、同3,628,960号、同4,183,756号、同4,225,666号、特開昭58−184142号、同60−196749号等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程および/または脱塩前の時期、脱塩工程中および/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58−113920号等に開示されているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならいかなる時期、工程において添加されてもよい。また、米国特許4,225,666号、特開昭58−7629号等に開示されているように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割して添加する化合物および化合物の組み合わせの種類をも変えて添加されてもよい。
【0088】
本発明における分光増感において有用な強色増感剤は、例えば米国特許3,511,664号、同3,615,613号、同3,615,632号、同3,615,641号、同4,596,767号、同4,945,038号、同4,965,182号、同4,965,182号等に記載のピリミジルアミノ化合物、トリアジニルアミノ化合物、アゾリウム化合物などであり、その使用法に関しても上記の特許に記載されている方法が好ましい。
【0089】
本発明のハロゲン化銀乳剤においては、ハロゲン化銀粒子としては塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、塩ヨウ臭化銀等のいずれも用いることができるが、例えばカラー印画紙用途であれば、処理の迅速化、簡易化の目的のために塩臭化銀乳剤が好ましく、塩臭化銀乳剤としては95モル%以上が塩化銀である塩化銀、塩臭化銀、または塩ヨウ臭化銀を好ましく用いることができる。またカラー撮影用フィルム(ネガおよびリバーサル)用途であればヨウ臭化銀乳剤が好ましく、ヨウ臭化銀乳剤としては95モル%以上が臭化銀である臭化銀、ヨウ臭化銀、または塩ヨウ臭化銀を好ましく用いることができる。
【0090】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均をとったもの)は0.1〜2μmが好ましい。
またそれらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下のいわゆる単分散なものが好ましい。このとき広いラチチュードを得る目的で、上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗布することも好ましく行われる。
【0091】
写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、八面体、あるいは十四面体のような規則的な結晶形を有するもの、球状、板状などのような変則的な結晶形を有するもの、あるいはこれらの混合したものからなっていてもよい。本発明においては、これらの中でも上記規則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有するのがよい。
【0092】
特に好ましいのは、乳剤中のハロゲン化銀粒子が沃塩化銀または沃臭塩化銀立方体粒子からなり、その平均沃化物含量が銀1モルあたり0.01モル%以上1.0モル%以下である場合である。
【0093】
本発明に用いる乳剤は、P.Glafkides著「Chimie et Phisique Photographique」(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著「Photographic Emulsion Chemistry」(Focal Press社刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著「Making and coating Photographic  Emulsion」(Focal Press社刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製することができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれの方法でもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる方式としては、片側混合法、同時混合法、およびそれらの組み合わせなどのいずれの方法を用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
【0094】
本発明の色素は、他の分光増感色素と併用してもよい。
本発明の色素の添加量としては、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6〜8×10−3モルで用いることができる。例えば、ハロゲン化銀粒子サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀1モル当たり、2×10−6〜3.5×10−3モルの添加量が好ましく、7.5×10−6〜1.5×10−3モルの添加量がより好ましい。
【0095】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常化学増感される。化学増感法としてはいわゆる金化合物にによる金増感法(例えば米国特許第2,448,060号、同3,320,069号)、イリジウム、白金、ロジウム、パラジウム等の金属による増感法(例えば米国特許第2,448,060号、同2,566,245号、同2,566,263号)、含硫黄化合物を用いる硫黄増感法(例えば米国特許第2,222,264号)、セレン化合物を用いるセレン増感、テルル化合物を用いるテルル増感、あるいはスズ塩類、二酸化チオ尿素、ポリアミン等による還元増感法(例えば米国特許第2,487,850号、同2,518,698号、同2,521,925号)がある。これらの増感法は単独もしくは併用して用いることができる。
【0096】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合物あるいはそれらの前駆体を添加することができる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−215272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられる。さらにEP0447647号に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チアトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも一つの電子求引性基を持つ)も好ましく用いられる。
【0097】
本発明により調製されたハロゲン化銀乳剤はカラー写真感光材料および黒白写真感光材料のいずれにも用いることができる。カラー写真感光材料としては特にカラー印画紙、カラー撮影用フィルム、カラーリバーサルフィルム、黒白写真感光材料としてはX−レイ用フィルム、一般撮影用フィルム、印刷感材用フィルム等を挙げることができる。
【0098】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いることのできる種々の技術や無機・有機の素材については一般にはリサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)、同37038(1995年)に記載されたものを用いることができる。
これに加えて、より具体的には、例えば、本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できるカラー写真感光材料に用いることができる技術および無機・有機素材については、欧州特許第436938A2号の下記の箇所および下記に引用の特許に記載されている。
【0099】
Figure 2004077812
Figure 2004077812
【0100】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0101】
実施例1
<色素溶液の調製>
表1に示す色素を1.0g秤量し、表1に示す塩基を添加して、メタノール−水(1:1)溶媒200mlと混合した。
25℃で30分間超音波照射し、溶解の度合いを目視で評価した(○:完溶した、△:溶け残り有り、×:ほとんど溶けない)。またpH計で溶液のpH値を測定した。
【0102】
<溶液安定性の測定>
上記のようにして調製した色素溶液を25℃で7日間経時し、経時前後の吸光度を比較した。吸光度の比をもって色素の残存率とした。
以上の試験結果を表1にまとめて示す。
【0103】
【表1】
Figure 2004077812
【0104】
表1の結果から明らかなように、本発明の色素溶液調製方法を用いることにより高い濃度で色素を溶液化することができ、溶液を長期保存しても析出などが起こらない。また溶液pHが高くならないため、溶液を経時した時にも色素の分解が起こりにくいことがわかる。さらに本発明の色素溶液調製方法は、塩基を過剰量用いても溶液pHの変動が小さいため、工業的製造適性に優れている。
【0105】
実施例2
<乳剤調製>
(乳剤A−1の調製)立方体粒子
石灰処理ゼラチン3%水溶液1000mlをpH=5.5、pCl=1.7に調整し、硝酸銀を2.12モル含む水溶液と塩化ナトリウムを2.2モル含む水溶液を激しく攪拌しながら66℃で同時に添加混合した。硝酸銀の添加が90%終了した時点で、沃化カリウム水溶液を出来上がりのハロゲン化銀1モルあたりI量が0.2モル%になる量を激しく混合しながら添加した。40℃で脱塩処理を施した後、石灰処理ゼラチン168gを加え、pH=5.5、pCl=1.8に調整した。得られた粒子は球相当径0.75μm、変動係数11%の立方体沃塩化銀乳剤であった。
この乳剤を60℃で溶解し、実施例1で調製した経時した色素溶液No.3を、色素量がハロゲン化銀1モルあたり4.0×10−4モルになるよう添加して120分熟成した。このようにして得られた乳剤を乳剤A−1とした。
同様にして、添加する色素溶液を表2に示したものに変更した事のみ異なる乳剤A−2〜A−11までを調製した。また、色素を添加しない乳剤A−0も調製した。
【0106】
<試料作製>
紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに乳剤層、保護層を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料T(1)を作製した。各写真構成層用の塗布液は、以下のようにして調製した。
【0107】
乳剤塗布液調製
イエローカプラー(ExY)57g、色像安定剤(Cpd−1)7g、色像安定剤(Cpd−2)4g、色像安定剤(Cpd−3)7g、色像安定剤(Cpd−8)2gを溶媒(Solv−1)21g及び酢酸エチル80mlに溶解し、この液を4gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む23.5質量%ゼラチン水溶液220g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて900gの乳化分散物Aを調製した。
一方、前記乳化分散物Aと乳剤A−1とを混合溶解し、後記組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗布量は、銀量換算塗布量を示す。
【0108】
保護層の塗布液も乳剤層塗布液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩(H−1)、(H−2)、(H−3)を用いた。また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3、及びAb−4をそれぞれ全量が15.0mg/m、60.0mg/m、5.0mg/m及び10.0mg/mとなるように添加した。
【0109】
【化22】
Figure 2004077812
【0110】
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
支持体
ポリエチレン樹脂ラミネート紙
[第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO;含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)と蛍光増白剤(4,4′−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)スチルベン。含有率0.03質量%)、青味染料(群青)を含む]
乳剤層
乳剤A−1                      0.24
ゼラチン                       1.25
イエローカプラー(ExY)              0.57
色像安定剤(Cpd−1)               0.07
色像安定剤(Cpd−2)               0.04
色像安定剤(Cpd−3)               0.07
色像安定剤(Cpd−8)               0.02
溶媒(Solv−1)                 0.21
【0111】
保護層
ゼラチン                       1.00
ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体
(変性度17%)                   0.04
流動パラフィン                    0.02
界面活性剤(Cpd−13)              0.01
【0112】
【化23】
Figure 2004077812
【0113】
【化24】
Figure 2004077812
【0114】
【化25】
Figure 2004077812
【0115】
【化26】
Figure 2004077812
【0116】
【化27】
Figure 2004077812
【0117】
同様にして、試料T(1)の乳剤A−1を乳剤A−0およびA−2〜A−11に変更した試料T(0)およびT(2)〜T(11)を作製した。
【0118】
<発色処理>
これらの試料の写真特性を調べるために以下のような実験を行った。
(センシトメトリー)
試料T(0)〜T(11)に感光計(富士写真フイルム(株)製FWH型)を用いて、センシトメトリー用の階調露光を与えた。SP−1フィルターを装着し5秒間露光した。露光後は以下に示す処理工程と処理液を用いて発色現像処理を行った。
【0119】
以下に処理工程を示す。
[発色現像処理]
上記感光試料T(0)を127mm巾のロール状に加工し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー PP1258ARを用いて像様露光後、下記処理工程にてカラー現像タンク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテスト)を行った。
処理工程      温 度   時 間      補充量
カラー現像    38.5℃  90秒    45ミリリットル
漂白定着     38.0℃  45秒    35ミリリットル
リンス(1)   38.0℃  20秒     −
リンス(2)   38.0℃  20秒     −
リンス(3) **38.0℃  20秒     −
リンス(4) **38.0℃  30秒   121ミリリットル
*感光材料1m当たりの補充量
**富士写真フイルム社製 リンスクリーニングシステムRC50Dをリンス(3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプにより逆浸透膜モジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリンス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300ミリリットル/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。
(リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。)
【0120】
上記の発色現像処理処理の後に、残存する増感色素を完全に除去するため、各試料を40℃の水で3分間水洗した。各試料とも3分以上の水洗を行っても試料の反射濃度がそれ以上変化しないことを別途確認してある。
【0121】
各処理液の組成は以下の通りである。
Figure 2004077812
【0122】
Figure 2004077812
【0123】
Figure 2004077812
【0124】
処理後の試料のイエロー反射濃度を富士写真フイルム社製TCD型濃度測定装置を用いて測定し、試料T(0)の現像処理した濃度を100としたときの相対値で表した。追加水洗処理を行ったため、このイエロー濃度には増感色素の残色は含まれず、乳剤のカブリに起因するイエローカプラーの発色を評価している。これらの結果をまとめて表2に示す。
【0125】
【表2】
Figure 2004077812
【0126】
表2から明らかなように、比較例の方法で調製した色素溶液を添加した乳剤ではカブリの発生が著しいのに対して、本発明の方法で調製した溶液を用いた乳剤は低カブリである。表1と照らし合わせると、色素の分解がこのようなカブリ増大の大きな原因と考えられる。
以上のように、本発明の方法で色素溶液を調製した場合のみ、高濃度で安定な色素溶液を作ることができ、この溶液を添加した乳剤を使って初めてカブリの低いハロゲン化銀写真感光材料を作成できることは明らかである。

Claims (3)

  1. 対イオンを有さない色素をpKa値6.6以上9.0以下の塩基とともに20℃における比誘電率が10以上の溶媒に溶解することを特徴とする色素溶液の調製方法。
  2. 請求項1記載の方法で調製された色素溶液を少なくとも1種添加することを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  3. 支持体上に請求項2記載の方法で調製されたハロゲン化銀乳剤を含有する乳剤層を少なくとも1層塗設することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
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