JP2003066577A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP2003066577A
JP2003066577A JP2001253592A JP2001253592A JP2003066577A JP 2003066577 A JP2003066577 A JP 2003066577A JP 2001253592 A JP2001253592 A JP 2001253592A JP 2001253592 A JP2001253592 A JP 2001253592A JP 2003066577 A JP2003066577 A JP 2003066577A
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Yasushi Nakai
泰史 中井
Takanori Hioki
孝徳 日置
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理後において残留増感色素に起因するステ
インが低減されたハロゲン化銀写真感光材料を与えるこ
とのできる、ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提
供する。 【解決手段】 イメージワイズに露光されたハロゲン化
銀写真感光材料を、有機ホウ素化合物、有機ケイ素化合
物、有機スズ化合物、有機ゲルマニウム化合物及び有機
アルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも
1種の光ラジカル発生剤の存在下で光照射するハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法に関し、詳しくは処理後における感光
材料の残留増感色素に起因するステインを低減する処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラやカラープリンターの目
覚しい進歩の中でハロゲン化銀カラー写真感光材料の処
理においては、高品質の画像を速やかに顧客に提供する
ことが望まれている。しかし従来の処理方法の単なる時
間短縮では感光材料中の増感色素が十分洗い出される前
に処理が終了することになるため、カラープリントの白
地部分において残留した多量の増感色素により画像が着
色され鑑賞に耐え難くなる場合があった。またカラーネ
ガティブフィルムにおいても最小濃度部の濃度が増加す
ることによりカラーバランスが崩れ適正なプリントが提
供できない事態を生じる場合があった。さらに近年、高
感度な撮影用感光材料において重要な基本技術である平
板状ハロゲン化銀粒子の使用は、単位体積あたり用いる
増感色素量を多くできることから感度及び感度−粒状比
の向上という効果をもたらす一方、処理後の感光材料に
残留する増感色素量を増加させている。処理条件によっ
ては、残留増感色素量の増加は無視できなくなり、カラ
ーネガティブフィルムの最小濃度部の濃度増加やカラー
リバーサルフイルムのハイライト部が着色する現象を生
じている。リサーチディスクロージャー誌20733号
には増感色素に起因するステインを除去する方法の一例
としてビストリアジニルアミノスチルベンジスルホン酸
化合物を用いる方法が開示されており、この方法はカラ
ー写真感光材料の処理において広く用いられてきた。特
開平6−329936号には溶解性に優れ、かつ時間を
短縮した処理でもステインを低減できるビストリアジニ
ルアミノスチルベンジスルホン酸化合物が開示されてい
る。また米国特許第6,153,364号には2,6−
ジアリールアミノトリアジン化合物を用いたステイン低
減方法が提案されている。増感色素に起因するステイン
を低減するために写真処理液に含有させる化合物は、ス
テイン低減剤といわれ、ハロゲン化銀感光材料からの増
感色素の流出を促進する。ステイン低減剤の効果は、リ
ンス液が新しい場合に比べ、ハロゲン化銀写真感光材料
の連続処理を行いリンス液が疲労するに従い低下する。
これはハロゲン化銀写真感光材料から流出した増感色素
が処理液に蓄積された、通常の処理浴中で安定な増感色
素の一部がハロゲン化銀感光材料へ取り込まれ、結果的
に増感色素の洗い出しを阻害するためである。この阻害
作用は廃液量が低減された近年の写真処理液において著
しい。さらにハロゲン化銀写真感光材料の塗設増感色素
量が増加するにつれ、写真処理液のステイン低減剤も高
濃度化が必要になりキットへの溶解性という問題を生じ
たり、ステイン低減剤の高濃度域では必ずしも添加濃度
に応じたステイン低減効果を示さない場合がある。それ
ゆえ増感色素に起因するステインを低減するためにはハ
ロゲン化銀写真感光材料に残存した増感色素そのものを
分解して無色化することが根本的な解決方法となる。米
国特許第6,207,359B1号にはN−オキシアジニ
ウム化合物の存在下で感光材料に光照射してステインを
減少させる方法が提案されている。ただしこの化合物は
反応によりピリジン類を生成するため、ハロゲン化銀感
光材料が塩基性雰囲気になり画像の保存性には好ましく
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
処理後において残留増感色素に起因するステインが低減
されたハロゲン化銀写真感光材料を与えることのできる
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、以下の手
段により解決された。すなわち、本発明は(1)イメー
ジワイズに露光されたハロゲン化銀写真感光材料を、有
機ホウ素化合物、有機ケイ素化合物、有機スズ化合物、
有機ゲルマニウム化合物及び有機アルミニウム化合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の光ラジカル発生
剤の存在下で光照射することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料の処理方法、(2)イメージワイズに露光
された写真感光材料を、少なくとも1種の下記一般式
(A)で表される化合物の存在下で光照射することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法、
【化3】 (式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はそれぞれ独立に脂肪族
基、芳香族基、複素環基又は−Si(Ra5)(Ra6)Ra7
示し、Ra5、Ra6及びRa7はそれぞれ独立に脂肪族基又は
芳香族基を示す。Mはホウ素(B-)、ケイ素(Si)、ス
ズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)又はアルミニウム(A
l-)を示す。(G+nは、分子全体として電荷を中和す
ることのできる陽イオン又はカチオン性化合物を示し、
nは0以上である。) (3)前記一般式(A)で表される化合物が水性溶液と
してハロゲン化銀写真感光材料に供給されることを特徴
とする(2)項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法、(4)前記一般式(A)のMがホウ素であるこ
とを特徴とする(2)又は(3)項に記載のハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法、(5)前記一般式(A)で
表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料用処理組成物、及び(6)前記一般式
(A)のMがホウ素であることを特徴とする(5)項に
記載のハロゲン化銀写真感光材料用処理組成物を提供す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における光ラジカル発生剤
として、光照射によって活性なラジカルを発生すること
ができる、有機ホウ素化合物、有機ケイ素化合物、有機
スズ化合物、有機ゲルマニウム化合物又は有機アルミニ
ウム化合物を用いることができる。これらのうち、好ま
しくは、有機ホウ素化合物、有機ケイ素化合物、有機ス
ズ化合物又は有機ゲルマニウム化合物であり、より好ま
しくは有機ホウ素化合物である。
【0006】本発明に用いられる光ラジカル発生剤とし
て特に好ましくは、前記一般式(A)で表される化合物
である。次に、本発明において特に好ましく用いられる
一般式(A)で表される化合物について説明する。
【0007】まず、本発明に用いられる基などについ
て、詳細に説明する。本発明において、特定の部分を
「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換さ
れていなくても良いし、また一種以上の(可能な最多数
までの)置換基で置換されていても良いことを意味す
る。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のア
ルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使
用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのよう
な置換基でも良い。
【0008】このような置換基をWとすると、Wで示さ
れる置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限
は無いが、例えば、ハロゲン原子、脂肪族基{アルキル
基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシク
ロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニ
ル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基を
含む。}、アリール基、複素環基(ヘテロ環基ともい
う)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキ
シル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリール
オキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含
む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニ
ルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリール
オキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリー
ルスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、
ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホ
ノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸
基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファ
ト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基が例として挙げ
られる。
【0009】更に詳しくは、Wは、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
アルキル基{(直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換
のアルキル基を表す。それらは、好ましくは炭素数1か
ら30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイ
コシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エ
チルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素
数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、
例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ド
デシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好まし
くは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシク
ロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロア
ルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。
例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、
ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環
構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。
以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキ
ルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基
を表す。}、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換も
しくは無置換のアルケニル基を表す。
【0010】それらは、アルケニル基{(好ましくは炭
素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例
えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイ
ル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から
30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つま
り、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一
個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペン
テン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビ
シクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロア
ルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もし
くは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を
一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った
一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプ
ト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オク
ト−2−エン−4−イル)を包含するものである。}、
アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換ま
たは無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパ
ルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基
(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換の
アリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、
m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェ
ニル)、複素環基(好ましくは5または6員の置換もし
くは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物
から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に
好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香
族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニ
ル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、
1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリ
ニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、シア
ノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、ア
ルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もし
くは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキ
シ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ま
しくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリ
ールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノ
キシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキ
シ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
【0011】シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3か
ら20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオ
キシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オ
キシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは
無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール
ー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、ア
シルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2
から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオ
キシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリ
ールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、ア
セチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキ
シ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニ
ルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素
数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキ
シ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、
N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカル
ボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボ
ニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2
から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオ
キシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカ
ルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−
オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もし
くは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例え
ば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノ
キシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフ
ェノキシカルボニルオキシ)、
【0012】アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数
1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、
炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、
例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニ
リノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アン
モニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1から30
の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環
が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニ
オ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニ
オ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ
基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキル
カルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは
無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミ
ルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロ
イルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n
−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノ
カルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の
置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例え
ば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカル
ボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミ
ノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボ
ニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もし
くは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メ
トキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、
t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキ
シカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニル
アミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好まし
くは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリー
ルオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカル
ボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、
m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、
【0013】スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭
素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル
アミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジ
メチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミ
ノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしく
は無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から3
0の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、
例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルア
ミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリク
ロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルス
ルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好
ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のア
ルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘ
キサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数
6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例え
ば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メト
キシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素
数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例
えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラ
ゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましく
は炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモ
イル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3
−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−
ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイ
ル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェ
ニルカルバモイル)スルファモイル)、
【0014】スルホ基、アルキル及びアリールスルフィ
ニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無
置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換また
は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルス
ルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及び
アリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30
の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から3
0の置換または無置換のアリールスルホニル基、例え
ば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルス
ルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基
(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換また
は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の
置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4
から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル
基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセ
チル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイ
ル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカル
ボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素
数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカ
ルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロ
ロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボ
ニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
【0015】アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭
素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボ
ニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキ
シカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数
1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例え
ば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−
ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカル
バモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から
30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3
から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例え
ば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチ
ルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルア
ゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N
−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数
2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例え
ば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチ
ルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましく
は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィ
ニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホス
フィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオ
キシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは
無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシ
ホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオ
キシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2
から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ
基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチル
アミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基
(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換
のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジ
メチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ
基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換
のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは
無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイ
ド)、を表わす。
【0016】また、2つのWが共同して環(芳香族、又
は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さら
に組み合わされて多環縮合環を形成することができる。
例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、キ
ノリン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェ
ニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、
フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾー
ル環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミ
ジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール
環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾ
フラン環、キノリジン環、フタラジン環、ナフチリジン
環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン
環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン
環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン
環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジ
ン環、フェナジン環、トリアジン環、トリアゾール環、
シクロペンタンジエン環、ピレン環、が挙げられる。)
を形成することもできる。
【0017】上記の置換基Wの中で、水素原子を有する
ものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていて
も良い。そのような置換基の例としては、−CONHS
2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスル
ファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカル
バモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルス
ルファモイル基)、が挙げられる。より具体的には、ア
ルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチ
ルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスル
ホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、
アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチ
ルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニル
アミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスル
ホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
【0018】次に本発明における一般式(A)の化合物
についてさらに詳しく述べる。
【0019】前記一般式(A)中、Ra 1、Ra 2、Ra 3
びRa 4は、それぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、複素環
基、又は−Si(Ra 5)(Ra 6)Ra 7を表す。MはB-、S
i、Sn、Ge、Al-を表す。
【0020】Mとして好ましくは、B-、Si、Sn、
Geであり、さらに好ましくはB-である。
【0021】Ra 1〜Ra 4が脂肪族基を表す場合、該脂肪
族基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル基、
アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換
アルキニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基等
が挙げられ、中でも、アルキル基、置換アルキル基、ア
ルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、又は置
換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換アルキル
基が特に好ましい。また、前記脂肪族基は、環状脂肪族
基でも鎖状脂肪族基でもよい。鎖状脂肪族基は分岐を有
していてもよい。
【0022】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素
原子数としては、1〜30が好ましく、1〜20がより
好ましい。また、該アルキル基は、置換基を有する置換
アルキル基、無置換のアルキル基のいずれであってもよ
く、置換アルキル基のアルキル部分の炭素原子数の好ま
しい範囲はアルキル基の場合と同様である。前記アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、ネ
オペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシ
ル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0023】前記置換アルキル基の置換基としては、カ
ルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニル
アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニ
ル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ基、エチルチオ基、ドデシルチオ基等)、炭
素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ
基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフ
トキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル
基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカ
ルボニルオキシ基、
【0024】炭素数30以下のアシルオキシ基(例え
ば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭
素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピ
オニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基
等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホ
ニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下
のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置
換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホス
ホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシ
ル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状
態であってもよい。その際、塩を形成するカチオンとし
ては、後述のG+等が挙げられる。
【0025】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。また、該アルケニル基は、置換基を有す
る置換アルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれで
あってもよく、置換アルケニル基のアルケニル部分の炭
素原子数の好ましい範囲はアルケニル基の場合と同様で
ある。前記置換アルケニル基の置換基としては、前記置
換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0026】前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。また、該アルキニル基は、置換基を有す
るアルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれであっ
てもよく、置換アルキニル基のアルキニル部分の炭素原
子数の好ましい範囲はアルキニル基の場合と同様であ
る。置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アル
キル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0027】前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の
炭素原子数としては、7〜35が好ましく、7〜25が
より好ましい。また、該アラルキル基は、置換基を有す
るアラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれであっ
てもよく、置換アラルキル基のアラルキル部分の炭素原
子数の好ましい範囲はアラルキル基の場合と同様であ
る。置換アラルキル基の置換基としては、前記置換アル
キル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0028】前記Ra 1〜Ra 4が芳香族基を表す場合、該
芳香族基としては、例えば、アリール基、置換アリール
基が挙げられる。アリール基の炭素原子数としては、6
〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。置換アリ
ール基のアリール部分の好ましい炭素原子数の範囲とし
ては、アリール基と同様である。前記アリール基として
は、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチ
ル基等が挙げられる。置換アリール基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0029】Ra 1〜Ra 4が複素環基を表す場合、該複素
環基としては、置換基を有する複素環基、無置換の複素
環基が挙げられる。置換基を有する複素環基の置換基と
しては、Ra 1〜Ra 4が置換アリール基を表す場合に例示
した置換基と同様の置換基が挙げられる。中でも、Ra 1
〜Ra 4が表す複素環基としては、フラン環、ピロール
環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、
ピリジン環等の窒素原子、硫黄原子、又は酸素原子を含
む複素環基が好ましい。
【0030】Ra 1〜Ra 4が−Si(Ra 5)(Ra 6)Ra 7を表
す場合、Ra 5、Ra 6及びRa 7は、それぞれ独立に脂肪族
基、芳香族基を表す。該脂肪族基、芳香族基は、Ra 1
a 4が表す前記脂肪族基、芳香族基と各々同義であり、
好ましい例も同様である。
【0031】前記一般式(A)中、Ra 1、Ra 2、Ra 3
及びRa 4のうちの2以上が直接又は置換基を介して連結
し、環を形成していてもよい。環を形成している場合、
該環としては、下記の(C1)〜(C3)の環より選ば
れるいずれかの環が好ましく、中でも、(C2)の環が
好ましい。(下記は、Mの代表として、好ましいB-
例示した。)
【0032】
【化4】
【0033】前記(C1)における環において、R
bは、以下に示す2価の基を表す。
【化5】
【0034】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物の中でも、そのRa 1〜Ra 4の少なくとも1つがアル
キル基であるものが好ましく、消色性と保存性の向上の
観点から、1つがアルキル基であり、他の3つがアリー
ル基であるトリアリールアルキル型の有機ホウ素化合物
が更に好ましい。特に、アリール基に電子吸引性基が置
換したトリアリールアルキル型の有機ホウ素化合物が好
ましく、中でも、3つのアリール基上の置換基(電子吸
引性基)のHammet(σ)値の合計が+0.36〜
+2.58のものがより好ましい。前記電子吸引性基と
しては、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基が好まし
く、特にフッ素原子、塩素原子がより好ましい。
【0035】電子吸引性基が置換したアリール基として
は、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル
基、2−フルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニ
ル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ
フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,4−
ジフルオロフェニル基、5−フルオロ−2−メチルフェ
ニル基、5−フルオロ−4−メチルフェニル基、5−ク
ロロ−2−メチルフェニル基、5−クロロ−4−メチル
フェニル基等が挙げられる。
【0036】前記一般式(A)のアニオン部としては、
例えば、テトラメチルボレート、テトラエチルボレー
ト、テトラブチルボレート、トリイソブチルメチルボレ
ート、ジ−n−ブチル−ジ−t−ブチルボレート、トリ
−m−クロロフェニル−n−ヘキシルボレート、トリフ
ェニルメチルボレート、トリフェニルエチルボレート、
トリフェニルプロピルボレート、トリフェニル−n−ブ
チルボレート、トリメシチルブチルボレート、トリトリ
ルイソプロピルボレート、トリフェニルベンジルボレー
ト、テトラ−m−フルオロベンジルボレート、トリフェ
ニルフェネチルボレート、トリフェニル−p−クロロベ
ンジルボレート、トリフェニルエテニルブチルボレー
ト、ジ(α−ナフチル)−ジプロピルボレート、トリフ
ェニルシリルトリフェニルボレート、トリトルイルシリ
ルトリフェニルボレート、トリ−n−ブチル(ジメチル
フェニルシリル)ボレート、ジフェニルジヘキシルボレ
ート、トリ−m−フルオロフェニルヘキシルボレート、
トリ(5−クロロ−4−メチルフェニル)ヘキシルボレ
ート、トリ−m−フルオロフェニルシクロヘキシルボレ
ート、トリ−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)ヘ
キシルボレート等が挙げられる。
【0037】前記一般式(A)中、G+は陽イオン又は
陽イオンを形成し得る基を含んでなるカチオン性化合物
を表す。nは一般式(A)で表される化合物全体として
電荷を中和するのに必要な0以上の数である。例えば、
MがB-又はAl-のときG+が1価の陽イオン又はカチ
オン性化合物であればnは1であり、MがSi、Sn又
はGeのときnは0である。ただし、一般式(A)で表
される化合物が、Mを2つ以上有する、例えば多量体を
形成している場合などはこの限りではない。なお、一般
式(A)において、Mの電荷を中和するために、G+
表記したが、分子全体として中和できていれば、必ずし
も対イオンの形で存在する必要はない。例えば、MがB
-の場合でも陽電荷を有する置換基がある場合は分子内
塩となるので、中和できていればG+は存在しなくても
よい。また、複数の陽電荷を持つ置換基がある場合は、
対イオンとして、陰イオンを有していてもよい。中で
も、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン
(特許2791143号公報に記載の化合物等)又は金
属カチオン(例えば、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe
2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+、1/2
Ca2+等)が好ましい。前記有機カチオン性化合物とし
ては、例えば、4級アンモニウムカチオン、4級ピリジ
ニウムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニ
ウムカチオン、ヨードニウムカチオン、スルホニウムカ
チオン、色素カチオン等が挙げられる。
【0038】前記4級アンモニウムカチオンとしては、
テトラアルキルアンモニウムカチオン(例えば、テトラ
メチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウ
ムカチオン)、テトラアリールアンモニウムカチオン
(例えば、テトラフェニルアンモニウムカチオン)等が
挙げられる。前記4級ピリジニウムカチオンとしては、
N−アルキルピリジニウムカチオン(例えば、N−メチ
ルピリジニウムカチオン)、N−アリールピリジニウム
カチオン(例えば、N−フェニルピリジニウムカチオ
ン)、N−アルコキシピリジニウムカチオン(例えば、
4−フェニル−N−メトキシ−ピリジニウムカチオ
ン)、N−ベンゾイルピリジニウムカチオン等が挙げら
れる。前記4級キノリニウムカチオンとしては、N−ア
ルキルキノリニウムカチオン(例えば、N−メチルキノ
リニウムカチオン)、N−アリールキノリニウムカチオ
ン(例えば、N−フェニルキノリニウムカチオン)等が
挙げられる。前記ホスホニウムカチオンとしては、テト
ラアリールホスホニウムカチオン(例えば、テトラフェ
ニルホスホニウムカチオン)等が挙げられる。前記ヨー
ドニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカ
チオン(例えば、ジフェニルヨードニウムカチオン)等
が挙げられる。前記スルホニウムカチオンとしては、ト
リアリールスルホニウムカチオン(例えば、トリフェニ
ルスルホニウムカチオン)等が挙げられる。
【0039】更に、前記G+の具体的な例として、特開
平9−188686号公報の段落[0020]〜[00
38]に記載の化合物等も挙げることができる。
【0040】上記に例示した各カチオン性化合物(例示
化合物)において、そのアルキル基としては、炭素数が
1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基等の無置換アルキル基や、Ra 1〜Ra 4が表す前
記置換アルキル基が好ましい。中でも特に、炭素数1〜
12のアルキル基が好ましい。また、上記に例示した各
カチオン性化合物において、そのアリール基としては、
例えば、フェニル基、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子)置換フェニル基、アルキル(例えば、メチル基)置
換フェニル基、アルコキシ(例えば、メトキシ基)置換
フェニル基が好ましい。
【0041】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物の具体例としては、米国特許第3,567,453
号明細書、同4,343,891号明細書、特開昭62
−143044号公報、特開昭62−150242号公
報、特開平9−188684号公報、特開平9−188
685号公報、特開平9−188686号公報、特開平
9−188710号公報、特公平8−9643号公報、
特開平11−269210号公報に記載されている化合
物、及び以下に例示する化合物が挙げられる。
【0042】また、有機ホウ素化合物としては、「機能
性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393
〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224
(1987))等に記載のカチオン性色素をカチオン部
として構造内に有する分光増感色素系有機ホウ素化合物
などが挙げられる。この分光増感色素系有機ホウ素化合
物としては、特開昭62−143044号、特開平1−
138204号、特表平6−505287号、特開平4
−261406号等に記載の化合物が挙げられる。
【0043】前記分光増感色素系有機ホウ素化合物のカ
チオン部を構成している色素としては、好ましくは30
0nm以上の波長領域、さらに好ましくは400〜11
00nmの波長領域に最大吸収波長を有するカチオン性
色素のいかなるものでも用いることができる。カチオン
性色素としては、後に分光増感色素として詳しく説明す
る化合物の中から適宜選んで用いることができる。好ま
しい色素の一般式としては例えば米国特許第5,994,
051号第32〜36頁記載の一般式、および米国特許
5,747,236号第30〜34頁記載の一般式が挙げ
られる。また、好ましいシアニン色素、メロシアニン色
素、ロダシアニン色素の一般式は、例えば米国特許第
5,340,694号第21〜22欄の(XI)、(XI
I)、(XIII)に示されているもの(ただし、n12、n1
5、n17、n18の数は限定せず、0以上の整数(好ましく
は4以下))が挙げられる。
【0044】また、好ましくは分光増感色素系有機ホウ
素化合物であるが、該化合物のホウ素のかわりに、ケイ
素、スズ、ゲルマニウム、アルミニウムを用いることも
可能である。
【0045】本発明の一般式(A)で表される化合物
は、さらに他のラジカル発生剤と併用しても良い。
【0046】次に、本発明に用いられる光ラジカル発生
剤の具体例を示す。もちろん、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】本発明に規定する光ラジカル発生剤は光照
射により活性なラジカル種を生じ、これが増感色素を攻
撃して無色化するため、塗設増感色素量を増加したハロ
ゲン化銀感光材料の処理や連続処理を行ったとしても増
感色素に起因するステインを低いレベルに抑えることが
できる。また本発明に規定する光ラジカル発生剤の反応
生成物が感光材料中に残存しても画像安定性への影響は
小さい。これは処理時間を短縮した現像処理を行う上で
好ましい特長である。
【0055】本発明に規定する光ラジカル発生剤を存在
させるには、特に制限するものではないが例えば、未露
光のハロゲン化銀写真感光材料に予め含有させてもよい
し、また処理液に含有させイメージワイズに露光された
ハロゲン化銀写真感光材料を浸漬することにより取り込
ませてもよい。本発明においては、光ラジカル発生剤を
水性溶液とした処理液で用いることが好ましい。また両
者を組み合わせても良い。本発明に規定する光ラジカル
発生剤は単独で用いても複数の化合物を併用してもよ
い。
【0056】本発明に規定する光ラジカル発生剤をハロ
ゲン化銀写真感光材料に含有させるためには、いかなる
方法を用いても良い。例えば、後述する増感色素の添加
法を用いることができる。また、その他にも既知の分散
方法を用いることができる。すなわち英国特許第1,5
70,362号等に記載のサブミクロンのサイズをもつ
写真有用化合物の固体粒子コロイドを生成する方法や米
国特許第2,322,027号等に記載の水中油滴分散
法が挙げられる。またラテックス分散法の工程、効果及
び含浸用のラテックスの具体例は米国特許第4、19
9,633号、西独特許出願(OLS )第2,541,2
74号、同第2,541,230号及び欧州特許第29
4,104A 号等に記載されている。
【0057】本発明に規定する光ラジカル発生剤を処理
液に含有させる場合、発色現像、漂白、定着、水洗、安
定、調整、黒白現像、反転、前漂白等のいずれの処理浴
にも含有させることができる。また本発明に規定する光
ラジカル発生剤は上記処理浴のタンク液、補充液、濃縮
補充液及びキットのいずれに含有されてもよい。また本
発明に規定する光ラジカル発生剤は添加物組成物に含有
されてもよい。添加物組成物とは、ハロゲン化銀カラー
写真感光材料の画像形成を行うための処理に必要とされ
るタンク液または補充液に処理前または処理中に添加し
て写真性能を調節する機能を有する組成物である。本発
明において、光ラジカル発生剤の使用量は、ハロゲン化
銀写真感光材料1m2あたり、好ましくは1×10-6
ol〜2×10-3mol、より好ましくは2×10-6
ol〜1×10-3mol、特に好ましくは5×10-6
ol〜5×10-4molである。
【0058】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料は通常のハロゲン化銀、例えば塩化銀、臭化銀、臭
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀及びそれらの混合物等
のいずれも含有することができる。一つの態様では、こ
の感光材料は少なくとも50mol%以上の塩化物、よ
り好ましくは少なくとも90mol%以上の塩化銀を含
有する高塩化銀感光材料であり例えばカラープリント感
材として用いられる。
【0059】別の態様では、少なくとも一種の乳剤は主
として臭化銀(少なくとも50mol%の臭化銀)であ
る。最も好ましくはハロゲン化写真銀感光材料が一種以
上の色記録を有し、各色記録はカラーネガティブフイル
ム及びカラーリバーサルフイルムに用いられるような一
種以上の主として臭化銀乳剤を有する。本発明を実施し
て処理されるハロゲン化銀写真感光材料は単色要素もし
くは多色要素となることができる。またこの感光材料に
は当該技術分野では公知の磁気記録層も有することがで
きる。
【0060】個々のハロゲン化銀写真感光材料の詳細は
例えばリサーチディスクロージャー(以下RDと略す
る。)に記載されており、RD17643 23〜27
ページ、RD18716 647〜650ページ、RD
307105 866〜868ページ、873〜879
ページ、RD36544 501〜541ページを挙げ
ることができる。これらは有用なハロゲン化銀乳剤(ネ
ガまたはポジ型)及びその調製方法、各種増感剤、色素
形成カプラー、分光増感色素、強色増感剤、画像色素安
定化剤、染料、紫外線吸収剤、フィルター、バインダ
ー、硬膜剤、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤、
スタチック防止剤、マット剤、紙及びフイルム支持体、
あるいはネガ像及びポジ像形成カラー要素の種々の画像
形成法等に関するものである。
【0061】分光増感色素、強色増感剤については、い
かなるものを用いても良いが、例えば、上記のRDに記
載されているものが挙げられる。
【0062】用いられる分光増感色素として、好ましく
はシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色
素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ア
ロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素など
が挙げられる。さらに好ましくはシアニン色素、メロシ
アニン色素、ロダシアニン色素であり、特に好ましくは
シアニン色素である。これらの色素の詳細については、
エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリ
ック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィ
ティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanin
e Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー
・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨー
ク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー
(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ
ースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック
・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topi
cs inheterocyclic chemistry) 」、第18章、第14
節、第482から515貢、ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロン
ドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・
カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon
Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15
章、第369から422項、エルセビア・サイエンス・
パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Pu
blishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、などに記
載されている。
【0063】さらに説明を加えると、RD17643の
23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649
頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右
欄、欧州特許第0565096A1号の第65頁7〜1
0行、に記載されているものを好ましく用いることがで
きる。また、米国特許第5,747,236号(特に第
30〜39頁)、米国特許第5、340、694号(特
に第21〜60頁、但し、(XI)、(XII)、(XII
I)に示されている増感色素において、n12、n15、n17、n
18の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは4以下)
とする。)に記載されている、一般式及び具体例で示さ
れた増感色素も好ましく用いることができる。
【0064】次に、本発明において好ましく用いられる
シアニン色素、メロシアニン色素(3核、又は4核メロ
シアニン色素なども含む)、及びロダシアニン色素を一
般式で以下に示す。 一般式(X)
【0065】
【化13】
【0066】式(X)中、L11、L12、L13、L14、L
15、L16、及びL17はメチン基を表す。p11、及びp12
は0または1を表す。n11は0、1、2、3または4を
表す。Z11及びZ12は含窒素複素環を形成するために必
要な原子群を表す。ただし、これらに環が縮環していて
も良い。M11は電荷均衡対イオンを表し、m11は分子の
電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。R11及び
12はアルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。 一般式(XI)
【0067】
【化14】
【0068】式(XI)中、L18、L19、L20、及びL21
はメチン基を表す。p13は0又は1を表す。q11は0又
は1を表わす。n12は0、1、2、3又は4を表す。Z
13は含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表
す。Z14とZ14'は(N−R14)q11と一緒になって複
素環、又は非環式の酸性末端基を形成するために必要な
原子群を表す。ただし、 Z13、及びZ14とZ14'に環が
縮環していても良い。M 12は電荷均衡対イオンを表し、
12は分子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表
す。R13はアルキル基、アリール基、又は複素環基を表
す。 R14は水素原子、アルキル基、アリール基、又は
複素環基を表す。 一般式(XII)
【0069】
【化15】
【0070】式(XII) 中、L22、L23、L24、L25
26、L27、L28、L29及びL30はメチン基を表す。p
14及びp15は0又は1を表す。q12は0又は1を表わ
す。n 13及びn14は0、1、2、3又は4を表す。
15、及びZ17は含窒素複素環を形成するために必要な
原子群を表す。 Z16とZ16'は(N−R16)q12と一緒
になって複素環を形成するために必要な原子群を表す。
ただし、 Z15、Z16とZ16'、及びZ17に環が縮環して
いても良い。M13は電荷均衡対イオンを表し、m13は分
子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。
15、及びR17はアルキル基、アリール基、又は複素環
基を表す。R16は水素原子、アルキル基、アリール基、
又は複素環基を表す。
【0071】以下、一般式(X),(XI),及び(XII)
で表されるメチン色素について詳細に述べる。
【0072】以下の説明における基などについて、特定
の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体
が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数ま
での)置換基で置換されていても良いことを意味する。
例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキ
ル基を意味する。また、本発明における化合物に使用で
きる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置
換基でも良い。このような置換基としては、前述のWと
して挙げたものが挙げられる。
【0073】一般式(X),(XI),及び(XII)中、
11、Z12、Z13、Z15、及びZ17は含窒素複素環、好
ましくは5又は6員の含窒素複素環を形成するのに必要
な原子群を表す。ただし、これらに環が縮環していても
良い。環としては、芳香族環、又は非芳香族環いずれで
も良い。好ましくは芳香族環であり、例えばベンゼン
環、ナフタレン環などの炭化水素芳香族環や、ピラジン
環、チオフェン環などの複素芳香族環が挙げられる。
【0074】含窒素複素環としてはチアゾリン核、チア
ゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキ
サゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、
セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、テルラゾリン
核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、3,3−
ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルイ
ンドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベン
ゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、
2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン
核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノ
キザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、
テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができ
るが、好ましくはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾ
ール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば
3,3−ジメチルインドレニン)、ベンゾイミダゾール
核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン
核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキ
ノリン核であり、さらに好ましくはベンゾチアゾール
核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインド
レニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、ベ
ンゾイミダゾール核であり、特に好ましくはベンゾオキ
サゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾイミダゾール
核であり、最も好ましくはベンゾオキサゾール核、ベン
ゾチアゾール核である。
【0075】これらには、前述のWで表される置換基、
及び環が置換していても縮合していても良い。好ましい
ものは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子、芳香環縮合である。
【0076】Z11、Z12、Z13、Z15、及びZ17によっ
て形成される複素環の具体例としては、米国特許第5,
340,694号第23〜24欄のZ11、Z12、Z13
14、 及びZ16の例として挙げられているものと同様
なものが挙げられる。
【0077】Z14とZ14'と(N−R14)q11はそれぞ
れ一緒になって、複素環、又は非環式の酸性末端基を形
成するために必要な原子群を表わす。複素環(好ましく
は5又は6員の複素環)としてはいかなるものでも良い
が、酸性核が好ましい。次に、酸性核及び非環式の酸性
末端基について説明する。酸性核及び非環式の酸性末端
基は、いかなる一般のメロシアニン色素の酸性核及び非
環式の酸性末端基の形をとることもできる。好ましい形
においてZ14はチオカルボニル基、カルボニル基、エス
テル基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホ
ニル基であり、さらに好ましくはチオカルボニル基、カ
ルボニル基である。 Z14'は酸性核及び非環式の酸性末
端基を形成するために必要な残りの原子群を表す。非環
式の酸性末端基を形成する場合は、好ましくはチオカル
ボニル基、カルボニル基、エステル基、アシル基、カル
バモイル基、シアノ基、スルホニル基などである。
【0078】q11は0又は1であるが、好ましくは1で
ある。
【0079】ここでいう酸性核及び非環式の酸性末端基
は、例えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー
・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The
Theory of the Photograph
ic Process)第4版、マクミラン出版社、1
977年、197〜200貢に記載されている。ここで
は、非環式の酸性末端基とは、酸性すなわち電子受容性
の末端基のうち、環を形成しないものを意味することと
する。酸性核及び非環式の酸性末端基は、具体的には、
米国特許第3、567、719号、第3、575、86
9号、第3、804、634号、第3、837、862
号、第4、002、480号、第4、925、777
号、特開平3ー167546号、米国特許第5,99
4,051号、米国特許5,747,236号などに記
載されているものが挙げられる。
【0080】酸性核は、炭素、窒素、及び/又はカルコ
ゲン(典型的には酸素、硫黄、セレン、及びテルル)原
子からなる複素環(好ましくは5員又は6員の含窒素複
素環)を形成するとき好ましく、さらに好ましくは炭
素、窒素、及び/又はカルコゲン(典型的には酸素、硫
黄、セレン、及びテルル)原子からなる5員又は6員の
含窒素複素環を形成するときである。具体的には、例え
ば次の核が挙げられる。
【0081】2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン
−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダント
イン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキ
サゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、
2−チオオキサゾリジン−2,5−ジオン、2−チオオ
キサゾリン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−
オン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−
オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チ
アゾリジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、イン
ダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフ
ェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2
−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリ
ニウム、3−オキソインダゾリニウム、5,7−ジオキ
ソ−6,7−ジヒドロチアゾロ[3,2-a]ピリミジン、シ
クロヘキサン−1,3−ジオン、3,4−ジヒドロイソ
キノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジ
オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロ
マン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリ
ド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾ
ロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]
ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1,2,3,
4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキ
ソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1
−ジオキサイド、3−ジシアノメチン−2,3−ジヒド
ロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキサイドの
核。
【0082】さらに、これらの核を形成しているカルボ
ニル基もしくはチオカルボニル基を、酸性核の活性メチ
レン位で置換したエキソメチレン構造を有する核、及
び、非環式の酸性末端基の原料となるケトメチレンやシ
アノメチレンなどの構造を有する活性メチレン化合物の
活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する
核、及びこれを繰り返した核。
【0083】これらの酸性核、及び非環式の酸性末端基
には、前述の置換基Wで示した置換基又は環が、置換し
ていても、縮環していても良い。
【0084】Z14とZ14'と(N−R14)q11として好
ましくは、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイ
ン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリ
ン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2、4−ジオン、
ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、バルビ
ツール酸、2−チオバルビツール酸であり、さらに好ま
しくは、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイ
ン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニン、バルビ
ツール酸、2−チオバルビツール酸である。特に好まし
くは2または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン
−5−オン、ローダニンである。
【0085】Z16とZ16'と(N−R16)q12 によって
形成される複素環としては、前述のZ14とZ14'と(N
−R14)q11の複素環の説明で述べたものと同じものが
挙げられる。好ましくは前述の Z14とZ14'と(N−R
14)q11の複素環の説明で述べた酸性核からオキソ基、
又はチオキソ基を除いたものである。
【0086】さらに好ましくは、前述のZ14とZ14'
(N−R14)q11の具体的として挙げた酸性核からオキ
ソ基、又はチオキソ基を除いたものであり、さらに好ま
しくはヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、
2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−
2,4−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ロー
ダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、バルビツー
ル酸、2−チオバルビツール酸からオキソ基、又はチオ
キソ基を除いたものであり、特に好ましくは、ヒダント
イン、2または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリ
ン−5−オン、ローダニン、バルビツール酸、2−チオ
バルビツール酸からオキソ基、又はチオキソ基を除いた
ものであり、最も好ましくは2または4−チオヒダント
イン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニンからオ
キソ基、又はチオキソ基を除いたものである。
【0087】q12は0又は1であるが、好ましくは1で
ある。
【0088】R11、R12、R13、R15、及びR17はアル
キル基、アリール基、及び複素環基であり、 R14、及
びR16は水素原子、アルキル基、アリール基、及び複素
環基であり、好ましくはアルキル基、アリール基、及び
複素環基である。R11、R12、R13、R14、R15
16、及びR17として表されるアルキル基、アリール
基、及び複素環基として、具体的には、例えば、炭素原
子1から18、好ましくは1から7、特に好ましくは1
から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシ
ル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、炭素原子1
から18、好ましくは1から7、特に好ましくは1から
4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のWが置
換したアルキル基が挙げられる。特に、上述した酸基を
持つアルキル基が好ましい。好ましくはアラルキル基
(例えばベンジル、2−フェニルエチル)、不飽和炭化
水素基(例えばアリル基、ビニル基、すなわち、ここで
は置換アルキル基にアルケニル基、アルキニル基も含ま
れることとする。)、ヒドロキシアルキル基(例えば、
2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カ
ルボキシアルキル基(例えば、2−カルボキシエチル、
3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、カル
ボキシメチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−
メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル)、アリーロキシアルキル基(例えば2−フェノキシ
エチル、2−(1−ナフトキシ)エチル)、アルコキシ
カルボニルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチ
ル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロ
キシカルボニルアルキル基(例えば3−フェノキシカル
ボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば2
−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば
2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例え
ば2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイル
アルキル基(例えばN,N−ジメチルスルファモイルメ
チル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチ
ル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スル
ホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−
ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキ
シエトキシエチル)、スルホアルケニル基、スルファト
アルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、3−ス
ルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置
換アルキル基(例えば2−(ピロリジン−2−オン−1
−イル)エチル、テトラヒドロフルフリル)、アルキル
スルホニルカルバモイルアルキル基(例えばメタンスル
ホニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイルア
ルキル基(例えばアセチルカルバモイルメチル基)、ア
シルスルファモイルアルキル基(例えばアセチルスルフ
ァモイルメチル基)、アルキルスルフォニルスルファモ
イルアルキル基(例えばメタンスルフォニルスルファモ
イルメチル基)}、炭素数6から20、好ましくは炭素
数6から10、さらに好ましくは炭素数6から8の無置
換アリール基(例えばフェニル基、1−ナフチル基)、
炭素数6から20、好ましくは炭素数6から10、さら
に好ましくは炭素数6から8の置換アリール基(例えば
置換基の例として挙げた前述のWが置換したアリール基
が挙げられる。具体的にはp−メトキシフェニル基、p
−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げ
られる。)、炭素数1から20、好ましくは炭素数3か
ら10、さらに好ましくは炭素数4から8の無置換複素
環基(例えば2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリ
ジル基、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−
イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリ
ル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジ
ル、3−ピラジル、2−(1,3,5-トリアゾリル)、3−
(1,2,4-トリアゾリル)、5−テトラゾリル)、炭素数
1から20、好ましくは炭素数3から10、さらに好ま
しくは炭素数4から8の置換複素環基(例えば置換基の
例として挙げた前述のWが置換した複素環基が挙げられ
る。具体的には5−メチル−2−チエニル基、4−メト
キシ−2−ピリジル基などが挙げられる。)が挙げられ
る。
【0089】R11、R12、R13、R14,R15、R16,及
びR17で表される置換基として好ましくは無置換アルキ
ル基、置換アルキル基であり、置換アルキル基として好
ましくは上述の酸基を持つアルキル基である。酸基とし
て、好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONH
SO2−基、−CONHCO−基、−SO2NHSO2
基であり、特に好ましくは、スルホ基、カルボキシル基
であり、最も好ましくはスルホ基である。
【0090】ここで、酸基について説明する。酸基と
は、解離性プロトンを有する基である。具体的には、例
えばスルホ基、カルボキシル基、スルファト基、−CO
NHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニ
ルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニ
ルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォ
ニルスルファモイル基)、スルホンアミド基、スルファ
モイル基、ホスファト基、ホスホノ基、ボロン酸基、フ
ェノール性水酸基、など、これらのpkaと周りのpH
によっては、プロトンが解離する基が挙げられる。例え
ばpH5〜11の間で90%以上解離することが可能なプロトン
解離性酸性基が好ましい。
【0091】さらに好ましくはスルホ基、カルボキシル
基、−CONHSO2−基、−CONHCO−基、−S
2NHSO2−基であり、特に好ましくは、スルホ基、
カルボキシル基であり、最も好ましくはスルホ基であ
る。
【0092】L11、L12、L13、L14、L15、L16、L
17、L18、L19、L20、L21、L22、L23、L24
25、L26、L27、L28、L29、及びL30はそれぞれ独
立にメチン基を表す。L1〜L30で表されるメチン基は
置換基を有していても良く、置換基としては前述のWが
挙げられる。例えば置換又は無置換の炭素数1から1
5、好ましくは炭素数1から10、特に好ましくは炭素
数1から5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、2
−カルボキシエチル)、置換または無置換の炭素数6か
ら20、好ましくは炭素数6から15、更に好ましくは
炭素数6から10のアリール基(例えばフェニル、o−
カルボキシフェニル)、置換または無置換の炭素数3か
ら20、好ましくは炭素数4から15、更に好ましくは
炭素数6から10の複素環基(例えばN,N−ジメチル
バルビツール酸基)、ハロゲン原子、(例えば塩素、臭
素、沃素、フッ素)、炭素数1から15、好ましくは炭
素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5のアル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)、炭素数0から
15、好ましくは炭素数2から10、更に好ましくは炭
素数4から10のアミノ基(例えばメチルアミノ、N,
N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミ
ノ、N−メチルピペラジノ)、炭素数1から15、好ま
しくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から
5のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から1
2、更に好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基
(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ)など
が挙げられる。また他のメチン基と環を形成してもよ
く、もしくはZ11〜Z17、R11〜R17と共に環を形成す
ることもできる。
【0093】L11、L12、 L16、L17、L18、L19
22、L23、L29、及びL30として好ましくは、無置換
メチン基である。
【0094】n11、n12、n13、及びn14はそれぞれ独
立に0、1、2、3または4を表す。好ましくは0、
1、2、3であり、更に好ましくは0、1、2であり、
特に好ましくは0、1である。 n11、n12、n13、及
びn14が2以上の時、メチン基が繰り返されるが同一で
ある必要はない。
【0095】p11、p12、p13、p14、及びp15はそれ
ぞれ独立に0または1を表す。好ましくは0である。
【0096】M11、M12、及びM13は色素のイオン電荷
を中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イ
オンの存在を示すために式の中に含められている。典型
的な陽イオンとしては水素イオン(H+)、アルカリ金
属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、
リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカ
ルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイ
オン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルア
ンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピ
リジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイ
オン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機
陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよ
く、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオ
ン、ヨウ素イオン)、置換アリ−ルスルホン酸イオン
(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベ
ンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ルジスルホン酸イオ
ン(例えば1、3−ベンゼンスルホン酸イオン、1、5
−ナフタレンジスルホン酸イオン、2、6−ナフタレン
ジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメ
チル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、
過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリ
ン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン
酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は
色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、
CO2 -、SO3 -は、対イオンとして水素イオンを持つと
きはCO2H、SO3Hと表記することも可能である。
【0097】m11、m12、及びm13は電荷を均衡させる
のに必要な0以上の数を表し、好ましくは0〜4の数で
あり、さらに好ましくは0〜1の数であり、分子内で塩
を形成する場合には0である。
【0098】次に、本発明に用いられる増感色素の具体
例を以下に示すが、もちろん、本発明に用いられる増感
色素はこれらに限定されるものではない。
【0099】
【化16】
【0100】
【化17】
【0101】
【化18】
【0102】
【化19】
【0103】本発明に用いられる色素は、エフ・エム・
ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパ
ウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コン
パウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and R
elated Compounds) 」、ジョン・ウィリー・アンド・サ
ンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンド
ン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturm
er) 著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャ
ル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミスト
リー(Heterocyclic Compounds-Special topics in hete
rocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第48
2から515項、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(J
ohn Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、19
77年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・
コンパウンズ(Rodd's Chemistry ofCarbon Compound
s)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第3
69から422項、エルセビア・サイエンス・パブリッ
ク・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing
Company Inc.)社刊、ニューヨーク、などに記載の方法
に基づいて合成することができる。
【0104】本発明において、増感色素は1種用いても
良いが、2種以上用いても良く、増感色素の組み合わせ
は、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許2,688,545号、同2,977,
229号、同3,397,060号、同3,522,0
52号、同3,527,641号、同3,617,29
3号、同3,628,964号、同3,666,480
号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,303,377号、同3,769,301
号、同3,814,609号、同3,837,862
号、同4,026,707号、英国特許1,344,2
81号、同1,507,803号、特公昭43−493
36号、同53−12375号、特開昭52−1106
18号、同52−109925号などに記載されてい
る。
【0105】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んで良
い。
【0106】本発明における分光増感において有用な強
色増感剤(例えば、ピリミジルアミノ化合物、トリアジ
ニルアミノ化合物、アゾリウム化合物、アミノスチリル
化合物、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物、アザイ
ンデン化合物、カドミウム塩)、及び強色増感剤と増感
色素の組み合わせは、例えば米国特許3,511,66
4号、同3,615,613号、同3,615,632
号、同3,615,641号、同4,596,767
号、同4,945,038号、同4,965,182
号、同4,965,182号、同2,933,390
号、同3,635,721号、同3,743,510
号、同3,617,295号、同3,635,721号
等に記載されており、その使用法に関しても上記の特許
に記載されている方法が好ましい。
【0107】本発明において、増感色素(また、強色増
感剤についても同様)を本発明に用いられるハロゲン化
銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認
められている乳剤調製の如何なる工程中であってもよ
い。例えば、米国特許2,735,766号、同3,6
28,960号、同4,183,756号、同4,22
5,666号、特開昭58−184142号、同60−
196749号等に開示されているように、ハロゲン化
銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程
中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時期、
特開昭58−113920号等に開示されているよう
に、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗
布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工
程に於いて添加されても良い。また、米国特許4,22
5,666号、特開昭58−7629号等に開示されて
いるように、同一化合物を単独で、または異種構造の化
合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化学熟
成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成
の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して
添加しても良く、分割して添加する化合物及び化合物の
組み合わせの種類をも変えて添加されても良い。
【0108】本発明において、増感色素(また、強色増
感剤についても同様)の添加量としては、ハロゲン化銀
粒子の形状、サイズにより異なり、いずれの添加量でも
良いが、ハロゲン化銀1モル当たり、好ましくは1×1
-8〜8×10-1モル、更に好ましくは1×10-6〜8
×10-3で用いることができる。例えば、ハロゲン化銀
粒子サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン
化銀1モル当たり、2×10-6〜3.5×10-3モルの
添加量が好ましく、7.5×10-6〜1.5×10-3
ルの添加量がより好ましい。
【0109】本発明において、増感色素(また、強色増
感剤についても同様)は、直接乳剤中へ分散することが
できる。また、これらはまず適当な溶媒、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、メチルセロソルブ、ア
セトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒などの
中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添加することもでき
る。この際、塩基や酸、界面活性剤などの添加物を共存
させることもできる。また、溶解に超音波を使用するこ
ともできる。また、この化合物の添加方法としては米国
特許第3,469,987号などに記載のごとき、該化
合物を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロ
イド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、
特公昭46−24185号などに記載のごとき、水溶性
溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添加する方
法、米国特許第3,822,135号に記載のごとき、
界面活性剤に化合物を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加す
る方法、特開昭51−74624号に記載のごとき、レ
ッドシフトさせる化合物を用いて溶解し、該溶液を乳剤
中へ添加する方法、特開昭50−80826号に記載の
ごとき、化合物を実質的に水を含まない酸に溶解し、該
溶液を乳剤中へ添加する方法などが用いられる。その
他、乳剤中への添加には米国特許第2,912,343
号、同3,342,605号、同2,996,287
号、同3,429,835号などに記載の方法も用いら
れる。本発明において、露光は特に制限はなく、どのよ
うな露光であってもよい。
【0110】本発明において発色現像、漂白、定着、水
洗、安定、調整、黒白現像、反転、前漂白等の各処理浴
には、公知であるいずれの処理組成物も用いることがで
きる。その詳細は例えば、特開2001−92090
号、第32ページ右欄9行〜第38ページ右欄30行、
特開2001−109117号、第30ページ右欄34
行〜第33ページ右欄37行、に記載されている。
【0111】上記の処理浴の他に本発明に規定する光ラ
ジカル発生剤を含有した処理浴を別途設けてもよい。こ
の浴を吸収浴と称することとする。吸収浴あるいはその
組成物は単に本発明に規定する光ラジカル発生剤の水溶
液でもよく、または水洗組成物及び安定組成物に準ずる
組成でもよい。吸収浴あるいはその組成物に本発明に規
定する光ラジカル発生剤の溶解度を上げる化合物を添加
することは好ましい態様である。例えばエチレングリコ
ール類、アルカノールアミン類、アリールスルホン酸
類、アルキルスルホン酸類あるいは特開平11−174
643号記載の尿素化合物等を添加することができる。
またポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
とポリプロピレングリコールのブロックポリマー、アル
キルエトキシレート、アルキルナフタレンスルホン酸な
どの界面活性剤も添加することができる。
【0112】このうち平均分子量300から2000の
ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポ
リプロピレングリコールのブロックポリマー及びエチレ
ン尿素が特に好ましい。溶解度を上げる化合物を添加す
る場合、その濃度は0.1〜100g/Lが適当であ
り、好ましくは0.5g〜50g/L、さらに好ましくは
1〜20g/Lである。
【0113】本発明に規定する光ラジカル発生剤の濃度
は使用液において0.05〜20mmol/Lが適当で
あり、好ましくは0.15〜15mmol/L、より好
ましくは0.2〜10mmol/Lである。また本発明
に規定する光ラジカル発生剤を含有する処理組成物が水
または他の処理組成物で希釈されたのち使用される場
合、処理組成物中の濃度は使用液での濃度に濃縮倍率を
掛けた値である。
【0114】光照射はハロゲン化銀写真感光材料が本発
明に規定する光ラジカル発生剤を取り込んだ後に行われ
る。光照射には既知の光源を用いることができる。すな
わち各種蛍光灯、白熱灯、ハロゲン灯、重水素灯、水銀
灯、キセノン灯、フラッシュ及びナトリウム灯等が挙げ
られる。また写真撮影用のタングステン灯やフラッシュ
ランプも挙げることができる。さらに感光材料へ画像を
記録する光源として用いられる、発光ダイオード、レー
ザー光源、CRT光源などの米国特許第4,500,62
6号第56欄記載の光源も用いることができる。
【0115】このうち紫外光(波長が、通常400nm
以下、好ましくは250〜375nm光である。)を含
む光源、すなわち蛍光灯、重水素灯、キセノン灯が好ま
しく、特に蛍光灯とキセノン灯が好ましい。特開平5−
155135号、特開平6−40057号に開示された
カラー感熱プリンターの光定着器は、本発明において感
光材料に光照射するための好ましい態様である。光照射
時間は光源の強度に応じて数ミリ秒〜数10秒である。
光照射量は、通常1×104〜4×106ルクス・秒であ
り、好ましくは2×104〜2×106ルクス・秒、より
好ましくは5×104〜1×106ルクス・秒である。
【0116】ハロゲン化銀写真感光材料への光照射は本
発明に規定する光ラジカル発生剤をハロゲン化銀写真感
光材料に取り込ませる吸収工程の後に行う。以下に処理
工程の好ましい具体例を挙げるがこれらに限定されるも
のではない。 発色現像−漂白−定着−水洗−安定―吸収−光照射−乾
燥 発色現像−漂白−定着−水洗−吸収−光照射−安定−乾
燥 発色現像−漂白−定着−安定―吸収−光照射−乾燥 発色現像−漂白−定着−吸収−光照射−安定−乾燥 発色現像−漂白−定着−水洗―吸収−光照射−乾燥 発色現像−漂白−定着−吸収−光照射−水洗−乾燥 発色現像−漂白−定着−水洗−吸収−光照射−水洗−乾
燥 また漂白と定着からなる脱銀工程は、漂白定着、漂白−
漂白定着、漂白定着−定着のいずれでもよい。また発色
現像の前工程として黒白現像、反転が行われても良い。
【0117】
【実施例】以下に、本発明に規定する光ラジカル発生剤
存在下でハロゲン化銀写真感光材料に光照射することに
より増感色素ステインを低減できることを、実施例によ
りさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0118】実施例1 [感光材料試料の調製]紙の両面をポリエチレン樹脂で
被覆した支持体の表面にコロナ放電処理を行った後、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下
塗層を設け、さらに第一層から第七層を順次塗設して、
以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料試
料P−1を作成した。各写真構成層用の塗布液は以下の
ように作成した。
【0119】第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)300g、色像安定剤(Cp
d−1)250g、色像安定剤(Cpd−14)30
g、色像安定剤(Cpd−15)100g、色像安定剤
(Cpd−16)80g、色像安定剤(Cpd−17)
50g、色像安定剤(Cpd−18)10gを、溶媒
(Solv−5)230g及び酢酸エチル350mlに
溶解し、この液をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム25g含む10%ゼラチン水溶液6500gに乳化分
散させて乳化分散物Cを調製した。一方、塩臭化銀乳剤
C(立方体、平均粒子サイズ0.40μmの大サイズ乳
剤Cと0.30μmの小サイズ乳剤Cとの5:5混合物
(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞれ
0.09と0.11。各サイズ乳剤とも臭化銀0.5モ
ル%を、塩化銀乳剤を基体とする粒子表面の一部に局在
させた。)を調製した。この乳剤には後記の赤感性増感
色素GおよびHが、銀1モルあたり大サイズ乳剤Cに対
してはそれぞれ9.0×10-5モルが、また小サイズ乳
剤Cに対しては12.0×10-5モルが、それぞれ添加
されている。またこの乳剤の化学熟は硫黄増感剤と金増
感剤を添加して最適に行われた。前記乳化分散物Cと塩
臭化銀乳剤Cとを混合溶解し、後記の組成となるように
第五層塗布液を調製した。乳剤塗布量は銀量換算塗布量
を示す。
【0120】第一層から第四層および第六層、第七層の
塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層の
ゼラチン硬化剤としては1−オキシ−3,5−ジクロロ
−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。また各層にA
b−1、Ab−2、Ab−3およびAb−4をそれぞれ
全量が15.0mg/m2、60.0mg/m2、5.0
mg/m2および10.0mg/m2となるように添加し
た。
【0121】
【化20】
【0122】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の
分光増感色素をそれぞれ用いた。青感性乳剤層
【0123】
【化21】
【0124】(増感色素A及びCをハロゲン化銀1モル
当たり、大サイズ乳剤に対しては0.42×10-4
ル、小サイズ乳剤に対しては0.50×10-4モル添加
した。増感色素Bをハロゲン化銀1モルあたり、大サイ
ズ乳剤に対しては3.4×10-4モル、小サイズ乳剤に
対しては4.1×10-4モル添加した。)
【0125】緑感性乳剤層
【0126】
【化22】
【0127】(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当た
り、大サイズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サ
イズ乳剤に対しては3.6×10-4モル添加した。増感
色素Eをハロゲン化銀1モルあたり、大サイズ乳剤に対
しては4.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては
7.0×10-5モル添加した。また増感色素Fをハロゲ
ン化銀1モルあたり、大サイズ乳剤に対しては2.0×
10-4モル、小サイズ乳剤に対しては2.8×10-4
ル添加した。)
【0128】赤感性乳剤層
【0129】
【化23】
【0130】(増感色素G及びHをハロゲン化銀1モル
当たり、大サイズ乳剤に対しては9.0×10-5モル、
小サイズ乳剤に対しては12.0×10-5モル添加し
た。さらに下記の化合物Iを赤感性乳剤層にハロゲン化
銀1モルあたり3.0×10-3モル添加した。)
【0131】
【化24】
【0132】青感性乳剤層、緑感性乳剤層および赤感性
乳剤層に対し1−(3−メチルウレイドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1モ
ル当たり3.3×10-4モル、1.0×10-3モルおよ
び5.9×10-4モル添加した。第二層、第四層、第六
層および第七層にもそれぞれ0.2mg/m2、0.2
mg/m2、0.6mg/m2、0.1mg/m2となる
ように添加した。青感性乳剤層および緑感性乳剤層に対
し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンをそれぞれハロゲン化銀1モルあたり
1×10 -4モル、2×10-4モル添加した。赤感性乳剤
層にメタクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体ラテッ
クス(質量比1:1、平均分子量200000〜400
000)を0.05g/m2添加した。第二層、第四層
および第六層にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナ
トリウムをそれぞれ6mg/m2、6mg/m2、18m
g/m2となるように添加した。イラジエーション防止
のために以下の染料(カッコ内は塗布量を示す。)を添
加した。
【0133】
【化25】
【0134】(層構成)以下に各層構成を示す。数字は
塗布量(g/m2)を示す。ハロゲン化銀乳剤は銀塗布
換算量を示す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2:含
有率16質量%、ZnO:含有率4質量%]と蛍光増白
剤(4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)
スチルベン 含有率0.03質量%)、青味染料(群
青)を含む] 第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤A(立方体、平均粒子サイズ0.74μmの大サイズ乳剤Aと0 .65μmの小サイズ乳剤Aとの5:5混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.08と0.10。各サイズ乳剤とも臭化銀0.3モル% を塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた。) 0.24 ゼラチン 1.25 イエローカプラー(ExY) 0.57 色像安定剤(Cpd−1) 0.07 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.07 溶媒(Solv−1) 0.21
【0135】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−4) 0.09 混色防止助剤(Cpd−5) 0.018 安定剤(Cpd−6) 0.13 混色防止剤(Cpd−7) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.06 溶媒(Solv−2) 0.22
【0136】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤B(立方体、平均粒子サイズ0.45μmの大サイズ乳剤Bと0 .35μmの小サイズ乳剤Bとの1:3混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.10と0.08。各サイズ乳剤とも臭化銀0.4モル% を塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた。) 0.14 ゼラチン 1.36 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−1) 0.05 紫外線吸収剤(UV−2) 0.03 紫外線吸収剤(UV−3) 0.02 紫外線吸収剤(UV−4) 0.04 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 混色防止剤(Cpd−4) 0.002 安定剤(Cpd−6) 0.09 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.11 溶媒(Solv−4) 0.22 溶媒(Solv−5) 0.20 (Solv−8) 0.05
【0137】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.71 混色防止剤(Cpd−4) 0.06 混色防止助剤(Cpd−5) 0.013 安定剤(Cpd−6) 0.10 混色防止剤(Cpd−7) 0.007 (Cpd−12) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.04 溶媒(Solv−2) 0.16
【0138】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子サイズ0.40μmの大サイズ乳剤Cと0 .30μmの小サイズ乳剤Cとの5:5混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも臭化銀0.5モル% を塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた。) 0.20 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExCのC1) 0.15 シアンカプラー(ExCのC2) 0.10 色像安定剤(Cpd−1) 0.25 色像安定剤(Cpd−14) 0.03 色像安定剤(Cpd−15) 0.10 色像安定剤(Cpd−16) 0.08 色像安定剤(Cpd−17) 0.05 色像安定剤(Cpd−18) 0.01 溶媒(Solv−5) 0.23
【0139】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.46 紫外線吸収剤(UV−1) 0.14 紫外線吸収剤(UV−2) 0.05 紫外線吸収剤(UV−3) 0.04 紫外線吸収剤(UV−4) 0.06 紫外線吸収剤(UV−5) 0.02 溶媒(Solv−7) 0.25
【0140】 第七層(保護層) ゼラチン 1.00 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−13) 0.01
【0141】
【化26】
【0142】
【化27】
【0143】
【化28】
【0144】
【化29】
【0145】
【化30】
【0146】
【化31】
【0147】
【化32】
【0148】
【化33】
【0149】
【化34】
【0150】未露光の感光材料試料P−1について、イ
メージワイズに露光を行い、下記現像処理工程〜を
順に行った。 [処理工程] 処理工程 温度 時間 発色現像 38.5℃ 45秒 漂白定着 38.0℃ 45秒 水洗 38.0℃ 15秒 吸収 室温 30秒 光照射* 室温 20秒 水洗 室温 15秒 乾燥 80℃ *)光照射:3波長型昼光色(40型)蛍光灯を用いて、感光材料に4×10 5 ルクス・秒の光照射を行った。
【0151】各処理液の組成は以下の通りである。 (発色現像液) 水 800mL トリイソプロパノールアミン 8.8g エチレンジアミン4酢酸 4.0g 亜硫酸ナトリウム 0.10g 塩化カリウム 10.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼン− 1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン ・3/2硫酸塩・モノハイドレード 4.8g 炭酸カリウム 26.3g 水を加えて全量 1000mL pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.15
【0152】 (漂白定着液) 水 400mL チオ硫酸アンモニウム(750g/mL) 110mL エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 42g エチレンジアミン4酢酸 5g 硫酸アンモニウム 12g イミダゾール 10g エチレンジアミン4酢酸 9.0g 亜硫酸アンモニウム 45g m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 8g 水を加えて全量 1000mL pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整)
【0153】 (吸収液) 本発明に規定する光ラジカル発生剤 表1 添加剤 表1 水を加えて全量 1000mL
【0154】(評価試験)上記のようにイメージワイズ
に露光し現像処理を行って得られた、処理後の各感光材
料試料について、150mmΦ積分球を装着した日立製
作所(株)製U−3500型分光光度計を用いて最小濃
度部の反射スペクトルを測定し、450nmの吸光度を
Bとした。次に各試料を40℃の蒸留水を用いて5分
間水洗し、乾燥した後同じ測定を行い、このときの45
0nmの吸光度をDBwとした。下式に基づきΔDBを求
め、残留増感色素に起因するステインの程度を評価し
た。 ΔDB = DB − DBW ΔDBはその値が小さいほど残留増感色素が少なく、ス
テイン低減効果が大きいことを意味する。結果を下記表
1に示す。
【0155】
【表1】
【0156】上記表1より明らかなように、吸収浴に本
発明に規定する光ラジカル発生剤を添加しない試料N
o.11、12及び16に対し、本発明に規定する光ラ
ジカル発生剤を添加して作成した試料No.13〜15
及び17〜19では、イエロー濃度が低下しており増感
色素ステインが低減されたことが示された。また吸収浴
に添加剤を加え本発明に規定する光ラジカル発生剤の濃
度を上げることにより、ステイン低減効果を高めること
が可能である。
【0157】実施例2 イメージワイズに露光した感光材料試料(富士写真フイ
ルム社製 フジカラースーペリアズームマスター80
0、商品名)に同社プロセスCN-16L(商品名)を施し
た。他方、プロセスCN-16Lの安定浴に、表2に示すよう
に本発明に規定する光ラジカル発生剤を添加した以外は
同様にして上記感光材料試料にプロセスCN-16Lを施し
た。これらの試料に対し、日立製作所(株)製U−35
00型分光光度計を用いて最小濃度部の透過吸収測定を
行い、これら2つの処理済カラーネガテイブフィルム試
料の500nm、555nmでの吸光度D500 0 、D555 0
求めた。次いでこれらの試料について、このマクベス社
製 ザ・ジャッジ モデルNo.JR4−20I(商品名)の
UVモードで60秒間光照射した後、再び透過吸収を測定
した。このときの500nm、555nmの吸光度をD500
、D555とする。光照射前後のステインの差ΔD500及び
ΔD555を下式より求めた。 ΔD500=D500 0−D500 ΔD555=D555 0−D555 ΔD500、ΔD555はその値が大きいほどステイン低減効
果が大きいことを意味する。結果を下記表2に示す。
【0158】
【表2】
【0159】上記表2より明らかなように、従来の処理
を行った試料No.21に対して、本発明に規定する光
ラジカル発生剤を含有した安定液を用いて処理された試
料No.22では、光照射することによりステインが低
減されることが示された。
【0160】実施例3 イメージワイズに露光した感光材料試料(富士写真フイ
ルム社製 フジクローム プロビア100、商品名)に
同社プロセスCR-56P(商品名)を施した。他方、プ
ロセスCR-56Pの安定浴に本発明に規定する光ラジカ
ル発生剤を添加した以外は同様にして上記感光材料試料
にプロセスCR-56Pを施した。これらの試料に対し、
日立製作所(株)製U−3500型分光光度計を用いて
最小濃度部の透過吸収測定を行い、これら2つの処理済
カラーリバーサルフィルム試料の540nmでの吸光度
D540 0 を求めた。次いでこれらの試料について、マクベ
ス社製 ザ・ジャッジ モデルNo. JR4−20IのUVモ
ードで60秒間光照射した後、再び透過吸収を測定し
た。このときの540nmの吸光度をD540とする。光照
射前後のステインの差ΔD540を下式より求めた。 ΔD540=D540 0−D540 ΔD540はその値が大きいほどステイン低減効果が大きい
ことを意味する。結果を下記表3に示す。
【0161】
【表3】
【0162】上記表3より明らかなように、従来の処理
を行った試料No.31に対して、本発明に規定する光
ラジカル発生剤を含有した安定液を用いて処理された試
料No.32では、光照射によりステインが低減される
ことが示された。
【0163】
【発明の効果】本発明の処理方法及びこれに用いる処理
組成物によれば、処理後における残留増感色素に起因す
るステインが低減されたハロゲン化銀写真感光材料を与
えることができる。また、本発明の処理方法及びこれに
用いる処理組成物によれば、まず、通常のハロゲン化銀
写真感光材料の処理方法に用いられる工程を利用して処
理を行い、次いでその処理済みの感光材料について光照
射を行うことによっても優れたステイン低減効果を奏す
ることができるため、工業的に極めて有利である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イメージワイズに露光されたハロゲン化
    銀写真感光材料を、有機ホウ素化合物、有機ケイ素化合
    物、有機スズ化合物、有機ゲルマニウム化合物及び有機
    アルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の光ラジカル発生剤の存在下で光照射することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 イメージワイズに露光された写真感光材
    料を、少なくとも1種の下記一般式(A)で表される化
    合物の存在下で光照射することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はそれぞれ独立に脂肪族
    基、芳香族基、複素環基又は−Si(Ra5)(Ra6)Ra7
    示し、Ra5、Ra6及びRa7はそれぞれ独立に脂肪族基又は
    芳香族基を示す。Mはホウ素(B-)、ケイ素(Si)、ス
    ズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)又はアルミニウム(A
    l-)を示す。(G+nは、分子全体として電荷を中和す
    ることのできる陽イオン又はカチオン性化合物を示し、
    nは0以上である。
  3. 【請求項3】 前記一般式(A)で表される化合物が水
    性溶液としてハロゲン化銀写真感光材料に供給されるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(A)のMがホウ素であるこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(A)で表される化合物を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用処
    理組成物。 【化2】 式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はそれぞれ独立に脂肪族
    基、芳香族基、複素環基又は−Si(Ra5)(Ra6)Ra7
    示し、Ra5、Ra6及びRa7はそれぞれ独立に脂肪族基又は
    芳香族基を示す。Mはホウ素(B-)、ケイ素(Si)、ス
    ズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)又はアルミニウム(A
    l-)を示す。(G+nは、分子全体として電荷を中和す
    ることのできる陽イオン又はカチオン性化合物を示し、
    nは0以上である。
  6. 【請求項6】 前記一般式(A)のMがホウ素であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料用処理組成物。
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