JP2004077095A - 空気清浄機 - Google Patents

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Yoshibumi Mugikura
麦倉 義文
Kazuyuki Kawakami
河上 一幸
Tomohiko Nakamura
中村 友彦
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Abstract

【課題】大型化することなく大きな風量を得ることが可能で、かつ、ユーザの希望に応じて集塵機能や脱臭機能の効率を選択的に向上できるようにする。
【解決手段】本体1内部の略中央に支持されたモータ19と、該モータ19の回転軸20に固定されたシロッコファン21と、該シロッコファン21により吸引する空気流路に配設されたフィルタとからなる空気清浄機において、空気流路として、本体1の前面側から吸引する第1空気流路13と、本体1の後面側から吸引する第2空気流路14とを設けるとともに、フィルタとして、集塵フィルタ26、脱臭フィルタ27および集塵・脱臭フィルタ25のうち、少なくとも2種を設け、これらのフィルタ25,26,27を、第1,第2空気流路13,14に選択的に配置可能に構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の空気清浄機は、フィルタ、モータおよびファンを有し、ファンによる吸引力で室内の空気を前面側から吸引し、フィルタを通過させて集塵を行ない、清浄な空気を室内に循環供給するものである。そして、近年では、空気に含まれる埃や臭いなどを確実に集塵および脱臭することが望まれている。
【0003】
この空気清浄機におけるフィルタに関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−159032号
【特許文献2】
特開2000−126527号
【0005】
特許文献1に記載の空気清浄機では、前記フィルタとして、ケーシングの空気吸込口側より、埃やダニの死骸等のハウスダストを集塵するファイバフィルタまたは静電集塵フィルタ等の集塵フィルタ、および、活性炭を混合することによって臭気を吸着できるようにした別体の脱臭フィルタを着脱可能に配置し、集塵および脱臭を可能に構成している。
【0006】
また、特許文献2に記載の空気清浄機では、前記フィルタとして、集塵用の濾材に活性炭を混合して一層の集塵・脱臭フィルタを形成し、この集塵・脱臭フィルタを本体に着脱可能に配置し、集塵および脱臭を可能に構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記空気清浄機では、集塵機能または脱臭機能の効率をユーザが希望に応じて選択し、かつ、効率的に清浄できないという問題があった。即ち、空気清浄機において、室内の空気の清浄効率を向上するには、空気清浄機自体の風量を確保するために、モータおよびファンの容量を大きくする必要があるが、このようにした場合には本体が大型化するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明では、大型化することなく大きな風量を得ることが可能で、かつ、ユーザの希望に応じて集塵機能や脱臭機能の効率を選択的に向上できる空気清浄機を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の空気清浄機は、本体内部の略中央に支持されたモータと、該モータの回転軸に固定されたシロッコファンと、該シロッコファンにより吸引する空気流路に配設されたフィルタとからなる空気清浄機において、前記空気流路として、前記本体の前面側から吸引する第1空気流路と、本体の後面側から吸引する第2空気流路とを設けるとともに、前記フィルタとして、集塵フィルタ、脱臭フィルタおよび集塵・脱臭フィルタのうち、少なくとも2種を設け、これらのフィルタを、前記第1,第2空気流路に選択的に配置可能に構成としている。
【0010】
前記空気清浄機によれば、第1空気流路によって前方から本体内に室内の空気が吸引されるとともに、第2空気流路によって後方から本体内に室内の空気が吸引されるため、モータを大容量のものを使用することなく、吸引する風量および循環供給する風量を増加することができる。しかも、フィルタとして、集塵フィルタ、脱臭フィルタおよび集塵・脱臭フィルタのうち少なくとも2種を設け、これらを選択的に配置できるように構成しているため、ユーザの希望に応じて集塵機能および脱臭機能の効率を向上することができる。
【0011】
前記空気清浄機では、前記第2空気流路を遮断する遮断手段を更に設け、前面側の第1空気流路からのみ外部の空気を吸引可能とすることが好ましい。具体的には、前記遮断手段は、前記第2空気流路に着脱可能に配置する軟質な樹脂シートからなることが好ましい。または、前記遮断手段は、前記本体の後面に着脱可能に配設するカバーからなるようにしてもよい。
このようにすれば、従来の空気清浄機と同様の設置場所で、同様の機能および効率を得ることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1から図3は、本発明の実施形態に係る空気清浄機を示す。この空気清浄機は、大略、本体1と、モータ19と、シロッコファン21と、フィルタ25,26,27とからなる。
【0013】
前記本体1は、大略、本体ケース2と、前面カバー17と、後面カバー18とからなり、これらは全て合成樹脂によって形成されている。
【0014】
前記本体ケース2は、前壁3と、該前壁3の両端から後側に延びる側壁4とからなる後面開口の矩形状の箱体からなる。前記前壁3の後面には、後述するシロッコファン21の周囲を通って清浄した空気を外部に循環供給する空気排出流路5を形成するための隔壁6が一体に突設されている。この隔壁6の上端には、清浄した空気を室内に循環供給する空気排出口7が形成されている。また、この本体ケース2の開口した後端は、後プレート8をネジ止めすることにより閉塞されている。
【0015】
前記前壁3には、その中央に後向きに窪む前側フィルタ配設部9が設けられ、該前側フィルタ配設部9における前記空気排出流路5の略中央に第1空気流通口10が設けられている。また、前記後プレート8には、その中央に前向きに窪む後側フィルタ配設部11が設けられ、該後側フィルタ配設部11における前記空気排出流路5の略中央に第2空気流通口12が設けられている。前記第1空気流通口10は、後述する前面カバー17を通して前方から吸引した室内の空気を前記空気排出流路5内に前側から通すための第1空気流路13を構成する。また、前記第2空気流通口12は、後述する後面カバー18を通して後方から吸引した室内の空気を前記空気排出流路5内に後側から通すための第2空気流路14を構成する。さらに、後側フィルタ配設部11において前記第2空気流通口12を設けた面は平坦面となるように形成されている。
【0016】
また、前記本体1において、前記前側フィルタ配設部9の周囲には前面カバー取付部15が設けられるとともに、前記後側フィルタ配設部11の周囲には後面カバー取付部16が設けられている。これら取付部15,16には、図示しない周知の係止部が設けられている。
【0017】
前記前面カバー17および後面カバー18は、前記取付部15,16を外嵌する形状をなし、その表面には、空気を通すための多数のスリット17a、18aが水平方向に延びるようにそれぞれ形成されている。また、これらカバー17,18には、前記本体1に設けた係止部に着脱可能に係止する図示しない周知の被係止部が設けられている。
【0018】
前記モータ19は、前記本体ケース2の空気排出流路5内に固定されており、その回転軸20は後面カバー18に向け延びるように配置されている。
【0019】
前記シロッコファン21は、円形の支持板22と、該支持板22の外周部に配設された多数の羽根23とからなる。このシロッコファン21は、支持板22の取付孔に前記モータ19の回転軸20を挿入し、ナット等で固定されている。また、前記支持板22には、後プレート8の第2空気流通口12と一致する空気流通口24が形成されている。これにより、シロッコファン21は、前面側からと後面側からの両方からの吸引が可能になる。
【0020】
前記フィルタとしては、本実施形態では、集塵・脱臭フィルタ25と、専用の集塵フィルタ26と、専用の脱臭フィルタ27の3種が適用される。
【0021】
前記集塵・脱臭フィルタ25は、前記前側フィルタ配設部9に着脱可能に配設されるもので、数ミクロンの極細繊維を濾材とし、0.3μmの微粒子に対して99.97%以上の初期集塵効率を備えたHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタに、繊維状活性炭を均一に混合したものである。この集塵・脱臭フィルタ25は、例えば、抄造によって成形されるもので、極細繊維を抄く際に繊維状活性炭を全体にわたって均一に混合することにより、フィルタシートとして形成される。その後、表面積を広くするために形成したフィルタシートを連続した波状に湾曲させ、その外周に枠体を配設することにより、集塵および脱臭機能を有する一層のフィルタとして構成される。なお、繊維状活性炭の代わりに微粒子状の活性炭を使用してもよい。
【0022】
前記集塵フィルタ26は、前記後側フィルタ配設部11に着脱可能に配設されるもので、数ミクロンの極細繊維を濾材としたHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタからなる。即ち、この集塵フィルタ26は、活性炭を混合しない点でのみ、前記集塵・脱臭フィルタ25と相違する。
【0023】
前記脱臭フィルタ27は、前記後側フィルタ配設部11に着脱可能に配設されるもので、繊維状活性炭または粒子状活性炭を、骨材となる不織布または発泡ウレタン等を用いてシート状に成形したものである。
【0024】
なお、本実施形態では、図2に示すように、後側フィルタ配設部11には、ユーザが希望に応じて軟質な樹脂シート28からなる遮断手段を配設し、選択的に第2空気流路14からの空気の吸引を不可能とし、前面側からの第1空気流路13からのみ外部の空気を吸引可能に構成できるようにしている。
【0025】
次に、前記空気清浄機における空気の循環供給動作について説明する。
この空気清浄機では、モータ19を動作させるとファンが回転し、空気清浄機の前方の空気は、前面カバー17のスリット17aから空気清浄機の内部に吸引される。この前方から吸引された空気は、第1空気流路13および前壁3の第1空気流通口10を通ってファンを配設した空気排出流路5内に至る。
【0026】
また、空気清浄機の後方の空気は、後面カバー18のスリット18aから空気清浄機の内部に吸引される。この後方から吸引された空気は、第2空気流路14および後プレート8の第2空気流通口12を通ってファンを配設した空気排出流路5内に至る。
【0027】
このようにしてシロッコファン21に至った空気は、空気排出流路5内において前記シロッコファン21の周囲を通り、空気排出口7から空気清浄機の外部、即ち、室内に循環供給される。
【0028】
このように、本実施形態の前記空気清浄機では、第1空気流路13によって前方から本体1内に室内の空気が吸引されるとともに、第2空気流路14によって後方から本体1内に室内の空気が吸引されるため、吸引する風量および循環供給する風量を増加することができる。具体的には、従来の同じ大きさのファンを搭載した空気清浄機と比較すると、約1.5倍〜2倍の大きな風量を得ることができる。その結果、大きな風量を得るためにモータ19を大容量のものを使用する必要はない。そのため、空気清浄機自体を大型化することなく、大きな風量を得ることができる。
【0029】
なお、前記空気清浄機において、前方から吸引された空気は、前側フィルタ配設部9に配設した集塵・脱臭フィルタ25により集塵および脱臭され、この清浄された空気が空気排出流路5に至って室内に循環供給される。
【0030】
そして、後側フィルタ配設部11において、図1に示すように、ユーザが、遮断手段である樹脂シート28を配設せずに、集塵フィルタ26と脱臭フィルタ27の両方を配設した場合には、後方から吸引された空気は、集塵フィルタ26によって集塵された後、脱臭フィルタ27によって脱臭され、この清浄された空気が空気排出流路5に至って室内に循環供給される。即ち、このようにすれば、集塵と脱臭の両方の機能の効率を向上することができる。
【0031】
また、後側フィルタ配設部11において、図3(A)に示すように、ユーザが、遮断手段である樹脂シート28および脱臭フィルタ27を使用せずに、集塵フィルタ26のみを配設した場合には、後方から吸引された空気は、集塵フィルタ26によって集塵され、この清浄された空気が空気排出流路5に至って室内に循環供給される。即ち、このようにすれば、集塵機能だけの効率を向上することができる。
【0032】
また、後側フィルタ配設部11において、図3(B)に示すように、ユーザが、遮断手段である樹脂シート28および集塵フィルタ26を使用せずに、脱臭フィルタ27のみを配設した場合には、後方から吸引された空気は、脱臭フィルタ27によって脱臭され、この清浄された空気が空気排出流路5に至って室内に循環供給される。即ち、このようにすれば、脱臭機能だけの効率を向上することができる。
【0033】
また、後側フィルタ配設部11において、図3(C)に示すように、ユーザが、遮断手段である樹脂シート28を後プレート8に接触するように配置するとともに、集塵フィルタ26および脱臭フィルタ27を配設した場合には、シロッコファン21による吸引力により前記樹脂シート28が第2空気流通口12を密着してシールする。そのため、後側からの空気の吸引はなされない。
【0034】
このように、本実施形態の空気清浄機では、前後両方から外部の空気を吸引でき、しかも、従来と同一のモータ19およびファンで吸排気に係る効率を向上できる。そのため、室内の中央に設置して空気の清浄動作を行う場合に好適である。更に、前述のように、後面側に配置するフィルタ26,27を希望に応じて変更することにより、集塵および脱臭の希望の機能を向上することができる。
【0035】
また、後側フィルタ配設部11に樹脂シート28を配設することにより、後方からの吸気は停止し、従来と同様の前方からの吸気のみとすることができる。即ち、室内の壁際に設置して空気の清浄動作を行う場合には、この形態とすることが好ましい。なお、この状態では、使用しない2つのフィルタ26,27を後側フィルタ配設部11に配設しておくことができる。そのため、この使用状態で、使用しないフィルタ26,27を紛失する恐れはない。
【0036】
なお、本発明の空気清浄機は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、第2空気流路14を遮断する遮断手段として樹脂シート28を設けたが、該樹脂シート28の代わりに、図4(A)に示すように、前記スリットを設けていない後面カバー29を更に設け、該後面カバー29を本体1の後面側に配設してもよい。また、図4(B)に示すように、スリット18aを設けた前記後面カバー18を覆い隠す軟質の樹脂カバー30を設けてもよい。
【0037】
さらに、前記実施形態では、集塵・脱臭フィルタ25と、集塵フィルタ26と、脱臭フィルタの3種のフィルタを設けたが、例えば集塵フィルタ26と脱臭フィルタ27とをそれぞれ2個づつ設け、前側フィルタ配設部9に対してもユーザが希望に応じたフィルタを選択して使用できるようにしてもよい。即ち、前記3種のフィルタのうち、少なくとも2種のフィルタを設け、希望に応じてユーザが選択的に配置可能とすればよい。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の空気清浄機では、第1空気流路によって前方から本体内に室内の空気が吸引されるとともに、第2空気流路によって後方から本体内に室内の空気が吸引されるため、モータを大容量のものを使用することなく、吸引する風量および循環供給する風量を増加することができる。
【0039】
しかも、フィルタとして、集塵フィルタ、脱臭フィルタおよび集塵・脱臭フィルタのうち少なくとも2種を設け、これらを選択的に配置できるように構成しているため、ユーザの希望に応じて集塵機能および脱臭機能の効率を向上することができる。
【0040】
また、後方からの吸気を行う第2空気流路を遮断する手段を設け、選択的に後方からの吸気を停止し、従来と同様の前方からの吸気のみとすることができるため、従来の空気清浄機と同様の設置場所で、同様の機能および効率を得ることもできる。
【0041】
さらに、不要な機能を有するフィルタは使用しないため、そのフィルタの劣化を防止できる。言い換えれば、頻繁に使用するフィルタのみが使用時間に応じて劣化するため、フィルタ交換の費用を安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気清浄機を示す断面図である。
【図2】前面カバーと後面カバーおよびフィルタを分解した状態を示す断面図である。
【図3】(A),(B),(C)は後側フィルタ配設部へのフィルタの配設状態を示す断面図である。
【図4】(A),(B)は空気清浄機の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…本体、5…空気排出流路、7…空気排出口、8…後プレート、10…第1空気流通口、12…第2空気流通口、13…第1空気流路、14…第2空気流路、17…前面カバー、18…後面カバー、19…モータ、20…回転軸、21…シロッコファン、25…集塵・脱臭フィルタ、26…集塵フィルタ、27…脱臭フィルタ、28…樹脂シート(遮断手段)、29…後面カバー(遮断手段)、30…樹脂カバー(遮断手段)。

Claims (4)

  1. 本体内部の略中央に支持されたモータと、該モータの回転軸に固定されたシロッコファンと、該シロッコファンにより吸引する空気流路に配設されたフィルタとからなる空気清浄機において、
    前記空気流路として、前記本体の前面側から吸引する第1空気流路と、本体の後面側から吸引する第2空気流路とを設けるとともに、
    前記フィルタとして、集塵フィルタ、脱臭フィルタおよび集塵・脱臭フィルタのうち、少なくとも2種を設け、
    これらのフィルタを、前記第1,第2空気流路に選択的に配置可能としたことを特徴とする空気清浄機。
  2. 前記第2空気流路を遮断する遮断手段を更に設け、前面側の第1空気流路からのみ外部の空気を吸引可能としたことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記遮断手段は、前記第2空気流路に着脱可能に配置する軟質な樹脂シートからなることを特徴とする請求項2に記載の空気清浄機。
  4. 前記遮断手段は、前記本体の後面に着脱可能に配設するカバーからなることを特徴とする請求項2に記載の空気清浄機。
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