JP2004076770A - 可変ピッチ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くのスペースを必要とせず、小型で低価格かつ高い剛性を有し、等間隔の伸縮を微調整可能でかつ自在な速度で高精度に行い得る可変ピッチ機構を提供する。
【解決手段】伸縮自在リンク機構31を構成する複数の直列連結されたX字状リンク21a,21b,…21kの各第1支軸25にテーブルなどを取り付け、この伸縮自在リンク機構31をモータ33、送りねじ35、ナット37からなる伸縮駆動手段で駆動して伸張または縮退させ、各X字状リンク21が等間隔で広がった伸張状態から各X字状リンク21が等間隔で狭まった縮退状態に、または逆に縮退状態から伸張状態に連続的かつ円滑に移行することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】伸縮自在リンク機構31を構成する複数の直列連結されたX字状リンク21a,21b,…21kの各第1支軸25にテーブルなどを取り付け、この伸縮自在リンク機構31をモータ33、送りねじ35、ナット37からなる伸縮駆動手段で駆動して伸張または縮退させ、各X字状リンク21が等間隔で広がった伸張状態から各X字状リンク21が等間隔で狭まった縮退状態に、または逆に縮退状態から伸張状態に連続的かつ円滑に移行することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば部品、工具やアクチュエータなどを載置または取り付けて移動する移動部である複数のテーブルなどを配置する複数の部位を一列に配列して等間隔で伸張または縮退する可変ピッチ機構に関し、詳しくは例えば電子部品などの自動組立現場などに使用されるベルトコンベアや直動ロボットなどにおいて部品、工具やアクチュエータなどを配置または取り付けて移動する複数の移動部を短い等間隔で配列した伸縮状態から等間隔を維持したまま間隔を徐々に広げた伸張状態に移行させたり、またはその逆を行うように等間隔を維持しながら伸張または縮退を行う可変ピッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
このように複数のテーブルなどを配置する複数の部位を一列に配列して等間隔で伸張または伸縮する可変ピッチ機構は、従来適当なものが存在しないが、このような可変ピッチ機構を構成する1つの方法として、従来のベルトコンベアに使用されているようなベルトを複数設け、このベルト上にテーブルを載置するとともに、各ベルトを送りねじとナットで駆動する方法などが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなベルトを利用する方法では、等間隔で伸縮するテーブルの数だけベルトや送りねじ、ナットを設ける必要があるため、多くのスペースを必要とするとともに、コストが高くなり、更に剛性が弱いなどの問題がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多くのスペースを必要とせず、小型で低価格かつ高い剛性を有し、等間隔の伸縮を微調整可能でかつ自在な速度で高精度に行い得る可変ピッチ機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、2本のアームを互いに交差させ、この交差部を第1支軸で軸回りに回動自在に連結されたX字状リンクが、隣接するX字状リンクのアームの端部を第2支軸で前記第1支軸と平行な軸回りに互いに回動可能に連結して、3個以上直列に配列されたリンク機構と、前記リンク機構の第1支軸の1つを配列方向に移動不能に支持し、残りの前記第1支軸を配列方向に移動可能に支持する基台と、前記基台に移動可能に支持された第1支軸の1つを前記基台に対して移動させる駆動手段とを有することを要旨とする。
【0006】
請求項1記載の本発明にあっては、リンク機構を構成する複数のX字状リンクの各第1支軸に関連して例えばテーブルなどを取り付け、リンク機構を駆動手段で駆動して伸張または縮退するため、小型で低価格かつ高い剛性を持って、各部位に取り付けられた各テーブルを等間隔で伸張または縮退させることができ、この場合に駆動手段で駆動することにより任意の移動速度により任意の位置に任意の等間隔で各テーブルを停止することができるし、更に駆動手段の微調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができる。
【0007】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記基台が、この基台に固定されたレールと、このレール上を移動し、前記第1支軸に支持されたスライダーとを介して前記第1支軸を配列方向に支持することを要旨とする。
【0008】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記基台に移動不能に支持される第1支軸は、前記リンク機構の一端にある第1支軸であり、前記駆動手段によって駆動される第1支軸は、前記リンク機構の他端にある第1支軸であることを要旨とする。
【0009】
請求項4記載の本発明は、請求項1または2または3記載の本発明において、前記駆動手段が、前記他端の第1支軸に支持されたスライダーに取り付けられたナットと、このナットに螺合し、前記配列方向に延設されたねじと、このねじを回転させるモータとを有することを要旨とする。
【0010】
請求項4記載の本発明にあっては、ナットに螺合するねじをモータで回転して、リンク機構を伸張または縮退させるため、構造が非常に簡単であるとともに、高精度の伸張または縮退を行うことができ、かつ任意の位置の任意の等間隔で高精度に停止されることも可能である。
【0011】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1または2または3または4記載の本発明において、前記スライダーが、部品、工具またはアクチュエータなどを載置または取り付け可能な取付部を備えていることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る可変ピッチ機構の全体的構成を示す斜視図である。同図に示す可変ピッチ機構は、例えば部品または工具またはアクチュエータなどを載置または取り付けて等間隔で伸張または伸縮し移動する複数の部位である取付部である移動部1a,1b,…1kを有する。この複数の移動部1a,1b,…1kは、長く延出した長尺の移動用支持部3にスライド自在に支持され、この移動用支持部3に沿って支持されながら等間隔で伸張または縮退するようになっている。すなわち、複数の移動部1a,1b,…1kは、移動用支持部3上を支持されながらスライドすることにより、図1において実線で示すように長い等間隔で広がった伸張状態と点線で示すように短い等間隔で縮んだ縮退状態を取り得るようになっているとともに、この伸張状態と縮退状態の間の任意の位置においても常に等間隔を維持しながら伸張または伸縮を行うようになっている。
【0013】
移動用支持部3は、一端が第1の搬送用レール台5にスライド自在に支持され、他端が第2の搬送用レール台7にスライド自在に支持されている。この第1、第2の搬送用レール台5,7は、互いに平行に配設されていて、この第1、第2の搬送用レール台5,7に両端がスライド自在に支持された移動用支持部3は、この第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら案内されてスライドし、図1において実線で示す位置から点線で示す位置に移動し得るようになっている。そして、移動用支持部3は、このように第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら移動するとともに、図1においては実線で示すように複数の移動部1a,1b,…1kが等間隔で伸張、すなわち広がったり、点線で示すように等間隔で縮退し得るようになっている。
【0014】
なお、図1では、実線の位置において複数の移動部1a,1b,…1kは等間隔で伸張し、点線の位置において等間隔が縮退しているが、この伸張と縮退の状態は実線や点線の位置に限定されるものでなく、任意の位置において可能である。すなわち、移動用支持部3は、第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら移動するとともに、この移動する任意の位置において複数の移動部1a,1b,…1kは等間隔の伸張と縮退を行うことができるものである。また、伸張や伸縮時の各移動部1の等間隔は図1に実線で示す等間隔と点線で示す等間隔に限られるものでなく、任意の長さの等間隔を連続的かつ円滑に生成することができるものである。
【0015】
また、図1においては、移動用支持部3の一端側には、第1の搬送用レール台5の外側において帯ケーブル9が取り付けられ、帯ケーブル9により移動用支持部3に作動用の電力や制御信号などが供給されるようになっている。この帯ケーブル9は、移動用支持部3が第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら移動する場合に、この移動に合わせてケーブルの導線が折れたりしないように帯状に形成されるとともに、図示のように撓んで取り付けられている。
【0016】
図2は、複数の移動部1a,1b,…1kをスライド自在に支持している移動用支持部3の上部を除去して、その内部の構造を示している斜視図である。同図に示すように、移動用支持部3は、その全長にわたって配設された一対の平行なレール11a,11bを有し、このレール11a,11bに前記複数の移動部1a,1b,…1kがスライド自在に取り付けられている。
【0017】
また、図2に示すように、複数の移動部1a,1b,…1kは、それぞれ2本のアームを互いに交差してX字状に構成され、このX字状の交点である第1支軸をその軸回りで回動自在に連結された複数のX字状リンク21a,21b,…21kを有する(なお、図2では、X字状リンク21a,21b,…21fは、テーブル23で覆われて図示されず)。この複数のX字状リンク21a,21b,…21kは、それぞれの対応する端部が第2支軸で第1支軸と平行な軸回りで回動自在であるように互いに直列に連結し、各X字状リンク21がその第1支軸25を中心に回動することにより全体として伸縮する所謂マジックハンドである伸縮自在リンク機構31を構成している。
【0018】
なお、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうち、移動用支持部3の一端側の第1のX字状リンク21aと他端側の先端のX字状リンク21kは、X字状の形状が第1支軸25より先の一方が除去され、第1支軸25を有するV字状に形成されているが、X字状に形成されてもよいものである。
【0019】
更に、移動用支持部3の他端には、モータ33が固定的に取り付けられ、このモータ33の回転軸には、細長く延出した送りねじ35の一端が固定され、この送りねじ35はモータ33の回転により回転するようになっている。また、送りねじ35の他端には、先端のX字状リンク21kの第1支軸25に関連して設けられているナット37に螺合している。従って、モータ33が回転した場合には、この回転により送りねじ35が回転し、この送りねじ35の回転によりナット37が送りねじ35の軸に沿って移動し、このナット37の移動により先端のX字状リンク21kがその第1支軸25とともに移動するようになっている。
【0020】
複数のX字状リンク21a,21b,…21kのそれぞれの第1支軸25には、上述した複数の移動部1a,1b,…1kが第1支軸25の移動とともに移動するように関連して設けられている。また、複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうち、第1のX字状リンク21aは、その第1支軸25が移動用支持部3の図示しない基台などに回動自在に関連して固定的に設けられている。また、先端のX字状リンク21kの第1支軸25には、上述したように、送りねじ35に螺合するナット37が第1支軸の移動とともに移動し得るように関連して設けられている。そして、残りのその他のX字状リンク21b,21c,…21jの第1支軸25には、それぞれ対応する複数の移動部1b,1c,…1jが第1支軸25の移動とともに移動し得るように関連して取り付けられている。
【0021】
図3は、移動用支持部3および複数のX字状リンク21a,21b,…21kを側面から図示しているが、同図に示すように、モータ33に一端が固定された送りねじ35は、先端のX字状リンク21kの第1支軸25に関連して設けられているナット37に螺合するとともに、送りねじ35の他端は移動用支持部3の中央付近に固定された固定部材39に固定して回動自在に取り付けられ、これにより送りねじ35を支持している。
【0022】
図4(a),(b)は、図3においてA−Aから見た断面図であるが、同図(a)は伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kは等間隔で伸張した状態を示し、図4(b)は複数のX字状リンク21a,21b,…21kが等間隔で縮退した状態を示している。
【0023】
図5は、先端のX字状リンク21k、その第1支軸25に関連して設けられているナット37、このナット37に螺合する送りねじ35、およびレール11a,11bなどの関係を示す断面図である。
【0024】
図5に示すように、送りねじ35が螺合するナット37は、レール11a,11b上を転がり軸受けなどを介して脚部であるレール受け部材28a、28bがスライドするスライダベース27の中央に形成されている。このスライダべース27の上に基台である取付板3eが設けられ、この取付板3eにX字状リンク21kの第1支軸25が回動自在に取り付けられている。また、X字状リンク21kは、テーブル23で覆われて保護されている。なお、レール受け部材28a、28bはスライダベース27にボルトで取りつけられ、また取付板3eおよびテーブル23はスライダベース27にボルトで取りつけられている。レール受け部材28a、28bスライダベース27、取付板3e、テーブル23は、スライダを構成しているものである。
【0025】
このように構成されるものにおいて、送りねじ35がモータ33によって回転し、この回転によりナット37が送りねじ35に沿って移動すると、このナット37の移動によりスライダベース27も一緒にレール11a,11bに沿って移動し、このスライダベース27の移動により第1支軸25を介してX字状リンク21kが移動するようになっている。
【0026】
なお、図5は、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうちのナット37が取り付けられている先端のX字状リンク21kに関連する構造を図示しているが、ナット37に螺合する送りねじ35の先端は、図3、図4で説明したように移動用支持部3の途中に設けられている固定部材39に固定され、この固定部材39までしか延出していなく、移動用支持部3の一端側の第1のX字状リンク21aは、その第1支軸25が上述したように移動用支持部3の基台などに回動自在に固定的に取り付けられているものである。
【0027】
そして、複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうち、第1のX字状リンク21aと先端のX字状リンク21kを除く、残りのその他のX字状リンク21b,21c,…21jは、図5と同様に各第1支軸25が取付板3eに取り付けられ、この取付板3eにスライダベース27が取り付けられ、このスライダベース27の脚部であるレール受け部材28a、28bがレール11a,11b上にスライド自在に設けられていることまでは、同じであるが、ナット37は設けられてなく、このナット37が形成されている部分はナット37の直径よりも大きな孔が形成され、この孔内を送りねじ35が接触や係合もせずに貫通するようになっている。
【0028】
以上のように構成される本実施形態の可変ピッチ機構は、複数の移動部1a,1b,…1kが例えば図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態にある場合には、伸縮自在リンク機構31の一部を構成する先端のX字状リンク21kが図3や図4(a)に示すようにモータ33に最接近した位置に移動していて、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kは互いに等間隔で広がっている。
【0029】
そして、このように等間隔で広がった伸張状態からモータ33を回転すると、この回転により送りねじ35が回転し、送りねじ35の回転で送りねじ35に螺合するナット37は図3で矢印100で示す縮退方向に押動され、この押動により先端のX字状リンク21kは第1支軸25を介して同様に縮退方向100に押動される。先端のX字状リンク21kが縮退方向100に押動されると、この先端のX字状リンク21kに伸縮自在リンク機構31として連結するX字状リンク21j,21i,…21aも同様に縮退方向100に順次押動されるが、この複数のX字状リンク21は伸縮自在リンク機構31を構成しているものであるため、互いに等間隔を維持しながら縮退方向100に順次押動されながら縮退し、例えば図1の点線で示したりまたは図4(b)に示す縮退状態になり、複数の移動部1a,1b,…1kは互いに等間隔を維持しながら間隔が狭まった状態になる。
【0030】
なお、上述したように、図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態から図1の点線で示したりまたは図4(b)に示すような縮退状態に至る途中の過程でも、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kは互いに等間隔を維持しながら押動されて移動していることは、複数のX字状リンク21a,21b,…21kからなる伸縮自在リンク機構31の構造から当然のことであり、またこの移動は送りねじ35の回転で行われるものであるため、この送りねじ35の回転を止めることにより任意の位置、すなわち各X字状リンク21間が任意の等間隔で止めることができるし、更にこの送りねじ35による移動は送りねじ35の回転速度の微細な調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができる。
【0031】
また逆に、図1の点線で示したりまたは図4(b)に示すような縮退状態から図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態に移行されるには、モータ33の回転を逆方向に行えばよく、この逆方向の回転により伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうちの先端のX字状リンク21kがその第1支軸25に関連して設けられているナット37および送りねじ35を介してモータ33の方に、すなわち移動用支持部3の他端に向かって図4(b)で矢印200で示す伸張方向に引っ張られる。そして、このようにして先端のX字状リンク21kが伸張方向200に押動されると、この先端のX字状リンク21kに伸縮自在リンク機構31として連結するX字状リンク21j,21i,…21aも同様に伸張方向200に順次引っ張られ、互いに等間隔を維持しながら伸張方向200に順次引っ張られながら伸張し、図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態になり、複数の移動部1a,1b,…1kは互いに等間隔を維持しながら間隔が広がった状態になる。
【0032】
なお、このように縮退状態から伸張状態に至る途中の過程でも、各X字状リンク21が互いに等間隔を維持しながら移動していることは、当然のことであり、また送りねじ35の回転を止めることにより任意の位置において等間隔で止めることができ、更に送りねじ35の回転速度の微細な調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができることは上述した伸張状態から縮退状態への移行の場合と同じである。
【0033】
なお、本実施形態の可変ピッチ機構の使用例について図1を用いて説明する。
【0034】
本実施形態の可変ピッチ機構の複数の移動部1a,1b,…1kは、例えば部品、工具またはアクチュエータなどを載置する図5や図2に示すようなテーブル23を備えている。従って、複数のテーブル23をそれぞれ備えた複数の移動部1a,1b,…1kを図1において点線で示す縮退状態に設定する。そして、この縮退状態において各テーブル23に電子部品などを載置する。なお、テーブル23は、図5に示すように、部品などを取りつけるための取付部であるタップ51が切ってある。
【0035】
それから、モータ33を回転駆動して、伸縮自在リンク機構31を作動し、複数の移動部1a,1b,…1kを縮退状態から図1において実線で示す伸張状態に移行される。この伸張状態では、複数の移動部1a,1b,…1kに取り付けられている複数のテーブルは、図1の実線で示すように互いに等間隔で広がった状態にある。そこで、この広がった状態の各テーブルに対応して電子部品を処理する対象を設定することにより、この等間隔で広がった状態にある各テーブルから電子部品を取り出し、対象に対して電子部品を供給するなどの所定の処理を円滑かつ自動的に行うことができるものである。
【0036】
なお、上記実施形態においては、伸縮自在リンク機構31を伸張または縮退状態に駆動するために、モータ33、送りねじ35、ナット37を用いて行っているが、本発明はこれに限定されるものでなく、任意の方法、例えば複数のX字状リンク21のうちのいずれか1つの一方の両端を広げたり、または縮めるなどの駆動動作を行うなどの方法などでも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リンク機構を構成する複数のX字状リンクの各第1支軸に関連して例えばテーブルなどを取り付け、このリンク機構を駆動手段で駆動して伸張または縮退するので、小型で低価格かつ高い剛性を持って、各部位に取り付けられた各テーブルを等間隔で伸張または縮退させることができ、この場合に駆動手段で駆動することにより任意の移動速度により任意の位置に任意の等間隔で各テーブルを停止することができるし、更に駆動手段の微調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができる。
【0038】
また、本発明によれば、ナットに螺合するねじをモータで回転して、リンク機構を伸張または縮退させるので、構造が非常に簡単であるとともに、高精度の伸張または縮退を行うことができ、かつ任意の位置の任意の等間隔で高精度に停止されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る可変ピッチ機構の全体的構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構において複数の移動部をスライド自在に支持している移動用支持部の上部を除去して、その内部の構造を示している斜視図である。
【図3】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構において移動用支持部および複数のX字状リンクを側面から示す側面図である。
【図4】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構においてX字状リンクが伸張状態および縮退状態にある場合の図3のA−Aから見た伸縮自在リンク機構の断面図である。
【図5】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構において先端のX字状リンク、その交点に関連して設けられているナット、このナットに螺合する送りねじおよびレールの関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1a〜1k 移動部
3 移動用支持部
3e 取付板
5 第1の搬送用レール台
7 第2の搬送用レール台
11a,11b レール
21a〜21k X字状リンク
23 テーブル
25 第1支軸
27 スライダベース
31 伸縮自在リンク機構
33 モータ
35 送りねじ
37 ナット
39 固定部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば部品、工具やアクチュエータなどを載置または取り付けて移動する移動部である複数のテーブルなどを配置する複数の部位を一列に配列して等間隔で伸張または縮退する可変ピッチ機構に関し、詳しくは例えば電子部品などの自動組立現場などに使用されるベルトコンベアや直動ロボットなどにおいて部品、工具やアクチュエータなどを配置または取り付けて移動する複数の移動部を短い等間隔で配列した伸縮状態から等間隔を維持したまま間隔を徐々に広げた伸張状態に移行させたり、またはその逆を行うように等間隔を維持しながら伸張または縮退を行う可変ピッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
このように複数のテーブルなどを配置する複数の部位を一列に配列して等間隔で伸張または伸縮する可変ピッチ機構は、従来適当なものが存在しないが、このような可変ピッチ機構を構成する1つの方法として、従来のベルトコンベアに使用されているようなベルトを複数設け、このベルト上にテーブルを載置するとともに、各ベルトを送りねじとナットで駆動する方法などが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなベルトを利用する方法では、等間隔で伸縮するテーブルの数だけベルトや送りねじ、ナットを設ける必要があるため、多くのスペースを必要とするとともに、コストが高くなり、更に剛性が弱いなどの問題がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多くのスペースを必要とせず、小型で低価格かつ高い剛性を有し、等間隔の伸縮を微調整可能でかつ自在な速度で高精度に行い得る可変ピッチ機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、2本のアームを互いに交差させ、この交差部を第1支軸で軸回りに回動自在に連結されたX字状リンクが、隣接するX字状リンクのアームの端部を第2支軸で前記第1支軸と平行な軸回りに互いに回動可能に連結して、3個以上直列に配列されたリンク機構と、前記リンク機構の第1支軸の1つを配列方向に移動不能に支持し、残りの前記第1支軸を配列方向に移動可能に支持する基台と、前記基台に移動可能に支持された第1支軸の1つを前記基台に対して移動させる駆動手段とを有することを要旨とする。
【0006】
請求項1記載の本発明にあっては、リンク機構を構成する複数のX字状リンクの各第1支軸に関連して例えばテーブルなどを取り付け、リンク機構を駆動手段で駆動して伸張または縮退するため、小型で低価格かつ高い剛性を持って、各部位に取り付けられた各テーブルを等間隔で伸張または縮退させることができ、この場合に駆動手段で駆動することにより任意の移動速度により任意の位置に任意の等間隔で各テーブルを停止することができるし、更に駆動手段の微調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができる。
【0007】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記基台が、この基台に固定されたレールと、このレール上を移動し、前記第1支軸に支持されたスライダーとを介して前記第1支軸を配列方向に支持することを要旨とする。
【0008】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記基台に移動不能に支持される第1支軸は、前記リンク機構の一端にある第1支軸であり、前記駆動手段によって駆動される第1支軸は、前記リンク機構の他端にある第1支軸であることを要旨とする。
【0009】
請求項4記載の本発明は、請求項1または2または3記載の本発明において、前記駆動手段が、前記他端の第1支軸に支持されたスライダーに取り付けられたナットと、このナットに螺合し、前記配列方向に延設されたねじと、このねじを回転させるモータとを有することを要旨とする。
【0010】
請求項4記載の本発明にあっては、ナットに螺合するねじをモータで回転して、リンク機構を伸張または縮退させるため、構造が非常に簡単であるとともに、高精度の伸張または縮退を行うことができ、かつ任意の位置の任意の等間隔で高精度に停止されることも可能である。
【0011】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1または2または3または4記載の本発明において、前記スライダーが、部品、工具またはアクチュエータなどを載置または取り付け可能な取付部を備えていることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る可変ピッチ機構の全体的構成を示す斜視図である。同図に示す可変ピッチ機構は、例えば部品または工具またはアクチュエータなどを載置または取り付けて等間隔で伸張または伸縮し移動する複数の部位である取付部である移動部1a,1b,…1kを有する。この複数の移動部1a,1b,…1kは、長く延出した長尺の移動用支持部3にスライド自在に支持され、この移動用支持部3に沿って支持されながら等間隔で伸張または縮退するようになっている。すなわち、複数の移動部1a,1b,…1kは、移動用支持部3上を支持されながらスライドすることにより、図1において実線で示すように長い等間隔で広がった伸張状態と点線で示すように短い等間隔で縮んだ縮退状態を取り得るようになっているとともに、この伸張状態と縮退状態の間の任意の位置においても常に等間隔を維持しながら伸張または伸縮を行うようになっている。
【0013】
移動用支持部3は、一端が第1の搬送用レール台5にスライド自在に支持され、他端が第2の搬送用レール台7にスライド自在に支持されている。この第1、第2の搬送用レール台5,7は、互いに平行に配設されていて、この第1、第2の搬送用レール台5,7に両端がスライド自在に支持された移動用支持部3は、この第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら案内されてスライドし、図1において実線で示す位置から点線で示す位置に移動し得るようになっている。そして、移動用支持部3は、このように第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら移動するとともに、図1においては実線で示すように複数の移動部1a,1b,…1kが等間隔で伸張、すなわち広がったり、点線で示すように等間隔で縮退し得るようになっている。
【0014】
なお、図1では、実線の位置において複数の移動部1a,1b,…1kは等間隔で伸張し、点線の位置において等間隔が縮退しているが、この伸張と縮退の状態は実線や点線の位置に限定されるものでなく、任意の位置において可能である。すなわち、移動用支持部3は、第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら移動するとともに、この移動する任意の位置において複数の移動部1a,1b,…1kは等間隔の伸張と縮退を行うことができるものである。また、伸張や伸縮時の各移動部1の等間隔は図1に実線で示す等間隔と点線で示す等間隔に限られるものでなく、任意の長さの等間隔を連続的かつ円滑に生成することができるものである。
【0015】
また、図1においては、移動用支持部3の一端側には、第1の搬送用レール台5の外側において帯ケーブル9が取り付けられ、帯ケーブル9により移動用支持部3に作動用の電力や制御信号などが供給されるようになっている。この帯ケーブル9は、移動用支持部3が第1、第2の搬送用レール台5,7に支持されながら移動する場合に、この移動に合わせてケーブルの導線が折れたりしないように帯状に形成されるとともに、図示のように撓んで取り付けられている。
【0016】
図2は、複数の移動部1a,1b,…1kをスライド自在に支持している移動用支持部3の上部を除去して、その内部の構造を示している斜視図である。同図に示すように、移動用支持部3は、その全長にわたって配設された一対の平行なレール11a,11bを有し、このレール11a,11bに前記複数の移動部1a,1b,…1kがスライド自在に取り付けられている。
【0017】
また、図2に示すように、複数の移動部1a,1b,…1kは、それぞれ2本のアームを互いに交差してX字状に構成され、このX字状の交点である第1支軸をその軸回りで回動自在に連結された複数のX字状リンク21a,21b,…21kを有する(なお、図2では、X字状リンク21a,21b,…21fは、テーブル23で覆われて図示されず)。この複数のX字状リンク21a,21b,…21kは、それぞれの対応する端部が第2支軸で第1支軸と平行な軸回りで回動自在であるように互いに直列に連結し、各X字状リンク21がその第1支軸25を中心に回動することにより全体として伸縮する所謂マジックハンドである伸縮自在リンク機構31を構成している。
【0018】
なお、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうち、移動用支持部3の一端側の第1のX字状リンク21aと他端側の先端のX字状リンク21kは、X字状の形状が第1支軸25より先の一方が除去され、第1支軸25を有するV字状に形成されているが、X字状に形成されてもよいものである。
【0019】
更に、移動用支持部3の他端には、モータ33が固定的に取り付けられ、このモータ33の回転軸には、細長く延出した送りねじ35の一端が固定され、この送りねじ35はモータ33の回転により回転するようになっている。また、送りねじ35の他端には、先端のX字状リンク21kの第1支軸25に関連して設けられているナット37に螺合している。従って、モータ33が回転した場合には、この回転により送りねじ35が回転し、この送りねじ35の回転によりナット37が送りねじ35の軸に沿って移動し、このナット37の移動により先端のX字状リンク21kがその第1支軸25とともに移動するようになっている。
【0020】
複数のX字状リンク21a,21b,…21kのそれぞれの第1支軸25には、上述した複数の移動部1a,1b,…1kが第1支軸25の移動とともに移動するように関連して設けられている。また、複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうち、第1のX字状リンク21aは、その第1支軸25が移動用支持部3の図示しない基台などに回動自在に関連して固定的に設けられている。また、先端のX字状リンク21kの第1支軸25には、上述したように、送りねじ35に螺合するナット37が第1支軸の移動とともに移動し得るように関連して設けられている。そして、残りのその他のX字状リンク21b,21c,…21jの第1支軸25には、それぞれ対応する複数の移動部1b,1c,…1jが第1支軸25の移動とともに移動し得るように関連して取り付けられている。
【0021】
図3は、移動用支持部3および複数のX字状リンク21a,21b,…21kを側面から図示しているが、同図に示すように、モータ33に一端が固定された送りねじ35は、先端のX字状リンク21kの第1支軸25に関連して設けられているナット37に螺合するとともに、送りねじ35の他端は移動用支持部3の中央付近に固定された固定部材39に固定して回動自在に取り付けられ、これにより送りねじ35を支持している。
【0022】
図4(a),(b)は、図3においてA−Aから見た断面図であるが、同図(a)は伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kは等間隔で伸張した状態を示し、図4(b)は複数のX字状リンク21a,21b,…21kが等間隔で縮退した状態を示している。
【0023】
図5は、先端のX字状リンク21k、その第1支軸25に関連して設けられているナット37、このナット37に螺合する送りねじ35、およびレール11a,11bなどの関係を示す断面図である。
【0024】
図5に示すように、送りねじ35が螺合するナット37は、レール11a,11b上を転がり軸受けなどを介して脚部であるレール受け部材28a、28bがスライドするスライダベース27の中央に形成されている。このスライダべース27の上に基台である取付板3eが設けられ、この取付板3eにX字状リンク21kの第1支軸25が回動自在に取り付けられている。また、X字状リンク21kは、テーブル23で覆われて保護されている。なお、レール受け部材28a、28bはスライダベース27にボルトで取りつけられ、また取付板3eおよびテーブル23はスライダベース27にボルトで取りつけられている。レール受け部材28a、28bスライダベース27、取付板3e、テーブル23は、スライダを構成しているものである。
【0025】
このように構成されるものにおいて、送りねじ35がモータ33によって回転し、この回転によりナット37が送りねじ35に沿って移動すると、このナット37の移動によりスライダベース27も一緒にレール11a,11bに沿って移動し、このスライダベース27の移動により第1支軸25を介してX字状リンク21kが移動するようになっている。
【0026】
なお、図5は、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうちのナット37が取り付けられている先端のX字状リンク21kに関連する構造を図示しているが、ナット37に螺合する送りねじ35の先端は、図3、図4で説明したように移動用支持部3の途中に設けられている固定部材39に固定され、この固定部材39までしか延出していなく、移動用支持部3の一端側の第1のX字状リンク21aは、その第1支軸25が上述したように移動用支持部3の基台などに回動自在に固定的に取り付けられているものである。
【0027】
そして、複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうち、第1のX字状リンク21aと先端のX字状リンク21kを除く、残りのその他のX字状リンク21b,21c,…21jは、図5と同様に各第1支軸25が取付板3eに取り付けられ、この取付板3eにスライダベース27が取り付けられ、このスライダベース27の脚部であるレール受け部材28a、28bがレール11a,11b上にスライド自在に設けられていることまでは、同じであるが、ナット37は設けられてなく、このナット37が形成されている部分はナット37の直径よりも大きな孔が形成され、この孔内を送りねじ35が接触や係合もせずに貫通するようになっている。
【0028】
以上のように構成される本実施形態の可変ピッチ機構は、複数の移動部1a,1b,…1kが例えば図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態にある場合には、伸縮自在リンク機構31の一部を構成する先端のX字状リンク21kが図3や図4(a)に示すようにモータ33に最接近した位置に移動していて、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kは互いに等間隔で広がっている。
【0029】
そして、このように等間隔で広がった伸張状態からモータ33を回転すると、この回転により送りねじ35が回転し、送りねじ35の回転で送りねじ35に螺合するナット37は図3で矢印100で示す縮退方向に押動され、この押動により先端のX字状リンク21kは第1支軸25を介して同様に縮退方向100に押動される。先端のX字状リンク21kが縮退方向100に押動されると、この先端のX字状リンク21kに伸縮自在リンク機構31として連結するX字状リンク21j,21i,…21aも同様に縮退方向100に順次押動されるが、この複数のX字状リンク21は伸縮自在リンク機構31を構成しているものであるため、互いに等間隔を維持しながら縮退方向100に順次押動されながら縮退し、例えば図1の点線で示したりまたは図4(b)に示す縮退状態になり、複数の移動部1a,1b,…1kは互いに等間隔を維持しながら間隔が狭まった状態になる。
【0030】
なお、上述したように、図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態から図1の点線で示したりまたは図4(b)に示すような縮退状態に至る途中の過程でも、伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kは互いに等間隔を維持しながら押動されて移動していることは、複数のX字状リンク21a,21b,…21kからなる伸縮自在リンク機構31の構造から当然のことであり、またこの移動は送りねじ35の回転で行われるものであるため、この送りねじ35の回転を止めることにより任意の位置、すなわち各X字状リンク21間が任意の等間隔で止めることができるし、更にこの送りねじ35による移動は送りねじ35の回転速度の微細な調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができる。
【0031】
また逆に、図1の点線で示したりまたは図4(b)に示すような縮退状態から図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態に移行されるには、モータ33の回転を逆方向に行えばよく、この逆方向の回転により伸縮自在リンク機構31を構成する複数のX字状リンク21a,21b,…21kのうちの先端のX字状リンク21kがその第1支軸25に関連して設けられているナット37および送りねじ35を介してモータ33の方に、すなわち移動用支持部3の他端に向かって図4(b)で矢印200で示す伸張方向に引っ張られる。そして、このようにして先端のX字状リンク21kが伸張方向200に押動されると、この先端のX字状リンク21kに伸縮自在リンク機構31として連結するX字状リンク21j,21i,…21aも同様に伸張方向200に順次引っ張られ、互いに等間隔を維持しながら伸張方向200に順次引っ張られながら伸張し、図1の実線で示したりまたは図3または図4(a)に示すような伸張状態になり、複数の移動部1a,1b,…1kは互いに等間隔を維持しながら間隔が広がった状態になる。
【0032】
なお、このように縮退状態から伸張状態に至る途中の過程でも、各X字状リンク21が互いに等間隔を維持しながら移動していることは、当然のことであり、また送りねじ35の回転を止めることにより任意の位置において等間隔で止めることができ、更に送りねじ35の回転速度の微細な調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができることは上述した伸張状態から縮退状態への移行の場合と同じである。
【0033】
なお、本実施形態の可変ピッチ機構の使用例について図1を用いて説明する。
【0034】
本実施形態の可変ピッチ機構の複数の移動部1a,1b,…1kは、例えば部品、工具またはアクチュエータなどを載置する図5や図2に示すようなテーブル23を備えている。従って、複数のテーブル23をそれぞれ備えた複数の移動部1a,1b,…1kを図1において点線で示す縮退状態に設定する。そして、この縮退状態において各テーブル23に電子部品などを載置する。なお、テーブル23は、図5に示すように、部品などを取りつけるための取付部であるタップ51が切ってある。
【0035】
それから、モータ33を回転駆動して、伸縮自在リンク機構31を作動し、複数の移動部1a,1b,…1kを縮退状態から図1において実線で示す伸張状態に移行される。この伸張状態では、複数の移動部1a,1b,…1kに取り付けられている複数のテーブルは、図1の実線で示すように互いに等間隔で広がった状態にある。そこで、この広がった状態の各テーブルに対応して電子部品を処理する対象を設定することにより、この等間隔で広がった状態にある各テーブルから電子部品を取り出し、対象に対して電子部品を供給するなどの所定の処理を円滑かつ自動的に行うことができるものである。
【0036】
なお、上記実施形態においては、伸縮自在リンク機構31を伸張または縮退状態に駆動するために、モータ33、送りねじ35、ナット37を用いて行っているが、本発明はこれに限定されるものでなく、任意の方法、例えば複数のX字状リンク21のうちのいずれか1つの一方の両端を広げたり、または縮めるなどの駆動動作を行うなどの方法などでも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リンク機構を構成する複数のX字状リンクの各第1支軸に関連して例えばテーブルなどを取り付け、このリンク機構を駆動手段で駆動して伸張または縮退するので、小型で低価格かつ高い剛性を持って、各部位に取り付けられた各テーブルを等間隔で伸張または縮退させることができ、この場合に駆動手段で駆動することにより任意の移動速度により任意の位置に任意の等間隔で各テーブルを停止することができるし、更に駆動手段の微調整により非常に精度よく任意の位置で停止することができる。
【0038】
また、本発明によれば、ナットに螺合するねじをモータで回転して、リンク機構を伸張または縮退させるので、構造が非常に簡単であるとともに、高精度の伸張または縮退を行うことができ、かつ任意の位置の任意の等間隔で高精度に停止されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る可変ピッチ機構の全体的構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構において複数の移動部をスライド自在に支持している移動用支持部の上部を除去して、その内部の構造を示している斜視図である。
【図3】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構において移動用支持部および複数のX字状リンクを側面から示す側面図である。
【図4】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構においてX字状リンクが伸張状態および縮退状態にある場合の図3のA−Aから見た伸縮自在リンク機構の断面図である。
【図5】図1に示す実施形態の可変ピッチ機構において先端のX字状リンク、その交点に関連して設けられているナット、このナットに螺合する送りねじおよびレールの関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1a〜1k 移動部
3 移動用支持部
3e 取付板
5 第1の搬送用レール台
7 第2の搬送用レール台
11a,11b レール
21a〜21k X字状リンク
23 テーブル
25 第1支軸
27 スライダベース
31 伸縮自在リンク機構
33 モータ
35 送りねじ
37 ナット
39 固定部材
Claims (5)
- 2本のアームを互いに交差させ、この交差部を第1支軸で軸回りに回動自在に連結されたX字状リンクが、隣接するX字状リンクのアームの端部を第2支軸で前記第1支軸と平行な軸回りに互いに回動可能に連結して、3個以上直列に配列されたリンク機構と、
前記リンク機構の第1支軸の1つを配列方向に移動不能に支持し、残りの前記第1支軸を配列方向に移動可能に支持する基台と、
前記基台に移動可能に支持された第1支軸の1つを前記基台に対して移動させる駆動手段と
を有することを特徴とする可変ピッチ機構。 - 前記基台は、この基台に固定されたレールと、このレール上を移動し、前記第1支軸に支持されたスライダーとを介して前記第1支軸を配列方向に支持することを特徴とする請求項1記載の可変ピッチ機構。
- 前記基台に移動不能に支持される第1支軸は、前記リンク機構の一端にある第1支軸であり、前記駆動手段によって駆動される第1支軸は、前記リンク機構の他端にある第1支軸であることを特徴とする請求項1または2記載の可変ピッチ機構。
- 前記駆動手段は、前記他端の第1支軸に支持されたスライダーに取り付けられたナットと、このナットに螺合し、前記配列方向に延設されたねじと、このねじを回転させるモータとを有することを特徴とする請求項1または2または3記載の可変ピッチ機構。
- 前記スライダーは、部品、工具またはアクチュエータなどを載置または取り付け可能な取付部を備えていることを特徴とする請求項1または2または3または4記載の可変ピッチ機構。
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- 2002-08-09 JP JP2002233998A patent/JP2004076770A/ja active Pending
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