JP2004076572A - 見切り材 - Google Patents

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Abstract

 
【課題】 施工性を向上できかつ外観が良好な見切り材を提供する。
【解決手段】 見切り材40は、2つの面35,36が接合する部分に設けられ、各天井面35,36に取り付けられる2つの固定部50と、これら固定部50の一端側が連結されて変形可能な連結部60と、固定部50を覆うカバー部70とを備えている。これにより、固定部50に露出した釘515をカバー部70で隠蔽できるから、外観を良好にできる。また、天井の施工完了後に見切り材40を乾式施工で取り付けることができるから、施工手順を単純化でき、大幅に施工性を向上できる。
【選択図】 図4

Description

 本発明は、例えば、天井や内壁等において、2つの面が接合する部分に取り付けられる見切り材に関する。
 従来より、水平面と傾斜面とを有する勾配天井や折り上げ天井が知られている。これらの天井は、躯体に支持された吊りボルトと、この吊りボルトに支持される野縁と、この野縁下面に張り付けられる石膏ボード、岩綿吸音板、ケイカル板等の平板状の天井仕上材とで構成されている。ここで、水平面と傾斜面との接合部分には、見切り材が取り付けられる。
 見切り材の取り付け方法としては、次のような方法がある。
 第1に、各面を構成する天井仕上材の端縁に沿って略コの字形状のキャップを嵌め込み、このキャップ同士を接合部分で突き付けて配置する。これにより、2つのキャップが一体となって、見切り材として認識される(実開平5−35923号公報参照)。
 第2に、接合部分に沿って各面に長尺状の芯材を配置し、この2本の芯材を跨ぐように保護シートで覆う。これにより、保護シートが見切り材として認識される。
特開平5−174977号公報([0004]、図2参照)
 しかし、上述した第1の方法では、天井仕上材を野縁に固定する際にキャップを取り付けるため、施工手順が煩雑になり、施工性が低下していた。
 また、第2の方法では、保護シートを釘やビス等で芯材に固定する必要があるため、この釘やビス等が露出し、外観を良好にすることが困難であった。
 本発明の目的は、施工性を向上できかつ外観が良好な見切り材を提供することにある。
 上記目的を達成するため、本発明の見切り材は、次の構成を採用する。
 本発明を図面を参照して説明すると、図4に示すように、請求項1に記載の見切り材40は、2つの面35,36が接合する部分Aに設けられる見切り材であって、各面に取り付けられる2つの固定部50と、これら固定部50,50の一端側が連結されて変形可能な連結部60と、前記固定部50を覆うカバー部70とを備えていることを特徴とする。
 この発明によれば、接合する各面に各固定部を釘やビス等で取り付けた後、カバー部で各固定部を覆う。したがって、固定部表面に露出した釘やビス等をカバー部で隠蔽できるから、外観を良好にできる。また、天井の施工完了後に見切り材を乾式施工で取り付けることができるから、施工手順を単純化でき、大幅に施工性を向上できる。
 また、固定部をそれぞれ一端側で連結部に連結したので、各面の接合する部分上に連結部が位置するように配置することにより、固定部を接合部分に沿って確実に配置できるから、施工性を向上できる。
 また、連結部を変形可能としたので、各固定部の成す角度に対応して連結部を変形させることにより1種類の見切り材で様々な角度の面に対応できるから、コストを削減できる。
 請求項2に記載の見切り材は、図4に示すように、請求項1に記載の見切り材において、前記固定部50と前記連結部60とは、押出成形で一体に形成されていることを特徴とする。
 この発明によれば、固定部と連結部と別個に製造して組み立てる場合に比べ、見切り材を容易に製造できる。
 請求項3に記載の見切り材は、図3に示すように、請求項1または2に記載の見切り材において、前記カバー部70は、断面略コの字形状の挟持部71と、この挟持部の一端側が延長されて形成された平板状の覆部72とを備え、前記挟持部71が前記固定部50の他端側に嵌め込まれることにより、前記挟持部71で前記固定部50に支持されるとともに前記覆部72で前記固定部50を覆うことを特徴とする。
 この発明によれば、カバー部を固定部および連結部とは別部材としたので、固定部、連結部およびカバー部を一体に成形する場合に比べ、カバー部を形成する材料が限定されないので、カバー部の意匠の自由度を向上できる。
 請求項4に記載の見切り材は、図4に示すように、請求項3に記載の見切り材において、前記固定部50と前記連結部60との間に溝61を有し、この溝61は、前記カバー部70の覆部72が差し込まれることにより、前記カバー部70の覆部72を支持することを特徴とする。
 この発明によれば、カバー部を溝と連結部とで支持できるから、カバー部の脱落を確実に防止できる。
 請求項5に記載の見切り材は、図5に示すように、請求項1または2に記載の見切り材において、前記カバー部70Aは、前記連結部60に連結され、この連結部60が変形することにより前記固定部50に対して開閉自在とされていることを特徴とする。
 この発明によれば、カバー部を固定部および連結部と一体としたので、見切り材を取り付ける際に部品を紛失することがないから、取扱性を向上できる。
 また、カバー部を閉じるだけで固定部を隠蔽できるから、施工性を向上できる。
 請求項6に記載の見切り材は、図6に示すように、請求項1に記載の見切り材において、前記固定部50Bおよびカバー部70Bは硬質材料から形成され、前記連結部60Bは前記固定部50Bおよびカバー部70Bより軟質の軟質材料から形成されていることを特徴とする。
 この発明によれば、固定部にカバー部を被せるとき、固定部とカバー部とが硬質材料から形成されているので、軟質材料の場合だと生じる、柔らかいために嵌め込みにくい、というようなことがなくなり、その結果、固定部とカバー部との嵌め込み等が容易となり、施工性が向上する。また、カバー部が硬質材料で形成されているので、固定部に被せたときでもたるみが生じないから、外観が良好となる。
 請求項7に記載の見切り材は、図6に示すように、請求項6に記載の見切り材において、前記固定部50Bとカバー部70Bとの間には、前記連結部基端側に前記固定部50Bとカバー部70Bとの相対位置を決める位置決め部77が設けられるとともに、連結部先端側に前記固定部50Bとカバー部70Bとを係止する係止部78が設けられていることを特徴とする。
 この発明によれば、固定部とカバー部との間に、位置決め部が設けられているので、カバー部の固定部に対する平行を保持できる。また、位置決め部によって固定部とカバー部との間に空間を形成でき、その結果、固定部を固定するために釘を固定部とカバー部とのから打ち付けても、釘の頭が、カバー部を被せたときにカバー部の邪魔とならない。
 請求項8に記載の見切り材は、請求項7に記載の見切り材において、前記位置決め部77は、前記固定部50とカバー部70とを係止する際の支点となっていることを特徴とする。
 この発明によれば、支点に力を加えることで、係止部を嵌めやすくなり、施工性の向上を図れる。
 請求項9に記載の見切り材は、図8に示すように、請求項6に記載の見切り材において、前記連結部60Bにおける前記2つの固定部50B間の略中心を切断してその片方のみを使用することを特徴とする。
 この発明によれば、連結部が軟質材料で形成されているため、切断しやすい。また、切断した片方の見切り材を使用した場合、連結部の半分の部分で、見切り材と取り付け部との隙間を覆えるから、被取り付け部への塵埃等の侵入を防止できる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
 図1には、本発明の第1実施形態に係る見切り材が適用された建物10の断面図が示されている。
 建物10は、図示しない基礎の上に設けられた建物本体12と、この建物本体12の上に設けられた屋根13とを備えている。
 屋根13は、水平屋根部131と、この水平屋根部131の両端側に設けられて互いに反対方向に傾斜した傾斜屋根部132,133とを備えている。
 建物本体12は、2階建てとされ、1階に配置された2つの部屋121と、2階に配置された2つの部屋122とを備えている。
 部屋122は、屋根13の直下に位置し、壁20と、屋根13の形状に対応した形状を有する天井30とで囲まれている。
 図2には、建物10の2階の部屋122の拡大断面図が示されている。
 壁20は、芯材21と、この芯材21の両面に張り付けられた壁仕上材22とを備え、壁仕上材22の部屋122側の表面は、壁面23とされている。
 天井30は、屋根13の形状に対応しているため、水平な水平天井部31と、傾斜した傾斜天井部32とを有している。各天井部31,32は、図示しない吊りボルトを介して所定間隔おきに配置された野縁33と、この野縁33下面に張り付けられる石膏ボード、岩綿吸音板、ケイカル板等の平板状の天井仕上材34とを含んで構成されている。
 水平天井部31を構成する天井仕上材34の部屋122側の表面は、水平天井面35とされ、傾斜天井部32を構成する天井仕上材34の部屋122側の表面は、傾斜天井面36とされている。
 水平天井面35と傾斜天井面36とが接合する部分(以降、接合部分Aと呼ぶ)では、天井仕上材34の補強のため、天井仕上材34の裏面側に野縁33が配置されるとともに、表面側に見切り材40が取り付けられている。
 また、傾斜天井面36と壁面23とが接合する部分(以降、接合部分Bと呼ぶ)では、接合部分Aと同様に、天井仕上材34の裏面側に野縁33が配置され、壁仕上材22の裏面側に芯材21が配置されるとともに、表面側に見切り材40が取り付けられている。
 図3には、見切り材40の断面図が示されている。
 見切り材40は、天井面35,36または壁面23に取り付けられる2つの固定部50と、これら固定部50の一端が連結される連結部60と、各固定部50を覆うカバー部70とを備えている。この見切り材40では、2つの固定部50が連結部60を挟んで配置されており、連結部60を折り曲げることにより各固定部50同士の成す角度を変化させることができる。
 固定部50と連結部60とは、押出成形で一体に形成されている。カバー部70は、固定部50および連結部60とは別部材とされている。
 連結部60は、固定部50より薄い厚みを有する平板状に形成され、塑性変形可能とされている。連結部60の裏面側の略中央には、後述する各固定部50の立ち上がり部512が連結されている。したがって、連結部60を略中央で折り曲げることによって、各固定部50同士の成す角度を変化させることができる。
 固定部50は、一端で連結部60に連結される本体51と、この本体51の他端側に設けられた被挟持部52とを含んで構成されている。
 本体51は、表面側が凹んだ略断面コの字形状とされ、底部511と、この底部511の一端(連結部60側)に立設された立ち上がり部512と、底部511の他端に立設された立ち上がり部513とを備えている。
 立ち上がり部512は、その先端に向かうに従って立ち上がり部513から遠ざかる向きに傾斜している。これにより、連結部60を裏面側に折り曲げた際に固定部50同士の成す角度を大きく確保することができる。
 立ち上がり部512の連結部60近傍には、被挟持部52側に突出する挟持片514が設けられている。そして、この挟持片514と連結部60とで溝61が形成されている。
 被挟持部52は、立ち上がり部513の途中に連結される支持部521と、この支持部521に支持される断面円形状の被支持部522とを備えている。
 カバー部70は、断面略コの字形状の挟持部71と、この挟持部71の一端側が延長されて形成された平板状の覆部72とを備えている。
 覆部72の先端は、溝61に差し込まれて、挟持片514と連結部60とで挟持されている。覆部72の略中央部は、立ち上がり部513の先端に支持されている。挟持部71は、固定部50の被支持部522に支持されている。
 次に、接合部分Aにおける見切り材40の取り付け方法について、図4を参照しながら説明する。
 先ず、連結部60を折り曲げて、各固定部50同士の成す角度を変化させて、水平天井面35と傾斜天井面36とが成す角度と略同じにする。
 次に、接合部分A上に連結部60が位置するように配置することにより、天井面35,36上に各固定部50を配置し、固定部50の底部511に釘515を貫通させて野縁33に固定する。
 続いて、カバー部70を、固定部50の被挟持部52側から天井面35,36上に沿って移動させ、カバー部70の覆部72の先端を溝61に差し込むとともに、挟持部71を固定部50の被支持部522に嵌め込む。これにより、覆部72は、先端で溝61に支持され、略中央で立ち上がり部513の先端に支持される。同時に、挟持部71は、固定部50の被支持部522に支持される。同時に、カバー部70で固定部50を覆う。
 なお、接合部分Bにおける見切り材40も、同様の方法で取り付けることができる。
 したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)カバー部70で各固定部50を覆ったので、固定部50表面に露出した釘515をカバー部70で隠蔽できるから、見切り材40の外観を良好にできる。また、天井の施工完了後に見切り材40を乾式施工で取り付けることができるから、施工手順を単純化でき、大幅に施工性を向上できる。
(2)固定部50をそれぞれ一端で連結部60に連結したので、接合部分A,B上に連結部60が位置するように配置することにより、固定部50を接合部分Aに沿って確実に配置できるから、施工性を向上できる。
(3)連結部60を変形可能としたので、各固定部50の成す角度に対応して連結部60を変形させることにより1種類の見切り材40で様々な角度の面に対応できるから、コストを削減できる。
(4)固定部50と連結部60とを押出成形で一体に形成したので、固定部50と連結部60と別個に製造して組み立てる場合に比べ、見切り材40を容易に製造できる
(5)カバー部70を固定部50および連結部60とは別部材としたので、固定部50、連結部60およびカバー部70を一体に成形する場合に比べ、カバー部70を形成する材料が限定されないので、カバー部70の意匠の自由度を向上できる。
(6)溝61を設けたので、カバー部70を溝61と連結部60とで支持できるから、カバー部70の脱落を確実に防止できる。
〔第2実施形態〕
 図5には、本発明の第2実施形態に係る見切り材40Aの断面図が示されている。
 本実施形態において、カバー部70Aの構成が、第1実施形態と異なる。
 すなわち、カバー部70Aは、第1実施形態におけるカバー部70が覆部72の先端で連結部60の端部に連結されたものであり、固定部50および連結部60と一体に形成されている。このカバー部70Aは、連結部60が変形することにより、固定部50に対して開閉自在とされている。
 なお、見切り材40Aには、前記第1実施形態の挟持片514は設けられていない。
 次に、接合部分Aにおける見切り材40Aの取り付け方法について説明する。
 先ず、見切り材40と同様に、天井面35,36上に見切り材40Aの各固定部50を取り付ける。
 続いて、カバー部70Aを閉じて、挟持部71を固定部50の被支持部522に嵌め込む。これにより、見切り材40Aは、覆部72の略中央で立ち上がり部513の先端に支持されるとともに、挟持部71で固定部50の被支持部522に支持される。よって、カバー部70で固定部50を覆うことができる。
 なお、接合部分Bにおける見切り材40Aも、同様の方法で取り付けることができる。
 したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(4)の効果に加え、以下の効果がある。
(7)カバー部70Aを連結部60に連結して固定部50に対して開閉自在としたので、見切り材40Aを取り付ける際に部品を紛失することがないから、取扱性を向上できる。
(8)カバー部70Aを閉じるだけで固定部50を隠蔽できるから、施工性を向上できる。
〔第3実施形態〕
 図6,7には、本発明の第3実施形態に係る見切り材40Bおよびその取り付け状態の断面が示されている。
 本実施形態において、硬質部材で形成されたカバー部70Bおよび固定部50Bと、軟質部材で形成された連結部60Bとが一体に連結された構成が、前記第1実施形態、第2実施形態と異なる。
 すなわち、固定部50Bは、一端で連結部60Bに連結される本体51Bを含み構成され、表面側が凹んだ略断面コの字形状とされており、底部511の一端側に立設された立ち上がり部512と、底部511の他端側に立設された立ち上がり部513とを備えている。
 固定部50Bの立ち上がり部512の先端には、連結部60B側に突起した突起512Aが形成されている。この突起512Aの表面には、当該表面から連結部60B側の側面にわたって所定のR加工が行われている。
 また、立ち上がり部513の先端には、外側(連結部60Bから離れる方向)に向かって延出した突起513Aが形成されている。そして、この突起513Aの表面には、当該表面から外側の側面にわたって所定のR加工が行われており、突起513Aの裏面が、カバー部70Bを係止する係止面513Bとなっている。
 固定部50Bおよびカバー部70Bの一端が連結された連結部60Bは、前述のように軟質部材で形成され、固定部50Bと連結された立上がり部612と、これらの立上がり部612同士を繋いでいるとともに、カバー部70Bの一端が連結された繋ぎ部613とを有して形成されている。
 立上がり部612は、その先端に向かうに従って固定部50Bの立ち上がり部512から遠ざかる向きに傾斜している。これにより、連結部60Bを裏面側に折り曲げた際に固定部50B同士の成す角度を大きく確保することができる。なお、立上がり部612を図6中、仮想線で示すように、膨らみ形状に形成してもよい。
 カバー部70Bは、前記連結部60Bが変形することにより、固定部50Bに対して開閉自在とされている。
 カバー部70Bは、断面略Lの字形状の引掛け部74と、この引掛け部74の一端側が延長されて形成された平板状の覆部72と、覆部72の一端側途中に設けられた突出部73とを備えている。
 突出部73の先端には、引掛け部74側に向いた突起73Aが形成されている。この突起73Aは、前記固定部50Bにおける立上がり部512の突起512Aと係合可能となっている。そのため、突起73Aの引掛け部74側の側面は、前記突起512AのR加工された面と互いがスムーズに係合しあうような形状になっている。
 そして、これらの突起73Aと512Aとが係合するとき、固定部50Bに対してカバー部70Bが位置決めされることになる。つまり、突起73Aと512Aとにより位置決め部77が構成される。また、カバー部70Bを固定部50Bに被せるとき、位置決め部77を支点として引掛け部74が回動されるようになっており、これにより、位置決め部77は、カバー部70Bを回動させるための支点ともなっている。
 引掛け部74は、固定部50B側に向かって立ち上がっており、その先端には、一端側、つまり連結部60B側に向いた突起74Aが形成されている。この突起74Aの係止面(覆部72側の面)は、カバー部70Bが固定部50Bに被さったとき、固定部50Bの前記突起513Aの係止面513B上に載り、かつ突起513Aの係止面513Bから、力を加えない限り外れないようになっている。そのため、固定部50の突起513Aと、カバー部70Bにおける引掛け部74の突起74Aとで、係止部77が構成されている。
 なお、引掛け部74における突起74Aには、連結部60B側の上面から側面にわたる傾斜面74Bが形成されており、この傾斜面74Bは、カバー部70を固定部50に被せる際、固定部50の突起513AのR面に沿って滑り、スムーズに被せることができるようになっている。
 次に、図7に基づいて、前記接合部分Aにおける見切り材40Bの取り付け方法について説明する。
 先ず、カバー部70Bを固定部50Bから外した状態で、天井面35,36上に釘打ちによって見切り40Bの各固定部50Bを取り付ける。
 続いて、カバー部70Bを固定部50Bに対して回動させ、カバー部70Bの突起73Aと、固定部50の突起512Aとを係合させるとともに、位置決め部77を支点として、カバー部70Bの引掛け部74の傾斜面74Bを、固定部50Bにおける立上がり部513の突起513AのR面に沿わせて回動させる。
 カバー部70Bの回動が終了したとき、カバー部70Bの引掛け部74の突起74Aが、固定部50Bの突起513Aの係止面513B上に載って係止状態となり、カバー部70Bで固定部50を覆うことができる。
 なお、接合部分Bにおける見切り材40Bも、同様の方法で取り付けることができる。
 本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(3)と同様の効果、および第2実施形態で述べた(7)、(8)と同様の効果に加え、以下の効果がある。
(9)見切り材40Bを構成する固定部50Bおよびカバー部70Bが硬質材料から形成され、連結部60Bが軟質材料から形成されているので、固定部50Bにカバー部70Bを被せる際、固定部50Bおよびカバー部70Bが軟質材料の場合だと生じる、柔らかいために嵌め込みにくい、というようなことがなくなり、その結果、固定部50Bとカバー部70Bとの嵌め込み等が容易となり、施工性が向上する。
(10)見切り材40Bのカバー部70Bが硬質材料で形成されているので、固定部50Bに被せて、見切り材40Bを所定の位置に取り付けたときでも、たるみが生じないから、見切り材40Bの外観が良好となる。
(11)固定部50Bとカバー部70Bとの間に、位置決め部77が設けられているから、カバー部70Bの固定部50Bに対する平行を保持できるうえに、位置決め部77によって固定部50Bとカバー部70Bとの間に空間を形成でき、その結果、固定部50Bを固定するために釘515を固定部50Bから打ち付けても、釘515の頭が、カバー部70Bを被せたときにカバー部70Bの邪魔とならない。
(12)位置決め部77は、固定部50Bとカバー部70Bとを係止する際の支点となっているので、支点に力を加えることで、係止部78を嵌めやすくなり、その結果、施工性の向上を図れる。
 なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
 例えば、前記第3実施形態では、見切り材40Bが接合部分A、接合部分Bに取り付けられているが、見切り材40Bの取り付け位置は、接合部分A、接合部分Bに限定されず、例えば、図8(A)に示すように、下がり壁20Aの角部Cに取り付けてもよい。この場合、まず、下がり壁20Aの例えば側面201に一方の固定部50Bを固定した後、その固定部50Bに一方のカバー部70Bを被せ、次に、下がり壁20Aの下面202に他方の固定部50Bを固定した後、その固定部50Bに他方のカバー部70Bを被せて、見切り材40Bを取り付ける。
 なお、第1、第2実施形態の見切り材40、見切り材40Aも、図8(A)に示すように、下がり壁20Aの角部Cに取り付けることもできる。
 また、前記第3実施形態の見切り材40Bは、連結部60Bを挟んで左右に固定部50Bおよびカバー部60Bが連結された形状とされるとともに、接合部分A、接合部分Bに取り付けられていたが、これに限らない。図8(B)、(C)に示すように、見切り材40Bの連結部60Bの幅方向中心を切断した形状、つまり見切り材40Bの半分の見切り材40Cとしてもよい。
 そして、そのような見切り材40Cを、図8(B)に示すように、壁20Bの傾斜面203と垂直面204との接合部分Cに取り付けてもよく、また、図8(C)に示すように、壁20Cの下面205と垂直面206との接合部分Dに取り付けてもよい。この場合、連結部60Bの繋ぎ部613の切断された半分613Aが、垂直面204,206に被さるようになるから、被取り付け部内、つまり、接合部分Dの内部に塵埃が浸入するのを防止できる。
 さらに、前記第3実施形態における見切り材40Bの形状を、図9(A)、(B)、(C)に示すような形状の見切り材40D、40E、40Fとしてもよい。
 すなわち、図9(A)に示す見切り材40Dは、カバー部70Dの他端に、固定部50D側に突出した板状の支持部74を有し、この支持部74の両側面に複数条の外溝74Aが横方向に切られた形状となっている。これに対して、固定部50Dには、一端側に位置決め部77を構成する立上がり部532、他端側端部に断面門形状の外側立上がり部533が、それぞれ設けられている。このうち、外側立上がり部533の対向する内側面に複数条の内溝533Aが横方向に切られた形状となっている。
 カバー部70Dを固定部50Dに取り付ける際は、カバー部70Dの支持部74を外側立上がり部533の内部に押し込むと、支持部74の外溝74Aが、外側立上がり部533の内溝74Aを押し広げながら進み、最後まで押し込んだとき、拡げられた外側立上がり部533の復元力により、内溝533A、外溝74Aとが噛合しあうことになり、その結果、カバー部70Dと固定部50Dとが係止される。
 図9(B)に示す見切り40Eは、カバー部70Eの一端に、固定部50E側に突出した断面円形部を有する支持部75を備えて形成されている。これに対して、固定部50Eには、一端側に立上がり部532、他端に上記支持部75と係止可能な断面鍵穴形状の横穴534が形成されている。
 固定部50Eに対するカバー部70Eの取り付けに際しては、カバー部70Eの他端を連結部60Bに対して回動させ、支持部75を横穴534に差し込む。そうすると、支持部75が横穴部534を押し広げるが、横穴部534の復元力により、横穴部534が支持部75を包み込んで互いに係止しあい、これによりカバー部70Eと固定部50Eとが係止される。
 図9(C)に示す見切り40Fは、カバー部70Fの一端側に固定部50Fに向かって突出する突出部732、他端側に固定部50Fに向かって延びる断面L字状の支持部733をそれぞれ有し、これらの突出部732、支持部733の互いに対向する側面には内側溝732A,733Aがそれぞれ切られている。
 これに対して、固定部50Fには、一端側にカバー部70Fに向かって突出した立上がり部542と、他端にカバー部70F側に突出した立上がり部543とがそれぞれ設けられ、これらの立上がり部542,543の互いに反対方向に向いた側面には、それぞれ外溝542A,543Aが切られている。そして、固定部50Fの立上がり部542、543の外溝542A,543Aと、カバー部70Fの突出部732、および支持部733の内溝732A,733Aとは、互いに係合し、かつ係止可能となっている。
 見切り40Fの取り付けに際しては、固定部50Fを所定位置に固定した後、カバー部70Fを回動させ、カバー部70Fの突出部732および支持部733の内溝732A,733Aと、固定部50Fの立上がり部542、543の外溝542A,543Aとを係合させ、かつ係止させる。
 本発明は、複数の建物ユニットを組み合わせて建てられるユニット式建物や、複数の壁パネルを組み合わせて建てられるパネル工法の建物や、木材等を組み上げて建てられるいわゆる在来工法の建物において、勾配天井や折り上げ天井等を有する建物に利用できる。
本発明の第1実施形態に係る見切り材が適用された建物を示す断面図である。 前記実施形態に係る建物の部屋の拡大断面図である。 前記実施形態に係る見切り材の断面図である。 前記実施形態に係る見切り材の取り付け方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る見切り材の取り付け方法を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る見切り材の断面図である。 前記第3実施形態に係る見切り材の取り付け方法を説明するための図である。 本発明の変形形態に係る見切り材の取り付け方法を説明するための図である。 本発明の他の変形形態に係る見切り材の取り付け方法を説明するための図である。
符号の説明
 23   壁面
 35   水平天井面
 36   傾斜天井面
 40,40A,40B   見切り材
 50,50B       固定部
 60,60B       連結部
 61   溝
 70,70B       カバー部
 71   挟持部
 72   覆部

Claims (9)

  1. 2つの面が接合する部分に設けられる見切り材であって、
     各面に取り付けられる2つの固定部と、これら固定部の一端側が連結されて変形可能な連結部と、前記固定部を覆うカバー部とを備えていることを特徴とする見切り材。
  2. 請求項1に記載の見切り材において、
     前記固定部と前記連結部とは、押出成形で一体に形成されていることを特徴とする見切り材。
  3. 請求項1または2に記載の見切り材において、
     前記カバー部は、断面略コの字形状の挟持部と、この挟持部の一端側が延長されて形成された平板状の覆部とを備え、前記挟持部が前記固定部の他端側に嵌め込まれることにより、前記挟持部で前記固定部に支持されるとともに前記覆部で前記固定部を覆うことを特徴とする見切り材。
  4. 請求項3に記載の見切り材において、
     前記固定部と前記連結部との間に溝を有し、この溝は、前記カバー部の覆部が差し込まれることにより、前記カバー部の覆部を支持することを特徴とする見切り材。
  5. 請求項1または2に記載の見切り材において、
     前記カバー部は、前記連結部に連結され、この連結部が変形することにより前記固定部に対して開閉自在とされていることを特徴とする見切り材。
  6. 請求項1に記載の見切り材において、
     前記固定部およびカバー部は硬質材料から形成され、前記連結部は前記固定部およびカバー部より軟質の軟質材料から形成されていることを特徴とする見切り材。
  7. 請求項6に記載の見切り材において、
     前記固定部とカバー部との間には、前記連結部基端側に前記固定部とカバー部との相対位置を決める位置決め部が設けられるとともに、連結部先端側に前記固定部とカバー部とを係止する係止部が設けられていることを特徴とする見切り材。
  8. 請求項7に記載の見切り材において、
     前記位置決め部は、前記固定部とカバー部とを係止する際の支点となっていることを特徴とする見切り材。
  9. 請求項6に記載の見切り材において、
     前記連結部における前記2つの固定部間の略中心を切断してその片方のみを使用することを特徴とする見切り材。
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