JP2004076566A - 屋根支持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋根架構に対して屋根材をスライドさせずに固定する必要がある箇所に、従来から使用されているサドルと共通のサドルを用いて、屋根材を支持固定することのできる屋根支持具を提供する。
【解決手段】サドル2を構成する一対の部材2a,2bに形成した分割面の上側には、両部材2a,2bを密着させた状態で分割面を中心に対称となる逆T字形溝21を設ける。吊子3には、その下端にサドル2の長さよりも長い断面逆T字形の荷重伝達部31を設ける。荷重伝達部31には、吊子3をサドル2に固定しうるスライド固定手段として、サドル2の一端面に係止する爪部33と、サドル2の他端面に係止する固定ピン342とが設けられる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、折板型の金属屋根を支持する屋根支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属屋根は外気温、太陽輻射熱、風雨等の外的熱要因によって伸縮する。この熱要因によりストレスや摩擦力が屋根材に蓄積されると、屋根材は大きくうねり、バックリングと呼ばれる爆烈音を発生させることがある。そこで、本出願人は、このような屋根材の熱伸縮による爆裂音の問題を解決するため、例えば特許文献1に記載されているようなサドル及び吊子を備えた金属屋根の支持構造を開発して実用化している。
【0003】
図15から図17は、この種の二重葺き屋根の支持構造を示すもので、建築物の頂部に固定されたタイトフレーム7に折板型下屋根5を敷設し、その上に断熱材等を介して折板型上屋根4を敷設している。
【0004】
この支持構造では、左右二分割された一対の部材2a、2bからなるサドル2が使用される。これら一対の部材2a、2bは、ボルト61によって着脱自在に挟着され、一体化した状態で使用される。一体化したサドル2は、下屋根取付部22を下部に、分割面を中心に対称となる逆T字形溝21を上部に備えている。
【0005】
このサドル2は、下屋根5と上屋根4との間に取り付けられる。下屋根5及び上屋根4は、屋根流れ方向にそれぞれ平行な山部41、51を有し、各屋根材の端部に形成された山部41、51の中央線に沿って、隣接する上屋根4同士及び下屋根5同士がそれぞれはぜ締めされて連結されている。
【0006】
サドル2の下部の下屋根取付部22には、下屋根5のはぜ締め部が挟着される。また、図16及び図17に示すように、サドル2の下部と下屋根5のはぜ締め部とがタッピングビス64によって緊結されるものもある。これらの一対の部材2a、2bはボルト61によって一体に固定されている。
【0007】
下屋根5に固定されたサドル2の上部の逆T字形溝21には、断面逆T字形の荷重伝達部31を有する吊子3が挿入される。吊子3は、荷重伝達部31とともにサドル2より十分に長い長さを有し、逆T字形溝21内に挿入されてスライド可能に支持されている。また、荷重伝達部31の両端には、サドル2の逆T字形溝21からの脱落を防ぐための折曲部32が形成されている。
【0008】
この吊子3には、上屋根4の一の屋根材の山部41、51とともに、隣接する屋根材の山部41、51がはぜ締めされる。これによって、隣接する上屋根4の屋根材同士が連結され、上屋根4は吊子3とともに逆T字形溝21に沿ってスライド可能に支持される。
【0009】
したがって、外的熱要因により、上屋根4又は下屋根5の屋根材がサドル2の逆T字形溝21の長さ方向に伸縮した場合、屋根材を連結している吊子3もともにスライドする。このとき吊子3は、サドル2の逆T字形溝21にスライド可能に支持されているため、滑らかにスライドする。この結果、屋根材やこれを支持する各構成部材に熱応力が蓄積されるのを回避して、爆裂音等の発生を防ぐことができる。
【0010】
【特許文献1】
特許第3065940号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の支持構造は、屋根材を流れ方向に沿ってスライド可能に支持するものであるが、少なくとも棟の近傍部分や流れ方向の中間部分では、屋根材を屋根架構に対して固定する必要がある。
【0012】
したがって、このような固定すべき箇所に対応した屋根支持具が別途必要になるが、屋根の施工の際に複数種類の屋根支持具を用意し、施工箇所に応じて使い分けることは手間がかかり、コストも嵩む。
【0013】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたものであり、屋根架構に対して屋根材をスライドさせずに固定すべき箇所においても、前記従来の支持構造で使用されているサドルと共通のサドルを用いて屋根材を支持固定させ、これにより、施工過程における手間とコストを低減させることのできる屋根支持具を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る屋根支持具は、屋根材にはぜ締めされる吊子と、この吊子をスライド可能に支持するサドルを備えるとともに、前記吊子をサドルに固定しうるスライド固定手段が設けられたことを特徴とする。
【0015】
本発明の屋根支持具によれば、屋根材をスライド可能に支持している吊子を、サドルに固定してスライドさせないようにもすることができるので、棟の近傍部分や屋根の流れ方向の中間部分など、屋根材を固定する必要がある箇所においては、屋根材を屋根架構に固定することが可能となる。
【0016】
また本発明は、前記の屋根支持具において、サドルは左右二分割された一対の部材からなり、このサドルを構成する一対の部材は、上下方向の中央にて互いに密着するように形成された分割面をそれぞれ有し、これら分割面の上側には、両部材を密着させた状態で分割面を中心に対称となる逆T字形溝が、各部材の両端面間を貫通し、かつ上辺を各部材の頂面に開口して形成され、前記吊子は、その下端に前記サドルの長さよりも長い断面逆T字形の荷重伝達部がサドルの逆T字形溝に挿入されて支持され、前記吊子にスライド固定手段が設けられたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、吊子の荷重伝達部がサドルの逆T字形溝においてスライド可能に支持されるが、この吊子にスライド固定手段が設けられているので、サドルの逆T字形溝において吊子がスライドするのを拘束し、その結果、屋根材をスライドさせずに固定することができる。
【0018】
また本発明は、前記サドルを構成する一対の部材に、両部材を密着させた状態で下屋根を挟着する下屋根取付部が、サドルの両端面間を貫通し、かつサドルの底面に開口して形成されたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、屋根架構に対して下屋根をはぜ締めし、下屋根の上方に上屋根をはぜ締めする二重葺きの屋根構造においても、サドルに形成された下屋根取付部を利用してサドルを下屋根のはぜ締め部に挟着することにより、下屋根及び上屋根を屋根架構に対して好適に支持することができる。
【0020】
本発明の屋根支持具において、前記スライド固定手段の具体的な構成は、吊子とサドルとを貫通して固定する固定ピン又は固定ボルトであることを特徴とする。
【0021】
これによれば、固定ピン又は固定ボルトが吊子とサドルとを固定するので、吊子が逆T字形溝においてスライドするのを拘束し、吊子を介してはぜ締めされた屋根材をスライドさせずに屋根架構に支持固定することができる。
【0022】
また、本発明の屋根支持具において、前記スライド固定手段は、サドルの両端面にそれぞれ係止しうる一対のストッパーであってもよい。
【0023】
具体的には、一対のストッパーの少なくとも一方は、吊子の荷重伝達部の一部が爪状に形成されてなることを特徴とする。また、一対のストッパーの少なくとも一方は、ピン穴とこのピン穴に嵌入される固定ピンとを備えたものとされてもよい。さらに、一対のストッパーの少なくとも一方は、荷重伝達部に固定部材が固着されて形成されたものでもよい。
【0024】
これらの発明によれば、吊子に形成された一対のストッパーが、サドルの両端面にそれぞれ係止するので、吊子が逆T字形溝においてスライドするのを拘束することができる。これにより、吊子はサドルに固定されて動かないものとなり、この吊子を介してはぜ締めされた屋根材をスライドさせずに屋根架構に支持固定することができる。また、これらの一対のストッパーによれば、いずれも部品点数が少なくてすみ、吊子とサドルとの固定作業を容易に行うことができるので、コストや手間も低減させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る屋根支持具の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の屋根支持具としては多くの形態が考えられるが、以下の説明においてはそのうちの5形態とその変形例について示し、各実施の形態に重複する構成要素は次の第1の実施の形態における符号と同一の符号を用いて説明を省略するものとする。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態を示し、図1は屋根支持具をサドルの一端面側から見た斜視図、図2は図1の屋根支持具をサドルの他端面側から見た斜視図である。
【0027】
本実施の形態において屋根支持具10は、下屋根5と上屋根4との間に断熱材等を配設して、高い断熱・防音効果を得ることを目的とした二重葺きの屋根構造にて用いられている。そして、屋根支持具10は、かかる屋根構造の下屋根5と上屋根4との間に取り付けられる。
【0028】
屋根支持具10は、左右二分割された一対の部材2a、2bからなるサドル2と、サドル2に取り付けられて上屋根4とともにはぜ締めされる吊子3とを備えている。
【0029】
サドル2は金属成形品、又はABS樹脂、硬質プラスチック、エンジニアリング・プラスチック等による樹脂成形品である。このサドル2は、一対の部材2a、2bが上下方向の中央にて互いに密着する分割面をそれぞれ備えて構成され、断面形状が前記従来の技術における図17に示されたサドル2の断面形状と共通している。両部材2a、2bには、分割面を貫通して設けられたボルト挿通孔が、互いの孔中心を一致させて2箇所に形成されている。
【0030】
各部材2a、2bの分割面の上側には、両部材2a、2bを密着させた状態で分割面を中心に対称となる逆T字形溝21が設けられている。この逆T字形溝21は、各部材2a、2bの両端面間を貫通し、かつ上辺を各部材2a、2bの頂面に開口して形成されている。
【0031】
また、各部材2a、2bの分割面の下側には、両部材2a、2bを密着させた状態で下屋根を挟着する下屋根取付部22が設けられている。下屋根取付部22は、一方の部材2a側に下屋根5のはぜ締め部が係合する溝を有する。この下屋根取付部22は、サドル2の両端面間を貫通し、かつサドル2の底面に開口して形成されている。
【0032】
一方、吊子3はサドル2の長さよりも長く形成され、その下端に断面逆T字形の荷重伝達部31を有する。これにより、大型屋根に対しても安定した支持構造が確保される。この荷重伝達部31は、サドル2の逆T字形溝21に挿入されて支持される。この荷重伝達部31と、荷重伝達部31を支持するサドル2の逆T字形溝21とが逆T字形状に形成されたことで、屋根荷重はサドル2の逆T字形溝21の底面全体に分散される。
【0033】
この吊子3の荷重伝達部31には、吊子3をサドル2に固定するスライド固定手段としての一対のストッパー30が、互いにサドル2の長さ分を隔てて形成されている。
【0034】
一対のストッパー30の一方は、荷重伝達部31の下方に折曲した爪部33が形成されている。爪部33は、荷重伝達部31の一部があらかじめ折曲げ変形して形成され、サドル2の一端面に係止しうるものとなっている。
【0035】
また、ストッパー30の他方は、ピン穴431と、このピン穴341に嵌入される固定ピン342とによって構成されて、サドル2の他端面に係止しうるものとなっている。ピン穴341は荷重伝達部31の一部を切り欠いて矩形に形成され、固定ピン342はこのピン穴341に対応して矩形の楔状に形成されている。
【0036】
一対のストッパー30は、吊子3の下端から両側に張り出して形成されている荷重伝達部31の一方に、それぞれバランスよく配置されている。すなわち、逆T字形溝21に挿入された吊子3は、かかる一対のストッパー30によってサドル2に固定されるとともに、荷重伝達部31の中央付近において安定して支持されることになる。
【0037】
このような屋根支持具10を介する二重葺き屋根の施工においては、まず、図示されないタイトフレームに下屋根5がはぜ締めされる。
【0038】
次いで、下屋根5のはぜ締め部にサドル2を載置する。サドル2は、下屋根5のはぜ締め部を下屋根取付部22に挟み込み、タッピングビス64によって下屋根5に固定される。また、サドル2は、一方の部材2aの側方からボルト挿通孔にボルト61を挿入し、その先端に他方の部材2bの側方から座金63を介してナット62を緊結することにより下屋根5とともに一体に締結される。
【0039】
次に、下屋根5の上面に図示されない防音断熱材等を敷設し、サドル2上に上屋根4のすくい側のはぜ部を載置する。
【0040】
ここで、サドル2の逆T字形溝21に、吊子を挿入する。このとき、例えば棟の近傍部分や屋根の流れ方向の中間部分など、屋根材を屋根架構に対して固定する必要のある箇所に位置するサドル2には、一対のストッパー30を備えた吊子3が挿入される。
【0041】
吊子3は、サドル2の逆T字形溝21に挿入されると、爪部33がサドル2の端面に係止する。次に、吊子3が係止した状態で、ピン穴341に固定ピン342を嵌入する。固定ピン342は楔状に形成されているので、ハンマで軽く叩き込むなどしてピン穴341に差し込み、固定する。これにより、吊子3はサドル2の逆T字形溝21に支持固定される。
【0042】
また、屋根の流れ方向の端部など、屋根材の熱伸縮を吸収させるべき箇所に位置するサドル2の逆T字形溝21においては、サドル2の逆T字形溝21にスライド固定手段が形成されていない従来の吊子3を挿入する。また、かかるサドル2に、一対のストッパー30が形成された吊子3を挿入してもよく、この場合には爪部33が折曲げ変形されていない状態のものを使用し、ピン穴341に固定ピン342を嵌入しないことで対応することができる。
【0043】
この結果、屋根材の熱伸縮を吸収させるべき箇所の屋根材は、熱要因によって伸縮が生じたときに吊子3とともにスライドすることが可能であるので、爆裂音の発生を防ぐことができる。
【0044】
次に、上屋根4のかぶせ側のはぜ部をサドル2上に載置する。上屋根4のすくい側のはぜ部と、かぶせ側のはぜ部とは、吊子3を介してはぜ締めされ、屋根支持具10を介した二重葺き屋根の施工が完了する。
【0045】
このように、吊子に形成された一対のストッパー30によって、屋根材を屋根架構に対して固定する必要のある箇所においては、爪部33をサドルの一端面に係止させ、固定ピン342をピン穴341に挿し込んでサドルの他端面に係止させるだけの極めて簡単な作業で、吊子3をサドル2に固定することができる。
【0046】
なお、本実施の形態の屋根支持具10において、固定ピン342は荷重伝達部31に形成されたピン穴341に繋ぎ止められたものであってもよい。
【0047】
また、図3及び図4に示すように、サドル2に形成される下屋根取付部22は、サドル2を構成する両部材の分割面を中心に対称となるT字形の溝が、各部材の両端面間を貫通し、かつ下辺を各部材の底面に開口して分割面の下側に形成されるものであってもよい。この場合、サドル2を下屋根5に取り付ける際の方向性が限定されず、T字形に形成された両部材2a、2bの溝に対し、選択的にはぜ締め部を挟着させることができる。
【0048】
<第2の実施の形態>
図5は本発明に係る屋根支持具の第2の実施の形態を示す斜視図である。本実施の形態の屋根支持具10は、吊子3のスライド固定手段が前記第1の実施の形態と異なる構成を有している。
【0049】
例示の形態では、吊子3のスライド固定手段として、吊子3とサドル2との双方に貫通して両者を固定する固定ピン35aが設けられている。この固定ピン35aは、鋼材等により鉤形に形成され、サドル2の一方の部材2bに上下方向に貫通して設けられたピン挿通孔23と、吊子3の荷重伝達部31の中央付近にに設けられたピン挿通孔31aとに嵌入され、サドル2と吊子3とを固定する。
【0050】
したがって、屋根の施工工程においてサドル2の逆T字形溝21に挿入された吊子3は、この固定ピン35aによってサドル2に固定されるので、吊子3がサドル2の逆T字形溝21においてスライドせずに拘束されて屋根材を固定することができる。
【0051】
また、このようなスライド固定手段としては、前記の固定ピン35aのほか、同様の箇所に固定ボルト35bが設けられてもよい。図6に示すように、固定ボルト35bは、サドル2及び吊子3に貫通して両者を緊結するので、吊子3がサドル2に固定され、かかる位置において屋根材を屋根架構に対して固定することができる。
【0052】
<第3の実施の形態>
図7及び図8は本発明に係る屋根支持具の第3の実施の形態を示し、図7は屋根支持具をサドルの一端面側から見た斜視図、図8は図7の屋根支持具をサドルの他端面側から見た斜視図である。本実施の形態の屋根支持具10は、吊子3に形成された一対のストッパー30の構成に特徴がある。
【0053】
図示するように、本実施の形態の屋根支持具10の一対のストッパー30は、吊子3の下端から両側に張り出して形成された荷重伝達部31の一方に設けられている。そして、一対のストッパー30は、この荷重伝達部31において、サドル2の長さ分を隔ててバランス良く配置され、それぞれピン穴341とこのピン穴341に嵌入される固定ピン342とを備えている。
【0054】
ピン穴341は荷重伝達部31の一部を切り欠いて矩形に形成され、固定ピン342はこのピン穴341に対応して矩形の楔状に形成されている。固定ピン342は、ハンマで軽く叩き込むなどしてピン穴341に差し込まれ、固定される。
【0055】
かかる一対のストッパー30によって、サドル2の逆T字形溝21に挿入された吊子3をサドル2に固定することができるので、吊子3にはぜ締めされた屋根材を屋根架構に対して安定的に固定することができる。
【0056】
また、かかる一対のストッパー30の変形例として、例えば図9に示すように、ピン穴341が吊子3の下部に、サドル2(図示省略)の長さ分を隔てて形成されて、固定ピン342がサドル2の両端面に沿ってそれぞれ嵌入されるものでもよい。ピン穴341に嵌入された各固定ピン342は、サドル2の両端面に係止するので、吊子3をサドル2に固定することができる。
【0057】
このほか、一対のストッパー30は、図10に示すように、荷重伝達部31の一部を切り欠いて形成された嵌合凹部361と、この嵌合凹部361に嵌入される嵌合部材362とで構成されるものであってもよい。この嵌合部材362は、サドル係止面362aを両端に備えた上面視コ字状に形成され、サドル2の外側から各嵌合凹部361に嵌入される。そして、嵌合部材362のサドル係止面362aがサドル2の両端面に係止して、吊子3をサドル2に固定する。
【0058】
これらのいずれの場合にも、一対のストッパー30によってサドル2と吊子3とを容易に固定することができるので、吊子3のスライド動作を制限して屋根材を支持固定することができる。
【0059】
<第4の実施の形態>
図11は、本発明に係る屋根支持具の第4の実施の形態における吊子の斜視図である。本実施の形態の屋根支持具10は、吊子3に一対のストッパー30として、サドル2(図示省略)の両端面に係止しうる爪部37aが形成されている点に特徴がある。
【0060】
図示するように、各爪部37aは、吊子3の荷重伝達部31の両端が、サドル2の長さ分を隔てた位置で下方に折曲げ可能に形成されている。また、吊子3は、屋根材とともにはぜ締めされる上辺部が長い台形状に形成されて、爪部37aが折曲げられた状態でも屋根材を安定して支持できるように構成されている。
【0061】
このような一対の爪部37aは、ハンマ等でサドル2側に叩かれて、吊子3が挿入されたサドル2の両端面に当接する(矢符A参照)。これにより、吊子3をサドル2に固定することができる。
【0062】
また一対のストッパー30は、図12に示すように、爪部37bが荷重伝達部31の底面に設けられて、下方へ折曲げ可能とされたものであってもよい。例示の形態では、吊子3をサドル2の逆T字形溝21に挿入するときは各爪部37bの少なくとも一方が、荷重伝達部31の底面に接した状態で備えられており、逆T字形溝21に挿入後、爪部37bを下方へ開いて折曲げ変形させる(矢符B参照)。これにより、一対の爪部37bがサドル2の両端面に係止して、吊子3をサドル2に固定することができる。
【0063】
これらのいずれの場合にも、吊子3に形成された一対の爪部を変形させる作業だけで、吊子3をサドル2に固定することができるので、サドル2と吊子3とを容易に固定して、施工作業も効率よく行うことができる。
【0064】
<第5の実施の形態>
図13は本発明に係る屋根支持具の第5の実施の形態における吊子の斜視図である。本実施の形態の屋根支持具10は、吊子3に一対のストッパー30として、固定部材が吊子3の荷重伝達部31に固着されている点に特徴がある。
【0065】
図示するように吊子3に取り付けられる固定部材38aは、断面逆T字形の嵌合溝381を備え、断面逆T字形に形成された荷重伝達部31に嵌合しうるように構成されている。また、吊子3の荷重伝達部31には、サドル2の長さ分程度の間隔をおいて固定用孔(図示省略)が設けられている。
【0066】
各固定部材38aは、吊子3の荷重伝達部31に嵌合され、ビス等の止着具にて前記の固定用孔に固着される。これにより、サドル2(図示省略)の逆T字形溝21に挿入された吊子3は、固定部材38aの端部がサドル2の両端面に係止するので、サドル2に固定されることになる。
【0067】
また、かかる固定部材は、図14に示すように構成されてもよい。例示の形態では、固定部材38bは、吊子3の両端部に嵌合しうる嵌合部382を備えている。固定部材38bの下端部には吊子3に固定するための固定片383が設けられ、固定用孔383aが形成されている。吊子3の荷重伝達部31には、この固定用孔383aに対応したピン穴(図示省略)が形成されている。
【0068】
固定部材38bを吊子3に固定するには、結合ピン384が用いられる。結合ピン384は略コ字状に形成されて、両端部が固定用孔383a及びピン穴に嵌入しうるように形成されている。固定部材38bの嵌合部382は、吊子3の両端部に嵌合されて、固定片383の固定用孔383aと荷重伝達部31のピン穴とが合致する。そして、結合ピン384が、サドル2の頂面側から、これらの固定用孔383a及びピン穴に嵌入される。これにより、吊子3の両端部に固定部材38bがそれぞれ固定されて、固定部材38bの端部が吊子3の挿入されたサドル2の両端面に係止するので、サドル2に吊子3を固定することができる。
【0069】
このように構成される一対のストッパー30によっても、サドル2と吊子3とを確実に固定することができるので、吊子3のスライド動作が制限されて、かかる位置において屋根材を屋根架構に支持固定することができる。
【0070】
なお、前記各実施の形態においては、二重葺きの屋根構造に適用される屋根支持具について説明したが、本発明に係る屋根支持具はこれに限られず、一重葺きの屋根構造においても好適に実施することができる。この場合にも、吊子3をサドル2に容易に固定して、前記実施の形態と同様の効果をもたらすものとなる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る屋根支持具では、サドルにスライド可能に支持された吊子を、棟の近傍部分や屋根の流れ方向の中間部分などの屋根材を固定する必要がある箇所においては、スライド固定手段によってサドルに固定してスライドさせないようにすることができる。
【0072】
このようなサドルを構成する一対の部材には、両部材を密着させた状態で下屋根を挟着する下屋根取付部が、サドルの両端面間を貫通し、かつサドルの底面に開口して形成されてもよく、二重葺きの屋根構造の場合にも、下屋根のはぜ締め部をこの下屋根取付部に挟着させて、屋根材をスライドさせることなく屋根架構に支持固定することができる。
【0073】
また本発明は、屋根支持具にスライド固定手段として、吊子とサドルとを貫通して固定する固定ピン又は固定ボルトが設けられるので、吊子が逆T字形溝においてスライドするのを拘束し、吊子を介してはぜ締めされた屋根材をスライドさせずに屋根架構に支持固定することができる。
【0074】
また、本発明に係る屋根支持具は、吊子の荷重伝達部に一対のストッパーが設けられ、これらのストッパーをサドルの逆T字形溝の両端部に係止させて吊子をサドルに固定する。これにより、吊子を介してはぜ締めされた屋根材は、スライドしないように拘束されて、屋根架構に安定的に固定することができる。したがって、屋根架構に対して屋根材を固定する箇所と、屋根材をスライド可能に支持させる箇所とで、サドルを使い分ける必要がなくなり、作業性が高められる。
【0075】
前記一対のストッパーとして荷重伝達部を爪状に形成した場合には、この爪部分がサドルの端面に係止して吊子をサドルに固定することができる。また、一対のストッパーとして荷重伝達部にピン穴と、このピン穴に嵌入される固定ピンとを設けた場合には、サドルの端面にピン穴に嵌入された固定ピンが固定されるので、吊子をサドルに固定することができる。
【0076】
このように、本発明の屋根支持具は、前記従来の支持構造で使用されているサドルと共通のサドルを用いても屋根材を支持固定させることができるとともに、屋根材を屋根架構に固定する必要がある箇所においては、少ない部品点数で容易に吊子とサドルとを固定することが可能となるので、施工過程における手間とコストも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根支持具の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の屋根支持具をサドルの他端面側から見たところを示す斜視図である。
【図3】前記屋根支持具の変形例を示す斜視図である。
【図4】図3の屋根支持具をサドルの他端面側から見たところを示す斜視図である。
【図5】本発明に係る屋根支持具の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】前記屋根支持具の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る屋根支持具の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】図7の屋根支持具をサドルの他端面側から見た所を示す斜視図である。
【図9】前記屋根支持具の変形例を示す斜視図である。
【図10】前記屋根支持具の変形例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る屋根支持具の第4の実施の形態における吊子の斜視図である。
【図12】前記屋根支持具の変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る屋根支持具の第5の実施の形態における吊子の斜視図である。
【図14】前記屋根支持具の変形例を示す斜視図である。
【図15】従来の金属屋根の支持構造を示す斜視図である。
【図16】従来の金属屋根の支持構造を示す斜視図である。
【図17】従来の金属屋根の支持構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2    サドル
2a,2b  一対の部材
21   逆T字形溝
22   下屋根取付部
3    吊子
30   一対のストッパー
31   荷重伝達部
33   爪部
341  ピン穴
342  固定ピン
35a  固定ピン
35b  固定ボルト
361  嵌合凹部
362  嵌合部材
362a サドル係止面
37a,37b  爪部
38a,38b  固定部材
381  嵌合溝
382  嵌合部
383  固定片
383a 固定用孔
384  結合ピン
4    上屋根
5    下屋根
10   屋根支持具

Claims (8)

  1. 屋根材にはぜ締めされる吊子と、この吊子をスライド可能に支持するサドルを備えるとともに、前記吊子をサドルに固定しうるスライド固定手段が設けられたことを特徴とする屋根支持具。
  2. サドルは左右二分割された一対の部材からなり、このサドルを構成する一対の部材は、上下方向の中央にて互いに密着するように形成された分割面をそれぞれ有し、これらの分割面の上側には、両部材を密着させた状態で分割面を中心に対称となる逆T字形溝が、各部材の両端面間を貫通し、かつ上辺を各部材の頂面に開口して形成され、
    吊子は、その下端に前記サドルの長さよりも長い断面逆T字形の荷重伝達部がサドルの逆T字形溝に挿入されて支持され、
    前記吊子にスライド固定手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の屋根支持具。
  3. 請求項2に記載の屋根支持具において、サドルを構成する一対の部材には、両部材を密着させた状態で下屋根を挟着する下屋根取付部が、サドルの両端面間を貫通し、かつサドルの底面に開口して形成されたことを特徴とする屋根支持具。
  4. スライド固定手段は、吊子とサドルとを貫通して固定する固定ピン又は固定ボルトであることを特徴とする請求項2又は3に記載の屋根支持具。
  5. スライド固定手段は、サドルの両端面にそれぞれ係止しうる一対のストッパーであることを特徴とする請求項2又は3に記載の屋根支持具。
  6. 請求項5に記載の屋根支持具において、一対のストッパーの少なくとも一方は、荷重伝達部の一部が爪状に形成されてなることを特徴とする屋根支持具。
  7. 請求項5に記載の屋根支持具において、一対のストッパーの少なくとも一方は、ピン穴とこのピン穴に嵌入される固定ピンからなることを特徴とする屋根支持具。
  8. 請求項5に記載の屋根支持具において、一対のストッパーの少なくとも一方は、荷重伝達部に固定部材が固着されて形成されたことを特徴とする屋根支持具。
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