JP2004074572A - フィルム熱処理装置 - Google Patents

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Tsuyoshi Takenaka
武中 剛志
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Abstract

【課題】複屈折すなわち光学的位相差が小さくかつ幅方向にバラツキの少ない、光学的等方性に優れた耐熱性熱可塑性樹脂フィルムを生産するための熱処理装置を提供する。
【解決手段】少なくとも巻き出し部、エアフローティング方式の加熱炉、巻き取り部を有し、ロール状の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムを加熱炉の出入り口にそれぞれに配置された2本のロール間でフィルム加工方向に張力を加えて熱処理を行う熱処理装置において、加熱炉の出入り口にそれぞれ配置された2本のロールのうち少なくとも一方のロールの直径が、ロール幅方向に平均直径±10%の範囲で滑らかに変化しているロールであることを特徴とするフィルム熱処理装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性熱可塑性樹脂フィルムをロールトゥロールで熱処理を行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来液晶パネルの基板としはガラスが使用されているが、パネルの軽量化、可撓性や耐衝撃性の向上のため、近年プラスティック基板の検討が盛んに行われておりすでに一部で実用化が進んでいる。
プラスティック基板の材料としては、ポリエーテルサルフォン、エポキシ、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の耐熱性樹脂が検討されているが、それらの製法は溶融押出し法、溶液流延法、溶液注型法等が用いられる。これら製法のうち、生産性、コストの面では溶融押出し法がもっとも優れているが、加熱溶融させた樹脂をフィルム化する際に発生する分子配向によりフィルムの複屈折及び屈折率楕円体の光学的主軸の振れといった光学的異方性が欠点として明らかになっている。
【0003】
また、DVD等の光記憶媒体も記録の高密度化または小型化に伴い、従来のポリカーボネート等の射出成形による製法から、ポリカーボネートや環状ポリオレフィン等のフィルムを使用した構成の検討がなされている。この場合はフィルムの製法としては溶液流延法、溶融押出し法のいずれかになるが、コスト生産性の面からは溶融押出し法が優れている反面、液晶用途と同様に光学異方性が問題となる。
【0004】
溶融押出しフィルムの光学的異方性を改善するため、樹脂のガラス転移点に近い温度で加工方向に張力を加えることにより分子配向を制御して、複屈折および、光学的主軸の振れ幅の低減を図る方法(特開平8−15692号公報など)が提案されている。
【0005】
これらの方法により、複屈折および光学的主軸の振れ幅は改善され、モノクロのSTN型等の液晶表示パネルでは実用に耐えうるレベルのフィルムを作製することは可能であったが、近年液晶表示パネルのカラー化、高細密化が進みさらに光学的異方性の小さいフィルムが求められている。
溶融押出し法によりフィルム化を行う場合、溶融樹脂がダイスから押出される際のネックインや冷却ロールに達するまでの雰囲気の温度ムラ、冷却ロールで固化される際のフィルム端部と中央部収縮挙動の違い等により、でき上がったフィルムの複屈折や光学的主軸の方向にはフィルム幅方向の分布が存在する。フィルムの幅方向の中央部分は比較的安定しているが、両端では偏りが顕著である。
【0006】
このような幅方向に分布を持つフィルムをガラス転移温度近くで張力を加えて分子配向を制御しようとした場合、フィルム幅方向に均一な張力を負荷して処理を行っても、フィルム製膜時に形成された幅方向の分布は完全に解消しない。したがって、処理後のフィルムは光学的位相差等の平均値は低減されるが、幅方向に分布を持つため、問題とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複屈折すなわち光学的位相差が小さくかつ幅方向にバラツキの少ない、光学的等方性に優れた耐熱性熱可塑性樹脂フィルムを生産するための熱処理装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は
少なくともフィルム繰り出し部、エアフローティング方式の加熱炉、フィルム巻き取り部を有し、ロール状の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムを加熱炉の出入り口にそれぞれに配置された2本のロール間でフィルム加工方向に張力を加えて熱処理を行う熱処理装置において、加熱炉の出入り口にそれぞれ配置された2本のロールのうち少なくとも一方のロールの直径が、ロール幅方向に平均直径±10%の範囲で滑らかに変化しているロールであることを特徴とするフィルム熱処理装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いながら詳細に説明する。
本発明による熱処理装置は図2に示されるように、ロール状のフィルムを連続的に処理を行うものであり、少なくともフィルム繰り出し部21、加熱炉24、フィルム巻き取り部27で構成される。フィルム繰り出し部21、加熱炉24、フィルム巻き取り部27はそれぞれ独立した張力で制御されていることが好ましく、そのためにはそれぞれの間で張力をカットするニップロール22、26またはサクションロールを配置することが好ましい。
【0010】
加熱炉24については、炉内すなわち熱処理区間に搬送用ロールを配さないエアフローティング方式の加熱炉が好ましい。熱処理区間でロール等に接触すると、接触部で応力が生じ、その結果分子配向に乱れが生じるために好ましくない。したがって、熱処理区間では加熱炉の出入り口に配置された加熱炉入口ロール23と加熱炉出口ロール25との2本のロール間でフィルムが張られた状態になることになる。
【0011】
一方、溶融押し出しフィルムはダイスのリップから出た樹脂の自重による延伸やネックイン、冷却による収縮、引き取り搬送時の張力、流れ方向及び厚み方向に生じる温度分布等の影響を受けるため、できたフィルムの分子配向は避けられない。一般的にはリップから冷却ロールまでの雰囲気下および冷却ロールで冷却固化される際に、幅方向つまり流れ方向に垂直な方向に分子配向が生じるが、端部に近づくに従い、引き取り張力の影響を受け流れ方向に平行なベクトルが付加されるため、若干流れ方向に傾いた配向を持つことになる。
【0012】
このようなフィルムを幅方向に均一な張力を加えながら熱処理した場合、端部近くの分子配向が中央よりも容易に矯正され光学的位相差も小さくなるが、中央部の光学的位相差をさらに小さくするために張力を加えつづけると、端部は流れ方向の配向が強くなり逆に光学的位相差が大きくなってしまう。
本発明では、加熱炉出入り口に配置された加熱炉入口ロール23と加熱炉出口ロール25との2本のロールのうち、少なくとも一方のロールを平均直径±10%範囲でなだらかに変化させたロール(以下異径ロールと称する)を使用する。具体的には例えば図1に示すように中央部の直径はほぼ均一で、両端に近い部分の直径は中央部の直径に対してなだらかに小さくなるように設計する。加熱炉出口側のロールは異径ロールにする方が好ましい。
【0013】
このようなロールを使用することにより、フィルム端部に加わる張力は中央部に比べ小さくなるため、光学的位相差が幅方向により均一なフィルムを作製することができる。
なお、異径ロールの形状は図1の形状に限定するものではなく、処理前のフィルムが持つ光学的位相差の幅方向分布に従い、適宜選定すればよい。さらにはロールの汎用性を考慮すると、機械的に直径を変化させることができるように設計されたロールを使用することが好ましい。例えば、ゴム等の弾性体や薄い金属のジャケット構造になったロールの内部をいくつかのブロックに区切りロール外周方向に圧力を加えることで外径を変化させることのできる構造が考えられる。圧力としては、機械的な構造でジャケットを押す構造や、オイルやエア等の圧力媒体を用いてジャケットを内部から押し広げる構造等の方法が可能である。
【0014】
また、熱処理装置にはEPC(エッジポジションコントローラー)、ジョイント装置、ウェブクリーナー、位相差計、厚み計、非接触フィルム温度計、アキュムレーター、ターレット等の付帯設備を取り付けても構わない。
このような熱処理装置により、加工された光学用耐熱熱可塑性樹脂フィルムは、光ディスクや液晶パネルに要求される透明性や耐熱性等の樹脂本来の優れた特性に加え、光学的位相差が小さく、なおかつ幅方向分布の良好なものとなる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明する。
実施例および比較例では、住友化学社製のポリエーテルサルフォン樹脂:スミカエクセル4100P(ガラス転移温度223℃)を溶融押出し法により、厚さ0.2mm、幅640mmのロール状に巻き取られたフィルムを作製して用いた。このフィルムの未処理状態での光学的位相差を測定した結果、表1に示すような数値になった。
なお、光学的位相差の測定は新王子製紙社製の傾斜型自動複屈折計(KOBRA−21ADH)を使用し、フィルム幅方向について等間隔で9点測定した。
【0016】
《実施例》
前述のポリエーテルサルフォンフィルムを図2に示すような装置により熱処理を行った。装置にはフィルム繰出し部、繰り出し側ニップロール、エアフローティング方式の加熱炉、巻き取り側ニップロール、フィルム巻き取り部を有した構造で、加熱炉の出口ロールに異径ロールを配置した。異径ロールは図1に示すような形状で、幅は800mmであり、中央部の直径は150mm、両端部の直径は140mmであり、幅方向中心から200mmの位置より350mmの位置までテーパー状に直径を変化させた構造になっている。
処理条件は、炉内温度220℃、加熱炉内の張力25gf/mm、ライン速度2.0m/minで行った。処理後のフィルムの光学的位相差を測定した結果を表1に示す。
【0017】
《比較例》
実施例で用いたポリサルフォン樹脂フィルムを加熱炉の出口ロール以外は実施例と同様な装置で、かつ実施例と同様の処理条件で熱処理を行った。なお出口ロールは直径が150mmで均一なロールを配置した。
このようにして処理したポリエーテルサルフォンフィルムの光学的位相差を測定した結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004074572
【0019】
【発明の効果】
本発明による熱処理装置によりと光学的異方性が小さく、かつフィルムの幅方向のバラツキが少ない光学用熱可塑性樹脂フィルムの供給が可能となる。このフィルムに透明導電層等を付与することにより、低コストで従来のガラス基板に比べ軽量で割れに強い液晶パネルを作製することができ、また所定のディスクサイズに打ち抜き記録層や保護層等の必要な層構成に加工することにより、光ディスクを作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異径ロールの例である。
【図2】フィルム熱処理装置の例である。
【符号の説明】
21 … フィルム繰り出し部
22、26 … ニップロール
23 … 加熱炉入口ロール
24 … 加熱炉
25 … 加熱炉出口ロール(異径ロール)
27 … フィルム巻き取り部

Claims (1)

  1. 少なくともフィルム繰り出し部、エアフローティング式の加熱炉、フィルム巻き取り部を有し、ロール状の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムを加熱炉の出入り口にそれぞれに配置された2本のロール間でフィルム加工方向に張力を加えて熱処理を行う熱処理装置において、加熱炉の出入り口にそれぞれ配置された2本のロールのうち少なくとも一方のロールの直径が、ロール幅方向に平均直径±10%の範囲で滑らかに変化しているロールであることを特徴とするフィルム熱処理装置。
JP2002237945A 2002-08-19 2002-08-19 フィルム熱処理装置 Pending JP2004074572A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7803900B2 (en) * 2005-09-29 2010-09-28 Fujifilm Corporation Thermoplastic resin film and method for producing the same

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