JPWO2012102178A1 - 樹脂フィルムの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
表面に凹凸形状が形成される樹脂フィルムであって、光学的な歪みが低く抑えられ、かつ、バラツキの少ない樹脂フィルムの製造方法及び製造装置を提供する。溶融した熱可塑性樹脂をダイ3からフィルム状に押し出し、押し出しされたフィルム状の熱可塑性樹脂を、両端部を除く外周面に凹凸形状が形成されるとともに両端部の外周面が鏡面加工された第1の冷却ロール4と第1の冷却ロール4と所定の間隔をおいて配置された押圧手段5との間に、その両端部が第1の冷却ロール4の鏡面加工された両端部にかかるように供給する押出工程と、熱可塑性樹脂を、押圧手段5で第1の冷却ロール4に押し付けて、熱可塑性樹脂を冷却しつつ、表面に第1の冷却ロール4の凹凸形状を転写して樹脂組成物を樹脂フィルムに成形する冷却成形工程と、を有する樹脂フィルムの製造方法。
Description
本発明は、樹脂フィルムの製造方法及び製造装置に係り、特に、形成される樹脂フィルムの冷却時収縮による幅方向のすべりをなくして、フィルムの光学的な歪みを抑制するとともに、光学的な歪みのバラツキを低減することで製品歩留まりを向上させた樹脂フィルムの製造方法及び製造装置に関する。
光学用途に用いられる樹脂フィルムは、例えば、光ディスクや偏光板と組み合わせた液晶セル、位相差フィルム、拡散フィルム、輝度向上フィルム等に広く用いられている。これらの光学用途に用いられる樹脂フィルムは、所定の光学特性を発現させるために製造時に生じる光学的な歪みをできるだけ小さくする必要がある。
製造時に生じる光学的な歪みを小さくする方法として、例えば、最初の冷却ロール(第1の冷却ロール)の温度を樹脂のガラス転移温度や溶融温度に対して所定の温度範囲として樹脂フィルムを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1乃至2参照。)。これら特許文献1、2に記載されている方法は、表面が平滑な樹脂フィルムの光学的な歪みを小さくする手法としては有効である。
一方、光学樹脂フィルムとしては、表面が平滑な樹脂フィルムのほかに、樹脂フィルムの表面に凹凸形状を形成し、光を散乱させる機能を付与したものが求められている。一般に、表面に凹凸形状が形成された樹脂フィルムは、溶融した透明樹脂をダイからフィルム状に押出し、外周面が平滑な第1の冷却ロールと、外周面に凹凸形状が形成された第2の冷却ロールとの間に挟み込んで第2の冷却ロールの凹凸形状を転写し、第2の冷却ロールに巻き掛けた後、引取りロールで引取ることによって得られる。
ところが、このような表面に凹凸形状を形成した樹脂フィルムの成形条件を、特許文献1、2に記載されているように、冷却ロールの温度を樹脂のガラス転移温度と関連付けて設定すると、第1、第2の冷却ロール間に挟み込まれた樹脂フィルムに凹凸形状を転写する過程で光学的な歪みが大きくなるという問題があった。
そこで、凹凸形状を有する樹脂フィルムについて、その製造過程での光学的な歪みを低減させる方法としては、冷却ロールと押圧ロールとの周速度の関係、さらには第2の冷却ロール又は引取りロールとの周速度の関係が所定の範囲を満たすようにして光学的な歪みを低減させる方法が提案されている(例えば、特許文献3及び4参照。)。
しかしながら、上記の特許文献3及び4に記載されているような周速度を所定範囲とする方法は、樹脂フィルムの種類や厚さ、フィルムの冷却条件などが変わると制御条件も変わるため、作業が複雑になるという問題がある。加えて、これらの方法では、光学的な歪みの低減が不充分な場合がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決しようとするものであり、表面に凹凸形状がエンボス加工された樹脂フィルムの光学的な歪みを低く抑えるとともに、光学的な歪みのバラツキを少なくする樹脂フィルムの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、樹脂フィルム製造において冷却時の樹脂フィルムの収縮を抑えることで、光学的な歪みを低く、かつ、光学的な歪みのバラツキを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の樹脂フィルムの製造方法は、溶融した熱可塑性樹脂(以下、溶融樹脂ともいう)をダイからフィルム状に押し出し、押し出されたフィルム状の溶融樹脂を、両端部を除く外周面に凹凸形状が形成されるとともに前記両端部の外周面が鏡面加工された冷却ロールと前記冷却ロールと所定の間隔をおいて配置された押圧手段との間に、その両端部が前記冷却ロールの鏡面加工された両端部にかかるように供給する押出工程と、前記フィルム状の溶融樹脂を、前記押圧手段で前記冷却ロールに押し付けて、前記溶融樹脂を冷却しつつ、表面に前記冷却ロールの凹凸形状を転写して前記溶融樹脂を樹脂フィルムに成形する冷却成形工程と、を有することを特徴とする。
本発明の樹脂フィルムの製造装置は、溶融した熱可塑性樹脂をフィルム状に押し出すダイを有する押出手段と、外周面に凹凸形状が形成された冷却ロールと前記冷却ロールと所定の間隔をおいて配置された押圧手段とを備え、前記押出手段で押出されたフィルム状の溶融樹脂を前記冷却ロールと押圧手段との間で挟圧して、前記熱可塑性樹脂を冷却しつつ、表面に凹凸形状を転写する冷却成形手段と、を備えた樹脂フィルムの製造装置であって、前記冷却ロールの凹凸形状が両端部を除く外周面に形成されており、前記両端部の外周面は鏡面加工とされていることを特徴とする。
この樹脂フィルムの製造方法及び製造装置において、押圧手段は、鏡面加工されていても、凹凸形状が形成されていてもいずれでもよく、製造しようとする樹脂フィルムに合わせて使い分ければよい。この押圧手段としては、たとえば、押圧ロール、あるいは押圧ベルトで、フィルム状に押し出された熱可塑性樹脂の表面に所望の凹凸形状を付与するように、その外周面に凹凸形状が施されている。また、冷却成形工程の後、さらに樹脂フィルムを冷却するようにして、段階的に樹脂フィルムを冷却するのが好ましい。
本発明の樹脂フィルムの製造方法及び製造装置によれば、フィルム状に押し出した溶融樹脂を冷却する際、冷却ロール上でフィルム状の溶融樹脂の幅方向への収縮を抑制することで、製造される樹脂フィルムの光学的な歪みを抑え、その結果、位相差を低くできる。また、本発明の樹脂フィルムの製造方法及び製造装置によれば、得られる樹脂フィルムの位相差の幅方向におけるバラツキも抑制できる。さらに、冷却ロールの温度範囲を狭くする必要がないため、作業性が良好で、Hazeや表面形状の転写率の制御が容易であるため生産性にも優れる。
そのため、得られる樹脂フィルムの品質(光学特性)が均一となり、製品信頼性が向上し、また、得られる樹脂フィルムにおいて製品として使用できる領域が極めて広く、歩留まりが非常に良好となる。
本発明において用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であり、非晶性熱可塑性樹脂が好ましい。ポリサルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、環状ポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、セルロースアセテート樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、透明性に優れるうえ、固有複屈折率や光弾性係数が小さく、溶融押出成形において要求される耐熱性にも優れることから、環状ポリオレフィンであるノルボルネン系樹脂、ポリカーボネートが好適に用いられる。
なお、本発明において、上記樹脂としては透明樹脂であることが好ましく、この場合、透明とは、両表面が平滑な厚さ100μmのシートとしたときの全光線透過率が80%以上であることを意味する。
これらの中でも、光学特性が良好であることから、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、芳香族ポリカーボネート樹脂、および環状ポリオレフィン樹脂であるノルボルネン系樹脂を好ましく使用できる。
上記熱可塑性樹脂には、必要に応じて添加剤を添加してもよい。
添加剤としては、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐衝撃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、難燃剤、染料、顔料等の着色剤等、通常、樹脂フィルムに含有させるために使用できる公知の添加剤が挙げられる。
上記したような原料から樹脂フィルムを製造するには、例えば、図1に示したような樹脂フィルムの製造装置1が用いられる。この装置は、熱可塑性樹脂を加熱溶融して押し出す押出機2と溶融状態の熱可塑性樹脂をフィルム状に成形するダイ3とからなる押出手段と、フィルム状の熱可塑性樹脂を上下から挟持し送り出し方向に回転しつつ冷却して、その外周面の形状を転写して樹脂フィルムとする第1の冷却ロール4及び押圧手段としての押圧ロール5からなる冷却成形手段と、を有し、さらに樹脂フィルムを冷却する第2の冷却ロール6と、冷却された樹脂フィルムをさらに後段に送る送りロール7と、から構成される。
押出機2は、上記した樹脂の原料を加熱溶融することにより熱可塑性樹脂を均質な状態とするものであり、通常の押出成形法で用いられるのと同様の構造を有するものが使用できる。例えば、図1に示したように、ペレット乾燥器や計量ホッパー8により上部から供給される熱可塑性樹脂を、回転するスクリューにより加熱溶融しながらダイ3に圧送する。
ダイ3は、押出機2から圧送された、溶融した熱可塑性樹脂を、溶融状態のままフィルム状に押出成形するもので、通常、Tダイが用いられる。ダイ3は、1種の溶融樹脂を単層で押し出す単層ダイであってもよいし、フィードブロックダイ、マルチマニホールドダイ等のように、それぞれ独立して押出機2から圧送された2種以上の溶融樹脂を積層して共押出しする多層ダイであってもよい。ダイ3から押し出されたフィルム状の溶融樹脂は、次に説明する、上下に対向配置された第1の冷却ロール4と押圧ロール5との間に挟み込まれる。
第1の冷却ロール4は、例えば、直径が250〜1000mm程度であり、外周面に凹凸形状が形成された金属製のロールである。具体的には、例えば、型ロール、梨地ロール、中空構造のスパイラルロール等のロール内部に流体、蒸気等を通してロール表面の温度を制御できる金属ロールが挙げられる。これら金属ロールの外周面には、押出機2から押し出された後、冷却されて固化しつつあるフィルム状の熱可塑性樹脂に転写するために、サンドブラストや彫刻等によって所定の凹凸形状が形成されている。
第1の冷却ロール4の外周面に形成される凹凸形状としては、最大粗さ(Rmax)で0.1〜10μmのマット形状の他、ピッチや高さが1μm〜3mmのプリズム形状、レンチキュラー形状やレンズ形状等、所望の特性をもたせるための凹凸形状等、要求される機能を有する樹脂フィルムに応じて所望の凹凸形状、凹凸パターンを採用できる。最大粗さ(Rmax)は、JIS B0601−2001に準拠して表面粗さ計で測定して得られる値である。
上記凹凸形状は、図2に第1の冷却ロール4のロール軸の垂直方向から見た図で示したように、第1の冷却ロール4の外周面のうち、両端部を除く中央部4a部分の外周面にのみ形成される。この凹凸形状が、製品となる樹脂フィルムの表面に転写され、上記した第1の冷却ロール4の凹凸形状とは反転した凹凸形状を有する表面形状が形成された樹脂フィルムが得られる。また、第1の冷却ロール4の外周面の内、両端部4bは鏡面加工されている。
このように第1の冷却ロール4の両端部4bを鏡面加工しておくことで、樹脂フィルム50はこの鏡面部分と密着し、冷却時に生じる樹脂フィルム50の収縮力に抗して樹脂フィルムの両縁部を第1の冷却ロール上に拘束する。これにより、樹脂フィルム50の両縁部のロール中央方向への収縮を抑制できる。ここで、鏡面加工とは、樹脂フィルムと密着できるように、外周面の最大粗さ(Rmax)を0.8μm以下の範囲とする加工を意味する。Rmaxが0.1μmであれば、実用的には充分である。
このとき、鏡面加工する範囲は、第1の冷却ロール4の両端から内側に、巻きかけられる樹脂フィルムの両端部が重なるように設ける。例えば、この鏡面加工の領域と樹脂フィルムの重なりは、それぞれ幅方向に30mm以上とするのが好ましく、樹脂フィルムの収縮を効果的に抑制でき、製品とする範囲も広くとれる点で50〜100mmがより好ましい。また、鏡面加工する範囲としては、端から第1の冷却ロール4の面長の5〜20%とする(例えば、全長1600mmの冷却ロールの場合、片端80〜320mmとする。)ことが生産性などの点で好ましい。鏡面加工する範囲は、例えば、右端150mm、左端200mmなどのように、左右端が同一でなくてもよいが、好ましくは、左右端が同一、又は左右端の差が50mm以内であることが好ましい。なお、ロールの面長とは、図2においてロール4の軸方向の最大長さをいう。
また、この第1の冷却ロール4の温度制御は、内部に流通する流体の温度を、PID制御やON−OFF制御等の公知の制御方法により、第1の冷却ロール4の表面温度を制御すればよい。
押圧ロール5は、例えば、直径が250〜1000mm程度であり、ゴムロール、金属弾性ロール等の外周面が弾性体からなる押圧ロールである。
ここで、ゴムロールとしては、例えば、シリコンゴムロールやフッ素ゴムロール等が挙げられ、離型性を上げるために砂を混ぜたものを採用することもできる。ゴムロールの硬度としては、JIS K6253に準拠して測定したショア硬度A50°〜A90°の範囲が好ましく用いられる。ゴムロールの硬度を上記所定の値にするには、例えば、ゴムロールを構成するゴムの架橋度や組成を調整することによって任意に行うことができる。
ここで、金属弾性ロールとは、ロールの内部がゴムで構成されているものや、流体を注入しているものが挙げられ、その外周部は屈曲性を持った金属製薄膜で構成されている。具体的には、シリコンゴムロールに厚さ0.2〜1mm程度の円筒形のステンレス鋼製薄膜を被覆したものや、水や油等の流体を注入しているものでは、厚さ2〜5mm程度のステンレス鋼製の円筒形薄膜をロール端部で固定し、内部に流体を封入した構造を有する。
この押圧ロール5は、温度制御可能に構成されており、ゴムロール及びゴムロールに円筒形の金属製薄膜を被覆した金属弾性ロールを温度制御するには、例えば、バックアップ冷却ロールを各ロールに取り付ければよい。また、内部に流体を封入した金属弾性ロールを温度制御するには、流体の温度を、例えば、PID制御やON−OFF制御等の公知の制御方法により制御すればよい。
このような押圧ロール5は、金属弾性ロールの金属製薄膜やゴムロールの表面形状は製造しようとする樹脂フィルムに応じて選択すればよい。すなわち、樹脂フィルムの片面のみエンボス加工する場合には、押圧ロール5の外周面は平滑なものとし、樹脂フィルムの両面をエンボス加工する場合には、押圧ロール5の外周面に第1の冷却ロール4と同様に凹凸形状を設ければよい。樹脂フィルムの両面にエンボス加工する場合、押圧ロール5の外周面の凹凸形状と、第1の冷却ロール4の外周面の凹凸形状は同様なパターンであってもよいし、異なるパターンであってもよい。
そして、押圧ロール5と、第1の冷却ロール4とは、上記ダイ3から押し出されたフィルム状の溶融樹脂に、第1の冷却ロール4及び押圧ロール5の表面形状を転写できるだけの所定の間隔をおいて平行配置される。この所定の間隔とは、押し出されるフィルム状の溶融樹脂に各ロールの表面形状が十分に転写できるように、適宜設定されればよい。
第2の冷却ロール6は、例えば、直径が250〜1000mm程度であり、金属ロール、ゴムロール等であって、外周面の温度制御が可能な冷却ロールである。この第2の冷却ロール6は任意の構成であり、第1の冷却ロール4及び押圧ロール5で表面形状が転写された樹脂フィルム50を、そのまま後述する送りロール7により送るように構成してもよい。
しかしながら、第1の冷却ロール4及び押圧ロール5により表面形状が転写された樹脂フィルム50を、第1の冷却ロール4に巻きかけながらこの第2の冷却ロール6を経由させると、樹脂フィルム50を段階的に緩やかに冷却できるので、樹脂フィルム50の光学的な歪みをより小さくできる。さらに、第1の冷却ロール4へ巻きかけることで、固化しつつある熱可塑性樹脂と第1の冷却ロール4の外周面との接触時間を安定して確保し、凹凸形状を安定して転写できる。
第2の冷却ロール6としては、上記の通り温度制御ができるものであれば特に限定されず、例えば、従来から押出成形で使用されている冷却ロールを採用できる。具体例としては、型ロール、梨地ロールやスパイラルロール等が挙げられる。第2の冷却ロール6の表面は、冷却して固化された樹脂フィルム50を滑らずに安定して巻きかけることができれば特に制限はなく、平滑であってもよく、凹凸形状を有していてもよい。なお、さらに第3、第4、…と複数の冷却ロールを用いて、さらに段階的に穏やかに冷却するようにしてもよい。
送りロール7は、例えば、直径が90〜150mm程度であり、金属ロール、ゴムロール等で形成される。この送りロール7は、冷却された樹脂フィルム50を安定して後段に送れればよく、その外周面は平滑でも、凹凸形状が形成されていてもよい。
なお、これらの第1の冷却ロール4、押圧ロール5、第2の冷却ロール6及び送りロール7は、押出機2から押し出されたフィルム状の熱可塑性樹脂に、ロールの表面形状を転写し、冷却して樹脂フィルムとし、これを引取り、後段に送る作業を安定に行うため、そのロールの幅は押し出される樹脂フィルムの幅よりも大きく、例えば、樹脂フィルムの幅より50〜100mm程度大きいものが好ましい。
また、送りロール7の後段には、樹脂フィルム50に必要に応じて様々な処理を施して製品とするために、製品厚みを検査するX線測定手段、異物検査手段、マスキングフィルムの挿し入れ手段、切断手段等を設けてもよい。さらに、途中にフィルムを一時的に滞留させるアキュームレーターなどの他のローラー類を設けると、ラインの一部の緊急停止等に対応でき好ましい。
次に、本発明の樹脂フィルムの製造方法について、図1の樹脂フィルムの製造装置1を用いた場合を例に説明する。
本発明においては、まず、ペレット乾燥器や計量ホッパー8により上部から供給される熱可塑性樹脂を加熱溶融し、回転するスクリューにより溶融した熱可塑性樹脂(溶融樹脂)を、押出機2からダイ3に圧送し、ダイ3から溶融樹脂をフィルム状に押し出す。押し出されたフィルム状の溶融樹脂は、上記した第1の冷却ロール4と押圧ロール5との間に挟み込まれて、第1の冷却ロール4と押圧ロール5の外周面形状が転写される。
ここで、第1の冷却ロール4及び押圧ロール5では、ロールの外周面の凹凸形状を転写するのと同時にフィルム状の溶融樹脂が冷却されて、冷却成形工程が施され、樹脂フィルム50として表面に凹凸形状が固定され、フィルム形状が安定する。しかし、樹脂の特性上、この冷却の際に収縮が生じ、主に樹脂フィルムの幅方向の収縮が製品の特性に影響を与える。
すなわち、従来のように冷却ロール4の外周面が全面凹凸形状であると、樹脂フィルムはロール表面をすべりながら収縮しフィルム幅が小さくなるが、このときロールの両端側で樹脂フィルムの滑りが大きく収縮の度合いが場所によって異なってしまう。すると、得られる樹脂フィルムの光学特性は、中央部と両端部で異なってしまい均質な樹脂フィルムが得られない。
一方、本願発明のように、第1の冷却ロール4の外周面の両端面を鏡面加工すると、第1の冷却ロール4の鏡面部分4bと接触している樹脂フィルムの両端部は、第1のロール4と密着し、樹脂フィルムは収縮力に抗しながら冷却される。すなわち、樹脂フィルムの冷却時に生じる幅方向の収縮を効果的に抑制して、中央部と両端部との光学特性を大きく変化させずに、均質な樹脂フィルムが得られる。
このように凹凸形状が転写された樹脂フィルム50は、第1の冷却ロール4に巻きかけられて、さらに、第2の冷却ロール6に巻きかけられて冷却される。さらに、第2の冷却ロール6に巻きかけながら、樹脂フィルム50は送りロール7により、さらに後段に送られる。
送りロール7により送られた後は、必要に応じて様々な処理を施して、最終的に巻芯等に巻き取って、ロール状物品として製品とする。ここで、必要に応じた処理とは、例えば、製品厚みの測定、異物検査、マスキングフィルム挿し入れ、切断等が挙げられる。
特に、本発明により得られる樹脂フィルム50は、図3に示したように、凹凸形状が転写された中央部50aと、鏡面に形成された両端部50bと、からなる。この樹脂フィルム50において、製品となるのは中央部50aであるから、切断手段等により不要な両端部50bを切断してからロール状物品とするのが好ましい。
また、送りロール7により送られた樹脂フィルム50は、ロール状物品ではなく所望の大きさに切断し、枚葉として扱ってもよい。
また、樹脂フィルム50には、製造時に余計なストレスを掛けないように、ダイ2から第1の冷却ロール4及び押圧ロール5までの間、第1の冷却ロール4から第2の冷却ロール6までの間、第2の冷却ロール6から送りロール7までの間、のように支持されない時間をできるだけ短くするために、それぞれの距離を可能な限り小さくすることが好ましい。
したがって、支持するものがないところでは、樹脂フィルム50が緩まずに張っていて、さらに、樹脂フィルム50の流れ方向にも延伸する力がかからないように、第1の冷却ロール4、押圧ロール5、第2の冷却ロール6、送りロール7等のロールの周速度が調整されるようにしておくことが均質な製品を得るために好ましい。
各ロールの周速度については、押出機の吐出量、フィルムの厚みや幅によって左右されるため、特に限定はされないが、通常、各ロールとも5〜30m/分であるのが好ましい。
また、第1の冷却ロールの表面温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移点をTgと表すと、(Tg−70〜Tg+30)℃とするのが好ましく、(Tg−60〜Tg+10)℃とするのがより好ましい。また、押圧ロールの表面温度は、(Tg−100〜Tg−50)℃とするのが好ましく、(Tg−90〜Tg−60)℃とするのがより好ましい。これら表面温度が低すぎると、第1の冷却ロール4の凹凸形状の転写が十分に行えず、樹脂フィルム50の凹凸形状にムラが生じ、十分な光学特性が得られなくなり、表面温度が高すぎると、光学的な歪みが大きくなってしまう。
第2の冷却ロールを用いる場合には、第1の冷却ロールの表面温度を(Tg−70〜Tg+30)℃、押圧ロールの表面温度を(Tg−100〜Tg−50)℃とし、第2の冷却ロールの温度を(Tg−100〜Tg−20)℃とすることが、レタデーション(位相差)を低く安定させる点で好ましい。
図1に示した態様では、第2の冷却ロール6が、第1の冷却ロール4の斜め下方に配置されているが、第1の冷却ロール4の鉛直下方に配置されていてもよい。また、第1の冷却ロール4と押圧ロール5の位置は、上下が逆転していてもよい。この場合、第2の冷却ロール6は、第1の冷却ロール4の斜め上方または鉛直上方に配置される。
さらに、図1では、水平配置されたダイ3から溶融樹脂が押し出されるが、図4に示すように、鉛直配置されたダイ3から溶融樹脂を押し出してもよい。この場合も、押圧ロール5としては、金属弾性ロールやゴムロールなどが好適に使用される。
図1および図4に示した態様では、押圧手段として押圧ロール5を用いているが、図5に示すように押圧手段として押圧ベルト15を用いてもよい。この押圧ベルト15は、金属製のシームレスベルトであることが好ましく、凹凸形状が付与されていることが好ましい。この押圧ベルト15では、押圧する際の接触面積がロールに比べて大幅に増え、歪みの低減に有効である。
図4及び5において、図1に記載した部品と同一機能を有する部品には、同一符号を付している。
図4及び5において、図1に記載した部品と同一機能を有する部品には、同一符号を付している。
なお、本発明の装置及び方法で得られる樹脂フィルム50は、光学的な歪み、具体的には、自動複屈折計により590nmにおけるリタデーション(以下、位相差ともいう)の測定範囲での最大値が、50nm以下、好ましくは20nm以下、より好ましくは15nm以下、10nm以下とすると特に好ましい。リタデーションが前記範囲で、かつ、リタデーションのバラツキが20nm以下が好ましく、前記バラツキが7nm以下がより好ましく、前記バラツキが5nm以下であると特に好ましい。なお、本明細書において、リタデーションのバラツキとは、測定範囲での最大値と最小値との差をいう。このとき、測定範囲は、例えば、フィルム端から100mmの範囲(以下、フィルム端部ともいう)とフィルム中央から均等に50mmの範囲(以下、フィルム中央部ともいう)とすればよい。ここにおいて、フィルム端とは、前述の本発明の製造方法により得られた樹脂フィルムにおいて、この樹脂フィルムの上記冷却ロールの鏡面加工部分が施された両端部との接触部(図3において50bの部分)を、あるいは当該接触部よりも内側のエンボス加工領域の端部側までも切断して切り取り去った場合には、残ったエンボス加工の施された樹脂フィルムの幅方向の端をいう。
フィルムの光学特性の均質性を重視する場合には、フィルム端から100mmの範囲のフィルム端部及びフィルム中央から均等に50mmの範囲のフィルム中央部のリタデーションの最大値が、共に15nm以下であると好ましく、13nm以下であるとより好ましく、10nm以下であると特に好ましい。なお、この場合、フィルム端部のリタデーションの最大値と、フィルム中央部のリタデーションの最大値とは、必ずしも同じでなくてもよい。例えば、フィルム端部のリタデーションの最大値を15nm以下とし、フィルム中央部のリタデーションの最大値を10nm以下と異なる値であってもよい。
さらに、本発明の装置及び方法で得られる樹脂フィルム50のヘイズ値は、用途によって適宜選択されればよい。たとえば、光拡散フィルムとする場合、通常は、ヘイズ値は50%以上であることが好ましい。
また、本発明の装置及び方法で得られる樹脂フィルム50の厚さは、たとえば、樹脂フィルム50が光拡散フィルムとして用いられる場合、30〜500μmの範囲が好ましい。厚さが30μm未満であると、本発明のロール構成では安定して樹脂フィルム50を得られず、500μmを超えると、フィルムとして取り扱うことが困難となる。樹脂フィルム50の厚みは、ダイ3から押し出されるフィルム状の溶融樹脂の厚み、第1の冷却ロール4と押圧ロール5との間隔等により調整できる。なお、樹脂フィルム50の幅としては、例えば、200〜2000mmが好ましい範囲として挙げられる。
一方、プリズムやレンチキュラーレンズとして用いられる場合は、樹脂フィルム50の厚さはおおよそ500μm〜2mmの範囲が好ましく、要求される用途に応じて適宜設定される。樹脂フィルム50の厚さが500μmを超える場合は、巻芯に巻きとったロール状物品として取り扱うことが容易でなくなるため、送りロール7から送られた後は所望の大きさに切断され、枚葉として取り扱うことが好ましい。
樹脂フィルム50は、表面に凹凸形状が形成され、光を散乱させる機能が付与されているので、例えば、拡散フィルム、輝度向上フィルム等の他、自動車内装用フィルム、照明用フィルム、建材用フィルム等に適用できる。また、凹凸形状として、所望のプリズム形状を形成することによりプリズムシートに、また所望のレンズ形状を付与することによりレンズシートやレンチキュラーレンズシート等に適用できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこの例に限定されないことは勿論である。なお、使用した樹脂フィルムの製造装置の構成は、次のとおりである。
・押出機2:スクリュー径110mm、一軸式。
・ダイ3:Tダイ、押出リップの幅1473mm、リップギャップ0.8mm。
・第1の冷却ロール4:外径400mmφで、幅は1677mm。外周面の内、両端部は、それぞれ223.5mmの幅で最大粗さ(Rmax)0.4μmに鏡面加工されており、それ以外の中央部(幅1230mm)はブラスト処理によって最大粗さ(Rmax)2μmの凹凸形状が形成されたステンレス鋼製の金属ロール(型ロール)。
・押圧ロール5:外径300mmφで、外周面は最大粗さ(Ra)1μmに研磨仕上げした硬度A70°のシリコンゴムロール。第1の冷却ロール4と平行配置した。
・第2の冷却ロール6:外径300mmφの耐熱ゴム製のゴムロール。
・送りロール7:外径150mmφのシリコンゴムロールからなる送りロール。
・ダイ3:Tダイ、押出リップの幅1473mm、リップギャップ0.8mm。
・第1の冷却ロール4:外径400mmφで、幅は1677mm。外周面の内、両端部は、それぞれ223.5mmの幅で最大粗さ(Rmax)0.4μmに鏡面加工されており、それ以外の中央部(幅1230mm)はブラスト処理によって最大粗さ(Rmax)2μmの凹凸形状が形成されたステンレス鋼製の金属ロール(型ロール)。
・押圧ロール5:外径300mmφで、外周面は最大粗さ(Ra)1μmに研磨仕上げした硬度A70°のシリコンゴムロール。第1の冷却ロール4と平行配置した。
・第2の冷却ロール6:外径300mmφの耐熱ゴム製のゴムロール。
・送りロール7:外径150mmφのシリコンゴムロールからなる送りロール。
押出機2、ダイ3、第1の冷却ロール4、押圧ロール5、第2の冷却ロール6、送りロール7を図1に示すように配置し、第1の冷却ロール4及び押圧ロール5を電動モータに接続して所定の周速度で回転するように構成し、第2の冷却ロール6及び送りロール7には駆動力を設けなかった。
(実施例1)
まず、芳香族ポリカーボネート樹脂〔住友ダウ社製、商品名:カリバー301−22;ガラス転移点(Tg):155℃〕を押出機2にて260℃の温度に加熱しながら溶融混練して得た樹脂組成物を、溶融状態のままダイ3からフィルム状に押し出した。この場合、得られたフィルムの幅は、空中で収縮するため、ダイ3の押出リップの幅1473mmより小さく、1380mmとなった。このフィルムと押出ロールの鏡面部との重なりは、両端部合わせて、1380−1230=150mmとなり、片方の端部では、その半分の75mmずつとなる。
まず、芳香族ポリカーボネート樹脂〔住友ダウ社製、商品名:カリバー301−22;ガラス転移点(Tg):155℃〕を押出機2にて260℃の温度に加熱しながら溶融混練して得た樹脂組成物を、溶融状態のままダイ3からフィルム状に押し出した。この場合、得られたフィルムの幅は、空中で収縮するため、ダイ3の押出リップの幅1473mmより小さく、1380mmとなった。このフィルムと押出ロールの鏡面部との重なりは、両端部合わせて、1380−1230=150mmとなり、片方の端部では、その半分の75mmずつとなる。
ついで、ダイ3から押し出されたフィルム状の樹脂組成物を、回転する第1の冷却ロール4と押圧ロール5との間に挟み込むように供給し、フィルム状の樹脂組成物を冷却しながら、その表面に第1の冷却ロール4の凹凸形状を転写して、樹脂フィルムに成形する。この樹脂フィルムを第2の冷却ロール6に巻き掛けながら、送りロール7によって順次、後段に送りながら冷却した。第1の冷却ロール4、押圧ロール5、第2の冷却ロール6は、内部に冷却水を循環させながら一定の温度となるようにしており、それぞれ循環させる水の設定温度を97℃、45℃、137℃とした。このとき、第1の冷却ロール4の表面温度は約95℃、押圧ロール5の表面温度は約70℃、第2の冷却ロール6の表面温度は約130℃であった。
第2の冷却ロール6を通過した樹脂フィルム50を図3の50aの状態でサンプリングし、幅1380mm、厚さ130μmの樹脂フィルムを得た。なお、ここで得られた樹脂フィルムは厚み精度も良好で、ここでは130μm±1μmであった。
(比較例1)
第1の冷却ロールとして、外周面の全面が凹凸形状を有するものとした以外は実施例1と同一の構成を有する樹脂フィルムの製造装置を用いて、実施例1と同条件で樹脂フィルムを得た。
第1の冷却ロールとして、外周面の全面が凹凸形状を有するものとした以外は実施例1と同一の構成を有する樹脂フィルムの製造装置を用いて、実施例1と同条件で樹脂フィルムを得た。
(試験例)
実施例1及び比較例1で得られた各樹脂フィルムについて、鏡面加工していないロール中央部分1230mmのさらに中央部分1200mmについてリタデーションの位置分布を測定し、その結果をそれぞれ図6及び図7に示した。
実施例1及び比較例1で得られた各樹脂フィルムについて、鏡面加工していないロール中央部分1230mmのさらに中央部分1200mmについてリタデーションの位置分布を測定し、その結果をそれぞれ図6及び図7に示した。
〔リタデーション〕
樹脂フィルムのリタデーションは、自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−CCD/X)により590nmにおける値を測定した。
樹脂フィルムのリタデーションは、自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−CCD/X)により590nmにおける値を測定した。
上記試験例の結果から、実施例1で得られた樹脂フィルムは、測定範囲でのリタデーションの最大値が約7nmであるのに対して、比較例1で得られた最大値は約18nmであった。実施例1のリタデーションのバラツキが約6nmであるのに対して、比較例1のリタデーションのバラツキは約11nmとバラツキが大きくなっていた。
また、実施例1のフィルム端部のリタデーションの最大値は約5nmであるのに対して、フィルム中央部でのリタデーションの最大値は約7nmで、光学的均質性が高いことがわかる。一方、比較例1のフィルム端部のリタデーションの最大値は約18nmであるのに対して、フィルム中央部でのリタデーションの最大値は約9nmで、実施例1に比べて光学的均質性が劣っていることがわかる。すなわち、本製造法により、リタデーションが小さく、しかも、光学的均質性の高いフィルムが簡便に得られることがわかる。
したがって、本発明によれば、冷却ロールとして外周面の両端面を鏡面加工するという簡便な構造のロールを用いるだけでフィルム表面に凹凸形状を付与し、かつ光学的な歪みの小さい樹脂フィルムが得られる。なお、実施例1において、48時間連続成形した場合においても、樹脂フィルムのリタデーションは10nm以下、偏差も5nm以内と安定していた。
また、実施例1のフィルム端部のリタデーションの最大値は約5nmであるのに対して、フィルム中央部でのリタデーションの最大値は約7nmで、光学的均質性が高いことがわかる。一方、比較例1のフィルム端部のリタデーションの最大値は約18nmであるのに対して、フィルム中央部でのリタデーションの最大値は約9nmで、実施例1に比べて光学的均質性が劣っていることがわかる。すなわち、本製造法により、リタデーションが小さく、しかも、光学的均質性の高いフィルムが簡便に得られることがわかる。
したがって、本発明によれば、冷却ロールとして外周面の両端面を鏡面加工するという簡便な構造のロールを用いるだけでフィルム表面に凹凸形状を付与し、かつ光学的な歪みの小さい樹脂フィルムが得られる。なお、実施例1において、48時間連続成形した場合においても、樹脂フィルムのリタデーションは10nm以下、偏差も5nm以内と安定していた。
本発明の樹脂フィルムの製造方法及び製造装置によれば、冷却ロール上でフィルム状の溶融樹脂の幅方向への収縮を抑制することで、製造される樹脂フィルムの光学的な歪みを抑え、位相差を低くでき、得られる樹脂フィルムの位相差の幅方向におけるバラツキも抑制でき、様々な用途の樹脂フィルムを均質に、かつ、製造歩留まりを良好に製造できる。
なお、2011年1月28日に出願された日本特許出願2011−016687号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
なお、2011年1月28日に出願された日本特許出願2011−016687号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1…樹脂フィルムの製造装置、2…押出機、3…ダイ、4…冷却ロール、5…押圧ロール、6…第2の冷却ロール、7…送りロール、8…ホッパー、15…押圧ベルト、50…樹脂フィルム
Claims (8)
- 溶融した熱可塑性樹脂をダイからフィルム状に押し出し、押し出されたフィルム状の熱可塑性樹脂を、両端部を除く外周面に凹凸形状が形成されるとともに前記両端部の外周面が鏡面加工された冷却ロールと前記冷却ロールと所定の間隔をおいて配置された押圧手段との間に、その両端部が前記冷却ロールの鏡面加工された両端部にかかるように供給する押出工程と、
前記フィルム状の熱可塑性樹脂を、前記押圧手段で前記冷却ロールに押し付けて、前記熱可塑性樹脂を冷却しつつ、表面に前記冷却ロールの凹凸形状を転写して前記熱可塑性樹脂を樹脂フィルムに成形する冷却成形工程と、
を有することを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。 - 前記押圧手段の外周面に、凹凸形状が形成されている押圧手段を用いる、請求項1記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 前記押圧手段が、押圧ロールまたは押圧ベルトであり、その外周面に凹凸形状が形成されている押圧ロールまたは押圧ベルトを用いる、請求項2記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 前記冷却成型工程の後、前記押圧手段から、第2の冷却ロールに巻きかけて樹脂フィルムをさらに冷却する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂がポリカーボネートである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 前記冷却成形工程に続いて、少なくとも前記冷却ロールの鏡面加工された両端部と接触した前記樹脂フィルムの両側部を切り取る切断工程を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 溶融した熱可塑性樹脂をフィルム状に押し出すダイを有する押出手段と、外周面に凹凸形状が形成された冷却ロールと前記冷却ロールと所定の間隔をおいて配置された押圧手段とを備え、前記押出手段で押出されたフィルム状の熱可塑性樹脂を前記冷却ロールと前記押圧手段との間で挟圧して、前記熱可塑性樹脂を冷却しつつ、表面に凹凸形状を転写する冷却成形手段と、を備えた樹脂フィルムの製造装置であって、
前記冷却ロールの凹凸形状が両端部を除く外周面に形成されており、前記両端部の外周面は鏡面加工とされていることを特徴とする樹脂フィルムの製造装置。 - 冷却成形手段の後段に、さらに他の冷却ロールを有する、請求項7に記載の樹脂フィルムの製造装置。
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