JP2009292116A - 光学フィルムロール、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融押出し製膜法で製膜され、長さが2000m〜10000mの光学フィルムのロールであって、該光学フィルムの内部には微粒子を実質的に含有せず、かつ、該光学フィルムロールの巻き外端から10mに位置する該光学フィルム中央部の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)をRa1、該光学フィルムロールの巻き芯端から10mに位置する該光学フィルム中央部の表面粗さをRa2とした場合、Ra1およびRa2いずれも0.5〜2.4nmであり、かつ、0.8≦Ra1/Ra2≦1.2であることを特徴とする光学フィルムロール及びその製造方法。
【選択図】なし
Description
式(A2) 1.0≦Y≦2.5
[式中、Xはアセチル基の置換度を表し、Yはプロピオニル基またはブチリル基の置換度を表す。]
3.前記1または2に記載の光学フィルムロールの製造方法であって、前記光学フィルムロールを構成する熱可塑性樹脂A層の両面に、該熱可塑性樹脂A層とは非接着性であり、微粒子を含有する熱可塑性樹脂B層とを配する積層共流延によって積層フィルムを製作し、フラットダイから3層積層された状態でフィルム状に押出し、該フラットダイから押し出された溶融物を冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら流延して積層体を形成させた後、該積層体から熱可塑性樹脂B層を剥離して熱可塑性樹脂A層からなる光学フィルムをロール状に巻き取ることを特徴とする光学フィルムロールの製造方法。
本発明では、光学フィルム(以後、単にフィルムともいう)本体には実質的に微粒子は含まず、該光学フィルムを構成する熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Aとは非接着性であり、かつ、微粒子を含有する熱可塑性樹脂Bとを両者とも溶融状態で層状に組合わせ、該熱可塑性樹脂A層の両側に該熱可塑性樹脂B層を配し、フラットダイから3層積層された状態でフィルム状に押出し、該フラットダイから押し出された溶融物を冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら流延し積層体BABを形成させた後、該積層体から熱可塑性樹脂B層を剥離して該光学フィルムを得ることにより、光学フィルム表面に微粒子及び微粒子に起因した表面形状を転写固定化することにより本発明の効果が得られるものである。尚、積層体BABとは、熱可塑性樹脂B層が熱可塑性樹脂A層をサンドウィッチ状に挟んだ層構成を意味する。
本発明で言う微粒子とは、フィルム中あるいはその表面に存在する平均粒径10μm未満の粒子を言い、主に無機微粒子である。無機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。中でも二酸化ケイ素が入手し易く好ましい。
本発明では冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら共流延することで、光学フィルム表面に微粒子及び微粒子に起因した表面形状を転写固定化するため、熱可塑性樹脂Bに対する微粒子含有量は通常の添加量よりも多くする必要があり、熱可塑性樹脂Bに対して微粒子含有量は1〜20質量%が好ましい。1質量%より少ないと効果が乏しく、20質量%を越えると溶融流延が困難となるおそれがある。また微粒子の一次粒径としては、0.5〜10μmが好ましい。0.5μm以下だと効果が乏しく、10μm以上だと剥離脱落が生じた場合、故障の原因となるおそれがある。
本発明の光学フィルムを構成する熱可塑性樹脂Aとしては、従来公知のものが挙げられ例えば、セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられるが、中でもセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂が好ましい。
本発明の積層されたフィルムは溶融流延法によって製造されるが、まず別々の押出機に熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bを供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂Aからなる層Aの両側に、同一種でも異なっていてもよい熱可塑性樹脂Bを含有する層Bを配し、該層A、Bをフラットダイから3層積層された状態でフィルム状に押出し、冷却し成形されることを特徴とする。
本発明は透明である光学フィルムに関するものであり、本発明で言う透明とは以下の測定法によって求めることが出来る内部ヘイズ値が0.0〜0.2の範囲にあることを指す。シリカ等無機微粒子を添加することによって内部ヘイズ値は一般に上昇するが、フィルム表面にのみシリカ等無機微粒子が存在、あるいは表面形状転写した場合には、表面ヘイズは上昇するが内部ヘイズは上昇しない。光学フィルムを用いて偏光板を作製する場合、接着剤の寄与もあり、透明性は内部ヘイズが重要視される。
製膜して巻き取られた2600m巻きのフィルムを巻き返しながら、巻外側から10mの位置および該巻芯側から10mの位置をサンプリングし、フィルム中央部の表面粗さを測定し、巻芯側をRa1、巻外側をRa2としてRa1/Ra2を算出した。
対物レンズ:50倍
中間レンズズーム:1倍
カメラ解像度:320×240 30Hz
Scan length:5μm(5sec)
最小変調許容値(min mod):7%
(動摩擦係数)
フィルム表面と裏面間の動摩擦係数は、JIS−K−7125(1987)に準じ、フィルムの表裏面が接触するように切り出し、200gのおもりを載せ、サンプル移動速度100mm/分、接触面積80mm×200mmの条件で重りを水平引っ張り、重りが移動中の平均荷重(F)を測定し、下記式より動摩擦係数(μm)を求めた。動摩擦係数が小さいほどスベリ性が良好で、0.85以下が好ましく、より好ましくは0.65以下である。
動摩擦係数=F(mN)/おもりの重さ(mN)
(巻取り)
本発明では、表層である非接着性の熱可塑性樹脂層(層B)を剥離して熱可塑性樹脂Aよりなる光学フィルムだけを巻き取ってもよいし、或いは該熱可塑性樹脂層を剥離せずに巻き取ってもよい。前者の場合は、最終的には不要な層Bを後工程に持ち込まず、製膜工程での再利用に有利である。一方後者の場合は、長期間に渡る保管中でもゴミの付着などを防げたり、偏光板作製時の傷防止用保護フィルムとしても使用出来る点では好ましいが、フィルムとしての厚みが増えるため、巻取りフィルム1本当たりの長さが短くならざるを得ない欠点も有するので、適宜判断すれば良い。
また、冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら冷却され得られたフィルムは、1つまたは複数のロール群及び/または赤外線ヒーター等の加熱装置を介して、再度加熱して長手もしくは幅手方向に一段または多段縦延伸後冷却することが出来る。この時、非接着性の熱可塑性樹脂層は、剥離しても剥離しなくてもよいが、傷防止の観点からは剥離しないで行うことが好ましい。
下記組成のセルロースエステルフィルム製造工程について、本発明の効果を検討した。
セルロースアセテートプロピオネート 100質量部
(80℃で6時間乾燥済み(水分率200ppm)のアセチル基の置換度1.65、プロピオニル基の置換度1.21、重量平均分子量170000)
ペンタエリスリトールテトラベンゾエート 8.0質量部
TINUVIN928(チバ・ジャパン(株)製) 1.5質量部
IRGANOX1010(チバ・ジャパン(株)製) 0.5質量部
SumilizerGS(住友化学(株)製) 0.2質量部
GSY−P101(堺化学工業(株)製) 0.25質量部
上記混合物を、真空ナウターミキサーで80℃、133Paで3時間混合しながら更に乾燥した。
次いで、このペレット1を用いて窒素雰囲気下、図1に示す2軸押出し機(B)2に供給し、フィルム状に成形した。このとき、2台の単軸押出し機(A)1と(C)3に熱可塑性樹脂BとしてポリプロピレンF704NP(出光石油化学社製)を供給して、共押出しダイを使用し、中心層にセルロースエステル、両表層にポリプロピレンが来るように成形した。図には省略したが、押出し機先端にフィルターとギヤポンプを設置している。
ペレット1を用い、2軸押出し機のみを用い、表層をつけずに厚みが80μmのセルロースフィルムを製膜した。ダイはコートハンガータイプ単層ダイを用いた。得られたフィルムを特開2006−240228号記載の方法と同様に、180℃に熱した表面粗さRa1.2μmの表面形状転写ロールと鏡面ロールとの間を線圧200kg/cmでニップすることにより、フィルム表面形状をフィルム両面に加工し、以下実施例1と同様に巻き取った。
ペレット1を用い、2軸押出し機のみを用い、表層をつけずにセルロースフィルムを製膜した。なお2軸押出し機の中間部に設けてある添加剤ホッパーの開口部から、すべり剤としてシリカ粒子(粒径1μm)を押出し量の0.2質量%となるように連続式フィーダーにより添加した。ダイはコートハンガータイプ単層ダイを用いた。
上記のようにして得られたフィルム3種を上述した、表面粗さの測定方法と、動摩擦係数の測定方法により測定し、結果を表1に示す。
ペレット1を用い、熱可塑性樹脂Bのマット剤を表2に記載の通りに変更し、実施例1のフィルムの作製と同様にして、光学フィルム2−1〜11を作製した。
実施例1のフィルム作製と同様にして、出来上がりのセルロースエステルフィルムの膜厚が110μmとなるように製膜し、得られた3層フィルムの表層は剥がさずに、ロール式長手方向延伸機にて150℃に加熱して1.6倍に延伸した。次いで表層を剥がし、テンターに導き165℃で幅手方向に1.7倍延伸して、膜厚が40μmとなる光学フィルム2−12を形成した。
2 2軸押出し機B
3 単軸押出し機C
4 共押出しダイ
5 回転支持体(第1冷却ロール)
6 挟圧回転体(弾性タッチロール)
7 回転支持体(第2冷却ロール)
8 回転支持体(第3冷却ロール)
9 剥離ロール
10 巻取り装置
Claims (4)
- 溶融押出し製膜法で製膜され、長さが2000m〜10000mの光学フィルムのロールであって、該光学フィルムの内部には微粒子を実質的に含有せず、かつ、該光学フィルムロールの巻き外端から10mに位置する該光学フィルム中央部の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)をRa1、該光学フィルムロールの巻き芯端から10mに位置する該光学フィルム中央部の表面粗さをRa2とした場合、Ra1およびRa2いずれも0.5〜2.4nmであり、かつ、0.8≦Ra1/Ra2≦1.2であることを特徴とする光学フィルムロール。
- 前記光学フィルムロールは主成分が、下記式(A1)及び(A2)を同時に満足するセルロースエステルであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムロール。
式(A1) 2.0≦X+Y≦3.0
式(A2) 1.0≦Y≦2.5
[式中、Xはアセチル基の置換度を表し、Yはプロピオニル基またはブチリル基の置換度を表す。] - 請求項1または2に記載の光学フィルムロールの製造方法であって、前記光学フィルムロールを構成する熱可塑性樹脂A層の両面に、該熱可塑性樹脂A層とは非接着性であり、微粒子を含有する熱可塑性樹脂B層とを配する積層共流延によって積層フィルムを製作し、フラットダイから3層積層された状態でフィルム状に押出し、該フラットダイから押し出された溶融物を冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら流延して積層体を形成させた後、該積層体から熱可塑性樹脂B層を剥離して熱可塑性樹脂A層からなる光学フィルムをロール状に巻き取ることを特徴とする光学フィルムロールの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂B層の微粒子含有量は1〜20質量%であり、かつ微粒子の一次粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項3に記載の光学フィルムロールの製造方法。
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JP2008150302A JP2009292116A (ja) | 2008-06-09 | 2008-06-09 | 光学フィルムロール、及びその製造方法 |
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JP2013152430A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-08-08 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、積層フィルム、及びそれらの製造方法 |
JP2013190757A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-26 | Nippon Zeon Co Ltd | 光学フィルム、及び光学フィルムの製造方法 |
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2008
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