JP2004074080A - 汚泥濃縮方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】濾過体内の汚泥フロックが重力落下によるフロック破壊を生じることなく回収され、連続的な濃縮処理を有効適切に行わせることのできる汚泥濃縮方法および装置を提供する。
【構成】濾水受水槽15内に浸漬された濾過体1で濾過さらた濾水を液中は流出させると共に水分量の低くなった濃縮汚泥を槽外へ排出させ、更に、濾水受水槽15内の水位増減操作によって濾過体1への外圧を増減させることで、濾過体1内へ送り込まれる汚泥原水の濃度および性状に対応し、また、槽外へ送りだされる濃縮汚泥の濃縮調整を行わせる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は例えば、オキシデーションディッチ法等に代表される比較的小規模の下水処理作業において発生する懸濁微粒子を含む汚泥原水を、低濃度の状態から高濃度の汚泥に濃縮させるための汚泥濃縮方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記各細隙が濾水流出溝となる筒状の濾過体を気中に横設し、該濾過の始端開口部を汚泥原水の送り込み口とし終端開口部を濃縮汚泥の送り出しとして、中心孔にスクリューコンベアを嵌装させた汚泥濃縮装置は従来から存在する。
【0003】
そしてス送り込み口から濾過体内へ送り込まれた汚泥原水がスクリューコンベアの駆動によりスクリューブレードに沿って旋回しながら軸方向へ前進する過程において、濾過された濾水は濾水流出溝より落下すると共に濃縮されて水分量の低くなった濃縮汚泥は前方の送り出し口から順次排出されて次工程部門へ送られるのであるが、濾水流出溝から落下する濾水は一旦受皿上へ受溜められたのち、一定の処理を施して再び送り込み口から新たな汚泥原水と共に濾過体内へ送り込ませるものであるため、汚泥フロックが破壊されていないことが望ましいのである。
【0004】
しかし気中設置の濾過体から濾水を重力落下させるという従来の方法では、汚泥フロックの破壊が生じることは避けられない。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的は、濾過体内の汚泥フロックが重力落下によるフロック破壊を生じることなく回収され、連続的な濃縮処理を有効適切に行わせることのできる汚泥濃縮方法および装置を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】
本発明に係る請求項1記載の汚泥濃縮方法では、多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記各細隙を濾水流出溝とする筒状の濾過体に形成し該濾過体の中心孔にスクリューコンベアを嵌装して、汚泥原水の送り込み口を水面上へ導出させると共に濃縮汚泥の送り出し口を槽外へ導出させた状態で濾過体部分を濾水受水槽内に浸漬し、少量の凝集剤を添加して送り込み口から濾過体内へ送り込まれた汚泥原水がスクリューコンベアの駆動によりスクリューブレードに沿って旋回しながら軸方向へ前進する過程において濾過された濾水を濾水流出溝より濾水受水槽内の液中へ流出させると共に、水分量の低くなった濃縮汚泥を前方の送り出し口から槽外へ排出させる。本発明に係る請求項2記載の汚泥濃縮方法では、請求項1記載の汚泥濃縮方法に加え濾水受水槽内の水位調整により濾過体への外圧を増減させることを要件としている。本発明に係る請求項3記載の汚泥濃縮装置では、多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記各細隙を濾水流出溝とする筒状の濾過体に形成し該濾過体の中心孔にスクリューコンベアを嵌装して、汚泥原水の送り込み口を水面上へ導出させると共に濃縮汚泥の送り出し口を槽該へ導出させた状態で濾過体部分を濾水受水槽内に浸漬させるよう構成した。本発明に係る請求項4記載の汚泥濃縮装置では、請求項3記載の汚泥濃縮装置の構成に加え濾水受水槽に浸漬されている濾過体への外圧を増減させるための水位調整手段が設けられている。
【0007】
【実施例】
以下の図1ないし図3の実施例により説明をする。
【0008】
1は筒状の濾過体であり、多数枚の環状濾過プレート2・・2を互に細隙を隔てて積層状に配列させ、上記各細隙を濾水流出溝4・・4として該細隙4・・4にそれぞれ目詰り防止用の環状可動プレート3・・3を遊嵌させた態様で濾水受水槽15内に浸漬される。各環状濾過プレート2・・2の外周には例えば各環状可動プレート3・・3の外周偏心回転軌跡よりも外方に張出された座部5・・5を有し、該座部5・・5に付設された間隔保持具6・・6により、各環状濾過プレート2・・2間の前記細隙を各環状可動プレート3・・3の肉厚よりも僅かに大きく保持させるよう規整する。7・・7は各座部5・・5を支承する固定体であり,濾過体1の外側に沿うように各環状可動プレート3・・3と非接触状態を保って架設されている。
【0009】
濾水受水槽15内における濾過体1の始端開口部は汚泥原水の送り込み口8として水面上へ導出され、終端開口部は濃縮汚泥の送り出し口9として槽外へ導出され、中心孔10にはスクリューコンベア11を嵌装する。12は受水槽15内の水位調整手段であり、例えば図1に例示されているよう水抜管の上端開口縁の高さを調節し、或いは槽壁の一部を調節可能な越流堰構造とするなどにより、濾過体1への外圧を増減し得るよう構成する。13はスクリューコンベア11を駆動するための原動機、14は送り出し口9に付設された吐出圧調整弁である。
【0010】
一例として図2および図3の実施例のように、スクリューコンベア11はスクリューブレード11Bの外径が環状濾過プレート2の内径よりは小径で、環状可動プレート3の内径よりも大きく形成されており、駆動時にはスクリューブレード11Bの外縁が環状可動プレート3・・3の内周部へ斜交状に摺接して該環状可動プレート3・・3を偏心回転させることにより、濾水流出溝4・・4の目詰りを防止する。該環状可動プレート3・・3を偏心回転させる別の実施態様として、スクリューブレード11Bの外径が環状濾過プレート2・・2および環状可動プレート3・・3の内径よりも若干小径に形成されており、スクリューコンベア11の駆動と連動して濾過体1の外側に配設された偏心回転軸(図示せず)が偏心回転運動をし、環状可動プレート3・・3を偏心させるという方式であってもよい。なお、本発明は、環状可動プレート3・・3による目詰り防止機能を有しないものについても適用し得ることは勿論である。
【0011】
原動機13を駆動させると濾水受水槽15内の液中においてスクリューコンベア11が回転し,ごく少量の凝集剤を添加して送り込み口8から濾過体1内へ送り込まれた汚水原水がスクリューブレード11Bに沿って旋回しながら軸方向へ前進する過程において、濾過された濾水は濾水流出溝4・・4より流出すると共に濃縮されて水分量の低くなった濃縮汚泥は前方の送り出し口9から順次排出されるのであるが、濾水流出溝4・・4は受水槽15内の液中へ連通されているので濾過体1内の汚泥フロックは緩やかに沈降し、気中での重力落下の場合のようにフロック破壊を生じることがない。以上は運転に先立ち濾水受水槽15内に予め給水を施した事例であるが、濾水受水槽15内が空の状態で運転した場合、初期段階では濾水が気中落下の状態となるが、運転の進行に従い受水槽15内に濾水が溜められ水位が上昇して濾過体1は液中に浸漬された状態となり液中での濾過濃縮作業が継続されることになる。そして受水槽15内は水位調整手段12によって常に適正水位に保持される。
【0012】
濾過体1への外圧は濾水受水槽15内の水位調整により増減させることができる。従って、送り込み口8から送り込まれる汚泥原水の濃度および性状に対応させて濾水受水槽15内の水位調整により濾過体1内への外圧を増減させる。また、送り出し口9から排出される濃縮汚泥の濃度を高めようとする場合には槽内水位を低くして濾過体1への外圧を減少させ、送り出し口9から排出される濃縮汚泥の濃度を下げようとする場合には槽内水位を高くして濾過体1への外圧を増大させればよい。そして槽内水位の増減は水位調整手段12の操作により行われる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、濾過体外周の濾水流出溝が濾水受水槽内の液中と連通されることになるので、濾過体内の汚泥フロックは緩やかに沈降し、気中での重力落下の場合のようなフロック破壊を生じることなく回収され、連続的に濃縮処理を有効に行わせることができる。更に、濾水受水槽内の水位増減によって、濾過体内へ送り込まれる汚泥原水の濃度および性状に対応し、また、槽外へ送り出される濃縮汚泥の濃度調整も可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成を略示した縦断側面図である。
【図2】本発明装置における濾過体部分の要部縦断側面図である。
【図3】本発明装置における濾過体部分の縦断正面図である。
【符号の説明】
1   筒状の濾過体
2   環状濾過プレート
4   濾水流出溝
8   汚泥原水の送り込み口
9   濃縮汚泥の送り出し口
10   濾過体の中心孔
11   スクリューコンベア
11B  スクリューブレード
12   水位調整手段
15   濾水受水槽

Claims (4)

  1. 多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記各細隙を濾水流出溝とする筒状の濾過体に形成し該濾過体の中心孔にスクリューコンベアを嵌装して、汚泥原水の送り込み口を水面上へ導出させると共に濃縮汚泥の送り出し口を槽外へ導出させた状態で濾過体部分を濾水受水槽内に浸漬し、少量の凝集剤を添加して送り込み口から濾過体内へ送り込まれた汚泥原水がスクリューコンベアの駆動によりスクリューブレードに沿って旋回しながら軸方向へ前進する過程において濾過された濾水を濾水流出溝より濾水受水槽内の液中へ流出させると共に、水分量の低くなった濃縮汚泥を前方の送り出し口から槽外へ排出させることを特徴とする汚泥濃縮方法。
  2. 濾水受水槽内の水位調整により濾過体への外圧を増減させることを特徴とする請求項1記載の汚泥濃縮方法。
  3. 多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記各細隙を濾水流出溝とする筒状の濾過体に形成し該濾過体の中心孔にスクリューコンベアを嵌装して、汚泥原水の送り込み口を水面上へ導出させると共に濃縮汚泥の送り出し口を槽外へ導出させた状態で濾過体部分を濾水受水槽内に浸漬させるよう構成したことを特徴とする汚泥濃縮装置。
  4. 濾水受水槽に浸漬されている濾過体への外圧を増減させるための水位調整手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の汚泥濃縮装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101872079B1 (ko) * 2016-03-09 2018-08-03 주식회사 아이삭 유기성 폐기물 슬러지의 농축농도 조절방법 및 그 장치
JP2019147116A (ja) * 2018-02-28 2019-09-05 住友重機械エンバイロメント株式会社 濃縮機及び濃縮方法

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